JP4758825B2 - 軽量・ソフトコンクリート - Google Patents

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本発明は、硬化体自重の60%以上の水量を吸収できる高吸水能力と、多量の水を吸収した状態でも水より軽い軽量性と、吸水状態から水が蒸発し易い放水性と、そして成形加工等のし易いソフトな性質を兼備した軽量・ソフトコンクリートに関する。
特許文献1に記載のように、植物繊維を適量配合したセメント硬化体は適度な保水性と吸水性を有することが知られている。この保水機能により、植物繊維配合のモルタル・コンクリートは、従来のモルタル・コンクリート製品や構造物とは異なり、動植物の生息環境に害を及ぼすことが緩和されると共に、土壌と同じような高温化防止機能を果たすことができる点で、環境適合材料として期待されている。
特許文献2には、この種の植物繊維配合コンクリートによって動植物着生用ブロックを形成する例が記載されており、そのさい、セメントとしてMgOおよびP25を主成分とする低pHセメントを用いることによって、動植物の生息環境に害を及ぼすことが一層緩和されると教示している。
特開2002−173353号公報 特開2003−265039号公報
特許文献1や2の植物繊維配合コンクリートは、保水性および吸水性に優れるものであるが、その飽水状態での含水率はほぼ30%程度が限界である。コンクリートの特徴である圧縮強度を適当に維持しながら含水率や吸水機能をそれ以上に高めることは事実上できなかったし、また、これらの特許文献では意図されていなかった。
しかし、屋上緑化や壁面緑化に適応したコンクリート基板等ではさらに高い含水率や吸水機能を有することが望ましく、また多くの水を吸水しそして吸水した水を簡単に放出できるコンクリートは、動植物の生息用のみならず、ヒートアイランド防止、水防、水の浄化、吸湿、防火、防温、防熱、防音等において様々な用途が期待される。
したがって、本発明は特許文献1や2の限界を超えて、高い含水率を有し且つ成形のし易いコンクリートを得ることを目的としたものである。
本発明によれば、軽量粗骨材および軽量細骨材を配合した軽量コンクリートのセメントマトリックス硬化体中に、植物繊維で軽量粗骨材の粒子間が連絡された通水網組織を形成してなる軽量・ソフトコンクリートであって、乾燥重量をW1、飽水重量をW2としたとき、含水率(%)〔=100×(W2−W1)/W1〕が60%以上を示し且つ含水率60%のときの比重が1以下である軽量・ソフトコンクリートを提供する。ここで、乾燥重量W1は30cm×30cm×厚み3cmの平板状供試体を20℃で相対湿度50%の気中に30日間放置したときの該供試体の質量を、また、飽水重量W2は前記の供試体を前記の乾燥重量W1の状態から水中に10時間投入したときの飽水供試体の質量をいう。
軽量粗骨材は平均粒径が5〜8mmの範囲にあり且つ表乾比重が1.0以下の多孔質の軽量粗骨材であるのが望ましく、代表的なものとして例えばゼオライトが挙げられる。軽量細骨材は表乾比重が0.25以下の多孔質の軽量細骨材であるのが望ましく、代表的なものとしては例えばバーミキュライトが挙げられる。セメントとしてはMgOおよびP25を主成分とする低pHセメントを用いることができ、植物繊維としては代表的には綿が挙げられる。
本発明に従う軽量・ソフトコンクリートは、含水率60%以上、場合によっては70%以上を示し、また乾燥状態からの水の吸収と、飽水状態からの水の蒸発が迅速に行われるという特徴がある。例えば乾燥状態から飽水状態までの吸水速度(コンクリート1Kgについて単位時間(1時間)当りに吸水する水量)は吸水初期には0.082Kg/Hr以上となり、また、飽水状態からの水の蒸発速度(コンクリート1Kgについて単位時間(1時間)当りに蒸発する水量)は0.0015Kg/Hrとなって、吸放水が著しく良好に行われる。実際には飽水重量W2を有する該平板状供試体を20℃で相対湿度50%の気中に10日間放置したときには、含水率(%)は30%以下にまで低下する。そして、このような軽量で高吸水性・早乾性に加えて、圧縮強度が0.1〜5.0N/mm2、曲げ強度が0.1〜1.0N/mm2の範囲にあり、硬化体を削ったり鋸等で切断できるようなソフトな性質を有する。
本発明者らは、特許文献1や2に記載したように植物繊維を配合したモルタル・コンクリートは良好な保水性・吸水性を示すことを知見した。この知見をもとにその後も一層新たな諸性質をモルタル・コンクリートに付与することを目的として種々の試験研究を重ねてきた。その結果、適切な軽量粗骨材と軽量細骨材を使用し、植物繊維が多孔質の軽量粗骨材の粒子間を繋ぐように分散させれば、硬化体中での水の挙動が従来のものでは予測できないような高い流動性を示すことがわかった。
多孔質な軽量骨材はそれ自身で高い保水性を有する。したがって、これを用いた軽量コンクリートはそれなりに吸水性を有する。しかし、それだけでは高い含水率と蒸発性能を有することには限界がある。ところが、適切な植物繊維を適切に配合すると軽量骨材の粒子間の水の流通が起こり易くなることがその理由であると考えられるが、硬化体中に水の移動が自由に行われるような通水網組織が形成され、予想を超える高い含水率を示す吸放水性の良好なコンクリートが得られることがわかった。
すなわち、軽量粗骨材と軽量細骨材を配合した軽量コンクリートに、綿等の植物繊維を配合することにより、そのセメントマトリックス硬化体中に、軽量粗骨材の粒子間が植物繊維を介して連絡された通水網組織を形成することができ、この通水網組織によって、含水率が60%以上、場合によっては70%以上を示し、且つコンクリート中で水が良好に拡散する特異なコンクリート硬化体が得られることが判明した。
含水率は、コンクリートの単位重量に対する含水量の割合を言うが、試験片の大きさや形状、さらには測定環境によっても変動することがあるので、本明細書では、次のように定義する。
30cm×30cm×厚み3cmの平板状供試体を20℃で相対湿度50%の気中に30日間放置したときの該供試体の質量を乾燥重量W1とし、該供試体を前記の乾燥重量W1の状態から水中に10時間投入したときの飽水供試体の質量を飽水重量W2とし、含水率を下式によって求める。
含水率(%)=100×(W2−W1)/W1
前記の通水網組織を形成した本発明のコンクリートは、この含水率が60%の状態でも比重が1以下、場合によっては含水率70%でも比重が1以下の軽量なものである。すなわち、十分に飽水しても水に浮く軽量なコンクリートであり、しかも、この飽水状態のものを気中に放置すると、内部の水分も表面に移行して蒸発が活発に進行するようになる。すなわち、コンクリート中での水の拡散が良好に行われる。このことは、水の濃度勾配が発生するとその濃度勾配が低下する方向に水が流れることを意味するが、この水の流通が植物繊維を介して迅速に行われるものと考えられる。綿などの植物繊維はそれ自身が吸水機能を有するが、その植物繊維がセメントマトリックス中の多孔質の軽量骨材間を結ぶ通水通路となり、この植物繊維の通水通路が軽量骨材間を網目状に立体的にゆきわたることにより(通水網組織が形成されることにより)、水の濃度勾配がなくなる方向に水が自在に拡散するものと考えられる。この場合、植物繊維だけがセメントマトリックス中に分散しているだけでは不十分であり、軽量粗骨材が貯水部として該マトリックス中に点在することが肝要であり、かつ個々の植物繊維の周囲にも軽量細骨材が存在することが水の流通と保水に有利に作用する。
加えて、この通水網組織を形成している植物繊維は、水拡散の機能のほかに、軽量コンクリートの強度特性や成形特性にも大きな影響を与え、圧縮強度が0.1〜5.0N/mm2、曲げ強度が0.1〜1.0N/mm2の強度特性と、削ったり鋸による切断ができる成形加工性を付与する。このため、従来のコンクリート製品ではなしえなかった様々な分野への用途の拡大が可能である。
本発明に従う軽量・ソフトコンクリートは、前記のように植物繊維によって軽量粗骨材間を連絡する通水網組織をセメントマトリックス硬化体中に形成した点に特徴を有しているが、このようなセメント硬化体を形成するための結合材としては通常のポルトランド系セメントをはじめとして各種のセメントを使用することが可能であり、とくにMgOおよびP25を主成分とする低pHセメントを用いることもでき、この場合には低pH(低アルカリ)の土に近い性状を示すコンクリートとなり自然環境保護に適合したものが得られる。
軽量粗骨材としては平均粒径が5〜8mmの範囲にあり且つ表乾比重が1.0以下の多孔質の軽量粗骨材であるのが望ましく、代表的なものとしてゼオライトが挙げられる。軽量細骨材は表乾比重が0.25以下の多孔質の軽量細骨材であるのが望ましく、代表的なものとしてバーミキュライトが挙げられる。植物繊維としては綿が適切である。綿以外にも、吸水性の良好な植物繊維であれば使用可能である。植物繊維の配合量としては、綿の場合、10〜80Kg/m3好ましくは15〜50Kg/m3の範囲とするのがよく、綿以外の場合にもほぼこれに相当する量で配合すればよい。植物繊維の配合量が多いほど通水網組織が密になるが、あまり多いと、骨材・セメント間の接合強度を低下させることにもなるので、80Kg/m3以下、好ましくは50Kg/m3以下とするのがよい。
植物繊維の使用にあたっては、その乾燥体をよくほぐした状態で使用するのがよい。植物繊維の性質上、その繊維一本一本の径や長さ、さらには表面状態や形状(針状か板状かなど)はランダムであるが、要するところ、その植物繊維の性質に応じてコンクリート中によく分散できるような寸法形状とすればよい。綿や麻を用いる場合には、長さがほぼ2〜15mmで、径がほぼ0.1〜1.0mm程度のものを練り混ぜ中の材料に少しづつ投入して分散させればよい。そのさい、水を混入する前の空練りを60秒以上行うことが好ましい。セメントペーストに植物繊維を先練りし、この植物繊維入りセメントペーストを軽量骨材と混り混ぜる方法も採用できる。
コンクリート用分散剤を使用して植物繊維の分散を促進させることも好ましい。使用できる分散剤には各種のものがあるが、例えば高性能減水剤が挙げられる。また、必要に応じて水溶性高分子等の増粘剤や酢酸ビニール系等の接着剤を使用することもできる。セメントとして、MgOおよびP25を主成分とする低pHセメントを用いる場合にはその結合促進剤例えば炭酸マグネシウム等を使用することも望ましい。低pHセメントとしては、例えば特開2001−200252号公報に記載された軽焼マグネシアを主成分とする土壌硬化剤組成物が挙げられる。またこれに相当する低pHセメントは商品名マグホワイトとして市場で入手できる。さらに、セメントの一部を、必要に応じて高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカヒュームなどで置換することもできる。
本発明に従う軽量・ソフトコンクリートを作製するための材料配合例を挙げると、例えば下記のものが例示できる。
低pHセメント(商品名マグホワイト):150±5重量部
軽量粗骨材(ゼオライト) :150±5重量部
軽量細骨材(バーミキュライト) :150±5重量部
植物繊維(綿) : 20±2重量部
水 :600±20重量部
混和剤として、
増粘剤(セルロースパウダー) : 7±1重量部
接着剤(モビニールDn2072) : 13±2重量部
結合促進剤(炭酸マグネシウム) : 30±3重量部
この配合によって30cm×30cm×厚み3cmの平板状供試体(材齢28日以上)を20℃で相対湿度50%の気中に30日間放置したときの該供試体の乾燥重量W1が例えば1700g以下(そのときの比重は1700/2700=0.63以下)、この乾燥重量の状態から水中に10時間投入したときの飽水供試体の飽水重量W2が例えば2700g以下(この時の比重は2700/2700=1以下)のものが得られる。
本発明の軽量・ソフトコンクリートは硬化体であっても、鋸で切断したり、切削等による加工が可能であるという特徴があるから、硬化体を自由に造形することができ、様々な造形コンクリート製品を作り出すことができる。
本発明の軽量・ソフトコンクリートは60%以上、場合によっては70%以上の含水率を示し且つ含水率60%のときの比重が1以下であるから、軽量で且つ多量の水を保有することができ、しかも、飽水状態からの水の蒸発が活発に行われ、セメントマトリックス中での水の流動が良好に行われるという特徴があるから、この特質を生かして、これまでのものにはない有用な用途を有する。
例えば、屋上等の荷重制限がある部分でのヒートアイランドに対して、緑化をせずに、保水性の材料を敷設し、建物内部への熱の侵入防止が求められている。通常、そのための部材は現在まで用意されておらず、そのため、空隙のあるポーラス状のコンクリート系ブロック(平板)やウッドチップ(木片)を固化したものが用いられているが、透水性は良いものの保水性は乏しく(10〜15%最大)且つ材料の吸水力は小さい。これに対して本発明の軽量ソフトコンクリートでは、後記の実施例3に示すように、低給水でも長時間にわたって表面温度が上昇せず且つ軽量であるので、このための材料として非常に好適である。
また、構造物壁面に太陽熱による高温化が生じる問題に対し、植物等を用いて低温化する方策も行われているが、その多くが植物への水の供給と根を保持するための装置の軽量化に問題を有しており、最小限の土壌(軽量土壌を含む)を保持する保水・吸水性の高い基盤材料が望まれている。このために、ピートモスとか木片等の素材を固化したものが提案されているが、これらは固化するために接着剤を使用しているため、その接着剤が素材を包むことで吸水・保水能力が低下し、また毛管作用の連続が分離されるために基盤に接する土壌への水分供給が適正に行われず、さらには排水性も不均質になって基盤内に水が残り、根部が過灌水になって根腐れの問題も生じている。このようなことは、本発明に従う材料を用いると一挙に解決できる。例えば、後記の実施例4や5に示すように、熱による表面温度の上昇が軽減され、且つ植物植栽用基盤として著しい適応能力を発揮する。とくに、通常のコンクリート成分によるセメントの高アルカリとは異なり、MgOおよびP25を主成分にしているため低pHを示すことで植物に対するアルカリ分の影響は少ない。
本発明の軽量・ソフトコンクリートの特異な用途して防火壁がある。このコンクリートで防火壁を形成すると、火災時に放水されたときに、この防火壁が貯水壁として機能する。このため、トンネルや地下構造物などの閉鎖空間を形成する材料や、石油タンク等の可燃性物質を貯蔵するための施設や構造物に対する耐火材料として有用である。
消防・耐火用機器としての利用も有益である。例えば消防ホースを操作している消防士の身体を火炎から保護するための楯を本発明の材料で構成し、この楯にノズルを取り付けて操作すると、楯自身が保水している状態で消防活動ができ、この場合には楯の表面温度が上昇しないので耐火用楯として有益である。すなわち、楯が水を含むことで低温化が促進する。楯の内部に水を通過させて、火災に近づく楯車に用いることもできる。水を湿潤しない時の重量は湿潤するときの50〜60%程度軽量になるから持ち運びやくす、その車を利用して人その他の担架車としても役立つ。また、防火扉や、構造物の内壁・外壁に利用すると、ここに水を供給する装置を付設することで、火災時の高温化を低減する装置となる。
さらに、本発明の軽量・ソフトコンクリートは護岸用としてもこれまでのものにはない作用効果を奏する。すなわち、コンクリート中をゆっくりと水が通過するので、急激な増水や背圧増加に対してゆっくりと緩和することができる。また、スラッジやヘドロなどの湿潤した産業廃棄物を収容する構造材に用いると、この構造材自身がろ過作用を供して水分だけを構造材の外側に放出させることができる。
ダムに堆積する砂泥を下流に徐々に流下させるために本発明材料を利用するこもできる。例えば、本件の材料に砂泥を混合し、比重を1以下にして浮体として流下させることができるし、比重を1以上にして柱状等のブロックにして河川中に設置することでもよい。この場合には自然に削れることで、砂泥を流下させることが可能になる。この削られる主因は配合中の植物繊維が本体表面に露出することにあり、この繊維が水流で引っ張られて削られて崩れる。
発泡スチロール等の合成樹脂による浮体や浮島は、時期がくれば廃棄する規定を設けている。この廃棄の問題は産業廃棄物等では処理が困難になって経費がかかる状況である。その代わりに本発明材料からなる浮体を用いることで廃棄の問題は解決される。すなわち本発明材料では土に戻すことが出来るだけでなく、加工も自由であり、さらに追加で添加することも可能であり、浮体の表面に撥水コーテイング剤を塗布することで浮体の耐久性が増す。特に発泡材とは異なり撥水材が浮体表面より(吸水能力によって)湿潤することでより強力なコーティング層が形成される。
〔実施例1〕
下記(1)に示す配合のコンクリートを練り混ぜ、得られた混練物から30cm×30cm×厚み3cmの平板状供試体と強度測定用供試体を作製した。
(1)軽量・ソフトコンクリートの配合
低pHセメント(商品名マグホワイト) :153重量部
軽量粗骨材(ゼオライト:3〜5mm) :153重量部
軽量細骨材(バーミキュライト(1〜2mm):153重量部
植物繊維(綿) : 20重量部
水 :610重量部
増粘剤(セルロースパウダー) : 7重量部
接着剤(モビニールDn2072) : 13重量部
結合促進剤(炭酸マグネシウム) : 30重量部
強度測定用供試体の材齢28日での圧縮強度は3.5N/mm2、曲げ強度は0.5N/mm2であった。また平板状供試体について材齢28日後において、本文記載の乾燥重量と飽和重量を測定したところ、乾燥重量W1=1500g、飽水重量W2=2475gであり、吸水率=65%であった。
〔実施例2〕
下記(2)に示す配合のコンクリートを練り混ぜ、得られた混練物から30cm×30cm×厚み3cmの平板状供試体と強度測定用供試体を作製した。
(2)軽量・ソフトコンクリートの配合
低pHセメント(商品名マグホワイト) :300重量部
軽量粗骨材(ゼオライト:3〜5mm) :140重量部
軽量細骨材(バーミキュライト:1〜2mm):140重量部
植物繊維(綿) : 20重量部
水 :650重量部
結合促進剤(炭酸マグネシウム) : 60重量部
強度測定用供試体の材齢28日での圧縮強度は3.5N/mm2、曲げ強度は0.5N/mm2であった。また平板状供試体について材齢28日後において、乾燥重量と飽和重量を測定したところ、乾燥重量W1=1573g(みかけ比重=0.58)、飽水重量W2=2739g(みかけ比重1.01)であり、含水率=74.1%であった。
飽水重量が2739gの供試体を20℃で湿度50%に維持した恒温恒湿槽に入れ、その重量の経時変化を計測した。その結果を表1に示した。また、図1にその含水率の経時変化を、図2に乾燥速度の経時変化を示した。
Figure 0004758825
表1および図1〜2から、飽水状態からの水の蒸発が頻繁に起こり、とくに飽水状態からの初期の乾燥速度が非常に速いことが明らかである。また、含水率が70%でもみかけ比重は1以下であること、飽水状態から10日後では含水率は30%以下にまで低下することがわかる。
〔実施例3〕
実施例2の配合のコンクリートで30cm×30cm×厚み3cmの平板状供試体(重量:1500g)を作製し、これを24時間水中に浸漬したあと、2日目から気温25〜30℃、湿度50〜60%の室内に設置し、平板の表面温度と含水率の変化を観測した。表面温度の測定は放射温度計を使用した。
比較のために、小砕石を用いた透水性ポーラスコンクリートと、ウッドチップの木片集積材とから、同じ形状寸法の平板を作製し、同じ試験に供した。その結果を表2に示した。
Figure 0004758825
表2の結果から、本発明の軽量・ソフトコンクリートの平板は表面温度が長時間にわたって上昇しないことがわかる。これに対して、透水性ポーラスコンクリートの平板では重量が重くて、屋根・屋上での敷設には向かず、温度の低下も認められない。またウッドチップ平板は軽量ではあるが、水はウッドチップ内部に入り込んで表面に出にくいため、表面温度は低下せず、また長時間の保水能力が小さいので低温化させるためにはさらに給水が必要である。本発明の軽量・ソフトコンクリートの平板では保水力が大きく平板全体での吸水・保水によって低温化が生じており、長期間の保水があるために低給水でよく他よりも効率のよい材料であり、加えて軽量でもあるので、屋上等の重量制限がある部分でのヒートアイランド対応材料として非常に好適であることがわかる。
〔実施例4〕
実施例2の配合のコンクリートで30cm×30cm×厚み3cmの平板状供試体(重量:1500g)を作製し、この乾燥状態の平板(表乾状態の平板という)を台上に垂直に設置した。そして、平均60℃の温風をこの垂直平板に対して1.5mの距離から直角方向に吹付け、さらに10分後からは平板の上辺に15℃の水を毎分1Lの流量で給水を開始した。そして温風の当たる表面温度と当たらない裏側の表面温度の変化を放射温度計によって測定した。その結果を表3に示した。
また、同じ平板に対し、実施例3と同様に24時間水中に浸漬して含水率70%としたもの(満水状態の平板という)についても台上に設置して同様に温風を吹き付けた。ただし、この場合には、終始平板の上部からの給水は行わずに、前記同様に表裏温度の変化を測定した。その結果を表3に示した。
比較のために、普通コンクリートを用いて同じ形状寸法の平板を作製し、その表乾状態の平板を台上に垂直に設置した。そして、前記の軽量・ソフトコンクリートの表乾状態の平板と同様の試験(温風吹付け開始から10分後に給水開始)を行ない、表裏温度の変化を測定した。その結果を表3に示した。
Figure 0004758825
表3の結果から明らかなように、普通コンクリートの平板では温風による高温化が著しく、給水を行っても低温化は生じない。これに対して、満水状態の本発明の軽量・ソフトコンクリートの平板では保水によって温度上昇が低減されて高温化の速度が遅れる状況を示した。また表乾状態の本発明の軽量・ソフトコンクリートの平板では、給水を行うと平板内にすぐに冷却水が導かれる結果、平板温度を低下させる状況が生じた。このように、事前に保水をさせてあることによる高温化の遅延と、給水による瞬間吸水による湿潤によって低温化する現象が認められた。特に保水・吸水による水が介在することで裏面は表面以上に低温化が起こることがわかる。
〔実施例5〕
実施例2の配合のコンクリートで15cm×20cm×6cmのブロック状供試体(重量:1200g)を作製し、このブロックの広面のほぼ中央部に直径6cmで深さ3cmの円形の窪みをほぼ等間隔に2個穿設した。この窪みに黒土を装填し、その黒土にクローバーの種子を入れたうえ24時間水中に置いた。水から引き上げたときの供試体の重量は1998gであり、含水率は66%であった。このものを室温20〜22℃で湿度50〜60%の光が当たる室内に放置して、供試体の重量変化・含水変化およびクローバーの生育状態の変化を観察した。その結果を表4に示した。
比較のために、同じブロック状供試体を、ピートモス主材の基質と木片主材の基質を用いて2種類作製し、前記と同様の試験を行った。それらの結果も表4に併記した。
Figure 0004758825
表4に見られるように、供試体の含水率は、3日目で(イ)のピートモスのものが6%、(ロ)の木片のものが15%、(ハ)の本発明例のものは43%を示し、窪みに設置した黒土は(ハ)のもの以外は乾燥状態になった。(ハ)でも黒土表面は乾いた状態であったが、内部は湿っていて、3日目には播いたクローバーが発芽した。そして6日目には根が下方へ、10日目にはクローバーと確認できる状態が、そして18日目にはさらに生育した。これは、保水による水分の供給が毛管作用によって黒土に移行し、クローバーの生育環境が創り出されたことを示している。また、水没して使用した(ハ)の基盤の使用でも、pHによる障害はなくクローバーの生育がみられた。すなわち(ハ)の本発明例のものは、植木鉢等の植栽用容器や基盤としてもpHの障害なく吸水と保水力によって植物は正常な育成・生長を行うことができる。
本発明に従う軽量・ソフトコンクリートの含水率の経時変化を示す図である。 本発明に従う軽量・ソフトコンクリートの乾燥速度の経時変化を示す図である。

Claims (8)

  1. 軽量粗骨材および軽量細骨材を配合した軽量コンクリートのセメントマトリックス硬化体中に、植物繊維で軽量粗骨材の粒子間が連絡された通水網組織を形成してなる軽量・ソフトコンクリートであって、乾燥重量をW1、飽水重量をW2としたとき、含水率(%)〔=100×(W2−W1)/W1〕が60%以上を示し且つ含水率60%のときの比重が1以下である軽量・ソフトコンクリート。
    但し、乾燥重量W1は30cm×30cm×厚み3cmの平板状供試体を20℃で相対湿度50%の気中に30日間放置したときの該供試体の質量を、また、飽水重量W2は前記の供試体を前記の乾燥重量W1の状態から水中に10時間投入したときの飽水供試体の質量をいう。
  2. 軽量粗骨材はゼオライトである請求項1に記載の軽量・ソフトコンクリート。
  3. 軽量細骨材はバーミキュライトである請求項1または2に記載の軽量・ソトフコンクリート。
  4. セメントとして、MgOおよびP25を主成分とする低pHセメントを用いた請求項1ないしのいずれかに記載の軽量・ソフトコンクリート。
  5. 植物繊維は綿である請求項1ないしのいずれかに記載の軽量・ソフトコンクリート。
  6. 含水率が70%以上を示し、含水率70%のときの比重が1以下である請求項ないしのいずれかに記載の軽量・ソフトコンクリート。
  7. 飽水重量W2を有する該平板状供試体を20℃で相対湿度50%の気中に10日間放置したとき、含水率(%)が30%以下にまで低下する請求項ないしのいずれかに記載の軽量・ソフトコンクリート。
  8. 圧縮強度が0.1〜5.0N/mm2、曲げ強度が0.1〜1.0N/mm2である請求項1ないしのいずれかに記載の軽量・ソフトコンクリート。
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