JP2021155296A - モルタルまたはコンクリート用組成物およびその成形品 - Google Patents

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克紀 綾野
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隆史 藤井
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涼一 河中
哲郎 橋野
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哲郎 橋野
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Abstract

【課題】短繊維を含有するとともに、凍結融解抵抗性に優れたモルタルまたはコンクリート用組成物およびその成形品を提供する。【解決手段】セメントを含む結合材と、細骨材と、短繊維と、水と、増粘剤とを含有してなるモルタルまたはコンクリート用組成物であって、JIS A 1148に記載の凍結融解試験方法に基づく凍結融解試験による、前記モルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における所定の凍結融解サイクルでの凍結融解抵抗性は、前記モルタルまたはコンクリート用組成物とは増粘剤を含まないことのみが異なるモルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における前記所定の凍結融解サイクルでの凍結融解抵抗性よりも優れる。【選択図】なし

Description

本発明は、短繊維を含有するモルタルまたはコンクリート用組成物およびその成形品に関するものである。
我が国に存在する橋長2m以上の道路橋は約73万橋で、建設後50年以上経過する橋梁は現在で約25%、2023年には約39%にも達する(例えば、非特許文献1を参照)。高速自動車道路に関しては、1963年に名神高速道路の栗東IC-尼崎IC間が開通して以来、現在整備された高速道路網は約9,000kmに及んでいるが、供用から30年以上が経過した橋梁の延長は全体の約40%を占める。いずれの橋梁も、建設当時より大型車交通量が増加するとともに、車両総重量も増加傾向にあり、先に述べた老朽化と相まって橋梁の劣化を顕在化させている要因である。
このような背景の中、高速道路橋梁の老朽化した鉄筋コンクリート床版の更新工事が盛んに行われている。その際、既存の鋼桁が負担する床板自重の増加を抑え、かつ橋梁建設当初よりも増加した設計荷重に耐えるために、プレストレストコンクリート(以降、PCという。)床版が採用される事例が多い。また、更新工事による道路規制期間を短縮するために、PC床版は工場等で製作されたプレキャスト(以降、PCaという。)製品を現場で架設する工法が多く採用されている。ここで、PC床板は橋梁下の交差条件によってはコンクリートの剥落防止対策が求められるが、昨今では三軸アラミドメッシュシートをコンクリート表面に埋め込む方法に対し、製造工場の生産性向上のために合成短繊維を添加したコンクリート(以降、短繊維コンクリートという。)を適用する事例も増えている。
短繊維コンクリートは従来からコンクリート構造物に多く適用されているが、既往の研究では、その凍結融解抵抗性は短繊維無添加のコンクリートと同等であるという調査結果(非特許文献2を参照)が多い一方で、劣る場合があるという結果(非特許文献3を参照)も報告されている。
一方、増粘剤を添加するとコンクリートの凍結融解抵抗性が低下することも知られている(例えば、非特許文献4を参照)。
国土交通省編:第II部第2章第2節 社会資本の老朽化対策など、令和元年版 国土交通白書、p.110、2019 矢吹増男:コンクリート補強用ポリプロピレン繊維の剥落防止効果に関する研究、博士論文、岡山大学、pp.37-39、2004 吉田行、田口史雄、山崎勲:ポリプロピレン補強繊維コンクリートの圧縮強度および凍結融解抵抗性、北海道開発土木研究所月報、No.608、2004 須藤祐司、鮎田耕一、佐原晴也、竹下治之:増粘剤を添加した高流動コンクリートの耐凍害性に関する基礎的研究、コンクリート工学年次論文報告集、Vol.14、No.1、pp.1003-1008、1992
ところで、PC床板のように製造工程の短縮を求められる工場製品では、早強ポルトランドセメントを採用した富配合のコンクリートを用い、蒸気養生を併用する場合が多い。しかし、これらの配合や製造方法が短繊維コンクリートの凍結融解抵抗性に及ぼす影響については未知である。
そこで、本発明者が、ポリプロピレン(以降、PPという。)短繊維を添加したPCaPC製品向けコンクリートについて塩水を用いた凍結融解試験を行ったところ、3%以上のエントレインドエアが混入されていても,PP短繊維を混入したコンクリートの凍結融解抵抗性は、短繊維を添加していないコンクリートより劣ること、その原因が短繊維によってコンクリート中に溜め込まれる余剰水に起因していると推察されること、そして凍結融解抵抗性の改善策としては増粘剤を添加することが有効であることを見出した。本発明者は以上のような知見に基づき、以下の本発明に至った。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、短繊維を含有するとともに、凍結融解抵抗性に優れたモルタルまたはコンクリート用組成物およびその成形品を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモルタルまたはコンクリート用組成物は、セメントを含む結合材と、細骨材と、短繊維と、水と、増粘剤とを含有してなるモルタルまたはコンクリート用組成物であって、JIS A 1148に記載の凍結融解試験方法に基づく凍結融解試験による、前記モルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における所定の凍結融解サイクルでの凍結融解抵抗性は、前記モルタルまたはコンクリート用組成物とは増粘剤を含まないことのみが異なるモルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における前記所定の凍結融解サイクルでの凍結融解抵抗性よりも優れることを特徴とする。
また、本発明に係る他のモルタルまたはコンクリート用組成物は、上述した発明において、凍結融解抵抗性を表す指標が、相対動弾性係数、耐久性指数、質量減少率または圧縮強度比であることを特徴とする。
また、本発明に係る他のモルタルまたはコンクリート用組成物は、上述した発明において、短繊維が、ポリプロピレン短繊維であることを特徴とする。
また、本発明に係る他のモルタルまたはコンクリート用組成物は、上述した発明において、短繊維の繊度が、30〜2000dtであることを特徴とする。
また、本発明に係る成形品は、上述したモルタルまたはコンクリート用組成物を成形してなる成形品である。
本発明に係るモルタルまたはコンクリート用組成物によれば、短繊維を添加したモルタルまたはコンクリートでも、増粘剤を添加することで凍結融解抵抗性を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、凍結融解試験に用いたコンクリートの配合を示すテーブル図である。 図2は、ブリーディング試験に用いたコンクリートの配合を示すテーブル図である。 図3は、試験に用いた2種類のPP短繊維を示す写真図であり、(a)は2,000dt-30mm、(b)は30dt-12mmである。 図4は、短繊維コンクリートの凍結融解抵抗性に空気量が与える影響を示す図である。 図5は、PP短繊維の添加が凍結融解抵抗性に与える影響(角柱供試体の相対動弾性係数)を示す図である。 図6は、PP短繊維の添加が凍結融解抵抗性に与える影響(角柱供試体の質量減少率)を示す図である。 図7は、PP短繊維の添加がブリーディングに与える影響を示す図である。 図8は、内部探傷試験での拡大画像を示す写真図である。 図9は、短繊維の添加が凍結融解抵抗性に与える影響(円柱供試体の相対動弾性係数)を示す図である。 図10は、PP短繊維の添加が圧縮強度に与える影響を示す図である。 図11は、増粘剤を添加した場合の凍結融解抵抗性(角柱供試体の相対動弾性係数)を示す図である。 図12は、増粘剤を添加した場合の凍結融解抵抗性(角柱供試体の質量減少率)を示す図である。 図13は、増粘剤を添加した場合の凍結融解抵抗性(円柱供試体の相対動弾性係数)を示す図である。 図14は、増粘剤を添加した場合の圧縮強度の推移を示す図である。 図15は、凍結融解試験終了時の角柱供試体の外観図であり、(1)は増粘剤を添加していない場合、(2)は増粘剤を添加した場合である。
以下に、本発明に係るモルタルまたはコンクリート用組成物およびその成形品の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
本発明の実施の形態に係るモルタルまたはコンクリート用組成物は、セメントを含む結合材と、細骨材と、短繊維と、水と、増粘剤とを含有してなるモルタルまたはコンクリート用組成物であって、JIS A 1148に記載の凍結融解試験方法に基づく凍結融解試験による、前記モルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における所定の凍結融解サイクル(例えば300サイクル)での凍結融解抵抗性は、前記モルタルまたはコンクリート用組成物とは増粘剤を含まないことのみが異なるモルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における前記所定の凍結融解サイクルでの凍結融解抵抗性よりも優れるものである。ここで、凍結融解抵抗性は、相対動弾性係数、耐久性指数、質量減少率、圧縮強度比といった指標によって表すことができる。
また、本実施の形態の凍結融解抵抗性は、前記モルタルまたはコンクリート用組成物とは増粘剤を含まないことのみが異なるモルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における凍結融解抵抗性よりも優れる。
セメントには、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントなどを用いることができる。結合材は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、セメント以外の材料を含有しても構わない。
細骨材には、例えば、硬質砂岩砕砂を用いることができる。粗骨材には、例えば、硬質砂岩砕石を用いることができる。細骨材、粗骨材は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、これ以外の材料を含有しても構わない。
短繊維には、例えば、ポリプロピレン短繊維(PP短繊維)を用いることができるが、これ以外の短繊維を用いても構わない。PP短繊維を用いる場合には、例えば繊度が30dt〜2,000dt程度のものを用いることができる。また、例えば、繊度が2,000dtで長さが30mmのものを使用する場合、PP短繊維の添加率は、モルタルまたはコンクリート用組成物の体積に対して外割りで体積比0.5%程度としてもよい。繊度が30dtで長さが12mmのものを使用する場合、PP短繊維の添加率は、モルタルまたはコンクリート用組成物の体積に対して外割りで体積比0.05%程度としてもよい。
増粘剤には、例えば、アルキルアリルスルホン酸塩とアルキルアンモニウム塩の二つを主剤としたものを用いることができる。なお、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、これ以外の増粘剤を用いても構わない。
モルタルまたはコンクリート用組成物のうち、コンクリート用組成物は通常さらに粗骨材を含むものであり、モルタルまたはコンクリート用組成物が硬化してモルタルまたはコンクリートが得られることとなる。モルタルまたはコンクリート用組成物における水の使用量(W)としては、結合材(B)に対する水(W)の質量比(W/B)が0.25〜0.40であること、つまり結合材(B)100質量部に対して、水(W)が25〜40質量部であることが好ましい。
本実施の形態のモルタルまたはコンクリート用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、さらにその他の成分を含有してもよい。例えば、高性能減水剤、AE剤などの化学混和剤を含有してもよい。
本実施の形態のモルタルまたはコンクリート用組成物は、凍結融解抵抗性に優れている。したがって、凍結融解抵抗性が要求される建造物等の施工や、冬季に融雪剤が散布される山間部の高速道路、橋梁等といった場所に対して特に有効である。また、こうした用途以外にも例えば、寒冷地域における海岸構造物、海洋構造物、水路構造物、道路構造物、擁壁構造物などの凍結融解抵抗性が要求される現場で好適に用いられる。このとき、予め本実施の形態のモルタルまたはコンクリート用組成物を成形し、成形品として施工してもよいし、モルタルまたはコンクリート用組成物を補修材料に用いてモルタル表面またはコンクリート表面を補修する使用態様であっても構わない。
本実施の形態のモルタルまたはコンクリート用組成物を用いて成形品を製造する場合には、一般的なモルタルまたはコンクリート成形品を製造する場合と同様の手順で製造することができる。すなわち、本実施の形態のモルタルまたはコンクリート用組成物を型枠に打込んで所定期間養生して硬化させればよい。養生方法は、特に限定されず、例えば蒸気養生、湿潤養生であってもよい。
(1.実施例の概要)
次に、本発明の実施例について説明する。
本実施例は、凍結防止剤が散布される環境下で用いられる更新用プレキャスト道路橋床版に適用されるコンクリートを想定したものである。本実施例では、早強ポルトランドセメントと蒸気養生を併用するコンクリートにポリプロピレン短繊維を添加したものを用いる。
後述するように、塩水を用いた凍結融解試験によれば、空気量が規格の範囲内でもエントレインドエアが十分でないコンクリートでは、凍結融解抵抗性が低い場合がある。これに対し、本実施例では、短繊維を添加した空気量が少ないコンクリートでも、増粘剤を添加することで凍結融解抵抗性を改善させることが可能である。以下に、この効果を説明するための実験について説明する。
(2.実験概要)
(2.1 使用材料および配合)
凍結融解試験に用いたコンクリートの配合を図1(配合番号1〜6)に、ブリーディング試験に用いたコンクリートの配合を図2(配合番号7〜9)に示す。配合番号5、6が本実施例に相当し、その他は比較例に相当する。
結合材(C)には、早強ポルトランドセメント(密度:3.13g/cm3、ブレーン値:4,600cm2/g)を用いた。細骨材(S)には、硬質砂岩砕砂(表乾密度:2.65g/cm3、吸水率:1.53%、粗粒率:2.93)を、粗骨材(G)には、硬質砂岩砕石(最大寸法:20mm、表乾密度:2.75g/cm3、吸水率:0.45%、粗粒率:6.86)を用いた。化学混和剤には、高性能減水剤、AE剤およびアルキルアリルスルホン酸塩とアルキルアンモニウム塩の二つを主剤とした増粘剤を用いた。コンクリートの水セメント比(W/C)は35%、単位水量(W)は155kg/m3とした。PP短繊維には、図3に示す繊度が2,000dtで長さが30mmのものと、繊度が30dtで長さが12mmの2種類を用いた。PP短繊維の密度は0.91g/cm3でコンクリートの体積に対して外割りで添加した。フレッシュ時に測定したコンクリートの空気量は、いずれも3.1%から4.6%の範囲内である。
(2.2 養生方法)
コンクリートは、打込み後、18時間型枠内で蒸気養生を行った。蒸気養生は、打込み後から4時間まで20±2℃で静置した後、15℃/時間の速さで50℃まで昇温を行った。最高温度の50℃を4時間保持した後、自然冷却によりコンクリートの温度を下げた。脱型後は、20±2℃の気中で材齢7日まで養生を行なった。
(2.3 試験方法)
(1)凍結融解試験
凍結融解試験は、100×100×400mmの角柱供試体1本およびφ75×150mmの円柱供試体3本を用いて、JIS A 1148:2010「コンクリートの凍結融解試験方法」に規定される水中凍結融解方法(A法)に準拠して行った。ただし、凍結水には質量パーセント濃度5%の塩化ナトリウム水溶液(塩水)を用いている。相対動弾性係数および質量減少率の測定は、凍結融解36サイクルを超えない間隔で行った。なお、円柱供試体の試験結果は、3本の平均値を用いた。
(2)凍結融解作用後の圧縮強度試験
凍結融解を作用させた後の圧縮強度試験には、φ75×150mmの円柱供試体を用いた。供試体に凍結融解作用を0、50、100、150、200、250および300サイクル与え、その後に圧縮強度試験を行った。それぞれのサイクル数毎に3本の供試体の圧縮強度試験を行い、その平均値を試験結果とした。
(3)ブリーディング試験
ブリーディング試験は、JIS A 1123:2012「コンクリートのブリーディング試験」に準拠して行った。容器は、内径250mm、内高285mmのものを使用した。試料を容器に打ち込んだ後、バイブレーターを挿入して20秒間の振動を与えてコンクリートを締め固め、試料の表面を均し、気中に静置した。試料の表面を均した直後から、30分おきにブリーディングが認められなくなるまで、コンクリート上面に浸み出した水を吸い取り、その質量を計測してブリーディング率を求めた。
(4)内部探傷試験
コンクリート内部のひび割れ観察のために実施した内部探傷試験には、凍結融解試験が終了した角柱供試体を湿式カッターで切断して用いた。ひび割れの観察には岩石検知等に用いる蛍光塗料を用い、これを切断面に塗布して乾燥後に研磨し、紫外線蛍光灯で紫外線を照射する方法で観察した。
(3.実験結果および考察)
(3.1 PP短繊維の添加が凍結融解抵抗性に与える影響)
図4は、繊度30dtのPP短繊維を添加したコンクリートで作製した角柱供試体で行った凍結融解試験の相対動弾性係数の測定結果を示している。蒸気養生を行った後、材齢7日まで気中で養生して試験を開始した。図中の□はコンクリートの空気量が3.1%の場合(配合番号3)の結果であり、少ないサイクル数で相対動弾性係数が低下していることが分かる。一方、黒塗りの□は混和剤の添加量を調整することで空気量を6.1%まで増やした場合の結果である。十分なエントレインドエアを連行したコンクリートの凍結融解抵抗性が高いことは既知の事実であり、この図からも既往の研究と同様、エントレインドエアを十分に連行したコンクリートはPP短繊維を添加しても高い凍結融解抵抗性を有することが分かる。しかし、一般的にコンクリートの空気量の規格値は4.5±1.5%で設定されることが多く、前述の空気量3.1%のコンクリートも規格内であるため、短繊維コンクリートの凍結融解抵抗性には空気量が大きく影響することに留意する必要がある。後述する凍結融解試験に用いたコンクリートは、図1および図2に示すとおり、いずれも空気量が3.1%から4.6%の試験結果である。
図5は、PP短繊維を添加したコンクリートと短繊維を添加していないコンクリートで作製した角柱供試体を用いた凍結融解試験の相対動弾性係数の測定結果を示している。図中の「短繊維なし」が配合番号1、「PP短繊維(2000dt)」が配合番号2、「PP短繊維(30dt)」が配合番号3に相当する。いずれのコンクリートにも増粘剤は添加していない。この図より、短繊維を添加していないコンクリートの相対動弾性係数は、300サイクル終了後も80%程度を確保できていることが分かる。一方、PP短繊維を添加した2種類のコンクリートの相対動弾性係数は、繊度2,000dtのものが約220サイクル、30dtのものが約80サイクルで60%を下回っている。図6は、図5に示した角柱供試体を用いた凍結融解試験の質量減少率の測定結果を示している。この図より、PP短繊維を添加した2種類のコンクリートの質量減少量は、短繊維を添加していないコンクリートの質量減少量よりも多くなっていることが分かる。また、相対動弾性係数および質量減少量のいずれの試験結果からも、繊度2,000dtのPP短繊維を添加した供試体より30dtを添加した供試体の方が少ないサイクル数で劣化が進行していることが分かる。
図7は、PP短繊維を添加したコンクリートと短繊維を添加していないコンクリートで行ったブリーディング試験の結果である。図中の「短繊維なし」が配合番号7、「PP短繊維(2000dt)」が配合番号8、「PP短繊維(30dt)」が配合番号9に相当する。この図より、繊度2,000dtおよび30dtのPP短繊維を添加したコンクリートのブリーディング率は、いずれも短繊維を添加していないコンクリートの半分程度まで減少していることが分かる。これは、PP短繊維がコンクリート中に余剰水を溜め込んだまま硬化したためだと推察される。ここで、繊度2,000dtと30dtのPP短繊維を添加した場合のブリーディング率に大きな差は認められないが、繊度2,000dtのPP短繊維の添加率が体積比0.5%であるのに対し、30dtのPP短繊維の添加率は2,000dtの1/10となる0.05%である。この添加率の差を勘案すると、30dtのPP短繊維の方が2,000dtの短繊維よりも、余剰水をコンクリート内に留める作用が大きいと考えられる。
図8は、繊度2,000dtのPP短繊維を添加したコンクリートで作製した角柱供試体(配合番号2)を、凍結融解試験実施後に切断して内部探傷試験を実施した際に撮影したものである。この図の写真によると、切断面に対して垂直に配置されたPP短繊維の周囲に空洞ができ、これがひび割れの基点となっているようにも見受けられる。
よって、PP短繊維を添加したことによる凍結融解抵抗性低下の原因は、短繊維の添加、配合や養生、試験条件など種々の要因が考えられるが、ブリーディング率の低下や短繊維周辺に空隙が形成されていることから、コンクリート中の余剰水が短繊維の周辺に留まることで空隙を形成し、そこに溜まった水が凍結してひび割れの起点になった可能性がある。
図9は、PP短繊維を添加したコンクリートと短繊維を添加していないコンクリートで作製したφ75×150mmの円柱供試体を用いた凍結融解試験の相対動弾性係数の測定結果を示している。この図からも、PP短繊維を添加した供試体の相対動弾性係数の方が、短繊維を添加していないものに比べて早期に劣化が進行していることが分かる。ただし、短繊維添加の有無や短繊維の種類による影響は図5に示す角柱供試体を用いた場合の試験結果よりも小さい。これは、一辺が100mmの角柱供試体と直径75mmの円柱供試体では断面積に約2.3倍の差があり、直径75mmの円柱供試体に対しては凍結融解作用の影響がより大きかったためと推察される。
図10は、図9に示す凍結融解試験と同じ円柱供試体を用いて行ったPP短繊維を添加したコンクリートと短繊維を添加していないコンクリートの凍結融解試験を300サイクルまで実施する過程で、50サイクル毎に供試体を取り出して圧縮強度を調べた結果である。圧縮強度試験にはφ75×150mmの円柱供試体を用い、3本の平均値を求め、凍結融解を作用させる前の圧縮強度に対する比で示している。この図より、短繊維添加の有無による圧縮強度の差は、角柱供試体の試験から得られた相対動弾性係数の差ほど大きくないが、PP短繊維を添加した2種類のコンクリートの圧縮強度は、短繊維を添加していないコンクリートよりも大きな勾配で低下していることが分かる。
これらの結果より、PCaPC製品を想定して作製した上記の供試体では、空気量が規格内でもエントレインドエアが十分でない場合、PP短繊維を添加したコンクリートの凍結融解抵抗性は、短繊維を添加していないコンクリートに比して劣ることが分かる。
(3.2 短繊維コンクリートの凍結融解抵抗性改善策)
図11は、増粘剤を添加したコンクリートで作製した角柱供試体を用いた凍結融解試験の相対動弾性係数を示している。図中の「短繊維なし」が配合番号4、「PP短繊維(2000dt)」が配合番号5、「PP短繊維(30dt)」が配合番号6に相当する。このうち配合番号5、6が本実施例に相当する。この図より、増粘剤を添加した場合、300サイクル終了時でも短繊維コンクリートの相対動弾性係数は低下しておらず、図5に示す増粘剤を添加していない場合の結果から大幅に改善していることが分かる。一方、増粘剤を添加した短繊維無添加の供試体は、300サイクルに達する前に相対動弾性係数が60%を下回る結果となった。図12は、図11に示した増粘剤を添加したコンクリートで作製した角柱供試体の凍結融解試験によって得られた質量減少率を示している。この図からも、増粘剤を添加した場合、300サイクル終了時でも繊度2,000dtおよび30dtのPP短繊維を添加した供試体の質量はほとんど減少しておらず、図6に示す増粘剤を添加していない場合の結果から大幅に改善していることが分かる。一方、増粘剤を添加した短繊維無添加の供試体は、50サイクル程度から線形的に質量が減少しており、増粘剤を添加していない供試体よりも少ないサイクル数で劣化していることが分かる。
図13は、増粘剤を添加したコンクリートで作製したφ75×150mmの円柱供試体を用いた凍結融解試験の相対動弾性係数を示している。この図より、増粘剤を添加した場合、300サイクル終了時でも繊度2,000dtおよび30dtのPP短繊維を添加した供試体の相対動弾性係数は低下していないことが分かる。前述のとおり、断面積の小さな円柱供試体を用いたにも関わらず、性能低下が認められなかったことからも、増粘剤による凍結融解抵抗性の改善効果の高さが確認できる。一方、増粘剤を添加した短繊維無混入の供試体は、110サイクル程度で相対動弾性係数が60%を下回る結果となっている。
図14は、図10に示した試験と同様に、増粘剤を添加したコンクリートの円柱供試体を用いて凍結融解試験を行った場合の圧縮強度の経時変化を示している。この図より、増粘剤を添加した場合は、PP短繊維を添加したコンクリートの圧縮強度は低下しておらず、短繊維を添加していないコンクリートは低下していることが分かる。
図15(1)および(2)は、それぞれ、図5および図11に示した凍結融解試験を行った角柱供試体の試験終了時の外観を示している。これらの写真からも、短繊維を添加していないコンクリートでは、増粘剤を添加した供試体の方が表面の劣化が多いのに対し、短繊維を添加したコンクリートの場合は、増粘剤を添加した供試体の方が表面の劣化が少ないことが分かる。
上述したように、既往の研究では、増粘剤を添加するとコンクリートの凍結融解抵抗性は低下すると報告されている(非特許文献4を参照)。本実験においても、短繊維を添加していないコンクリートでは、既往の研究と同様に増粘剤を添加することで凍結融解抵抗性が低下している。しかし、本実施例のように、短繊維を添加したコンクリートでは、エントレインドエアが十分でない場合でも、増粘剤を添加することで凍結融解抵抗性が改善される。凍結融解抵抗性の低下が、短繊維周辺に集積された余剰水に起因しているとすれば、増粘剤を添加することで、余剰水が短繊維の周辺に集積することなくコンクリート中に分散され、凍結融解抵抗性が改善されたと推察される。
(4.まとめ)
本実験では、プレキャスト製品を想定したコンクリートにPP短繊維を添加した場合の凍結融解抵抗性を評価した。実験結果をまとめると以下のようになる。
(1)PP短繊維を添加したコンクリートは、十分なエントレインドエアが連行されていない場合、空気量が規格の範囲内でも、その凍結融解抵抗性は短繊維無添加のコンクリートより劣る低い場合がある。
(2)繊度の異なる2種類のPP短繊維を添加したコンクリートの凍結融解試験を行い、相対動弾性係数、質量減少量および圧縮強度で評価すると、これらは短繊維無添加のコンクリートに比べて劣っている。
(3)PP短繊維を添加した場合、フレッシュコンクリートのブリーディング率は短繊維を添加していないコンクリートより低下する。よって、PP短繊維には余剰水をコンクリート中に留める作用があり、この余剰水が凍結融解試験の際の弱点となっている可能性がある。
(4)短繊維を添加していないコンクリートの凍結融解抵抗性は増粘剤を添加することで低下するが、PP短繊維を添加したコンクリートの場合、増粘剤を添加することで凍結融解抵抗性を大幅に改善する効果がある。
なお、上記の実施例においては、コンクリート用組成物により作製したコンクリートに関する実験結果を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、コンクリートから粗骨材を除いて成るモルタルにおいても同様の傾向になると考えられる。
以上説明したように、本発明に係るモルタルまたはコンクリート用組成物によれば、セメントを含む結合材と、細骨材と、短繊維と、水と、増粘剤とを含有してなるモルタルまたはコンクリート用組成物であって、JIS A 1148に記載の凍結融解試験方法に基づく凍結融解試験による、前記モルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における所定の凍結融解サイクルでの凍結融解抵抗性は、前記モルタルまたはコンクリート用組成物とは増粘剤を含まないことのみが異なるモルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における前記所定の凍結融解サイクルでの凍結融解抵抗性よりも優れる。このため、短繊維を添加したモルタルまたはコンクリートでも、増粘剤を添加することで凍結融解抵抗性を向上させることができる。
また、本発明の成形品をPCaPC製品として凍結防止剤が散布される環境下で用いられる更新用プレキャスト道路橋床版に適用した場合、その優れた凍結融解抵抗性により耐久性が確保される。したがって、本発明の成形品を用いた場合には、一般的な普通のPCaPC製品を用いた場合に比べて床版の耐用年数を延ばすことができる。このため、補修や更新費用を抑制することが可能である。
以上のように、本発明に係るモルタルまたはコンクリート用組成物およびその成形品は、短繊維を含有するモルタルまたはコンクリートにおいて凍結融解抵抗性を向上するのに有用であり、特に、凍結防止剤が散布される環境下で用いられる更新用プレキャスト道路橋床版のような繰り返し荷重が作用する構造部材用の材料に適している。

Claims (5)

  1. セメントを含む結合材と、細骨材と、短繊維と、水と、増粘剤とを含有してなるモルタルまたはコンクリート用組成物であって、
    JIS A 1148に記載の凍結融解試験方法に基づく凍結融解試験による、前記モルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における所定の凍結融解サイクルでの凍結融解抵抗性は、前記モルタルまたはコンクリート用組成物とは増粘剤を含まないことのみが異なるモルタルまたはコンクリート用組成物により作製したモルタルまたはコンクリート供試体における前記所定の凍結融解サイクルでの凍結融解抵抗性よりも優れることを特徴とするモルタルまたはコンクリート用組成物。
  2. 凍結融解抵抗性を表す指標が、相対動弾性係数、耐久性指数、質量減少率または圧縮強度比であることを特徴とする請求項1に記載のモルタルまたはコンクリート用組成物。
  3. 短繊維が、ポリプロピレン短繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載のモルタルまたはコンクリート用組成物。
  4. 短繊維の繊度が、30〜2000dtであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のモルタルまたはコンクリート用組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載のモルタルまたはコンクリート用組成物を成形してなる成形品。
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