JP4758035B2 - 圧電アクチュエータおよび磁気ヘッド駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電アクチュエータおよび磁気ヘッド駆動装置に関する。
近年、情報機器等の小型化・精密化が進んでおり、微小距離の移動制御が必要なアクチュエータの需要が高まっている。特に、光学系の焦点補正や傾角制御用のアクチュエータ、インクジェットプリンタ装置や磁気ディスク装置のヘッドアクチュエータ等では、微小距離の移動制御が必要となっている。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、磁気ディスク装置は市場の拡大と装置の高性能化に伴い、大容量化がますます重要になってきている。一般に磁気ディスク装置の大容量化はディスク1枚あたりの記憶容量を大きくすることで達成できる。しかし、ディスクの外径を大きくせずに、一層の大容量化を達成するには、単位長さあたりのトラック数(TPI)を大きくすること、つまり、トラック幅を狭くすることが不可欠になる。ところが、トラック幅を狭くすると、これに比例して、磁気ヘッドの位置決め誤差の許容量も小さくなってくる。
【0003】
一般的な磁気ヘッド駆動装置では、磁気ヘッドのスライダを、サスペンションを介してキャリッジアームで支持し、アクチュエータ(ボイスコイルモータ)でキャリッジアームを回転させるようになっているが、このアクチュエータだけで、磁気ヘッドを短時間で高精度に位置決めすることは、困難になっている。そこで、磁気ヘッドの位置を微調整する圧電アクチュエータを、スライダとサスペンションの間等に追加配置することで、磁気ヘッドを高精度に位置決めしようとする2段アクチュエータ方式の磁気ヘッド駆動装置が考案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記微調整用の圧電アクチュエータは、キャリッジアームを回転するメインアクチュエータの動作とは独立に、磁気ヘッドを微小移動させるものである。しかし、従来提案されている圧電アクチュエータは、磁気ヘッドに十分な変位を与えることができず、守備範囲が狭かった。また、大きな駆動力を発揮できないという問題や、製造コストが高く、大型でもあるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、解決しようとする第1の課題は、回転変位を大きくとれ、大きな駆動力を発揮でき、製造コストが低く、小型の圧電アクチュエータを実現することにある。また、第2の課題は、磁気ヘッドの正確な位置決めが可能な磁気ヘッド駆動装置を実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、一定間隔をおいて並設された第1および第2のベース部、該第1および第2のベース部間を屈曲経路でもって橋絡する第1の橋絡部、該第1の橋絡部とは屈曲部分の突き出し方向が逆の屈曲経路でもって前記第1および第2のベース部間を橋絡する第2の橋絡部、前記第1および第2の橋絡部間に位置する中央回転部、前記第1の橋絡部・前記中央回転部間を結ぶ第1の力伝達部、前記第2の橋絡部・前記中央回転部間を結び、前記中央回転部に回転モーメントが働くように前記第1の力伝達部とは逆方向の伝達力を前記中央回転部に与える第2の力伝達部を有する運動変換プレートと、前記運動変換プレートの前記第1および第2のベース部間に、前記第1および第2のベース部間の間隔を変化させる力を与える圧電素子とを備え、前記圧電素子から前記第1および第2のベース部間に入力される直線変位を前記運動変換プレートで回転変位に変換し、前記中央回転部から出力する圧電アクチュエータである。
【0007】
この構成を備えるため、請求項1に係るアクチュエータでは、圧電素子から第1および第2のベース部間に入力される直線変位が、第1および第2の橋絡部により、上記直線変位と直交する方向の第1および第2の力伝達部の直線変位に変換され、この変換後の直線変位が、中央回転部にて、回転変位に変換される。
【0008】
したがって、圧電素子から第1および第2のベース部間に入力される直線変位は、第1および第2の橋絡部での一段目の拡大倍率(直線変位から直線変位)と中央回転部での二段目の拡大倍率(直線変位から回転変位)とを掛け合わせた合計倍率で、回転変位に変換されることになり、一段目および二段目の拡大倍率を大きな値に選択することで、合計倍率を大きくとることが可能になり、圧電アクチュエータとして、おおきな回転変位を出力できる。
【0009】
また、運動変換プレートの構成上、第1および第2のベース部間の間隔は大きくとることができ、圧電素子もこの第1および第2のベース部間に接着されるため、圧電素子を長尺化して、その積層数を増やし伸縮量を増大させることもでき、圧電アクチュエータとしては、低電圧駆動であっても大きな駆動力を発揮できるようになる。しかも、圧電素子と運動変換プレートとを重ね合わせるという単純構造であるため、製造コストも低く、小型化にも対応できる。
【0010】
さらに請求項1に係る発明は、第1の橋絡部の屈曲部分が第2の橋絡部の屈曲部分よりも相対的に第1のベース部側に位置し、しかも、中央回転部の回転中心から見て、第1および第2の橋絡部は点対称の形状をしているとともに、第1,第2の力伝達部は、それぞれ第1,第2の橋絡部の屈曲部分に一端側が繋がるように平行配置されていることを特徴とするものである。
【0011】
よって、請求項1に係る圧電アクチュエータでは、第1および第2の力伝達部から中央回転部に回転モーメントのみが働くことになり、中央回転部の回転中心がシフトすることはない。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の圧電アクチュエータにおいて、第1および第2のベース部と第1および第2の橋絡部と中央回転部と第1および第2の力伝達部とは、同一平面上に形成され、第1および第2の橋絡部はそれぞれ略L字形をし、かつ、この略L字形の第1および第2の橋絡部は、第1および第2のベース部との結合部で接合して、4角形を形成していることを特徴とするものである。
【0013】
この構成では、略L字形の第1および第2の橋絡部が形成する4角形内に、第1および第2の力伝達部や中央回転部が配置されることになり、スペース効率が良く、運動変換プレートを小さくでき、圧電アクチュエータの小型化にも繋がる。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の圧電アクチュエータにおいて、第2の橋絡部における第1のベース部側の直線部分と、第2の力伝達部の移動方向との交差する角度が、45°を越えるように構成することを特徴とするものである。
【0015】
この構成では、第1および第2の橋絡部での一段目の拡大倍率(直線変位から直線変位)が1を越え、ここでの変位の拡大を確保できる。
請求項4に係る発明は、磁気ヘッドのスライダを先端部で支持するサスペンションと、回転可能に支持され、回動端部には前記サスペンションが取り付けられたキャリッジアームと、該キャリッジアームを回転駆動し前記磁気ヘッドをディスクのトラック幅方向に移動させるメインアクチュエータとを有した磁気ヘッド駆動装置であって、前記請求項1〜3の何れかに記載の圧電アクチュエータを前記磁気ヘッドの位置を微調整するサブアクチュエータとして備え、このサブアクチュエータは、圧電アクチュエータ内の前記圧電素子が前記サスペンションの先端部に接着され、前記中央回転部に前記スライダが接着されることを特徴とする磁気ヘッド駆動装置である。
【0016】
請求項1〜3の何れに記載の圧電アクチュエータも回転変位を大きくとれるとともに、低電圧駆動であっても大きな駆動力を発揮できるので、圧電アクチュエータの守備範囲を広くとれる。このため、請求項4に係る発明によれば、磁気ヘッドを所望の位置に正確に到達させられる。
【0017】
【実施の形態】
まず、本発明に係る圧電アクチュエータや磁気ヘッド駆動装置の一形態例が組み込まれた磁気ディスク装置の全体構成について、図2を用いて説明する。図2は、ディスクエンクロージャのカバーを外した状態での内部構造を示したものである。図2において、装置内部を密閉するエンクロージャ1の中央には、図示しないスピンドルモータによって回転駆動されるディスク2が配置され、このディスク2の外周部近傍に、キャリッジアーム3が軸4を中心に回転可能に設けられている。キャリッジアーム3の先端は、ディスク2の方向に延出し、そこに、サスペンション5が設けられ、このサスペンション5の先端部近傍に、後述の方法で、圧電アクチュエータと磁気ヘッド(スライダ)が取り付けられている。
【0018】
キャリッジアーム3の基端側には、キャリッジアーム3を回転駆動するメインアクチュエータ(ボイスコイルモータ)6が設けられている。このメインアクチュエータ6は、従来から広く用いられているもので、具体的には、エンクロージャ1側に磁気ギャップを有する磁気回路を固定し、キャリッジアーム3にボイスコイル(ムービングコイル)を固着したものである。メインアクチュエータ6内のボイスコイルに駆動電流を流すと、磁気ギャップ内にあるボイスコイル部分に推力が発生し、キャリッジアーム3が回転し、磁気ヘッドがディスク2のトラック幅方向Tに移動することになる。
【0019】
次に、圧電アクチュエータおよび磁気ヘッドならびにこれらのサスペンション5への取り付け構造について説明する。板ばね状のサスペンション5の先端部9には、図1および図3に示すように、略U字形の打ち抜き穴8が穿設され、そこに形成されたスライダ保持部には、図1および図4に示すように、接着層10を用いて、圧電アクチュエータ100が接着されている。
【0020】
この圧電アクチュエータ100は、圧電素子110と運動変換プレート130とを一対の接着層151,152で接着したもので、詳細には後述するが、圧電素子110が図1におけるA方向に伸縮すると、この直線変位が接着層151,152を介して運動変換プレート130のベース部131,132間に入力され、運動変換プレート130の中央回転部135から回転変位として出力されるようになっている。
【0021】
圧電アクチュエータ100内の運動変換プレート130の中央回転部135には、図1および図4に示すように、接着層141により、スライダ200の背面が接着されている。また、このスライダ200には、磁気ヘッド201が搭載されている。このため、圧電アクチュエータ100の駆動により、スライダ200は、図1におけるB方向に回転し、スライダ200の回転中心から離れた位置にある磁気ヘッド201はトラック幅方向に移動することになる。
【0022】
圧電素子110は、特に図5に示すように、圧電層111を間にして内部電極層112aと内部電極層112bを互い違いに複数層積層したもので、複数の内部電極層112aは表面電極113aに電気的に接続され、複数の内部電極層112bは表面電極113bに電気的に接続されている。ここに示した圧電素子110は、圧電縦効果(いわゆる33モード)に基づいて伸縮するもので、表面電極113a・113b間に駆動電圧を印加すると、図5の矢印A方向に伸び、印加を止めると収縮して元の長さまで収縮する。
【0023】
なお、内部電極層112a,112bを構成する材料としては、圧電材料とともに一体焼成できる材料が好ましく、たとえば、Pt、Ag、Ag−Pd、Ni、Au等の金属材料や、導電性セラミック等を用いるとよい。表面電極113a,113bは、蒸着やスパッタリングで容易に形成できるが、Ni、Cr、Au等を用いて無電解めっきにより作成したり、イオンプレーティング、CVD等で形成してもよいし、溶射技術や厚膜技術で形成してもよい。
【0024】
本形態例の圧電素子110においては、圧電素子110の伸縮方向の両端部に、内部電極層112a,112bを設けていない。その理由は、この両端部の運動変換プレート130側の面には、接着層151,152が設けられるため、両端部は伸縮しない方が接着強度上好ましいからである。一方、圧電素子110のサスペンション5側の面は、接着層10により、略全面がサスペンション5の先端部9に接着される。ここでの接着層10は低剛性の材料で構成されており、圧電素子110の伸縮が十分確保されるようになっている。
【0025】
図6および図7は上記圧電素子110の作製方法の一例を説明する図で、PNN−PT−PZのグリーンシートを使用した例である。この方法では、まず、グリーンシート121を必要な数だけ積層し、その上に、内部電極層112aの電極パターン122をスクリーン印刷する。次にグリーンシート121を一枚重ねた後、今度は、内部電極層112bの電極パターン123をスクリーン印刷する。このようにして、グリーンシート121を間にして、電極パターン122と電極パターン123とが交互に配置されるように積層し、最後に、グリーンシート121を必要な数だけ積層して、圧電体ブロックを構成する。
【0026】
その後、圧電体ブロックを大気中でたとえば1050°Cで焼成し、図6中に示した複数の切断線1に相当する位置で、圧電体ブロックをカットソーにより切断し、図7に示すように、圧電素子110と同一幅の分割ブロックBLを得る。次に、分割ブロックBLの両側面に、表面電極113a,113bに相当する電極膜を蒸着またはスパッタリングで成膜し、今度は、図7中に示した複数の切断線2に相当する位置で分割ブロックBLをカットソーにより切断し、図5に示した最終形状の圧電素子110を得る。
【0027】
すでに一部については説明したように、運動変換プレート130は、特に図8に示すように、一定間隔をおいて並設された第1および第2のベース部131,132、第1および第2のベース部131,132間を屈曲経路でもって橋絡する第1の橋絡部133、第1の橋絡部133とは屈曲部分133aの突き出し方向が逆の屈曲経路でもって第1および第2のベース部131,132間を橋絡する第2の橋絡部134、第1および第2の橋絡部133,134間に位置する中央回転部135、第1の橋絡部133・中央回転部135間を結ぶ第1の力伝達部136、第2の橋絡部134・中央回転部135間を結び、中央回転部135に回転モーメントが働くように第1の力伝達部136とは逆方向の伝達力を中央回転部135に与える第2の力伝達部137を有する。
【0028】
本形態例では、第1の橋絡部133の屈曲部分133aが第2の橋絡部134の屈曲部分134aよりも相対的に第1のベース部131側に位置し、しかも、中央回転部135の回転中心Oから見て、第1および第2の橋絡部133,134は点対称の形状をしているとともに、第1,第2の力伝達部136,137は、それぞれ第1,第2の橋絡部133,134の屈曲部分133a,134aに一端側が繋がるように平行配置されている。
【0029】
さらに、本形態例では、ベース部131,132と橋絡部133,134と中央回転部135と力伝達部136,137とが、同一平面上に形成され、第1および第2の橋絡部133,134はそれぞれ略L字形をし、かつ、この略L字形の第1および第2の橋絡部133,134は、第1および第2のベース部131,132との結合部で接合して、4角形を形成している。この運動変換プレート130は、バネ性のある金属板たとえばステンレス板等を打ち抜きやエッチングにより容易に作れるので、製造コストは低い。また、図示しないが、この運動変換プレート130上には、配線パターンを形成し、圧電素子110や磁気ヘッド201の配線作業を容易にしている。
【0030】
運動変換プレート130の第1および第2のベース部131,132は、前述の接着層151,152により、圧電素子110の伸縮方向の端部に接着されるため、圧電素子110の伸長時には、図9に示すように、第1および第2のベース部131,132の間隔が広がるように引っ張られ、その結果、第1および第2の橋絡部133,134には、その屈曲部分133a,134aが接近する方向の力を生じ、第1および第2の力伝達部136,137がその力を中央回転部135に伝達する。
【0031】
第1,第2の力伝達部136,137が伝える力は図9において上下にΔだけずれているため、中央回転部135には回転モーメントとして伝達され、図9に示すように、中央回転部135は回転する。このとき、第1および第2の力伝達部136,137から中央回転部135には回転モーメントのみが働くため、中央回転部135の回転中心Oがシフトすることはない。圧電素子110の収縮時には、中央回転部135の回転方向は逆になる。
【0032】
したがって、圧電素子110から第1および第2のベース部131,132間に入力される直線変位は、第1および第2の橋絡部133,134での一段目の拡大倍率(直線変位から直線変位)と中央回転部135での二段目の拡大倍率(直線変位から回転変位)とを掛け合わせた合計倍率で、回転変位に変換されることになり、一段目および二段目の拡大倍率を大きな値に選択することで、合計倍率を大きくとることが可能になり、圧電アクチュエータ100としての回転変位も大きくとれる。
【0033】
また、本形態例では、略L字形の第1および第2の橋絡部133,134で4角形を形成し、この4角形内に、第1および第2の力伝達部136,137や中央回転部135を配置することにより、スペース効率を上げ、運動変換プレート130の小型化を図っている。
【0034】
図10に示すような運動変換プレート130の形状において、伸長前の初期の角度θ(第2の橋絡部134における第1のベース部131側の直線部分134bと、第2の力伝達部137の移動方向との交差する角度θ)が1°増加するように縦方向に運動変換プレート130を伸ばしたときの、縦方向の長さbの伸び量δbに対する横方向の長さcの縮み量δcの比、すなわち、上記の一段目の拡大倍率(直線変位から直線変位)に相当する変位拡大倍率(δc/δb)は、図11のようになる。よって、δc/δb>1にするためには、θ>45°のパターンを用いる必要がある。
【0035】
一方、中央回転部135での二段目の拡大倍率(直線変位から回転変位)を稼ぐには、理論上は、第1,第2の力伝達部136,137が伝える力のずれΔ(図9参照)を小さくすればよいが、Δを小さくすると回転モーメントも減少するので、両者の調整が必要になる。
【0036】
この運動変換プレート130はその構成上、第1および第2のベース部131,132間の間隔は大きくとれるため、この第1および第2のベース部131,132間に接着される圧電素子110も、運動変換プレート130と同様な外形(設置面積)のものを使用できる。このため、長尺の圧電素子110を用いてその積層数を増やし伸縮量を増大させることができ、圧電アクチュエータ100としては、低電圧駆動であっても大きな駆動力を発揮できる。しかも、圧電素子110と運動変換プレート130とを重ね合わせるという単純構造であるため、製造コストは低く、小型化も可能である。
【0037】
上記構成の圧電アクチュエータ100によれば、磁気ヘッド201を移動できる範囲が狭いものの、正確な位置決めができる。したがって、圧電アクチュエータ100の守備範囲に入るまでは、メインアクチュエータ6による位置決め制御を行い、圧電アクチュエータ100の守備範囲内に入った段階では、圧電アクチュエータ100による位置決め制御を始めることになる。その際、本発明に係る圧電アクチュエータ100のように、回転変位を大きくとれる構成であれば、守備範囲が広くなり、その分、早期に圧電アクチュエータ100を用いた位置決め制御に移れ、しかも、圧電アクチュエータ100は駆動力を大きくとれるため、短時間で高精度の位置決めが可能になる。
【0038】
尚、本発明は上記形態例の構成に限られるものではない。例えば、以下のような変形が可能である。
▲1▼本発明に係る圧電アクチュエータは、当然ながらその用途を磁気ディスク装置に限るものではないが、磁気ディスク装置に用いる場合であっても、上記形態例のようにスライダとサスペンションの間に圧電アクチュエータを組み込むのではなく、たとえば、キャリッジアームとサスペンションとの間に組み込み、キャリッジアームに対してサスペンションを回転させるようにしてもよい。
【0039】
▲2▼本発明に係る圧電アクチュエータに用いる圧電素子として、圧電縦効果に基づいて伸縮する圧電素子110を示したが、本発明はこれに限るものではない。
▲3▼本発明に係る圧電アクチュエータに用いる運動変換プレートとして、第1および第2の橋絡部133,134をそれぞれ略L字形にし、かつ、この略L字形の第1および第2の橋絡部133,134を、第1および第2のベース部131,132との結合部にて接合して、4角形を形成させたものを用いたが、必ずしも、第1および第2の橋絡部133,134を、第1および第2のベース部131,132との結合部で接合させる必要はなく、離間して配置するようにしてもよい。
【0040】
▲4▼本発明に係る圧電アクチュエータに用いる運動変換プレートとして、屈曲部分133a,134aの突き出し方向が中央回転部135から見て外側を向いたもの(図8では、屈曲部分133aは左に突き出し、屈曲部分134aは右に突き出ている)を用いたが、双方が中央回転部135側に突き出るように構成してもよい(図8において、屈曲部分133aが右に突き出し、屈曲部分134aは左に突き出すように、橋絡部133,134の屈曲方向を逆にする)。
【0041】
▲5▼本発明に係る圧電アクチュエータに用いる運動変換プレートとして、第1および第2の橋絡部133,134の屈曲部分133a,134aから、第1,第2の力伝達部136,137を突き出させ、最大の変位量を確保するようにしたものを用いたが、屈曲部分133a,134a以外の部位から第1,第2の力伝達部136,137を突き出すようにしてもよい。
【0042】
▲6▼本発明に係る圧電アクチュエータに用いる運動変換プレートとして、第1および第2の橋絡部133,134を略L字形に形成したものを示したが、たとえば、円弧形であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、変位拡大を2段階に行えるため、回転変位を大きくとれ、大きな駆動力を発揮でき、製造コストが低く、小型の圧電アクチュエータを実現できる。
【0044】
さらに請求項1記載の発明によれば、第1および第2の力伝達部から中央回転部に回転モーメントのみが働くことになり、中央回転部の回転中心がシフトすることがない圧電アクチュエータを実現できる。
【0045】
請求項2記載の発明によれば、スペース効率が良く、運動変換プレートを小さくでき、小型化された圧電アクチュエータを実現できる。
請求項3記載の発明によれば、第1および第2の橋絡部での一段目の拡大倍率(直線変位から直線変位)が1を越え、ここでの変位の拡大を確保できる圧電アクチュエータを実現できる。
【0046】
請求項4記載の発明によれば、磁気ヘッドを所望の位置に正確に到達させられる磁気ヘッド駆動装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電アクチュエータおよびその周辺構成の一形態例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係る圧電アクチュエータや磁気ヘッド駆動装置の一形態例が組み込まれた磁気ディスク装置を示す図である。
【図3】本発明に係る圧電アクチュエータおよびその周辺構成の一形態例を示す平面図である。
【図4】本発明に係る圧電アクチュエータおよびその周辺構成の一形態例を示す側面図である。
【図5】本発明に係る圧電アクチュエータ一形態例に用いる圧電素子を示す斜視図である。
【図6】圧電素子の積層状態を説明する図である。
【図7】圧電素子のブロックを示す斜視図である。
【図8】運動変換プレートの平面図である。
【図9】伸長状態の運動変換プレートの平面図である。
【図10】運動変換プレートの特性パラメータの説明図である。
【図11】運動変換プレートの変位拡大倍率を示す図である。
【符号の説明】
1 エンクロージャ
2 ディスク
3 キャリッジアーム
5 サスペンション
6 メインアクチュエータ
9 先端部
10 接着層
100 圧電アクチュエータ
110 圧電素子
130 運動変換プレート
131,132 ベース部
133,134 橋絡部
133a,134a 屈曲部分
135 中央回転部
136,137 力伝達部
141 接着層
151,152 接着層
200 スライダ
201 磁気ヘッド
Claims (4)
- 一定間隔をおいて並設された第1および第2のベース部、該第1および第2のベース部間を屈曲経路でもって橋絡する第1の橋絡部、該第1の橋絡部とは屈曲部分の突き出し方向が逆の屈曲経路でもって前記第1および第2のベース部間を橋絡する第2の橋絡部、前記第1および第2の橋絡部間に位置する中央回転部、前記第1の橋絡部・前記中央回転部間を結ぶ第1の力伝達部、前記第2の橋絡部・前記中央回転部間を結び、前記中央回転部に回転モーメントが働くように前記第1の力伝達部とは逆方向の伝達力を前記中央回転部に与える第2の力伝達部を有する運動変換プレートと、
前記運動変換プレートの前記第1および第2のベース部間に、前記第1および第2のベース部間の間隔を変化させる力を与える圧電素子とを備え、
前記圧電素子から前記第1および第2のベース部間に入力される直線変位を前記運動変換プレートで回転変位に変換し、前記中央回転部から出力する圧電アクチュエータであって、
前記第1の橋絡部の屈曲部分が前記第2の橋絡部の屈曲部分よりも相対的に前記第1のベース部側に位置し、しかも、前記中央回転部の回転中心から見て、前記第1および第2の橋絡部は点対称の形状をしているとともに、前記第1,第2の力伝達部は、それぞれ前記第1,第2の橋絡部の屈曲部分に一端側が繋がるように平行配置されていることを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 前記第1および第2のベース部と前記第1および第2の橋絡部と前記中央回転部と前記第1および第2の力伝達部とは、同一平面上に形成され、前記第1および第2の橋絡部はそれぞれ略L字形をし、かつ、この略L字形の第1および第2の橋絡部は、第1および第2のベース部との結合部で接合して、4角形を形成していることを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ。
- 前記第2の橋絡部における前記第1のベース部側の直線部分と、前記第2の力伝達部の移動方向との交差する角度が、45°を越えるように構成することを特徴とする請求項2記載の圧電アクチュエータ。
- 磁気ヘッドのスライダを先端部で支持するサスペンションと、回転可能に支持され、回動端部には前記サスペンションが取り付けられたキャリッジアームと、該キャリッジアームを回転駆動し前記磁気ヘッドをディスクのトラック幅方向に移動させるメインアクチュエータとを有した磁気ヘッド駆動装置であって、前記請求項1〜3の何れかに記載の圧電アクチュエータを前記磁気ヘッドの位置を微調整するサブアクチュエータとして備え、このサブアクチュエータは、圧電アクチュエータ内の前記圧電素子が前記サスペンションの先端部に接着され、前記中央回転部に前記スライダが接着されることを特徴とする磁気ヘッド駆動装置。
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