JP3112501B2 - 変位拡大機構 - Google Patents

変位拡大機構

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JP3112501B2
JP3112501B2 JP13443291A JP13443291A JP3112501B2 JP 3112501 B2 JP3112501 B2 JP 3112501B2 JP 13443291 A JP13443291 A JP 13443291A JP 13443291 A JP13443291 A JP 13443291A JP 3112501 B2 JP3112501 B2 JP 3112501B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変位拡大機構、詳しく
は、圧電素子を駆動源とし、圧電素子の変位を機械的に
拡大する圧電アクチュエ−タ用の変位拡大機構に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラ等の小型電子機器の駆動部
には、アクチュエータとしてDC(直流)モータが多く
用いられてきた。ところが、DCモータの場合、機械的
時定数が大きく応答性が悪いという欠点をもっている。
そのため、高速応答性が要求される機構部、例えば、カ
メラのオートフォーカス機構や、手振れの補正機構に適
用する場合、応答性の低さが性能の悪さに結びついてい
た。さらに、上記DCモータを使用する場合、モータの
発生トルクが小さい為にギヤー列を用いた減速機構を採
用する必要があり、そのギヤーのバックラッシにより微
少な変位の制御が極めて困難であるなどの不具合があっ
た。
【0003】一方、応答性のきわめて高いアクチュエー
タとして積層型圧電素子を駆動源としたものが、近年、
上記の駆動源として注目されてきている。この積層型圧
電素子は、応答性が高く、発生力がきわめて大きいとい
う長所を持つ反面、変位量がきわめて小さく10μm程
度しかないという欠点を有していた。そこで、上記欠点
を解決する手段として、特開昭61−42284号公報
に開示の変位拡大装置が提案されており、これはVTR
装置のトラッキング補正装置に適用されるものである。
また、特開平1−161790号公報に開示の圧電アク
チュエータ用変位拡大機構は、例えば、ドットインパク
トプリンタに応用可能なものとして提案されたものであ
る。
【0004】なお、カメラに対しては、高速応答性が要
求される被駆動部として、オートフォーカス機構や手振
れの補正機構がある。これらに必要な仕様として、応答
性の高さ以外に1mm以上の変位量が要求される。さら
に、電源として小容量の電池を用いることから、積層型
圧電素子を用いる場合、エネルギー的に高効率の変位拡
大機構が必要である。また、カメラの性質上、超小型・
低コスト化も要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の特開
昭61−42284号公報の機構をカメラ等に適用する
ことを考えると、本装置の楕円状筒形バネ部材による拡
大装置の場合、例えば一つの実施例における変位量は4
00μm程度である。これをカメラ等に必要な変位量を
得る装置に応用するには、積層型圧電素子の全長を、更
に、長くする必要があり、楕円状筒形バネも巨大なもの
となり、カメラへの実装が困難となる。また、他の実施
例に示されている楕円状筒形バネの遊点を長尺の片持ち
バネで拡大する方法も、装置の大型化と、高速応答時の
片持ちバネ部の振動発生の問題があり、カメラ等への適
用は困難であった。
【0006】また、上述の特開平1−161790号公
報の機構をカメラ等に適用することを考えると、この機
構の切欠きテコ機構を利用した拡大変位を座屈バネでさ
らに拡大する方式のものでは、その変位量はやはり前記
のものと同程度である。これも、カメラに必要な変位量
を得る装置に応用するには、切欠きテコ機構のレバーア
ーム長や座屈バネの梁長が長くなり、装置自体が巨大と
なりカメラ等への実装が困難となる。また、この切欠き
テコ機構を用いたものは、レバーアームの支点や力点の
ヒンジ部が動作時に弾性変形するために、エネルギーの
損失が大きく、低効率の拡大機構となる欠点を有してい
る。さらに、上記ヒンジ部を製造上容易にするために、
薄い金属板を重ねた構造となっているが、製造の容易さ
と、低コスト化を達成するには不十分であった。
【0007】本発明の目的は、上述の不具合を解決し、
適用機器に必要な特性を満足する積層型圧電素子の変位
拡大機構であって、変換効率が高効率であり、しかも、
製造も容易であり、更に、収納スペ−スも小さい変位拡
大機構を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の変位拡大機構
は、積層型の圧電素子と、この圧電素子を挟んで、該圧
電素子の積層方向に延びるように各々配置されており、
略中央部分が屈折されて形成されると共に、両端部分で
上記圧電素子の積層方向の両端面を連結する一対の屈折
部材と、略中央部分が屈折されており、両端部で上記一
対の屈折部材の各々の略中央部を連絡する連絡部材と
上記連結部材の略中央に設けられた出力部と、を具備
し、上記圧電素子の変位量が、上記出力部において拡大
されて出力されることを特徴とする。
【0009】
【作用】上記圧電素子の変位は、上記一対の屈折部材に
拡大して伝達され、更に、上記連絡部材に拡大して伝達
され出力変位として取り出される。
【0010】
【実施例】以下図示の実施例に基づいて本発明を説明す
る。図1は、本発明の第1実施例を示す変位拡大機構を
用いた圧電アクチュエ−タの全体の斜視図である。図1
に示すように本実施例の変位拡大機構による圧電アクチ
ュエ−タは、圧電縦効果を利用する積層型圧電素子1
と、該圧電素子1を保持する保持部材2と、変位拡大用
の薄板の拡大バネ部材3とからなっている。そして、上
記積層型圧電素子1と一対の保持部材2は、圧電素子1
の両端にそれぞれ保持部材2が接着等により固着され一
体構造となっている。さらに、一対の保持部材2の両端
には、拡大バネ部材3の4ヶ所の折曲げ部3aが上記保
持部材2に接着又は溶接等で一体化され固着されるもの
とする。そして、出力部3dより拡大された出力変位が
取り出される。
【0011】図2は本実施例の変位拡大機構を用いた圧
電アクチュエ−タを示す3面図であり、図2(A)は正
面図、(B)は側面図、(C)は下面図である。本図に
おいて、拡大バネ部材3の形状としては、上下の折曲げ
部3aと、その略中央部である中間部3cとの間に所定
角だけ屈折された座屈バネ形状の左右一対の屈折部材と
なる腕部3bと3b′を有している。上記所定の屈折角
度は、具体的には、図2(A)に示すように腕部3bが
長手方向10mmに対して1mmの傾きとなる屈折角度を採
用する。その下側の腕部3b′も同様な屈折角度を与え
る。また、上記左右の腕部の中央部3cは、所定角だけ
屈折された連結部材であって座屈バネ形状の橋部3eと
3e′で連結されている。上記所定の屈折角度は、具体
的には、図2(C)に示すように橋部3e,3e′が長
手方向5.5mmに対して0.3mmの傾きとなる屈折角度
を採用する。さらに、橋部3eと3e′はその中間に位
置する出力部3d寄りに幅が広くなるテーパー形状とな
っている。
【0012】図3は、上記図2(B)のG−G′断面図
であり、図4は、上記図2(A)のF−F′断面図であ
る。この図3,4を用いて本実施例の圧電アクチュエ−
タの変位拡大動作を説明すると、積層型圧電素子1に所
定の電圧を印加することで積層型圧電素子1は積層方向
に伸縮する。なお、積層型圧電素子1の変位方向や変位
量は印加電圧の正負や材料の初期の分極状態により周知
のように変化する。
【0013】いま、図3のA1 の方向に変位X1 だけ伸
びた場合を考えると、積層型圧電素子1の変位X1 は両
端の保持部材2を介して拡大バネ部材3の折曲げ部3a
に伝達され、左右の腕部3b,3b′の屈曲状態を伸ば
す。その結果、左右の腕部3b,3b′の中央部3cは
図示のA2 の方向に変位X2 だけ座屈変位する(図3参
照)。そして、左右の中央部3cの変位X2 により橋部
3e,3e′はより屈曲状態を増し、その結果、出力部
3dは図示のA3 の方向に変位X3 だけ座屈変位する
(図4参照)。ここで、本実施例の場合、上記変位X2
は変位X1 の約10倍程度に拡大され、更に、X3 の変
位量はX2 の約10倍程度に拡大される。従って、積層
型圧電素子1の変位X1 は本拡大機構により約100倍
に拡大され、出力部3dより出力変位X3 が出力され
る。例えば、上記変位X1 が0.005mmとすると、変
位X2 が約0.05mmとなり、更に、出力変位X3 がお
よそ0.5mmとなる。なお、橋部3e,3e′がテーパ
ー形状となっているのは変形時の曲げモーメントを平滑
化するためである。
【0014】以上述べたように、本実施例の圧電アクチ
ュエ−タの変位拡大機構は、屈曲弾性部材である拡大バ
ネ部材3に座屈変形を利用して変位を拡大する腕部3b
と3b′と、橋部3eと3e′を一体構造のものとして
設け、積層型圧電素子1の変位を効率よく拡大して出力
部3dまで伝達できるものであり、アクチュエ−タとし
ての形状も小型となる。また、拡大バネ部材3の各部の
成形形状が曲げ半径の大きな曲げ加工ではなく、単なる
折曲げ加工により形成するようにしたので、拡大バネ部
材3の製作も容易となり部品はコストも有利となる。
【0015】図5は、本発明の第2実施例を示す変位拡
大機構を用いた圧電アクチュエ−タの4面図であり、図
5(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は下面図、
(D)は背面図である。本実施例の圧電アクチュエ−タ
10は、前記第1実施例のものに対して、アクチュエ−
タ固定側に取付けバネ部材5を設けたものである。その
他、圧電縦効果を利用する積層型圧電素子1と、該圧電
素子1を保持する保持部材2を有することは第1実施例
のものと同一である。更に、変位拡大用の薄板の拡大バ
ネ部材4も同様に、4ヶ所の折曲げ部4aが上記保持部
材2に接着又は溶接等で一体化され固着されている。更
に、拡大バネ部材4には、屈折部材の腕部4b,4
b′、連絡部材の橋部4e,4e′、出力部4dも第1
実施例のものと同様な形状で設けられている。
【0016】上記取付けバネ部材5は、その左右の折曲
げ部5aが拡大バネ部材4の左右の腕部の中間部4cに
リベット6により一体的に締結されている。また、左右
の折曲げ部5aをつないでいる橋部5bと5b′は所定
の角度屈曲した座屈バネ形状となっており、さらに橋部
5bと5b′はその中間に位置する取付け部5c寄りに
幅が広くなるテーパー形状となっている。これは変形時
の曲げモーメントを平滑化するためである。また、取付
け部5cは、その平面部が上下に張り出した張出部を有
しており、該張出部には固定部材7へのビス締結用穴5
dが4ヶ設けられている。従って、ビスにより取付け部
5cを固定部材7に当接して取付け、この圧電アクチュ
エ−タ10を該固定部材7に装着することができる。
【0017】図6は、図5(B)のI−I′断面図を示
し、図7は、図5(A)のH−H′断面図である。この
図5,6を用いて本実施例の圧電アクチュエ−タ10の
変位拡大動作を説明する。まず、第1実施例のものと同
様に積層型圧電素子1に所定の電圧を印加することで積
層方向に伸縮するが、いま、積層型圧電素子1がA4方
向に伸びると、積層型圧電素子1の変位X4 は両端の保
持部材2を介して拡大バネ部材4の折曲げ部4aに伝達
され、左右の腕部4b,4b′の屈曲状態を伸ばす。そ
の結果、左右の腕部4b,4b′の中央部4cは、一体
化している取付バネ部材5の折曲げ部5aとともにA5
方向に変位する。本実施例の場合も腕部4b,4b′の
形状が第1実施例の腕部3b,3b′と同一とするの
で、A5 方向の変位X5 はX4 の約10倍程度に拡大さ
れる。そして、左右の変位X5 により拡大バネ部材4の
橋部4e,4e′は、屈曲状態を増し、その結果、出力
部4dはA6 方向に座屈変位する。同時に、上記左右の
変位X5 により取付バネ部材5の橋部5b,5b′も同
時に、屈曲状態を増し、取付け部5cはA6 方向に座屈
変位する。この変位X6 は、上記の変位量と同様に変位
X5 の約10倍程度となる。従って、積層型圧電素子1
の変位X4 を出力部4d、および、取付け部5cの変位
X6 としてそれぞれ約100倍に拡大することができ
る。
【0018】また、取付バネ部材5の取付け部が固定部
材7へ締結してあれば、固定部材7側への変位X6 は拡
大機構全体を上方へ押し上げる変位となり、その結果、
拡大バネ部材4の出力部4dは、固定部材7に対して変
位X6 の2倍の変位を発生することとなる。これを模式
的に示したのが図8であり、固定部材7に対し、出力部
4dは上記変位X6の2倍の変位挙動を示す。
【0019】次に、本実施例の圧電アクチュエ−タ1
0、および、それと同様の構造を持つ圧電アクチュエ−
タ11をフォーカシング駆動源、および、手振れ補正駆
動源に用いたカメラについて説明する。なお、上記圧電
アクチュエ−タ11は、図9に示すように前記実施例の
圧電アクチュエ−タ10と同様に出力部4d′、およ
び、取付け部5c′を有しているものとする。上記図9
は、上記カメラの要部縦断面図であって、図10は、フ
ォーカシング、および、手振れ制御部の主要ブロック構
成図である。図9に示すように、撮影レンズ13および
手振れ補正レンズ14を透過した光は、撮影光軸O上に
45°の角度で斜設された可動反射ハーフミラー15に
よって上方に反射し、フォーカシングスクリーン16に
透過拡散する。このフォーカシングスクリーン16の光
像はペンタプリズム17,接眼レンズ18を通じてファ
インダー内で正立像として観察することができる。ま
た、可動反射ハーフミラー15を透過した光は、可動反
射サブミラー19によって下方に反射し、撮影レンズ1
3のデフォーカスを検出するフォーカスセンサー21へ
導かれる。また、撮影時は、周知のように可動反射ハー
フミラー15と可動反射サブミラー19が光路外へ退避
し、フォーカルプレーンシャッター29が作動すること
でフィルム20へ露光が行なわれる。
【0020】上記撮影レンズ13を保持するレンズ保持
枠23は、その外周をカメラ外装体28に支持される固
定枠25の内周25aにガイドされ、光軸方向に移動自
在に設けられている。該レンズ保持枠23の後端には、
固定枠25の受部25bにその取付け部5cが装着され
ている圧電アクチュエ−タ10の出力部4dが当接して
おり、該出力部4dの変位は該レンズ保持枠23に伝達
される。なお、レンズ保持枠23の突起部23aと固定
枠25の間には、レンズ保持枠23が該出力部4dの動
きに応動するための圧縮バネ26が配設してある。
【0021】また、上記手振れ補正レンズ14のレンズ
保持枠24は、上記固定枠25の突部25cに設けられ
たピン25dにより回動自在に支持されている。また、
該レンズ保持枠24の後端には、固定枠25の受部25
eにその取付け部5c′が装着された圧電アクチュエ−
タ10の出力部4d′が当接しており、該出力部4d′
の変位は該レンズ保持枠24に伝達される。なお、レン
ズ保持枠24と固定枠25の受部25b間には、レンズ
保持枠24が該出力部4d′の動きに応動するための圧
縮バネ27が配設してある。
【0022】なお、カメラ全体は外装体28で覆われて
おり、その外装体28内の下部には、カメラの手振れ量
を検知するためのブレ検知センサー22が設けられてい
る。また、上記圧電アクチュエ−タ10には、前述のよ
うにその内部に本適用例ではフォーカシング用となる積
層型圧電素子1が内蔵され、圧電アクチュエ−タ11に
は、その内部にブレ補正用積層型圧電素子1′が内蔵さ
れている(図10参照)。
【0023】そして、図10に示すように、フォーカス
センサー21により検出された撮影レンズ13のデフォ
ーカス信号は、CPU50に入力し、CPU50でデフ
ォーカス量に相当する駆動制御信号をフォーカシング用
圧電素子駆動回路51に出力し、その圧電素子駆動回路
51は前記制御信号に対応する電圧をフォーカシング用
積層型圧電素子1に印加する。一方、ブレ検知センサー
22により検出されたカメラ外装体28のブレによる角
速度信号はCPU50に入力し、CPU50でブレ補正
量に相当する駆動制御信号をブレ補正用圧電素子駆動回
路52に出力し、その駆動回路52は前記制御信号に対
応する電圧をブレ補正用積層型圧電素子1′に印加す
る。
【0024】以上のように構成された本カメラの全体の
動作を次に説明する。フォーカスセンサ21により検出
されたデフォーカス量に相当する駆動電圧を印加された
圧電素子1の変位は、圧電アクチュエ−タ10で拡大さ
れ、出力部4dによりレンズ保持枠23を矢印a方向へ
移動させる。それにより撮影レンズ13は矢印b方向へ
同量だけ繰出され、フォーカシング動作を行なう。一
方、フィルム20へ露光中にカメラが手振れが発生した
場合、ブレ検知センサ22により検出された角速度に相
当する駆動電圧を印加された圧電素子1′の変位は、圧
電アクチュエ−タ11で拡大され、出力部4d′により
レンズ保持枠24を矢印c方向へ移動させる。それによ
り手振れ補正レンズ14は、ピン25dを中心に矢印θ
方向へ回動し、ブレによる画像の移動を補正し、フィル
ム20に常時シャープな像を結像させることができる。
【0025】以上のように本実施例の圧電アクチュエ−
タは、特にカメラ等の駆動源として用いた場合、アクチ
ュエ−タ自体が小型であることからレンズ駆動部に具合
よく収納でき、且つ、レンズ駆動のための所要の変位量
を高精度で、しかも、応答性も高い状態で与えることが
できるなどカメラの小型化、および、高性能化、更に
は、コスト低減に寄与するものである。
【0026】図11は、本発明の第3実施例を示す変位
拡大機構を用いた圧電アクチュエ−タの4面図であり、
図11(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は下面
図、(D)は背面図である。本実施例の圧電アクチュエ
−タは、前記第2実施例のものに対して、拡大バネ部材
に対して一体的にアクチュエ−タ固定用取付けバネ部8
gを設けた点が異なるものである。その他、圧電縦効果
を利用する積層型圧電素子1と、該圧電素子1を保持す
る保持部材2を有することは第1実施例のものと同一で
ある。そして、変位拡大用の薄板の拡大バネ部材8も上
記取付けバネ部8g以外は、第1実施例のものと同様な
形状を有しており、4ヶ所の折曲げ部8aが上記保持部
材2に接着又は溶接等で一体化され固着されている。更
に、拡大バネ部材8には、屈折部材である腕部8b,8
b′、連絡部材である橋部8e,8e′、および、出力
部8dも第1実施例のものと同様な形状で設けられてい
る。
【0027】また、拡大バネ部材の左右の腕部8b,8
d′の中間部8cより所定の角度で折曲げられた脚部8
fがおのおの一体的に設けられ、さらに、脚部8fの先
端はさらに、折曲げられた取付部8gがおのおの設けら
れており、取付部8gには図示の様にその平面部が上下
に張出し部を有しており、該張出し部には固定部材7へ
のビス締結用穴8hがおのおの2ヶ所づつ設けられてい
る。なお、脚部8fの折曲げ形状は、中間部8c側の方
が取付部8g側より折曲げ角が小さくなっている。ま
た、脚部8fは取付部8g寄りに幅が広くなるテーパー
形状となっている。これは変形時の曲げモーメントを平
滑化するためである。また、ビスにより上記取付け部8
gを利用して固定部材7に当接して取付け、本圧電アク
チュエ−タを該固定部材7に装着することができる。
【0028】図12は、上記図11(B)のK−K′断
面図であり、図13は、上記図11(A)のJ−J′断
面図である。この図12,13を用いて本実施例の変位
拡大動作を説明する。積層型圧電素子1に所定の電圧を
印加することで積層方向に伸縮するが、積層型圧電素子
1がA7 方向に伸びた場合、積層型圧電素子1のA7方
向の変位X7 は両端の保持部材2を介して拡大バネ部材
8の折曲げ部8aに伝達され、左右の腕部8b,8b′
の屈曲状態を伸ばす。その結果、左右の腕部8b,8
b′の中間部8cはA8 方向に変位する。ここで、本実
施例の場合、A8方向の変位X8 はX7 の約10倍程度
に拡大される。次に、上記左右の変位X8により拡大バ
ネ部材8の橋部8e,8e′はより屈曲状態を増し、そ
の結果出力部8dはA9 方向に座屈変位する。この実施
例の場合も上記A9 の方向の変位X9 は変位X8 の約1
0倍程度となり、従って、変位X9 は、積層型圧電素子
1の変位X7 を約100倍拡大することができる。
【0029】一方、上記取付バネ部材8の左右の取付部
8g間の相対位置が変化できない状態とすると、中間部
8cと脚部8fの折曲げ部は伸ばされ、かつ脚部8gと
取付部8gの折曲げ部はより曲げられることで、脚部8
gはA10方向に変位する(図13参照)。そして、取付
部8gのA10方向の変位X10は出力部8dの変位量の数
分の一程度となる。また、取付部8gを固定部材7へ締
結してあれば、固定部材7側へ変位X10は拡大機構全体
を上方へ押し上げる変位となり、その結果、拡大バネ部
材8の出力部8dは、固定部材7に対して、変位量(X
9 +X10)の変位を発生することとなる。これを模式的
に示したのが図14であり、固定部材7に対して脚部8
fと中間部8cの折曲げ部は変位X10だけ変化し、出力
部8dは変位(X9 +X10)の挙動を示す。
【0030】以上のように本実施例のものは、前記第2
実施例のものに対し、取付部が拡大バネ部材と一体で形
成されるので、部品数が少なく、構成が単純であって製
作が容易であるなどの特徴を有している。
【0031】
【発明の効果】上述のように本発明の変位拡大機構は、
座屈変形を利用した屈曲弾性部材を一体的構造で屈折部
材と、連絡部材との2段構造としたものであって、積層
型圧電素子の変位を、ガタ等による損失なく、かつ、高
効率で変換でき、カメラ等に適用できるレベルまで変位
を拡大することを可能とし、更に、製造が容易でかつ非
常に小型の変換機構を提供できるなど数多くの顕著な効
果を有ししている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す変位拡大機構を用い
た圧電アクチュエ−タの斜視図。
【図2】上記図1の圧電アクチュエ−タの3面図であ
り、(A)はその正面図、(B)は側面図、(C)は下
面図。
【図3】上記図2(B)のG−G′断面図。
【図4】上記図2(A)のF−F′断面図。
【図5】本発明の第2実施例を示す変位拡大機構を用い
た圧電アクチュエ−タのの4面図であり、(A)はその
正面図、(B)は側面図、(C)は下面図、(D)は背
面図。
【図6】上記図5(B)のI−I′断面図。
【図7】上記図5(A)のH−H′断面図。
【図8】上記図5の圧電アクチュエ−タの駆動状態の挙
動を示した模式図。
【図9】上記図5の圧電アクチュエ−タを駆動源に用い
たカメラの要部縦断面図。
【図10】上記図9のカメラのフォーカシング、およ
び、手ブレ制御部の主要ブロック構成図。
【図11】本発明の第3実施例を示す変位拡大機構を用
いた圧電アクチュエ−タのの4面図であり、(A)はそ
の正面図、(B)は側面図、(C)は下面図、(D)は
背面図。
【図12】上記図11(B)のK−K′断面図。
【図13】上記図11(A)のJ−J′断面図。
【図14】上記図11の圧電アクチュエ−タの駆動状態
の挙動を示した模式図。
【符号の説明】
1………………………………積層型圧電素子 3b,3b′,4b,4b′,8b,8b′ …………………拡大バネ部材の腕部(屈折部材) 3e,3e′,4e,4e′,5b,5b′,8e,8
e′ …………………橋部(連絡部材) 8f,8f′…………………脚部(連絡部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層型の圧電素子と、 この圧電素子を挟んで、該圧電素子の積層方向に延びる
    ように各々配置されており、略中央部分が屈折されて形
    成されると共に、両端部分で上記圧電素子の積層方向の
    両端面を連結する一対の屈折部材と、 略中央部分が屈折されており、両端部で上記一対の屈折
    部材の各々の略中央部を連絡する連絡部材と、上記連結部材の略中央に設けられた出力部と、 を具備し、 上記圧電素子の変位量が、上記出力部において拡大され
    て出力されること を特徴とする変位拡大機構。
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