JP4757414B2 - 穴明け工具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端に切刃を備えた工具本体の先端部外周に切刃チップが工具外周側に付勢されて出没可能に設けられ、上記切刃によって加工穴を形成するのに合わせてこの加工穴の開口部のバリ取りや面取りを行うことが可能な穴明け工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の穴明け工具としては、軸線回りに回転される工具本体の外周に形成された切屑排出溝の先端に臨んで切刃が設けられるとともに、工具本体の周方向に上記切屑排出溝の間に画成されるランドの工具先端側には上記軸線に平行に取付溝が形成され、この取付溝に、カートリッジに保持された切刃チップが工具本体の外周面から出没可能に取り付けられたものが提案されている。そして、さらに本発明の発明者らは、特願平10−119664号や特願平10−135619号において、上記カートリッジを、工具本体に固定されるベースとこのベースに回動自在に取り付けられるアームとから構成し、このアームの先端部に上記切刃チップを取り付けるとともに、アームとベースとの間には付勢手段(捩りコイルバネ)を介装してその付勢力によってアームを工具外周側に付勢することにより、切刃チップを外周側に付勢して出没可能としたものを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような穴明け工具によって加工穴の開口部の面取りやバリ取りを行う場合、工具外周側に付勢された切刃チップが加工穴の開口部に食い付く際の反力によって工具本体が、この切刃チップが出没する位置から上記軸線を挟んで反対側に押し付けられ、これによって振れが生じて加工穴の直進性が損なわれるおそれがある。また、この切刃チップは、該切刃チップが加工穴内に没入した状態では上記付勢力に抗して工具内周側に押し込まれ、加工穴が貫通穴である場合にはその抜け際に再び工具外周側に突出してこの抜け際の開口部を面取りやバリ取りすることとなるが、その間も切刃チップは上記付勢手段によって加工穴内周に押圧され、その反力によって工具本体は切刃チップの反対側に押し付けられてしまうため、工具本体の振れが一層大きくなって直進性のさらなる劣化が避けられない。
【0004】
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述した面取りあるいはバリ取り用の切刃チップを備えた穴明け工具において、この切刃チップに与えられる付勢力によって工具本体に振れが生じるのを防ぐことが可能な穴明け工具を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転される工具本体の先端に切刃を設けるとともに、この工具本体の先端部には切刃チップを工具外周側に付勢して該工具本体の外周面から出没可能に設け、この切刃チップが出没する位置に対して上記軸線を挟んで反対側の上記工具本体先端部の外周面に、該外周面から突出するパッド部を設けて、上記パッド部を、上記工具本体の先端面から上記軸線方向に上記切刃チップが出没する位置を越えて後端側にまで延設したことを特徴とする。従って、このように構成された穴明け工具においては、上記切刃チップが加工穴の開口部に食い付く際や加工穴の内周に押圧されている間の上記付勢力による反力を、切刃チップの反対側に設けたパッド部によって受け止めることができ、これにより工具本体の振れを抑えて加工穴の直進性を確保することができる。
【0006】
さらに、上記パッド部を、上記工具本体の先端面から上記軸線方向に上記切刃チップが出没する位置を越えて後端側にまで延設しているので、切刃チップが加工穴の開口部に食い付く前から抜け際の開口部を面取りやバリ取りするまで、パッド部を加工穴の内周に摺接させて上記反力を受け止めることができ、一層確実に振れの防止を図ることができる。なお、例えば工具本体の外周に上記切刃に連なる螺旋状の切屑排出溝が形成されているような場合でも、このパッド部を工具本体の上記軸線に平行な直線状に延設すれば、上述のように工具本体の振れを確実に抑えながらも、パッド部を設けることによる穴明け加工時の工具本体の回転駆動力の増大を最小限に抑えることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において、工具本体1は軸線Oを中心とした外形略円柱状をなしていて、その先端部の外周には、上記軸線O回りに工具後端側に向かうに従い工具回転方向Tの後方側に捩れる一対の螺旋状の切屑排出溝2,2が、工具本体1の先端面3に開口して後端側に延びるように形成されており、これらの切屑排出溝2,2の工具回転方向T側を向く壁面の先端に、それぞれ超硬合金等の硬質材料より成るチップ4がろう付けされて取り付けられ、このチップ4の先端に、被削材に加工穴を明けるための切刃5が形成されている。なお、工具本体1内には工具後端側から先端側に向けて切削油剤等の供給孔6が軸線Oに沿って形成されており、この供給孔6は工具先端側において2つに分岐して上記切刃5,5の工具回転方向T後方側に連なる上記先端面3,3部分にそれぞれ開口している。また、各チップ4外周の工具回転方向T側には、切刃5の外周端から工具後端側に軸線Oに平行に延びるマージン部4Aがそれぞれ形成されているとともに、工具本体1の周方向において上記切屑排出溝2,2の間に画成される一対のランド7,7の外周面7Aは、このマージン部4Aよりも工具内周側に僅かに後退した円筒面とされて、切刃5やマージン部4Aよりも外径の小さくされた外周逃げ面とされている。
【0008】
これらのランド部7,7うちの一方のランド7の外周面7Aには、上記先端面3から工具後端側に僅かに離れた位置に取付溝8が形成されており、この取付溝8内にはカートリッジ9が収容されて取り付けられている。ここで、この取付溝8は、上記軸線Oに平行に工具後端側に延びるように、また軸線Oに直交する断面視においては該軸線Oに対する径方向内周側に凹んで外周側に開口する「コ」字状をなすように形成されたものであり、ただしその溝底面8Aは、図4に示すように工具本体1の先端側(図4において左側)において最も深く、これよりも後端側(図4において右側)の取付溝8の長手方向略中央部に一段溝深さが浅くなる段差部8Bが形成されるとともに、さらにその後端側にはもう一段溝深さが浅くなる台座部8Cが形成されている。また、この取付溝8が形成された一方のランド7には、該取付溝8の上記長手方向に垂直に軸線Oを中心とした円の接線方向に延びるようにピン状の支持軸10が挿通されて取り付けられており、この支持軸10の先端部は、図4に示すように取付溝8の後端側の上記台座部8Cよりも僅かに先端側かつ外周側(図4において上側)において、上記溝底面8Aから屹立して工具本体1の周方向を向く取付溝8の溝壁面8D,8Dに直交するように突出させられている。
【0009】
一方、この取付溝8に取り付けられる上記カートリッジ9は、上記取付溝8に合わせて軸線Oに平行に延びるように形成されたものであって、その先端部にはチップ取付座9Aが形成されていて、このチップ取付座9Aに加工穴の開口部周縁のバリ取りや面取りを行う切刃チップ11がクランプネジ12によって着脱可能に取り付けられるとともに、後端部には取付孔9Bが貫設され、この取付孔9Bに、上記取付溝8の溝壁面8D,8Dに突出する支持軸10の先端部が嵌挿されることにより、当該カートリッジ9はこの支持軸10回りに回動自在に支持される。ただし、このカートリッジ9の回動は、上記取付孔9Bよりも後端側のカートリッジ9の後端部の工具本体1内周側(図4において下側)を向く当接部9Cが取付溝8の溝底面8Aにおける上記台座部8Cに当接することにより、図4に示した状態からカートリッジ9先端部が工具本体1の外周側に向かう方向への回動(図4における支持軸10を中心とした時計回り方向への回動)が拘束されるようになされている。また、上記切刃チップ11は超硬合金等の硬質材料によって略正三角形(厳密には偏六角形)の平板状に形成され、カートリッジ9の上記後端部9Cが台座部8Cに当接した状態で、図4に示すように上記正三角形の1の角部(偏六角形の1の短辺部)が工具本体1の外周側に突出するように上記チップ取付座9Aに取り付けられるとともに、カートリッジ9の回動によって上記取付溝8内に没入可能とされ、すなわち工具本体1の外周面に出没可能とされ、上記角部に交差する上記正三角形の辺稜部に形成された切刃11A,11Aによって加工穴のバリ取りや面取りを行う。
【0010】
さらに、このカートリッジ9の上記チップ取付座9Aが形成された先端部と上記取付孔9Bおよび当接部9Cが形成された後端部との間には、工具本体1の内周側が解放されるとともに外周側には天板部9Dが形成された凹所9Eが形成され、この凹所9E内には上記取付孔9Bと平行に延びるようにバネ支持ピン9Fがカートリッジ9と一体に形成されていて、このバネ支持ピン9Fに、本実施形態における付勢手段として捩りコイルバネ13が巻き掛けられるように緩挿されて取り付けられている。そして、この捩りコイルバネ13は、その一端部が解放された凹所9Eの工具本体1内周側から突出して、取付溝8の上記段差部8Bに当接させられるとともに、他端部は上記天板部9Dに当接させられ、かつこうして両端部が当接したところで圧縮された状態とされており、その弾性力によってカートリッジ9は上記当接部9Cが台座部8Cに当接して切刃チップ11が工具本体1の外周面から突出した状態で、この切刃チップ11が工具外周側に突出する方向に弾性的に付勢されている。また、さらに上記天板部9Dには、上記捩りコイルバネ13の他端部が当接する位置に、短尺のネジ14が付勢力調整手段として該天板部9Dを垂直に貫通するようにねじ込まれて取り付けられている。
【0011】
そして、このように切刃チップ11が工具外周側に付勢されて出没可能に設けられた上記一方のランド7とは反対の他方のランド7には、その外周面7Aに、軸線Oを挟んで上記切刃チップ11が出没する位置とは反対側に、該外周面7Aから突出するパッド部15が設けられている。このパッド部15は、上記取付溝8と軸線Oに対して反対側となる位置に該軸線Oに平行に形成されたやはり断面「コ」字状の凹溝16に、超硬合金等の硬質材料よりなる断面蒲鉾状のパット部材17を嵌合した上でろう付け等によって接合して取り付けてなるものであり、その最も工具外周側に位置する部分は、軸線Oを中心として上記切刃5の外径と等しい外径をなす断面円弧状とされている。また、本実施形態では上記凹溝16が工具本体1の上記先端面3に開口するように形成されていて、パット部15もこの先端面3から工具本体1の後端側に延びるように設けられており、その後端の位置は軸線O方向において少なくとも上記切刃チップ11の位置よりも工具後端側となるようにされている。さらに、このパッド部15は、螺旋状に形成された上記切屑排出溝2に干渉しないようにして、軸線Oに平行な直線状に延びるように延設されている。なお、このように螺旋状の切屑排出溝2に干渉せずにパッド部15を直線状に延設するため、本実施形態では該パッド部15は軸線O方向先端側から見た場合に他方のランド7のヒール側に隣接して配設され、従って切刃チップ11は同じく軸線O方向先端視において上記一方のランド7のやはりヒール側に配されることとなる。
【0012】
このように構成された穴明け工具においては、工具本体1をその軸線O回りに工具回転方向Tに回転させつつ前進させることにより、その先端に設けられた上記切刃5,5により加工物に加工穴が穿設されるとともに、工具本体1の先端面3から延びる上記パッド部15がこの加工穴の内周に摺接させられ、次いでこの工具本体1の先端面3から僅かに後端側において該工具本体1のランド7の外周面7Aに突出させられた上記切刃チップ11の先端側を向く切刃11Aによって上記加工穴の開口部のバリ取りや面取りが行われる。そして、さらに工具本体1を前進させてゆくと、切刃チップ11が加工穴の内周に押し込まれることにより、上記捩りコイルバネ13による付勢力に抗してカートリッジ9が図4において支持軸を中心として反時計回り方向に回動し、切刃チップ11が取付溝8内に没入させられて加工穴の内周に摺接しながら工具本体1とともに前進し、この加工穴が貫通穴である場合には加工穴の抜け際においてカートリッジ9が捩りコイルバネ13の付勢力によって上記とは反対に回動して再び切刃チップ11が突出し、その後端側を向く切刃11Aによってこの抜け際の加工穴の開口部がバリ取りまたは面取りされる。なお、この切刃チップ11が加工穴の内周に押し込まれてから抜け際の開口部をバリ取りあるいは面取りする間も、上記パッド部15は加工穴の内周に摺接したままである。
【0013】
そして、上記構成の穴明け工具では、このパッド部15と上記切刃チップ11とが軸線Oを挟んで工具本体1の周方向に互いに反対側に位置するように配設されており、従ってこの切刃チップ11が加工穴の開口部に食い付く際やこの加工穴の内周に摺接している間に付勢手段としての捩りコイルバネ13による付勢力によって工具本体1が軸線Oに対する径方向に押圧されても、これを加工穴の内周に摺接するパッド部15によって受け止めることができる。このため、かかる付勢力によって穴明け加工中に工具本体1に振れが生じるのを防ぐことができ、これにより工具本体1の直進性を確保することができるので、上記穴明け工具によれば、開口部にバリがなく、あるいは面取りが施された加工穴を、1度の工程で、そして高精度に形成することが可能となる。
【0014】
しかも、本実施形態においては、このパッド部15が工具本体1の先端面3から軸線O方向において上記切刃チップ11の位置よりも後端側にまで延びるように延設されており、上述のように切刃5によって形成された加工穴にまずこのパッド部15が摺接し、次いで上記切刃チップ11がこの加工穴の開口部に食い付くことになり、また切刃チップ11が加工穴内周に押し込まれている間もパッド部15はこの加工穴に摺接したままであって、これは抜け際の開口部をバリ取りあるいは面取りするときにも同様であるので、切刃チップ11が加工穴に接触して上記付勢力が作用している間は、常にパッド部15をこの加工穴の内周に摺接させておくことができ、従ってより確実にこの付勢力による工具本体1の振れを抑えて加工精度の一層の向上を図ることができる。また、特に切刃チップ11が加工穴の内周に押し込まれた際に、万一この切刃チップ11によって加工穴内周が傷つけられたとしても、その後に続いて加工穴内周に摺接するパッド部15のバニシング効果によって細かな傷は潰されて除去されてしまうので、本実施形態によれば、より平滑度の高い高品位の加工穴を形成することができるという効果も得られる。
【0015】
さらに、本実施形態ではこのパッド部15が軸線Oに平行に直線状に延びるように形成されているので、切屑排出溝2が上述のように螺旋状に形成されているにも拘わらず、パッド部15の長さは最小限に抑えることができ、従ってこのパッド部15が加工穴の内周に摺接する摺接面積も小さくすることができるので、この加工穴内周へのパッド部15の摺接摩擦によって穴明け加工時の工具本体1の回転駆動力が増大したりするのも抑制することができる。しかも、本実施形態では、このように切屑排出溝2が螺旋状とされているのに対してパッド部15がこれに干渉しないように直線状に延設されていることから、上述したように該パッド部15と切刃チップ11とはともに軸線O方向先端視にランド部7,7のヒール側に近接して設けられることとなり、従って工具本体1の先端部においてはこれらパッド部15および切刃チップ11と切刃5,5の外周端から延びる一対の上記マージン部4A,4Aとが周方向に比較的等間隔に配設されることになるので、この先端部においてよりバランス良く工具本体1を加工穴内周に摺接させることができ、一層安定した穴明け加工を促すことが可能となる。
【0016】
一方、このような切刃チップ11による加工穴開口部のバリ取りや面取りにおいて、加工物の材質等の切削条件や切削環境によってバリ取り量や面取り量を変化させる場合、本実施形態の穴明け工具では、例えば支持軸10を取り外した上でカートリッジ9を取り外して分解して捩りコイルバネ13をバネ定数の異なるものに交換したり、あるいは異なるバネ定数の捩りコイルバネ13が予め取り付けられた他のカートリッジ9に交換したりすることなく、付勢力調整手段としての上記ネジ14を操作することによって、切刃チップ11の上記切刃11Aが加工穴開口部に食い付く際の強さを調節することができて、上記バリ取り量や面取り量を容易に変化させることができる。すなわち、このネジ14を上記捩りコイルバネ13側にねじ込んでやれば、カートリッジ9の当接部9Cが台座部8Cに当接した状態でこの捩りコイルバネ13はより強く圧縮された状態となり、従って切刃チップ11が外周側に突出するようにカートリッジ9を付勢する付勢力も大きくなるため、この付勢力に抗して切刃チップ11をカートリッジ9ごと没入させるためにも大きな力を要することとなり、結果としてバリ取り量や面取り量を増大させることができる。また、このネジ14を緩めれば、これとは逆にバリ取り量や面取り量を小さくすることができる。
【0017】
従って、本実施形態の穴明け工具によれば、このように付勢力調整手段としてのネジ14を調整することにより、カートリッジ9や付勢部材としての捩りコイルバネ13を取り外して交換したり、予め複数種のカートリッジ9や捩りコイルバネ13を用意しておいたりすることなく、バリ取り量や面取り量の調節が容易に可能であって、調節作業に要する時間や労力を軽減することができて効率的であるとともに、余分な部品を用意する必要もなくなって経済的である。しかも、本実施形態ではこの付勢力調整手段がネジ14であって、そのねじ込み量に応じて捩りコイルバネ13側への出没量を変化させてこの捩りコイルバネ13の上記圧縮状態を無断階に調整可能であり、従ってバリ取り量や面取り量も上記切削条件や切削環境に合わせて最適に調整することが可能となる。なお、本実施形態では、この付勢力調整手段をカートリッジ9の天板部9Dに貫通するようにねじ込まれたネジ14によって構成しているが、例えば凹溝8の上記段差部8Bから出没可能とされて捩りコイルバネ13の一端部に当接可能なネジやピンを、上記パッド15に干渉しないように工具本体1に貫挿して付勢力調整部材としてもよい。また、上記付勢手段は、捩りコイルバネ13以外のコイルスプリングや皿バネなどでもよく、すなわち圧縮された状態でその両端部がカートリッジ9と取付溝8の溝底面8A側とに当接することによって該カートリッジ9を付勢する弾性体であればよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、加工穴開口部の面取りやバリ取りを行う切刃チップの軸線を挟んで反対側にパッド部を設けたので、この切刃チップに与えられる工具外周側への付勢力により工具本体に振れが生じたりするのを防ぐことができ、これによって工具本体の直進性を確保して高精度の穴明け加工を図ることができる。また、パッド部を、工具本体の先端面から軸線方向に切刃チップが出没する位置を越えて後端側にまで延設しているので、切刃チップが加工穴の開口部に食い付く前から抜け際の開口部を面取りやバリ取りするまで、パッド部を加工穴の内周に摺接させて反力を受け止めることができ、一層確実に振れの防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す側面図である。
【図2】 図1に示す実施形態を先端側から見た正面図である。
【図3】 図2における矢線Z方向視の側面図である。
【図4】 図1に示す実施形態の取付溝8部分の拡大断面図である。
【図5】 図1に示す実施形態の取付溝8部分を工具本体1の外周側から見た拡大図である。
【符号の説明】
1 工具本体
5,11A 切刃
7 工具本体1のランド7の外周面
8 取付溝
9 カートリッジ
10 支持軸
11 切刃チップ
13 捩りコイルバネ(付勢手段)
14 ネジ(付勢力調整手段)
15 パッド部
O 工具本体1の軸線

Claims (2)

  1. 軸線回りに回転される工具本体の先端に切刃が設けられるとともに、この工具本体の先端部には切刃チップが工具外周側に付勢されて該工具本体の外周面から出没可能に設けられ、この切刃チップが出没する位置に対して上記軸線を挟んで反対側の上記工具本体先端部の外周面には該外周面から突出するパッド部が設けられていて、上記パッド部は、上記工具本体の先端面から上記軸線方向に上記切刃チップが出没する位置を越えて後端側にまで延設されていることを特徴とする穴明け工具。
  2. 上記パッド部は、上記軸線に平行な直線状に延設されていることを特徴とする請求項1に記載の穴明け工具。
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