JP4756925B2 - 不飽和化合物、硬化性不飽和組成物、それを用いた硬化物及びその硬化物の除去方法 - Google Patents

不飽和化合物、硬化性不飽和組成物、それを用いた硬化物及びその硬化物の除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な不飽和化合物、硬化性不飽和組成物、それを用いた硬化物及びその硬化物の除去方法に関する。
架橋型樹脂は架橋されていない熱可塑性樹脂に比べ、耐溶剤性、耐熱性等に優れる点がある。
近年、地球環境の保全及び資源の有効利用の観点から、樹脂のリサイクルは重要な課題となっている。しかしながら、架橋型樹脂は不溶不融であることに加えて、加熱により分解させることが困難であるために、使用後に有効に処理又は再利用することが困難である。
特に近年、軽量材料のニーズが高まり、樹脂材料や軽量金属材料が用いられている。金属材料はリサイクルが容易であるため、マグネシウム系材料、アルミニウム系材料、チタン合金、銅系材料などの非鉄金属、自動車のバンパー、ホイールキャップ、サイドモールなどの自動車外装部品、インスツルメントパネル、レバー、内張りなどの内装部品、掃除機、洗濯機、冷蔵庫、照明器具、オーディオ機器などの電気製品、カラーボックス、収納ケースなどの各種日用雑貨品などに用いられる樹脂の成形体、具体例として、ポリエチレンやポリプロピレンなどに代表されるオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレンなどのエンジニアリング樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体やアクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、或いは炭素繊維強化エンジニアリングプラスチックなどの樹脂材料等が注目されている。
従来、塗膜付き樹脂廃材や金属材料の塗膜除去としては、例えば、強アルカリを大量に用いて塗膜を加水分解し洗浄して、製品中に塗膜を混入させない方法も考えられるが、別途廃水処理などの設備が必要になることから、かえって処理コストが高くなり、現実的な技術ではない。
また該廃材の粉砕物を加熱溶融し、液状となった基材の熱可塑性樹脂と固体状の熱硬化性塗膜とを、濾過により分離する溶融分離法;該廃材の塗装面に高速、高圧で射出された砂等の各種粉体、水等の液体により衝撃を加えて、塗膜を剥離させるブラスト法等が、行われている。
また、該廃材に1,000℃以上の火炎処理をして、塗膜のみを炭化し、カーボンブラック状にして無害化し、これを粉砕、再溶融して、原料化し、製品を成形する方法が公知である(特許文献1参照)。
また、従来、塗膜付き非鉄金属廃材の塗膜除去方法としては、例えば、該廃材上の塗膜に傷を入れた後、プラスチック粒、植物粒等の投射材を高速で投射して塗膜を除去するブラスト法が公知である(特許文献2参照)。
しかしながら、これら文献に記載の従来の樹脂廃材、非金属廃材等の塗膜除去方法には、いずれも、工程が煩雑であり、又特別な装置を必要とするという問題がある。
特開平9−11237号 特開2003−200349号
本発明の目的は、第3級エステル基を含有し、硬化性に優れ、不要の際には除去が可能となる不飽和化合物、硬化性不飽和組成物、それを用いた硬化物及びその硬化物の除去方法を提供することにある。
本発明に係わる不飽和化合物は、1分子中に平均2個以上の不飽和基及び1分子中に平均1個以上の下記式1〔化1〕で表される第3級エステル基を有する重量平均分子量100〜50000の範囲を有することを特徴とする。
Figure 0004756925
本発明に係わる不飽和化合物は、不飽和基が好ましくは重合可能な二重結合であり、更に好ましくは、ビニル基、ビニルエーテル基、アリル基、アリルエーテル基、プロペニル基、プロペニルエーテル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及び含窒素ビニル基から選ばれる少なくとも1種の不飽和基、更に好ましくはビニルエーテル基、アリルエーテル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基から選ばれる少なくとも1種の不飽和基である。
本発明に係わる不飽和化合物は、不飽和化合物が、不飽和基を含有する下記式2〔化2〕で示される不飽和化合物である。
Figure 0004756925
(式中、nは2〜8の整数を示し、mは0又は1の整数を示す。Rは同一又は異なって炭素数1〜24個の1価の有機基であり、Rは同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜6個の低級アルキル基、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を示す。Rは炭素数1〜24個の2価の有機基であり、Aは炭素数1〜24個の2価以上の有機基である。更に、A及び/又はRは、上記不飽和化合物の不飽和基と貯蔵中は実質的に未反応性であって、且つ硬化させる場合には該反応性官能基同士の反応、該不飽和基又は該反応性官能基の硬化剤との間で架橋反応を生じる反応性官能基を必要に応じて有することができる。)
本発明に係わる不飽和化合物は、反応性官能基が、水酸基、酸基、酸無水基、アミド基、エポキシ基、ブロック化イソシアネート基及びイソシアネート基から選ばれる少なくとも1種である。
本発明に係わる硬化性不飽和組成物は、上記不飽和化合物に不飽和基用硬化剤及び/又は不飽和基用硬化触媒を配合してなることを特徴とする。
本発明に係わる硬化性不飽和組成物は、不飽和基用硬化剤及び/又は不飽和基用硬化触媒が熱重合開始剤及び光重合開始剤から選ばれる少なくとも1種のものである。
本発明に係わる硬化物は、上記不飽和化合物又は硬化性不飽和組成物を用いて得られることを特徴とする。
本発明に係わる硬化物は、該硬化物を加熱処理することにより硬化物中の第3級エステル結合部が切断できる熱開裂性硬化物として用いる。
本発明に係わる硬化物の除去方法は、上記硬化物の一部もしくは全部を該硬化物中の第3級エステル結合部が切断できる温度に加熱して第3級エステル結合部を切断した後、必要に応じて処理剤を用いて加熱部分の硬化物を除去することを特徴とする。
本発明によれば、次の顕著な効果を発揮する。
1、分子を構成する不飽和基同士の反応により硬化物が得られる。
2、該反応はラジカル反応によるので短時間で硬化物が得られる。
3、ラジカル反応による結合部は炭素炭素間結合であることから水、熱、光等の外的因子に対して安定であり耐久性に優れる。
4、硬化物の一部もしくは全部を該硬化物中の第3級エステル結合部が切断できる温度に加熱して第3級エステル結合部を切断した後、必要に応じて処理剤を用いて加熱部分の硬化物を簡単に除去することができる。
本発明の不飽和化合物、硬化性不飽和組成物、硬化物及びその硬化物の除去方法について順次説明する。
不飽和化合物:
本発明の不飽和化合物は、1分子中に平均2個以上、好ましくは平均2〜10個の不飽和基及び平均1個以上、好ましくは平均2〜8個の第3級エステル基を有する重量平均分子量100〜50,000、好ましくは200〜45,000の範囲を有する。
該不飽和基が2個未満になると硬化物の強度などが低下する。第3級エステル基が1個未満になると有機溶剤等による溶解性が低下して開裂部の硬化物の除去性が低下する。重量平均分子量が100未満になると揮発性が高くなり、加熱硬化中に該不飽和化合物が揮発して系中の不飽和化合物濃度が低くなり、良好な硬化物を得ることができなくなるため、加熱硬化が困難となる。一方、50,000を超えると有機溶剤等による溶解性が低下して再処理が難しくなる。
該不飽和基として、重合可能な二重結合が好ましい。重合可能な二重結合としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等が包含される。ア重合可能な二重結合として、重合可能な二重結合の端部がエステル結合、エーテル結合、アミド結合等の結合で置換又は誘導(このものをまとめて「置換された重合可能な二重結合」と呼ぶことがある。)されていてもよい。置換された重合可能な二重結合としては、具体的には、例えばビニルエーテル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリルエーテル基、プロペニルエーテル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基等が包含される。
置換された重合可能な二重結合の中でも、特にビニルエーテル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリルエーテル基が好ましい。更には、反応性の観点からアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
本発明において第3級エステル基は、硬化物を加熱処理した際に該第3級エステル基構造が開裂し、低分子量化されて硬化物の除去が可能となる基である。
該第3級エステル基は、下記式1〔化3〕で表される。
Figure 0004756925
本発明において、不飽和化合物は、下記式2〔化4〕で示される不飽和化合物を使用することが好ましい。
Figure 0004756925
(式中、nは2〜8の整数を示し、mは0又は1の整数を示す。Rは同一又は異なって炭素数1〜24個の1価の有機基であり、Rは同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜6個の低級アルキル基、炭素数1〜4個の低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を示す。Rは炭素数1〜24個の2価の有機基であり、Aは炭素数1〜24個の2価以上の有機基である。更に、A及び/又はRは、上記不飽和化合物の不飽和基と貯蔵中は実質的に未反応性であって、且つ硬化させる場合には該反応性官能基同士の反応、該不飽和基又は該反応性官能基の硬化剤との間で架橋反応を生じる反応性官能基を必要に応じて有することができる。)
上記式2において、R及びRは炭素原子以外の原子を含むことができる(例えば、ヘテロ原子)有機基であるが、第3級エステル基を形成するためには、−O−Cの炭素原子に結合する最初のR及びRの基は炭素原子で結合していなければならない。
式2において、1価又は2価の有機基である炭素数1〜24個は、有機基に含まれる炭素数の総合計量を示す。例えば、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した有機基における炭素数は結合する脂肪族炭化水素基の炭素数と芳香族炭化水素基の炭素数(置換基の炭素数も含めて)との総炭素合計数であり、また、炭素分子鎖間にヘテロ原子などが存在する場合にも、ヘテロ原子に結合する炭素分子鎖の炭素数やヘテロ原子(複素環などを構成する炭素数)も含めた総炭素合計数を示す。
上記式2において、Rである炭素数1〜24個の1価の有機基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基及びこれらのものが組合わさったものが包含される。
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基などの炭素数1〜6個の低級アルキル基や炭素数6個を越えるオクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基などのアルキル基が挙げられる。これらの基は直鎖状、分岐状もしくはこれらのものが組合わさっていても構わない。
また、該アルキル基は、ハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基であってもよい。ハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロプロピル基、クロルプロピル基、フルオロブチル基、トリフルオロプロピル基などのものが挙げられる。
本発明において、ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、単環及び多環のいずれでもよく、具体的にはアリール基が挙げられ、単環としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基など、多環としては、例えば、ナフチル基などが挙げられる。該芳香族炭化水素基には、芳香族環を構成する水素原子の一部もしくは全部が炭素数1〜6個の低級アルキル基やハロゲン原子で置換されていても構わない。これらに中でもフェニル基やメチルで置換されたフェニル基などが好ましい。
脂環族炭化水素基としては、一般に3〜7個の炭素原子を有することができ、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基などが含まれるが、特にシクロヘキシル基が好ましい。
上記Rのヘテロ原子を有する炭素数1〜24個の1価の有機基としては、例えば、上記した脂肪族炭化水素基の間もしくは末端にヘテロ原子が結合したものが包含される。ヘテロ原子を有するものとしては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、環式エーテル、ラクトン、環式イミン及びラクタムなどの化合物に起因するものが挙げられる。
本発明においては、上記式2を構成するRの中でもメチル基が好ましい。
上記式2においてRで示される炭素数1〜6個の低級アルキル基としては、上記した炭素数1〜6個の低級アルキル基と同じものが挙げられる。
上記Rで示される炭素数1〜4個の低級アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、s−ブトキシ基等を挙げられる。
の中でも好ましくは水素原子又はメチル基であり、更に水素原子が硬化性の点から好ましい。
上記式2において、Rである炭素数1〜24個の2価の有機基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基及びこれらのものが組合わさったものが包含される。また、芳香族環を構成する水素原子の一部もしくは全部が炭素数1〜6個の低級アルキル基やハロゲン原子で置換されていても構わない。また、脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていても構わない。
Rとしては、具体的には次のものが挙げられる。
2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、下記式3〔化5〕のものが挙げられる。
Figure 0004756925
2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、−CH−、−C−、−C−、−C−、−C10−、−C12−、−C1020−、−C1224−、−C1632−などが挙げられる。
2価の脂環族炭化水素基として、例えば、式4〔化6〕のものが挙げられる。
Figure 0004756925
また、上記した有機基において、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基や脂環族炭化水素基とが組合わさっていてもよい。
このものとしては、例えば、式5〔化7〕のものが挙げられる。
Figure 0004756925
また、上記式2のRにおいて、炭素数1〜24個の2価の有機基に含有できるヘテロ原子とは、炭素原子以外の原子、例えば、酸素、硫黄、窒素などであって、該ヘテロ原子は原子単独でももしくはその他の原子と結びついた基、例えば、エーテル基、エステル基、チオエーテル基、アミド基などの直鎖状のものや2種またはそれ以上の元素の原子(炭素のほか,窒素,酸素,硫黄など)から環が構成されている複素環式状のものが含まれる。該複素環式状のものとしては、炭素数1〜24個の2価の有機基中に、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、環式エーテル、ラクトン、環式イミン、ラクタムなどの化合物により導入された複素環式の残基を有するものである。
また、ヘテロ原子を有する2価の有機基は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及び脂環族炭化水素基の末端にヘテロ原子が結合したもの、脂肪族炭化水素基同士の結合間や脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基や脂環族炭化水素基との結合間や芳香族炭化水素基と脂環族炭化水素基との結合間にヘテロ原子が結合したものも含まれる。
上記したエーテル基、エステル基又はチオエーテル基を有していても良い炭素数1〜20個の直鎖状もしくは分岐状の2価の有機基としては、例えば、式6〔化8〕のものが挙げられる。
Figure 0004756925
更に、Rは、上記不飽和化合物の不飽和基と貯蔵中は実質的に未反応性であって、且つ硬化させる場合には該反応性官能基同士の反応、該不飽和基又は該反応性官能基の硬化剤との間で架橋反応を生じる反応性官能基を必要に応じて有することができる。このような反応性官能基としては、例えば、水酸基、酸基、酸無水基、アミド基、エポキシ基、ブロック化イソシアネート基及びイソシアネート基等が挙げられる。イソシアネート基として、代表例として、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリイソシアネートとポリオールアダクト体及びポリイソシアネートの重合体等が挙げられる。
また、ブロック化イソシアネート基で使用されるブロック化剤として、代表例として、フェノール、ε−カプロラクタム、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等が挙げられる。
該反応性官能基は、例えば、Rの炭素数1〜24個の2価の有機基である脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基及びこれらの基が組合わさった基のうち、これらの基を構成する水素原子の一部が該反応性官能基で置換されたものが挙げられる。
上記式2のAは炭素数1〜24個の2価以上の有機基であり、好ましくは、2〜8価の有機基である。式2における結合数(価)は式2のnの数に相当するものである。即ち、例えば、2価のものはnが2個、3価のものはnが3個のものに相当する。
Aが2価のものは、上記Rと同じものが含まれる。
Aが3価以上の有機基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基及びこれらのものが組合わさったものが包含される。また、芳香族環を構成する水素原子の一部もしくは全部が炭素数1〜6個の低級アルキル基やハロゲン原子で置換されていても構わない。また、脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていても構わない。また、上記Rに記載したと同様にヘテロ原子を含んでいても構わない。
3価以上のものとしては、例えば、式7〔化9〕で表される
Figure 0004756925
等の3価芳香族炭化水素基;
式8〔化10〕で表される
Figure 0004756925
等の4価芳香族炭化水素基;
式9〔化11〕で表される
Figure 0004756925
等の5価〜8価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
式2において、Aで示される3価以上の脂肪族炭化水素基としては、例えば、
式10〔化12〕のものが挙げられる。
Figure 0004756925
式2において、Aで示される3価以上の脂環族炭化水素基としては、例えば、
式11〔化13〕のものが挙げられる。
Figure 0004756925
更に、Aは、上記不飽和化合物の不飽和基と貯蔵中は実質的に未反応性であって、且つ硬化させる場合には該反応性官能基同士の反応、該不飽和基又は該反応性官能基の硬化剤との間で架橋反応を生じる反応性官能基を必要に応じて有することができる。このような反応性官能基としては、例えば、水酸基、酸基、酸無水基、アミド基、エポキシ基、ブロック化イソシアネート基及びイソシアネート基等が挙げられる。イソシアネート基及びブロック化剤としては上記したものと同じものが挙げられる。
該反応性官能基は、例えば、Aの炭素数1〜24個の2価の有機基である脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基及びこれらの基が組合わさった基のうち、これらの基を構成する水素原子の一部が該反応性官能基で置換されたものが挙げられる。
不飽和化合物は、1分子中に、式1の3級エステル基を、2〜8個程度有することが、組成物の硬化性が優れ、且つ硬化塗膜の除去性が優れる点から好ましい。
上記式2において、下記するR及びAのものが硬化性、熱開裂性の面から好ましい。
Rとして、mが1のものが好ましく、更に下記式12〔化14〕のものが好ましい。
Figure 0004756925
上記式12において左鎖の結合は第3級エステル結合の炭素原子及び右鎖の結合はオレフィンオキシドの炭素原子に結合する。
Aとして下記式13〔化15〕のものが好ましい。
Figure 0004756925
など。
上記したRに記載の基及びAに記載の基は夫々適宜組合わせることができる。
式2において、nの構造は同じでなくても良い。即ち、例えば、nが2の整数の場合において、n1のAが脂肪族炭化水素基及びn2のAが芳香族炭化水素基であってもよい。
本発明において、不飽和化合物として、不飽和基を2個以上含有するものとして、次のものが挙げられる。
式14〔化16〕
Figure 0004756925
式15〔化17〕
Figure 0004756925
式16〔化18〕
Figure 0004756925
式17〔化19〕
Figure 0004756925
上記した不飽和化合物には、必要に応じて熱重合開始剤、光重合開始剤、光重合促進剤、カチオン重合触媒、アニオン重合触媒、光増感色素、光増殖剤、光酸発生剤等の不飽和基用硬化剤、不飽和基用触媒及び不飽和基用促進剤等を配合することができる。
該不飽和基用開始剤、不飽和基用触媒や不飽和基用促進剤の配合割合は、組成や要求される性能に応じて配合すればよいが、一般的には、本発明の不飽和化合物100重量部に対して、不飽和基用開始剤の場合には1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部、不飽和基用触媒及び不飽和基用促進剤の場合には0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜8重量部で十分と考える。
本発明において、不飽和化合物として、反応性官能基を含有するものとして、次のものが代表的なものとして挙げられる。
式18〔化20〕
Figure 0004756925
式19〔化21〕
Figure 0004756925
上記不飽和以外の反応性官能基の硬化剤や触媒、促進剤としては、従来から公知のものを使用することができる。その代表例として、エポキシ基に対しては、多塩基酸、酸無水物、アミン化合物、アミド化合物、フェノール系化合物、カチオン重合触媒、アニオン重合触媒等、水酸基に対しては、ポリイソシアネート化合物、多塩基酸、酸無水物等、カルボキシル基に対しては、多価アルコール、ポリエポキシド等が挙げられる。
該反応性官能基用硬化剤又は反応性官能基用触媒、反応性官能基促進剤の配合割合は、組成や要求される性能に応じて配合すればよいが、一般的には、反応性官能基を有する不飽和化合物100重量部に対して、反応性官能基用硬化剤の場合には1〜80重量部、好ましくは2〜70重量部、反応性官能基用触媒や反応性官能基用促進剤の場合には0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部で十分と考える。
本発明の不飽和化合物には、必要に応じて第3級エステル基を含有しない不飽和化合物を配合することができる。
具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数1〜24個のアルキル又はシクロアルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等の官能性(メタ)アクリルアミド;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリルアミド、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ビニル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等の酸基含有不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能単量体;スチレン、ビニルトルエン、プロピオン酸ビニル、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート等のその他不飽和単量体が挙げられる。
該不飽和化合物は熱開裂に悪影響しない程度に配合すればよいが、一般的には、本発明の第3級エステル基を含有する不飽和化合物100重量部に対して200重量部以下、好ましくは1〜100重量部の範囲である。
本発明の不飽和化合物は、水、有機溶媒、希釈不飽和単量体(例えば、上記第3級エステル基を含有しない不飽和化合物)等の液状溶媒に溶解もしくは分散を行って液状として使用することができる。
また、粉体材料に含浸させたり、マイクロカプセル化させることにより粉体状としても使用することもできる。
本発明の硬化性不飽和組成物は、本発明の不飽和化合物及びこのものに不飽和基用又は不飽和基以外の反応性官能基用の硬化剤や触媒、促進剤等を配合したものが含まれる(以下、これらのものを単に「不飽和化合物」と略すことがある。)。
本発明の硬化物は、上記した不飽和化合物を例えば上記した従来から公知の不飽和基用硬化剤や不飽和基用触媒を配合して加熱、活性エネルギー線照射により硬化させることができる。
本発明の不飽和化合物より得られる硬化物は、硬化物の一部もしくは全部を塗料、接着剤、印刷インキ、成形などの材料として使用することができる。該不飽和化合物は、好ましくは、リサイクルやリユースなどが必要な基材に塗装、接着、印刷などを行うことができる。
また、該不飽和化合物を使用して塗膜、接着膜や印刷膜を形成する方法は従来からその分野で公知の方法により膜を形成することができる。これらの膜は、下塗り、中塗り又は上塗用の塗膜や近年数多く使用されている自動車用品、事務用品、家電製品、建材、エレクトニクス製品などの被着体に接着剤を積層して積層体を得るためのものとして利用できる。
本発明の不飽和化合物は、自動車のバンパー、ホイールキャップ、サイドモールなどの自動車外装部品、インスツルメントパネル、レバー、内張りなどの内装部品、掃除機、洗濯機、冷蔵庫、照明器具、オーディオ機器、エアコン、電子レンジ、掃除機、テレビ、パソコンなどの電気製品、カラーボックス、収納ケースなどの各種日用雑貨品などに用いられる樹脂の成形体、自動車外装部品、パソコン等の電子機器、プリンター、複写機、電話、家具等の事務用品、家具、建材、シーリング材等住宅構造材、液晶パネル、プラズマディスプレイ、半導体、プリント配線板、集積回路等のエレクトロニクス製品、二次電池などの電池材料におけるベアセルのパッケージ、缶製品等の用途で使用することができる。
また、素材としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどに代表されるオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレンなどのエンジニアリング樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体やアクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエーテル、エポキシ、ポリウレタン、ABS、ゴム等のプラスチックあるいは合成繊維類、綿、麻、絹、などの天然繊維、ビスコースレーヨン、酢酸セルロースなどの半合成繊維、木材、紙、皮革など、鉄、鋼鉄、金、銀、銅、アルミニウム、チタン、亜鉛、マグネシウム、錫等の金属類、ガラス、石膏、陶磁器、セラミックスなどの無機物が挙げられる。中でも、金属、プラスチックが好ましい。
本発明の熱開裂用樹脂組成物は、上記の熱硬化性樹脂組成物で形成された硬化物を、該樹脂硬化物を得るために加熱した温度よりも高い温度で加熱して該第3級エステル結合部が切断できるものである。
本発明の樹脂硬化物の除去方法は、上記した熱開裂用樹脂組成物を加熱して樹脂硬化物を得た後、加熱硬化させた温度よりも高い温度で該樹脂硬化物の全部もしくは一部を加熱して該第3級エステル結合部を切断した後、処理剤により又は処理剤によらずに加熱部分の該樹脂硬化物を除去する方法である。
該熱硬化性樹脂組成物を塗料として使用しその硬化塗膜が形成された被塗物について以下に説明する。
リサイクル時に硬化塗膜を除去する場合には、硬化塗膜を上記加熱硬化温度以上、例えば、180〜300℃程度に、0.5〜60分間程度加熱することにより、硬化塗膜の架橋構造を崩壊せしめ、次いで有機溶剤に浸漬する方法等により、容易に除去することができる。除去に使用する有機溶剤は一般的に用いられる有機溶剤を用いればよいが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素、トリクロルエタン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン、蟻酸メチル、酢酸−n−プロピルなどのエステル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコール誘導体、酢酸などの脂肪酸やフェノール、クレゾール、フェノール、キシレノールなどのフェノール系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなどの含窒素系溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど硫黄原子を含有する溶媒が挙げられる。これらは単独または二種類以上の混合で使用することができる。
また、開裂部が加熱により液状化したものは、該処理剤を使用しても良いが、処理剤を使用しないで例えばヘラ等を用いて強制的に剥離することも可能である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1
攪拌機、還流冷却器、温度計及び1本の滴下漏斗を備えた2Lのフラスコにテレフタル酸クロライド40gと塩化メチレン(溶剤)400mlとを仕込んだ。
該滴下漏斗内へ4−アリルオキシ−2−メチル−ブタン−2−オール200g、ピリジン40ml、ジメチルアミノピリジン4.8g及び塩化メチレン100mlの混合溶液を仕込んだ。
この滴下漏斗から該混合溶液を室温化1時間で滴下を行う。滴下終了後室温にて1週間攪拌を続けた。攪拌終了後、析出物をろ過により除去し、冷却した2mol/lの塩酸溶液500mlにて残存ピリジン、ジメチルアミノピリジンを中和し、分離除去した。その後10重量%の炭酸水素ナトリウム水溶液200mlにて洗浄を2回繰り返し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶剤を除去した。溶剤を除去した粗生成物の精製工程には高真空薄膜蒸留装置(真空機工株式会社製卓上型高真空排気装置VPC-050、空冷式油拡散ポンプDPF-050使用)にて、加熱溶媒として2−エチル−1−ヘキサノールを用い、2Paにて蒸留精製を行ってビス(3−アリルオキシ−1,1−ジメチルプロピル)テレフタレート(式20〔化22〕)を57.7g得た。
Figure 0004756925
上記の方法で製造された不飽和化合物50g、ライトアクリレートBP−4EA(共栄社化学株式会社製、商品名)50gに光重合開始剤(イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、商品名))2gを配合した後、ブリキ板に塗布し、紫外線強度(1cm当たり35ミリワット)で60秒間照射して硬化膜(40μm)を得た。
硬化性:被塗物から分離させた硬化膜をアセトン還流下で2時間溶剤抽出を行い、溶剤抽出後の残存塗膜の重量変化「試験後の膜重量/試験前の膜重量」×100 」により評価した(以下、同様の試験方法)。その結果残存塗膜は97.5%であった。
熱開裂性:上記のように調製した膜を220℃10分熱風乾燥炉にて加熱したあと、上記と同様に溶剤抽出後の残存膜は6%であり後加熱後良好に塗膜の除去ができた。
実施例2
攪拌機、還流冷却器、温度計及び1本の滴下漏斗を備えた1lのフラスコに実施例1で得た式19の化合物20gと塩化メチレン(溶剤)50mlを入れて5℃以下へ冷却した。滴下漏斗内に3−クロロ過安息香酸39gと塩化メチレン300mlを2時間にて滴下した。室温にて12時間攪拌し、反応を完了させた。反応終了後に、反応液を氷浴にて10℃に冷却し、チオ硫酸ナトリウム水溶液(1N)を加え、室温に戻した後、1時間攪拌した。
その後、塩化メチレン200mlを加え分液処理し、有機(塩化メチレン)層を水酸化ナトリウム水溶液(0.5N)で洗浄し、続いて塩化ナトリウム水溶液で中性になるまで洗浄した。その後、洗浄した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し後、塩化メチレンを留去し、ビス(3−グリシジルプロピルオキシ−1,1−ジメチルプロピル)テレフタレート23gを得た。(収率:98%)次に、メタクリル酸9g、ビス(3−グリシジルプロピルオキシ−1,1−ジメチルプロピル)テレフタレート23g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.6gを配合し、100℃で攪拌を行った。反応中酸価を測定し、酸価が1mgKOH/g以下となるところ終点として反応を終了し、目的とする下記式21〔化23〕のものを得た。
Figure 0004756925
上記の製造方法で得られた不飽和化合物100gに光重合開始剤(イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、商品名))2gを配合した後、ブリキ板に塗布し、上記と同様の紫外線強度、時間で照射して硬化膜(40μm)を得た。
硬化性:残存塗膜は97.5%であった。
熱開裂性:上記のように調製した膜を220℃10分熱風乾燥炉にて加熱したあと、上記と同様に溶剤抽出後の残存膜は0.4%であり後加熱後良好に塗膜の除去ができた。
実施例3
攪拌機、還流冷却器、温度計及び1本の滴下漏斗を備えた1lのフラスコに実施例1で得た式19の化合物20gと塩化メチレン(溶剤)50mlを入れて5℃以下へ冷却した。滴下漏斗内に3−クロロ過安息香酸39gと塩化メチレン300mlを2時間にて滴下した。室温にて12時間攪拌し、反応を完了させた。反応終了後に、反応液を氷浴にて10℃に冷却し、チオ硫酸ナトリウム水溶液(1N)を加え、室温に戻した後、1時間攪拌した。
その後、塩化メチレン200mlを加え分液処理し、有機(塩化メチレン)層を水酸化ナトリウム水溶液(0.5N)で洗浄し、続いて塩化ナトリウム水溶液で中性になるまで洗浄した。その後、洗浄した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し後、塩化メチレンを留去し、ビス(3−グリシジルプロピルオキシ−1,1−ジメチルプロピル)テレフタレート23gを得た。(収率:98%)次に、アクリル酸8g、ビス(3−グリシジルプロピルオキシ−1,1−ジメチルプロピル)テレフタレート23g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.6gを配合し、100℃で攪拌を行った。反応中酸価を測定し、酸価が1mgKOH/g以下となるところ終点として反応を終了し、目的とする下記式22〔化24〕のものを得た。
Figure 0004756925
上記で製造された不飽和化合物100gに、トリレンジイソシアネート28g、光重合開始剤(イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、商品名))2gを配合した後、ブリキ板に塗布し、紫外線強度(1cm当たり35ミリワット)で20秒照射後、100℃10分加熱後して硬化膜(40μm)を得た。
硬化性:残存塗膜は99.5%であった。
熱開裂性:上記のように調製した膜を220℃10分熱風乾燥炉にて加熱したあと、上記と同様に溶剤抽出後の残存膜は9%であり後加熱後良好に塗膜の除去ができた。
比較例1
ライトアクリレートBP−4EA(共栄社化学株式会社製、商品名)100gに光重合開始剤(イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、商品名))2gを配合した後、ブリキ板に塗布し、紫外線強度(1cm当たり35ミリワット)で60秒間照射して硬化膜(40μm)を得た。
硬化性:残存塗膜は99.5%であった。
熱開裂性:上記のように調製した膜を220℃10分熱風乾燥炉にて加熱したあと、上記と同様に溶剤抽出後の残存膜は98%であり後加熱による塗膜の除去を行うことができなかった。
比較例2
エポキシエステル3002A(共栄社化学株式会社製、商品名)100gにトリレンジイソシアネート30g、光重合開始剤(イルガキュア907(チバスペシャリティケミカルズ株式会社製、商品名))2gを配合した後、ブリキ板に塗布し、紫外線強度(1cm当たり35ミリワット)で20秒照射後、100℃10分加熱後して硬化膜(40μm)を得た。
硬化性:残存塗膜は99.5%であった。
熱開裂性:上記のように調製した膜を220℃10分熱風乾燥炉にて加熱したあと、上記と同様に溶剤抽出後の残存膜は99%であり後加熱による塗膜の除去を行うことができなかった。

Claims (7)

  1. 下記式のいずれかで示される不飽和化合物
    Figure 0004756925
    Figure 0004756925
  2. 下記式のいずれかで示される不飽和化合物
    Figure 0004756925
  3. 請求項1又は2に記載の不飽和化合物に不飽和基用硬化剤及び/又は不飽和基用硬化触媒を配合してなることを特徴とする硬化性不飽和組成物。
  4. 不飽和基用硬化剤及び/又は不飽和基用硬化触媒が熱重合開始剤及び光重合開始剤から選ばれる少なくとも1種のものである請求項に記載の硬化性不飽和組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の不飽和化合物又は硬化性不飽和組成物を用いて得られることを特徴とする硬化物。
  6. 該硬化物を加熱処理することにより硬化物中の第3級エステル結合部が切断できる熱開裂性硬化物として用いる請求項に記載の硬化物。
  7. 請求項5又は6に記載の硬化物の一部もしくは全部を該硬化物中の第3級エステル結合部が切断できる温度に加熱して第3級エステル結合部を切断した後、必要に応じて処理剤を用いて加熱部分の硬化物を除去することを特徴とする硬化物の除去方法。
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