JP4756733B2 - ブロック共重合体複合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体又はその水添物と、特定の官能基又は置換基を有するシルセスキオキサン化合物の複合物に関し、耐熱性、透明性、加工性に優れたブロック共重合体複合物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高性能・高機能性高分子材料を得るために異なる種類の有機高分子を組み合わせるポリマーアロイによって性質の優れた組成物を得る研究がなされてきた。しかしながら、用途によっては有機高分子材料のみで発揮できる機能には限界があり、有機高分子材料と無機材料を組み合わせることが試みられている。
例えば、天然ゴムやSBR、EPDM等に無機充填材やオイル、加硫剤等を配合して加硫することにより補強性に優れた組成物が得られ、自動車のエンジンまわりのホース類や工業用品、靴底等に用いられている。また近年、自動車の省燃費性と制動性とのバランスを改善する目的でゴム状物質にシリカを配合して加硫したタイヤの開発の試みも広くなされている。しかしながら、これらは架橋されたゴム組成物であり、そのまま再加工して利用することができず、リサイクル性に劣るという問題点を有している。
【0003】
一方、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体は、比較的ビニル芳香族炭化水素が少ない場合、加硫をしなくても加硫された天然ゴムや合成ゴムと同様の弾性を常温にて有し、しかも高温では熱可塑性樹脂と同様の加工性を有することから、履き物、プラスチック改質、アスファルト改質、粘接着材等の分野で広く利用されている。又、比較的ビニル芳香族炭化水素含有量が多い場合は、透明で耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂が得られることから、食品包装容器、家庭用製品、家電・工業部品等の包装材料、玩具などに利用されている。更に、これらの共重合体の水添物は、耐候性、耐熱性に優れることから、上記の用途分野以外に、自動車部品や医療器具等にも幅広く実用化されている。
しかしながら、かかる熱可塑性ブロック共重合体においても無機充填材との組成物は、混練時の分散性が十分ではなく、期待した性能の改善効果は満足できるものではなかった。そのため、熱可塑性ブロック共重合体と異種材料との相互の親和性を改善する方法として、熱可塑性ブロック共重合体に官能基を付与することが知られている。例えば、特公昭62−54138号公報及び特公昭62−54140号公報には、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とのブロック共重合体に無水マレイン酸を付加して無機充填材との親和性を改善した組成物が開示されている。また、特公平4−39495号公報、特公平4−28034号公報、特公平4−38777号公報には、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とのブロック共重合体の末端に官能基を付与して、熱可塑性樹脂や粘着付与樹脂、アスファルトとの親和性を改善した組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】
かかる状況下で、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体又はその水添物と無機充填材との組成物において、相互の機能を効果的に発現させた、高機能な材料が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、有機高分子の長所である軽量、柔軟性、成形性と無機物の長所である耐熱性、高強度の両方を兼ね備えた新しい特性を有する材料を得る方法について鋭意検討した結果、特定のブロック共重合体に特定の官能基を有するシルセスキオキサン化合物を特定量配合することにより、従来の知見では予見され得なかった効果が発現され、耐熱性、透明性、加工性に優れた熱可塑性重合体複合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、1.(I)少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックBからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が5〜95重量%、共役ジエン含有量が95〜5重量%であるブロック共重合体又はその水添物と、(II)アルコキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、グリシジル基、カルボニル基、エステル基、ブニル基、スチリル基、塩素原子、臭素原子及び沃素原子から選ばれる少なくとも1種の官能基、該官能基が結合した炭素数1〜20の炭化水素基、該官能基が結合したケイ素数1〜8のシリル基及びシロキサン基、炭素数1〜18の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有するシルセスキオキサン化合物とからなり、(I)と(II)が化学的に結合した変性物及び/又は(I)と(II)の混合物であり、(I)と(II)の重量比が99.9/0.1〜50/50であるブロック共重合体複合物、2.(II)のシルセスキオキサン化合物が前記した一般式(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1種の構造体からなる上記1.のブロック共重合体複合物、3.上記1.又は上記2.のブロック共重合体複合物100重量部と、(III)シリカ系無機充填材及び/又は金属酸化物0.05〜50重量部とからなるブロック共重合体複合物、4.(III)シリカ系無機充填材及び/又は金属酸化物が、シリカ、クレー、タルク、マイカ、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、スラッグウール、ガラス繊維の無機繊維状物質から選ばれる少なくとも1種のシリカ系無機充填材及び/又は金属酸化物である上記3のブロック共重合体複合物、5.(I)少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックBからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が5〜95重量%、共役ジエン含有量が95〜5重量%であるブロック共重合体又はその水添物に、(II)アルコキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、グリシジル基、カルボニル基、エステル基、ビニル基、スチリル基、塩素原子、臭素原子及び沃素原子、酸ハロゲン基、酸無水物基、アミド基、イミノ基、イソシアネート基、ニトリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基、該官能基が結合した炭素数1〜20の炭化水素基、該官能基が結合したケイ素数1〜8のシリル基及びシロキサン基、炭素数1〜18の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有するシルセスキオキサン化合物が化学的に結合したブロック共重合体変成物、6.(II)のシルセスキオキサン化合物が前記した一般式(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1種の構造体からなる上記5.のブロック共重合体複合物に関する。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
本発明で使用する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体又はその水添物のビニル芳香族炭化水素含有量は、一般に5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%である。ビニル芳香族炭化水素の含有量が60重量%以下、好ましくは55重量%以下の場合は熱可塑性弾性体としての特性を示し、ビニル芳香族炭化水素の含有量が60重量%を超える場合、好ましくは65重量%以上の場合は熱可塑性樹脂としての特性を示す。ブロック共重合体の製造方法としては、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925号公報、特公昭51−49567号公報、特開昭59−166518号公報、特開昭60−186577号公報などに記載された方法が挙げられる。これらの方法で得られるブロック共重合体は、例えば下記一般式で表されるような構造を有する。
(A−B)n 、 A−(B−A)n 、 Bー(A−B)n
[(B−A)n ] m+1 ーY、 [ (AーB)n ] m+1 ーY
[(B−A)n ーB] m+1 ーY、 [ (A−B)n ーA] m+1 ーY
【0007】
また、ブロック共重合体が変成物の場合は、例えば下記一般式で表されるような構造を有する。
(A−B)n −X、 A−(B−A)n −X、 Bー(A−B)n −X
X−(A−B)n 、 X−(A−B)n −X、 X−A−(B−A)n −X、
X−Bー(A−B)n −X
[(B−A)n ] m+1 ーX、 [(AーB)n ] m+1 ーX
[(B−A)n ーB] m+1 ーX、 [(A−B)n ーA] m+1 ーX
(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体である。AブロックとBブロックとの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。又、nは1以上の整数、一般に1〜5の整数である。mは1以上の整数、一般に1〜10の整数である。Yは、例えば四塩化ケイ素等の多価ハロゲン化有機ケイ素化合物、四塩化スズ等の多価ハロゲン化有機スズ化合物、エポキシ化大豆油、2〜6官能のエポキシ基含有化合物、ポリハロゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ジビニルベンゼン等のポリビニル化合物、炭酸ジメチル等の炭酸ジアルキル類などのカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。また、Xは、後述する官能基を有する原子団が結合している変性剤の残基を示す)
【0008】
尚、上記において、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAとはビニル芳香族炭化水素を50重量%以上、好ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック及び/又はビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重合体ブロックBとは共役ジエンを50重量%を超える量で、好ましくは70重量%以上含有する共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体ブロック及び/又は共役ジエン単独重合体ブロックを示す。共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布していても、又テーパー状に分布していてもよい。又、該共重合体部分には、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。本発明で使用するブロック共重合体は、上記一般式で表されるブロック共重合体の任意の混合物でもよい。尚、重合体ブロックA中のビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロックが存在する場合、その割合はブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素に対して20重量%を超える、好ましくは30重量%以上、またその分子量は、一般に0.5万〜50万、好ましくは1万〜20万であることが推奨される。
【0009】
本発明において、ブロック共重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)は、後述する極性化合物等の使用により任意に変えることができ、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、1,2ービニル結合含有量は一般に5〜90重量%、共役ジエンとしてイソプレンを使用した場合には、3,4ービニル結合含有量は一般に3〜80重量%である。但し、ブロック共重合体として水添物を使用する場合のミクロ構造は、共役ジエンとして1,3ーブタジエンを使用した場合には、1,2ービニル結合含有量は好ましくは10〜80重量%、更に好ましくは25〜75重量%であり、共役ジエンとしてイソプレンを使用した場合には、3,4ービニル結合含有量は好ましくは5〜70重量%である。本発明において、共役ジエンとは1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば1,3ーブタジエン、2ーメチルー1,3ーブタジエン(イソプレン)、2,3ージメチルー1,3ーブタジエン、1,3ーペンタジエン、1,3ーヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては1,3ーブタジエン、イソプレンが挙げられる。これらは一つのブロック共重合体の製造において1種のみならず2種以上を使用してもよい。又、ビニル芳香族重合体としては、スチレン、O−メチルスチレン、Pーメチルスチレン、Pーtertーブチルスチレン、1,3ージメチルスチレン、αーメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、などがあるが、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これらは一つのブロック共重合体の製造において1種のみならず2種以上を使用してもよい。
【0010】
本発明において、ブロック共重合体の製造に用いられる溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、或いはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素などが使用できる。これらは1種のみならず2種以上を混合して使用してもよい。又、ブロック共重合体の製造に用いられる有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原子を結合した化合物であり、例えばエチルリチウム、nープロピルリチウム、イソプロピルリチウム、nーブチルリチウム、secーブチルリチウム、tertーブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウムなどが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上を混合して使用してもよい。又、有機リチウム化合物は、ブロック共重合体の製造において重合途中で1回以上分割添加してもよい。
【0011】
本発明において、ブロック共重合体の製造時重合速度の調整、重合した共役ジエン部分のミクロ構造の変更、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素との反応性比の調整などの目的で極性化合物やランダム化剤を使用することができる。極性化合物やランダム化剤としては、エーテル類、アミン類、チオエーテル類、ホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸のカリウム塩又はナトリウム塩、カリウムまたはナトリウムのアルコキシドなどが挙げられる。適当なエーテル類の例はジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルである。アミン類としては第三級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、その他環状第三級アミンなども使用できる。ホスフィン及びホスホルアミドとしては、トリフェニルホスフィン、ヘキサメチルホスホルアミドなどがある。
【0012】
本発明において、ブロック共重合体を製造する際の重合温度は、一般にー10℃〜150℃、好ましくは30℃〜120℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通常は24時間以内であり、特に好適には0.5〜10時間である。又、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるものではない。更に、重合系内は触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガスなどが混入しないように留意する必要がある。
【0013】
本発明において、ブロック共重合体の水添物は、上記で得られたブロック共重合体を水素添加することにより得られる。水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニュウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された水添触媒を使用することができる。好ましい水添触媒としてはチタノセン化合物及び/又は還元性有機金属化合物との混合物が挙げられる。
【0014】
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用できるが、具体例としては、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上もつ化合物が挙げられる。また、還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物あるいは有機亜鉛化合物等が挙げられる。
水添反応は一般的に0〜200℃、より好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。水添反応に使用される水素の圧力は0.1から15MPa、好ましくは0.2から10MPa、更に好ましくは0.3から5MPaが推奨される。また、水添反応時間は通常3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、或いはそれらの組み合わせのいずれでも用いることができる。
本発明で使用するブロック共重合体又はその水添物の分子量は、5万〜100万、好ましくは6万〜80万、更に好ましくは7万〜60万である。分子量が5万未満の場合は、ブロック共重合体組成物の引張強度が劣り、100万を超えると加工性に劣るため好ましくない。
【0015】
本発明において、ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に基づくビニル結合含有量は、赤外分光光度計(例えば、モレロ法)や核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて知ることができる。また水添率は、赤外分光光度計や核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて知ることができる。また、ブロック共重合体又はその水添物の分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めることができる。尚、クロマトグラム中にピークが複数有る場合の分子量は、各ピークの分子量と各ピークの組成比(クロマトグラムのそれぞれのピークの面積比より求める)から求めた重量平均分子量をいう。上記のようにして得たブロック共重合体又はその水添物の溶液は、必要に応じて触媒残査を除去し、ブロック共重合体又はその水添物を溶液から分離することができる。溶媒の分離の方法としては、例えば重合後又は水添後の溶液にアセトンまたはアルコール等の重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、ブロック共重合体又はその水添物の溶液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、または直接重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方法等を挙げることができる。尚、本発明で使用するブロック共重合体又はその水添物には、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加することができる。
【0016】
本発明で使用する成分(II)のシルセスキオキサン化合物とは、いわゆるT単位(RSiO1.5 )からなる化合物で、立方状の六面体が良く知られており、他に五面体や七面体をはじめとしたケージ型多面体が知られている。しかも、本発明で使用する成分(II)は、アルコキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、グリシジル基、カルボニル基、エステル基、ビニル基、スチリル基、塩素原子、臭素原子及び沃素原子、酸ハロゲン基、酸無水物基、アミド基、イミノ基、イソシアネート基、ニトリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基、該官能基が結合した炭素数1〜20の炭化水素基、該官能基が結合したケイ素数1〜8のシリル基及びシロキサン基、炭素数1〜18の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有するシルセスキオキサン化合物である。これら官能基を有するシルセスキオキサン化合物は、ブロック共重合体とシルセスキオキサン化合物とが化学的に結合した変成物を形成する場合の変性剤としての役割を果たす。好ましいシルセスキオキサン化合物として、前記した一般式(1)〜(7)で表したものが挙げられる。シルセスキオキサン化合物中の官能基個数は特に制限はないが、一般的には1〜8個である。シルセスキオキサン化合物の配合量は、成分(I)と成分(II)の重量比が99.9/0.1〜50/50、好ましくは99.5/0.5〜60/40である。成分(I)と成分(II)の重量比が99.9/0.1を超える場合は、耐熱性に劣り、逆に50/50未満の場合は、加工性及び透明性が悪化するため好ましくない。成分(II)のシルセスキオキサン化合物と成分(I)のブロック共重合体又はその水添物の複合物は、化学的に結合した変性物及び/又は成分(I)と成分(II)の化学的な結合を伴わない混合物である。化学的に結合した変性物を製造する方法は、ブロック共重合体のリビング末端に成分(II)の官能基が結合したシルセスキオキサン化合物を反応させる方法が一般的である。他の方法としては、ブロック共重合体に有機アルカリ金属化合物を反応(メタレーション反応)させ、ブロック共重合体に有機アルカリ金属が付加した重合体に上記の成分(II)を反応させる方法が挙げられる。後者の場合、ブロック共重合体の水添物を得た後にメタレーション反応させ、上記の成分(II)を反応させる方法が推奨される。また、成分(I)と成分(II)の混合物を得る方法は特に制限はなく,従来公知の方法が利用できる。例えば,成分(I)と成分(II)をバンバリ−ミキサ−,単軸スクリュ−押出機,2軸スクリュ−押出機,コニ−ダ,多軸スクリュ−押出機等の一般的な混和機を用いて溶融混練して混合する方法,また、成分(I)を溶媒に溶解した溶液に成分(II)を配合し、分散混合の後溶媒を加熱除去する方法等を用いることができる。
【0017】
本発明で使用するシリカ系無機充填材及び/又は金属酸化物(成分III)の配合量は、ブロック共重合体又はその水添物(成分I)とシルセスキオキサン化合物(成分II)の合計量100重量部に対して、0.5〜50重量部、好ましくは1〜45重量部、更に好ましくは3〜40重量部である。成分(III)の配合量が0.5重量部未満の場合は本発明の目的としている効果が発現されず、50重量部を超えると成分(III)の分散性や加工性が劣るため好ましくない。シリカ系無機充填材及び/又は金属酸化物としては、例えばシリカ、クレー、タルク、マイカ、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、スラッグウール、ガラス繊維などの無機繊維状物質など、「ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)などに記載されたものを使用することができる。
【0018】
特に本発明においてはシリカ及びガラス繊維が好ましい。シリカとしては乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、合成けい酸塩系ホワイトカーボン、コロイダルシリカとよばれているものが使用できる。これらは一次粒径が0.01mμの微粒子ものから二次粒子径が150mμ程度のものであっても良い。本発明において特に好ましいシリカは、二次粒子径が1〜50mμのものである。
成分(III)の配合方法は特に制限はないが、前述した成分(I)と成分(II)の混合物を得る方法と同様の方法が推奨される。
本発明においては、押出機による溶融混合法が生産性の点から好ましいが、特に分散性の良好な複合物を得るためには溶媒中での混合方法が推奨される。
本発明のブロック共重合体複合物は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム状重合体との組成物として使用しても良い。
【0019】
熱可塑性樹脂としては、本発明で規定するブロック共重合体とは異なる共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合樹脂、ビニル芳香族化合物の重合体、ビニル芳香族化合物と他のビニルモノマー、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸及びアクリルメチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等との共重合樹脂、ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(MBS)、ポリエチレン、エチレンを50重量%以上含有するエチレンとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びその加水分解物、エチレン−アクリル酸アイオノマーや塩素化ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレンを50重量%以上含有するプロピレンとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−アクリル酸エチル共重合体や塩素化ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、ポリブテン−1、ブテン−1を50重量%以上含有するブテン−1とこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であるポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデンを50重量%以上含有する塩化ビニル及び/又は塩化ビニリデンとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であるポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニルの含有量が50重量%以上である酢酸ビニルとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であるポリ酢酸ビニル系樹脂及びその加水分解物、アクリル酸及びそのエステルやアミドの重合体、メタクリル酸及びそのエステルやアミドの重合体、これらのアクリル酸系モノマーを50重量%以上含有する他の共重合可能なモノマーとの共重合体であるポリアクリレート系樹脂、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルの重合体、これらのアクリロニトリル系モノマーを50重量%以上含有する他の共重合可能なモノマーとの共重合体であるニトリル樹脂、重合体の構成単位がアミド基結合の繰り返しによって結合されている線状ポリマー、例えばε−アミノカプロラクタムやω−アミノラウロラクタムなどの開環重合体及び共重合体、ε−アミノウンデカン酸の縮重合体、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、セバシン酸等の二塩基酸との縮重合体、具体的にはナイロン- 46、ナイロン- 6、ナイロン- 66、ナイロン- 610、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン- 6ナイロン- 12共重合体などのポリアミド系樹脂、重合体の構成単位がエステル結合の繰り返しによって結合されている線状ポリマー、例えばアジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、P,P’−ジカルボキシジフェニル、2,6- ナフタリンジカルボン酸などの二塩基酸又はこれらの誘導体と、エチレングリコール、ポロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、P−キシレングリコール、ビスフェノールAなどのグリコール(またはジオール)との縮重合体、ピバロラクトン、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の開環重合体などのポリエステル系樹脂、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペート)、ポリカプロラクトンなどのポリエステルジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテルジオール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのグリコールから選ばれるグリコール成分と、芳香族、脂環族或いは脂肪族系ジイソシアネート、例えばトリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート成分との重付加反応によって得られる熱可塑性ポリウレタン系樹脂、重合体の構成単位が炭酸エステル結合の繰り返しによって結合されている線状ポリマー、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルアルカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のジヒドロキシ化合物とホスゲンの反応によって得られる重合体、或いは前記ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートとのエステル交換反応によって得られる重合体、具体的にはポリ−4,4’−ジオキシジフェニル−2,2’−プロパンカーボネートなどのポリカーボネート系重合体、ポリエーテルスルホンやポリアリルスルホンなどの熱可塑性ポリスルホン、具体的にはポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4’−ビスフェノールエーテルスルホン)、ポリ(チオエーテルスルホン)などのポリスルホン系樹脂、ホルムアルデヒド又はトリオキサンの重合体、ホルムアルデヒド又はトリオキサンに他のアルデヒド、環状エーテル、エポキシド、イソシアネート、ビニル化合物等との共重合体などのポリオキシメチレン系樹脂、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルなどのポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリ4,4’−ジフェニレンスルフィドなどのポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビスフェノールAとフタル酸成分からなる重縮合系ポリマーであるポリアリレート系樹脂、ポリエーテルケトン重合体又は共重合体、具体的にはポリエーテルエーテルケトンなどのポリケトン系樹脂、鎖状炭化水素高分子化合物の水素の一部又は全部をフッ素で置換した構造を有する重合体、具体的にはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライドなどのフッ素系樹脂、パラオキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジヒドロキシジフェニル或いはこれらの誘導体を用い、溶液重縮合や溶融重縮合により製造される重合体又は共重合体などのポリオキシベンゾイル系重合体、主鎖にイミド結合をもつ重合体、例えばポリイミド、ポリアミノビスマレイミド(ポリビスマレイミド)、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのポリイミド系樹脂、1,2−ポリブタジエン、トランスポリブタジエンなどのポリブタジエン系樹脂などである。これらの熱可塑性樹脂の数平均分子量は一般に1000以上、好ましくは5000〜500万、更に好ましくは1万〜100万である。またこれらの熱可塑性樹脂は2種以上を併用しても良い。
【0020】
ゴム状重合体としては、ブタジエンゴム及びその水素添加物、本発明で規定するブロック共重合体とは異なるスチレン−ブタジエンゴム及びその水素添加物、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム及びその水素添加物、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ヘキセンゴム、エチレン−オクテンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、α、β−不飽和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジエン共重合ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、スチレンーブタジエンブロック共重合体及びその水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体、天然ゴムなどが挙げられる。これらのゴム状重合体は、官能基を付与した変性ゴムであっても良い。又、必要に応じて本発明で規定する成分(II)及び成分(III)とは異なる任意の添加剤を配合することができる。添加剤の種類は,熱可塑性樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はない。例えば,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム,硫酸バリウム、等の無機充填剤,カ−ボンブラック,酸化鉄等の顔料,ステアリン酸,ベヘニン酸,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム,エチレンビスステアロアミド等の滑剤,離型剤,パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン,ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤,ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤等の酸化防止剤,ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤,難燃剤,帯電防止剤,有機繊維,ガラス繊維,炭素繊維,金属ウィスカ等の補強剤,着色剤、その他添加剤或いはこれらの混合物等が挙げられる。
【0021】
本発明のブロック共重合体複合物は、そのままで或いは更に他の各種添加剤を配合した組成物として、シート、フィルム、各種形状の射出成形品、中空成形品、圧空成型品、真空成形品、押出成形品等多種多様の成形品として活用できる。これらの成形品は、食品包装材料、医療用器具材料、家電製品及びその部品、自動車部品・工業用品・家庭用品・玩具等の素材、履物用素材などに利用できる。
【0022】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例において、ブロック共重合体又はその水添物の特性及びその複合物の物性測定は、次のようにして行った。
▲1▼ブロック共重合体及びその水添物の特性
1)スチレン含有量(重量%)
紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
2)ビニル結合含有量(重量%)及び水素添加率(%)
核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX−400)を用いて測定した。
3)分子量(万)
GPC〔装置は、ウォーターズ製〕で測定し、溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃で行った。分子量は、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。尚、クロマトグラム中にピークが複数有る場合の分子量は、各ピークの分子量と各ピークの組成比(クロマトグラムのそれぞれのピークの面積比より求める)から求めた重量平均分子量をいう。
【0023】
▲2▼複合物物性の測定
1)透明性(Haze)(%)
ブロック共重合体複合物を厚さ2mmの圧縮成形シートに作製し、これを試験片としてASTM D1003に準拠して測定した。
2)耐熱性(℃)
上記試験片の動的貯蔵弾性率(E’)の温度変化をDMAスペクトロメ−タ−(デュポン・インストラメント社製983DMA)を用い、以下に示す条件にて測定し、高温部の変極温度で耐熱性を評価した。
試験片厚み:2mm、スパン長さ:16mm、測定温度0℃〜200℃、昇温速度2℃/min.、測定周波数モード:共鳴周波数
3)加工性
ハイブリッドを二軸のオープンロールで200℃の温度で溶融混練し、ロールへの巻き付き状況で加工性を判断した。
○:ロールへの巻き付き状況良好。
△:ロールへの巻き付きはないが、シート状にはなる。
×:シート状にならず、混練が実質的に困難。
【0024】
また、水添反応に用いた水添触媒は、下記の方法で調製した。
1)水添触媒I
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。
2)水添触媒II
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン2リットルを仕込み、ビス(η5 −シクロペンタジエニル)チタニウムジ−(p−トリル)40ミリモルと分子量が約1000の1,2−ポリブタジエン(1,2−ビニル結合含有量約85%)150グラムを溶解した後、n−ブチルリチウム60ミリモルを含むシクロヘキサン溶液を添加して室温で5分反応させ、直ちにn−ブタノール40ミリモルを添加攪拌して室温で保存した。
【0025】
次に、実施例で使用したシルセスキオキサン化合物は以下の通りである。
化合物1:式(1)において、X1〜X8がシクロペンチル基であるシルセスキオキサン化合物。
化合物2:式(1)において、X1〜X8がスチレニル基であるシルセスキオキサン化合物。
化合物3:式(2)において、Y1〜X9がシクロペンチル基で、Y10がスチレニル基であるシルセスキオキサン化合物。
化合物4:式(3)において、Z3がプロピルメタクリレート基で、Z9がトリメチルシロシキ基であり、Z1、Z2、Z4〜Z8及びZ10がシクロペンチル基であるシルセスキオキサン化合物。
化合物5:式(4)において、A3、A4、A8がグリシジルプロピル基であり、A1、A2、A5〜A7、A9及びA10がシクロペンチル基であるシルセスキオキサン化合物。
【0026】
【実施例1】
攪拌機及びジャケット付きのオ−トクレ−ブを洗浄,乾燥,窒素置換し,予め精製したスチレン10重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し,70℃で1時間重合した後,予め精製したブタジエン80重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を加えて1時間重合し,さらにスチレン10重量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。得られたブロック共重合体は、スチレン含有量が20重量%,ポリブタジエン部の1,2ビニル結合含有量(後述する表1では「ビニル含有量」と略記した。)が50重量%であった。上記で得られたブロック共重合体に、水添触媒Iをポリマー100重量部当たりTiとして100ppm添加し、水素圧0.7Mpa、温度65℃で水添反応を1時間行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ- t- ブチル- 4- ヒドロキシフェニル)プロピオネ−トをブロック共重合体100重量部に対して0.3重量部添加した。
得られたブロック共重合体(ブロック共重合体A)の特性を表1に示した。次に、上記で得られたブロック共重合体Aのシクロヘキサン溶液に、化合物1のシルセスキオキサン化合物を5重量%添加し、混合攪拌した。次に、上記のブロック共重合体Aの溶液からシクロヘキサンを加熱除去してブロック共重合体複合物を得た。得られた複合物の物性を表2に示した。
【0027】
【実施例2】
攪拌機及びジャケット付きのオ−トクレ−ブを洗浄,乾燥,窒素置換し,予め精製したスチレン20重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し,70℃で1時間重合した後,予め精製したブタジエン60重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を加えて1時間重合し,さらにスチレン20重量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。得られたブロック共重合体は、スチレン含有量が40重量%,ポリブタジエン部の1,2ビニル結合含有量が17重量%であった。次に化合物3のシルセスキオキサン化合物を5重量%添加して混合攪拌し、ブロック共重合体と反応して化学結合させた。その後、この溶液にメタノールを添加した後、安定剤として2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートをブロック共重合体100重量部に対して0.3重量部添加した。ブロック共重合体のシクロヘキサン溶液から、スチームストリッピング方式によりシクロヘキサンを除去して得られたブロック共重合体(ブロック共重合体B)の特性を表1に、得られた複合物の物性を表2に示した。
【0028】
【実施例3】
攪拌機及びジャケット付きのオ−トクレ−ブを洗浄,乾燥,窒素置換し,予め精製したスチレン35重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し,70℃で1時間重合した後,予め精製したブタジエン20重量部とスチレン10重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を加えて1時間重合し,さらにスチレン35重量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。スチレン含有量が80重量%,ポリプタジエン部の1,2ビニル結合含有量が35重量%であった。上記で得られたブロック共重合体に、水添触媒Iをポリマー100重量部当たりTiとして100ppm添加し、水素圧0.7Mpa、温度65℃で水添反応を1時間行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ- t- ブチル- 4- ヒドロキシフェニル)プロピオネ−トをブロック共重合体100重量部に対して0.3重量部添加した。得られたブロック共重合体(ブロック共重合体C)の特性を表1に示した。次に、上記で得られたブロック共重合体Cのシクロヘキサン溶液に、化合物2のシルセスキオキサン化合物を10重量%添加し、混合攪拌した。次に、上記のブロック共重合体Cの溶液からシクロヘキサンを加熱除去してブロック共重合体複合物を得た。得られた複合物の物性を表2に示した。
【0029】
【実施例4】
攪拌機及びジャケット付きのオ−トクレ−ブを洗浄,乾燥,窒素置換し,予め精製したスチレン15重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムとテトラメチルエチレンジアミンを添加し,70℃で1時間重合した後,予め精製したブタジエン70重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を加えて1時間,さらにスチレン15重量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて1時間重合した。得られたブロック共重合体は、スチレン含有量が30重量%,ポリブタジエン部の1,2ビニル結合含有量が40重量%であった。次に化合物4のシルセスキオキサン化合物を5重量%添加して混合攪拌し、ブロック共重合体と反応して化学結合させた。
上記で得られたブロック共重合体に、水添触媒IIをポリマー100重量部当たりTiとして100ppm添加し、水素圧0.7Mpa、温度65℃で水添反応を1時間行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ- t- ブチル- 4- ヒドロキシフェニル)プロピオネ−トをブロック共重合体100重量部に対して0.3重量部添加した。このブロック共重合体のシクロヘキサン溶液から、スチームストリッピング方式によりシクロヘキサンを除去して得られたブロック共重合体(ブロック共重合体D)の特性を表1に、得られた複合物の物性を表2に示した。
【0030】
【実施例5】
実施例2においてブタジエンの代わりにイソプレンを使用し、実施例2と同様の方法でスチレン含有量が15重量%,イソプレン部の3,4ビニル結合含有量が30重量%のブロック共重合体(ブロック共重合体E)を得た。次に、上記で得られたブロック共重合体Eのシクロヘキサン溶液に化合物5のシルセスキオキサン化合物を10重量%添加し、混合攪拌した。次に、上記のブロック共重合体Eの溶液からシクロヘキサンを加熱除去してブロック共重合体複合物を得た。得られたブロック共重合体Eの特性を表1に、得られたブロック共重合体複合物の物性を表2に示した。
【実施例6】
実施例2において、シルセスキオキサン化合物を添加した後、乾湿シリカ(旭化成ワッカーシリコン社製 WACKER HDK N20)を5重量部添加した以外は実施例2と同様な方法でブロック共重合体複合物を得た。得られた複合物の物性は、Hazeが30%、耐熱性動的粘弾性は155℃であり、加工性も良好であった。
【0031】
【比較例1】
シルセスキオキサン化合物を使用しない以外は実施例1と同様の方法で得たブロック共重合体(ブロック共重合体A)の物性を表2に示した。
【比較例2】
シルセスキオキサン化合物の配合量が60重量%である以外は実施例1と同様の方法でブロック共重合体複合物を得た。この組成物は加工性が悪く、良好な成形片を得ることができなかった。
【比較例3】
シルセスキオキサン化合物に代えて乾湿シリカ(旭化成ワッカーシリコン社製WACKER HDK N20)を5重量%配合した以外は実施例4と同様の方法でブロック共重合体複合物を得た。この物性を表2に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明のブロック共重合体複合物は、耐熱性、透明性、加工性に優れる。本発明のブロック共重合体複合物は、これらの特徴を生かして、射出成形、押出成形などによって各種形状の成型品に加工でき、自動車部品(自動車内装材料、自動車外装材料)、食品包装容器などの各種容器、家電用品、医療機器部品、工業部品、玩具等に用いることができる。
Claims (6)
- (I)少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックBからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が5〜95重量%、共役ジエン含有量が95〜5重量%であるブロック共重合体又はその水添物と、(II)アルコキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、グリシジル基、カルボニル基、エステル基、ビニル基、スチリル基、塩素原子、臭素原子及び沃素原子、酸ハロゲン基、酸無水物基、アミド基、イミノ基、イソシアネート基、ニトリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基、該官能基が結合した炭素数1〜20の炭化水素基、該官能基が結合したケイ素数1〜8のシリル基及びシロキサン基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有するシルセスキオキサン化合物とからなり、ブロック共重合体又はその水添物(I)のリビング末端にシルセスキオキサン化合物(II)を反応させる方法又はブロック共重合体又はその水添物(I)に有機アルカリ金属化合物を反応させて有機アルカリ金属を付加した後、シルセスキオキサン化合物(II)を反応させる方法によって得られる変性物及び/又はブロック共重合体又はその水添物(I)とシルセスキオキサン化合物(II)の混合物であり、(I)と(II)の重量比が99.9/0.1〜50/50であることを特徴とするブロック共重合体複合物。
- シルセスキオキサン化合物(II)が、下記の一般式(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1種の構造体からなることを特徴とする請求項1のブロック共重合体複合物。
一つはアルコキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、グリシジル基、カルボニル基、エステル基、ビニル基、スチリル基、塩素原子、臭素原子及び沃素原子から選ばれた少なくとも一種の官能基、該官能基が結合した炭素数1〜20の炭化水素基、該官能基が結合したケイ素数1〜8のシリル基及びシロキサン基から選ばれた少なくとも一種の置換基であり、他は水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基である。)
- 請求項1又は2記載のブロック共重合体複合物100重量部と、(III)シリカ系無機充填材及び/又は金属酸化物0.05〜50重量部とからなることを特徴とするブロック共重合体複合物。
- (III)シリカ系無機充填材及び/又は金属酸化物が、シリカ、クレー、タルク、マイカ、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、スラッグウール、ガラス繊維の無機繊維状物質から選ばれる少なくとも1種のシリカ系無機充填材及び/又は金属酸化物であることを特徴とする請求項3記載のブロック共重合体複合物。
- (I)少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体ブロックBからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が5〜95重量%、共役ジエン含有量が95〜5重量%であるブロック共重合体又はその水添物(I)のリビング末端に(II)アルコキシル基、アルコキシシリル基、エポキシ基、グリシジル基、カルボニル基、エステル基、ビニル基、スチリル基、塩素原子、臭素原子及び沃素原子、酸ハロゲン基、酸無水物基、アミド基、イミノ基、イソシアネート基、ニトリル基から選ばれる少なくとも1種の官能基、該官能基が結合した炭素数1〜20の炭化水素基、該官能基が結合したケイ素数1〜8のシリル基及びシロキサン基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有するシルセスキオキサン化合物を反応させる方法又は上記ブロック共重合体又はその水添物(I)に有機アルカリ金属化合物を反応させて有機アルカリ金属を付加した後、上記シルセスキオキサン化合物(II)を反応させる方法によって得られることを特徴とするブロック共重合体又はその水添物の変性物。
- シルセスキオキサン化合物(II)が、下記の一般式(1)〜(7)から選ばれる少なくとも1種の構造体からなることを特徴とする請求項5のブロック共重合体又はその水添物の変性物。
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