JP4753556B2 - 燃料電池セル及びその製法並びに燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池セル及びその製法並びに燃料電池に関するものである。
次世代エネルギーとして、近年、燃料電池セルのスタックを収納容器内に収容した燃料電池が種々提案されている。
従来の固体電解質燃料電池セルとして、酸化剤極を基材とし、その板状の基体内部に一端からこれに相対する他端に向けて貫通口を有する中空を形成した固体電解質燃料電池セル(以下、燃料電池セルまたはセルと略す場合がある。)が提案されている(特許文献1参照)。
このセルは、基体が酸化剤極及び支持基板としての機能を有しており、この基体の一方側面に固体電解質、燃料極が順次積層され、他方側面にインターコネクタが積層され、これにより支持基板の相対する平坦面に形成された燃料極とインターコネクタとの間の電流経路を最短にすることができる。
しかしながら、特許文献1に記載のセルでは、酸化剤極を支持基板とし、その表面に固体電解質、燃料極を形成していたため、支持基板は酸化剤極と支持基板としての機能が要求されており、このような機能を同時に満足する支持基板を得ることは困難であった。
そこで、外表面が平行に延在する一対の平坦面と、該平坦面を接続する接続面とからなっている導電性支持基板(内部に燃料ガス通路が設けられている)の外表面に、サーメットからなる燃料極、固体電解質、導電性セラミックスからなる酸素極を順次設けて構成し、燃料極、固体電解質及び酸素極によって覆われていない導電性支持基板の表面に、インターコネクタが設けられた燃料電池セルが開発されている(特許文献2参照)。
この特許文献2では、導電性支持基板は押出成形して形成され、強度を確保するために仮焼され、その後、作業性等からスクリーン印刷で電極が形成されている。
特開平5−36417号公報 特開2004−146334号公報
特許文献2では、燃料電池セルの支持基板成形体を押出成形にて成形し、乾燥、脱脂、仮焼工程を経るが、この工程において反りが発生しやすく、このような支持基板成形体表面に燃料極となる層をスクリーン印刷等で塗布すると塗布ムラが発生するという問題が生ずる。そして、その後に燃料極塗布膜面に固体電解質が形成されるが、塗布ムラにより固体電解質が充分に密着できず、焼成後の燃料電池セルにおいて支持基板内の燃料ガスがガスリークし易いという問題があった。
本発明は、燃料電池セルからのガス漏れを防止することができる燃料電池セル、及び反った支持基板成形体に燃料極又は酸素極をスクリーン印刷等で塗布形成する際に、燃料極又は酸素極となる層の塗布ムラを防止することができるとともに、セルの製造時の歩留まりを向上させることができる燃料電池セルの製法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、支持基板成形体を成形後、仮焼して片側に突出した凸状形状の凸側面に燃料極又は酸素極となる層をスクリーン印刷等で塗布することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の燃料電池セルは、ガス流路が内部に形成されたガス透過性でかつ板状の支持基板を有する燃料電池セルであって、前記支持基板が、一対の面が片側に突出した凸状形状であり、その凸側面に少なくとも燃料極又は酸素極が形成されていることを特徴とする。
本発明では、後述するように幅方向の反りにより片側に突出した凸状形状の支持基板成形体の凸側面に、燃料極又は酸素極を形成することにより、塗布ムラを防止することができるため、燃料極又は酸素極上に固体電解質を充分に密着させて形成でき、ガス流路内のガス漏れを防止できる。
また、支持基板が平板である場合、固有振動数が低いため、例えば、自動車等による運搬中に発生する振動域、使用中装置内で発生する振動域等の低振動域において、共振現象が生じ、燃料電池セルが破損しやすいが、本発明では、ガス流路の配列方向に沿った方向(幅方向)に湾曲しているため、固有振動数を高くでき、低振動域での共振を抑制でき、運搬中等におけるセルの破損を抑制できる。
本発明において、
1.前記燃料極又は前記酸素極が前記支持基板の前記凸側面に印刷塗布して形成されていること、
2.前記支持基板の前記凸側面に形成された燃料極上に、固体電解質、酸素極が順次積層されていること、
3.前記支持基板の前記凸側面の相対する凹面にシート状のインターコネクタが形成されていること、
4.前記支持基板は、長手方向に貫通する前記ガス流路の複数が、幅方向に沿って配列されているとともに、幅方向断面において、一対の主面が厚み方向に湾曲した凸状形状を有しており、
前記支持基板の前記ガス流路の配列方向に沿った方向の最長幅Wと、
前記凹側面の両端に接する線分xと前記支持基板のW/2の位置に対応する前記凹側面の部位との距離hとが、
0.004≦h/W≦0.02の関係を満足すること
が望ましい。
持基板の凸側面に形成された燃料極上に、固体電解質、酸素極が順次積層されていると、塗布ムラが防止された燃料極層上に緻密な固体電解質が形成されることで、燃料電池セルからのガスの漏れを防止することができる。
また、持基板の凸側面と相対する凹側面にシート状のインターコネクタが形成されていることが望ましい。これにより、支持基板の相対向する面に形成された燃料極又は酸素極とインターコネクタとの間の電流経路が最短となり、電圧降下を最小限とできる。また、支持基板の固体電解質が形成されていない残りの面が緻密なシート状インターコネクタで覆われるため、燃料電池セルからのガスの漏れを有効に防止することができる。
支持基板は長手方向に貫通するガス流路の複数が、幅方向に沿って配列されているとともに、幅方向断面において、一対の主面が厚み方向に湾曲した凸状形状を有しており、支持基板のガス流路の配列方向に沿った方向の最長幅Wと、凹側面の両端に接する線分xと支持基板のW/2の位置に対応する凹側面の部位との距離hとが、0.004≦h/W≦0.02の関係を満足することが望ましい。これにより、ガス流路内のガス漏れを防止できるとともに、燃料電池セルの固有振動数を高くでき、低振動域での共振を抑制でき、運搬中等におけるセルの破損を有効に抑制できる。
また、本発明の燃料電池セルの製法は、一対の主面を有する板状の支持基板成形体を成形後、乾燥、仮焼して、一対の主面がに突出して凸状形状となった支持基板成形体の凸側面に、燃料極又は酸素極となる層をスクリーン印刷により形成する工程を含むことを特徴とする。これにより、燃料極又は酸素極となる層の塗布ムラを防止でき、セルの製造時の歩留まりが向上する。
本発明の燃料電池セルでは、支持基板の凸側面に燃料極又は酸素極を形成することにより、燃料極又は酸素極となる層の塗布ムラを防止でき、ガス流路内のガス漏れを防止できるとともに、燃料電池セルの固有振動数を高くでき、低振動域での共振を抑制でき、運搬中等におけるセルの破損を有効に抑制でき、さらに高い出力特性を有する燃料電池セルを得ることができる。
また、本発明の燃料電池セルの製法では、燃料極又は酸素極となる層の塗布ムラを防止することによりセルの製造時の歩留まりを向上させることができる。
図1は、本発明の燃料電池セルの好ましい態様を示す斜視図で、燃料電池セル30は、中空平板型であり、板状でかつ棒状を成している。燃料電池セル30は、ほぼ平行に延在する一対の平坦面と該平坦面を連結する円弧状接続面(弧状部)を有する形状が片側(長さ方向と幅方向に直交する方向)に突出した凸状形状であり、その支持基板31の内部には複数の燃料ガス通路31aが長さ方向に貫通して形成されている。
支持基板31は、一対の対向する面が一方は凸とされ、他方は凹となっている。言い換えれば、支持基板31の幅方向、即ち、燃料ガス通路31aの配列方向に沿った方向に湾曲しており、言わば、管状のものを長手方向に一部切り出したような形状をしている。
また、その多孔質な支持基板31の一方側の外面(凸側面)には、燃料極層32、緻密質な固体電解質33、多孔質な導電性セラミックスからなる酸素極34を順次積層し、酸素極34と相対する支持基板31の他方側の表面(凹側面)にインターコネクタ35を形成して構成されている。尚、図1では支持基板31とインターコネクタ35との間にシール性を向上すべく接合層36を介在させている。
支持基板31は、Ni、Co、Ti、Ruのうちいずれか一種の金属及び/又は金属酸化物、もしくはこれらの合金又は合金酸化物を主成分とするものであり、これら以外に、固体電解質33の熱膨張係数に近似させるため、La、Ce、Pr、及びNeを除く希土類元素酸化物、特にY及び/又はYbを主成分とするものである。還元雰囲気中で安定という点から、鉄族金属及び/又は鉄族金属の酸化物として、Ni及び/又はNiOが望ましい。
支持基板31中のY、Ybは、固体電解質33の熱膨張係数に近づけるとともに、支持基板31の導電率を高く維持するため、支持基板31全量中30〜65体積%、特に50〜65体積%含有されていることが望ましい。一方、Ni及び/又はNiOは、支持基板31全量中35〜70体積%含有されていることが望ましい。
この支持基板31の凸側面に設けられた固体電解質33は、3〜15モル%のY、Yb等の希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrOからなる緻密質なセラミックスが用いられている。希土類元素としては、入手の容易さ、価格の点からYが望ましい。固体電解質33の厚みは、ガス透過を防止するという点から10〜100μmであることが望ましい。
支持基板31と固体電解質33の間には、Ni及び/又はNiOと、Y、Yb等の希土類元素が固溶したZrOとを含有する燃料極層32が形成されている。この燃料極層32の厚みは1〜30μmであることが望ましい。
酸素極34は、LaMnO系材料、LaFeO系材料、LaCoO系材料の少なくとも一種の多孔質の導電性セラミックスから構成されていることが望ましい。酸素極34は、600〜1000℃程度の比較的低温での電気伝導性が高いという点からLaFeO系材料がより望ましい。酸素極34の厚みは、集電性の点から30〜100μmであることが望ましい。
そして、図1に示す通り、支持基板31表面の一部(他方側の外面)には、その長手方向に固体電解質33及び燃料極32が形成されていない部分を有しており、この固体電解質33及び燃料極32から露出した支持基板31の表面(他方側の外面)には、接合層36を介して導電性セラミックスからなるインターコネクタ35が形成されている。
このインターコネクタ35の厚みは、緻密性と電気抵抗という点から30〜200μmであることが望ましい。インターコネクタ35は、LaCrO系材料の導電性セラミックスから構成されていることが望ましい。
インターコネクタ35は、支持基板31の内外の燃料ガス、酸素含有ガスの漏出を防止するため緻密質とされており、また、インターコネクタ35の内外面は、燃料ガス、酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有している。
さらに、インターコネクタ35の外面には、P型半導体39が設けられている。このP型半導体39は、使用環境下で作動させるために、一般の不純物半導体ではなく、インターコネクタ35を構成するLaCrO系材料よりも電子伝導性が大きいセラミック製のP型半導体である酸素極34と同一成分、即ち、LaMnO系材料、LaFeO系材料、LaCoO系材料の少なくとも一種からなることが望ましい。このP型半導体39により、他方の燃料電池セル30の酸素極34からの電流を、P型半導体39、インターコネクタ35を介して一方の燃料電池セル30の支持基板31に効率良く伝達できる。
そして、本発明の燃料電池セルでは、支持基板31の凸とされた外面に、燃料極32、緻密質な固体電解質33、多孔質な導電性セラミックスからなる酸素極34が順次積層され、支持基板31の凹とされた外面には、インターコネクタ35が形成されている。
支持基板31は、図3に示すように、支持基板31のガス流路31aの配列方向に沿った方向の最長幅Wと、凹側面の両端に接する線分xと支持基板31のW/2の位置に対応する凹側面の部位との距離hとが、0.004≦h/W≦0.02の関係を満足している。言い換えれば、距離hは、支持基板31が幅方向の断面で見たときに湾曲しており、この場合の湾曲量を示すものである。本願発明では、0.004≦h/W≦0.02の関係を満足することにより、ガス流路31aのガス漏れを防止できるとともに、燃料電池セル30の固有振動数を高くでき、低振動域での共振を抑制でき、運搬中等におけるセルの破損を有効に抑制できる。
ここで、支持基板31の幅は広いほど、振動時に発生する応力に対して破損しにくくなるため、15mm以上が望ましい。一方、酸素極に十分に空気を行き渡させるためには狭い方がよいため、50mm以下が望ましい。
また、支持基板31の対向する面間の距離(厚み)は厚いほど、振動時に発生する応力に対して破損しにくくなるため、また製造上の点から支持基板31の厚みは1.5mm以上であることが望ましい。一方、燃料極32とインターコネクタ35間の電流経路を短くし、燃料電池セルを複数接続してスタックを形成するという点では、セルの厚みが薄いほど多くのセルを配設できるため発電量が高くなるため、支持基板31の厚みは、好ましくは10mm、より好ましくは7mm以下である。支持基板31の厚みが薄くなる程、仮焼時において反り易くなるため本発明を用いる意義は大きい。また、燃料ガス通路31aを有する場合も反り易くなるため本発明を用いる意義は大きい。
以上のような燃料電池セル30の製法について説明する。先ず、La、Ce、Pr、Ndの元素を除く希土類元素酸化物粉末とNi及び/又はNiO粉末を混合し、この混合粉末に、有機バインダーと、溶媒とを混合した導電性支持体材料を押し出し成形して、板状の導電性支持体成形体を作製し、これを乾燥、脱脂する。乾燥条件は、80℃〜150℃の温度範囲で、2時間以上乾燥することが望ましい。さらに、乾燥後に、800〜1100℃の温度域で仮焼する。
この支持基板成形体は図2に示すように、薄い板状であるため仮焼等の工程で反りが生じ易く、幅方向における断面で見たときに厚み方向に湾曲し、対向する平坦面の一方が凸、他方が凹となり易い。製造工程においては、仮焼等の工程で凹凸形状となった多数の支持基板成形体の両面を研磨することによって平面に修正することは困難である。
支持基板成形体作製後、燃料極材料を含有するペーストを印刷塗布するが、この凹凸形状を考慮せずに、凹となった面に燃料極ペーストを印刷塗布すると、支持基板成形体の幅方向中央部に燃料極ペーストが溜まり、厚みが大きくなり、均一な厚みを持たせることができなくなってしまう。また、凹となった面に印刷成膜する際に、支持基板成形体の中央部からスクリーン製版のメッシュが浮いてしまい、密着性が悪く、かすれた様に成膜されてしまう。
しかし、凸となった面に燃料極材料を含有するペーストを印刷すると均一な厚みを持たせることができ、きれいに成膜することができる。また、スクリーン製版のメッシュと支持基板成形体との密着性が良くなりかすれを少なくすることができる。
これらのことから、支持基板成形体を仮焼した後に、凸となった面に燃料極を印刷したほうがきれいに燃料極を成膜することができ、またその後に成膜する固体電解質もきれいに成膜することができる。また、ガスリークの発生も抑制することができる。
このようなかすれが生じたり、きれいに塗れなくなると、支持基板成形体表面上に燃料極ペーストによる段差や凹凸が生じてしまう。この凹凸は仮焼した後も残ってしまうため、その後固体電解質をテープ成膜する際に、その凹凸により固体電解質もきれいに均一に成膜することができなくなってしまう。
また、固体電解質をテープ成膜する際に、凸側面であればきれいに成膜できるが、凹側面に成膜する際には燃料極ペースト起因の凹凸によってきれいに密着しないため、空気泡をかみこんでしまいガスリーク場所になりやすい。
この後、燃料極のコーティング層、固体電解質層が形成されていない支持基板成形体の部分に、インターコネクタ成形体を積層し、大気中において焼成する。この後、酸素極を形成し、本発明の燃料電池セルを作製できる。
本発明の燃料電池は、上記燃料電池セルを複数収納容器内に収納して構成される。複数の燃料電池セル30は、図4に示すように、その平坦面同士を対向するように配置し、燃料電池セル30間に集電部材43を介装することにより複数の燃料電池セル30を直列に接続し、セルスタックが構成されている。
複数の燃料電池セル30の長さ方向の下端部は、ガスマニホールド45の上蓋に形成された貫通孔に挿入され、ガラス等で接合されている。燃料ガスがガスマニホールド45内に供給されると燃料電池セル30のガス流路30aを介して上方へ流れる。このようなセルスタックが収納容器内に収容され、燃料電池が構成される。
先ず、平均粒径0.5μmのNiO粉末と、平均粒径0.9μmのY粉末を焼成して還元した後における支持基板中の体積比率がNiを48体積%、Yを52体積%となるよう混合し、有機バインダーと溶媒にて作製した杯土を押し出し成形法にて成形し、乾燥、仮焼して支持基板成形体を作製した。
なお、支持基板成形体の押し出し成形直後の形状は、厚み3.2mm、幅36mm、弧状部はR1.6mm、長手方向の長さ220mm、ガス流路31aの厚み方向の径を2mmとした。また、ガス流路31aは支持基板成形体の平坦面間に等間隔に6個設けた。

次に平均粒径0.5μmのNi粉末と希土類元素が固溶したZrO粉と有機バインダーと溶媒を混合したペーストを作製し、前記支持基板成形体の仮焼等に起因して反りが生じた凸側面及び弧状部にスクリーン印刷法にて塗布、乾燥して、燃料極のコーティング層を形成した。一方、比較例として、凹側面にスクリーン印刷して燃料極のコーティング層を形成し、燃料極のコーティング層の印刷状態を目視にて観察した。
次に8mol%のイットリウムが固溶したZrO粉末と有機バインダーと溶媒とを混合して得られたスラリーを、ドクターブレード法にて厚み30μmの固体電解質層用シートを作製し、支持基板成形体上の燃料極のコーティング層に貼り付け、乾燥した。
その後、支持基板成形体、および燃料極のコーティング層、固体電解質層用シートを積層した積層成形体を1000℃にて仮焼処理した。
次に、CeOを85モル%、Smを15モル%含む複合酸化物を振動ボールミルにて24h解砕した後、900℃で4h仮焼処理を行い、再度ボールミルにて解砕処理を行い、粉体の凝集度(レーザー回折による粒径/比表面積から計算した疑似球形状粒径)を13〜16に合わせた。この粉体にアクリル系バインダーとトルエンを添加し、調合して作製した反応防止層のスラリーを、得られた仮焼体の固体電解質成形体の表面に、仮焼後にスクリーン印刷法にて塗布した。
また、LaCrO系酸化物と、有機バインダーと溶媒を混合したインターコネクタ用スラリーを作製し、これを、露出した支持基板成形体上に積層し、酸素含有雰囲気中で、1485℃焼成温度で同時焼成した。このときの燃料極上の固体電解質を目視にて、剥離、クラックの発生有無を観察し、表1に記載した。
次に、平均粒径2μmのLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末と、イソプロピルアルコールからなる混合液を作製し、積層焼結体の反応防止層の表面に噴霧塗布し、1150℃で焼き付け、酸素極を形成し、図1に示す燃料電池セルを作製した。
なお、作製した燃料電池セルの寸法は30mm×200mmで、導電性支持基板の厚さは3mm、開気孔率35%、燃料極の厚さは10μm、開気孔率24%、酸素極の厚さは50μm、開気孔率40%、固体電解質の厚さは32μm、相対密度は97%、反応防止層の厚みは5μmであった。
次に、この燃料電池セルの内部に、水素ガスを流し、850℃で、支持基板及び燃料極の還元処理を施した。得られた燃料電池セルの燃料ガス流路に燃料ガスを2kg/cm圧で供給し、この状態で水中に埋没させ、ガス漏れ状態を観察し、その結果を表1に記載した。
得られたセルの燃料ガス流路に燃料ガスを流通させ、セルの外側に酸素含有ガスを流通させ、燃料電池セルを電気炉を用いて850℃まで加熱し、発電試験を行った。このときの発電特性を確認した。
Figure 0004753556
本発明の燃料電池セルでは、燃料極の印刷状態は良好であり、固体電解質の剥離、クラックもなく、又ガス漏れもなく、発電性能は、0.35W/cmと良好であった。
一方、比較例として作製した燃料電池セルでは、燃料極にかすれが発生し、固体電解質へのクラックが発生し、ガス漏れも発生し、発電性能は、0.16W/cmという低いものであった。
押し出し成形後の支持基板成形体の幅を36mm、厚みを3.2mm、長さを220mmに設定し、乾燥、仮焼した支持基板成形体を用い、実施例1と同様にして燃料電池セルを作製した。この燃料電池セルについて、図3に示すように、支持基板のガス流路に垂直な断面の最長幅Wと、W/2の位置における支持基板の表面と、幅方向両端部に接する線分xとの距離hを求め、h/Wを求めた。
この燃料電池セルの長さ方向下端部を、厚さ12mmのステンレス板の貫通孔に挿入し、ガラスで接合し、周波数が10〜1000Hz、振幅が5mm、振動方向がXYZの3方向とする振動を、各セルに与える振動試験を行い、破損状況を目視にて確認し、表2に記載した。
Figure 0004753556
この表2から、本発明の燃料電池セルでは、周波数が10〜1000Hzで破損せず、良好であった。これに対して、反り量hが0の燃料電池セルでは、160Hzの振動で破損した。
本発明の燃料電池セルの斜視図 片側に突出した凸状形状支持体成形体の横断面図 支持基板の幅Wと反り量hとの関係を示す支持基板の横断面図 燃料電池セルがガスマニホールドに支持固定され立設している状態を示す断面図
符号の説明
30:燃料電池セル
31:支持基板
31a:燃料ガス通路
32:燃料極
33:固体電解質
34:酸素極
35:インターコネクタ

Claims (7)

  1. ガス流路が内部に形成されたガス透過性でかつ板状の支持基板を有する燃料電池セルであって、前記支持基板が、一対の主面が片側に突出した凸状形状であり、その凸側面に少なくとも燃料極又は酸素極が形成されていることを特徴とする燃料電池セル。
  2. 前記燃料極又は前記酸素極が前記支持基板の前記凸側面に印刷塗布して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
  3. 前記支持基板の前記凸側面に形成された前記燃料極上に、固体電解質、前記酸素極が順次積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池セル。
  4. 前記支持基板の前記凸側面と相対する凹側面にシート状のインターコネクタが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
  5. 前記支持基板は、長手方向に貫通する前記ガス流路の複数が、幅方向に沿って配列されているとともに、幅方向断面において、一対の主面が厚み方向に湾曲した凸状形状を有しており、
    前記支持基板の前記ガス流路の配列方向に沿った方向の最長幅Wと、
    前記凹側面の両端に接する線分xと前記支持基板のW/2の位置に対応する前記凹側面の部位との距離hとが、
    0.004≦h/W≦0.02の関係を満足することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
  6. ガス流路が内部に形成されたガス透過性でかつ板状の支持基板を有する燃料電池セルの製法であって、一対の主面を有する板状の支持基板成形体を成形後、乾燥、仮焼して反りにより片面に突出して凸状形状となった前記支持基板成形体の凸側面に、燃料極又は酸素極となる層をスクリーン印刷により形成する工程を含むことを特徴とする燃料電池セルの製法。
  7. 請求項1乃至5のうちいずれかに記載の燃料電池セルを収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池。
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