JP4753041B2 - アルカリ鹸化ポリマーフイルムの製造方法 - Google Patents
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また、本発明によれば、希釈用溶液塗布工程から掻取工程に至るまでの時間を、0.4秒以上としたことによって、表面のアルカリ溶液が水に拡散して薄まり残存し難くすることができ、一方、1.0秒以下としたことによって、工程を短くできるのでポリマーフイルム表面が再度乾くことを防止できる。
ポリマーフイルムは、光透過率が80%以上であるポリマーフイルムを用いる事が好ましい。ポリマーフイルムとしては、外力により複屈折が発現しにくいものが好ましい。ポリマーフイルムは、エステル結合あるいはアミド結合のような加水分解できる結合(鹸化処理の対象となる結合)を含む。エステル結合が好ましく、エステル結合がポリマーの側鎖に存在していることがさらに好ましい。エステル結合が側鎖に存在しているポリマーとしては、セルロースエステルが代表的である。セルロースの低級脂肪酸エステルがより好ましく、セルロースアセテートがさらに好ましく、酢化度が59.0%以上61.5%以下であるセルロースアセテートが最も好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
(I) Re=|nx−ny|×d(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率、nyは、フイルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率、nzは、フイルムの厚み方向の屈折率、dは、単位をnmとするフイルムの厚みである。ポリマーフイルムのReレターデーション値は1nm以上200nm以下であり、そして、Rthレターデーション値は70nm以上400nm以下であることが好ましい。具体的な値は、測定光の入射方向をフイルム膜面の鉛直方向に対して傾斜させた測定結果より外挿して求める。測定は、エリプソメーター(例えば、M−150、日本分光(株)製)を用いて実施できる。測定波長としては、632.8nm(He−Neレーザー)を採用する。
本発明の鹸化処理に供されるアルカリ溶液について説明する。本発明のアルカリ溶液は、水または有機溶剤と水との混合液にアルカリを溶解して調製できる。好ましい有機溶媒は、炭素原子数8以下のアルコール、炭素原子数が6以下のケトン、炭素原子数が6以下のエステル、炭素原子数が6以下の多価アルコールから選ばれる1種または2種以上の有機溶媒である。
有機溶剤については、新版溶剤ポケットブック(オーム社、1994年刊)に記載があり、有機溶剤の具体例としては、一価アルコール(例、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フッ素化アルコールなど)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、多価アルコール(例、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)およびエーテル(例、メチルセルソルブ、エチレングリコールジエチルエーテル)が挙げられる。特に好ましいものは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンである。
アルカリ溶液のアルカリ剤は、無機塩基および有機塩基のいずれも使用できる。低い濃度で鹸化反応をおこすためには強塩基が好ましい。アルカリ金属の水酸化物(例、NaOH、KOH、LiOH)、アミン(例、パーフルオロトリブチルアミン、トリエチルアミン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン等)、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシト゛(アルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、および錯塩の遊離塩基(例、[Pt(NH3 )6](OH)4 )が好ましく、アルカリ金属の水酸化物がさらに好ましく、NaOHおよびKOHが最も好ましい。
本発明のアルカリ溶液は、界面活性剤を含有することもできる。界面活性剤を添加することによって、たとえ有機溶媒がフイルム含有物質を抽出したとしてもアルカリ溶液中に安定に存在させ、後の水洗工程においても抽出物質が析出、固体化しない。界面活性剤の濃度は、ポリマーフイルムからアルカリ溶液中に抽出された疎水性添加物を安定に分散できる濃度を設定する。アルカリ溶液に使用する有機溶剤がポリマーフイルムを溶解したり膨潤したりしないとすると、フイルムより抽出される添加物はフイルム表面近傍からのみである。疎水性添加物の抽出量は、本発明で塗布する1cc/m2以上50cc/m2 以下のアルカリ溶液塗布量中に、最大でも1質量%と見積もれる。界面活性剤の濃度は、この抽出量の10倍である10質量%添加すれば、十分な分散特性が得られることが分かった。一方、界面活性剤の種類によっては、水洗工程で十分洗い落とされずに残留すると、後にポリマーフイルム上に配向膜を塗布する際に、フイルムと配向膜との結合(密着)に支障をきたす場合がある。また、液晶性分子を塗布する際にも液晶性分子の配向を妨げることがあるため、必要以上に添加することは好ましくない。界面活性剤の添加濃度は、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。本発明のアルカリ鹸化方法に好ましく用いられる界面活性剤については、本発明のアルカリ鹸化液に溶解または分散可能なものであれば特に制限はない。ノニオン界面活性剤、イオン性界面活性剤(アニオン、カチオン、両性界面活性剤)等のいずれをも好適に用いることができる。界面活性剤の中でも、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤が溶解性と鹸化性能の観点から好ましく用いられる。
ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、αオレフィンスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が好適に挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン類、アルキルアミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類等が挙げられる。
さらに、本発明におけるアルカリ溶液には消泡剤を含有させることが好ましい。この添加剤は、アルカリ水溶液中に、好ましくは0.001質量%以上5質量%以下、特に好ましくは0.005質量%以上3質量%以下の濃度で含有させることができる。この範囲において、フイルム表面への微小な気泡の付着も無くなり、アルカリ処理による鹸化がムラ無く均一に進行する。特に、長尺フイルムを連続して迅速に処理するのに有効である。
本発明に用いるアルカリ溶液には、さらに、防黴剤及び/または防菌剤を含有させることが好ましい。本発明において使用される防黴剤及び防菌剤は、アルカリ鹸化に悪影響を及ぼさないものであれば何でもよい。具体的には、L.E.West,"Water Quality Criteria"Phot.Sci.and Eng.,Vol9 No.6(1965)記載の殺菌剤、特開昭57−8542号、同58−105145号、同59−126533号、同55−111942号、同57−157244号公報記載の各種防黴剤、「防菌防黴の化学」堀口博著・三共出版(昭57)、「防菌防黴技術ハンドブック」日本防菌防黴学会・技報堂(昭61)に記載されているような化学物などを用いることができる。これら防黴剤及び/または防菌剤の添加量は、アルカリ水溶液中に0.01g/L以上50g/L以下であることが好ましく、より好ましくは0.05g/L以上20g/L以下である。
なお、本発明に用いるアルカリ溶液には、他の添加剤を併用しても良い。例えば、アルカリ液安定化剤(酸化防止剤等)、水溶性化合物(ポリアルキレングリコール類、天然水溶性樹脂等)が挙げられる。なお、本発明においてアルカリ溶液の添加剤は、これらに限定されるものではない。
また、アルカリ溶液に用いる水としては、日本国水道法(昭和32年法律第177号)及びそれに基づく水質基準に関する省令(昭和53年8月31日厚生省令第56号)、同国温泉法(昭和23年7月10日法律第125号及びその別表)、及び、WHO規定水道水基準によって規定される水中の混入の状態に於ける各元素やミネラル等への影響、等に基づくものが好ましい。
本発明に供されるアルカリ溶液は上記で説明の組成物から構成されるが、以下に記載の液体物性の範囲になるように調整されることが好ましい。アルカリ溶液は、その表面張力が45mN/m以下であリ、且つ粘度が0.8mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましい。より好ましくは、表面張力が20mN/m以上40mN/m以下であり、且つ粘度が1mPa・s以上15mPa・s以下である。この範囲で、アルカリ溶液の塗布が搬送速度に応じて安定な塗布操作が容易に行える様になり、且つフイルム表面への液の濡れ性、フイルム表面に塗布した溶液の保持性、鹸化処理後のフイルム表面からのアルカリ液の除去性が充分に行われる。また、アルカリ溶液の密度は、0.65g/cm3以上1.05g/cm3以下であることが好ましい。より好ましくは、0.70g/cm3以上1.00g/cm3以下であり、さらには0.75g/cm3以上0.95g/cm3以下であることが特に好ましい。この粘度範囲において、搬送での風圧による風ムラ、自重により搬送方向に平行な塗布スジ等を生じることなく鹸化処理が均一に行われる。さらには、本発明のアルカリ溶液の電気伝導度は、1mS/cm以上100mS/cm以下であることが好ましく、2mS/cm以上50mS/cm以下であることがより好ましく、3mS/cm以上50mS/cm以下であることが特に好ましい。この電気伝導度の範囲において、鹸化反応が均一に進行し、且つ鹸化反応後の鹸化液のフイルム表面からの除去も容易となる。電気伝導度が1mS/cmよりも小さいと、鹸化処理後のフイルム表面に残存する不純物のために輝点故障が多く発生したり、光学補償層の密着不良が生じやすくなり好ましくない。また、アルカリ鹸化溶液の液特性として、測定波長400nmにおける液の吸光度は2.0未満であることが好ましい。
本発明の鹸化処理は、少なくとも、予め室温以上に加熱する工程、ポリマーフイルムにアルカリ溶液を塗布する工程、ポリマーフイルムの温度を室温以上に維持する工程、そして、アルカリ溶液をポリマーから洗い落とす工程によりアルカリ鹸化処理を実施することから成る。また、ポリマーフイルムを予め室温以上に加熱する工程、あるいは、ポリマーフイルムにアルカリ溶液を塗布する工程の前に、粉塵を除去するため、並びに膜表面の濡れ性をより均一にするために除電処理、除塵処理あるいは、ウエット処理を実施することもできるこれらの方法は一般に知られている方法を用いることができ、除電方法としては、特開昭62−131500号公報に記載の方法、や除塵方法としては特開平2−43157号公報に記載の方法を挙げることができる。ポリマーフイルムを予め室温以上に加熱する工程では、温・熱風の衝突、加熱ロールによる接触伝熱、マイクロ波による誘導加熱、あるいは赤外線ヒータによる輻射熱加熱等が好ましく利用できる。特に加熱ロールによる接触伝熱は、熱伝達効率が高く小さな設置面積で行える点、搬送開始時のフイルム温度の立ち上りが速い点で好ましい。一般の2重ジャケットロールや電磁誘導ロール(トクデン社製)が利用できる。加熱後のフイルム表面温度は、15℃以上150℃以下であることが好ましく、25℃以上100℃以下がさらに好ましく、30℃以上80℃以下が最も好ましい。
幅方向の長さが1340mmのセルロースエステルフイルムを、表面温度を80℃と100℃に設定したそれぞれの誘電式加熱ロールと接触させながら搬送し、そのフイルムの表面温度を40℃にした。
純水ノズルから45℃の純水を218g/m2にて吐出してセルロースエステルフイルム上に吹き付け、その後、純水ノズルからフイルムの搬送方向の長さにして1200mm下流側に設けられたロッドコーターまで、セルロースエステルフイルムを搬送して、フイルム表面の付着液をロッドコーターにより掻き取ったことを除き、実施例1と同じ条件で鹸化処理フイルム(SF−2)を作成した。
純水ノズルから45℃の純水を113g/m2にて吐出してセルロースエステルフイルム上に吹き付け、その後、純水ノズルからフイルムの搬送方向の長さにして700mm下流側に設けられたロッドコーターまで、セルロースエステルフイルムを搬送して、フイルム表面の付着液をロッドコーターにより掻き取ったことを除き、実施例1と同じ条件で鹸化処理フイルム(SF−3)を作成した。
純水ノズルから45℃の純水を90g/m2にて吐出してセルロースエステルフイルム上に吹き付け、その後、純水ノズルからフイルムの搬送方向の長さにして1200mm下流側に設けられたロッドコーターまで、セルロースエステルフイルムを搬送して、フイルム表面の付着液をロッドコーターにより掻き取ったことを除き、実施例1と同じ条件で鹸化処理フイルム(SF−4)を作成した。
純水ノズルから45℃の純水を300g/m2にて吐出してセルロースエステルフイルム上に吹き付け、その後、純水ノズルからフイルムの搬送方向の長さにして1200mm下流側に設けられたロッドコーターまで、セルロースエステルフイルムを搬送して、フイルム表面の付着液をロッドコーターにより掻き取ったことを除き、実施例1と同じ条件で鹸化処理フイルム(SF−5)を作成した。
アルカリ溶液塗布手段からロッドコーターまで搬送する間にセルロースエステルフイルムに対して純水を塗布しなかったことを除き、実施例1と同じ条件で鹸化処理フイルム(SF−6)を作成した。
アルカリ溶液塗布手段からロッドコーターまで搬送する間にセルロースエステルフイルムに対して純水を塗布しなかったことと、セルロースエステルフイルムを搬送速度80m/分で搬送したことを除き、実施例1と同じ条件で鹸化処理フイルム(SF−7)を作成した。
実施例1〜5及び比較例1、2により得られた鹸化処理フイルムについて、東亜ディーケーシー(株)社製CN−30G電気伝導度測定計を用いて電気伝導度測定を行った。
実施例1〜5及び比較例1、2により得られた鹸化処理フイルムの鹸化処理面に下記(化1)の変性ポリビニルアルコール20質量部、水360質量部、メタノール120質量部、ならびにグルタルアルデヒド0.5質量部からなる配向膜塗布液をロッドコーターで30cc/m2塗布し、60℃の温風で60秒、さらに90℃の熱風で150秒間、乾燥した後に搬送方向に鉛直に配置したベルベット布ラビングロールを用いて、ラビング処理を行って配向膜を形成した。
実施例1〜5及び比較例1、2により得られた鹸化処理フイルムに形成した配向膜の上に、下記(化2)のディスコティック化合物41.01質量部、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)1.22質量部、多官能アクリレートモノマー(NKエステル A−TMMT 新中村化学工業製)2.84質量部、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)0.90質量部、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.23質量部、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)1.35質量部、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.45質量部を、102質量部のメチルエチルケトンに溶解した後に#4のワイヤーバーで塗布した。続き、連結する130℃の熱風ゾーンで2分間加熱し、円盤状化合物を配向させた。最後に80℃の雰囲気下のもと、膜面温度が約100℃の状態で120W/cm高圧水銀灯を用いて、0.4秒間UV照射しディスコティック化合物を重合させ、光学異方性層を形成し、光学補償シートを作製した。
延伸したポリビニルアルコールフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した各光学補償シートを偏光膜の片側に、もう一方には市販のセルローストリアセテートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)に鹸化処理を行い貼り付けた後、80℃で10分間乾燥させた。偏光膜の透過軸と光学補償シートの遅相軸とが平行になるように配置した。偏光膜の透過軸と市販のセルローストリアセテートフイルムの遅相軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光板を作製した。
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(6E−A3、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記に作製した偏光板を、光学補償シートが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置し液晶表示装置を組み上げた。
実施例1〜5及び比較例1、2の試験結果を表1に示す。また、電気伝導度測定及び配向欠陥検査の試験結果の関係を図3に示すグラフにまとめた。ここで、配向欠陥の個数が0.4個/m以下のものを表示品質の優れた製品とした。
Claims (5)
- 走行するポリマーフイルムに対してアルカリ溶液を塗布して、該ポリマーフイルムをアルカリ鹸化するアルカリ鹸化ポリマーフイルムの製造方法において、
室温以上の雰囲気下で、前記ポリマーフイルムに過剰量の前記アルカリ溶液を塗布するアルカリ溶液塗布工程と、
前記アルカリ溶液を塗布された前記ポリマーフイルムに希釈用溶液を塗布する希釈用溶液塗布工程と、
前記希釈用溶液を塗布された前記ポリマーフイルムから、過剰量の前記アルカリ溶液を掻き落とす掻取工程と、
前記掻取工程の後、水洗いと水切りとを含む洗浄工程と、
を含み、前記希釈用溶液塗布工程から前記掻取工程に移るまでの時間が、0.4秒以上1.0秒以下であることを特徴とするアルカリ鹸化ポリマーフイルムの製造方法。 - 前記希釈用溶液の塗布量は、100g/m2以上250g/m2以下であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ鹸化ポリマーフイルムの製造方法。
- 前記掻取工程後の前記ポリマーフイルム上の前記アルカリ溶液の電気伝導度は、35μs/cm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ鹸化ポリマーフイルムの製造方法。
- 前記ポリマーフイルム上の前記希釈用溶液を塗布する領域の幅方向の両端部は、ポリマーフイルムの幅方向の両端部から、それぞれ50mm以上100mm以下内側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ鹸化ポリマーフイルムの製造方法。
- 前記ポリマーフイルムは、セルロースエステルフイルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルカリ鹸化ポリマーフイルムの製造方法。
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