JP4752055B2 - 貯水施設の被覆構造 - Google Patents

Description

本発明は、農業用水や工業用水等の貯水施設における被覆構造に関する。

貯水施設においては、落ち葉や粉塵等による水質汚染、さらにはアオコ等の藻の発生を抑制し、また、用水の蒸発を防ぐと共に取水、散水設備等の目詰まりを防ぐ等の目的から上面を天蓋で覆うことが行われている。
このような天蓋の従来の技術として、水面上に載置される合成樹脂製浮体と、この浮体の上面に配置される合成樹脂製シートとの組み合わせの技術がある（例えば、特許文献１参照。）。
特開２００１−１９０８７号公報

しかしながら、上述した従来の技術においては、合成樹脂製シートは水面ばかりではなく貯水槽内面の周囲も覆う構造であるために、広大な面積のシートが必要であり、しかもそれを貯水槽の上端周囲に取り付けるという施工が要求される問題がある。
さらに、通常時、貯水施設内面の周囲を覆っている合成樹脂製シートは風の影響を受けてばたばたとあおられることになり、その対策が必要となるという問題がある。

本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、水面にシートを直接載置して被覆することを目的とする。

そこで本発明は、縦横所定の寸法に設定したシート材の少なくとも一側にその幅方向の長さを有する浮力体を設け、このシート材の周囲に、所定の長さの接続片を設けて被覆ブロックとし、この被覆ブロックをその接続片を介して順次連続させて浮設したことを特徴とする。

これにより、本発明は、水面に浮く浮力体によってシートを水面上に支持し、これによって被覆ブロックを連続させて浮設することができ、しかも、端部の浮力体に錘を取り付けることにより、水中に錘を垂下させて安定した被覆構造とすることができる。
さらに、被覆構造をブロック体を連結させて構成したことにより施工が容易であると共に部分交換が可能であり、耐久性のある被覆構造を構築することができるという効果が得られる。

以下に、図面を参照して本発明による実施例について説明する。
図１は実施例を示す説明図である。
図において、１はゴムや合成樹脂製等のシート材であり、縦横両方向に所定の長さを有し、その一側にその幅の全長にわたる長さを有する長尺状の浮力体２を設ける。
シート材１の周囲に、上記シート材と同様もしくはそれに似た素材による所定の長さの接続片３を設け、その接続片３に接続部４を設ける。

この接続部４は例えば、図２に示す如くファスナーや面ファスナーであったり、図３に示す如くロープ等によって結びつけたり、係止具によって係止するようにしたりする係止孔の構造その他どのような構造でもよく、簡単に操作ができしかも耐久性のある構造であればよい。
上記の構成によって被覆ブロック５を構成する。この被覆ブロック５は、上記したように必ずしも１枚のシート材１に浮力体２を取り付けた単位である必要はなく、その単位を２つ以上連続させて１つのブロックを構成してもよい。

上記浮力体２は発泡スチロール等の発泡樹脂体や気体を封入したゴム製や合成樹脂製の風船体等の水より比重の小さい材料製もしくは水に浮く構造体で、耐久性のあるものであればどのようなものでもよく、その断面形状も円形に限らず、例えば、図３に示すような扁平円形等任意であり、全一体でなくてもよく、複数体によって構成したものでもよい。
６はこの浮力体１に取り付けて水中に垂下させる垂下体であり、ゴムや合成樹脂製の幕状体や暖簾状体等であり、下端に錘７を取り付けた構造である。垂下体６の上端には上記接続部４に接続できる同様の接続部４が設けてある。

また、必要に応じては、図４に示す如く、接続片３に接続部４を二重に設け、上側の接続部を被覆ブロックの連結用に用い、下側の接続部に錘下体６を連結するようにして連続している任意の被覆ブロックに錘下体を取り付けるようにしてもよい。
このようにした被覆ブロックを図６に示す如く、縦横両方向に連続させて並べて浮設することにより貯水施設の全面を覆うことができる。このとき、縦方向（もしくは横方向）に接続して並んだ被覆ブロック列同士のそれぞれの被覆ブロック側部を接続部４を介して上記の連結手段等によって連結することによって、横方向（もしくは縦方向）に接続して貯水施設の全面を覆う。

このようにして水面上を覆った被覆ブロックは、風によってあおられたり移動したりするのを防ぐように図４に示す如く、各周囲の被覆ブロックを所定間隔に、貯水施設の周囲に一端を取り付けた係留索８によって係止する。
また、図５に示す如く、シート体が水より重い材料であって、水中に没するような浮設状態となってもかまわない。

なお、上記説明では、横（縦）方向の一方向だけに浮力体を取り付けた場合で説明を行ったが、上記で取り付けた方向に直交する方向にも浮力体を取り付け、被覆ブロックを連続させて浮設させたときに、浮力体が縦横両方向に配置されるようにしてもよい。

実施例を示す説明図 被覆ブロックの接続状態例の説明図 被覆ブロックの接続状態例の説明図 垂下体の取り付け例を示す説明図 被覆ブロックのシートを没した状態で浮設した説明図 被覆ブロックの接続状態例の平面説明図

符号の説明

１ シート材
２ 浮力体
３ 接続片
４ 接続部
５ 被覆ブロック
６ 垂下体
７ 錘
８ 係留索

Claims (3)

1. 縦横所定の寸法に設定したシート材の少なくとも一側にその幅方向に長尺状の浮力体を設け、このシート材の周囲に、所定の長さの接続片を設けて被覆ブロックとし、この被覆ブロックをその接続片を介して順次連続させて水面に直接載置して浮設し、周囲の被覆ブロックを貯水施設の周囲に係止したことを特徴とする貯水施設の被覆構造。
2. 請求項１において、浮力体をシート材の直交する二側に取り付けた被覆ブロックとしたことを特徴とする貯水施設の被覆構造。
3. 請求項１において、被覆ブロックの少なくとも一側に垂下体を介して錘を接続したことを特徴とする貯水施設の被覆構造。