JP4751584B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4751584B2
JP4751584B2 JP2004156601A JP2004156601A JP4751584B2 JP 4751584 B2 JP4751584 B2 JP 4751584B2 JP 2004156601 A JP2004156601 A JP 2004156601A JP 2004156601 A JP2004156601 A JP 2004156601A JP 4751584 B2 JP4751584 B2 JP 4751584B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
fuel injection
air
cylinder
lean
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004156601A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005337104A (ja
Inventor
毅 植木
樹志 中島
政俊 馬▲崎▼
元希 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soken Inc, Toyota Motor Corp filed Critical Nippon Soken Inc
Priority to JP2004156601A priority Critical patent/JP4751584B2/ja
Publication of JP2005337104A publication Critical patent/JP2005337104A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4751584B2 publication Critical patent/JP4751584B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/3094Controlling fuel injection the fuel injection being effected by at least two different injectors, e.g. one in the intake manifold and one in the cylinder
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/3011Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion
    • F02D41/3017Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion characterised by the mode(s) being used
    • F02D41/3023Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion characterised by the mode(s) being used a mode being the stratified charge spark-ignited mode

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

本発明は、吸気通路に噴射された燃料と空気とからなる希薄混合気に点火して均質希薄燃焼を行うようにした内燃機関の制御装置に関するものである。
内燃機関においては、安定した希薄燃焼を実現することにより、排気の浄化と低燃費とを両立できる。希薄燃焼とは、理論空燃比よりも薄い混合気(希薄混合気)を燃焼させることである。しかし、希薄混合気は着火性がよくなく、燃焼速度も遅いため燃焼が不安定になりやすく、失火しやすいうえに十分な出力が得られにくい。従って、希薄混合気を短時間に安定した状態で燃焼させることが重要となってくる。
そこで、希薄混合気の燃焼状態を改善するための対策が従来から種々考えられている。この対策は、次の2つに大別される。
(i)吸気通路の形状等を工夫することで混合気を流動させ、火炎伝播を促進させる。
(ii)燃料の噴射時期と吸気通路を流れる空気の流速との組合わせを適切に設定することにより、燃焼室内に燃料の濃い混合気場と薄い混合気場とを成層状に形成し、燃料の濃い混合気場で点火を行う。
前者の対策(i)の態様としては次のものが挙げられる。
・気筒毎の吸気ポートを隔壁により2つに仕切り、希薄燃焼時に気流制御弁により一方の吸気ポートを選択的に絞る(特許文献1参照)。
・動弁系を制御することにより、希薄燃焼時に一対の吸気弁のうちの片方を閉じる(特許文献2参照)。
これらは、いずれも他方の吸気ポートに選択的に空気を導き、燃焼室へ流入する空気の流速を上げることにより混合気の流動を強めるものである。
後者の対策(ii)の態様としては次のものが挙げられる。
・ピストンの頂部に凹状のキャビティを設け、圧縮行程後半に燃料噴射弁からキャビティ内に向けて燃料を噴射させることで、着火性の良好な濃度の混合気である可燃混合気を点火プラグの近傍に形成する(特許文献3参照)。
そのほかにも、本発明にかかる先行技術文献として、特許文献4に記載された技術が挙げられる。これは、燃焼室に燃料を直接噴射する内燃機関において、燃料噴射時期及び点火時期を、それらの間隔を一定に維持した状態でそれぞれ進角又は遅角させて、混合気の燃焼状態を安定させ、かつ出力トルクが得られるようにしたものである。
特開2001−55925号公報 特開平7−247847号公報 特開平10−2224号公報 特開2000−45845号公報
ところが、上述した特許文献1及び特許文献2に記載された技術が十分な効果を発揮するには、吸気通路での空気の流速が速いことが前提となる。一方、機関回転速度が低いときには空気の流速が低くなる。従って、内燃機関の低回転速度域では、意図する効果が十分に得られないおそれがある。
これに対し、特許文献3に記載された技術は、内燃機関の低回転速度域で有効である。しかし、高回転速度域では吸入空気量が増大するため、筒内、特にキャビティ内に層状に形成された混合気が大きく乱されてしまう。その結果、安定した燃焼が行われず、出力トルクの変動が大きくなるおそれがある。
このように、特許文献1〜3に記載された技術では、いずれも安定した希薄燃焼を実現できる内燃機関の運転領域が限られるという問題がある。
また、特許文献4によると、燃料噴射時期から点火時期までの期間が長くなることに伴い、点火時に点火プラグ周りの混合気の空燃比が着火に不適切なものとなるのを抑制することができる。しかし、上述した対策(ii)を講ずることを前提とした技術であるため、特許文献1〜3が有する問題は依然として残る。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関の広範な運転領域にわたり希薄混合気を安定して燃焼させることのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、吸気管噴射用燃料噴射弁から吸気通路に噴射された燃料と、同吸気通路を流れる空気とからなり、かつ理論空燃比よりも薄い希薄混合気を燃焼室内に生成し、前記希薄混合気に点火して均質希薄燃焼を行うようにした内燃機関の制御装置において、前記燃焼室内の前記希薄混合気に燃料を直接噴射する筒内噴射用燃料噴射弁と、前記筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射により前記希薄混合気の流動が強められた状態で点火が行われるように、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期、燃料噴射圧及び点火時期の少なくとも1つを制御する制御手段とを備えている。
また、請求項2に記載の発明では、吸気管噴射用燃料噴射弁から吸気通路に噴射された燃料と、同吸気通路を流れる空気とからなり、かつ理論空燃比よりも薄い希薄混合気を燃焼室内に生成し、前記希薄混合気に点火して均質希薄燃焼を行うようにした内燃機関の制御装置において、前記吸気管噴射用燃料噴射弁から噴射された燃料と合わせて前記燃焼室内に均質な希薄混合気が生成されるように前記燃焼室内の前記吸気管噴射用燃料噴射弁から噴射された燃料を含む希薄混合気に燃料を直接噴射する筒内噴射用燃料噴射弁と、前記筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射により前記希薄混合気の流動を強めて均質性が高められた状態で点火が行われるように、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期、燃料噴射圧及び点火時期の少なくとも1つを制御する制御手段とを備えている。
上記の請求項1及び請求項2に係る発明の構成によれば、吸気管噴射用燃料噴射弁から噴射された燃料と、吸気通路を流れる空気とが混ざり合って希薄混合気が生成される。この希薄混合気に対し筒内噴射用燃料噴射弁から燃料が噴射される。この燃料噴射により燃焼室内の希薄混合気の流動が強められる。この状態で希薄混合気に点火されて均質希薄燃焼が行われる。
ここで、請求項1及び請求項2に記載の発明によるように、筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期、燃料噴射圧及び点火時期の少なくとも1つが制御されることにより、希薄混合気の流動を強めた状態で点火が行われる。
例えば、燃焼室への燃料噴射によって強められた希薄混合気の流動は、時間とともに弱まってゆく。そのため、もともと希薄混合気の流動が十分強くないときには、筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期と点火時期との間隔が短くなるよう、燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方が制御されることで、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
また、噴射圧を高くすることで希薄混合気の流動が一層強められる。そのため、前記と同様、もともと希薄混合気の流動が十分強くないときに噴射圧が高くされることにより、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
そして、上記状態のもとで点火が行われると、希薄混合気が適度な強さで流動していることから火炎が良好に伝播し、希薄混合気が安定した状態で燃焼される。
上述した希薄混合気の流動を強める効果は、機関回転速度や機関負荷から影響を受けにくい。筒内噴射用燃料噴射弁からは機関回転速度や機関負荷に拘わらず高圧の燃料が燃焼室に噴射されるからである。従って、内燃機関の広範な運転領域にわたり希薄混合気を安定して燃焼させることができるようになる。
請求項に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記内燃機関は吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行い、かつ前記圧縮行程の後期又は前記膨張行程の初期に点火を行う4サイクル機関であり、前記制御手段により制御される前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期は圧縮行程であるとする。
また、請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記制御手段により制御される前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期は、前記希薄混合気の点火時期の直前であるとする。
ここで、仮に筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期と点火時期との間隔が長いと、噴射燃料によって強められた希薄混合気の流動が点火までに弱まるおそれがある。この点、請求項に記載の発明では、希薄混合気が点火される直前の行程である圧縮行程で、筒内噴射用燃料噴射弁から燃料が噴射される。さらに、請求項に記載の発明では、前記圧縮行程の中でも希薄混合気の点火時期の直前で、筒内噴射用燃料噴射弁から燃料が噴射される。従って、筒内噴射用燃料噴射弁による燃料噴射から点火までの期間を短くし、点火直前には希薄混合気を適度な強さで流動している状態にすることが可能となる。この希薄混合気に点火を行うことで、請求項1及び請求項2に記載の発明の効果が確実なものとなる。
請求項に記載の発明では、請求項1〜のいずれか1つに記載の発明において、前記制御手段は、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期と点火時期との間隔が前記内燃機関の機関回転速度に応じた値となるように、同燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御するものであるとする。
ここで、機関回転速度が低いときには、吸気通路を流れる空気の流速が低く、燃焼室での希薄混合気の流動が十分に強くない。一方、前述したように、燃焼室への燃料噴射によって強められた希薄混合気の流動は時間とともに弱まる。従って、点火直前における希薄混合気の流動の強さは、これらの機関回転速度から影響を受けるとともに、燃焼室への燃料噴射時期と点火時期との間隔から影響を受ける。
この点、請求項に記載の発明では、上記間隔が機関回転速度に応じた値となるように燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方が制御される。このようにして機関回転速度が、制御手段による燃料噴射時期や点火時期の制御に反映される。従って、機関回転速度によって希薄混合気の流動の強さが異なるものの、この機関回転速度を考慮して燃料噴射時期や点火時期を制御することで、希薄混合気は点火直前には、適度な強さで流動している状態になる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記制御手段は、前記機関回転速度が低いときには高いときよりも前記間隔が短くなるように、前記燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御するものであるとする。
機関回転速度が低いときには、吸気通路での空気の流速が低く燃焼室内での希薄混合気の流動が弱いため、筒内噴射用燃料噴射弁から燃料が噴射されても、その燃料噴射によって強められた流動は比較的早い時期に弱まる。これに対し、請求項に記載の発明では、機関回転速度の低いときには、燃料噴射時期と点火時期との間隔が短くなるように、燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方が制御される。従って、機関回転速度が低くても、点火直前には希薄混合気は適度な強さで流動している状態となる。
一方、機関回転速度が高いときには、吸気通路での空気の流速が高く希薄混合気の流動が強いため、筒内噴射用燃料噴射弁から燃料が噴射されると、その後の比較的遅い時期まで、流動の強められた状態が持続する。この点、請求項に記載の発明では、機関回転速度の高いときには上記間隔が長くなるように、燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方が制御される。従って、機関回転速度が高くても、点火直前には、希薄混合気は上述した機関回転速度の低いときと同程度の強さで流動している状態となる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記制御手段は、前記機関回転速度が低いほど前記間隔が短くなるように前記燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御するものであるとする。
一般に、吸気通路での空気の流速及び燃焼室での希薄混合気の流動は、機関回転速度に対し比例関係にあると考えられる。この点、請求項に記載の発明では、機関回転速度が低いほど前記間隔が短くなるように燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方が制御されて、点火時における希薄混合気の流動が確保される。従って、機関回転速度がどのような値であっても、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
請求項に記載の発明では、請求項1〜のいずれか1つに記載の発明において、前記制御手段は、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射圧を前記内燃機関の機関回転速度に基づいて制御するものであるとする。
ここで、機関回転速度が低いときには、吸気通路での空気の流速が低く、燃焼室での希薄混合気の流動が弱い。一方、筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射圧が高いほど希薄混合気の流動を強める作用が大きくなる。従って、筒内噴射用燃料噴射弁から燃料が噴射された後の希薄混合気の流動の強さは、これらの機関回転速度と燃料噴射圧とから影響を受ける。
この点、請求項に記載の発明では燃料噴射圧が機関回転速度に基づいて制御される。このようにして機関回転速度が制御手段による燃料噴射圧の制御に反映される。従って、吸気通路での空気の流速が機関回転速度によって異なり、それに伴い燃焼室での希薄混合気の流動の強さが異なるものの、この機関回転速度に基づいて燃料噴射圧が可変制御されることで、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記制御手段は、前記機関回転速度が低いときには高いときよりも前記燃料噴射圧を高くするものであるとする。
上記の構成によれば、機関回転速度が低いときには、吸気通路での空気の流速が低く希薄混合気の流動が弱い。このときには、機関回転速度が高いときよりも高い燃料噴射圧で筒内噴射用燃料噴射弁から燃料が噴射される。希薄混合気の前述した弱い流動がこの噴射によって強められる。従って、機関回転速度が低くても、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
これに対し、機関回転速度が高いときには、吸気通路での空気の流速がさほど低くなく希薄混合気の流動が強い。このときには、機関回転速度が低いときよりも低い燃料噴射圧で筒内噴射用燃料噴射弁から燃料が噴射される。希薄混合気の前述した強い流動がこの噴射によって、前記機関回転速度の低いときと同程度の強さに強められる。従って、機関回転速度が高くても、希薄混合気は点火直前には上述した機関回転速度の低いときと同程度の強さで流動している状態となる。
請求項10に記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記制御手段は、機関回転速度が低いほど前記燃料噴射圧を高くするものであるとする。
一般に、吸気通路での空気の流速、及び燃焼室での希薄混合気の流動の強さは、機関回転速度に対して比例関係にあると考えられる。この点、請求項10に記載の発明では、機関回転速度が低いほど燃料噴射圧が強められて、希薄混合気の流動を強める作用が大きくなる。従って、機関回転速度がどのような値であっても、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
請求項11に記載の発明では、請求項1〜のいずれか1つに記載の発明において、前記制御手段は、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期と点火時期との間隔が、前記希薄混合気の空燃比に応じた値となるように、同燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御するものであるとする。
ここで、希薄混合気の空燃比が大きいときには希薄混合気に占める空気の割合が大きく、着火しにくい傾向にある。こうした希薄混合気に着火するには、点火が行われるときに、希薄混合気が、その流動が強められて着火しやすい状態にされていることが重要である。一方、筒内噴射用燃料噴射弁から燃料が噴射されて希薄混合気の流動が強められても、その流動は時間とともに弱まってゆく。このように、点火時における希薄混合気の着火のしやすさは、空燃比から影響を受けるとともに、燃料噴射時期と点火時期との間隔から影響を受ける。
この点、請求項11に記載の発明では、上記間隔が空燃比に応じたものとなるように燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方が制御される。このようにして希薄混合気の空燃比が、制御手段による燃料噴射時期や点火時期の制御に反映される。従って、空燃比に応じて着火のしやすさが異なるものの、この空燃比を考慮して上記燃料噴射時期や点火時期を制御することで、希薄混合気は点火直前には着火のしやすい適度な強さで流動している状態となる。
請求項12に記載の発明では、請求項11に記載の発明において、前記制御手段は、前記空燃比の大きいときには小さいときよりも前記間隔が短くなるように、前記燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御するものであるとする。
上記の構成によると、希薄混合気の空燃比が大きいときには、小さいときに比べて着火しにくい。この空燃比の大きなときには、燃料噴射時期と点火時期との間隔が短くなるように、燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方が制御される。この制御により、希薄混合気は点火直前には、流動が弱まる前の着火のしやすい状態となる。
これに対し、希薄混合気の空燃比が小さいときには、大きいときに比べて着火しやすい。そのため、燃料噴射によって強められた希薄混合気の流動が多少弱まった状態で点火が行われても着火が可能である。この空燃比の小さいときには、上記間隔が長くなるように、燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方が制御される。従って、希薄混合気は点火直前には、上述した空燃比の大きなときと同程度の着火のしやすさで流動している状態となる。
請求項13に記載の発明では、請求項12に記載の発明において、前記制御手段は、前記空燃比が大きいほど前記間隔が短くなるように前記燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御するものであるとする。
上記の構成によると、空燃比が大きいほど前記間隔が短くなるように燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方が制御される。この制御により、空燃比が大きくなるに従い着火性を改善する作用が大きくなる。従って、空燃比がどのような値であっても、希薄混合気は点火直前には着火のしやすい適度な強さで流動している状態となる。
請求項14に記載の発明では、請求項1〜のいずれか1つに記載の発明において、前記制御手段は、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射圧を前記希薄混合気の空燃比に基づいて制御するものであるとする。
ここで、希薄混合気の空燃比が大きいときには希薄混合気に占める空気の割合が大きく、着火しにくい傾向にある。一方、筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射圧が高いほど希薄混合気の流動を強める作用が大きくなる。従って、流動が強められた後の着火のしやすさは、これらの空燃比と燃料噴射圧とから影響を受ける。
この点、請求項14に記載の発明では、燃料噴射圧が空燃比に基づいて制御される。このようにして空燃比が制御手段による燃料噴射圧の制御に反映される。従って、空燃比に応じて希薄混合気の着火のしやすさが異なるものの、この空燃比に基づいて燃料噴射圧を可変制御することで、希薄混合気は点火直前には着火のしやすい適度な強さで流動している状態となる。
請求項15に記載の発明では、請求項14に記載の発明において、前記制御手段は、前記空燃比が大きいときには小さいときよりも前記燃料噴射圧を高くするものである。
上記の構成によると、希薄混合気の空燃比が大きく着火しにくいときには、空燃比が小さいときよりも燃料噴射圧が高められる。この高い燃料噴射圧で噴射される燃料によって希薄混合気の流動が強められ、大きな空燃比に起因する着火のしにくさが改善される。その結果、希薄混合気は点火直前には、着火のしやすい適度な強さで流動している状態となる。
これに対し、希薄混合気の空燃比が小さいときには、空燃比が大きいときに比べて着火しやすい。そのため、希薄混合気の流動がさほど強められていない状態で点火が行われても着火が可能である。そこで、空燃比が小さいときには大きいときよりも燃料噴射圧が低くされる。従って、希薄混合気は、点火直前には、上述した空燃比の大きな場合と同程度の着火のしやすさで流動している状態となる。
請求項16に記載の発明では、請求項15に記載の発明において、前記制御手段は、前記空燃比が大きいほど前記燃料噴射圧を高くするものであるとする。
ここで、希薄混合気に対する着火のしやすさは、その希薄混合気の空燃比に対し反比例の関係にあると考えられる。この点、請求項16に記載の発明では、空燃比が大きいほど燃料噴射圧が強められる。この制御により、空燃比が大きくなるに従い着火性を改善する作用が大きくなる。従って、空燃比がどのような値であっても、希薄混合気は点火直前には着火のしやすい適度な強さで流動している状態となる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すように、車両には、内燃機関としてガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。エンジン11は、複数の気筒(シリンダ)12を有するシリンダブロック13を備えている。各シリンダ12内にはピストン14が往復動可能に収容されている。各ピストン14は、コネクティングロッド(図示略)を介し、エンジン11の出力軸であるクランクシャフト15に連結されている。そのため、各ピストン14が往復動すると、その動きはコネクティングロッドによって回転運動に変換された後、クランクシャフト15に伝達される。なお、図1では、クランクシャフト15は説明の便宜上、他の部材に対し90度回転させた状態で描かれている。
シリンダブロック13の上にはシリンダヘッド10が取付けられている。ピストン14、シリンダ12の内壁及びシリンダヘッド10によってシリンダ12毎の燃焼室16が形成されている。各燃焼室16には、吸気通路17及び排気通路20がそれぞれ接続されており、エンジン11の外部の空気が吸気通路17を通じて燃焼室16内に吸入されるとともに、燃焼室16内で生じた排気が排気通路20へ排出される。シリンダヘッド10には、吸気通路17及び燃焼室16間を開閉する吸気バルブ18と、排気通路20及び燃焼室16間を開閉する排気バルブ19とがそれぞれ往復動可能に設けられている。吸気通路17の途中には、同吸気通路17を流れる空気の量を調整するためのスロットルバルブ(図示略)が回動可能に設けられている。
エンジン11には、2種類の電磁式燃料噴射弁が各シリンダ12毎に設けられている。一方は、吸気通路17の燃焼室16との接続部分である吸気ポートに向けて燃料を噴射する吸気管噴射用燃料噴射弁21である。この吸気管噴射用燃料噴射弁21から噴射された燃料と吸気通路17を流れる空気とが混ざり合って混合気となる。この混合気には、空燃比が理論空燃比よりも大きな値(例えば15〜23)にされた希薄混合気が含まれる。ここで、空燃比とは、混合気中の空気と燃料との重量比であり、混合気が希薄になるほど大きな値を採る。また、理論空燃比とは、燃料を完全に酸化させるのに必要な酸素量を過不足なく含んだ混合気の空燃比値である。
他方は、燃焼室16に燃料を直接噴射(筒内噴射)する筒内噴射用燃料噴射弁22である。筒内噴射用燃料噴射弁22は、吸気管噴射用燃料噴射弁21による燃焼室16内の希薄混合気を、燃料の噴射の勢いによって乱して、その希薄混合気の流動を強めることを主な目的として設けられている。各筒内噴射用燃料噴射弁22はデリバリパイプ23に接続されており、同デリバリパイプ23内の燃料が各筒内噴射用燃料噴射弁22に分配供給される。
車両には、両燃料噴射弁21,22に燃料を供給するための燃料供給装置24が設けられている。燃料供給装置24は、低圧燃料ポンプ25及び高圧燃料ポンプ26を備えている。低圧燃料ポンプ25は、電動モータ(図示略)によって駆動され、燃料タンク27内の燃料28を、フィルタ29を通じて吸引し吐出する。この吐出された燃料は、吸気管噴射用燃料噴射弁21及び高圧燃料ポンプ26へそれぞれ圧送される。
高圧燃料ポンプ26内では、プランジャがエンジン11のカムシャフト(図示略)によって往復動されて、燃料が吸入及び加圧(圧送)される。また、電磁弁が加圧(圧送)行程中の最適なタイミングで閉じられることにより、必要な燃料が吐出されてデリバリパイプ23へ圧送される。燃料の吐出量の調整は、電磁弁の閉弁時期を制御することによって行われる。そして、この調整によりデリバリパイプ23内の燃料圧力(燃圧)、すなわち筒内噴射用燃料噴射弁22の燃料噴射圧(筒内燃料噴射圧FPd)が調節される。
なお、図1中の31は、低圧燃料ポンプ25から吐出された燃料の圧力が所定値以上になると開弁して、その燃料を燃料タンク27に戻すための圧力調節弁である。
そして、前記のようにして燃料が供給された各燃料噴射弁21,22に対する通電を制御してこれらを開弁させることにより、吸気管噴射用燃料噴射弁21のみから、又はそれに加えて筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料が噴射される。各燃焼室16に噴射供給される燃料量(燃料噴射量)は、基本的には各燃料噴射弁21,22の通電時間、すなわち開弁時間によって決まる。
エンジン11には点火プラグ32が各シリンダ12に対応して取付けられている。点火プラグ32は、イグナイタ33からの点火信号に基づいて駆動される。点火プラグ32には、点火コイル34から出力される高電圧が印加される。そして、混合気は点火プラグ32の火花放電によって着火され、爆発・燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン14が往復動され、クランクシャフト15が回転されて、エンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。燃焼によって生じたガス(排気)は、排気バルブ19の開弁にともない排気通路20に排出される。
ところで、上記エンジン11は、クランクシャフト15が2回転して、各ピストン14が2往復する間に、図3に示すように吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程という一連の4行程(サイクル)を行うようにした、いわゆる4サイクルエンジンである。吸気行程及び膨張行程はピストン14の下降時に行われ、圧縮行程及び排気行程はピストン14の上昇時に行われる。
例えば、吸気行程では、排気バルブ19が閉弁されるとともに吸気バルブ18が開弁され、ピストン14の下降に伴う燃焼室16内の圧力の低下によって、空気と、吸気行程に先立つ排気行程で吸気管噴射用燃料噴射弁21から噴射された燃料とが燃焼室16内に吸入される。圧縮行程では、排気バルブ19に加えて吸気バルブ18が閉弁される。このため、ピストン14の上昇に伴って燃焼室16内の圧力が上昇する。また、圧縮行程の後期には筒内噴射用燃料噴射弁22から燃焼室16内へ燃料が噴射される。膨張行程では、吸・排気バルブ18,19がともに閉弁された状態で点火プラグ32による点火が行われ、上記空気及び燃料の混合気が着火、爆発される。この爆発に伴う下向きの力によりピストン14が押下げられ、コネクティングロッドを介してクランクシャフト15に回転力が付与される。排気行程では排気バルブ19が開弁され、燃焼室16内で発生した排気がピストン14の上昇に伴い排気通路20へ排出される。
また、本実施形態では、混合気の燃焼方式として少なくとも均質希薄燃焼が設定されている。この均質希薄燃焼は、前述した希薄混合気を燃焼することにより燃費向上を図ることを目的として行われる燃焼形態である。均質希薄燃焼は、エンジン11の運転状態が、予め設定された均質希薄燃焼領域に属することを条件に行われる。これについては後述する。
図1に示すように、車両には、エンジン11の運転状態を含む各部の状態を検出するために各種センサが設けられている。例えば、クランクシャフト15が一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生するクランク角センサ41が設けられている。クランク角センサ41の信号は、クランクシャフト15の回転角度であるクランク角、単位時間当たりのクランクシャフト15の回転速度であるエンジン回転速度(機関回転速度)NE等の算出に用いられる。また、デリバリパイプ23には、その内部の燃料の圧力である燃圧を検出する燃圧センサ42が設けられている。
そのほかにも、スロットルバルブの回動角度であるスロットル開度TAを検出するスロットルセンサ43、吸気通路17内の空気の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧センサ44、運転者によるアクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルセンサ45等が設けられている。加えて、排気通路20の途中には、排気の成分に現れる混合気の空燃比に応じた信号を出力する空燃比センサ46が設けられている。
前述した各種センサ41〜46等の検出値に基づき、エンジン11の各部を制御するために、マイクロコンピュータを中心として構成された電子制御装置51が制御手段として設けられている。電子制御装置51では、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラムや初期データに従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
電子制御装置51が行う制御には、燃料の噴射に関する制御(燃料噴射制御)、及び混合気の点火に関する制御(点火時期制御)が含まれる。
上記点火時期制御に際しては、各種センサの信号に基づきエンジン11の状態が検知され、そのときのエンジン11の状態に最適な点火時期が演算される。この演算に際しては、例えば基準となる点火時期(固定進角度)に基本進角度及び各種補正進角度が加算され、その加算結果が最終的な点火時期とされる。
固定進角度は予め設定された一定の値であり、例えば圧縮上死点(TDC)の直前の値である。基本進角度は、点火時期をエンジン負荷、エンジン回転速度NE等に応じた時期にするために用いられるものである。詳しくは、電子制御装置51が備えるマップには、エンジン負荷、エンジン回転速度NE等に応じて適切な進角値が記憶されており、そのときのエンジン負荷、エンジン回転速度NEに対応する進角値がマップから割り出され、これが基本点火進角度とされる。エンジン負荷は、例えばエンジン11の吸入空気量に関係するパラメータ(スロットル開度TA、アクセル踏込み量、吸気圧等)に基づき求められる。各種補正進角度は、点火時期をエンジン11の運転状態に適した時期に補正するために用いられるものであり、各センサからの信号をもとに求められる。こうして求められた点火時期は、図3に示すように圧縮上死点(TDC)の前後、すなわち、圧縮行程の後期又は膨張行程の初期となる。
そして、クランク角センサ41の信号に基づき算出したクランク角が上記点火時期になるとイグナイタ33に点火信号が出力される。イグナイタ33は点火信号に基づき点火コイル34の一次電流を断続する。この断続により点火コイル34の二次コイルに高電圧が発生し、点火プラグ32に点火する。そして、前記混合気は点火プラグ32の点火に伴う火花放電によって着火されて燃焼する。
また、上記燃料噴射制御では、エンジン11の運転状態に応じて各燃料噴射弁21,22が制御されることにより燃料の噴射量及び噴射時期が調整される。また、高圧燃料ポンプ26が制御されることにより筒内噴射用燃料噴射弁22から噴射される燃料の噴射圧が調整される。
図2のフローチャートは、上記燃料噴射制御のうちエンジン11の運転状態が均質希薄燃焼領域にある場合に行われる一連の処理を示している。これらの処理は、ステップ100〜400の処理からなり、電子制御装置51により所定の周期をもって繰り返し実行される。次に、ステップ毎の処理の内容について説明する。
[ステップ100]
ステップ100では、電子制御装置51はエンジン11の運転状態に関する情報(機関情報)を読み込む。機関情報としては、例えば、エンジン回転速度NE、スロットル開度TA等が挙げられる。
[ステップ200]
ステップ200では、読み込んだ上記機関情報に基づき、エンジン11の運転状態が、均質希薄燃焼領域にあるかどうかを判定する。この判定は、例えばマップを参照して行う。このマップには、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷(例えばスロットル開度TA)によって表されるエンジン11の運転状態について、少なくとも均質希薄燃焼領域を含む複数の燃焼領域が設定されている。電子制御装置51はこのマップを参照し、そのときのエンジン回転速度NE及びエンジン負荷がいずれの燃焼領域に属するかを割り出す。割り出した燃焼領域が均質希薄燃焼領域である場合には、ステップ200の判定条件が満たされているとして、均質希薄燃焼を行うべく次のステップ300へ移行する。
[ステップ300]
ステップ300では、燃料の噴射についての各種情報(噴射情報)を読み込む。これらの噴射情報は、筒内噴射用燃料噴射弁22による燃料噴射量(筒内燃料噴射量Qd)、燃料噴射時期(筒内燃料噴射時期AINJd)及び燃料噴射圧(筒内燃料噴射圧FPd)と、吸気管噴射用燃料噴射弁21による燃料噴射量(吸気管燃料噴射量Qp)及び燃料噴射時期(吸気管燃料噴射時期AINJp)とである。これらの噴射情報は別のルーチンにおいて次のようにして求められたものである。
<筒内燃料噴射量Qd、筒内燃料噴射時期AINJdについて>
ここで、筒内噴射用燃料噴射弁22は、噴射燃料量を確保するためのものではなく、燃焼室16内の希薄混合気の流動を強めることを目的として、補助的に燃料を噴射するためのものである。こうした目的を達成するために必要な噴射量の最小値は、エンジン11の運転状態に拘わらず略一定であると考えられる。そこで、この噴射量の最小値が実験等により予め求められ、筒内噴射用燃料噴射弁22の燃料噴射量(筒内燃料噴射量Qd)とされる。
また、筒内燃料噴射時期AINJdとしては次の条件を満たす値が算出される。その条件とは、「筒内噴射用燃料噴射弁22からの燃料が噴射された後の希薄混合気が点火直前には適度な強さで流動している状態になること」である。この条件を満たす時期は、点火時期よりも前、より好ましくは点火時期の直前である。点火時期はエンジン11の運転状態に応じて変化するが、上述したように圧縮上死点の前後である。
なお、筒内燃料噴射量Qdは略一定であることから、燃焼室16への燃料噴射の開始から終了までの期間は略一定であると考えることができる。従って、筒内噴射の始期及び終期の一方が決まれば、他方も自ずと決まる。一方、燃料の噴射開始から希薄混合気の流動の強さが許容値を下回る(弱くなる)までに要する時間(期間)は実験により求めることが可能である。そのため、この期間の終期が点火の直前となるように、筒内燃料噴射時期AINJdの始期及び終期がそれぞれ設定される。こうして始期及び終期が設定された筒内燃料噴射時期AINJdは圧縮行程の後期となる(図3参照)。
<吸気管燃料噴射量Qp、吸気管燃料噴射時期AINJpについて>
吸気管燃料噴射量Qpは次のようにして求められる。エンジン回転速度NE及びエンジン負荷といったエンジン11の運転状態に基づき、空燃比を所定の値(均質希薄燃焼では、理論空燃比よりも大きな値)とするための燃料の噴射量が求められる。この値から上記筒内燃料噴射量Qdが減算され、その減算結果が吸気管噴射用燃料噴射弁21の基本噴射量(基本噴射時間)とされる。こうした求められた基本噴射量に対し、空燃比をエンジン11の運転状態に応じた値に近づけるべく、各センサからの信号に基づき補正が行われる。そして、補正後の値が吸気管燃料噴射量Qpとされる。
この補正の1つに、均質希薄燃焼時において、空燃比センサ46の検出値に基づき実際の空燃比を均質希薄燃焼に応じた値(理論空燃比よりも大きな値)に近づけるための空燃比フィードバック補正がある。この空燃比フィードバック補正では、空燃比センサ46の出力がA/D変換され、排気中の酸素濃度が検出される。電子制御装置51に記憶したエンジン11の運転条件毎の目標空燃比マップが用いられ、その運転条件の目標空燃比に対応する排気中の目標酸素濃度が算出される。この目標酸素濃度と空燃比センサ46で検出した酸素濃度とが比較され、両者が一致するように燃料噴射量が補正される。
また、吸気管燃料噴射時期AINJpの算出に際しては、エンジン回転速度NE及びエンジン負荷に基づき基本噴射時期が算出され、これに各種の補正が加えられる。補正後の値が吸気管燃料噴射時期AINJpとされる。
<筒内燃料噴射圧FPdについて>
エンジン回転速度NE、基本燃料噴射量等のエンジン11の運転状態に基づき基本噴射圧が算出され、これに対し、各種の補正が加えられることで筒内燃料噴射圧FPdが算出される。
[ステップ400]
ステップ400では、上記ステップ300で読み込んだ各種噴射情報に基づき各燃料噴射弁21,22及び高圧燃料ポンプ26をそれぞれ制御する。
吸気管噴射用燃料噴射弁21に対しては、クランク角センサ41によって算出されるクランク角が上記吸気管燃料噴射時期AINJpの始期になると、吸気管噴射用燃料噴射弁21に通電してこれを開弁させ、終期になると通電を終了して閉弁させる。これらの制御により図3で示すように、排気行程の後期に吸気管噴射用燃料噴射弁21から吸気管燃料噴射量Qpの燃料が吸気ポートに向けて噴射される。
高圧燃料ポンプ26に対しては、燃圧センサ42によって検出される燃圧が上記筒内燃料噴射圧FPdと一致するように、高圧燃料ポンプ26の燃料圧送量がフィードバック制御される。この制御により、筒内噴射用燃料噴射弁22から噴射される燃料の噴射圧が所定の値(筒内燃料噴射圧FPd)に制御される。
筒内噴射用燃料噴射弁22に対しては、上記と同様、クランク角センサ41によって算出されるクランク角が上記筒内燃料噴射時期AINJdの始期になると、筒内噴射用燃料噴射弁22に通電してこれを開弁させ、終期になると通電を終了して閉弁させる。これらの通電制御により図3に示すように、圧縮行程の後期に筒内噴射用燃料噴射弁22から筒内燃料噴射量Qdの燃料が、所定の噴射圧(筒内燃料噴射圧FPd)をもって燃焼室16内へ噴射される。
そして、電子制御装置51は上記ステップ400の処理を経た後に、燃料噴射制御に関する一連の処理を一旦終了する。また、ステップ200の判定条件が満たされない場合、すなわち、エンジン11の運転状態が均質希薄燃焼領域とは異なる燃焼領域にある場合には、上記ステップ300,400の処理を行うことなく、燃料噴射制御に関する一連の処理を終了する。
上記のように燃料噴射制御が行われると、吸気管噴射用燃料噴射弁21から噴射された燃料と、吸気通路17を流れる空気とが混ざり合って、吸気行程には理論空燃比よりも大きな空燃比の希薄混合気が生成される。その後、圧縮行程の後期に筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料が噴射される。この燃料噴射により燃焼室16内の希薄混合気の流動が強められる。圧縮行程の後期又は膨張行程の初期(圧縮上死点TDCの近傍)で点火が行われて希薄混合気に着火されて均質希薄燃焼が行われる。
ここで、仮に、筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料が噴射されてから点火が行われるまでの期間が長いと、その点火までに希薄混合気の流動が弱まるおそれがある。この点、第1実施形態では、点火の直前の行程である圧縮行程で筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料が噴射される。従って、筒内噴射用燃料噴射弁22による燃料噴射から点火までの期間が短くなり、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
とりわけ圧縮行程の中でも、点火の直前である同圧縮行程の後期に筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料が噴射される。従って、筒内噴射用燃料噴射弁22による燃料噴射から点火までの期間が最も短くなり、燃料噴射によって強められた希薄混合気の流動が点火までに弱まることはない。
そして、このようにして希薄混合気の流動が強められている状態のもとで点火が行われると、火炎が良好に伝播し、希薄混合気が図4及び図5に示すように安定した状態で短期間に燃焼される。
図4は、希薄混合気の空燃比と流動の強さとによって表される領域について、失火が起こらず燃焼が成立する領域(燃焼成立領域)と、失火が起こる可能性のある領域(失火領域)とを示している。失火領域は、概ね、空燃比の大きい領域と、流動の弱い領域とからなる。空燃比が大きい場合に失火が起こりやすいのは、希薄混合気に占める空気の割合が大きいことから、空燃比が小さい場合に比べて着火しにくいからである。そして、図4から、希薄混合気の流動が弱いときには燃焼が成立する空燃比の上限値が小さく、流動が強くなるに従って同上限値が大きくなることが判る。
この点、第1実施形態では、前述したように点火の直前に筒内噴射により希薄混合気の流動が強められるため、燃焼成立領域が空燃比の高い領域まで広がる。
上述した希薄混合気の流動を強める効果は、エンジン回転速度NEやエンジン負荷から影響を受けにくい。エンジン回転速度NEが低い領域であっても高い領域であっても、またエンジン負荷が小さくても大きくても筒内噴射用燃料噴射弁22からは高圧の燃料が燃焼室16に噴射されるからである。従って、エンジン11の広範な運転領域にわたり混合気が安定して燃焼される。
また、図5は希薄混合気の空燃比に対する、(A)トルク変動、(B)窒素酸化物NOxの排出量、及び(C)燃費率の関係を示している。図5中、二点鎖線は吸気管噴射用燃料噴射弁21のみから燃料を噴射して均質希薄燃焼を行った場合を、また、実線は、吸気管噴射用燃料噴射弁21に加え筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料を噴射して均質希薄燃焼を行った場合(第1実施形態に相当)をそれぞれ示している。図5では、トルク変動が許容レベルの上限値となるときの空燃比が、筒内噴射を行わなかった場合にはαであるのに対し、行った場合にはβ(>α)になっている。このことから、筒内噴射を行った場合には行わなかった場合に比べ、トルク変動が空燃比のより大きな領域まで抑制されていることが判る。また、窒素酸化物NOxの排出量、及び燃費率についても空燃比のより大きな領域まで低くなっていることが判る。
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)吸気管噴射用燃料噴射弁21から噴射された燃料と空気とによって希薄混合気を燃焼室16内に形成し、その希薄混合気に対し筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料を補助的に噴射することで希薄混合気の流動を強めている。そのうえで、希薄混合気が点火の直前には適度な強さで流動している状態となるように、筒内燃料噴射時期AINJdを制御している。そのため、上記のように希薄混合気が適度な強さで流動している状態のもとで点火を行うことにより、均質希薄燃焼を安定して行うことができるようになる。
こうした希薄混合気の流動を強める効果はエンジン回転速度NEやエンジン負荷から影響を受けにくいため、エンジン11の広範な運転領域にわたり希薄混合気を安定して燃焼させることができる。
(2)筒内燃料噴射時期AINJdを、点火の行われる直前の行程である圧縮行程としている。そのため、筒内噴射用燃料噴射弁22による筒内噴射から点火までの期間を短くし、燃料噴射によって強められた希薄混合気の流動が弱まる前に点火を行うことができる。
(3)筒内燃料噴射時期AINJdを、圧縮行程の中でも点火の直前である後期としている。そのため、筒内噴射用燃料噴射弁22による筒内噴射から点火までの期間を最も短くし、同燃料噴射によって希薄混合気の流動を強めた状態で点火を確実に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、筒内燃料噴射時期AINJdを圧縮行程の後期とすることを前提としたうえで、同燃料噴射時期AINJdと点火時期との間隔INTをエンジン回転速度NEに応じて可変としている点において、第1実施形態と異なっている。このようにしたのは次の事情による。
一般に、エンジン回転速度NEが低いときには、吸気通路17を流れる空気の流速が低く、燃焼室16での希薄混合気の流動が十分に強くない。一方、筒内噴射によって強められた希薄混合気の流動は時間とともに弱まる。このように、点火直前における希薄混合気の流動の強さは、これらのエンジン回転速度NEと間隔INTとから影響を受ける。
そこで、第2実施形態では、エンジン回転速度NEが低いときには高いときよりも上記間隔INTが短くなるような筒内燃料噴射時期AINJdが算出される。この算出には、例えば図6に示すマップが参照される。このマップには、エンジン回転速度NEとの関係において間隔INTが次の条件を満たすように設定されている。その条件とは、エンジン回転速度NEが高いときには間隔INTが長く、同エンジン回転速度NEが低くなるに従い間隔INTが短くなることである。このマップから実際のエンジン回転速度NEに対応する間隔INTを割り出す。点火時期を基準として、この点火時期よりも上記間隔INTだけ前の時期を筒内燃料噴射時期AINJdとする。
このようにしてエンジン回転速度NEが筒内燃料噴射時期AINJdの算出に反映される。従って、希薄混合気の流動の強さがエンジン回転速度NEによって異なるものの、このエンジン回転速度NEが考慮されて筒内燃料噴射時期AINJdが算出されることで、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
例えば、エンジン回転速度NEが低いときには吸気通路17での空気の流速が低く燃焼室16内での希薄混合気の流動が弱いため、筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料が噴射されても、その燃料噴射によって強められた流動は比較的早い時期に弱まる。しかし、第2実施形態では、筒内燃料噴射時期AINJdとして、間隔INTが短くなる時期が設定される。従って、エンジン回転速度NEが低くても、点火直前には希薄混合気は適度な強さで流動している状態となる。
一方、エンジン回転速度NEが高いときには吸気通路17での空気の流速が速いため、筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料が噴射されると、その後の比較的遅い時期まで、流動の強められた状態が持続する。この点、第2実施形態では、こうしたエンジン回転速度NEの高いときには上記間隔INTが長くなるように、筒内燃料噴射時期AINJdが設定される。従って、エンジン回転速度NEが高くても、点火直前には、希薄混合気は上述したエンジン回転速度NEの低いときと同程度の強さで流動している状態となる。
さらに、図6のマップを参照することで、エンジン回転速度NEが低くなるほど短くなる間隔INTが求められ、これに基づいて筒内燃料噴射時期AINJdが制御される。従って、エンジン回転速度NEがどのような値であっても、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
以上詳述した第2実施形態によれば、上述した(1)〜(3)に加え次の効果が得られる。
(4)筒内燃料噴射時期AINJdと点火時期との間隔INTがエンジン回転速度NEに応じた値となるように、同筒内燃料噴射時期AINJdを制御するようにしている。そのため、エンジン回転速度NEによって希薄混合気の流動の強さが異なるものの、点火直前には希薄混合気を適度な強さで流動させることができる。この効果は、エンジン回転速度NEが低いときに高いときよりも間隔INTが短くなるように筒内燃料噴射時期AINJdを制御することで得られる。特に、第2実施形態では、エンジン回転速度NEが低いほど間隔INTが短くなるように筒内燃料噴射時期AINJdを制御しているため、エンジン回転速度NEがどのような値であっても上記効果が得られる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、筒内燃料噴射時期AINJdを圧縮行程の後期とすることを前提としたうえで、エンジン回転速度NEに応じて筒内燃料噴射圧FPdを可変としている点において、第1実施形態と異なっている。このようにしたのは次の事情による。
一般に、エンジン回転速度NEが低いときには、吸気通路17での空気の流速が低く、燃焼室16での希薄混合気の流動が弱い。一方、筒内燃料噴射圧FPdが高いほど希薄混合気の流動を強める作用が大きくなる。従って、筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料が噴射された後の希薄混合気の流動の強さは、これらのエンジン回転速度NEと筒内燃料噴射圧FPdとから影響を受ける。
そこで、第3実施形態では、エンジン回転速度NEが低いときには高いときよりも筒内燃料噴射圧FPdが高くされる。筒内燃料噴射圧FPdの設定には、例えば図7に示すマップが参照される。このマップには、エンジン回転速度NEとの関係において筒内燃料噴射圧FPdが次の条件を満たすように設定されている。その条件とは、エンジン回転速度NEが高いときには筒内燃料噴射圧FPdが低く、同エンジン回転速度NEが低くなるに従い筒内燃料噴射圧FPdが高くなることである。このような条件を設定しているのは、一般に、吸気通路17での空気の流速、及び燃焼室16での希薄混合気の流動の強さが、エンジン回転速度NEに対して比例関係にあると考えられるからである。そして、このマップから実際のエンジン回転速度NEに対応する筒内燃料噴射圧FPdを割り出す。
このようにしてエンジン回転速度NEが筒内燃料噴射圧FPdの設定に反映される。従って、吸気通路17での空気の流速がエンジン回転速度NEによって異なり、それに伴い燃焼室16での希薄混合気の流動の強さが異なるものの、前記のようにエンジン回転速度NEを考慮して筒内燃料噴射圧FPdを制御することで、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
例えば、エンジン回転速度NEが低いときには空気の流速が低く希薄混合気の流動が弱い。このときには、エンジン回転速度NEが高いときよりも高い筒内燃料噴射圧FPdで筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料が噴射される。希薄混合気の前述した弱い流動がこの噴射によって強められる。従って、エンジン回転速度NEが低くても、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
これに対し、エンジン回転速度NEが高いときには空気の流速がさほど低くなく希薄混合気の流動が強い。このときには、エンジン回転速度NEが低いときよりも低い筒内燃料噴射圧FPdで筒内噴射用燃料噴射弁22から燃料が噴射される。希薄混合気の前述した強い流動がこの噴射によって、前記エンジン回転速度NEの低いときと同程度の強さに強められる。従って、エンジン回転速度NEが高くても、希薄混合気は点火直前には上述したエンジン回転速度NEの低いときと同程度の強さで流動している状態となる。
さらに、図7のマップを参照することで、エンジン回転速度NEが低くなるほど高くなる筒内燃料噴射圧FPdが求められ、燃圧センサ42による燃圧がこの筒内燃料噴射圧FPdと一致するように高圧燃料ポンプ26の燃料圧送量が制御される。この制御により、エンジン回転速度NEが低くなるほど、希薄混合気の流動を強める作用が大きくなる。従って、エンジン回転速度NEがどのような値であっても、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
以上詳述した第3実施形態によれば、上述した(1)〜(3)に加え次の効果が得られる。
(5)エンジン回転速度NEに基づいて筒内燃料噴射圧FPdを制御するようにしている。そのため、燃焼室16での希薄混合気の流動の強さがエンジン回転速度NEによって異なるものの、点火直前には希薄混合気を適度な強さで流動させることができる。この効果は、エンジン回転速度NEが低いときには高いときによりも筒内燃料噴射圧FPdを高くすることで得られる。特に、第3実施形態では、エンジン回転速度NEが低いほど筒内燃料噴射圧FPdを高くしているため、エンジン回転速度NEがどのような値であっても上記の効果が得られる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、筒内燃料噴射時期AINJdを圧縮行程の後期とすることを前提としたうえで、間隔INTを希薄混合気の空燃比に基づいて可変としている点において、第1実施形態と異なっている。このようにしたのは次の事情による。
希薄混合気の空燃比が大きいときには着火しにくい(失火が起こりやすい)。これは、空燃比が大きいほど希薄混合気に占める空気の割合が大きいからである。そのため、こうした希薄混合気に着火するには、その希薄混合気の流動が強められて着火しやすい状態にされていることが重要である。
一方、筒内噴射用燃料噴射弁22から燃焼室16へ燃料が噴射されて希薄混合気の流動が強められても、その流動は時間とともに弱まってゆく。このように、点火時における希薄混合気の着火のしやすさは、空燃比と間隔INTとから影響を受ける。
そこで、第4実施形態では、空燃比が大きいときには小さいときよりも上記間隔INTが短くなるように筒内燃料噴射時期AINJdを制御することで、図4の燃焼成立領域を、空燃比の大きい側(図4の右側)に広げるようにしている。
筒内燃料噴射時期AINJdの算出には、例えば図8に示すマップが参照される。このマップには、空燃比との関係において間隔INTが次の条件を満たすように設定されている。その条件とは、空燃比が小さいときには間隔INTが長く、同空燃比が大きくなるに従い間隔INTが短くなることである。このような条件を設定しているのは、一般に、希薄混合気の着火のしやすさが、空燃比に対し反比例の関係にあると考えられるからである。そして、このマップから、空燃比センサ46によって検出される実際の空燃比に対応する間隔INTを割り出す。点火時期を基準として、点火時期よりも上記間隔INT分だけ速い時期を筒内燃料噴射時期AINJdとする。
このようにして空燃比が筒内燃料噴射時期AINJdの算出に反映される。従って、空燃比に応じて着火のしやすさが異なるものの、この空燃比を考慮して筒内燃料噴射圧FPdを制御することで、希薄混合気は点火直前には着火のしやすい適度な強さで流動している状態となる。
例えば、空燃比が大きいときには小さいときに比べて着火しにくい。この場合、空燃比の小さなときよりも筒内燃料噴射時期AINJdが遅くされて、間隔INTが短くされる。この制御により、希薄混合気は点火直前には流動が弱まる前の着火のしやすい状態となる。
これに対し、空燃比が小さいときには、大きいときに比べて着火しやすい。そのため、燃料噴射によって強められた希薄混合気の流動が多少弱まった状態で点火が行われても着火が可能である。この場合には、空燃比の大きなときよりも筒内燃料噴射時期AINJdが早められて上記間隔INTが長くされる。この制御により、希薄混合気は点火直前には、上述した空燃比の大きなときと同程度の着火のしやすさで流動している状態となる。
さらに、図8のマップが参照されることで、空燃比が大きくなるほど短くなる間隔INTが求められ、これに基づいて筒内燃料噴射時期AINJdが制御される。この制御により、空燃比が大きくなるに従い、着火性を改善する作用が大きくなる。従って、空燃比がどのような値であっても、希薄混合気は点火直前には着火のしやすい適度な強さで流動している状態となる。
以上詳述した第4実施形態によれば、上述した(1)〜(3)に加え次の効果が得られる。
(6)間隔INTが希薄混合気の空燃比に応じたものとなるように筒内燃料噴射時期AINJdを制御するようにしている。そのため、空燃比に応じて着火のしやすさが異なるものの、点火直前には希薄混合気を着火のしやすい適度な強さで流動させることができる。この効果は、空燃比が大きいときには小さいときよりも間隔INTが短くなるように、筒内燃料噴射時期AINJdを制御することで得られる。特に、第4実施形態では、空燃比が大きいほど間隔INTが短くなるように筒内燃料噴射時期AINJdを制御しているため、空燃比がどのような値であっても上記の効果が得られる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態は、筒内燃料噴射時期AINJdを圧縮行程の後期とすることを前提としたうえで、希薄混合気の空燃比に応じて筒内燃料噴射圧FPdを可変としている点において、第1実施形態と異なっている。このようにしたのは次の事情による。
希薄混合気の空燃比が大きいときには希薄混合気に占める空気の割合が大きく、着火しにくい傾向にある。一方、筒内燃料噴射圧FPdが高いほど希薄混合気の流動を強める作用が大きくなる。従って、流動が強められた後の着火のしやすさは、これらの空燃比と筒内燃料噴射圧FPdとから影響を受ける。
そこで、第5実施形態では、希薄混合気の空燃比が大きいときには小さいときよりも筒内燃料噴射圧FPdが高くされる。筒内燃料噴射圧FPdの算出には、例えば図9に示すマップが参照される。このマップには、空燃比との関係において筒内燃料噴射圧FPdが次の条件を満たすように設定されている。その条件とは、空燃比が小さいときには筒内燃料噴射圧FPdが低く、空燃比が大きくなるに従い筒内燃料噴射圧FPdが高くなることである。このような条件を設定しているのは、一般に、希薄混合気に対する着火のしやすさが、その希薄混合気の空燃比と反比例の関係にあると考えられるからである。そして、このマップから、空燃比センサ46によって検出される実際の空燃比に対応する筒内燃料噴射圧FPdを割り出す。
このようにして空燃比が筒内燃料噴射圧FPdの算出に反映される。希薄混合気の空燃比が大きく着火しにくいときには、同空燃比が小さいときよりも燃料噴射圧が高められる。従って、空燃比に応じて希薄混合気の着火のしやすさが異なるものの、この空燃比に基づいて筒内燃料噴射圧FPdを可変制御することで、希薄混合気は点火直前には着火のしやすい適度な強さで流動している状態となる。
例えば、希薄混合気の空燃比が大きく着火しにくいときには、同空燃比が小さいときよりも筒内燃料噴射圧FPdが高められる。この高い筒内燃料噴射圧FPdで噴射される燃料によって希薄混合気の流動が強められ、大きな空燃比に起因する着火のしにくさが改善される。その結果、希薄混合気は点火直前には、着火のしやすい適度な強さで流動している状態となる。
これに対し、希薄混合気の空燃比が小さいときには、空燃比が大きいときに比べて着火しやすい。そのため、希薄混合気の流動がさほど強められていない状態で点火が行われても着火が可能である。そこで、空燃比が小さいときには大きいときよりも筒内燃料噴射圧FPdが低くされる。従って、希薄混合気は、点火直前には、上述した空燃比の大きな場合と同程度の着火のしやすさで流動している状態となる。
さらに、図9のマップを参照することで、空燃比が大きくなるほど高くなる筒内燃料噴射圧FPdが求められ、燃圧センサ42による燃圧がこの筒内燃料噴射圧FPdと一致するように高圧燃料ポンプ26の燃料圧送量が制御されることで、希薄混合気の流動を強める作用が大きくなる。従って、空燃比がどのような値であっても、希薄混合気は点火直前には適度な強さで流動している状態となる。
以上詳述した第5実施形態によれば、上述した(1)〜(3)に加え次の効果が得られる。
(7)筒内燃料噴射圧FPdを希薄混合気の空燃比に基づき可変制御している。そのため、空燃比に応じて着火のしやすさが異なるものの、点火直前には希薄混合気を着火のしやすい適度な強さで流動させることができる。この効果は、空燃比が大きいときには小さなときよりも筒内燃料噴射圧FPdを高くすることで得られる。特に、第5実施形態では、空燃比が大きいほど筒内燃料噴射圧FPdを高くしているため、空燃比がどのような値であっても上記の効果が得られる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・第2及び第4実施形態では、間隔INTをエンジン回転速度NE又は空燃比に応じた値とするために筒内燃料噴射時期AINJdを制御したが、これに代えて点火時期を制御してもよい。この場合、エンジン回転速度NEが低いときには高いときよりも点火時期を早めて間隔INTを短くする。また、空燃比が大きいときには小さいときよりも点火時期を早めて間隔INTを短くする。
さらに、上記筒内燃料噴射時期AINJd及び点火時期の両方を制御することで、間隔INTをエンジン回転速度NE及び空燃比に応じた値にしてもよい。
・前記各実施形態では、筒内燃料噴射量Qdを常に一定の値としたが、吸気管燃料噴射量Qpと筒内燃料噴射量Qdとの比が同一となるように、筒内燃料噴射量Qdを吸気管燃料噴射量Qpに応じて異ならせてもよい。
・第2及び第3実施形態を組合わせてもよい。この場合、エンジン回転速度NEが低いときには高いときよりも間隔INTが短くなるように筒内燃料噴射時期AINJd及び点火時期の少なくとも一方を制御するとともに、筒内燃料噴射圧FPdを高くする。
同様に、第4及び第5実施形態を組合わせてもよい。この場合、空燃比が大きいときには小さいときよりも間隔INTが短くなるように筒内燃料噴射時期AINJd及び点火時期の少なくとも一方を制御するとともに、筒内燃料噴射圧FPdを高くする。
・「エンジン回転速度NEが低いときには高いときよりも間隔INTが短い(筒内燃料噴射圧FPdが高い)」ことを条件に、図6(図7)のマップ構造を変更してもよい。例えば、エンジン回転速度NEが採り得る領域を複数のグループに分け、グループ毎に間隔INT(筒内燃料噴射圧FPd)を設定してもよい。
・同様に、「空燃比が大きいときには小さいときよりも間隔INTが短い(筒内燃料噴射圧FPdが高い)」ことを条件に、図8(図9)のマップ構造を変更してもよい。例えば、空燃比が採り得る領域を複数のグループに分け、グループ毎に間隔INT(筒内燃料噴射圧FPd)を設定してもよい。
本発明の第1実施形態についてその構成を示す略図。 燃料噴射を制御する手順を示すフローチャート。 吸気管燃料噴射時期、筒内燃料噴射時期を示すタイミングチャート。 希薄混合気の空燃比と流動の強さとの関係において燃焼成立領域及び失火領域を示す特性図。 空燃比に対するトルク変動、窒素酸化物の排出量、及び燃費率の関係を示す特性図。 第2実施形態において、筒内燃料噴射時期AINJdの決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。 第3実施形態において、筒内燃料噴射圧FPdの決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。 第4実施形態において、筒内燃料噴射時期AINJdの決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。 第5実施形態において、筒内燃料噴射圧FPdの決定に用いられるマップのマップ構造を示す略図。
符号の説明
11…ガソリンエンジン(内燃機関)、16…燃焼室、17…吸気通路、21…吸気管噴射用燃料噴射弁、22…筒内噴射用燃料噴射弁、28…燃料、51…電子制御装置(制御手段)、AINJd…筒内燃料噴射時期、FPd…筒内燃料噴射圧、INT…間隔、NE…エンジン回転速度(機関回転速度)。

Claims (16)

  1. 吸気管噴射用燃料噴射弁から吸気通路に噴射された燃料と、同吸気通路を流れる空気とからなり、かつ理論空燃比よりも薄い希薄混合気を燃焼室内に生成し、前記希薄混合気に点火して均質希薄燃焼を行うようにした内燃機関の制御装置において、
    前記燃焼室内の前記希薄混合気に燃料を直接噴射する筒内噴射用燃料噴射弁と、
    前記筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射により前記希薄混合気の流動が強められた状態で点火が行われるように、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期、燃料噴射圧及び点火時期の少なくとも1つを制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 吸気管噴射用燃料噴射弁から吸気通路に噴射された燃料と、同吸気通路を流れる空気とからなり、かつ理論空燃比よりも薄い希薄混合気を燃焼室内に生成し、前記希薄混合気に点火して均質希薄燃焼を行うようにした内燃機関の制御装置において、
    前記吸気管噴射用燃料噴射弁から噴射された燃料と合わせて前記燃焼室内に均質な希薄混合気が生成されるように前記燃焼室内の前記吸気管噴射用燃料噴射弁から噴射された燃料を含む希薄混合気に燃料を直接噴射する筒内噴射用燃料噴射弁と、
    前記筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射により前記希薄混合気の流動を強めて均質性が高められた状態で点火が行われるように、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期、燃料噴射圧及び点火時期の少なくとも1つを制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記内燃機関は吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行い、かつ前記圧縮行程の後期又は前記膨張行程の初期に点火を行う4サイクル機関であり、
    前記制御手段により制御される前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期は圧縮行程である請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御手段により制御される前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期は、前記希薄混合気の点火時期の直前である請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期と点火時期との間隔が前記内燃機関の機関回転速度に応じた値となるように、同燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御する請求項1〜のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記機関回転速度が低いときには高いときよりも前記間隔が短くなるように、前記燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御する請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記機関回転速度が低いほど前記間隔が短くなるように前記燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御する請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射圧を前記内燃機関の機関回転速度に基づいて制御する請求項1〜のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記制御手段は、前記機関回転速度が低いときには高いときよりも前記燃料噴射圧を高くする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記制御手段は、機関回転速度が低いほど前記燃料噴射圧を高くする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記制御手段は、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射時期と点火時期との間隔が、前記希薄混合気の空燃比に応じた値となるように、同燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御する請求項1〜のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記制御手段は、前記空燃比の大きいときには小さいときよりも前記間隔が短くなるように、前記燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御する請求項11に記載の内燃機関の制御装置。
  13. 前記制御手段は、前記空燃比が大きいほど前記間隔が短くなるように前記燃料噴射時期及び点火時期の少なくとも一方を制御する請求項12に記載の内燃機関の制御装置。
  14. 前記制御手段は、前記筒内噴射用燃料噴射弁の燃料噴射圧を前記希薄混合気の空燃比に基づいて制御する請求項1〜のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  15. 前記制御手段は、前記空燃比が大きいときには小さいときよりも前記燃料噴射圧を高くする請求項14に記載の内燃機関の制御装置。
  16. 前記制御手段は、前記空燃比が大きいほど前記燃料噴射圧を高くする請求項15に記載の内燃機関の制御装置。
JP2004156601A 2004-05-26 2004-05-26 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP4751584B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004156601A JP4751584B2 (ja) 2004-05-26 2004-05-26 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004156601A JP4751584B2 (ja) 2004-05-26 2004-05-26 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005337104A JP2005337104A (ja) 2005-12-08
JP4751584B2 true JP4751584B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=35490951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004156601A Expired - Fee Related JP4751584B2 (ja) 2004-05-26 2004-05-26 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4751584B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2476888B1 (en) 2008-01-24 2020-05-27 Mack Trucks, Inc. Method for controlling combustion in a multi-cylinder engine, and multi-cylinder engine
JP5182207B2 (ja) * 2009-04-24 2013-04-17 トヨタ自動車株式会社 火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置
JP5609767B2 (ja) * 2011-05-13 2014-10-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料噴射装置
MX371181B (es) 2015-06-03 2020-01-22 Nissan Motor Dispositivo de control para motor de combustión interna y método de control para motor de combustión interna.
CN108571392B (zh) * 2017-03-10 2020-10-09 联合汽车电子有限公司 用于点燃式发动机的稀薄燃烧系统及方法
JP7505470B2 (ja) * 2021-10-14 2024-06-25 トヨタ自動車株式会社 内燃機関

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0633769A (ja) * 1992-07-14 1994-02-08 Nissan Motor Co Ltd 副室点火式内燃機関
JP3979015B2 (ja) * 2001-02-06 2007-09-19 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃焼装置
JP2002339789A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Mazda Motor Corp 火花点火式直噴エンジンの制御装置および燃料噴射時期設定方法
JP3893909B2 (ja) * 2001-06-28 2007-03-14 日産自動車株式会社 直噴火花点火式内燃機関の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005337104A (ja) 2005-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100284523B1 (ko) 통내 분사형 불꽃 점화식 내연엔진의 제어장치
JP3500951B2 (ja) ノンスロットル式の圧縮着火式内燃機関およびその制御方法
JP4407581B2 (ja) 気体燃料エンジン
US7168409B2 (en) Controller for direct injection internal combustion engine
JP4063197B2 (ja) 内燃機関の噴射制御装置
JP5590243B2 (ja) ディーゼルエンジンの燃焼制御装置及び制御方法
EP3392490B1 (en) Internal combustion engine
EP1559896A2 (en) Direct fuel injection/spark ignition engine control device
JPH051837U (ja) 筒内直噴式エンジンの燃料噴射制御装置
WO1997033082A1 (fr) Dispositif de commande d'un moteur a combustion interne de type a injection de carburant dans les cylindres
KR100317159B1 (ko) 내연기관용연료분사제어시스템
KR20010080229A (ko) 엔진의 제어장치 및 제어방법
JP2007332939A (ja) 多種燃料内燃機関
JP2007016685A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4161789B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP4765745B2 (ja) 内燃機関の着火時期制御システム
JP4751584B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009156045A (ja) エンジンの燃料噴射制御装置
JP2003214235A (ja) 火花点火式直噴エンジンの制御装置
JP2008255907A (ja) 筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置
US20020144672A1 (en) Combustion control apparatus and combustion control method of internal combustion engine
JP4227924B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2017066867A (ja) 燃料噴射制御装置
JP2008232035A (ja) 内燃機関の運転制御装置
JP2009264280A (ja) 筒内燃料噴射エンジンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090217

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101213

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees