JP4751530B2 - 自動車両の乗員用の膨張可能な頭部保護装置 - Google Patents

自動車両の乗員用の膨張可能な頭部保護装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前提部に記載した、自動車両の乗員用の膨張可能な頭部保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の頭部保護装置はEPO特許第0592815号公報(EP0592815B1)から周知である。ガスバックは、ダイアゴナルベルトとして構成されている安全ベルトの上側部分に配設されていて、1つの端部を用いて車体のBピラーに固定されている。この領域には、ガスバックを充填して膨らますためのガス発生器も設けられている。この装置の実施は、その配置構成により、例えばキャブリオレーのようなオープン車両には適していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、当初に挙げた形式の頭部保護装置をオープン車両にも提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、本発明に従い、請求項1に記載した特徴により解決される。本発明の他の構成は従属項から明らかである。
【0005】
本発明に従い、頭部保護装置は、座席背凭れの上エッジに配置され、そこで保持されている。それにより、この頭部保護装置は、オープン車両、即ちキャブリオレー車両に特に適している。これらの車両タイプにおいて、BピラーまたはCピラーの形式の車体部分は設けられていない。更に、ベルト案内路が頭部保護装置に設けられていて、このベルト案内路を通じてベルトバンドが延びている。このベルト案内路、更には座席背凭れにおけるジョイント装置により、例えば、ベルトバンドの着脱過程、異なる大きさの乗員への適合、座席ないしは背凭れの調節運動や乗員の運動のようなベルトバンドの全ての運動に頭部保護装置が追従することになる。
【0006】
本発明の合目的な実施形態では、ガスバック(エアバック)を膨張させるためのガス発生器が自動車両の座席背凭れ内に設けられている。ガス供給は、合目的にはジョイントによる形式で行われ、このジョイントを用いて頭部保護装置が背凭れに旋回可能に装着されている。ジョイントとガスバックとの間のガス供給部が同時に頭部保護装置を支持することにより、特にコンパクトな実施形態が達成される。
【0007】
本発明による頭部保護装置は、全てのベルトアンカーポイントが座席内または座席に設けられている統合ベルトシステムを有する車両座席に特に適している。頭部保護装置に隣接して座席背凭れに設けられ且つ負荷を支持するベルト案内部が、ベルトから結果として生じる力を取り除くので、この力がベルト案内路及びそれと共に全頭部保護装置に伝達されることはない。
【0008】
既述したように、本発明は、オープン車両のためにも頭部保護を保証するが、この種の車両に制限されるものではなく、車両において前部座席のためにも後部座席のためにも全般的に適している。同様に本発明はチャイルドシートにも使用可能である。それぞれのケースにおいて本発明は低コストな解決策であり、この解決策はベルト配置に影響を与えず、この解決策により快適さが損なわれることはない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の有利な他の構成は、添付の図面に基づく以下の説明から明らかである。
【0010】
図1に図示されている人物は自動車両の乗員1である。図1では肩領域と頭領域が見て取れ、詳細には図示されていない3点式安全ベルトのベルトバンド2が胸領域に渡って延びている。膨張可能なガスバック(エアバック)3は、乗員の肩の上に載置され、乗員の頭部を、側方への移動に対して並びにサイドクラッシュ時に襲来する隣接した車体部分に対して保護する。図2にはガスバック装置が示されている。図2では、図1にて円Aで描かれた部分が90度回転されて拡大されて図示されている。
【0011】
ガスバック3は頭部保護装置の一部であり、この頭部保護装置は図2に従ってガスバックの他に、主として、ベルト案内路4と、折り畳まれたガスバックを包むカバー5とから構成されている。この場合、頭部保護装置は座席背凭れ14の上エッジの領域に設けられている。座席背凭れ14は、詳細には図示されていない車両座席の一部であり、この車両座席上に図1による乗員が着座する。図からは見て取れないが、車両座席が有利には統合安全ベルトシステムで装備されている。この種のベルトシステムにおいて、ベルトバンドは、座席クッションの領域に設けられている下側のアンカーポイントから、上方に向かって方向転換部に、更にこの方向転換部から背凭れを通過してベルト巻取装置(リトラクタ)に戻るように延びている。図2では方向転換部はベルト案内部6として示唆されていて、このベルト案内部6は、ベルトシステムが座席に統合されている場合には負荷を支持するように形成されていなければならない。ベルトバンドが通り抜け且つベルトバンドを引っ張るためのラッチタング(ラッチプレート)は、座席クッションにてベルト巻取装置とは反対側のベルトキャッチ(バックル)にて固定される。
【0012】
ベルトバンド2は、車両乗員の胸領域から来て、ベルト案内路4を通ってベルト案内部6に延びている。ベルトバンド2はベルト案内部6にて通常は下方へ方向転換されるが、図面を明快にするために本図面では直線的に後方に延びている。ガスバックを有するベルト案内路4及びガスバックのカバー5は、管路7を介して、全体として符号8で示されているボールジョイントのジョイント球体9に固定されている。この場合、ジョイント球体9は、座席背凭れ14に固定されているボールケーシング10にて回転可能に支持されている。管路7は、ジョイント球体9を貫いてボールケーシング10の室11に通じていて、この室11は球状の案内面の後方にて開かれている。管路7の他の端部は折り畳まれているガスバックの内部に配置されている。
【0013】
図示されていない実施形態では、ベルト案内路4が、その他の部分、即ちガスバック及びそのカバーを用いて、直接的にボールジョイント8と接続されている。この場合、管路7は、必ずしも支持機能を有する必要はなく、それにより可撓性を有するようにも構成され得る。
【0014】
それぞれのケースにおいて、頭部保護装置は、ボールジョイントの高い位置にて、このボールジョイントにより旋回可能であり、それに加えて頭部保護装置自体が回転可能であるので、この頭部保護装置は異なる大きさの車両乗員に簡単に適合され得る。
【0015】
室11には第2の管路12が通じていて、この管路12は、座席背凭れ14内に設けられているガス発生器13のための導管として用いられる。ガス発生器13は必ずしも座席背凭れ内に格納される必要はない。車両ないしは座席の構成に応じて、ガス発生器13のスペースが車体構成部またはヘッドレストに設けられ得る。室11の寸法は、ベルトが着用されている際に可能であるジョイント球体9のそれぞれの位置において管路7の出口開口部が塞がれないように、ジョイント球体9の旋回領域に対して選択されている。
【0016】
詳細には図示されていないセンサによりサイドクラッシュが検知されると、ガス発生器13が点火され、ガスは、管路12を介して室11内に、更に室11からジョイント球体9を貫いて管路7を介してガスバック内に流入する。ガスバックは膨張されて図1に示されている形状をとることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 膨張された側方のガスバックを有する車両乗員の上半身を示す図である。
【図2】 作動されていない本発明による頭部保護装置を備えた車両座席の側面を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 自動車両の乗員
2 ベルトバンド
3 ガスバック(エアバック)
4 ベルト案内路
5 カバー
6 ベルト案内部
7 管路
8 ボールジョイント
9 ジョイント球体
10 ボールケーシング
11 ボールケーシングの室
12 管路
13 ガス発生器
14 座席背凭れ

Claims (5)

  1. 自動車両の乗員用の膨張可能な頭部保護装置であって、この頭部保護装置が、膨張状態で車両乗員の頭部と隣接する車体部分との間にて車両乗員の肩部上で側方に延びるガスバックと、車両乗員の胸領域に渡って延びる安全ベルトとを有し、この安全ベルトに車両座席の座席背凭れの上エッジの領域にて頭部保護装置が付設されていて、安全ベルトのベルトバンド(2)が頭部保護装置のベルト案内路(4)を通じて延びている、頭部保護装置において、この頭部保護装置が、ジョイント(8)を介して、ジョイント(8)の高さ位置にて旋回可能に且つ頭部保護装置自体が回転可能であるように座席背凭れ(14)の上エッジの領域にて固定されており、ジョイント(8)が、座席背凭れ(14)に固定されているボールケーシング(10)と、ボールケーシング(10)に回転可能に保持されていて且つ頭部保護装置と接続されているジョイント球体(9)とを有するボールジョイントであることを特徴とする、頭部保護装置。
  2. ガス発生器(13)が車両座席の座席背凭れ(14)内に設けられていて、ボールジョイント(8)を介してガスバックを膨張させることを特徴とする、ガスバックを膨張させるためのガス発生器を有する、請求項に記載の頭部保護装置。
  3. ジョイント(8)のボールケーシング(10)内に室(11)が設けられていて、この室(11)内にガス発生器(13)の管路(12)が通じていること、及び、他の管路(7)が室(11)からジョイント球体(9)を通り抜けてガスバックに導かれていることを特徴とする、請求項に記載の頭部保護装置。
  4. 作動されていないガスバックが折り畳まれてベルト案内路(4)上に配置されていて、作動されていないガスバックにはカバー(5)が設けられていること、及び、ガスバックへの管路(7)がベルト案内路(4)に結合されていることを特徴とする、請求項に記載の頭部保護装置。
  5. 車両座席の座席背凭れ(14)が、負荷を支持するベルト案内部(6)を頭部保護装置に隣接して有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の頭部保護装置。
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