JP4751143B2 - 生菌剤 - Google Patents

生菌剤

Info

Publication number
JP4751143B2
JP4751143B2 JP2005247702A JP2005247702A JP4751143B2 JP 4751143 B2 JP4751143 B2 JP 4751143B2 JP 2005247702 A JP2005247702 A JP 2005247702A JP 2005247702 A JP2005247702 A JP 2005247702A JP 4751143 B2 JP4751143 B2 JP 4751143B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyglycerin
emulsion
oil
aqueous phase
viable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005247702A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007060919A (ja
Inventor
政続 山下
昌人 村田
和久 岩田
則昭 門田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Kagaku KK filed Critical Taiyo Kagaku KK
Priority to JP2005247702A priority Critical patent/JP4751143B2/ja
Publication of JP2007060919A publication Critical patent/JP2007060919A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4751143B2 publication Critical patent/JP4751143B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

本発明は生菌剤に関するものである。より詳しくは、本発明は、生菌体を死滅、失活させることなく安定化させた状態で胃を通過させ、腸まで到達させることのできる生菌剤に関するものである。
従来、乳酸菌等の人体にとって有用な作用を及ぼす生菌体は、食品、医薬品分野で幅広く利用されている。生菌体が生体に対して効果を発揮するためには、未変性の状態で胃を通過し、小腸または大腸まで到達させなければならない。しかし、通常胃の内部はpH1〜2の強酸性であり、また胃液中に存在する消化酵素の働きにより、生菌体は胃の中で死滅、失活し効用を失ってしまう。そこで生菌体に耐酸性を付与し、胃中で安定化させ腸内で吸収させるべく様々な製剤化技術が検討されている。
従来からの技術として、ビフィズス菌の生菌体液を最内水相とするW/O/W型エマルジョンの利用により最内水相のビフィズス菌を安定化させる方法(特許文献1参照)や、ビフィズス菌の生菌体液を内水相とするW/O型エマルジョンを作成し、このW/O型エマルジョンを多価金属塩溶液に均一に分散し、該分散液と被膜形成溶液とを接触反応させてゲル状被膜を形成させ最内水相を安定化させる方法(特許文献2参照)等が知られている。しかし、これらはいずれの場合もW/O型エマルジョン作成時に親油性乳化剤として、モノグリセリン脂肪酸エステルまたはポリグリセリン脂肪酸エステルを使用していることから、W/O型エマルジョンの十分な物理的強度が得られず、乳化安定性、耐酸性の点において欠点があった。
前記欠点に対する手段としては、例えば、本出願人は先に、親油性乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使用する生菌剤を提案している(特許文献3参照)。
特開昭62−220186 特開平1−228456 特開2003−334062
しかし、特許文献3における生菌剤は、液状の飲食品に使用された場合に生菌体を内封したエマルジョン粒子(W/O型乳化粒子)が分離しやすいために、W/O/W型エマルジョンの安定性が損なわれやすくなり、長期的な保存には比較的適さないという点において欠点があった。
従って本発明の目的は、生菌体を、胃液の影響により死滅、失活させることなく、腸内に到達させることができる優れた生菌剤、および該生菌剤を含有する飲食品を提供することにある。また、長期保存後であっても、胃液中で長時間にわたって生体菌が死滅、失活しない生菌剤、および該生菌剤を含有する飲食品を提供することにある。更に、液状の飲食品に含有されても、該飲食品においてW/O型乳化粒子が分離しづらく、安定した状態で長期保存できる生菌剤および該生菌剤を含有する飲食品を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究した結果、本発明を完成した。即ち本発明は、
[1] 生菌体を含有する水相と、油脂、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、およびシュークロースアセトイソブチレートを含有する油相とを混合して得られるW/O型エマルジョンが、親水性乳化剤を含有する水相に均一に分散されてなる、W/O/W型エマルジョンの生菌剤であって、前記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、およびデカグリセリンからなる群より選ばれるいずれか1種のポリグリセリンの含量が、ポリグリセリン組成中35重量%以上であり、該ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有量が前記油脂100重量部に対して、0.5〜10重量部、該シュークロースアセトイソブチレートの含有量が前記油脂100重量部に対して、0.5〜50重量部である、生菌剤;
[2] W/O型エマルジョンと親水性乳化剤を含有する水相の重量比(W/O型エマルジョン:親水性乳化剤を含有する水相)が、0.5:99.5〜60:40である、[1]記載の生菌剤;ならびに
[3] [1]または[2]記載の生菌剤を含有する飲食品
に関する。
本発明によれば、生菌体を、胃液の影響により死滅、失活させることなく、腸内に到達させることができる生菌剤、および該生菌剤を含有する飲食品を提供することができる。また、長期保存後であっても、胃液中で長時間にわたって生体菌が死滅、失活しない生菌剤、および該生菌剤を含有する飲食品を提供することができる。更に、液状の飲食品に含有されても、該飲食品においてW/O型乳化粒子が分離しづらく、安定した状態で長期保存できる生菌剤、および該生菌剤を含有する飲食品を提供することができる。
本発明の生菌剤は、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、およびデカグリセリンからなる群より選ばれるいずれか1種のポリグリセリンの含量が、ポリグリセリン組成中35重量%以上であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ならびにシュークロースアセトイソブチレート(ショ糖酢酸イソ酪酸エステルであり、以下、SAIBと表記する場合がある)を含有することを1つの大きな特徴とする。また、好ましくは、該生菌剤は、生菌体を含有する水相と、油脂、前記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、および前記SAIBを含有する油相とを混合してW/O型エマルジョンを得、次いで該W/O型エマルジョンを、親水性乳化剤を含有する水相に均一に分散させて得られる、W/O/W型エマルジョンである。
本発明の生菌剤は、SAIBを含有することから、W/O/W型エマルジョンの最外水相におけるW/O型乳化粒子の分離を抑制することができるため、安定した状態での長期保存が可能である。また、更に、本発明の生菌剤においては、親油性乳化剤として、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、およびデカグリセリンからなる群より選ばれるいずれか1種のポリグリセリンの含量が、ポリグリセリン組成中35重量%以上であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが使用されることから、W/O/W型エマルジョンの二重乳化安定性に優れ、そのため、長期保存後であっても、酸性下で安定して生菌体を最内水相に維持することができる。よって、本発明の生菌剤は、上記したような優れた効果を奏することができる。
本発明において、生菌体として用いられる微生物は特に限定されるものではないが、例えば、Lactococcus cremoris、Lactococcus lactis、Lactococcus diacetylactis、Streptococcus thermophilus、 Enterococcus faecium、Pediococcus cerevisiae、Leuconostoc cremoris、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus lactis、 Lactobacillushelveticus、Lactobacillus jugurti、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei、Lactobacillus plantarumのような乳酸菌や、Bifidobacterium longum、B.adolescentis、B.pseudocatenulatum、B.bifidum、B.breve、B.infantis、B.animalisのようなビフィズス菌、各種アルコール、食酢、醤油、味噌、納豆、パン類等の発酵に利用されている、カビ類、酵母類、キノコ類、バクテリオファージのような一般工業用微生物などが挙げられ、これらは1種で、又は2種以上の混合物として使用される。本発明においては、これらの中でも、社会的需要の観点から、各種乳酸菌若しくは各種ビフィズス菌、又はこれらの2種以上の混合物が好適に用いられる。
本発明において、生菌体を含有する水相(本明細書中において、内水相、または最内水相という場合がある)は、例えば前記のような生菌体を含む水溶液として調製することができる。例えば、生菌体が好ましくは10〜1014個/g、より好ましくは10〜1013個/g、更に好ましくは10〜1012個/gの濃度で含まれるように培養された培養液を、生菌体を含有する水相として用いることができる。ここで、培養液としては、生菌体として使用するそれぞれの微生物に対して従来汎用されているものを使用すればよい。
本発明において油相として使用される油脂としては、特に限定されるものではないが、例えば米油、菜種油、パーム油、ヤシ油、紅花油、乳脂、大豆油、コーン油、綿実油、ヒマワリ油、オリーブ油、マカデミヤナッツ油、亜麻仁油、シソ油、魚油、DHA油、EPA油などの未水素添加油脂が挙げられる。また、米油、菜種油、パーム油、ヤシ油、紅花油、大豆油、コーン油、綿実油、ヒマワリ油、オリーブ油などの植物油脂を水素添加した硬化油;乳脂、牛脂、豚脂、羊脂、馬油、チキン油などの動物油脂を水素添加した硬化油;魚油、イカ油などの水産動物油を水素添加した硬化油などが挙げられる。また、前記未水素添加油脂と前記硬化油とを混合した油脂が挙げられる。また、前記の動植物油脂の部分水素添加硬化油、前記の動植物油脂をエステル交換又は分画して得られた油脂、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等の合成油脂、ミツロウ、パラフィンワックスなどが挙げられる。本発明において、前記したこれらの油脂は単独で用いることもでき、また、2種以上の油脂を混合して用いることもできる。また、ショートニングなどの可塑性油脂を用いることもできる。これらの油脂の中では、酸化安定性の観点から、ヤシ油、乳脂、オリーブ油、マカデミヤナッツ油などが好ましく、また、ω3系脂肪酸を含むことから、魚油、亜麻仁油なども好ましい。
また、後述するように、W/O型エマルジョンおよびW/O/W型エマルジョンの調製は生菌体を死滅させない程度の温度で行うことが好ましいために、本発明に使用される油脂は、後述のようなW/O型エマルジョンおよびW/O/W型エマルジョンの好ましい調製温度以下で固化する油脂であることが好ましい。
本発明において使用されるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、およびデカグリセリンからなる群より選ばれるいずれか1種のポリグリセリンの含量が、ポリグリセリン組成中35重量%以上であり、好ましくは40重量%以上であり、さらに好ましくは50重量%以上であることを特徴とする。かかるポリグリセリン組成を有するポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使用すれば、長期保存後もW/O/W型エマルジョンの二重乳化安定性が良く、生菌体を最内水相に安定して存在させることができるために、好ましい。ここで、ポリグリセリン組成中35重量%以上含有されるポリグリセリンの種類としては、トリグリセリン以上の重合度のものが好ましく、テトラグリセリン以上の重合度のものがより好ましく、ペンタグリセリン以上の重合度のものが更に好ましい。
また、本発明に使用されるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルにおける縮合リシノレイン酸の縮合度は、2〜8であることが好ましく、6〜8であることがより好ましい。かかる範囲の縮合度を有する縮合リシノレイン酸を使用すれば、耐酸性に優れた安定なW/O型エマルジョンを得ることができるために好ましい。
本発明の生菌剤における、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有量は特に限定されるものではないが、酸性下でもW/O/W型エマルジョンを安定に保持する観点、および風味に悪影響を及ぼさない観点から、油相として使用される前記のような油脂100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましく、0.5〜3重量部であることが更に好ましい。
尚、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、およびデカグリセリンからなる群より選ばれるいずれか1種のポリグリセリンの含量が、ポリグリセリン組成中35重量%以上であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、例えば、以下のようにして得ることができる。
まず、以下のようにして精製ポリグリセリンを調製する。公知技術によって合成されたポリグリセリンを、例えば、分子蒸留精製法、水蒸気キャリアを使用する減圧蒸留法、疑似移動床型液体クロマトグラフィー法などを用いて精製することによって、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、およびデカグリセリンからなる群より選ばれるいずれか1種のポリグリセリンの含量が35重量%以上である精製ポリグリセリンを得ることができる。尚、ポリグリセリンの精製方法については、上記方法に限定されるものではない。
得られた精製ポリグリセリンを、例えば、トリメチルシリル化して誘導体化する。次いでGC(ガスクロマトグラフィー)法にて分離定量を行い、面積法を用いることによって、精製ポリグリセリンの組成を測定し、確認することができる。GC法による分析は、例えばメチルシリコーンなどの低極性液相を化学結合させた、フューズドシリカキャピラリー管を用いて、100〜320℃まで10℃/分の昇温分析を行うことによって容易に実施することができる。また、ガスクロマトグラム上のピークの同定は、例えばガスクロマトグラフを二重収束マススペクトログラフに導入しケミカルアイオニゼーションなどの方法によりイオン化して測定し、次にその親イオンの分子量よりガスクロマトグラム上のピークの分子量を求め、更に化学式よりグリセリンの重合度を求めることにより簡単に行うことができる。
前記のようにして得られた、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、およびデカグリセリンからなる群より選ばれるいずれか1種のポリグリセリンの含量が35重量%以上である精製ポリグリセリンを、リシノレイン酸を前記のような好ましい縮合度で縮合して得られた縮合リシノレイン酸と、通常法にてエステル化することによって、本発明に用いられるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを得ることができる。また、本発明のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルにおけるポリグリセリンの組成分析は、通常法に従い、該ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの加水分解を行って水溶性画分を分離し、前記のようなポリグリセリンの分析法を用いることで、確認することができる。
本発明において使用されるシュークロースアセトイソブチレート(SAIB)としては、例えば、一般的に香料の比重調整剤として使用され、食品添加物として製造されているものを使用することができ、例えばイーストマンケミカルプロダクト社から入手することができる。本発明の生菌剤におけるSAIBの含有量としては、W/O/W型エマルジョンの最外水相におけるW/O型エマルジョンの分離をより抑制する観点から、油相として使用される油脂100重量部に対して、0.5〜50重量部が好ましく、1〜30重量部がより好ましく、5〜20重量部が更に好ましい。
本発明の生菌剤は、例えば、それぞれ前記のような、生菌体を含有する水相と、油脂、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、およびSAIBを含有する油相とを混合してW/O型エマルジョンを得、次いで該W/O型エマルジョンを、親水性乳化剤を含有する水相に均一に分散させることによって、W/O/W型エマルジョンとして得ることができる。W/O/W型エマルジョンである本発明の生菌剤の調製方法の一例を、以下に示す。
まず、W/O型エマルジョンを、例えば以下のように調製することができる。前記のような油脂を、好ましくは50〜80℃、より好ましくは60〜80℃、さらに好ましくは70〜80℃に加温して液状にする。液状にした油脂に、前記のようにして得られたポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルおよびSAIBを、前記の好ましい含有量となるように加え、混合、攪拌することによって油脂中に均一に分散させて油相を調製する。ここで、攪拌には、例えばプロペラ攪拌機、ディスクダービンやパドル多段翼などの攪拌機、ホモミキサーなどの高速回転乳化分散攪拌機などを用いることができる。攪拌の強さおよび攪拌時間は、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルおよびSAIBが油脂中に均一に分散されるように、適宜調整されればよい。
前記のように調製された油相を30〜35℃に冷却し、次いで、該油相中に前記のような生菌体を含有する水相を逐次添加し、混合、攪拌することによって油相中に分散させてW/O型エマルジョンを調製する。ここで、生菌体を含有する水相と油相との混合割合については、目的に応じて異なるため一概には言えないが、重量比で、水相:油相=9:1〜1:9程度であることが好ましい。ここで、攪拌には、例えばホモミキサー等の攪拌機を用いることができる。W/O型エマルジョンを調製するための混合、攪拌時の温度については、例えば、生菌体として乳酸菌を使用する場合、その耐熱性を考慮すると、好ましくは45℃以下、より好ましくは30〜40℃、更に好ましくは30〜35℃である。かかる温度範囲内であれば、W/O型エマルジョン調製時においても生菌体を死滅、失活させないために好ましい。
また、W/O型エマルジョンを調製する際の攪拌時間および攪拌の強さは、例えば、生菌体として乳酸菌を使用する場合、W/O型エマルジョンにおける内水相の平均径が好ましくは5〜50μm、より好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは5〜10μm程度となるように設定することが望ましい。かかる内水相の平均径の範囲内であれば、内水相が微小な水滴となりすぎず、各水滴中に生菌体がきちんと内封されるために好ましい。かかる条件を得るためには、例えば、35℃でTKホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて混合、攪拌を行う場合は、1000〜30000rpmで1〜30分程度の条件で行えばよい。ここで、内水相の平均径は、例えば光学顕微鏡(倍率100〜500倍)で観察することによって求めることができる。
前記のようにして得られたW/O型エマルジョンを、例えば、親水性乳化剤を含有する水相(本明細書中において、外水相または最外水相という場合がある)に添加し、混合、攪拌することによって該水相中に均一に分散させて、W/O/W型エマルジョンである本発明の生菌剤を得ることができる。
本発明において使用される親水性乳化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、シュガーエステル、レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。また、親水性乳化剤とともにカゼンナトリウム、ゼラチンなどの蛋白質やキサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ペクチンなどの増粘多糖類を併用することもできる。ここで、親水性乳化剤を含有する水相としては、例えば、前記のような親水性乳化剤が、好ましくは0.03〜10重量%、より好ましくは0.05〜5重量%、更に好ましくは0.1〜3重量%含有された水溶液を使用することができる。
前記のようにして得られたW/O型エマルジョンを、例えば、30〜35℃に保温し、次いで直ちに前記のような親水性乳化剤を含有する水相(外水相)に添加して、ホモミキサー等の攪拌機もしくはホモジナイザー等の乳化機を用いて混合、攪拌することによって均一に分散させることができる。ここで、W/O型エマルジョンと親水性乳化剤を含有する水相との混合割合としては、W/O/W型エマルジョンの安定性と油脂含量の観点から、重量比で、W/O型エマルジョン:親水性乳化剤を含有する水相=0.5:99.5〜60:40が好ましく、1:99〜40:60がより好ましく、1:99〜20:80が更に好ましい。
W/O型エマルジョンを、親水性乳化剤を含有する水相に均一に分散させる際の温度条件としては特に限定するものではないが、生菌体として乳酸菌を使用する場合、その耐熱性を考慮すると、好ましくは45℃以下、より好ましくは30〜45℃、さらに好ましくは30〜35℃である。かかる温度範囲内であれば、W/O型エマルジョン調製時においても生菌体を死滅、失活させないために好ましい。
また、W/O/W型エマルジョンを調製する際の攪拌時間および攪拌の強さは、例えば、生菌体として乳酸菌を使用する場合、W/O/W型エマルジョンにおける最内水相の平均径が好ましくは5〜50μm、より好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは5〜10μm程度となるように設定することが望ましい。かかる平均径の範囲内であれば、最内水相が微小な水滴となりすぎず、また、各水滴中に生菌体がきちんと内封されるために好ましい。かかる平均径を得るための条件を具体的に例示すれば、例えば、35℃でTKホモミキサーを用いて混合、攪拌を行う場合は、10000rpmで1分程度、調製すればよい。ここで、内水相の平均径は、前記と同様、例えば光学顕微鏡(倍率100〜500倍)で観察することによって求めることができる。
上述のようにしてW/O/W型エマルジョンを形成した場合には、混合、攪拌が終了後、直ちに30℃以下に冷却すると、W/O型エマルジョン滴の安定したW/O/W型エマルジョンを得ることができるために、好ましい。
上記のような方法により、W/O/W型エマルジョンである本発明の生菌剤を得ることができる。本発明の生菌剤は、例えば、飲食品および医薬品の分野で利用することができる。
本発明の生菌剤を含有する飲食品は、例えば、W/O/W型エマルジョンである本発明の生菌剤を上記のようにして別途調製し、既存の飲料や食品に加えることによって製造することができる。また、飲料または液状の食品の場合は、本発明におけるW/O型エマルジョンを直接飲食品中に分散させて、W/O/W型エマルジョンである飲食品として製造されてもよい。後者のようにW/O/W型エマルジョンとして製造され得る飲食品としては、例えば、乳飲料、発酵乳、乳酸菌飲料、ヨーグルト飲料、ヨーグルト、フルーツヨーグルト、豆乳ヨーグルト、マヨネーズ、果汁飲料、野菜ジュース、ゼリー、プリン、炭酸飲料、栄養補給飲料等が挙げられる。本発明の飲食品の製造方法は特に限定されるものではなく、汎用される食品の製造方法を利用すればよい。なお、飲食品中に含有される本発明の生菌剤の含有量は、特に限定されるものではなく、所望の量の生菌体が摂取されるように、目的に応じて適宜設定されればよい。
以下に実施例を示して本発明とその効果を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。なお、以下の実施例において、特に明記しない場合、「%」は全て「重量%」を表すものとする。
実施例1:ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ペンタグリセリン含量42%)の調製
5リットル四ツ口フラスコにグリセリン3000gと50%水酸化ナトリウム水溶液を30g入れ、窒素気流下で100Torrの圧力で水を除去しながら240℃まで加熱し、33時間そのまま保持して、ポリグリセリン反応物1630gを得た。得られたポリグリセリン反応物を、イオン交換樹脂を使用して脱NaOH処理した。該処理物についてトリメチルシリル化し、ガスクロマトグラフィーにより測定したところ、得られたポリグリセリン反応物のポリグリセリン組成は、グリセリン8%、重合度2(ジグリセリン)のポリグリセリン11%、重合度3(トリグリセリン)のポリグリセリン13%、重合度4(テトラグリセリン)のポリグリセリン15%、重合度5(ペンタグリセリン)のポリグリセリン20%、重合度6以上のポリグリセリン20%、環状ポリグリセリン13%であった。また、該ポリグリセリン反応物の水酸基価は890であった。
得られたポリグリセリン反応物を原料として、ナトリウム型のスルフォン酸基を有するイオン交換樹脂を充填したカラム4本を用いて疑似移動床型液体クロマトグラフィーを行い、ポリグリセリン分画物を得た。得られたポリグリセリン分画物の組成について、トリメチルシリル化してガスクロマトグラフィーにより測定したところ、重合度2(ジグリセリン)のポリグリセリン3%、重合度3(トリグリセリン)のポリグリセリン5%、重合度4(テトラグリセリン)のポリグリセリン10%、重合度5(ペンタグリセリン)のポリグリセリン45%、重合度6以上のポリグリセリン32%、環状ポリグリセリン5%であった。また、該ポリグリセリン分画物の水酸基価は885であった。1リットル四ツ口フラスコに、リシノレイン酸560g、水酸化ナトリウム0.7gを入れ、窒素気流下で生成水を除去しながら、200℃で4時間縮合させ、縮合リシノレイン酸を得た。得られた縮合リシノレイン酸を冷却し、前記ポリグリセリン分画物140gを仕込み、窒素気流下で生成水を除去しながら、200℃で反応してポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを得た。得られたポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを加水分解し、水溶性分部に対して通常処理を行って、ガスクロマトグラフィーにより測定したところ、得られたポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのポリグリセリン組成中における、重合度5(ペンタグリセリン)のポリグリセリン含量は42%であった。(ここで得られたポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを、以降、実施例1で得られた縮合リシノレイン酸ペンタグリセリンという場合がある。なお、実施例1で得られた縮合リシノレイン酸ペンタグリセリンは、太陽化学製 サンソフト#818Rとしても供給されている。)
比較例1:ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ペンタグリセリン含量20%)の調製
実施例1で得られたポリグリセリン反応物を用いて、疑似移動床型液体クロマトグラフィーによる分画精製は行わずに、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを調製した。すなわち、グリセリン8%、重合度2(ジグリセリン)のポリグリセリン11%、重合度3(トリグリセリン)のポリグリセリン13%、重合度4(テトラグリセリン)のポリグリセリン15%、重合度5(ペンタグリセリン)のポリグリセリン20%、重合度6以上のポリグリセリン20%、環状ポリグリセリン13%のポリグリセリン反応物(水酸基価890)を用いて次の反応を行った。1リットル四ツ口フラスコに、リシノレイン酸560g、水酸化ナトリウム0.7gを入れ、窒素気流下で生成水を除去しながら、200℃で4時間縮合させ、縮合リシノレイン酸を得た。得られた縮合リシノレイン酸を冷却し、上記ポリグリセリン反応物140gを仕込み、窒素気流下で生成水を除去しながら、200℃で反応してポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを得た。得られたポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを加水分解し、水溶性分部に対して通常処理を行って、ガスクロマトグラフィーにより測定したところ、ここで得られたポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルのポリグリセリン組成中における、重合度5(ペンタグリセリン)のポリグリセリンは20%であった。
実施例2:ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ペンタグリセリン含量42%)およびSAIBを含有するドリンクヨーグルトの調製
サフラワー油(日清オイリオ製)200gに実施例1で得られた縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン(ペンタグリセリン含量42%、太陽化学製 サンソフト#818R)5gとSAIB(シュークロースアセトイソブチレート、イーストマンケミカルプロダクト社製)10gを加え、80℃に加温してホモミキサー(特殊機化工業製)で3000rpm、5分間処理し、十分に分散溶解させ、その後35℃まで冷却した。ビフィドバクテリウム・ロンガム(ATCC−15707)をブリックスリバーブロス中で培養した生菌体液(4.4×10個/g)300gを、上記分散液に逐次添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で5000rpm、5分間処理し、乳化させて、W/O型エマルジョンを得た。次いで、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル(太陽化学製 サンソフトA−181E)1.5gを添加したドリンクヨーグルト1500gに、35℃の温度下で上記W/O型エマルジョン500gを添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で10000rpm、1分間処理して乳化を行い、W/O/W型エマルジョンを得た。その後、得られたW/O/W型エマルジョンを、5℃で2週間保存した。
比較例2:ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ペンタグリセリン含量42%)を含有するドリンクヨーグルトの調製
サフラワー油(日清オイリオ製)210gに実施例1で得られた縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン(ペンタグリセリン含量42%、太陽化学製 サンソフト#818R)5gを加え、80℃に加温して、ホモミキサー(特殊機化工業製)で3000rpm、5分間処理し、十分に分散溶解させ、その後35℃まで冷却した。ビフィドバクテリウム・ロンガム(ATCC−15707)をブリックスリバーブロス中で培養した生菌体液(4.4×10個/g)300gを上記分散液に逐次添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で5000rpm、5分間処理して乳化させ、W/O型エマルジョンを得た。次いで、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル(太陽化学製 サンソフトA−181E)1.5gを添加したドリンクヨーグルト1500gに、35℃の温度下で上記W/O型エマルジョン500gを添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で10000rpm、1分間処理して乳化を行い、W/O/W型エマルジョンを得た。その後、該W/O/W型エマルジョンを5℃で2週間保存した。
比較例3:ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ペンタグリセリン含量20%)およびSAIBを含有するドリンクヨーグルトの調製
サフラワー油(日清オイリオ製)200gに比較例1で得られた縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン(ペンタグリセリン含量20%、太陽化学製 サンソフト#818H)とSAIB(シュークロースアセトイソブチレート、イーストマンケミカルプロダクト社製)10gを加え、80℃に加温して、ホモミキサー(特殊機化工業製)で3000rpm、5分間処理し、十分に分散させ、その後35℃まで冷却した。ビフィドバクテリウム・ロンガム(ATCC−15707)をブリックスリバーブロス中で培養した生菌体液(4.4×10個/g)300gを上記分散液に逐次添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で5000rpm、5分間処理して乳化させ、W/O型エマルジョンを得た。次いで、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル(太陽化学製 サンソフトA−181E)1.5gを添加したドリンクヨーグルト1500gに、35℃の温度下で上記W/O型エマルジョン500gを添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で10000rpm、1分間処理して乳化を行い、W/O/W型エマルジョンを得た。その後、該W/O/W型エマルジョンを、5℃で2週間保存した。
試験例1:各ドリンクヨーグルトにおける生菌数測定試験
胃液中の強酸下を想定し、実施例2、比較例2および比較例3で得られたW/O/W型エマルジョン状態のドリンクヨーグルト(pH4.2)に塩酸を加えてpH1.5に調整し、ラボスターラー(アズワン製)で200rpm、37℃の条件下で攪拌し、処理時間ごとにビフィドバクテリウム・ロンガムの生菌数を測定した。結果を表1に示す。なお上記生菌数の測定は、全国発酵乳・乳酸菌飲料協会の「発酵乳・乳酸菌飲料中のビフィズス菌の検出と菌数測定法」に基づいて行った。
表1より明らかなように、実施例2で得られた本発明品のドリンクヨーグルトは、2週間保存後も、比較例2および3と比較して2週間保存後でも油滴に分離がなく、更に又塩酸液中においてもビフィドバクテリウム・ロンガムの生存率が高いことがわかった。
実施例3:ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ペンタグリセリン含量42%)およびSAIBを含有するW/O/W型エマルジョンの調製
オリーブ油(日清オイリオ製)290gに実施例1で得られた縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン(ペンタグリセリン含量42%、太陽化学製 サンソフト#818R)7gとSAIB(シュークロースアセトイソブチレート、イーストマンケミカルプロダクト社製)10gを加え、80℃に加温して、ホモミキサー(特殊機化工業製)で3000rpm、5分間処理して十分に分散溶解させ、その後35℃まで冷却した。脱脂粉乳12%、酵母エキス0.4%、グルコース4%からなる液体培地にラクトバチルス・アシドフイラス(JCM1132)を植菌し、37℃で24時間、静置培養した。この培養菌体液200gを上記分散液に逐次添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で9000rpm、5分間処理して乳化させ、W/O型エマルジョンを得た。次いで、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル(太陽化学製 サンソフトA−181E)5gを添加した7%ショ糖水溶液1000gに、35℃の温度下で上記W/O型エマルジョン500gを添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で5000rpm、1分間処理して乳化を行い、その後5℃に冷却し、W/O/W型エマルジョンを得た。該W/O/W型エマルジョンの菌数をMRS培地において測定したところ、2.5×108個/mlであった。
比較例4:ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ペンタグリセリン含量42%)を含有するW/O/W型エマルジョンの調製
オリーブ油(日清オイリオ製)300gに実施例1で得られた縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン(ペンタグリセリン含量42%、太陽化学製 サンソフト#818R)7gを加え、80℃に加温してホモミキサー(特殊機化工業製)で3000rpm、5分間処理して十分に分散溶解させ、その後35℃まで冷却した。脱脂粉乳12%、酵母エキス0.4%、グルコース4%からなる液体培地にラクトバチルス・アシドフイラス(JCM1132)を植菌し、37℃で24時間、静置培養した。この培養菌体液200gを上記分散液に逐次添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で9000rpm、5分間処理して乳化させW/O型エマルジョンを得た。次いで、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル(太陽化学製 サンソフトA−181E)5gを添加した7%ショ糖水溶液1000gに、35℃の温度下で上記W/O型エマルジョン500gを添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で5000rpm、1分間処理して乳化を行い、その後5℃に冷却し、W/O/W型エマルジョンを得た。このW/O/W型エマルジョンの菌数をMRS培地において測定したところ2.5×108個/mlであった。
比較例5:ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(ペンタグリセリン含量20%)およびSAIBを含有するW/O/W型エマルジョンの調製
オリーブ油(日清オイリオ製)290gに比較例1で得られた縮合リシノレイン酸ペンタグリセリン(ペンタグリセリン含量20%、太陽化学製 サンソフト#818H)7gとSAIB(シュークロースアセトイソブチレート、イーストマンケミカルプロダクト社製)10gを加え、80℃に加温してホモミキサー(特殊機化工業製)で3000rpm、5分間処理して十分に分散溶解させ、その後35℃まで冷却した。脱脂粉乳12%、酵母エキス0.4%、グルコース4%からなる液体培地にラクトバチルス・アシドフイラス(JCM1132)を植菌し、37℃で24時間、静置培養した。この培養菌体液200gを上記分散液に逐次添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で9000rpm、5分間処理して乳化させ、W/O型エマルジョンを得た。次いで、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル(太陽化学製 サンソフトA−181E)5gを添加した7%ショ糖水溶液1000gに、35℃の温度下で上記W/O型エマルジョン500gを添加し、ホモミキサー(特殊機化工業製)で5000rpm、1分間処理して乳化を行い、その後5℃に冷却し、W/O/W型エマルジョンを得た。このW/O/W型エマルジョンの菌数をMRS培地において測定したところ2.5×108個/mlであった。
試験例2:各W/O/W型エマルジョンを含有する野菜ジュースにおける生菌数測定試験
実施例3、比較例4、および比較例5で得られたW/O/W型エマルジョン15gを、それぞれ野菜ジュース300gに添加し、室温にてホモミキサー(特殊機化工業製)で2000rpm、1分間処理し、混合した。各W/O/W型エマルジョンを含む野菜ジュースを、5℃で2週間保存した。その後、各W/O/W型エマルジョンを含む野菜ジュースを、第10改正・日本薬局方、溶出試験法の試験液第1液の人工胃液に添加し、ラボスターラー(アズワン製)で200rpm、37℃の条件下で攪拌し、MRS培地で乳酸菌の生菌数を測定した。その結果を表2に示した。
表2より明らかなように、実施例3で得られた本発明品のW/O/W型エマルジョンを含む野菜ジュースは、比較例4および比較例5と比較して、2週間保存後でも油滴に分離がなく、更に、人工胃液中でのラクトバチルス・アシドフイラスの生存率が高かった。
本発明の生菌剤は、例えば乳酸菌などの体内にとって有用な生菌体を、胃液中での強酸性下の影響により、または胃液中に含まれるプロテアーゼにより死滅、失活することなく安定化させ、胃を通過させて、腸まで到達させることができるため、特に食品、医薬品分野に有用である。

Claims (3)

  1. 生菌体を含有する水相と、油脂、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、およびシュークロースアセトイソブチレートを含有する油相とを混合して得られるW/O型エマルジョンが、親水性乳化剤を含有する水相に均一に分散されてなる、W/O/W型エマルジョンの生菌剤であって、前記ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、およびデカグリセリンからなる群より選ばれるいずれか1種のポリグリセリンの含量が、ポリグリセリン組成中35重量%以上であり、該ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有量が前記油脂100重量部に対して、0.5〜10重量部、該シュークロースアセトイソブチレートの含有量が前記油脂100重量部に対して、0.5〜50重量部である、生菌剤。
  2. W/O型エマルジョンと親水性乳化剤を含有する水相の重量比(W/O型エマルジョン:親水性乳化剤を含有する水相)が、0.5:99.5〜60:40である、請求項1記載の生菌剤。
  3. 請求項1または2記載の生菌剤を含有する飲食品。
JP2005247702A 2005-08-29 2005-08-29 生菌剤 Expired - Fee Related JP4751143B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005247702A JP4751143B2 (ja) 2005-08-29 2005-08-29 生菌剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005247702A JP4751143B2 (ja) 2005-08-29 2005-08-29 生菌剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007060919A JP2007060919A (ja) 2007-03-15
JP4751143B2 true JP4751143B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=37923857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005247702A Expired - Fee Related JP4751143B2 (ja) 2005-08-29 2005-08-29 生菌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4751143B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5593103B2 (ja) * 2010-03-23 2014-09-17 テルモ株式会社 アミノ酸含有総合栄養食品およびその製造方法
JPWO2020179435A1 (ja) * 2019-03-06 2020-09-10
WO2020196844A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 森永乳業株式会社 耐熱性細菌組成物
TWI758750B (zh) * 2020-06-17 2022-03-21 財團法人食品工業發展研究所 製備水包油包水型多重乳液之方法
CN113331427B (zh) * 2021-06-24 2022-10-25 华南理工大学 一种耐酸耐胆盐的鼠李糖乳杆菌油剂及其制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08120187A (ja) * 1994-10-26 1996-05-14 Lion Corp カロチノイド含有水性組成物及びカロチノイド含有飲料
JPH10179145A (ja) * 1996-12-24 1998-07-07 Kao Corp 有胞子乳酸菌胞子の水系での安定化方法
JP2003334062A (ja) * 2002-05-17 2003-11-25 Taiyo Kagaku Co Ltd 生菌剤
JP2005185181A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Taiyo Kagaku Co Ltd 生菌剤
WO2005073355A1 (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Taiyo Kagaku Co., Ltd. 鉄組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08120187A (ja) * 1994-10-26 1996-05-14 Lion Corp カロチノイド含有水性組成物及びカロチノイド含有飲料
JPH10179145A (ja) * 1996-12-24 1998-07-07 Kao Corp 有胞子乳酸菌胞子の水系での安定化方法
JP2003334062A (ja) * 2002-05-17 2003-11-25 Taiyo Kagaku Co Ltd 生菌剤
JP2005185181A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Taiyo Kagaku Co Ltd 生菌剤
WO2005073355A1 (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Taiyo Kagaku Co., Ltd. 鉄組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007060919A (ja) 2007-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Batista et al. Quality parameters of probiotic yogurt added to glucose oxidase compared to commercial products through microbiological, physical–chemical and metabolic activity analyses
Fávaro-Trindade et al. Microencapsulation of L. acidophilus (La-05) and B. lactis (Bb-12) and evaluation of their survival at the pH values of the stomach and in bile
Shima et al. Protection of Lactobacillus acidophilus from the low pH of a model gastric juice by incorporation in a W/O/W emulsion
DK2653533T3 (en) Lactobacillus with a multi-coating layer and a process for its preparation
EP2078461B1 (en) Food or beverage containing highly unsaturated fatty acid, and process for production thereof
KR20190111890A (ko) 신규 유산균 및 그 용도
WO2011155518A1 (ja) 脂質代謝改善剤
EP1901621A1 (en) Drink comprising a combination of fish oil and probiotics
JP4751143B2 (ja) 生菌剤
JPWO2005094850A1 (ja) 抗菌性組成物
TW201142019A (en) Method for producing novel bacteria belonging to the genus bifidobacterium
WO2018003899A1 (ja) 腎性貧血改善用組成物
Mosilhey Influence of different capsule materials on the physiological properties of microencapsulated Lactobacillus acidophilus
JP2005185234A (ja) 多価不飽和脂肪酸成分含有発酵乳製品及びその製造方法
Hameed et al. Functional, industrial and therapeutic applications of dairy waste materials
Marino et al. Main technological challenges associated with the incorporation of probiotic cultures into foods
JP4121306B2 (ja) 生菌剤
JP2003334065A (ja) 乳酸菌を保護するための核酸複合体
JP2005185181A (ja) 生菌剤
Starovoytova et al. Probiotic lactic acid cultures in the production of vegetable cream spread
US20220287965A1 (en) Oleogels and methods relating thereto
Li Inulin-monoglycerides emulsion gel as potential fat replacer and effect of inulin to delay lipid oxidation
JP5372715B2 (ja) 乳酸菌包含マイクロカプセルの製造方法
JP7097014B2 (ja) 藻類及びその使用
Xia et al. Nowadays, dairy products are considered a good matrix to deliver many functional substances either vital oils or probiotic cells. Two models of microcapsules were produced from co-encapsulation of extra virgin olive oil (EVOO) nanoemulsion or nanocomposite and synbiotic bacteria (maltodextrin with Lactobacillus acidophilus and Bifidobacterium bifidum) using the freeze-drying technique. These models of

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110511

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4751143

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees