JP4750419B2 - 疾患を予防および治療するための方法および免疫調節核酸組成物 - Google Patents

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Description

発明の背景
1. 発明の分野
本発明は、免疫調節配列の投与を含む、疾患を治療または予防するための方法および組成物に関する。本発明は、さらに、疾患を予防または治療するための免疫調節配列を同定する手段および方法に関し、さらに特に自己免疫疾患または炎症性疾患の治療および予防に関する。本発明はまた、免疫調節配列単独の投与を含む疾患の治療または予防に関する。本発明はまた、免疫調節配列を、自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするポリヌクレオチドと併用して投与する段階を含む疾患の治療または予防に関する。本発明は、さらに、免疫調節配列を自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチドまたは糖タンパク質などの自己分子と併用して投与する段階を含む疾患の治療または予防に関する。本発明はまた、免疫調節配列を1つ以上の追加の免疫調節療法と併用して投与する段階を含む疾患の治療または予防に関する。
本発明はまた、被験者に存在し、非生理的状態に関与する1つ以上の自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドに関連する被験者の疾患を治療するための方法および組成物に関する。本発明はまた、被験者に存在し、非生理的状態に関与する1つ以上の自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドに関連する被験者の疾患を予防するための方法および組成物に関する。本発明はまた、免疫調節配列と、非生理的状態に存在し、疾患に関連する自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを含む併用療法の投与に関する。本発明はまた、動物に存在し、非生理的状態に関与し、疾患に関連する自己分子に対する免疫応答を調節することに関する。本発明は、さらに特に、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ(RA)、インスリン依存性糖尿病(DDM)、自己免疫性ブドウ膜炎(AU)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、重症筋無力症(MG)、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡(PV)、強皮症、悪性貧血、全身性エリテマトーデス(SLE)およびグレーブス病などの非生理的状態にある動物に存在する1つ以上の分子に関連する自己免疫疾患を治療または予防するための方法および組成物に関する。本発明は、さらに、骨関節炎、脊椎損傷、消化性潰瘍疾患、通風、片頭痛、高脂血症および冠動脈疾患などの非生理的状態にある動物に存在する1つ以上の自己分子に関連する他の疾患に関する。なお、本願は、全体の開示内容が参照として本明細書に組み入れられている、2002年11月21日提出の米国仮特許出願第60/428,643号の恩典を35 USC 119(e)に準拠して主張する。
2. 背景
自己免疫疾患
自己免疫疾患は、生体の健康な細胞および/または組織に誤って誘導された適応免疫によって生じる任意の疾患である。自己免疫疾患は米国の人口の3%が罹患しており、先進工業国の人口のほぼ同じパーセントが罹患していると思われる(Jacobsonら、Clin Immunol Immunopathol, 84, 223-43, 1997)。自己免疫疾患は、自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチドまたは糖タンパク質並びにそれらの誘導体を含むが、これらに限定されない自己分子をTおよびBリンパ球が誤って標的とし、それによって生体内の器官、組織または細胞種(例えば、膵臓、脳、甲状腺または消化管)の損傷または機能不全を生じて疾患の臨床発現を生じることによって特徴づけられる(Marrackら、Nat Med, 7, 899-905, 2001)。自己免疫疾患は、特定の組織に影響する疾患および多数の組織に影響することがある疾患を含む。これは、一部には、ある疾患については、自己免疫応答が特定の組織に限定される自己抗原分子または生体に広く分布する自己抗原分子に向かうかどうかに依存する場合がある。組織-特異的な自己免疫の特徴的な特徴は、1つの組織または個々の細胞種の選択的な標的化である。にもかかわらず、偏在的な自己抗原分子を標的とするある種の自己免疫疾患が特定の組織に影響することもある。例えば、多発性筋炎では、自己免疫応答は偏在性タンパク質ヒスチジル-tRNA合成酵素を標的とするが、その臨床発現は、主に、筋肉の自己免疫破壊に関係する。
免疫系は、種々の外来病原体からほ乳類を保護する応答を形成すると同時に、自己-抗原に対する応答を防止するように設計された高度に複雑な機序を使用する。免疫系は、応答するかどうかを決定する(抗原特異性)以外に、各病原体に対応する適当なエフェクター機能を選択する必要もある(エフェクター特異性)。これらのエフェクター機能を媒介し、調節する際に重要な細胞はCD4+ T細胞である。さらに、T細胞がそれらの機能を媒介する主要な機序の1つであると思われるのはCD4+ T細胞由来の特異的なサイトカインの精巧さである。従って、CD4+ T細胞が作製するサイトカインの種類およびそれらの分泌が制御される方法を特徴づけることは、免疫応答が調節される方法を理解する上で極めて重要である。
マウスCD4+ T細胞長期クローンによるサイトカイン産生の特徴づけは、最初は、10年以上前に報告された(Mosmannら、J. Immunol., 136:2348-2357, 1986)。これらの検討では、CD4+ T細胞は、Tヘルパー1(Th1)およびTヘルパー2(Th2)と命名された2つの別個のパターンのサイトカイン産生を生じることが示された。Th1細胞は、インターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン-γ(IFN-γ)およびリンホトキシン(LT)を選択的に産生することが見出されたが、Th2はIL-4、IL-5、IL-6およびIL-13を選択的に産生した(Cherwinskiら、J. Exp. Med., 169: 1229-1244, 1987)。数年後に、追加のサイトカインIL-9およびIL-10がTh2クローンから単離された(Van Snickら、J. Exp. Med., 169: 363-368, 1989)(Fiorentinoら、J. Exp. Med., 170: 2081-2095, 1989)。最後に、IL-3、顆粒球マクロファージコロニー-刺激因子(GM-CSF)および腫瘍壊死因子-α(TNF-α)などの追加のサイトカインは、Th1細胞およびTh2細胞の両方によって分泌されることが見出された。
自己免疫疾患は、以下の表に示す生体内の多数の異なる器官および組織に影響を与えることがある多種多様の疾患を含む。(例えば、Paul, W. E. (1999) Fundamental Immunology、第4版、Lippincott-Raven、New Yorkを参照されたい)。
ヒトの自己免疫疾患の現在の治療には、糖質コルチコイド、細胞障害剤および最近開発された生物療法が挙げられる。一般に、ヒトの全身性自己免疫疾患の管理は経験的で、満足のいくもではない。通例、概して糖質コルチコイドなどの免疫抑制剤は多種多様の重症自己免疫疾患および炎症性疾患に使用される。糖質コルチコイド以外に、他の免疫抑制剤が全身性自己免疫疾患の管理に使用される。シクロホスファミドは、T-およびB-リンパ球の顕著な欠損を生じ、細胞性免疫の障害を生じるアルキル化剤である。シクロスポリン、タクロリムスおよびミコフェノール酸モフェチルは、特異的なT-リンパ球抑制特性を有する天然産物であり、SLE、RAを治療するために使用されており、限られた程度であるが、血管炎および筋炎に使用されている。これらの薬剤は、重大な腎毒性に関連がある。メトトレキセートもRAの「セカンドライン」として、疾患の進行を低下することを目的に使用される。メトトレキセートはまた、多発性筋炎および他の結合組織疾患に使用される。試されたことがある他の方法には、サイトカインの作用を遮断するまたはリンパ球を枯渇させるモノクローナル抗体が挙げられる。(Fox, D. A. Am. J. Med., 99: 82-88, 1995)。MSの治療には、再発率を20〜30%低下し、疾患の進行に中程度の影響しか与えないインターフェロンβおよびコポリマー1が挙げられる。MSはまた、メチルプレドニゾロン、他のステロイド、メトトレキセート、クラドリビンおよびシクロホスファミドを含む免疫抑制剤でも治療される。これらの免疫抑制剤は、MSの治療にわずかに影響するだけである。現在のRA治療は、メトトレキセート、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、レフルノミド(lefluamide)、プレドニゾン並びに最近開発されたTNFαアンタゴニストのエタネルセプトおよびインフリキシマブ(Morelandら、J Rheumatol, 28, 1431-52, 2001)などの、免疫機能を非-特異的に抑制または調節する薬剤を使用する。エタネルセプトおよびインフリキシマブは全身的にTNFαを遮断し、敗血症、慢性放線菌感染症の悪化および脱髄性事象の発症による死亡を患者に生じやすくする。
器官特異的自己免疫の場合には、数多くの異なる治療方法が試されている。可溶性タンパク質抗原は、その抗原に対するその後の免疫応答を阻止するために全身投与されている。このような治療には、実験的自己免疫脳脊髄炎(EAE)の動物および多発性硬化症患者へのミエリン塩基性タンパク質、その主要なペプチドまたはミエリンタンパク質の混合物の送達(Brockeら、Nature, 379, 343-6, 1996);(Critchfieldら、Science, 263, 1139-43, 1994);Weinerら、Annu Rev Immunol, 12, 809-37, (1994);コラーゲン-誘発性関節炎動物または関節リウマチ患者へのII型コラーゲンまたはコラーゲンタンパク質の混合物の投与(Gumanovaskayaや、Immunology, 97, 466-97, 1999);(McKownら、Arthritis Rheum, 42, 1204-8, 1999)、(Trenthamら、Science, 261, 1727-30, 1993);自己免疫糖尿病動物および患者へのインスリンの送達(PozzilliおよびGisella Cavallo、Diabtes Metab Res Rev, 16, 306-7, 2000)並びに自己免疫ブドウ膜炎動物および患者へのS-抗原の送達(Nussenblatら、Am J Ophthalmol, 123, 583-92, 1997)が挙げられる。この方法に関連する問題は、抗原の全身注射によって誘発されるT-細胞の無応答性である。別の方法は、T-細胞受容体と主要組織適合性(MHC)分子に結合するペプチドの特異的な相互作用に基づいて、ペプチド抗原を全身投与するための合理的な治療方法を設計する試みである。糖尿病の動物モデルにおいてペプチド方法を使用する検討により、そのペプチドに対する抗体作製が開発された(Hurtenbach U.ら、J Exp. Med, 177: 1499, 1993)。別の方法は、TCRペプチド投与による免疫化である。例えば、(Vandenbark AAら、Nature, 341: 541, 1989)を参照されたい。さらに別の方法は、ペプチドまたはタンパク質抗原摂取による経口耐性の誘導である。例えば、(Weiner HL, Immunol Today, 18: 335, 1997)を参照されたい。
病原体または腫瘍に対する免疫応答は、現在では、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを単独またはアジュバントと併用して送達することによって変更される。例えば、B型肝炎ワクチンは、アジュバントとして作用する水酸化アルミニウムを用いて製剤化した、非-自己抗原である組換えB型肝炎ウイルス表面抗原を含有する。このワクチンは、B型肝炎表面抗原に対する免疫応答を誘導して感染から防御する。別の方法は、病原体に対する宿主の防御免疫応答を誘発するために、各々非-自己抗原である、弱毒化型、複製欠損型および/または非-病原型のウイルスまたは細菌の送達に関係する。例えば、経口ポリオワクチンは、細胞に感染して、ワクチン投与した個体中で複製し、臨床疾患を生じないで外来すなわち非-自己抗原であるポリオウイルスに対する効果的な免疫を誘発する、非-自己抗原である弱毒生ワクチンを含む。または、不活性化ポリオワクチンは、感染または複製能力がなく、皮下投与すると、ポリオウイルスに対する感染防御免疫を誘発する不活性化したすなわち「死滅させた」ウイルスを含有する。
免疫応答の開始および伝播機序
「非自己分子」に関連する炎症性疾患:マイコプラズマ、ウイルス、細菌、寄生虫および放線菌を含む微生物の感染は、標的器官の炎症を生じ、場合によっては全身炎症を生じる。顕著な例には、細菌性敗血症性関節炎、ライム関節炎、感染性ブドウ膜炎および敗血症性ショックが挙げられる。自然免疫系の一部として、凝固カスケードの成分、ブラジキニンおよび補体などの炎症メディエーターが活性化され、炎症および病的状態に寄与する。感染性疾患における免疫応答は、タンパク質、脂質、炭水化物および核酸を含む微生物に存在する非-自己分子に対する。以下にさらに詳細に規定する「CpG」モチーフと呼ばれるある種のモチーフを含有する細菌DNAは、動物モデルにおいて炎症応答を開始することができる。例えば、共に非-自己分子である細菌DNAまたはCpGモチーフを滑膜関節に注射すると、敗血症性関節炎を特徴とする炎症徴候および症状の多くに類似した徴候および症状を呈する。
「自己分子」に関連する炎症性疾患:多数のヒトの疾患は、任意の既知の感染性病因が存在しない急性または慢性炎症に関連する。これらの疾患では、免疫系は活発で、罹患組織は炎症を生じており、白血球およびリンパ球の異常な浸潤が見られるが、関連する感染症はないと思われる。例として、骨関節炎、冠動脈疾患、アルツハイマー病、ある種の形態の皮膚炎、胃炎および間質性肺炎が挙げられる。適応免疫応答が存在しない場合には、主要な免疫応答は自然免疫応答である。
「自己分子」に関連する自己免疫疾患:関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、乾癬等を含む多数の自己免疫疾患が記載されている。上記の自己分子に関連する炎症性疾患と同様に、免疫系は活発で、罹患組織は炎症を生じ、白血球およびリンパ球の異常な浸潤が見られ、関連する感染症はないと思われる。自己分子に関連する炎症性疾患と異なり、自己免疫疾患の決定的な特徴は、宿主が発現する自己分子に特異的な自己抗体および/またはT細胞の存在である。自己分子が宿主TおよびBリンパ球によって選択的に標的とされる機序は不明である。自己免疫疾患は、微生物病原体の感染によって誘発または悪化されると示唆している研究者もいる。微生物のCpG配列による刺激は、EAE(Segalら、J. Immunology, 158: 5087, 1997)およびSLE(Gilkesonら、J. immunology, 142: 1482, 1989)などの自己免疫疾患の動物モデルの形成しやすさに関連する;しかし、CpG配列または微生物産物自体が健康な動物に自己免疫疾患を誘発できるという仮説を支持する証拠はほとんどないが、炎症性疾患は誘発することができる。例えば、ノトバイオート系(すなわち、無菌環境で生育した動物)を使用したいくつかの重要な実験は、自己免疫疾患の自然発症は、天然型微生物または微生物CpGに接触しないで生じることを実証している。例として、強直性脊椎炎の無菌遺伝子組換え齧歯類モデルにおける自己免疫皮膚および生殖器疾患の発症(Taurog, J. Exp Med, 180: 2359, 1994);および2つの異なるSLEモデルにおける狼瘡の発症(Maldonadoiら、J Immunol, 162: 6322, 1999;Unniら、J Rheum, 2: 35, 1975)が挙げられる。炭化水素油、プリスタンを任意のマウス株に単回注射することにより、特徴的な自己抗体の産生および免疫複合体-媒介性腎疾患によって特徴づけられるSLEが発症する誘導性SLEモデルも記載されている。総合すると、これらの実験モデルは、自然発症性および誘導性自己免疫疾患は微生物DNAまたはCpGへの接触がない場合に発症することがあることを示唆している。
免疫活性化配列(ISS):自然免疫系は、微生物および病原体に対する最初の防御ラインとみなされる。自然免疫系の最も強力な刺激物質の1つは、免疫活性化配列(ISS)を含有する微生物DNAである。細菌DNAの特定の免疫活性化配列による自然免疫の活性化には、マウスにおいて刺激するためには5'-プリン-プリン-シトシン-グアニン-ピリミジン-ピリミジン-3'、ヒトにおいて刺激するためには5'-プリン-ピリミジン-シトシン-グアニン-ピリミジン-ピリミジン-3'を有する中心の非メチル化ヘキサマー配列モチーフを必要とする(Kriegら、Annu Rev. Immunol., 20: 709-760, 2002)。細菌DNAおよび免疫活性化配列モチーフ内に「CpG」と呼ばれるこのジヌクレオチドモチーフを含有する合成オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)は、B細胞を刺激して増殖させ、IL-6、IL-10および免疫グロブリンを分泌させる能力を有する(Kriegら、Nature, 374: 546-549, 1995;Yiら、J. Immunol., 157: 5394-5402, 1996)。ISS DNAはまた、樹状細胞、マクロファージおよび単球を直接活性化して、TNA-α、IL-6およびIL12などのTh1-様サイトカインを分泌させ、MHCおよび同時刺激分子の発現をアップレギュレーションする(Klimannら、Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A., 93: 2879-2883, 1996;Martin-Orozcoら、Int. Immunol., 11: 1111-1118, 1999;Sparwasserら、Eur. J. Immunol., 28: 2045-2054, 1998)。マウスでは、トール様受容体-9(TLR-9)はCpGモチーフの認識の際の主要な受容体として同定されている。
脊椎動物のDNAでは、CpGジヌクレオチドの出現頻度は予測値の約1/4に抑えられており、CpGジヌクレオチドのCは当時の約80%メチル化されている。一方、合成ODNのような細菌DNAでは、CはCpGジヌクレオチドにおいて選択的にメチル化されない。従って、微生物DNAは、非メチル化CpGモチーフ含有量が20倍以上多いという点において脊椎動物DNAと構造的に異なる。数多くの検討が、免疫細胞を活性化する細菌DNA内の分子パターンとしての非メチル化CpGモチーフを確立している(Kriegら、Annu. Rev. Immunol., 20: 709-760, 2002)。
CpG DNAは、鶏卵リゾチームおよび卵白アルブミンのような非自己抗原に対する強力な抗体応答およびTh1-様T-細胞応答を誘導する能力について強力なアジュバントとして認識されている(Chuら、J. Exp. Med., 186: 1623-1631, 1997;Lipfordら、Eur. J. Immunol., 27: 2340-2344, 1997)。現在、CpG DNAおよびCpG ODNは、感染性疾患、腫瘍、アレルギー疾患および自己免疫疾患の種々の動物モデルにおいて治療用ワクチンとして使用されている(Kriegら、Annu. Rev. Immunol., 20: 709-760, 2002)。CpGのワクチンとしての成功は、主に、強力なTh1-様応答を誘導し、アレルギー性喘息などのように場合によっては、Th2応答をTh1応答に再誘導化する有効性に依存している(Klineら、J. Immunol., 160: 2555-2559, 1998;Broideら、J. Immunol., 161: 7054-7062, 1998)。
CpG DNAによる自然免疫活性化の治療適用に大きな注目が寄せられている。CpG DNAによって誘導される強力な非-抗原特異的な自然免疫細胞活性は、マウスを細菌負荷から保護するのに十分である、細胞内病原体によって確立されている感染の治療にも十分である(Agrawalら、Trends Mol. Med., 8: 114-121, 2002)。CpG DNAはまた、マウスにおいて腫瘍に対する自然免疫耐性および樹立腫瘍の退行を誘発する(Dowら、J. Immunol., 163: 1552-1561, 1999;Carpenterら、Cancer Res., 59: 5429-5432, 1999;Smithら、J. Natl. Cancer Inst., 90: 1146-1154, 1998)。CpG DNAの強力なTh1アジュバント作用は既存のTh2免疫応答より優位になる;それはアレルギーワクチンのアジュバントとして使用されており、既存のTh2応答の存在下において抗原に対するTh1応答を誘導して、その後のアレルゲン吸入による症状を低下する(Van Udenら、J. Allergy Clin. Immunol., 104: 902-910, 1999)。
免疫抑制配列(IIS):免疫活性化配列オリゴデオキシヌクレオチド(ISS-ODN) の阻害剤は、ISS-ODNの免疫活性化作用を阻害するために、例えば、特に遺伝子治療に関連して組換え発現ベクターに存在する任意のISS-ODNの免疫活性化作用を抑制するために、細菌およびウイルスのISS-ODNに対する宿主の免疫応答を低下するための抗-炎症剤として、ISS-ODN刺激されたTh1媒介性のIL-12産生を阻害するために自己抗原または自己抗体結合物と併用した自己免疫モジュレーターとして、細胞外抗原に対するTh2免疫応答のためのアジュバントとして使用するために、および一般的に免疫応答をTh1からTh2応答にシフトするために使用されている。米国特許第6,255,292号を参照されたい。
Yamadaら、J. Immunol., 169; 5590-5594, 2002は、種々のインビトロ免疫活性化細胞系を使用して、CpG誘導性免疫活性化においてIISオリゴデオキシヌクレオチドを評価した。IISオリゴデオキシヌクレオチドによる抑制はオリゴデオキシヌクレオチドによる刺激を上回り、CpG-誘導性免疫応答に特異的であることをYamadaらは見出した。彼らは、最も抑制作用の強いオリゴヌクレオチドはポリGまたはG-Cリッチ配列を含有することを見出したが、特異的なヘキサマーモチーフは発見されなかった。直接反復クラスター形態または5'側にCもしくは3'側にGを有するCpGジヌクレオチドとKreigによって規定された中和モチーフを含有する合成オリゴヌクレオチドは、免疫活性化CpGモチーフによる免疫活性化を遮断することができることをKreigら、PNAS, 95; 12631-12636, 1998は見出した。この場合も、ヘキサマー免疫抑制配列は発見されなかった。Zeunerら、Arthritis and Rheumatism, 46: 2219-2224, 2002では、上記のKreigらによって記載されているIISは、動物モデルにおいてCpG誘導性関節炎を低下することが証明されている。米国特許第6,225,292号において、Razらは、CpGの免疫活性化配列の刺激作用を遮断する5'-プリン-プリン-[Y]-[Z]-ピリミジン-ピリミジン-3'(式中、Yはシトシン以外の任意のヌクレオチドであり、Zは任意のヌクレオチドであり、Yがグアノシンまたはイノシンでない場合には、Zはグアノシンまたはイノシンである)と指定された特定のヘキサマーモチーフを記載している。上記の例の各々において、IISは、刺激作用のあるCpG配列によって生じる免疫活性化を特異的に阻害することが証明されている。
核酸治療
アンチセンス治療:アンチセンスオリゴヌクレオチドは、最初は、標的遺伝子の発現を低下するために、特定の標的遺伝子に相補的であるように設計された(Kreig、Annu. Rev. Immunol., 20: 709-760, 2002)。これらのオリゴヌクレオチドの分解を防止するために、骨格は、一般に、ホスホロチオエート骨格のように修飾された。多くの場合において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは組織培養細胞において標的遺伝子の発現を抑制したが、インビボにおける実験は発現を変更するという点ではうまくいかなかった。代わりに、多数の研究者は、これらのオリゴヌクレオチドのいくつかはインビボにおいて免疫応答を刺激することを予期しないことに見出した。例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のrev遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、B細胞増殖増加および脾腫によって発現される免疫活性化作用を有する(Brandaら、Biochem. Pharmacol., 45: 2037-2043, 1993)。これらの早期検討からは即時型免疫活性化配列モチーフは同定されなかったが、結果としてこれらの所見により、特定の免疫活性化モチーフが探索された。
遺伝子治療:ペプチドおよび/またはポリペプチドをコードするネーキッドDNA、沈降-および形質移入-促進剤の形態で製剤化されるDNA並びにウイルスベクターを含むポリヌクレオチド治療は「遺伝子治療」に使用されている。遺伝子治療は、タンパク質またはペプチドの発現を提供するため、宿主において欠損しているまたは存在しないタンパク質またはペプチドの代わりをするおよび/または望ましい生理機能を増加するためにポリヌクレオチドを送達することである。遺伝子治療には、治療的目的のために個体のゲノムにDNAを組込む方法が挙げられる。遺伝子治療の例として、血友病のための凝固因子、重症複合型免疫不全症のためのアデニンデアミナーゼ、家族性高コレステロール血症のための低密度リポタンパク質受容体、ゴーシェ病のためのグルコセレブロシダーゼ、α-アンチトリプシン欠損症のためのα1-アンチトリプシン、異常血色素症のためのα-またはβ-グロビン遺伝子および嚢胞性線維症のための塩化物チャネルをコードするDNAの送達が挙げられる(VermaおよびSomia、Nature, 389, 239-42, 1997)。
感染症を治療するためのDNA免疫化:DNA免疫化では、非-複製転写単位が、宿主において特定の免疫応答を誘導または提供するタンパク質またはタンパク質セグメントの合成のための鋳型を提供することができる。ネーキッドDNAを注射すると、種々の微生物および腫瘍に対するワクチン化が促進される(RobinsonおよびTorres、Semin Immunol, 9, 271-83., 1997)。全て非-自己抗原であるウイルス(B型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ロタウイルスおよびインフルエンザウイルス)、細菌(結核菌(mycobacterium tuberculosis))および寄生虫(マラリア)に存在する特定のタンパク質をコードするDNAワクチンはこれらの感染症を予防および治療するために開発されている(Leら、Vaccine、18, 1893-901, 2000);(RobinsonおよびPertmer、Adv Virus Res, 55, 1-74, 2000)。
癌を治療するためのDNA:腫瘍組織適合抗原クラスI、サイトカイン(IL-2、IL-12およびIFN-γ)および腫瘍抗原をコードするDNAワクチンは癌を治療するために開発されている(WlazloおよびErtl、Arch Immunol Ther Exp, 49: 1-11, 2001)。例えば、B細胞免疫グロブリンイディオタイプ(抗原結合領域)をコードするウイルスDNAは、B細胞リンパ腫を排除し、B細胞リンパ腫から防御するために投与されている(Timmermanら、Blood, 97: 1370-1377, 2001)。
自己免疫疾患を治療するためのDNA免疫化:他は、自己免疫疾患を治療するための免疫分子をコードするDNA治療を記載している。このようなDNA治療は、自己免疫応答を誘導する自己反応性T細胞のレベルを変更するためのT細胞受容体の抗原-結合領域をコードするDNAを含む(Waismanら、Nat Med, 2: 899-905, 1996)(米国特許第5,939,400号)。自己抗原をコードするDNAは粒子に結合され、多発性硬化症およびコラーゲン誘導性関節炎を予防するために皮膚に遺伝子銃で送達される(特許国際特許出願第97/46253号)(Ramshawら、Immunol., and Cell Bio., 75: 409-413, 1997)。接着分子、サイトカイン(TNFα)、ケモカイン(C-Cケモカイン)および他の免疫分子(Fas-リガンド)をコードするDNAは、自己免疫疾患の動物モデルを治療するために使用されている(Youssefら、J Clin Invest, 106: 361-371, 2000);(Wildbaumら、J Clin Invest, 106: 671-679, 2000);(Wildbaumら、J Immunol, 165: 5860-5866, 2000);(Wildbaumら、J Immunol, 161: 6368-7634, 1998);(Youssefら、J Autoimmun, 13: 21-9, 1999)。
本発明の目的は、免疫調節核酸の投与を含む、疾患、特に自己免疫疾患または炎症性疾患を治療または予防するための方法および組成物を提供することである。本発明の別の目的は、疾患を治療するための免疫調節配列を同定する手段を提供することである。本発明のさらに別の目的は、免疫調節配列を、自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするポリヌクレオチドと併用投与することを含む、動物の非生理的過程に存在および関与する自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドに関連する疾患を治療する方法および手段を提供することである。本発明の別の目的は、動物の自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドに関連する疾患を治療または予防するための組成物を提供することである。本発明はさらに、免疫調節核酸を自己分子と併用投与することを含む、疾患の治療または予防に関する。本発明のこれらの目的および他の目的は、全体として本明細書から明らかになる。
発明の簡単な概要
本発明は、免疫調節配列は、単独または併用で、自己分子に関連する自己免疫疾患または炎症性疾患を予防または治療するために使用することができると思われるという発見に基づいている。ある種の免疫調節配列モチーフに本明細書に記載するCpGジヌクレオチドまたは他の調節ジヌクレオチドを含有する免疫調節配列を、近接または同時ISS刺激に無関係の炎症性疾患または自己免疫疾患を予防または治療するために使用することができることは本発明まで考えられなかった(例えば、CpGを含有する微生物DNAまたは組換えベクター)。免疫調節配列モチーフの例は以下である:
5'-プリン-ピリミジン-[Y]-[Z]-ピリミジン-ピリミジン-3';
および
5'-プリン-プリン-[Y]-[Z]-ピリミジン-ピリミジン-3'。
本発明の目的は、1つ以上の免疫調節配列を有する免疫調節核酸の投与を含む、疾患、特に自己免疫疾患または炎症性疾患を治療または予防するための新規方法および組成物によって達成される。免疫調節核酸は単独で投与しても、または自己-タンパク質、-ポリペプチド、-ペプチドをコードするポリヌクレオチドと併用して投与してもよい。免疫調節核酸はまた、個体に非生理的に存在する1つ以上の自己分子に関連する自己免疫疾患または炎症性疾患を治療するための他の自己分子と併用して投与してもよい。本発明はさらに、自己免疫疾患または炎症性疾患を治療または予防するためであって、DNAポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチドの形態の免疫調節配列を含む薬学的組成物に関する。免疫調節配列は、自己免疫疾患または炎症性疾患などの、被験者に非生理的に存在する自己分子に関連する疾患に関して使用する場合には、抑制性ジヌクレオチドモチーフをさらに含む免疫調節配列モチーフを含むようにベクターヌクレオチド配列の要素を改変することによってベクター内に統合されてもよい。
本発明の他の目的は、免疫調節配列を動物に投与する段階を含む、動物に非生理的に存在する1つ以上の自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドに関連する動物の疾患を治療または予防する新規方法によって達成される。本発明はさらに、免疫調節配列を、自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするポリヌクレオチドと併用して動物に投与する段階を含む、動物に非生理的に存在する1つ以上の自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドに関連する動物の疾患を治療または予防する新規方法に関する。
本発明の一局面において、動物に、免疫調節配列を単独または自己免疫疾患に関連する自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む自己-ベクターと併用して投与する段階を含む、多発性硬化症、関節リウマチ、インスリン依存性糖尿病、自己免疫性ブドウ膜炎、原発性胆汁性肝硬変、重症筋無力症、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡、強皮症、悪性貧血、全身性エリテマトーデス(SLE)、強直性脊椎炎、自己免疫性皮膚疾患およびグレーブス病などの自己免疫疾患を治療または予防するための方法を提供する。本発明の別の局面において、免疫調節配列は、非生理的状態の被験者に存在し、疾患に関連する自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするDNAを含むポリヌクレオチドと併用して投与される。
本発明の別の局面において、免疫調節配列を単独または併用して動物に投与する段階を含む、骨関節炎、痛風、偽痛風、ハイドロキシアパタイト沈着疾患、喘息、滑液包炎、腱炎、結膜炎、尿道炎、膀胱炎、亀頭炎、皮膚炎、冠動脈疾患または片頭痛などの炎症性疾患を治療または予防するための方法を提供する。
本発明のさらに別の局面において、動物に免疫調節配列を単独またはGVHDもしくは移植による拒絶反応に関連する自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む自己-ベクターと併用して投与する段階を含む、GVHDまたは移植による拒絶反応を含むが、これらに限定されない臓器または細胞移植に関連する疾患を治療または予防する方法を提供する。免疫調節配列および自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む自己-ベクターの投与は、自己-ベクターによって発現される自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドに対する免疫応答を調節する。
発明の詳細な説明
本発明を詳細に記載する前に、本発明は、当然のことながら、変更しうる特定の製剤またはプロセスパラメーターに限定されないことが理解されるべきである。また、本明細書において使用する用語は本発明の特定の態様を記載するためだけであり、限定する意図のものではないことが理解されるべきである。
定義
本明細書において使用する「核酸」および「ポリヌクレオチド」は同義であり、ヌクレオチドのポリマー(例えば、デオキシヌクレオチド、リボヌクレオチドまたはそれらの類似物)をいう。
本明細書において使用する「オリゴヌクレオチド」とは、長さ約6〜約175ヌクレオチド以上の核酸のサブセットをいう。典型的なオリゴヌクレオチドは、長さが最長約100ヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドはオリゴリボヌクレオチドおよびオリゴデオキシリボヌクレオチドをいい、以降ODNと呼ばれる。ODNはオリゴヌクレオチドおよび他の有機塩基を含有するポリマーを含む。
ヌクレオチドは、リン酸基および置換プリン(グアニン(G)、アデニン(A)またはイノシン(I))または置換ピリミジン(チミン(T)、シトシン(C)またはウラシル(U))であってもよい交換可能な有機塩基に結合した糖(好ましくは、リボースまたはデオキシリボース)を含む分子である。
免疫調節配列(IMS)。本明細書において使用する「免疫調節配列」または「IMS」は、自己免疫疾患または炎症性疾患を調節することができる核酸または核酸領域のヌクレオチドの配列をいう。IMSは、例えば、オリゴヌクレオチドまたはベクターに組込まれたヌクレオチドの配列であってもよい。本明細書において使用する「免疫調節核酸」は、1つ以上のIMSを含む核酸分子を意味する。
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列に関する「同一性」または「同一性の割合」という用語は、例えば、PILEUPもしくはBLASTなどの配列比較アルゴリズムまたは同様のアルゴリズム(例えば、HigginsおよびSharp、CABIOS, 5: 151-153, 1989;Altshulら、J. Mol. Biol., 215: 403-410, 1990)を使用して測定するとき、一致が最大になるように比較整列するとき、同一であるまたは同一である特定の割合のアミノ酸残基またはヌクレオチドを有する2つ以上の配列またはサブ配列をいう。比較のための配列の最適な整列は、例えば、Smith & Waterman, Adv. Appl. Math., 2: 482, 1981の局所ホモロジーアルゴリズム、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol., 48: 443, 1970のホモロジーアラインメントアルゴリズム、Pearson & Lipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA, 85: 2444, 1988の類似性検索方法、これらのアルゴリズムのコンピュータによる実行(Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science Dr., Madison、WIのGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)または目視検査(一般に、Ausubelら、上記を参照されたい)によって実施することができる。
2つの核酸またはポリペプチドに関して「実質的に同一である」というフレーズは、一致が最大になるように比較整列するとき、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%または少なくとも95%のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の同一性を有する2つ以上の配列またはサブ配列をいう。好ましくは、実質的な同一性は長さが少なくとも約50残基である配列の領域に存在し、さらに好ましくは少なくとも約100残基の領域に存在し、最も好ましくは、配列は、少なくとも約150残基にわたって実質的に同一である。好ましい態様において、配列は、所定の核酸またはポリペプチドの全長にわたって実質的に同一である。本発明のある態様において、核酸またはポリペプチド(例えば、自己-タンパク質、-ポリペプチドもしくは-ペプチドまたは自己-タンパク質、-ポリペプチドもしくは-ペプチドをコードする核酸)は、本明細書に開示する特定の核酸またはポリペプチドと実質的に同一である。
本明細書において使用する「自己分子」とは、自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾された自己-タンパク質、-ペプチド、ポリペプチドまたは糖タンパク質を含む。「自己タンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドまたは断片もしくは誘導体」は、動物のゲノムにコードされているタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドを含み;動物内で作製もしくは形成され;動物の生涯のどこかで翻訳後修飾されることがあり;または動物に非生理的に存在する。本発明の自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドを記載するために使用する場合の「非生理的な」または「非生理的に」という用語は、動物におけるその自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドの正常な役割または過程からの逸脱または偏移を意味する。自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドを「疾患に関連する」または「疾患に関与する」という場合には、自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドは形態もしくは構造が改変されており、従ってその生理的役割もしくは過程を実施できない;または病態生理学を誘導することによって、病態生理学的過程を媒介もしくは促進することによっておよび/または病態生理学的過程の標的であることによって状態もしくは疾患の病態生理学に関与することがあることを意味すると理解される。例えば、自己免疫疾患では、免疫系は、自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾された自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチドまたは糖タンパク質などの自己分子を異常に攻撃し、自己分子が発現されるおよび/または存在する細胞および組織の損傷および機能不全を生じる。または、分子自体が、非生理的レベルで発現されるおよび/または非生理的に機能することがある。例えば、神経変性性疾患では、自己-タンパク質が異常に発現されて、脳の病巣に集まり、それによって神経の機能不全を生じる。他の場合では、自己分子は望ましくない状態または過程を悪化する。例えば、骨関節炎では、コラゲナーゼおよびマトリックスメタロプロテイナーゼを含む自己-タンパク質は、関節面を覆う軟骨を異常に分解する。自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドの翻訳後修飾の例は、グリコシル化、脂質基の付加、ホスファターゼによる脱リン酸化、ジメチルアルギニン残基の付加、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD)によるフィラグリンおよびフィブリンのシトルリン化;αB-クリスタリンリン酸化;MBPのシトルリン化並びにカスパーゼおよびグランザイムによるSLE自己抗原タンパク質分解である。免疫学的には、自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドは全て宿主の自己-抗原であると思われ、正常な生理的条件下では、「免疫寛容」と名づけられる過程により自己-抗原を認識する能力を有する免疫細胞の排除、不活性化または活性化の欠如によって宿主の免疫系によって無視される。自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドは、免疫機能を調節する目的のために免疫系の細胞によって生理的、特異的および独占的に発現される分子である免疫タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドを含まない。免疫系は、動物界に住む無数の病原性であると思われる微生物に対して迅速で、高い特異性の防御応答をする手段を提供する防御機序である。免疫タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの例は、T-細胞受容体、免疫グロブリンを含むタンパク質、インターフェロンおよびIL-10、TNF-α、リンフォトキシンを含むI型インターロイキンおよびII型サイトカインを含むサイトカイン、マクロファージ炎症性タンパク質-1αおよびβ、単球-走化性タンパク質およびRANTESなどのケモカイン並びにFas-リガンドなどの免疫機能に直接関与する他の分子である。本発明の自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドに含まれるある種の免疫タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドがあり、それらは:クラスI MHC膜糖タンパク質、クラスII MHC糖タンパク質およびオステオポンチンである。自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドは、代謝的または機能的障害を生じる遺伝的または後天性不全によって完全または実質的に被験者に存在せず、そのタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドの投与またはそのタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドをコードするポリヌクレオチドの投与(遺伝子治療)によって代えられるタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを含まない。このような障害の例には、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、嚢胞性線維症、フェニルケトン尿症、ガラクトース血症、メープルシロップ尿症およびホモシスチン尿症が挙げられる。自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドは、(1)悪性細胞のクローンを形成する遺伝子変化を有する1つの細胞の増殖を示すクロナリティ、(2)増殖が適切に調節されていないことを示す自律性および(3)退形成すなわち正常な協調的細胞分化の欠如を含む、正常な相手から識別する特徴を有する細胞によって特異的および独占的に発現されるタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを含まない。細胞は、腫瘍、癌または悪性細胞といわれる上記の3つの基準の1つ以上を有する。
「プラスミド」および「ベクター」は、小文字のpに続く文字および/または数字によって示される。出発のプラスミドは購入可能であり、自由に公的に入手可能であり、または報告されている手法に添って入手可能なプラスミドから構築することができる。また、記載されているものと等価なプラスミドは当技術分野において既知であり、当業者に明らかである。「ベクター」または「プラスミド」は、宿主細胞に存在する場合に、適切な制御および調節要素を含むことによって複製することができる任意の遺伝的要素をいう。本発明の目的のために、ベクターまたはプラスミドの例には、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、ウイルス等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用する「ネーキッド核酸」とは、(例えば、ウイルス粒子、細菌細胞またはリポソーム内などのように)被包されておらず、(例えば、DEAE-デキストランなどのように)核酸に結合するまたは(例えば、金粒子または多糖-系支持体のように)核酸に接合する分子と複合体を形成しない核酸分子をいう。
疾患または障害を「治療する」、疾患または障害の「治療」または「療法」とは、本発明の免疫調節核酸の投与によって、臨床症状または診断症状の減少、停止または排除によって明らかなように、確立した疾患の進行を遅くすること、停止することまたは回復させることを意味する。「確立した疾患」は、免疫系が活発で、罹患組織に炎症が見られ、白血球およびリンパ球の異常な浸潤が見られることを意味する。疾患または障害を「治療する」、疾患または障害の「治療」または「療法」は、また、免疫調節核酸を自己分子と併用して投与することによって疾患の進行を遅くすること、停止することまたは回復させることを意味する。本明細書において使用する「自己分子」は、自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾された自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチドまたは糖タンパク質をいう。疾患または障害を「治療する」、疾患または障害の「治療」または「療法」は、免疫調節核酸を免疫調節治療薬と併用して投与することによって疾患の進行を遅くすること、停止することまたは回復させることをさらに意味する。免疫調節核酸および別の化合物、例えば、自己-タンパク質、-ペプチドまたは-ポリペプチドをコードするDNAを含む治療法をいう場合の「併用」は、2つ以上の化合物が別個であるが、バイアルでの同時投与のように物理的に一体として投与されこと、例えば、接合によって一体として結合されること、1つ以上のベクターのDNAによってコードされることまたは異なる部位に別個に投与されるが、「併用」投与されると当業者に考えられるように時間的に近接して一体として投与されることを含む。本明細書において使用される疾患を軽減することと疾患を治療することは等価である。
本発明に関して使用する疾患または障害を「予防する」、疾患または障害の「予防(prophylaxis)」または「予防(prevention)」とは、疾患もしくは障害または疾患もしくは障害の症状の一部もしくは全ての出現または発症を予防するため、または疾患もしくは障害の発症の可能性を低下するために、免疫調節配列を単独または本明細書に記載する別の化合物と併用して投与することをいう。本発明に関して使用する疾患または障害を「予防する」、疾患または障害の「予防(prophylaxis)」または「予防(prevention)」は、疾患もしくは障害または疾患もしくは障害の症状の一部もしくは全ての出現または発症を予防するため、または疾患もしくは障害の発症の可能性を低下するために、免疫調節配列を自己分子と併用して投与することをいう。本発明に関して使用する疾患または障害を「予防する」、疾患または障害の「予防(prophylaxis)」または「予防(prevention)」は、疾患もしくは障害または疾患もしくは障害の症状の一部もしくは全ての出現または発症を予防するため、または疾患もしくは障害の発症の可能性を低下するために、免疫調節配列を免疫調節治療薬と併用して投与することをいう。本明細書において使用する「免疫調節治療薬」は、被験者に投与されるとき、免疫調節または調整機能を有するような分子をいう。このような免疫調節治療薬には、サイトカイン、ケモカイン、ステロイドまたは抗原もしくは自己抗原に対する抗体が挙げられる。
「被験者」とは、例えば、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウマ、ウシ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモットまたはウサギなどの任意の動物をいう。
自己免疫疾患
本明細書に記載する組成物および方法は自己免疫疾患の治療または予防に有用である。動物に非生理的に存在する自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾された自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、糖タンパク質または自己分子の誘導体を含む自己分子に関連する自己免疫疾患の例のいくつかは以下の表に記載されており、以下に記載されている。
(表1)
Figure 0004750419
多発性硬化症:多発性硬化症(MS)は中枢神経系(CNS)の最も一般的な脱髄性障害であり、350,000人の米国人および世界の100万人が罹患している。症状の発症は、典型的には、20〜40歳に生じ、一側性の視覚障害、筋脱力、知覚異常、失調症、眩暈、尿失禁、構語障害または精神障害(出現頻度が高い順)の急性または亜急性発作として発現する。このような症状は、軸索伝導の遅延による負の伝導異常および異所性活動電位発生による正の伝導異常(例えば、レルミット症状)を生じる脱髄の局所性病変によって生じる。MSの診断は、時間的に間隔があり、神経学的機能不全の他覚的臨床徴候を生じ、CNS白質の別個の領域に関係する神経学的機能不全の少なくとも2回の別個の発作を含む病歴に基づく。MSの診断を裏付ける追加の他覚的証拠を提供する実験室における研究は、CNS白質病変の核磁気共鳴画像法(MRI)、脳脊髄液(CSF)のIgGのオリゴクローナルバンドおよび異常な誘導電位応答が挙げられる。ほとんどの患者は、徐々に進行する再発寛解型疾患経過を経験するが、MSの臨床経過は個人によって大きく異なり、生涯にわたって軽度の発作が数回しか起こらないものから劇症型の慢性進行性疾患まで多岐にわたる。IFN-γを分泌する能力を有するミエリン-自己反応性T細胞の定量的な増加がMSおよびEAEの病因に関連している。
関節リウマチ:関節リウマチ(RA)は、世界人口の0.8%が罹患している慢性自己免疫性炎症性滑膜炎である。関節リウマチは、びらん性関節破壊を生じる慢性炎症性滑膜炎によって特徴づけられる。RAは、T細胞、B細胞およびマクロファージによって媒介される。
T細胞がRAに重大な役割を果たす証拠には、(1)多量のCD4+ T細胞が滑膜に浸潤すること、(2)シクロスポリンなどの薬物によりT細胞機能の抑制に関連する臨床症状の改善がみられることおよび(3)RAとある種のHLA-DR対立遺伝子の関連が挙げられる。RAに関連するHLA-DR対立遺伝子は、ペプチド結合およびT細胞への提示に関与するβ鎖の第3の高頻度可変領域の67〜74位に同様の配列のアミノ酸を含有する。RAは、宿主の滑膜関節等に存在する自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾される自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチドもしくは糖タンパク質または未同定の自己生体分子を認識する自己反応性T細胞によって媒介される。自己抗原とも言われる本発明の自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドはRAにおいて標的とされ、II型コラーゲン;hnRNP;A2/RA33;Sa;フィラグリン;ケラチン;シトルリン;gp39を含む軟骨タンパク質;I、III、IV、V、IX、XI型コラーゲン;HSP-65/60;IgM(リウマチ因子);RNAポリメラーゼ;hnRNP-B1;hnRNP-D;カルジオリピン;アルドラーゼA;シトルリン-修飾フィラグリンおよびフィブリン由来のエピトープを含む。修飾アルギニン残基(脱-イミノ化されてシトルリンを形成する)を含有するフィラグリンペプチドを認識する自己抗体は、大多数のRA患者の血清中で同定されている。自己反応性TおよびB細胞応答が共に、免疫優性の同一のII型コラーゲン(CII)のペプチド257〜270に向かう患者もいる。
インスリン依存性糖尿病:ヒトI型すなわちインスリン依存性糖尿病(IDDM)は、膵臓のランゲルハンス島のベータ細胞の自己免疫的な破壊によって特徴づけられる。B細胞が欠損すると、血中のグルコース濃度を調整することができなくなる。血中のグルコース濃度が特定の濃度、通常約250 mg/dlを超えると顕性の糖尿病が生じる。ヒトでは、長期間の前駆症状期間が糖尿病発症の前に存在する。この期間中に、膵臓のベータ細胞の機能が徐々に損失する。疾患の発症は、本発明による自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドの各々の例として、インスリン、グルタミン酸脱炭酸酵素およびチロシンホスファターゼIA2(IA2)に対する自己抗体の存在に関係する。
前駆症状段階中に評価することができるマーカーは、膵臓における膵島炎の存在、島細胞抗体のレベルおよび頻度、島細胞表面抗体、膵臓のベータ細胞におけるクラスII MHC分子の異常な発現、血中グルコース濃度並びに血漿インスリン濃度である。膵臓におけるTリンパ球の数、島細胞抗体および血中グルコースの増加は、インスリン濃度の増加と同様に、疾患を示す。
非肥満性糖尿病(NOD)マウスは、ヒトIDDMに共通する多数の臨床的、免疫学的および組織病理学的特徴を有する動物モデルである。NODマウスは島の炎症およびベータ細胞の破壊を自然に生じ、高血糖および顕性の糖尿病を生じる。糖尿病を発症させるためにはCD4+およびCD8+ T細胞が必要であるが、各々の役割は不明である。負荷条件下でタンパク質として投与するとき、疾患を予防し、他の自己-抗原に対する応答をダウンレギュレーションすることができるのはインスリンおよびGADを用いて示されている。
重要なことには、NODマウスは、清潔な無菌の飼育室で、無菌環境において自己免疫性糖尿病を発症する。
ヒトIDDMは、現在、組換えインスリンの注射またはポンプを利用した送達をガイドするために、血中グルコース濃度をモニタリングすることによって治療される。食事および運動療法は、適当な血中グルコースコントロールの達成に貢献する。
自己免疫性ブドウ膜炎:自己免疫性ブドウ膜炎は、米国で400,000人が罹患していると推定され、年間43,000人の発現頻度で新たな症例が報告されている眼の自己免疫疾患である。自己免疫性ブドウ膜炎は、現在、ステロイド、メトトレキセートおよびシクロスポリンなどの免疫抑制剤、静注免疫グロブリン並びにTNFα-アンタゴニストで治療されている。
実験的自己免疫ブドウ膜炎(EAU)は、眼の網膜神経、ブドウ膜および関連組織を標的とするT細胞-媒介性の自己免疫疾患である。EAUは、ヒト自己免疫性ブドウ膜炎と多数の臨床的および免疫学的特徴が共通しており、ブドウ膜炎誘発性(uveitogenic)ペプチドを完全フロイントアジュバント(CFA)に乳化したものを抹消投与することによって誘発される。
ヒト自己免疫性ブドウ膜炎において自己免疫応答が標的とする自己-タンパク質には、S抗原、光受容体間(interphotorecepter)レチノイド結合タンパク質(IRBP)、ロドプシン、リカバリンを挙げることができる。
原発性胆汁性肝硬変:原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、40〜60歳の女性が主に罹患する臓器-特異的自己免疫疾患である。このグループで報告されている有病率は1,000人あたりについて1人に近い。PBCは、肝内小胆管の下層の肝内胆管上皮細胞(IBEC)の進行性の破壊によって特徴づけられる(Nishioら、Semin Liver Dis, 22: 291, 2002)。これにより、胆汁分泌が閉塞され、妨害されて、結果として肝硬変が生じる。シェーグレン症候群、CREST症候群、自己免疫性甲状腺疾患および関節リウマチを含む、上皮の被覆/分泌系の損傷によって特徴付けられる他の自己免疫疾患との関連が報告されている。
実験的自己免疫性胆管炎(EAC)のマウスモデルは、雌SJL/Jマウスへのほ乳類PDCの腹腔内(i.p.)感作を使用して、非-可能性破壊性胆管炎(NSDC)およびAMAの産生を誘導する(Jones, J. Clin Pathol, 53:813-21, 2000)。SLEのMRL/lprマウスモデルも、αケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体に対する自己抗体の形成によって特徴付けられるPBC様疾患を発症することが示されている。
他の自己免疫疾患および関連する自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチド:重症筋無力症の自己抗原には、アセチルコリン受容体内のエピトープを挙げることができる。尋常性天疱瘡で標的とされる自己抗原には、デスモグレイン-3を挙げることができる。シェーグレン症候群抗原には、SSA(Ro);SSB(La)およびフォドリンを挙げることができる。尋常性天疱瘡の主な自己抗原にはデスモグレイン-3を挙げることができる。筋炎のパネルには、tRNA合成酵素(例えば、スレオニル、ヒスチジル、アラニル、イソロイシルおよびグリシル);Ku;Scl;SS-A;U1-sn-リボ核タンパク質;Mi-1;Mi-1;Jo-1;KuおよびSRPを挙げることができる。強皮症のパネルには、Scl-70;セントロメア;U1-sn-リボ核タンパク質およびフィブリラリンを挙げることができる。悪性貧血のパネルには、内因子および胃のH/K ATPaseの糖タンパク質βサブユニットを挙げることができる。全身性エリテマトーデス(SLE)の抗原であるエピトープには、DNA;リン脂質;核抗原;U1リボ核タンパク質;Ro60(SS-A);Ro52(SS-A);La(SS-B);カルレチクリン;Grp78;Scl-70;ヒストン;Smタンパク質;セリン-アルギニンスプライシング因子およびクロマチン等を挙げることができる。グレーブス病では、エピトープには、Na+/I-共輸送体;甲状腺刺激ホルモン受容体;TgおよびTPOを挙げることができる。
他の疾患
動物に非生理的に存在する自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドに関連する他の疾患のいくつかの例を表に記載し、以下に記載する。
炎症性疾患
骨関節炎および変性性関節疾患:骨関節炎(OA)は60歳以上の30%が罹患しており、ヒトの最も一般的な関節疾患である。骨関節炎は滑膜関節の変性および不全を示し、関節軟骨の破壊に関係する。
軟骨は、主に、硬さおよび負荷に耐える能力を提供するプロテオグリカンと垂直の力に対する伸張性および抵抗性を提供するコラーゲンを含む。軟骨細胞は、各々が単独または組合わせて、本発明の自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾される自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチドまたは糖タンパク質である潜在型コラゲナーゼ、潜在型ストメライシン、潜在型ゲラチナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーターおよび他の関連酵素を産生し、分泌することによって正常な軟骨をターンオーバーし、再構築する。メタロプロテイナーゼの組織阻害因子(TIMP)およびプラスミノーゲンアクチベーター阻害因子(PAI-I)を含むいくつかの阻害因子も軟骨細胞によって産生され、中性の(neutral)メタロプロテイナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーターおよび他の酵素の分解作用を制限する。これらの分解酵素および阻害因子は、単独または組合わせて、本発明の自己-タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドである。これらの分解酵素および阻害因子は、正常な軟骨の再構築および維持を調整する。OAでは、この過程の調節不全により、軟骨の劣化および分解が生じる。ほとんどのOA患者は、関節の熱感および腫脹を含むある程度の炎症も有する。初期OAでは、コラーゲン線維の配列およびサイズの異常な変更が見られる。単独または組合わせて、本発明の自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾される自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチドまたは糖タンパク質であるメタロプロテイナーゼ、カテプシン、プラスミンおよび他の自己分子は、軟骨基質のかなりの損失を生じる。軟骨細胞によるプロテオグリカンおよび軟骨の産生が最初に増加すると、関節軟骨は通常より厚くなる。次いで、単独または組合わせて、本発明の自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾される自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチドまたは糖タンパク質であるコラゲナーゼ、ストロメライシン、ゲラチナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーターおよび他の関連酵素を含む分解酵素の作用の結果として関節軟骨は薄くなり、軟らかくなる。IL-1、カテプシンおよびプラスミンなどの炎症分子は、単独または組合わせて軟骨の変性および分解を促進することがあり、本発明の自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾される自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチドまたは糖タンパク質である。軟らかく薄くなった軟骨は、機械的ストレスによる損傷をはるかに受けやすい。これらの要因により、軟骨表面が崩壊し、垂直の割れ目が生じる(線維化)。軟骨表面のびらんが形成し、末期疾患では骨に及ぶ。軟骨細胞は、最初は、複製し、クラスターを形成するが、末期では、軟骨は低細胞である。骨の再構築および肥大はOAの重要な特徴である。
OAの現在の治療法には、安静、関節を支える筋肉を強化する理学療法、関節を安定させるための装具および他の支持装置、非-ステロイド性抗-炎症剤、アセトアミノフェンおよび他の鎮痛薬が挙げられる。膝または股関節などの日常生活の活動に重要な関節の末期の骨が擦れ合うOAでは、外科的関節置換が実施される。
脊椎損傷:米国では毎年約11,000例の脊椎損傷の新たな症例が報告され、全体的な罹病率は現在米国において合計183,000〜230,000例であると推定される(Stoverら、Arch Phys Med Rehabil, 80, 1365-71, 1999)。脊椎損傷からの回復は非常に悪く、悲惨な回復不可能な神経性の身体障害が生じる。急性脊椎損傷の現在の治療は、例えば、外科的介入による損傷部位の機械的安定化および非経口的ステロイドの投与を含む。これらの介入は、脊椎損傷による永久的な麻痺の発現を低下するためにはほとんど効を奏していない。慢性脊椎損傷の治療は、疼痛、痙縮および膀胱機能の管理などの生活の質の管理に集中している。現在利用可能な治療は神経機能の回復に対処していない。損傷直後の急性期では、炎症は顕著で、脊椎損傷に関連する膨潤が罹病状態の主要な原因である。この炎症は、高用量の全身コルチコステロイドで一部抑制される。
移植片対宿主病:ヒトへの組織および臓器移植の最も大きな限界の1つは、レシピエントの免疫系による移植組織の拒絶である。ドナーとレシピエントのMHCクラスIおよびII(HLA-A、HLA-BおよびHLA-DR)の一致性が大きいほど、移植片の生存は良好であることが確率されている。移植片対宿主病(GVHD)は、同種間の造血細胞を含む移植を受けた患者の大きな罹病率および死亡率を生ずる。これは、一部には、皮膚および他の標的臓器の炎症による。造血細胞は、骨髄移植、幹細胞移植および他の移植に存在する。HLA-一致兄弟姉妹からの移植を受けた患者の約50%は中等度から重症のGVHDを発症し、その発現頻度は非-HLA-一致移植片でははるかに高い。中程度から重症のGVHDを発症する患者の1/3は結果として死亡する。ドナー移植片のTリンパ球および他の免疫細胞が、アミノ酸配列におけるポリペプチドの変異、特にヒトの第6染色体の主要組織適合性抗原複合体(MHC)遺伝子複合体中にコードされているタンパク質の変異を発現するレシピエント細胞を攻撃する。同種造血細胞に関係する移植においてGVHDに最も影響力のあるタンパク質は、高度多形性(ヒトごとのアミノ酸変異が大きい)クラスIタンパク質(HLA-A、-Bおよび-C)およびクラスIIタンパク質(DRB1、DQB1およびDPB1)である(Appelbaum、Nature 411: 385-389, 2001)。MHCクラスI対立遺伝子がドナーとレシピエント間で血清学的に「一致する」場合でも、DNA配列は、症例の30%では対立遺伝子-レベルのミスマッチがあることを明らかにしており、ドナー-レシピエント一致ペアにおけるクラス-I誘導性GVHDの基礎を提供している(Appelbaum、Nature, 411, 385-389, 2001)。GVHDは、しばしば、皮膚、腸、肝臓、肺および膵臓への損傷を生じる。GVHDは、グルココルチコイド、シクロスポリン、メトトレキセート、フルダラビンおよびOKT3で治療される。
組織移植拒絶:肺、心臓、肝臓、腎臓、膵臓並びに他の臓器および組織を含む組織移植の免疫拒絶は、移植された臓器に対する移植レシピエントにおける免疫応答によって媒介される。同種移植された臓器は、移植レシピエントのアミノ酸配列と比較すると、アミノ酸配列に変異があるタンパク質を含有する。移植される臓器のアミノ酸配列は移植レシピエントのアミノ酸配列と異なるので、しばしば移植される臓器に対するレシピエントの免疫応答を誘発する。免疫応答は自然および獲得免疫系による反応を含み、標的臓器の炎症によって特徴づけられる。移植される臓器の拒絶は主な合併症であり、組織移植を制限し、レシピエントにおいて移植される臓器の不全を生じることがある。拒絶によって生じる慢性炎症は、移植される臓器の機能不全を生じることが多い。移植レシピエントは、拒絶を予防し、抑制するために、現在種々の免疫抑制剤で治療されている。これらの薬剤には、グルココルチコイド、シクロスポリンA、セルセプト、FK-506およびOKT3が挙げられる。
免疫調節核酸および関連組成物
一局面において、本発明の免疫調節核酸は以下のコアヘキサマーを含む:
5'-プリン-ピリミジン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3'
または
5'-プリン-プリン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3'
(式中、XおよびYは、シトシン-グアニンとなりえないことを除いて、任意の天然型または合成ヌクレオチドである)。
ジヌクレオチドモチーフを含む免疫調節配列モチーフと本明細書において言われるIMSのコアヘキサマーは、任意の組成または数のヌクレオチドまたはヌクレオシドが5'または3'に隣接していてもよい。好ましくは、免疫調節配列モチーフを含む免疫調節核酸は、サイズが6〜100塩基対、好ましくはサイズが16〜50塩基対のオリゴヌクレオチドである。免疫調節核酸は、100〜100,000塩基対のさらに大きいDNAの一部として送達されてもよい。IMSはDNAプラスミド、ウイルスベクターおよびゲノムDNAに組み込まれてもまたはすでに存在してもよい。免疫調節核酸は、サイズが6(隣接配列なし)〜10,000塩基対以上の範囲であってもよい。ヘキサマーコアに隣接して存在する配列は、任意の既知の免疫抑制配列に存在する隣接配列と実質的に一致するように構築することができる。例えば、配列TGACTGTG-プリン-ピリミジン-X-Y-ピリミジン-ピリミジン-AGAGATGAを有するIMSは、隣接配列TGACTGTGおよびAGAGATGAを含む。別の好ましい隣接配列は、個々のピリミジンの2回以上の反復または長さ2以上の異なるピリミジンの混合物としてピリミジンシリーズ(C、TおよびU)を組込む。異なる隣接配列は、抑制性調節配列を試験する際に使用されている。抑制性核酸の隣接配列のさらに別の例は、以下の参照文献に含まれている:米国特許第6,225,292号および同第6,339,068号;Zeunerら、Arthritis and Rheumatism, 46: 2219-24, 2002。
本発明の特定のIMSは以下のヘキサマー配列を含む:
1. GGジヌクレオチドコア:
Figure 0004750419
等を含有する 5'-プリン-ピリミジン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3'IMS;
2. GCジヌクレオチドコア:
Figure 0004750419
等を含有する5'-プリン-ピリミジン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3'IMS;
3. グアニンおよびイノシンがアデニンと置換し、および/またはウリジンがシトシンまたはチミンと置換し、そのような置換は、上記のガイドラインに基づいて記載されているように作製することができる。
以前に開示されている免疫抑制配列またはIISは、コアジヌクレオチド、CpGを含有する免疫活性化配列(ISS)の作用を阻害することが示された。米国特許第6,225,292号。このIISは、ISSの非存在下において、単独またはDNAポリヌクレオチド治療と併用して自己免疫疾患を予防および治療することが本発明によって初めて示された。このIISは、配列AAGGTTを有するコアヘキサマー領域を含有した。その配列は、免疫調節配列またはIMSと本明細書において言われる。本発明のIMSに含まれるものと同様のモチーフを有する他の関連するIISは以下である:
1. GGジヌクレオチドコア:
Figure 0004750419
等を含有する5'-プリン-プリン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3'IMS;
2. GCジヌクレオチドコア:
Figure 0004750419
等を含有する5'-プリン-プリン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3' IMS;
3. アデニンのグアニンおよびイノシン置換ならびに/またはシトシンもしくはチミンのウリジン置換は、上記のガイドラインに基づいて記載されているように作製することができる。
本発明のある態様において、IMSのコアヘキサマー領域は5'もしくは3'末端のどちらかまたは両方にポリG領域が隣接している。本明細書において使用する「ポリG領域」または「ポリGモチーフ」は、少なくとも2つの隣接グアニン塩基、典型的には2〜30または2〜20の隣接グアニンを含有する核酸領域を意味する。いくつかの態様において、ポリG領域は2〜10、4〜10または4〜8の隣接グアニン塩基を有する。ある種の好ましい態様において、隣接するポリG領域はコアヘキサマーに隣接する。さらに他の態様において、ポリG領域は、非-ポリG領域(非-ポリGリンカー)によってコアヘキサマーに連結する;典型的には、非-ポリGリンカー領域はわずか6つ、さらに典型的にはわずか4つのヌクレオチドを有し、最も典型的には、わずか2つのヌクレオチドを有する。
免疫調節核酸は、ゲノムDNA、プラスミドDNA、ウイルスDNAおよびcDNAを含む既存の核酸源から入手することができる。ある種の好ましい態様において、免疫調節核酸は、オリゴヌクレオチド合成によって作製される合成オリゴヌクレオチドである。IMSは、1本鎖または2本鎖DNA、RNAおよび/またはオリゴヌクレオチドの一部であってもよい。
免疫調節核酸は、主に、非メチル化GpGオリゴヌクレオチドを含有する1つ以上のIMS領域を有する核酸である。別の態様において、IMS領域のアデニンまたはシトシン残基の1つ以上はメチル化されている。真核細胞では、典型的には、シトシンおよびアデニン残基はメチル化されていることがある。
免疫調節核酸は安定化および/または不安定化されたオリゴヌクレオチドであってもよい。安定化されたオリゴヌクレオチドは、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼおよび他の分解経路によるインビボにおける分解を比較的受けないオリゴヌクレオチドを意味する。好ましい安定化オリゴヌクレオチドは修飾されたリン酸骨格を有し、最も好ましいオリゴヌクレオチドは、リン酸塩の酸素の少なくとも1つが硫黄で置換されているホスホロチオエート修飾リン酸骨格を有する。メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロ(phophoro)アミデートおよびホスホロジチオネートヌクレオチド間結合を含む骨格のリン酸基修飾はIMSに抗菌作用を提供することができる。免疫調節核酸は、好ましくは、安定化オリゴヌクレオチドであり、主にホスホロチオエート安定化オリゴヌクレオチドを使用する。
別の安定化オリゴヌクレオチドには:荷電酸素がアルキル化されているアルキルホスホトリエステルおよびホスホジエステル;荷電ホスホネートの酸素がアリールまたはアルキル基で置換されている非イオン性DNA類似物であるアリールホスホネートおよびアルキルホスホネートおよび/または一方または両方の末端にヘキサエチレングリコールもしくはテトラエチレングリコールまたは別のジオールを含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。IMS領域のヌクレオシド塩基に糖部分を結合するために別の立体配座を使用してもよい。
調節ジヌクレオチドに隣接するIMS領域のヌクレオチド塩基は、既知の天然型塩基または合成非-天然塩基であってもよい。オリゴヌクレオチドは、結合ポイントとして、すなわち自己分子を含む他の化合物のために他の分子を結合もしくは連結するための手段としてまたは追加の免疫調節治療法のための結合ポイントとして使用するために従来の技法を使用してIMS-ONの内部領域および/または末端に組み込まれてもよい。IMS-ONの塩基、糖部分、リン酸基および末端は、IMS-ONの調節作用以外に望ましい特性を有するIMS-ONを構築するために、当業者に既知の任意の方法で修飾することもできる。例えば、任意の立体配座において糖部分をIMS-ONのヌクレオチド塩基に結合することができる。
オリゴヌクレオチドにこれらのリン酸基を修飾するための技法は当技術分野において既知であり、詳細な説明は必要ない。このような有用な技法の概略は、標的オリゴヌクレオチド産物のための中間体リン酸トリエステルを製造し、ヨウ素水溶液または無水アミンなどの他の薬剤で天然型リン酸トリエステルに酸化する。得られたオリゴヌクレオチドホスホルアミデートは硫黄で処理してホスホロチオエートを産生することができる。同じ一般的な技法(硫黄処理段階を除く)を適用して、メチルホスホネートからメチルホスホアミダイトを産生することができる。リン酸基修飾技法に関するさらに詳細な説明については、当業者は、免疫調節核酸の組成物および製造に関する当技術分野の知識レベルを例示するために開示内容が本明細書に組み入れられている、米国特許第4,425,732号;同第4,458,066号;同第5,218,103号および同第5,453,496号並びにTetrahedron, Lett. の 21:414925(1995)、7:5575(1986)、25:1437(1984)並びにJournal Am. ChemSoc., 93: 6657(1987)を参考にすることを希望することができる。
特に有用なリン酸基修飾は、IMS-ONオリゴヌクレオチドのホスホロチオエートまたはホスホロジチオエート型への変換である。ホスホロチオエートおよびホスホロジチオエートは、未修飾のオリゴヌクレオチド対応物と比較してインビボにおいて分解されにくく、本発明のIMS-ONを宿主により利用可能にする。
IMS-ONは、当技術分野において既知の技法および核酸合成装置を使用して合成することができる。これに関する参照文献は、例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、2章および4章(Wiley Interscience、1989年);Maniatisら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Lab.、New York、1982年);米国特許第4,458,066号および米国特許第4,650,675号を参照されたい。これらの参照文献は、合成オリゴヌクレオチドの製造に関する当技術分野における知識レベルを実証するために参照として本明細書に組み入れられている。
または、IMS-ONは、天然型CpGモチーフおよび隣接ヌクレオチドを競合するジヌクレオチドに置換するように、単離した微生物ISS-OSNを突然変異することによって得ることができる。核酸ハイブリダイザーションを使用するスクリーニング手法により、適当なプローブまたは抗体が入手可能である場合には、任意の生物から任意のポリヌクレオチド配列を単離することができる。関心対象のタンパク質をコードする配列の一部に対応するオリゴヌクレオチドプローブは化学的に合成することができる。これには、短いオリゴペプチド鎖のアミノ酸配列が既知でなければならいことが必要となる。タンパク質をコードするDNA配列は遺伝コードから推定することもできるが、遺伝コードの縮重を考慮しなければならない。
例えば、ISS-含有ポリヌクレオチドを含有すると考えられるcDNAライブラリーは、cDNA由来の種々のmRNAを卵母細胞に注入し、cDNA遺伝子産物の発現を十分な時間生じさせ、例えば、関心対象のポリヌクレオチドがコードするペプチドに特異的な抗体を使用することによってまたは関心対象のポリヌクレオチドがコードするペプチドに特徴的な反復モチーフのプローブおよび組織発現パターンを使用することによって、望ましいcDNA発現産物の存在について試験することによってスクリーニングすることができる。または、cDNAライブラリーは、ペプチドに特異的な抗体を使用して、少なくとも1つのエピトープを有する関心対象のペプチドの発現について間接的にスクリーニングすることができる。このような抗体はポリクローナルまたはモノクローナル由来であってもよく、関心対象のcDNAの存在を示す発現産物を検出するために使用することができる。
ISS-含有ポリヌクレオチドが得られたら、例えば、従来の技法を使用する酵素消化によって望ましい長さに短くすることができる。次いで、CpGモチーフを、本発明の方法を使用して同定される-「抑制作用のある」ジヌクレオチドに置換するようにISS-ODNオリゴヌクレオチド産物のCpGモチーフを突然変異させる。既知の配列を有するDNAの特定部位に置換突然変異を生じる技法は既知であり、例えば、PCRによるM13プライマー突然変異誘発がある。IMSは非-コード性であるので、置換突然変異を生ずる際にオープンリーディングフレームを維持することに関する懸念はない。しかし、インビボにおいて使用するためには、ポリヌクレオチド出発物質、ISS-ODNオリゴヌクレオチド中間体またはIMS突然変異産物は実質的に純粋にされなければならない(すなわち、当業者に既知で、当業者によって選択される利用可能な技法を使用して、天然の不純物およびLPSをできるだけ含まない)。
本発明の免疫調節核酸は、IMSを単独または他の核酸領域とシスまたはトランス配置で、例えば、組換え発現ベクターによって送達可能な任意の自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードすることができる組換え自己-ベクター(プラスミド、コスミド、ウイルスまたはレトロウイルス)に組み込まれて含有することができる。ある態様において、IMSは、ベクターに組込まれないで投与される。または、他の態様において、IMSは、例えば、当業者に既知の従来の技法を使用して実施することができる例えば、発現ベクターなどのベクターに組込まれる(例えば、Ausubel、Current Protocols in Molecular Biology、上記を参照されたい)。
例えば、組換え発現ベクターの構築は標準的なライゲーション技法を使用する。ベクターに正しい配列が構築されたことを確かめる分析は、ライゲーション混合物を使用して宿主細胞を形質転換し、形質転換の成功を適宜抗生物質抵抗性で選択することができる。形質転換体からベクターを作製し、制限によって分析および/または例えば、Messingら、Nucleic Acids Res.、9:309, 1981の方法、Maxamら、Methods in Enzymology, 65: 499, 1980の方法または当業者に既知の他の好適な方法によって配列決定される。切断断片のサイズ分離は、例えば、Maniatisら、Molecular Cloning、133〜134、1982年によって記載されている従来のゲル電気泳動を使用して実施される。
宿主細胞に本発明の発現ベクターを形質転換して、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択するまたは遺伝子を増幅するために適宜改変した従来の栄養培地で培養することができる。温度、pH等などの培養条件は、発現について選択する宿主細胞に以前から使用されているものであり、当業者に明らかである。
組換えベクターを本発明のIMS-ONの担体として使用する場合には、プラスミドおよびコスミドは、病原性がないので、特に好ましい。しかし、プラスミドおよびコスミドはウイルスと比較してインビボにおいて分解が早いので、炎症性疾患または自己免疫疾患を予防または治療するのに十分な投与量のIMS-ONを送達することができない。
関連のある局面において、式5'-プリン-ピリミジン-C-G-ピリミジン-ピリミジン-3'または5'-プリン-ピリン-C-G-ピリミジン-ピリミジン-3'の1つ以上のCpGの代わりに非-CpGジヌクレオチドが置換している核酸ベクターが提供され、それによってIIS-関連免疫活性化作用が低下されるベクターを作製する。このようなベクターは、例えば、免疫調節核酸を投与するための方法および/または自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドを1つ以上コードする自己ベクターを投与するための方法において有用である。例えば、CpGジヌクレオチドのシトシンをグアニンと置換することができ、それによって、式5'-プリン-ピリミジン-C-G-ピリミジン-ピリミジン-3'または5'-プリン-プリン-G-G-ピリミジン-ピリミジン-3'のGpGモチーフを有するIMS領域を作製することができる。シトシンはまた、任意の他の非-シトシンヌクレオチドと置換することもできる。置換は、例えば、部位-特異的突然変異誘発を使用して実施することができる。典型的には、置換CpGモチーフは、ベクターの重要な制御領域(例えば、プロモーター領域)に位置しないようなCpGである。また、CpGが発現ベクターのコード領域内に位置する場合には、非-シトシン置換は、典型的には、サイレント突然変異またはコードされるアミノ酸の保存置換に対応するコドンを作製するように選択される。
例えば、ある態様において、式5'-プリン-ピリミジン-C-G-ピリミジン-ピリミジン-3'の1つ以上のCpGジヌクレオチドが、CpGジヌクレオチドのシトシンを非-シトシンヌクレオチドと置換することによって突然変異化される修飾pVAX1ベクターが提供される。pVAX1ベクターは当技術分野において既知であり、Invitrogen(Carlsbad、CA)から購入可能である。1つの例示的な態様において、修飾pVAX1ベクターは、CpGモチーフ内に以下のシトシンから非-シトシン置換を有する:
ヌクレオチド784、1161、1218および1966においてシトシンからグアニンへ;
ヌクレオチド1264、1337、1829、1874、1940および1997においてシトシンからアデニンへ;
ヌクレオチド1963および1987においてシトシンからチミンへ;
追加として、ヌクレオチド1831、1876、1942および1999においてシトシンからグアニンへの突然変異。(上記のヌクレオチド番号指定は、Invitrogenによって提供されるpVAX1のナンバリングシステムによる)(以下の実施例3を参照されたい)。
IMSの機能的特性
IMSの免疫調節特性を説明する機序はいくつかあり、これらには、ISS(CpG)-媒介性免疫活性化に関係ない機序が含まれる。
本明細書において使用する「免疫応答の調節、免疫応答を調節または変更すること」は、免疫調節核酸の投与の結果として生ずる、核酸、脂質、リン脂質、炭水化物、自己-タンパク質、-ポリペプチド、-ペプチド、タンパク質複合体、リボ核タンパク質複合体またはそれらの誘導体を含むが、これらに限定されない自己分子に対する既存の免疫応答または起こりうる免疫応答の任意の変更をいう。このような調節には、免疫応答に関与するまたは関与することができる任意の免疫細胞の存在、能力または機能の任意の変更を含む。免疫細胞には、B細胞、T細胞、NK細胞、NK T細胞、プロフェッショナル抗原提示細胞、ノン-プロフェッショナル抗原提示細胞、炎症細胞または免疫応答に関与もしくは影響することができる任意の他の細胞が挙げられる。調節は、既存の免疫応答、進行性の免疫応答、起こりうる免疫応答または免疫応答を誘発する、調節する、免疫応答に影響するもしくは応答することができる能力に与えられる任意の変化を含む。調節は、免疫応答の一部として免疫細胞内の遺伝子、タンパク質および/または他の分子の発現および/または機能の任意の変更を含む。
免疫応答の調節には、免疫細胞の排除、欠損または隔離;自己反応性リンパ球、APCまたは炎症細胞などの他の細胞の機能的能力を調節することができる免疫細胞の誘導または作製;アネルギーと名づけられる、免疫細胞の反応欠如状態の誘導;これらの細胞によって発現されるタンパク質のパターンの変更を含むが、これに限定されない免疫細胞の活性もしくは機能またはそうする能力の増加、低下または変更が挙げられるが、これらに限定されない。例として、サイトカイン、ケモカイン、増殖因子、転写因子、キナーゼ、同時刺激分子もしくは他の細胞表面受容体などのあるクラスの分子の産生および/または分泌の変更またはこれらの調節事象の任意の組み合わせが挙げられる。
免疫応答は、IL-12およびIFNγを含むサイトカインを産生するヘルパーT細胞および免疫応答によって特徴づけられ、あるアイソタイプ(一般に、マウスではIgG2a;一般に、ヒトではIgG1およびIgG3)の抗体を産生するB細胞に関連する。Th1-型免疫応答は自己免疫疾患において優位であり、自己免疫-媒介性の組織損傷に関連する。一方、Th2免疫応答は、IL-4およびIL-10を含むサイトカインを産生するヘルパーT細胞および免疫応答によって特徴づけられ、あるアイソタイプ(一般に、マウスではIgG1;一般に、ヒトではIgG2およびIgG4)の抗体を産生するB細胞に関連する。Th2-型免疫応答は、齧歯類およびヒトの自己免疫における自己免疫-媒介性の組織損傷に対する防御に関連する。
免疫調節核酸は、望ましくない免疫応答を媒介するもしくは媒介することができる免疫細胞を排除、隔離もしくは遮断することによって;防御免疫応答を媒介するもしくは媒介することができる免疫細胞を誘導、形成もしくはターンオンすることによって;免疫細胞の物理的もしくは機能的特性を変更することによって(Th1-型応答を抑制することによっておよび/またはTh2-型応答を誘導するなどによって)またはこれらの影響の組合わせてによって免疫応答を調節することができると思われる。免疫応答の調節の測定の例には、(フローサイトメトリー、免疫組織化学、組織学、電子顕微鏡、ポリメラーゼ連鎖反応を使用する)免疫細胞集団の有無の調査;(T細胞増殖アッセイおよび抗-CD3抗体、抗-T細胞受容体抗体、抗-CD28抗体、カルシウムイオノフォア、PMA、ペプチドまたはタンパク質抗原を負荷した抗原提示細胞で刺激することによる3H-チミジンの取り込みに基づいたペプスカン(pepscan)分析;B細胞増殖アッセイを使用するなどの)信号に応答して増殖もしくは分裂する能力または信号に応答する増殖もしくは分裂への抵抗性を含む免疫細胞の機能的能力の測定;(細胞障害性T細胞アッセイなどの)他の細胞を死滅または溶菌する能力の測定;(フローサイトメトリー、酵素結合免疫吸着アッセイ、ウェスタンブロット分析、タンパク質マイクロアレイ分析、免疫沈降分析による)サイトカイン、ケモカイン、細胞表面分子、抗体および細胞の他の産物の測定;免疫細胞の活性化または免疫細胞内の信号伝達経路の生化学マーカーの測定(チロシン、セリンおよびスレオニンリン酸化、ポリペプチド切断およびタンパク質複合体の形成または解離のウェスタンブロット法および免疫沈降分析;タンパク質アレイ分析;DNAアレイまたはサブトラクティブハイブリダイザーションを使用するDNA転写プロファイリング);アポトーシス、壊死または他の機序による細胞死の測定(アネキシンV染色、TUNELアッセイ、DNAラダーリングを測定するゲル電気泳動、組織学;蛍光発生カスパーゼアッセイ、カスパーゼ基質のウェスタンブロット分析);免疫細胞によって産生される遺伝子、タンパク質および他の分子の測定(ノーザンブロット分析、ポリメラーゼ連鎖反応、DNAマイクロアレイ、タンパク質マイクロアレイ、2-次元ゲル電気泳動、ウェスタンブロット分析、酵素結合免疫吸着アッセイ、フローサイトメトリー);および自己免疫疾患、神経変性性疾患および他の疾患の成果の改善などの臨床成果の測定(臨床スコア、追加の治療法を使用する必要性、機能的状態、画像による検討)が挙げられるが、これらに限定されない。
他の研究者らは、IISの作用機序を評価する実験を実施している。中和または抑制性IIS(GpG)モチーフはISS(CpG)免疫活性化を遮断することをそれらの研究者らは実証した(Kriegら、PNAS, 95: 12631, 1998;米国特許第6,225,292号および米国特許第6,339,068号)。そのような実験におけるIISは、(細菌、ウイルス、寄生虫およびDNAワクチン化または遺伝子治療などにおいて外因的に生じさせたDNAなどの起源由来の)ISSの影響を相殺、阻害、競合または克服するために使用された。ISSおよびIISは同じ細胞に流入することが示されており、IISがISSを阻害する機序は同一細胞内の直接的な競合によることを示唆している(Yamadaら、J. Immunology, 2002, 169:5590)。
投与方法
免疫調節核酸は、薬学的に許容されうる担体を含む組成物として作製される。本発明の免疫調節核酸に使用するのに好ましい薬学的に許容されうる担体には、滅菌水性または非-水性溶液、懸濁液およびエマルジョンを挙げることができる。非-水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。水性担体には、生理食塩液および緩衝媒体を含む、水、アルコール/水溶液、エマルジョンまたは懸濁液が挙げられる。非経口基剤には、塩化ナトリウム溶液、リンガーのデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガーまたは不揮発性油が挙げられる。静注基剤には、液体および栄養補充薬、(リンガーのデキストロースに基づいたものなどの)電解質補充薬等が挙げられる。例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性ガス等などの保存剤および他の添加剤が存在してもよい。免疫調節核酸の組成物は、本発明によりその後再構成して使用するために、当技術分野において既知の手段を使用して凍結乾燥してもよい。個々のIMSの多数のコピー、異なるIMSの組み合わせ、各々が同じ相対モル濃度で存在するIMSの組合わせ、各々が異なる相対モル濃度で存在するIMSの組合わせ含有する免疫調節核酸を混合して薬学的組成物を形成しても、または個々のIMSおよび/または異なるIMSを、組換え発現ベクタープラスミド、鎖状ポリヌクレオチド、ウイルスおよびウイルスベクター、細菌およびオリゴヌクレオチドを含有する他の生、不活性化または合成組成物に組込んでもよい。
本発明の免疫調節核酸は、薬剤として使用するための塩を用いて製剤化することができる。免疫調節核酸は、非毒性の無機または有機塩基を用いて製剤化することができる。無機塩基塩には、ナトリウム、カリウム、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム等が挙げられる。無毒性の有機塩基には、一級、二級および三級アミン等の塩が挙げられる。このような免疫調節核酸は、滅菌水溶液または塩溶液などの、送達前に再構成するために凍結乾燥された形態で製剤化することができる。または、免疫調節核酸は、送達のための水性-または油性-基剤に関係する溶液、懸濁液またはエマルジョンの形態で製剤化することができる。免疫調節核酸を凍結乾燥し、投与前に滅菌水で再構成することができる。
当業者には既知であるように、被験者に核酸を送達するために多種多様の方法が存在する。いくつかの態様において、免疫調節核酸はネーキッド核酸として投与される。例えば、ある態様において、ウイルス粒子(例えば、アデノウイルス粒子、例えば、Curielら、Am. J. Respir. Cell Mol. Biol., 6: 247-52, 1992、上記を参照されたい)に、投与前にネーキッド核酸を混合して、核酸を封入するのではなく、送達を容易にするウイルス粒子を含有する製剤を作製する。または、他の態様において、免疫調節核酸を、陽イオン物質(例えば、DEAE-デキストランまたは陽イオン脂質)などの、核酸に結合する分子で封入または複合体を形成する。例えば、リポソームは、オリゴヌクレオチドおよび/または自己-ポリヌクレオチドを製剤化し、送達するための効果的な手段である。他の具体的な態様において、免疫調節核酸を、薬理学的な送達のためのウイルスベクター、ウイルス粒子または細菌に組込む。ウイルスベクターは感染能力があっても、弱毒化型であっても(疾患を誘発する力を低下する突然変異を有する)または複製-欠損型であってもよい。他の態様において、核酸は、注射、吸入または微粒子銃(弾道的な(ballistic)送達)によって送達することができる金粒子、多糖系支持体または他の粒子もしくはビーズを含む固相支持体に結合される。
核酸製剤を送達する方法は当技術分野において既知である。例えば、米国特許第5,399,346号、同第5,580,859号、同第5,589,466号を参照されたい。数多くのウイルス系システムがほ乳類細胞に導入するために開発されている。例えば、レトロウイルスシステムが記載されている
Figure 0004750419
数多くのアデノウイルスベクターも記載されており、例えば、
Figure 0004750419
を参照されたい。アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターシステムも核酸送達のために開発されている。AAVベクターは、当技術分野において既知の技法を使用して容易に構築することができる。例えば、米国特許第5,173,414号および同第5,139,941号;国際公開公報第92/01070号(1992年1月23日公開)および国際公開公報第93/03769号(1993年3月4日公開);
Figure 0004750419
を参照のこと。
本発明のIMSはベクターを用いないで送達することもできる。例えば、被験者に送達する前に、分子をリポソームに封入することができる。脂質封入化は、一般に、安定して核酸に結合または核酸を封入して保持することができるリポソームを使用して達成される。核酸を送達するための担体としてリポソームを使用するための概略は、(Hugら、Biochim. Biophys. Acta., 1097: 1-17, 1991);Straubingerら、Methods of Enzymology、101巻、512〜527ページ、1983年)を参照されたい。例えば、本発明により使用することができる脂質には、DOPE(ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン)、コレステロールおよびCUDMEDA(N-(5-コレストラム-3-オール3ウレタニル)-N',N'-ジメチルエチレンジアミン)が挙げられるが、これらに限定されない。一例として、DNAを、以下の陽イオンリポソーム製剤の1つを含有する溶液の形態で投与することができる:Lipofectin(商標)(LTI/BRL)、Transfast(商標)(Promega Corp)、Tfx50(商標)(Promega Corp)、Tfx10(商標)(Promega Corp)またはTfx20(商標)(Promega Corp)。
免疫調節核酸の「治療的に有効な量」は、本発明の教示内容により投与され、例えば、疾患の症状および/または原因を軽減または排除することによって、疾患を治療または予防するのに十分である。例えば、治療的に有効な量は広い範囲に入り、臨床試験によって決定され、特定の患者には、疾患の重症度、患者の体重、年齢および他の因子を含む、通常に技術のある臨床医に既知の因子に基づいて決定される。免疫調節核酸の治療的に有効な量は約0.001マイクログラム〜約1グラムの範囲内である。免疫調節核酸の好ましい治療量は、各々の約5マイクログラム〜約1000マイクログラムの範囲内である。免疫調節核酸の最も好ましい治療量は、約50〜200マイクログラムの範囲内である。免疫調節核酸治療は、毎日、1日おきに、1週間に2回、毎週、2週間ごとにまたは毎月継続的に送達される。自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするポリヌクレオチド治療と併用して送達される場合には、治療法は6〜12ヶ月などの種々の期間にわたって投与することができ、次いで維持投与として3〜12ヶ月ごとに投与することができる。別の治療法は、疾患の重症度、患者の年齢、投与される自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするオリゴヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチド並びに担当医が考慮すると思われる他の因子に応じて作製することができる。
一態様において、免疫調節核酸は筋肉内注射によって送達される。別の態様において、免疫調節核酸は鼻腔内送達、経口送達、皮下送達、皮内送達、静脈内送達、皮膚への押し付け、眼球内送達、関節内送達、膣内送達、直腸内送達、粘膜送達または皮膚に送達されるもしくは皮膚を通過して送達される金粒子に結合される(例えば、WO97/46253号を参照されたい)。または、核酸は、リポソームまたは荷電脂質を使用するまたは使用しない局所適用によって皮膚細胞に送達することができる(例えば、米国特許第6,087,341号を参照されたい)。さらに別の方法は、核酸を吸入剤として送達することである。免疫調節核酸と自己-タンパク質、-ポリペプチド、または-ペプチドをコードするポリヌクレオチドの投与を含む併用療法の場合には、免疫調節核酸およびポリヌクレオチドは同じ部位または異なる部位に、同時にまたは別の時間に投与することができる。
免疫調節核酸を送達する前に、その後のポリヌクレオチド治療の送達を増強することができるブピバカイン(bupivicane)、カルジオトキシンまたは別の薬剤で処理することによって事前調整することができる。このような事前調整療法は、一般に、治療用ポリヌクレオチドの送達の12〜96時間前に送達され、さらにしばしば治療用免疫調節核酸の送達の24〜48時間前に送達される。または、IMS治療の前に、事前調整処理を行わない。
免疫調節核酸および/または自己-タンパク質、-ポリペプチドまたは-ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む自己-ベクターは、薬剤、アジュバント、サイトカイン、自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾される自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、糖タンパク質、DNAを用いる治療などの他の物質と併用してまたはサイトカインをコードするベクターの送達と併用して投与することができる。
別の態様において、免疫調節核酸は他の治療と併用投与される。このような治療には、例えば、ポリヌクレオチド治療の場合には、自己分子をコードするDNAを含むが、これらに限定されない自己分子と併用投与される、免疫調節核酸(米国特許出願第20030148983号を参照されたい)、または自己-脂質、自己-タンパク質、自己-ペプチド、自己-ポリペプチド、自己-糖脂質、自己-炭水化物、自己-糖タンパク質および翻訳後修飾される自己-タンパク質、ペプチド、ポリペプチドまたは糖タンパク質または自己免疫疾患を治療するために使用される任意の他の治療用化合物と併用投与される免疫調節核酸が挙げられる。
本発明のさらなる理解は、例示的な態様を記載する以下の説明を参照することによって得られる。
実施例1:
IMSがISS-誘導性リンパ球活性化を阻害し、実験的自己免疫性脳脊髄炎の誘発を予防することを示す以前の検討の確認
一連の実験を実施して、ISS(CpG)を含有する配列による刺激をIMSが阻害することができることを示す種々の以前の検討を確認する。そのような実験は以下のとおりである。
刺激性CpG-ODNは、樹状細胞、マクロファージ、T細胞およびB細胞を含む脾臓由来の免疫細胞を活性化することが知られている(
Figure 0004750419
を参照されたい)。IMSの影響は、未処理の脾細胞の全体的な増殖を測定することによって評価した。本発明者らは、ヌクレアーゼ分解からDNAを保護するためにホスホロチオエート骨格を有する1本鎖5'-AACGTT-3'(CpG-ODN)またはIMS5'-AAGGTT-3'配列を含有する22-merのオリゴヌクレオチド配列を構築した。IMSの添加が刺激性CpG-ODNの影響を相殺するかどうかを判定するために、単離した未処理の全脾細胞を5μg/mlの刺激性CpG-ODN単独および濃度を増加させたIMSと共に培養した。48時間後、全脾細胞の増殖は、1μg/mlのIMSの添加の結果、2倍低下し、5μg/mlおよび10μg/mlのIMSの添加により3倍低下した(図1A)。
TLR-9は細菌DNA CpGモチーフを認識することが示されている(Hemmiら、Nature, 408: 740-745, 2000)。CからGへの塩基対の単純なスイッチがこの認識を変更したかどうかを判定するために、TLR-9野生型(WT)マウスおよびTRL-9ノックアウト(KO)マウスから単離した未処理の全脾細胞を、CpG-ODN、IMSおよび両者の組み合わせと共に別々に培養した。別個の対照として、リポポリサッカライド(LPS)を添加して、TLR-9 KO脾細胞が非特異的な分裂促進刺激に対して増殖することができることを示した。刺激性CpG-ODNの添加により、IMSの添加によって有意に抑制される強力な増殖応答を生じた(図1B)。LPSを刺激性CpG-ODNと併用すると、LPS刺激単独と比較して、脾細胞増殖を増加した。しかし、IMSの調節作用は、LPSを添加する場合でも明らかであった。
TLR-9 KO脾細胞からTLR-9受容体を欠損させると、TLR-9 WT脾細胞と比較して、CpG-ODNの増殖作用が無効になった。同様に、TLR-9 KO脾細胞はIMSに応答しなかった。TLR-9 KO脾細胞にLPSを添加すると、IMS単独および刺激性CpG-ODNとの併用は、TLR-9 WT脾細胞と比較したとき、増殖応答に影響を与えなかった。これは、IMSは、刺激性CpG-ODN にTLR-9信号伝達経路を介して進行しないようにしていることを示している。
TLR-9による刺激性CpG-ODNの認識は、NF-κB活性化に達する細胞信号伝達経路の誘導を誘発する-(Krieg、Ann. Rev. Immunol., 20: 709-760, 2002)。刺激性CpG-ODNに対するIMSの機序を解明するために、IκB-αのセリン32のリン酸化によるNF-κB活性の役割を検討した。示したオリゴで活性化した脾細胞の抽出物のウェスタンブロット分析は、刺激性CpG-ODNによるIκB-αのセリン32のリン酸化を確認する(図1C、レーン2)。従って、IMSはIκB-αのセリン32のリン酸化を誘発しない(図1C、レーン3)。興味深いことに、刺激性CpG-ODNとIMSの併用は、IκB-αのセリン32のリン酸化の顕著な低下を生じた(図1C、レーン5)。この結果は、IMSが機能する機序は、TLR-9信号伝達経路の要素による認識および結合について刺激性CpG-PDNと競合することであることを示している。
CpG-ODNはMHCクラスII発現を増加することが示されている(Martin-Orozcoら、Int. Immunol., 11:111-1118, 1999)。MHCクラスII分子のメッセージの相対的濃度を定量するためには、定量PCR(QPCR)を、全脾細胞培養物の精製RNA試料のcDNAについて実施した。信号は、β-アクチンのメッセージの量に対して正規化した。MHCクラスII mRNAはCpG-ODNと共にインキュベーションした刺激性脾細胞では増加したが、IMSと共にインキュベーションした脾細胞では増加しなかった(図2A)。IMSによるMHCクラスII細胞表面発現のダウンレギュレーションは、蛍光活性化細胞スキャン(FACScan)分析によって確認した。IMSは、刺激性CpG-ODNによるMHCクラスII細胞表面発現の活性化を用量依存的に抑制した(図2B)。
IMSが抗原提示細胞(APC)活性化を低下するかどうかを判定するために、種々のAPC活性化マーカーの細胞表面発現も分析した。未処理の脾細胞を、示した濃度の抑制性、刺激性または関連のない対照オリゴヌクレオチドと共に72時間インキュベーションした。FACScan分析は、IMSは、CD40(図2C)、CD80(図2D)およびCD86(図2E)の刺激性CpG-ODN誘導性の細胞表面発現を用量依存的に抑制したことを示す。一方、糖脂質提示分子、CD1d(図2F)の発現はIMSによって用量依存的に増加された。
免疫調節オリゴヌクレオチドによる免疫細胞のサイトカイン産生に対する影響をプロファイリングするために、未処理の脾細胞を動物から取り出し、示した濃度のIMS、刺激性CpG-ODNまたは関連のない対照オリゴヌクレオチドと共に72時間インキュベーションした。IMS単独はIL6(図3A)およびIL12p40(図3B)の産生を誘導しなかったが、刺激性CpG-ODNと併用すると、サイトカイン産生を用量依存的に抑制した。
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、多発性硬化症のTh1-媒介性動物疾患モデルである。EAE疾患において誘導される中枢神経系の炎症は、白質の炎症性浸潤および脱髄の結果として麻痺が増加する。EAEの活発な誘発には、熱-死滅させた放線菌を含有する完全フロイントアジュバントにミエリン抗原またはペプチドを加えたもので動物を免疫化する必要がある。
次いで、本発明者らは、EAE誘導の予防方法として、IMSのインビボにおける投与を検討した。SJL/Jマウスに、CFAにPLP139-151ペプチドを加えたものによる疾患の誘導のために皮下注射して免疫化した。同時に、リン酸緩衝生理食塩液に示したオリゴヌクレオチドを再懸濁したものを単回注射として腹腔内に投与した。抑制性IMSの単回注射で処理したマウスは、PBS-処理マウスおよび刺激性CpG-ODN処理マウスと比較して、疾患の重症度の全体的な低下を示した(図4)。
実施例2:
IMSは、ISS(CpG)が存在しない場合に、防御的Th2細胞を調節し、自己反応性Th1細胞を抑制し、実験的自己免疫性脳脊髄炎の誘導を予防する
本発明者らは、IMSは未処理の分化系列未決定ミエリン-特異的T細胞を抑制することを実証したので、それが、CpG-ODNの非存在下および存在下において分化系列決定済みのTh1またはTh2細胞に識別的な影響を与えるかどうかを試験した。刺激性CpG-ODNはPLP139-151特異的Th1細胞系統の増殖を増加したが、IMSはその増殖を抑制した(図5A)。IMSと刺激性CpG-ODNの併用は、CpG-ODN単独によって生じるPLP139-151特異的Th1細胞増殖の増加を低下した。
PLP139-151特異的Th2細胞系統を用いて同様の検討を行った。刺激性CpG-ODNは、PLP139-151特異的Th2細胞系統の増殖を抑制した(図5B)。驚くべきことに、IMSはTh2細胞系統の増殖を増加した。従って、CpG-ODNはPLP139-151特異的Th2細胞の阻害剤として作用するが、IMS単独、すなわちISSが存在しない場合、PLP139-151特異的Th2細胞を調節する。共に考慮すると、これらの予測されず、驚くべき結果は、本発明のIMSは、ISS-ODN(CpG)と関係なく、自己免疫性Th1細胞を阻害し、Th2細胞の防御機能を増加することを確立している。
IMSは、CFAにPLP139-151を加えたものでEAEを誘発する14日前および7日前にSJLマウスに投与した。このプロトコールは、ISSがまったく添加されない場合に免疫系にIMSを2週間導入する。IMSで治療したマウスは、未処理のマウスと比較して、疾患発症の遅延を示し、疾患の重症度の全体的な低下を示した(図6)。
実施例3:
GpGによるポリヌクレオチド治療はプラスミドベクター骨格を修飾した
疾患の重症度を低下し、自己反応性T細胞集団のTh2シフトを生じる際のGpG配列の利点を実証するIMSオリゴヌクレオチドを用いた結果に基づいて、本発明者らは、ベクターの骨格内にGpG配列を組込んだ修飾ベクターを作製した。本発明者らは、本発明者らのEAE実験に主に使用されるプラスミドベクターであり、ヒトに使用するための規制要件を全て満足するように設計されているpVAX1ベクター(Invitrogen、Carsbad、CA)から開始した。本発明者らは、次いで、免疫刺激のための既知のヒトCpGモチーフコンセンサスにマッチするCpGモチーフのベクター、すなわちPu-Py-C-G-Py-Pyを調査した。本発明者らは、pVAX1の一方の鎖に、このようなCpG要素が16存在することを求めた。部位特異的突然変異を使用して、本発明者らは、表1に要約する部位の12を修飾した。残りのCpG部位は、ベクターの重要な制御領域内に存在したので、修飾しなかった。可能な場合には、CpGモチーフのCを、IMSオリゴヌクレオチドに使用するGpGオリゴ配列の配列モチーフにマッチするように、Gに変更した。これは12の修飾部位のうち4箇所で実施した。他の8箇所の部位はGpGではなく、CpGモチーフ内のCがAまたはTのどちらかに変更されるような方法で修飾した。この方法では、Th1を誘導すると思われる免疫活性化CpGモチーフは除去された。このように構築したベクターはpBHT1と名づけられた。
(表2) 配列はpBHT1の突然変異誘発部位およびヌクレオチド変更の種類を確認した
Figure 0004750419
*ナンバリングシステムは、InvitrogenのpVAX1配列のオリジナルナンバリングシステムに基づいている
実際に修飾されていないpVAX1と比較して、免疫活性化の程度が低下されるかどうかを判定するために、pBHT1ベクターをインビトロアッセイによって試験した。アッセイは、免疫細胞源としてSJL/Jマウスの新鮮な全脾細胞を使用して実施した。刺激性CpGオリゴヌクレオチドは、樹状細胞、マクロファージ、T細胞およびB細胞を含む脾臓由来の免疫細胞を活性化することが知られているので、全脾細胞を使用した。実施したアッセイには、増殖アッセイ、FACS分析およびサイトカイン産生についてのELISAが挙げられる。CpGオリゴヌクレオチドは免疫活性化の対照として使用し、GpG IMSオリゴヌクレオチドは免疫抑制の対照として使用した。
対照アッセイでは、増殖は、単離した脾細胞を10μg/mlのCpGオリゴまたはCpG IMSオリゴと共に24時間インキュベーションすることによって実施した。また、脾細胞を、図7に示す3つの異なる濃度のpVAX1空ベクターまたはpBHT1空ベクターと共に24時間インキュベーションした。刺激指数で示されるように、pVAX1ベクターは、ベクター濃度の各々のpBHT1ベクターと比較して、増殖の程度が高かった。刺激の大きさは小さいが(おそらく、刺激性配列のモル量がプラスミドにおけるよりも所定の濃度のオリゴにおける方が高いので)、得られた刺激の傾向は、2つのオリゴで観察されるものと相関していた。すなわち、GpG IMSオリゴではあまり刺激されず、pBHT1ベクターでもあまり刺激されない。
GpG IMSオリゴヌクレオチドが抗原提示細胞(APC)活性化を低下するかどうかを判定するために、APC活性化のマーカーとしてCD16/32の細胞表面発現を分析した。未処理の脾細胞を10μg/mlのCpGオリゴまたはGpG IMSオリゴと共に48時間インキュベーションした。細胞を回収し、CD16/32発現についてFACScan分析で測定した。CpGオリゴはCD16/32の活性化を生じたが、免疫調節性GpG IMSオリゴはCD16/32の細胞表面発現を、培地単独のレベル近くまで抑制した(図8A)。次いで、本発明者らは、修飾pBHT1ベクターはCD16/32活性化に関して同様に挙動するかどうかを判定した。脾細胞を、100μg/mlのpVAX1空ベクターまたはpBHT1空ベクターと共に48時間インキュベーションした。この場合も、APCの活性化の低下で示されるように、pBHT1ベクターによりCD16/32の活性化が低下した(図8B)。
CpGオリゴヌクレオチドは、多数のサイトカインの分泌が増加されるように免疫細胞の活性化を生ずることが知られている。本発明者らは、脾細胞をCpGオリゴまたはGpG IMSオリゴと共に示した時間の間インキュベーションし、種々のサイトカインの分泌をサンドイッチELISAで測定する上記のアッセイを実施した。また、pBHT1の修飾がサイトカイン産生に同様の影響を与えるかどうかを判定するために、脾細胞をpVAX1およびpBHT1空ベクターと共にインキュベーションした。図9に示すように、CpGオリゴは、未処理の脾細胞からのIL6、IL10およびIFN-γの分泌を誘導する。しかし、GpGIMSオリゴは、これらのサイトカインのいずれの産生も誘導しない。pVAX1ベクターによって誘導されるサイトカインをpBHT1ベクターによるものと比較すると、pBHT1によるIL6、IL10およびIFN-γの産生の低下に同様の傾向が見られる。サイトカイン誘導がほとんどないGpG IMSと対照的に、pBHT1によるサイトカイン産生の誘導はわずかに増加されるが、誘導の程度はpVAX1によるものよりはるかに小さい。この低い程度の誘導は、修飾が不可能であったので、ベクター骨格のままであるCpG配列によると思われる。実際、本発明者らは、免疫誘導を生じないまったく無害のベクターを望んでいない。その理由は、このようなベクターは、DNAワクチンに望ましい方法で免疫系を反応させる上で効果がないからである。
pBHT1ベクター内の自己抗原を使用する免疫寛容性ポリヌクレオチドDNA治療法の効果を評価するインビボ実験をEAEモデルにおいて実施した。自己-抗原であるマウスPLP(プロテオリピドタンパク質)をコードするDNAをpBHT1ベクターに組込み、SJLマウスに筋肉内投与した(図10を参照されたい)。本明細書において使用するモデルは、マウスはCFA(完全フロイントアジュバント)にペプチドPLP139-151を加えたもので最初にEAEを誘導し、次いで疾患発症の数日後(20日目)に、種々の治療グループに無作為に分割したという点において、予防モデルではなく治療モデルである。次いで、pBHT1ベクターにコードされた50μgのマウスPLPまたは50μgの空のpBHT1ベクター対照を3つの異なる投与頻度で筋肉内投与した。図10に示すように、全ての治療グループにおいてEAE平均疾患スコアが低下し、2週間ごとまたは4週間ごとの頻度において最も顕著である。自己-抗原ポリヌクレオチド治療を非-pBHT1ベクターと共に使用する以前の検討は、この種類のEAE治療モデルにおける再発率の低下を実証している。しかし、そのような以前の検討は、pBHT1ベクターに自己-抗原ポリヌクレオチド治療を用いて本明細書において実証されているように、治療モデルにおいてEAE重症度のこのパラメーター(すなわち、平均疾患スコア)の低下を実証していない。
本発明者らの結果は、本発明のpBHT1ベクターは、MSなどのTh1媒介性自己免疫疾患の治療に使用するためにさらに最適化されているということである。従って、ヒト疾患においてポリヌクレオチド治療として使用するためのpBHT1ベクターにヒト自己-抗原遺伝子をクローニングする。
実施例4:
IMSを、多数の自己タンパク質をコードするDNAと併用使用する多発性硬化症の動物モデルの治療
ミエリンの4つの主要な要素、MBP、MAG、MOGおよびPLPをコードする完全長のcDNAを含むDNAポリヌクレオチド治療は、最初の疾患発症後に投与すると、EAE動物モデルにおける再発疾患を治療した。さらに、ミエリンDNAポリヌクレオチド治療にIL-4をコードするDNAを加えると、再発速度を低下することによって治療効果はさらに増強される。しかし、再発の低下にもかかわらず、全体的な疾患の重症度は対照グループと同じである。
雌SJL/Jマウスを、IFAおよび0.5 mgの熱不活性化結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含有するCFAに100μgのPLP139-151をPBSを用いて乳化したものを皮下注射して免疫化した。免疫化の12日後の疾患発症時に、マウスの両側の四頭筋に、0.25%ブピバカイン-HCLのPBS溶液の合計0.1 mlを注射した。2日後、完全長のマウスPLP、MAG、MOGおよびMBPをコードするする4つの別個のpTARGET(Promega Corp. Wisconsin)プラスミド各25μgプラス完全長のマウスIL-4をコードする50μgのpTARGETプラスを全容量0.2 ml中に含有するDNAカクテル混合物を、選択したマウスの両方の四頭筋に筋肉内注射した。DNAの注射は6週間毎週実施した。最初のDNAワクチン化と同じ時に、容量200μlのPBSに50μgのIMSを加えたものを単独またはDNAワクチン化と併用して腹腔内に投与した。IMSは6週間にわたり2週間ごとに投与した。
未処理のマウスおよびDNAポリヌクレオチド治療プラスIL-4をコードするプラスで治療したマウスと比較して、IMS単独で治療したマウスは、疾患経過全体にわたって平均疾患重症度を全体的に低下した(図11)。全体的な平均疾患重症度の低下は、マウスを、DNAカクテル+IL4をIMSと併用して治療すると、有意にさらに劇的となった(図11)。
EAE疾患誘導から57日後、マウスを犠牲にし、マウスの鼠径部および腋窩リンパ節を摘出し、それぞれのグループ別にプールした。細胞を単離し、10% FCSを含有する富栄養化RPMI培地に10μg/mlのPLP139-151を加えたもので刺激した。再刺激の3日後、上清を回収し、サンドイッチELISAによってIFN-γ、IL-4およびIL-10産生についてスクリーニングした。未治療のマウスおよびIMS単独またはDNAポリヌクレオチド治療プラスIL-4との併用で治療したマウスのサイトカインプロファイルは全て、IFN-γ産生が増加するTh1-偏りを示した(図12)。DNAポリヌクレオチド治療プラスIMSを併用したIL-4で治療したグループは、IL-4およびIL-10産生が増加するTh2-偏りを示した。
マウスに10%緩衝ホルマリンを灌流し、その後脳および脊髄を切除し、さらに10%緩衝ホルマリンで固定することによって、このインビボ実験の脳および脊髄を組織学的分析のために単離した。パラフィン包埋した試料をヘマトキシリン-エオシンおよびルクソールファースト青染色並びにビールショウスキー含浸で染色した。表2に要約するように、髄膜および実質における炎症性病巣の総数並びに脱髄病巣の数は、対照グループと比較してIMS治療グループでは有意に低かった。DNAポリヌクレオチド治療およびIL-4プラスCpGで治療したマウスにおける髄膜および実質における炎症性病巣の総数並びに脱髄病巣の数は、対照グループと比較して有意に高かった。DNAポリヌクレオチド治療およびIL4で治療したグループの炎症性病巣の総数および脱髄病巣の数は減少が見られた。炎症性病巣の数および脱髄病巣の数は、DNAポリヌクレオチドおよびIL4プラスIMSで治療したグループではさらに低下した。
(表3)
Figure 0004750419
図11において治療したマウスから57日目に採取した血清試料を、疾患と対照試料のミエリン自己抗体応答の特異性の大規模プロファイリングを可能にする新規タンパク質マイクロアレイ技術によって分析した。アレイ分析を実施し、SAMを使用して、抗原の特徴を同定し、整理するための階層的なクラスター分析を作製した。図13では、対照マウス並びにIMS単独で治療したマウスおよびDNAポリヌクレオチド治療およびIL-4で治療したマウスと比較して、DNAポリヌクレオチド治療およびIL-4プラスCpGを用いた治療によって、ミエリン自己抗体エピトープの拡散に有意な増加が見られた。DNAポリヌクレオチド治療およびIL-4プラスIMSによる治療は、ミエリン自己抗体エピトープの拡散をさらに増加した。
このインビボ実験を反復し、同様の結果を得た。図14Aでは、急性EAEのピーク時に、マウスを50μg/用量のIMSまたはCpGで2週間ごとに治療した。57日の経過にわたって、PBS-治療したマウスおよびCpGで治療したマウスと比較して、IMSで治療したマウスにおいて全体的な平均疾患の重症度の有意な低下が見られた。図14Bでは、急性EAEのピーク時に、マウスを、DNAポリヌクレオチド治療およびIL4、DNAポリヌクレオチド治療およびIL-4プラスCpGまたはDNAポリヌクレオチド治療およびIL-4プラスIMSを毎週注射して治療した。57日の経過にわたって、DNAポリヌクレオチド治療およびIL-4プラスCpGで治療したマウスの全体的な疾患の重症度はPBS-治療マウスと同じであった。PBS-治療マウスと比較したとき、DNAポリヌクレオチド治療およびIL-4で治療したマウスにおける全体的な平均疾患重症度の有意な低下が見られた。DNAポリヌクレオチド治療およびIL-4プラスIMSで治療したマウスでは、全体的な平均疾患の重症度はさらに低下した。
実施例5:
IMSと、自己タンパク質インスリンをコードするDNAと併用使用するインスリン依存性糖尿病の治療
非肥満性糖尿病(NOD)マウスは、自然発症的な自己免疫性糖尿病を発症し、ヒトインスリン依存性糖尿病(IDDM)の多数の臨床的、免疫学的および組織病理学的特徴を有する。この疾患は、膵臓のランゲルハンス島の炎症およびベータ細胞の破壊を生じ、高血糖および顕性の糖尿病を生じる。糖尿病を発症させるためにはCD4+およびCD8+ T細胞が必要である。インスリン、IA-2およびグルタミン酸脱炭酸酵素を含むいくつかの自己抗原に対する反応性が同定されている。
自己タンパク質インスリンをコードするDNAを併用したIMS治療の効果は侵襲性膵島炎中であるが、IDDMが完全に発症する前に見られた。7週齢のNOD/Lt雌マウスを入手し、立ち入りを制限した飼育質で飼育した。ワンタッチウルトラブラッドグルコースモニタリングシステム(One Touch Ultra Blood Glucose Monitoring System)を使用して、血中グルコール濃度(BGL)の上昇について10週齢から毎週マウスを試験した。BGLが200〜250mg/dlになったとき治療を開始した。マウスは、15週齢から開始して、利用可能になったら各グループに逐次的に追加した。PBSに0.25%ブピバカイン-HCLを加えたもの合計0.2mlをマウスの両側の四頭筋に注射した。2日後、マウスの両側の四頭筋に、50μg/用量のpVAX1ベクターまたは完全長のマウスプレプロインスリン-1、プレプロインスリン-2およびIL4をコードする3つの別個のpVAX1プラスミド各50μgを合計容量0.2mlのPBSに含有するDNAカクテル混合物を筋肉内注射した。注射は4週間にわたって毎週実施した。最初のDNA治療と同じ時に、容量200μlのPBSに50μgのIMSを加えたものを単独またはDNAワクチン化と併用して腹腔内に投与した。IMSは4週間にわたり毎週投与した。
糖尿病の割合は、BGLが持続的に250mg/dlを超えるマウスと規定される。4回の治療注射後、各グループの生存率が観察された(図15A)。9週まででは、対照グループの生存率は10%であり、IMS単独グループの生存率は20%であり、プラスミド単独グループの生存質は54%であり、DNAポリヌクレオチドプラスIL-4の併用の生存率は45%であり、DNAポリヌクレオチドプラスIL4およびIMSの併用の生存率は73%であった。それぞれの治療プロトコールに対するマウスの週齢を比較すると、IMS単独を投与したマウスは、29週まででは糖尿病の発現頻度が80.0%であった(図15B)。空のpVAX1(Invitrogen、CA)プラスミドを投与したマウスは糖尿病の発現頻度は45.4%(p=0.635)であった。自己抗原をコードするDNAポリヌクレオチドおよびサイトカインIL-4並びに免疫調節配列の併用で治療したマウスは、29週までに未処理のグループにおける糖尿病の発現頻度が90%であることに比較して、糖尿病の発現頻度はわずか27.3%(p=0.0075)であった(図15B)。この実験では、DNAプラスミドは筋肉内注射したが、IMSは腹腔内注射しており、DNAプラスミド(ISS)とIMSは異なる細胞集団を標的としていたことを強く示唆している。さらに、NODマウスはこの検討ではISSに接触させなかった。合わせて考慮すると、この予測されなかった驚くべき結果は、IMSが自然発症した自己免疫疾患を効果的に治療することを実証している。
追加の治療グループを含めてこの検討を繰り返し、治療経過は8週間毎週に変更した。治療グループは、1)PBS治療、2)200μg/用量の空pVAX1プラスミド、3)50μg/用量のIMSの筋肉内投与、4)空pVAX1プラスミドプラスIMS(筋肉内投与)の組み合わせ、5) DNAポリヌクレオチドの組合せ、6)DNAポリヌクレオチドプラスIMS(筋肉内投与)の組合せ、7)DNAポリヌクレオチドプラスIL-4の組合せ、8)DNAポリヌクレオチドプラスIL-4プラスIMS(筋肉内投与)の組合せ、9)DNAポリヌクレオチドプラスIL-4およびIMSの別個の腹腔内注射の組合せであった。図16に示すように、核グループの生存率は、1)PBS治療(0%)、2)空pVAX1プラスミド(36%)、3)IMSの筋肉内投与(14%)、4)空pVAX1プラスミドプラスIMSの組み合わせ(47%)、5) DNAポリヌクレオチドの組合せ(36%)、6)DNAポリヌクレオチドプラスIMSの組合せ(25%)、7)DNAポリヌクレオチドプラスIL-4の組合せ(31%)、8)DNAポリヌクレオチドプラスIL-4プラスIMSの組合せ(38%)、9)DNAポリヌクレオチドプラスIL-4およびIMSの別個の腹腔内注射の組合せ(54%)であった。
実施例6:
IMSと、自己タンパク質II型コラーゲン全体およびIL-4をコードするDNAを併用して使用する、コラーゲン誘導性関節炎の治療
マウスコラーゲン誘導性関節炎(CIA)は、関節リウマチ(RA)の動物モデルである。CIAは、遺伝的に罹患しやすい株のマウスに、全II型コラーゲンを完全フロイントアジュバント(CFA)に乳化したものを注射することによって誘発した。可動性の関節の軟骨の主要な構成タンパク質であるCIIは、RAの主な炎症部位である(Myersら、Life Science, 61: 1861-1878, 1997)。得られる重症の多発関節炎は、滑膜炎ならびにRAに組織学的に類似している軟骨および骨の慢性びらんによって特徴づけられる(Coutenayら、Nature, 283(5748): 666-668, 1980)。RAと同様に、齧歯類におけるCIAの罹患しやすさは、特定の主要組織適合性抗原複合体クラスII分子(Wooleyら、J. Exp. Med., 154: 688-700, 1981;Griffiths, Int. Rev. Immunol., 4: 1-15, 1988)。
自己タンパク質である全II型コラーゲン(CII)およびIL-4をコードするDNAを併用したIMS治療の効果を検討した。20匹の6週齢の雄DBA/1マウスのグループに、PBSに0.25%ブピバカイン-HCLを加えたもの合計0.2mlを両側の四頭筋に筋肉内注射した。2日後、マウスに、示したDNAワクチンの各々の50μg/用量を両側の四頭筋に筋肉内注射し、最初のDNAワクチン化と同じときに、50μgのIMSを200μlのPBSに加えたものを腹腔内投与した。治療グループは:1)PBSのみ、2)pTargetプラスミドおよびpTargetに組込んだIL-4、3)pTargetプラスミドおよびpTargetに組込んだIL-4プラスIMS、4)pTargetに組込んだ全CIIおよびpTargetに組込んだIL-4、5)pTargetに組込んだ全CIIおよびpTargetに組込んだIL-4プラスIMSであった。完全フロイントアジュバントにCIIを乳化したものでCIAを誘発する14日前および7日前に治療を行った。CIAの誘発から1週間後にマウスに3回目のDNA寛容ワクチン投与および/またはIMS投与を行った。2週間後に、不完全フロイントアジュバントにCIIを乳化したものを用いてマウスに追加免疫投与した。Current Protocols in Immunologyに記載されている目視によるスコアリングシステムを使用して関節炎をスコアリングした。
全II型コラーゲン(CII)をコードするDNAプラスIL-4をコードするDNAを用い、IMSを併用しておよびIMSを併用しないで治療したマウスは、DNAワクチンベクター(pTarget)+IL-4を用い、IMSを併用しておよびIMSを併用しないで治療した対照グループと比較して、関節炎の平均重症度が有意に低下した(図17A)。全体の疾患発現頻度の割合を全てのグループにおいて比較した(図17B)。変性全CIIに対するT細胞の増殖は、全ての治療グループにおいてCII-反応性T細胞の存在を示した(図18)。サイトカイン分析は、IMSを併用する場合および併用しない場合にDNAプラスミドを用いた治療は、IL-6およびTNF-α産生を抑制し、IL-4産生を増加する際に大きな効果を有することを示した(図19)。
2番目のインビボ実験において、IMS治療単独および自己タンパク質全II型コラーゲン(CII)をコードするDNAとの併用の効果を調査した。20匹の6週齢の雄DBA/1マウスのグループに、PBSに0.25%ブピバカイン-HCLを加えたもの合計0.2mlを両側の四頭筋に筋肉内注射(IM)した。2日後、マウスに、示したDNAワクチンの各々の50μg/用量を両側の四頭筋に筋肉内注射し、最初のDNAワクチン化と同じときに、50μgのIMSを200μlのPBSに加えたものを腹腔内投与した。治療グループは:1)PBSのみ、2)IMSのみおよび3)pTargetに組込んだ全CIIプラスIMSであった。完全フロイントアジュバントにCIIを乳化したものでCIAを誘発する14日前および7日前に治療を行った。CIAの誘発から1週間後にマウスに3回目のDNA寛容ワクチン投与および/またはIMS投与を行った。Current Protocols in Immunologyに記載されている目視によるスコアリングシステムを使用して関節炎をスコアリングした。IMS治療単独は、対照グループおよび全CIIとIMSの併用で治療したグループと比較して、関節炎の平均重症度が有意に低下(図20A)し、疾患の発現頻度が低下した(図20B)。
実施例7:
IMSは初代B細胞に対するCpGの刺激作用を遮断する
初代成熟B細胞では、CpG DNAは、免疫グロブリン産生およびB細胞増殖を増幅することによって、特異的な抗原の存在下において同時-刺激因子として機能することが示されている(Kriegら、Nature, 374:546, 1995;Yiら、J. Immunol., 157:5394, 1996)。ヤギ抗マウスIgGおよびIgM重鎖および軽鎖特異的抗体を使用し、担体タンパク質としてヤギγグロブリンを用いる標準的なB細胞パニング技法によって初代B細胞を脾臓から単離し、B220+細胞が純度>97%であることをFACScan分析で求めた。初代B細胞を、5μg/mlの示すオリゴと共に72時間培養した。LPSは100ng/mlの濃度で同時培養した。培養の最後の16時間にウェルに1μCi[3H]TdRを加えてパルス標識してから、組込まれた放射能を測定した。各データ点は、トリプリケートで実施したウェルの平均+/-SDを示す。図21に図示するように、濃縮(enriched)B細胞増殖アッセイは、CpGは着実な増殖を生じることができるが、IMSは成熟B細胞に対するCpG-ODNの作用を抑制することができることを確認した。B細胞をLPSおよびCpG-ODNと共に同時培養すると、IMSの添加によって抑制されるが、対照オリゴによって抑制されないさらなる増殖作用を有すると思われた。サイトカイン分析は、CpG-ODNによるIL-6(図22A)、IFN-γ(図22B)、IL-10(図22C)およびIL-12(p40)(図22D)の産生の増加は、IMSの添加によって効果的に低下されることを示した。
実施例8:
IMS単独および細胞内高分子に対する自己タンパク質をコードするDNAとの併用を使用する全身性エリテマトーデスの治療
ヒト狼瘡と多数の特徴を共有する自然発症型および誘導型狼瘡様疾患のいくつかのマウスモデルがある。これらには、自然発症型ニュージーランドハイブリッドモデル(NZB/NZW F1ハイブリッド)、自然発症型MRL-lpr/lprモデルおよびプリスタン(pristine)誘導性Balb/cモデルが挙げられる。ヌクレオソーム、DNAおよび核内低分子リボ核タンパク質などの細胞内高分子に対する自己抗体の産生は、組織損傷および糸球体腎炎の発病機序に重要な役割を果たしている。
IMS治療単独および自己-タンパク質である核内低分子リボ核タンパク質U1AまたはU1CをコードするDNAとの併用の効果をBalb/c雌マウスにおいて試験した。10匹の6週齢の雌Balb/cマウスのグループに、PBSに0.25%ブピバカイン-HCLを加えたもの合計0.2mlを両側の四頭筋に筋肉内(IM)注射した。2日後、マウスに、示したDNAワクチンを両側の四頭筋に筋肉内注射した;1)pTargetプラスミド(100μg/用量);2)pTargetに組込んだU1Aプラス空pTarget(各々50μg/用量);3)pTargetに組み込んだU1Cプラス空pTarget(各々50μg/用量);および4)U1AとU1Cの併用(各々50μg/用量)。最初のDNAワクチン化と同じ時に、容量200μlのPBSに50μgのIMSまたはCpGを加えたものを単独またはDNAワクチン化と併用して腹腔内に投与した。注射は2週間にわたり毎週投与した。SLEの誘発は、0.5mlのプリスタンを腹腔内に単回注射することによった。次いで、SLE誘導の1週間後に、マウスに3回目のDNA寛容ワクチン投与および/またはオリゴ投与を行った。同じ治療法の毎月の注射を合計9ヶ月間継続する予定である。SLEの進行は、尿中タンパク質レベルを毎月モニタリングすることによって評価する。実験の終了時に、腎組織損傷を、ヘマトキシリンおよびエオシン、過ヨウ素酸-シッフ、トリクロムおよび銀-ベースのレチクリン染色による組織染色によって評価する。腎臓の病変は、メサンギウムの過形成、メサンギウム基質の増加、小葉の強調化(accentuation)並びにIgGおよびC3の染色程度についてスコアリングする。
IMS治療単独並びに自己-タンパク質である核内低分子リボ核タンパク質U1A、U1CおよびU170並びにヌクレオソームヒストンH2BおよびH3をコードするDNAとの併用の効果をMRL-MpJFAS lpr雌マウスにおいて試験した。10匹の6週齢の雌MRL-MpJFAS lprマウスのグループに、PBSに0.25%ブピバカイン-HCLを加えたもの合計0.2mlを両側の四頭筋に筋肉内(IM)注射した。2日後、マウスに、示したDNAワクチン(pBHT1、pBHT1に組込んだU1A、pBHT1に組み込んだU1C、pBHT1に組込んだH2BおよびpBHT1に組込んだH3)の各々50μg/用量を両側の四頭筋に3週間筋肉内注射した。ベクターpBHT1は実施例3に記載されている。最初のDNAワクチン化と同じ時に、容量200μlのPBSに50μgのIMSまたはCpGを加えたものを単独またはDNAワクチン化と併用して腹腔内に投与した。マウスに、DNA寛容ワクチン投与および/またはオリゴ投与を月2回以上注射した。SLEの進行は、尿中タンパク質レベルを毎月モニタリングすることによって評価する。実験の終了時に、腎組織損傷を、ヘマトキシリンおよびエオシン、過ヨウ素酸-シッフ、トリクロムおよび銀-ベースのレチクリン染色による組織染色によって評価する。腎臓の病変は、メサンギウムの過形成、メサンギウム基質の増加、小葉の強調化(accentuation)並びにIgGおよびC3の染色程度についてスコアリングする。
IMS治療単独および自己-タンパク質ヌクレオソームヒストンH2BまたはH3をコードするDNAとの併用の効果を(NZB×NZW)F1ハイブリッド雌マウスにおいて試験する。10匹の6月齢の雌(NZB×NZW)F1ハイブリッドマウスのグループに、PBSに0.25%ブピバカイン-HCLを加えたもの合計0.2mlを両側の四頭筋に筋肉内(IM)注射した。2日後、マウスに、示したDNAワクチン(pBHT1プラスミド、pBHT1に組込んだH2B、pBHT1に組込んだH3およびH2BとH3の組合わせ)の各々50μg/用量を両側の四頭筋に3週間筋肉内注射した。最初のDNAワクチン化と同じ時に、容量200μlのPBSに50μg/用量のIMSまたはCpGを加えたものを単独またはDNAワクチン化と併用して腹腔内に投与した。SLEの進行は、尿中タンパク質レベルを毎月モニタリングすることによって評価する。実験の終了時に、腎組織損傷を、ヘマトキシリンおよびエオシン、過ヨウ素酸-シッフ、トリクロムおよび銀-ベースのレチクリン染色による組織染色によって評価する。腎臓の病変は、メサンギウムの過形成、メサンギウム基質の増加、小葉の強調化(accentuation)並びにIgGおよびC3の染色程度についてスコアリングする。
実施例9:
IMS単独および自己タンパク質ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体およびIL-4をコードするDNAとの併用を使用する原発性胆汁性肝硬変の治療
原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、CD4+ T細胞媒介性の自己免疫性慢性胆汁うっ滞性肝疾患である。実験的自己免疫性胆管炎(EAC)は、自己-抗原、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体(PDC)で感作したSJLマウスの小肝内胆管の下層の胆管上皮細胞のPBC-様病変を作製する動物疾患である。
IMS単独および自己-タンパク質であるPDCのジヒドロリポアミドアセチル-トランスフェラーゼ(E2)およびE3-結合タンパク質要素をコードするDNAとの併用の効果をSJL/J雌マウスにおいて試験した。15匹の8週齢のSJL/Jマウスのグループに、PBSに0.25%ブピバカイン-HCLを加えたもの合計0.2mlを両側の四頭筋に筋肉内(IM)注射した。2日後、マウスに、示したDNAワクチン(pTargetプラスミド、pTargetに組込んだPDC-E2、PDC-E2とIL-4の組合わせ)の各々50μg/用量を両側の四頭筋に週3回筋肉内注射した。最初のDNAワクチン化と同じ時に、容量200μlのPBSに50μgのIMSまたはCpGを加えたものを単独またはDNAワクチン化と併用して腹腔内に投与した。マウスは、(10 mg/mlの結核菌(Mycobacterium tuberculosis)株H37RAを含有する)CFAでPDC-E2ペプチドGDLLAEIETDKATI(500μgを100μlのPBSに加えたもの)を1:1(v/v)の割合で乳化したものを、200μlを腹腔内に単回注射して誘導した。感作の30週後にEACを評価する。H&E染色した肝臓切片を、壊死炎症反応(necroinflammation)および胆管損傷を形態学的に評価するために使用する。
実施例10:
自己免疫疾患を調節することが予測される追加のIMSオリゴヌクレオチドのスクリーニング
さらに別のIMSオリゴヌクレオチドは、自己免疫疾患の経過を変更する際に同様の効果または改善された効果を有することが予測される。これらの追加のIMSオリゴヌクレオチドの配列は、以前に記載されているIMSオリゴヌクレオチドを用いて得られた効果のデータに基づいている(すなわち、
Figure 0004750419
)。同様の効果または改善された効果を有することが予測される追加のIMSは以下のパターン:
Figure 0004750419
(式中、Rはプリン(AまたはG)を表し、Yはピリミジン(purimidine)(CまたはT)を表し、αおよびβはCpGまたは非-CpGジヌクレオチドである)をとる。コンセンサスが、齧歯類系において最もアクティブであると報告されているものに準拠するとき、これらのオリゴヌクレオチドは齧歯類アッセイにおいて最も着実な効果を有することが予測される。これらのIMSオリゴヌクレオチドの完全なリストを表4に掲載する。表において「I」はイノシンを表す。
同様に、同様の効果または改善された効果を有することが予測される追加のIMSオリゴヌクレオチドは以下のパターン:
Figure 0004750419
(式中、Rはプリン(AまたはG)を表し、Yはピリミジン(purimidine)(CまたはT)を表し、αおよびβはGpGまたは非-GpGジヌクレオチドである)をとる。コンセンサスが、ヒト系において最もアクティブであると報告されているものに準拠するとき、これらのオリゴヌクレオチドはヒトアッセイにおいて最も着実な効果を有することが予測される。これらのIMSオリゴヌクレオチドの完全なリストを表5に掲載する。表において「I」はイノシンを表す。
全てのオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの安定性を増加するために、ありとあらゆるヌクレオチドにホスホチオエート骨格を用いて合成する。これらのオリゴヌクレオチドは、免疫細胞活性化に対する影響についてインビトロアッセイによって個別にスクリーニングする。これらのスクリーニングには、細胞増殖アッセイ、サイトカイン分泌プロファイルおよびFACSによる細胞表面マーカー発現の分析が挙げられる。次いで、抑制性免疫作用を示す候補IMSオリゴヌクレオチドを、免疫調節作用についてインビボアッセイを使用してアッセイする。これらのインビボアッセイには、動物および自己免疫疾患モデル(例えば、EAE、NOD、SLEおよびCIA)にIMSオリゴヌクレオチドを投与した後に上記の活性化パラメーターによって免疫細胞を分析することが挙げられる。
表4および表5には、コアヘキサマー周囲の5'および3'隣接配列の例(すなわち、RRαβYYまたはRYαβYY)を示す。このコアヘキサマーを囲む追加の隣接配列は、隣接配列を任意の長さの任意のヌクレオチド配列と置換することによって作製される。これは以下の配列:
Figure 0004750419
(式中、Nは任意のヌクレオチドを表す)で表される。具体的な例には、以下のオリゴヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない:
Figure 0004750419
(表4)
Figure 0004750419
Figure 0004750419
Figure 0004750419
Figure 0004750419
Figure 0004750419
(表5)
Figure 0004750419
Figure 0004750419
Figure 0004750419
先の実施例は、本発明を実施するための具体的な態様である。例は例示的な目的のためだけに提供されており、いかなる意味においても本発明の範囲を限定する意図のものではない。本発明の他の形態は当業者に容易に明らかであり、添付の特許請求の範囲に含まれる。本明細書に引用されている全ての文献、特許、特許出願および他の参照文献はに参照として本明細書に組み入れられている。
IMS(抑制性IMS)はISS(CpG-ODN)によって媒介される全脾細胞増殖を抑制し、TLR-9に依存する。(A)全脾細胞を刺激性CpG-ODNおよび示すように濃度を増加させた抑制性IMSと共に72時間培養した。培養の最後の16時間にウェルに1μCi[3H]TdRを加えてパルス標識してから、組込まれた放射能を測定した。各データ点は、トリプリケートで実施したウェルの平均+/-SDを示す。(B)TLR-9 WT(斜交平行模様のバー)およびTLR-9 KO(黒色のバー)マウスの全脾細胞を単離し、刺激性CpG-ODN、抑制性IMSまたはLPSと共に72時間培養した。培養の最後の16時間にウェルに1μCi[3H]TdRを加えてパルス標識してから、組込まれた放射能を測定した。各データ点は、トリプリケートで実施したウェルの平均+/-SDを示す。(C)IMSは、IκB-αのセリン32のリン酸化を阻害する。未処理の脾細胞を、5μg/mlの示したオリゴの存在下で72時間培養した。IκB-αのセリン32のリン酸化は、各タンパク質抽出物の20μgのウェスタンブロット分析によって測定した。IκB-αは、刺激性CpG(レーン2)または刺激性CpGおよび対照オリゴ(レーン6)の存在下において活性化されるが、刺激性CpGオリゴにIMSを添加すると活性が低下する(レーン5)。 抑制性IMSは、細胞表面MHCクラスIIおよび同時刺激分子の発現を低下する。(A)未処理の脾細胞を、刺激性CpG-ODN(5μg/ml)または抑制性IMS(5μg/ml)の非存在下または存在下において培養した。72時間後に細胞を回収した。cDNAは、定量PCR分析のために精製したRNAから合成した。MHCクラスIIのRNA量は、各試料に存在するβ-アクチンの量と比較した相対的な単位で示す。(B)未処理の脾細胞を、示した量の各オリゴヌクレオチド(μg/ml単位)の存在下で培養した。MHCクラスII発現が陽性の細胞の割合はFACSで分析し、示すように、阻害剤オリゴヌクレオチドの濃度の増加とともに、MHCクラスIIの発現は用量-依存的に阻害される。(C〜F)APC活性化マーカーの発現に対する抑制性IMS(阻害剤オリゴ)の影響である。未処理の脾細胞を、示した濃度の刺激性CpG-ODN、抑制性IMSまたは対照ODNと共に培養した。72時間後に細胞を回収した。FACScan分析を使用して、CD40(C)、CD80(D)、CD86(E)およびCD1d(F)の発現を評価した。抑制性IMSにより、CD40、CD80およびCD86の発現の用量-依存的な低下が見られるが、CD1dの発現の用量-依存的な増加が見られる。 抑制性IMSは、Th1サイトカイン産生を抑制する。未処理の脾細胞を、示した濃度の刺激性CpG-ODN、抑制性IMSまたは対照ODNと共に培養した。72時間後に上清を回収した。IL6(A)およびIL12p40(B)産生はELISAによって測定した。示すように、IMSの濃度の増加とともに、IL6およびIL12p40の産生は用量依存的に阻害される。各データ点は、トリプリケートで実施したウェルの平均を示す。 抑制性IMSによる予防的治療はPLP139-151媒介性EAEを抑制する。CFAと混ぜて乳化したPBSに100μgのPLP139-151ペプチドを加えたものを皮下注射してSJL/Jマウスを免疫化した。このペプチドによる免疫化の14日前および7日前に、PBSに再懸濁した50μgのIMSを腹腔内投与した。動物は毎日臨床状態を判定した。グレード1、尾の麻痺、グレード2、後肢の不全対麻痺、グレード3、後肢の麻痺、グレード4、完全麻痺(テトラプレジー(tetraplegy))、グレード5、死亡。 抑制性IMSによる予防的治療はPLP139-151媒介性EAEを抑制する。フロイント不完全アジュバントおよび0.5 mgの熱不活性化結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含有するCFAに100μgのPLP139-151ペプチドを加えたものを皮下注射してSJL/Jマウスを免疫化した。50μgの示したODNをPBSに再懸濁したものを、ペプチド免疫化として同じ日(0日目)に腹腔内投与した。動物は毎日臨床状態を判定した。グレード1、尾の麻痺、グレード2、後肢の不全対麻痺、グレード3、後肢の麻痺、グレード4、完全麻痺(テトラプレジー(tetraplegy))、グレード5、死亡。 精製抗原特異的なT細胞に対するIMSの識別的な増殖影響。(A)抑制性IMSはTh1細胞を抑制する。未処理の全脾細胞をPLP139-151ペプチドおよび示すODNと共に24時間同時培養した。ペプチドを負荷した脾細胞を照射後、PLP139-151特異的Th1細胞系統を添加しさらに72時間培養した。IMSはTh1細胞増殖を刺激せず、実際にはCpG-ODNによって誘導される増殖をわずかに低下する。(B)一方、抑制性IMSは、PLP139-151特異的Th2細胞系統の増殖を阻害しない。ただし、CpG-ODNは、このTh2細胞系統の増殖を低下する。これら3つの実験の各々において、培養の最後の16時間にウェルに1μCi[3H]TdRを加えてパルス標識してから、組込まれた放射能を測定した。各データ点は、トリプリケートで実施したウェルの平均+/-SDを示す。 pBHT1ベクターの改変は脾細胞の増殖活動を低下する。(A)全脾細胞を、刺激性CpGオリゴヌクレオチドおよび免疫調節GpGオリゴヌクレオチドと共に24時間培養した。培養の最後の4時間にウェルに1μCi[3H]チミジンを加えてパルス標識してから、組込まれた放射能を測定した。刺激指数は、培地だけでインキュベーションした脾細胞の増殖を上回る増殖の程度に基づいて算出した。(B)全脾細胞を示した濃度のpVAX1空ベクターまたはpBHT1空ベクターと共に24時間培養した。培養の最後の4時間にウェルに1μCi[3H]チミジンを加えてパルス標識してから、組込まれた放射能を測定した。刺激指数は、培地だけでインキュベーションした脾細胞の増殖を上回る増殖の程度に基づいて算出した。 pBHT1ベクターによるAPCの活性化の低下。未処理の脾細胞を、10μg/mlのCpGもしくはGpGオリゴヌクレオチド(A)または100μg/mlのpVAX1もしくはpBHT1と共に48時間培養した。細胞を回収し、染色またはCD16/32発現およびFACScanで分析した。印のないグラフは培地のみでインキュベーションした細胞を示す。 pBHTベクターによるサイトカイン産生の低下。未処理の脾細胞を、10μg/mlの刺激性CpGオリゴ、免疫調節CpGオリゴ、100μg/mlのpVAX1 DNAまたは100μg/mlのpBHT1 DNAと共に培養した。示した時間経過後に上清を回収し、IL6、IL10およびIFNγ産生をサンドイッチELISAで測定した。各データ点はトリプリケートで実施したウェルの平均を示す。 自己抗原をコードするpBHT1ベクターはEAEの重症度を低下した。自己-抗原、マウスPLP(プロテオリピドタンパク質)をコードするDNAをpBHT1ベクターに組込み、SJLマウスに腹腔内投与した。まず、0日目にCFA(完全フロイントアジュバント)にペプチドPLP139-151を加えたものでマウスにEAEを誘導し、次いで疾患発症時の数日後(20日目)に種々の治療グループに無作為に分割した。次いで、pBHT1ベクターに50μgのマウスPLPをコードしたものまたは50μgの空pBHT1ベクター対照を3つの異なる投与頻度で筋肉内投与した:(A)1週間に1回、(B)2週間に1回および(C)4週間に1回。マウスは、EAE疾患の重症度について1〜5のスケールで毎日判定し、治療グループの平均疾患スコアをグラフに示す。全ての治療グループにおいて平均疾患スコアの低下が見られ、2週間ごとまたは4週間ごとの頻度において最も顕著である。 抑制性IMSによるポリヌクレオチド治療はPLP139-151媒介性EAEを抑制する。0日目に、IFAおよび0.5 mgの熱不活性化結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含有する、CFAにPBSを用いて100μgのPLP139-151を加えたものを皮下注射して7週齢の雌SJL/Jマウスを免疫化した。動物は、7日目から毎日臨床状態を判定した。12日目に、0.25% ブピバカイン-HCLのPBS液合計0.1 mlをマウスの両方の四頭筋に注射した。2日後、各々別個のpTARGETプラスミド上で完全長のマウスPLP、MAG、MOGおよびMBP(各々25μg)をコードするするDNAポリヌクレオチドプラス完全長のIL-4をコードする50μgのpTARGETを全容量0.2 mlのTEとして選択したマウスの両方の四頭筋に筋肉内注射した。DNAの注射は6週間毎週実施した。最初のDNA治療と同じ時に、容量200μlのPBSに50μgのIMSを加えたものを単独またはDNAポリヌクレオチド治療と併用して腹腔内に投与した。IMSは6週間にわたり2週間ごとに投与した。 EAE治療グループのサイトカインプロファイル。EAE疾患誘導から57日後、マウスを犠牲にし、各マウスの鼠径部および腋窩リンパ節を摘出し、それぞれのグループ別にプールした。細胞を単離し、10% FCSを含有する富栄養化RPMI培地に10μg/mlのPLP139-151を加えたもので刺激した。3日後、細胞上清を回収し、BD Pharmingen製の標準的なマウス(A)IFN-γ、(B)IL-4および(C)IL-10 ELISAキットを使用するサンドイッチELISAによってサイトカインプロファイルについて試験した。 タンパク質マイクロアレイ技術を使用するミエリン自己抗体エピトープスプレディング(epitope spreading)分析。PLP139-151で誘導した急性麻痺製EAEの発症後14日目で、部分的な回復が見られてから、SJL/JマウスをPBS基剤、IMS、MBP、PLP、MOG並びにMAG(DPT)およびIL-4;DPTおよびIL-4プラスIMS;DPTおよびIL-4+CpGを発現するpTARGETで毎週治療した。6週間の治療後、正常なマウス血清(NMS)を含む血清を各治療グループから採血し、ミエリンタンパク質マイクロアレイ分析を実施し、SAMを使用して、抗原の特徴を同定し、整理するための階層的なクラスター分析を作製した。 抑制性IMS単独およびポリヌクレオチド治療との併用はPLP139-151媒介性EAEを抑制する。0日目に、IFAおよび0.5 mgの熱不活性化結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含有するCFAにPBSを用いて100μgのPLP139-151を加えたものを皮下投与して免疫化した。動物は7日目から毎日臨床状態を判定した。14日目に、0.25% ブピバカイン-HCLのPBS液合計0.1 mlをマウスの両方の四頭筋に注射した。2日後、各々別個のpTARGETプラスミド上で完全長のマウスPLP、MAG、MOGおよびMBP(各々25μg)をコードするするDNAポリヌクレオチドプラス完全長のマウスIL-4をコードする50μgのpTARGETプラスミドを全容量0.2 mlのTE液として選択したマウスの両方の四頭筋に筋肉内注射した。DNAの注射は6週間毎週実施した。最初のDNA治療と同じ時に、容量200μlのPBSに50μgのIMSを加えたものを単独(A)またはDNAポリヌクレオチド治療と併用(B)して腹腔内に投与した。IMSは6週間にわたり2週間ごとに投与した。 DNAポリヌクレオチド治療およびIMSはNODマウスの糖尿病を治療する。7週齢の雌NOD/Ltマウスを入手し、立ち入りを制限した飼育室で飼育した。ワンタッチウルトラブラッドグルコースモニタリングシステム(One Touch Ultra Blood Glucose Monitoring System)を使用して、血中グルコール濃度(BGL)の上昇について10週齢から毎週マウスを試験した。BGLが200〜250mg/dlになったとき治療を開始した。マウスは、15週齢から開始して、利用可能になったら各グループに逐次的に追加した。PBSに0.25%ブピバカイン-HCLを加えたもの合計0.2mlをマウスの両側の四頭筋に注射した。2日後、マウスの両側の四頭筋に:1)完全長のマウスプレプロインスリン-1およびプレプロインスリン-2を各々別個のpVAX1ベクターにコードするDNAポリヌクレオチドの50μg/投与;または、2) 完全長のマウスプレプロインスリン-1およびプレプロインスリン-2を各々別個のpVAX1ベクターにコードするDNAポリヌクレオチドの50μg/用量プラスIL4をコードするpVAX1プラスミドの合計容量0.2mlのPBSを筋肉内注射した。注射は4週間にわたって毎週実施した。最初のDNA治療と同じ時に、容量200μlのPBSに50μgのIMSを加えたものを単独またはDNAポリヌクレオチド治療と併用して腹腔内に投与した。IMSは4週間にわたり毎週投与した。観察される糖尿病の進行に対する生存の割合を最初の治療から9週間調査した(A)。29週齢時の糖尿病の割合を、250mg/dlを超える持続的なBGLを有するマウスと規定する(B)。 DNAポリヌクレオチド治療およびIMSはNODマウスの糖尿病を治療する。7週齢の雌NOD/Ltマウスを入手し、立ち入りを制限した飼育室で飼育した。ワンタッチウルトラブラッドグルコースモニタリングシステム(One Touch Ultra Blood Glucose Monitoring System)を使用して、血中グルコール濃度(BGL)の上昇について10週齢から毎週マウスを試験した。BGLが200〜250mg/dlになったとき治療を開始した。マウスは、15週齢から開始して、利用可能になったら各グループに逐次的に追加した。PBSに0.25%ブピバカイン-HCLを加えたもの合計0.2mlをマウスの両側の四頭筋に注射した。2日後、マウスの両側の四頭筋に:1)PBS治療、2)200μg/用量の空pVAX1プラスミド、3)50μg/用量のIMSの筋肉内投与、4)空pVAX1プラスミドプラスIMS(筋肉内投与)の組み合わせ、5)完全長のマウスプレプロインスリン-1およびプレプロインスリン-2を各々別個のpVAX1ベクターにコードするDNAポリヌクレオチドの組合せの50μg/用量、6)DNAポリヌクレオチドプラスIMS(筋肉内投与)の組合せ、7)DNAポリヌクレオチドプラスIL-4をコードする50μg/用量のpVAX1プラスミド の組合せ、8)DNAポリヌクレオチドプラスIL-4プラスIMS(筋肉内投与)の組合せ、9)DNAポリヌクレオチドプラスIL-4およびIMSを合計容量0.2 mlのPBSに加えたものの50μg/用量の腹腔内注射の組合せを筋肉内注射した。全ての注射は8週間にわたって毎週実施した。250mg/dlを超える持続的なBGLを有するマウスと規定する。観察される糖尿病の進行に対する生存の割合を最初の治療から8週間調査した。 抑制性IMSによるDNA治療はII型コラーゲン誘導性CIAを抑制する。完全フロイントアジュバントにCIIを乳化したものでCIAを誘導する14日前および7日前に20匹の6週齢の雄DBA/1マウスのグループを、示したDNAワクチン50μgを筋肉内に投与して前処理した。CIA誘導から1週間後に、3回目のDNA寛容(tolerizing)ワクチンをマウスに投与した。2週間後に、不完全フロイントアジュバントにCIIを乳化したものを用いてマウスに追加免疫投与した。Current Protocols in Immunologyに記載されている視覚による判定システムを使用して関節炎を判定した。(A)IMSを併用する場合および併用しない場合の全II型コラーゲン(CII)をコードするDNAとIL-4をコードするDNAの併用は、IMSを併用する場合および併用しない場合にDNAワクチンベクター(pTarget)+IL-4で治療した対照グループと比較したとき、関節炎の平均重症度が有意に低下した。(B)疾患の全体的な発現頻度は全グループにおいてほぼ同じであった。 CIA治療グループの増殖アッセイ。CIA追加免疫化から27日後、マウスを犠牲にし、各マウスの鼠径部および腋窩リンパ節を摘出し、それぞれのグループ別にプールした。細胞を単離し、10% FCSを含有する富栄養化RPMI培地に100μg/mlの変性II型コラーゲンを加えたもので72時間刺激した。培養の最後の16時間に、細胞に1μCi[3H]TdRを加えてパルス標識してから、組込まれた放射能を測定した。各データ点は、トリプリケートで実施したウェルの平均+/-SDを示す。 CIA治療グループのサイトカインプロファイル。CIA追加免疫化から27日後、マウスを犠牲にし、各マウスの鼠径部および腋窩リンパ節を摘出し、それぞれのグループ別にプールした。細胞を単離し、10% FCSを含有する富栄養化RPMI培地に100μg/mlの変性II型コラーゲンを加えたもので72時間刺激した。上清を回収し、BD Pharmingen社製の(A)IL-6、(B)IL-4(C)IFN-γおよび(D)TNF-αELISAキットを使用するサンドイッチELISAでサイトカインプロファイルについて試験した。 抑制性IMSによるDNA治療はII型コラーゲン誘導性CIAを抑制する。完全フロイントアジュバントにCIIを乳化したものでCIAを誘導する14日前および7日前に20匹の6週齢の雄DBA/1マウスのグループを、示したDNAワクチン50μgの筋肉内投与およびIMSの腹腔内投与で前処理した。CIA誘導から1週間後に、3回目のDNA寛容(tolerizing)ワクチンおよびIMSをマウスに投与した。2週間後に、不完全フロイントアジュバントにCIIを乳化したものを用いてマウスに追加免疫投与した。Current Protocols in Immunologyに記載されている視覚による判定システムを使用して関節炎を判定した。(A)IMS治療マウスは、未治療の対照マウスおよび全II型コラーゲン(CII)をコードするDNAをIMSと併用して治療したグループと比較したとき、関節炎の平均重症度が有意に低下した。(B)疾患の全体的な発現頻度は、全グループにおいて比較可能な他の2つと比較してIMS治療グループにおいて低かった。 抑制性IMSは、ISS(CpG-ODN)が媒介するB細胞増殖を抑制する。ヤギ抗-マウスIgGおよびIgM重鎖および軽鎖特異的抗体を使用し、担体タンパク質としてヤギγグロブリンを用いる標準的なB細胞パニング技法によって初代B細胞を脾臓から単離し、B220+細胞が純度>97%であることをFACScan分析で求めた。B細胞を、5μg/mlの示すオリゴと共に72時間培養した。LPSは100ng/mlの濃度で同時培養した。培養の最後の16時間にウェルに1μCi[3H]TdRを加えてパルス標識してから、組込まれた放射能を測定した。各データ点は、トリプリケートで実施したウェルの平均+/-SDを示す。 抑制性IMSは、B細胞のTh1サイトカイン産生を抑制する。未処理の初代B細胞を、示した濃度の刺激性CpG-ODN、抑制性IMSまたは対照ODNと共に培養した。72時間後に上清を回収した。IL6(A);IFN-γ(B)、IL-10(C)およびIL12p40(D)産生をELISAで測定した。各データ点は、トリプリケートで実施したウェルの平均を示す。

Claims (25)

  1. 式5'-プリン-ピリミジン-C-G-ピリミジン-ピリミジン-3'のCpGモチーフを含むベクターを、CpGジヌクレオチド内でシトシンから非-シトシンに置換するように改変する工程を含む、プラスミドベクターを作成する方法であって、
    該ベクターが、ミエリンタンパク質をコードするポリヌクレオチドまたはインスリンタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含み、
    該ミエリンタンパク質が、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)であり、該インスリンタンパク質が、インスリン、プロインスリン、またはプレプロインスリンから選択される、方法
  2. 前記シトシンから非-シトシンへの置換が、シトシンからグアニンである、請求項1記載の方法。
  3. 複数のシトシンが非-シトシンに置換される、請求項1記載の方法。
  4. 改変されるプラスミドベクターがpVAX1(商標)ベクターである、請求項1記載の方法。
  5. pVAX1(商標)ベクターが、以下のシトシンから非-シトシンへの置換を含むように改変される、請求項4記載の方法:
    ヌクレオチド784、1161、1218および1966におけるCからGへの置換;
    ヌクレオチド1264、1337、1829、1874、1940および1997におけるCからAへの置換;
    ヌクレオチド1987におけるCからTへの置換;ならびに
    ヌクレオチド1831、1876、1942および1999におけるCからGへの置換。
  6. 前記プラスミドベクターがIDDMの治療における使用のためのものであり、前記ポリヌクレオチドが前記インスリンタンパク質をコードする、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 前記プラスミドベクターが多発性硬化症の治療における使用のためのものであり、前記ポリヌクレオチドが前記ミエリンタンパク質をコードする、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  8. ベクター骨格に以下のヌクレオチドを含む、改変されたpVAX1(商標)ベクター:
    ヌクレオチド784、1161、1218および1966におけるG;
    ヌクレオチド1264、1337、1829、1874、1940および1997におけるA;
    ヌクレオチド1987におけるT;ならびに
    ヌクレオチド1831、1876、1942および1999におけるG。
  9. 前記ベクターがpBHT1である、請求項記載のベクター。
  10. ミエリンタンパク質をコードするポリヌクレオチドまたはインスリンタンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに含み、該ミエリンタンパク質が、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)であり、該インスリンタンパク質が、インスリン、プロインスリン、またはプレプロインスリンから選択される、請求項記載のベクター。
  11. 請求項10記載のベクターおよび薬学的に許容されうる担体を含む、薬学的組成物。
  12. 多発性硬化症およびIDDMから選択される自己免疫疾患の治療のための薬剤の製造における、
    (a) 式5’-プリン-ピリミジン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3’のヘキサマー領域を含む免疫調節核酸であって、ただし上式中、XおよびYはシトシン-グアニンでありえないことを除いて任意の天然型または合成ヌクレオチドである、免疫調節核酸と、ミエリンタンパク質をコードするポリヌクレオチド領域またはインスリンタンパク質をコードするポリヌクレオチド領域とを含む、プラスミドベクター;ならびに
    (b) 薬学的に許容されうる担体
    を含む組成物の使用であって、
    該ミエリンタンパク質が、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)であり、該インスリンタンパク質が、インスリン、プロインスリン、またはプレプロインスリンから選択される、使用
  13. 多発性硬化症およびインスリン依存性糖尿病から選択される自己免疫疾患の治療方法において使用するための、
    (a) 式5’-プリン-ピリミジン-[X]-[Y]-ピリミジン-ピリミジン-3’のヘキサマー領域を含む免疫調節核酸であって、ただし上式中、XおよびYはシトシン-グアニンでありえないことを除いて任意の天然型または合成ヌクレオチドである、免疫調節核酸と、ミエリンタンパク質をコードするポリヌクレオチド領域またはインスリンタンパク質をコードするポリヌクレオチド領域とを含む、プラスミドベクター;ならびに
    (b) 薬学的に許容されうる担体
    を含む組成物であって、
    該ミエリンタンパク質が、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)であり、該インスリンタンパク質が、インスリン、プロインスリン、またはプレプロインスリンから選択される、組成物
  14. 前記プラスミドベクターが、改変されたpVAX1(商標)ベクターである、請求項12記載の使用。
  15. 前記プラスミドベクターが、改変されたpVAX1(商標)ベクターである、請求項13記載の組成物。
  16. 前記改変されたpVAX1(商標)ベクターが、ベクター骨格に以下のヌクレオチドを含む、請求項12記載の使用:
    ヌクレオチド784、1161、1218および1966におけるG;
    ヌクレオチド1264、1337、1829、1874、1940および1997におけるA;
    ヌクレオチド1987におけるT;ならびに
    ヌクレオチド1831、1876、1942および1999におけるG。
  17. 前記改変されたpVAX1(商標)ベクターが、ベクター骨格に以下のヌクレオチドを含む、請求項13記載の組成物:
    ヌクレオチド784、1161、1218および1966におけるG;
    ヌクレオチド1264、1337、1829、1874、1940および1997におけるA;
    ヌクレオチド1987におけるT;ならびに
    ヌクレオチド1831、1876、1942および1999におけるG。
  18. 前記改変されたベクターがpBHT1である、請求項16記載の使用。
  19. 前記改変されたベクターがpBHT1である、請求項17記載の組成物。
  20. 前記自己免疫疾患がIDDMであり、前記ポリヌクレオチド領域が前記インスリンタンパク質をコードする、請求項12記載の使用。
  21. 前記自己免疫疾患がIDDMであり、前記ポリヌクレオチド領域が前記インスリンタンパク質をコードする、請求項13記載の組成物。
  22. 前記自己免疫疾患が多発性硬化症であり、前記ポリヌクレオチド領域が前記ミエリンタンパク質をコードする、請求項12記載の使用。
  23. 前記自己免疫疾患が多発性硬化症であり、前記ポリヌクレオチド領域が前記ミエリンタンパク質をコードする、請求項13記載の組成物。
  24. XおよびYがいずれもグアニンである、請求項12記載の使用。
  25. XおよびYがいずれもグアニンである、請求項13記載の組成物。
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