JP2007507541A - 修飾型の規則正しいペプチドによる脱髄性自己免疫性疾患の治療方法 - Google Patents

修飾型の規則正しいペプチドによる脱髄性自己免疫性疾患の治療方法 Download PDF

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Abstract

脱髄性自己免疫性疾患の処置のための組成物および方法が提供される。治療的用量は、自己免疫T細胞およびB細胞の反応の標的として同定されたタンパク質共通配列を示すアミノ酸配列を含む、規則正しい治療的ペプチド、または、1つもしくは複数の修飾型の規則正しい治療的ペプチドの組み合わせにより投与される。多発性硬化症における標的タンパク質の規則正しい治療的ペプチドは特に興味深く、例えば、ミエリンタンパク質であるMBP、MOG、PLP、MAGおよびサイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼなどがある。規則正しい治療的ペプチドは、規則正しい繰り返しのみからなってもよく、または他のD-もしくはL-アミノ酸残基の付加によっていずれかの末端において延長されてもよい。治療のために、規則正しい治療的ペプチドは、皮下、腹腔内、血管内などを含む特定の部位での注射によって、局所的もしくは非経口的に、またはエレクトロトランスポートなどによって経皮的に投与されてもよい。本方法は、予防または治療目的で使用される。本発明の組成物はまた、他の治療活性物質、免疫モジュレーター、免疫抑制剤、β-インターフェロン、ステロイド、スタチンなどを含んでもよい。

Description

政府の支援
本研究は、アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)の助成金番号ROI NS 18235の助成金によって少なくとも部分的に支援された。政府は、本発明において一定の権利を有することができる。
発明の背景
序論
多発性硬化症(MS)は、中枢神経系(CNS)の獲得性の炎症性脱髄性疾患である。MSにおいて、免疫系細胞は、脳および脊髄の神経を絶縁する脂肪質であるミエリンに侵入して、ミエリンを破壊し;他のCNS細胞は、多数の非脱髄性部位周辺で、硬化した硬化性病変(プラーク)を産生する。神経学的所見により、異なる時期に生じたCNSの別々の領域の病変が示唆される。
多発性硬化症(MS)は、神経系を含む最も一般的な自己免疫性疾患である。米国では、約400,000人の個体がMSに罹患している。疾患の原因は分かっていないが、遺伝的素因は重要である。一卵性双生児における一致率は30%であり、二卵性双生児または一等親血縁者と比較すると10倍高い。一卵性双生児における高い発生率は、遺伝的素因の重要性を強調するものであるが、一卵性双生児における不一致率が70%であることは、疾患浸透度における非遺伝的な要因の役割に光を当てている。遺伝的素因において、HLAクラスII遺伝子は、北ヨーロッパの白色人種に対して4倍の相対危険度を有するHLA DR2に対して影響を及ぼす。
MSの典型的な症状には、10年を超えて数年間進行する最初の過程が含まれ、これは、その後に緩解が続く再発の発生によって明らかになる。再発は、しばしば上気道系または胃腸管のウイルス感染の発生に続いて生じる。MS症例の約半分では、疾患はより慢性期に進行する。臨床的問題には、時には盲目に至る視力の障害;複視;歩行および手の使用に影響を及ぼす運動障害;共調不能;腸および膀胱失禁;痙性;ならびに触覚、疼痛および温度および固有受容性の損失を含む感覚障害が含まれ得る。疾患の病理学は、中枢神経系に完全に存在しており、細静脈を囲み且つ髄鞘に達している炎症の古典的画像法によって特徴づけられる。
ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLP)、トランスアルドラーゼおよび2',3'サイクリックヌクレオチド3'ホスホジエステラーゼ(CNP)、ならびに髄鞘で見出された免疫グロブリン超遺伝子ファミリーの2つのメンバーである、ミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質(MOG)およびミエリン随伴性糖タンパク質(MAG)を含む、髄鞘の様々な要素に対する免疫反応がMS患者で検出されている(Steinman et al., (1995) Mol. Med. Today 1:79-83)。さらに、クリスタリン-Bを含むいくつかの誘導性熱ショックタンパク質は、MS病変の膠細胞で検出され得、MS患者における免疫反応を刺激することができる。
ヒトMS患者において、以下のミエリンタンパク質およびエピトープが、自己免疫T細胞およびB細胞の反応の標的として同定された。MSの脳プラークから溶出される抗体は、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)ペプチド83-97(Wucherpfennig et al., J Clin Invest 100:1114-1122, 1997)を認識した。他の研究では、ミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質(MOG)に対する末梢血リンパ球(PBL)T細胞の反応を有する約50%のMS患者(6〜10%対照)、MBPに対して20%の反応性(8〜12%対照)、PLPに対して8%の反応性(0%対照)、MAGに対して0%の反応性(0%対照)であることが見出された。この研究において、10人中7人のMOG反応患者が、MOG 1-22、MOG 34-56、MOG 64-96を含む3つのペプチドエピトープのうちの1つに集中したT細胞増殖反応を有していた(Kerlero de Rosbo et al., Eur J Immunol 27, 3059-69, 1997)。T細胞およびB細胞(脳病変から溶出された抗体)の反応は、MBP 87-99に集中していた(Oksenberg et al., Nature 362, 68-70, 1993)。MBP 87-99において、アミノ酸モチーフHFFKは、T細胞およびB細胞の反応の両方における優性な標的である(Wucherpfennig et al., J Clin Invest 100, 1114-22, 1997)。他の研究では、MOBP 21-39およびMOBP 37-60の残基を含む、ミエリン随伴性乏突起膠細胞塩基性タンパク質(MOBP)に対するリンパ球の反応性が観察された(Holz et al., J Immunol 164, 1103-9, 2000)。MSを染色し、脳を制御するために、MOGペプチドとMBPペプチドの免疫金複合体を用いて、MBPペプチドおよびMOGペプチドの両方が、MSプラーク結合抗体により認識された(Genain and Hauser, Methods 10, 420-34, 1996)。
神経病理学的な所見により、抗体が一部の多発性硬化症患者の病変形成で役割を果たす可能性があることが示唆されている(Storch et al. Ann. Neurol. 43: 465-71, 1998)。MBP(Sellebjerg et al., Ann Neurol. 38: 943-50: 1995)、プロテオリピドタンパク質(lbid)、ミエリン随伴性糖タンパク質(Baig et al., Neurology 41: 581-7: 1991)、および2',3'-サイクリックヌクレオチド3'-ホスホジエステラーゼ(Walsh and Murray. JCI 101: 1923-31: 1998)を含むいくつかのミエリンタンパク質を認識する自己抗体が、多発性硬化症患者に存在するが、疾患の病因におけるそれらの役割は謎であり、論争の的になっている。
MSにおいて鍵となる自己免疫反応は、ミエリン塩基性タンパク質の特定の領域に標的化される。HLA DR2であるMS患者(患者の約3分の2)の中枢神経系における主要なT細胞およびB細胞の反応は、MBPの84〜103位の残基の領域に向けられる(Steinman (1995) Nature 375:739-740;Warren et al. (1995) P.N.A.S. 92:11061-11065)。MSにおけるMBPに対するB細胞の反応も広範囲に調査されている。脳病変から精製されたIgGは、HLA DR2b(DRB1*1501)であるMS患者における免疫優性T細胞エピトープであり、DR2a(DRB5*0101)であるMS患者におけるT細胞エピトープと重複する、MBP、p85-96の同じ領域に反応した。
関連文献
Copolymer-1は、アラニン、グルタミン酸、リジンおよびチロシンのモル比が約6:2:5:1で構成されるポリペプチドの混合物である。それは、平均分子量が23,000のダルトンの4つのアミノ酸形成産物を化学的に重合させることによって合成される(米国特許第3,849,550号)。Cop1は、精製されたMSに関連するHLA-DR2(DRB1*1501)およびリウマチ様関節炎に関連するHLA-DR1(DRB1*0101)またはHLA-DR4(DRB1*0401)分子と、高親和性で且つペプチド特異的様式で無差別に結合する(Fridkis-Hareli et al. (1999) J Immunol 162(8): 4697-704)。HLA-DR1、-DR2または-DR4分子に結合したCop1の突出N末端をアミノペプチダーゼIで処置した後、抽出、HPLC、およびプールシークエンシングを行った。無処置または非結合性のCop1とは対照的に、この物質は、使用されるHLA-DR分子に関係なく、第1および第2のサイクルでEレベル、第2および第3のサイクルでKレベル、および第3から第5のサイクルでYレベル(おそらく結合ペプチドのP1において)で増加する幾つかの位置において異なるモチーフを示した。主にAであった以下のサイクルで、選択性は見られなかった。
最近、Cop-1は再発性の多発性硬化症(MS)の治療として承認された。Cop-1は、動物モデルのCNS炎症性疾患の能動抑制を誘導するという証拠が示されている(Aharoni et al. (1997) P.N.A.S. 94(20):10821-6)。ヒトにおいて、コパクソン(Copaxone)の処置により、障害の平均年間再発率および安定化において有意な減少が引き起こされることが見出された。治療には、血清IL-10レベルの上昇、PBLにおける炎症促進性サイトカインTNFα mRNAの抑制、ならびに抗炎症サイトカインTGF-βおよびIL-4 mRNAの上昇が付随する(Miller et al. (1998) J Neuroimmunol 92(1-2:113-21)。
ミエリン塩基性タンパク質ペプチド類似体を用いたマウスの実験的な自己免疫脳脊髄炎の処置は、Reiseter et al. (1998) J Neuroimmunol 91(1-2):156-70によって記載される。MBPペプチド類似体、Ac1-11[4Y]の単回投与は、好中球プレオサイトーシスの、劇的で選択的な損失に付随して起こる疾患の重症度を減少させる。より長いペプチド治療過程を行った結果、疾患の臨床徴候から完全に回復し、全ての細胞型によるプレサイトーシスが減少した。Wraith et al. (1989) Cell 59:247-255は、自己免疫脳脊髄炎における抗原認識、およびペプチドを介した免疫治療の可能性を記載している。Sakai et al. (1989) Proceedings of the National Academy of Sciences USA 86:9470-9474は、T細胞と主要組織適合複合体タンパク質との相互作用を阻害するペプチドを用いた、実験的な脳脊髄炎の予防を記載している。Karin. et al. (1994) J.E.M. 180:2227-2237は、可溶性変種であるミエリン塩基性タンパク質エピトープによって、実験的な自己免疫脳脊髄炎の逆転を証明している。
ミエリン塩基性タンパク質の投与により、免疫寛容を誘導可能であることが報告された(例えば、Steinman et al. (1977) Nature 265:173;Tonegawa (1997) J Exp Med 186(4):507-15;Hafler et al. (1997) Ann N Y Acad Sci 835:120-31;Kennedy et al. (1997) J Immunol 159(2) :1036-44を参照のこと)。ペプチドに結合した脾細胞の投与、不完全アジュバントにおける腹腔内投与、経口および鼻腔内投与を含む、様々な形態のAg特異的耐性が示されている。
発明の概要
実験的な自己免疫脳脊髄炎および多発性硬化症を含む、脱髄性自己免疫性疾患を、2つもしくはそれ以上の規則正しい治療的ペプチド、1つもしくは複数の置換型の規則正しい治療的ペプチド、または規則正しい治療的ペプチド、および置換型の規則正しい治療的ペプチドの組み合わせを宿主に投与することによって、処置するための組成物および方法が提供される。本発明の規則正しい治療的ペプチドであるMBPは、規則正しいアミノ酸モチーフ(SEQ ID NO:1)[1E2Y3Y4K]n(式中、nは2〜6である)を含み、アミノ末端またはカルボキシ末端で修飾される。規則正しいモチーフは、示されるように残基1で開始してもよく、または異なる位置、例えば(SEQ ID NO:2)YYKEYYKE;(SEQ ID NO:3)YKEYYKEYなどで開始してもよい。本発明の、規則正しい治療的ペプチドであるMOGは、規則正しいアミノ酸モチーフ(1Y2R3E4Y5E6Y7E)n(式中、nは2〜10である)を含む。本発明の、規則正しい治療的ペプチドであるMOGは、アミノ末端またはカルボキシ末端で修飾されてもよい。本発明の、規則正しい治療的ペプチドであるPLPは、規則正しいアミノ酸モチーフ(1Y2G3K4E5L6G7E8Y)n(式中、nは2〜10である)を含む。本発明の、規則正しい治療的ペプチドであるPLPは、アミノ末端またはカルボキシ末端で修飾されてもよい。他の本発明の規則正しい治療的ペプチドには、サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ(CNPase)、ミエリン随伴性糖タンパク質(MAG)、ミエリン随伴性乏突起膠細胞塩基性タンパク質(MBOP)、およびα-B-クリスタリン(熱ショックタンパク質)に由来するペプチドなどが含まれる。本発明の開示を用いて、自己免疫T細胞およびB細胞の反応の標的であると同定された他のタンパク質およびエピトープにおける規則正しい治療的ペプチドを設計および投与することができる。
本発明の組成物を、当技術分野に公知の通常の方法(例えば、組換え系での発現、固相ペプチド合成など)によって合成することができる。規則正しい治療的ペプチドは、生物学的に許容される担体において製剤化され、処置のうちの自己免疫抑制効果を増強する経路によって投与される。典型的には、規則正しい治療的ペプチドは、多発性硬化症に罹患した患者に定期的に投与される。好ましい態様において、組成物は凍結乾燥され、皮下注射に適した水溶液中に形成され、本発明の方法に従って定期的に投与される。
態様の詳細な説明
実験的な自己免疫脳脊髄炎および多発性硬化症を含む、脱髄性自己免疫性疾患は、規則正しい治療的ペプチドを投与することによって処置される。規則正しい治療的ペプチドは、当技術分野に公知のように、皮下、経口、吸入などによってもよい簡便な投与経路のために、薬学的に許容される担体中に製剤化される。
本方法は予防または治療目的で使用される。本明細書で使用されるように、用語「処置する」は、疾患の予防および既存の状態の処置の両方を言及するために使用される。自己免疫性疾患の予防は、顕性の疾患の発症の前にペプチドを投与することによって達成される。進行中の疾患の処置は、患者の臨床症状を安定化または改善するために、特に興味深いものである。このような処置は、望ましくは、患部組織中の機能の欠損前に実施される。治療効果の証拠は、特に、規則正しいペプチドで処置された患者において、患者が無再発性である期間または平均再発頻度であり得る再発の頻度の測定における、疾患の重症度の任意の減少であってよい。
本発明の、規則正しい治療的ペプチドは、自己免疫T細胞およびB細胞の反応の標的として同定されるタンパク質の共通配列を示す8〜80個のアミノ酸を含む。ミエリンタンパク質MBP、MOG、PLP、MAGおよびサイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼは、本発明の開示に従って開発されると考えられる、規則正しい治療的ペプチドに対する自己免疫反応の標的であるタンパク質の例である。例えば、規則正しい治療的アミノ酸モチーフMBPは、(SEQ ID NO:1)[1E2Y3Y4K]n(式中、nは2〜6である)である。規則正しい治療的モチーフMBPは、示されるように、残基1で開始してもよく、または異なる位置で開始してもよく、例えば
Figure 2007507541
などである。規則正しい治療的ペプチド配列MBPの全長は、通常、少なくとも約8アミノ酸の長さであって、約24アミノ酸を超えないアミノ酸の長さ、通常、少なくとも約10アミノ酸の長さであって、約20アミノ酸を超えないアミノ酸の長さであると考えられる。対象となる特定の規則正しい治療的ペプチドMBPは、(SEQ ID NO:4)EYYKEYYKEYYKを含む。規則正しい治療的ペプチドMOGの場合には、アミノ酸モチーフは、[1Y2R3E4Y5E6Y7E]n(式中、nは2〜10である)である。規則正しい治療的ペプチドMOGは、残基1で開始してもよく、または異なる位置で開始してもよく、
Figure 2007507541
である。規則正しい治療的ペプチドであるMOGの全長は、通常、少なくとも約14アミノ酸の長さであって、70アミノ酸を超えないアミノ酸の長さ、通常、約18アミノ酸の長さであって、約42アミノ酸を超えないアミノ酸の長さであると考えられる。規則正しい治療的ペプチドPLPの場合には、アミノ酸モチーフは、[1Y2G3K4E5L6G7E8Y]n(式中、nは2〜10である)である。規則正しい治療的ペプチドPLPモチーフは、残基1で開始してもよく、または異なる位置で開始してもよく、例えば
Figure 2007507541
などである。規則正しい治療的ペプチド配列PLPの全長は、通常、少なくとも約16アミノ酸の長さであって、約80アミノ酸を超えないアミノ酸の長さ、通常、少なくとも約20アミノ酸の長さであって、約48アミノ酸を超えないアミノ酸の長さであると考えられる。
本願明細書において用いられる用語として、規則正しい治療的ペプチドの範囲には、アミノ酸配列の変種が含まれる。そのような規則正しい治療的ペプチドは、本明細書において、「置換型の」または「修飾型の」規則正しい治療的ペプチドと称される。規則正しい治療的ペプチドのアミノ酸配列の変種は、置換または付加のいずれかである2つのクラスに分類される。規則正しい治療的ペプチド変種は、組換え発現系が使われる場合、規則正しい治療的ペプチドをコードするDNAのヌクレオチドに、部位特異的突然変異誘発を行うことによって調製されてもよく、または固相ペプチド合成における合成スキームを変更することによって調製されてもよい。アミノ酸配列の変種は、予め決定された性質の変化によって特徴付けられる。規則正しい治療的ペプチド変種は、典型的に、規則正しい治療的ペプチドと同じ性質の生物学的活性(例えば、MHC結合、T細胞増殖に対する効果、疾患重症度に対する効果、EAEにおける再発率など)を示す。ペプチドは、規則正しい反復のみからなってもよく、または他のアミノ酸残基の付加により、いずれかの末端で伸長されてもよい。
規則正しいペプチドの構造において、修飾および変化を行い、依然として、脱髄性自己免疫性疾患を抑制する所望の特性を有する分子を得ることができる。所望の特性は、少なくとも部分的に、インビトロアッセイ法で決定することができ、MHC抗原HLA-DR(特にHLA-DR2(DRB1*1501))に対する結合は、関連した生物学的活性を示す。本発明の、修飾型の規則正しいペプチドは、MHC抗原HLA-DR2、ならびに当業者に公知の他のMHC抗原に結合する可能性を有する。
例えば、HLA-DR2への結合に加えて、修飾型の規則正しいペプチドPLPは、HLA-DR15にも結合することができる。他の例として、修飾型の規則正しいペプチドMOGは、HLA-DR2に結合し得ることに加えて、HLA-DRB1、HLA-DRB5およびHLA-DR4にもまた結合することができる。
例えば、機能に大きな損失がないタンパク質構造において、他のアミノ酸を特定のアミノ酸に置換することができる。規則正しいペプチドの配列において、生物学的有用性または活性に大きな損失を伴わずに、様々な変化(タンパク質安定性または有効性など)が作り出される、特に末端アミノ酸の付加として作製され得ることは、当業者に理解されている。変化が結合特性および免疫学的活性を維持する限り、得られたタンパク質は、本発明の目的のための生物学的機能同等物と考えられる。
アミノ酸置換は、典型的に単一残基のものであり:挿入は、通常、約1個〜約4個のアミノ酸残基の範囲であり;および欠失は、約1個〜約4個の残基の範囲であると考えられる。欠失または挿入は、好ましくは、隣接する対において作製され、すなわち、2個の残基の欠失または2個の残基の挿入である。最終的に、置換型の規則正しい治療的ペプチドに達するために、置換、欠失、挿入またはそれらの任意の組み合わせを組み合わせてもよい。
置換変種は、規則正しい治療的ペプチドの少なくとも1つの残基が除かれ、且つその位置に異なる残基が挿入されたものである。一般に、このような置換は、規則正しい治療的ペプチドの特徴を精密に変化させることが望ましい場合に、以下の表に従って行われる。
Figure 2007507541
機能は、上記の表に記載されたものよりも保存性が低い置換を選択すること(すなわち、規則正しいペプチドの構造に対する効果、規則正しいペプチドの電荷もしくは疎水性に対する効果、または側鎖の大きさの維持に対する効果において、より顕著に異なる残基を選択すること)により変化する。一般に、規則正しいペプチドを最も大きく変化させると予測される置換は、以下のものである:(a) 疎水性残基(例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルまたはアラニル)を親水性残基(例えばセリルまたはスレオニル)に置換するか、または親水性残基を疎水性残基に置換する;(b) 任意の他の残基をシステインまたはプロリンに置換するか、またはシステインまたはプロリンを任意の他の残基に置換する;(c) 電気陰性残基(例えばグルタミルまたはアスパルチル)を電気陽性側鎖を有する残基(例えばロイシル、アルギニルまたはヒスチジル)に置換するか、または電気陽性側鎖を有する残基を電気陰性残基に置換する;または(d) 側鎖を有していない残基(例えばグリシン)を、大きな側鎖を有する残基(例えばフェニルアラニン)に置換するか、または大きな側鎖を有する残基を側鎖を有していない残基に置換する。
例えば、規則正しいペプチドの酸化安定性の増加において、システインまたは他の不安定な残基の欠失もまた望ましい可能性がある。潜在的なタンパク質分解部位(例えばArg、Arg)の欠失または置換は、塩基性残基の1つを欠失させるか、または残基をグルタミニル残基またはヒスチジル残基に置換することによって達成される。規則正しいペプチドの安定性は、D-アミノ酸の付加または置換によって改善されることがある。規則正しいペプチドのN末端および/またはC末端のD-アミノ酸の付加、ならびに内部のD-アミノ酸の置換は、規則正しいペプチドの安定性および半減期を改善すると共に、ペプチドのヘリックス構造を維持し、規則正しいペプチドの生物学的特徴を維持するために実行される。本明細書において記載されているように、特定のD-アミノ酸の付加または置換により、規則正しい治療的ペプチドの生物学的活性を増加させることができる。
規則正しい治療的ペプチドは、融合タンパク質として非野生型の隣接領域に結合されるか、連結基に結合されるか、またはシステイン(ジスルフィド)もしくはペプチド結合を介して直接的に共有結合されるかなど、様々な方法で提供され得る。規則正しい治療的ペプチドは、単一のアミノ酸、D-アミノ酸もしくはL-アミノ酸のいずれかに、アミノ酸鎖のN末端またはC末端で結合され得る。融合ペプチドを、簡便な連結部位(例えばシステインまたはリジン)を提供するため、安定性を増加させるため、特定の受容体に結合させるため、部位特異的作用を提供するため、精製を容易にするため、物理特性(例えば溶解性、電荷など)を変化させるため、コンフォメーションを安定化させるためなどに延長することができる。規則正しい治療的ペプチドは、これらの付加された配列に関してN末端、C末端または内部であってもよい。
規則正しい治療的ペプチドは、例えば、マレイミド安息香酸、メチルジチオ酢酸、メルカプト安息香酸、S-ピリジルジチオプロピオネートなどの、様々な二官能基物質を介して結合されてもよい。オリゴペプチドを部位特異的作用を提供するタンパク質に結合してもよい。オリゴペプチドを、特に細胞内で切断可能な結合によって、部位特異的作用に対する抗体に結合してもよい。結合技術のために、例えば、参照として本明細書に組み入れられる米国特許第3,817,837号;第3,853,914号;第3,850,752号;第3,905,654号;第4,156,081号;第4,069,105号;および第4,043,989号を参照のこと。オリゴペプチドを、例えばリポソームなどのベシクルの内腔に取り込むことにより修飾してもよく、次に、それを特定の細胞または組織の方向についてリガンドまたは受容体に結合してもよい。
治療のために、規則正しい治療的ペプチドを、例えば局所的または非経口的に、例えば皮下、腹腔内、血管内などを含む特定の部位での注射によって、または経皮的に、エレクトロトランスポートなどによって、投与することができる。好ましい態様において、皮下注射は、規則正しい治療的ペプチドを送達するために使用される。延長された期間にわたってゆっくりと放出するための活性ペプチドの貯蔵所を提供するために、オリゴペプチドを徐放性製剤または浸透圧ポンプにおいて投与することができる。このような送達によって、必要とされる薬物の用量を減少させることができ、且つ治療効果を達成するために必要な処置の数も減少させることができる。
本発明の治療用オリゴペプチドを、合成技術、組換え技術などの従来技術に従って準備してもよい。例えば、固相ペプチド合成は、直鎖状のペプチド鎖を作製するために、アミノ酸の連続的付加を含む(Merrifield (1963) J. Am. Chem. Soc. 85:2149-2154を参照のこと)。組換えDNA技術によりペプチドを製造することもできる。第1に、所望のペプチドをコードする核酸配列を合成または作製する。コード配列は、当技術分野において公知のように、例えばプロモーター、ターミネーター、ATG開始コドンなどの、発現に適した制御要素に機能的に連結される。さらに、ペプチドを特異的な細胞内コンパートメントに標的化するための、シグナル配列などの特定の機能性ポリペプチド要素またはタンパク質をコードするDNA配列を、発現カセット中のペプチドに結合させることができる。この発現構築物を適切な宿主細胞に導入し、産生された組換えタンパク質を単離する。あるいは、例えば、治療のために筋または長期間生存する造血細胞に発現構築物を挿入することによって、コード配列を宿主に導入し、長期間の治療のために処置される。発現ベクターは、プラスミド、レトロウイルス、アデノウイルスなどを含むウイルスベクターであってもよく、これらは形質導入、DNAワクチン接種などにより導入されてもよい。
ペプチドの薬学的に許容される塩はまた、本明細書に開示されるような化合物の範囲内である。本明細書中で使用される用語「薬学的に許容される塩」」とは、塩酸塩、硫酸塩およびリン酸塩などの無機酸付加塩、または酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩およびクエン酸塩などの有機酸付加塩を意味する。薬学的に許容される金属塩の例には、ナトリウム塩およびカリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩および亜鉛塩などのアルカリ土類金属塩がある。薬学的に許容されるアンモニウム塩の例には、アンモニウム塩およびテトラメチルアンモニウム塩がある。薬学的に許容される有機アミン付加塩の例には、モルホリンおよびピペリジンを有する塩がある。薬学的に許容されるアミノ酸付加塩の例には、リジン、グリシンおよびフェニルアラニンを有する塩がある。
本方法は、脱髄性自己免疫性疾患に罹患した個体を処置するために使用される。適した患者の診断には、当業者に公知の様々な基準を利用することができる。IFN-γの分泌能を有するミエリン自己反応性T細胞の量的な増加は、MSおよびEAEの発病に関連している。前駆症状期の間に、脳脊髄液中への白血球の浸潤、炎症、および脱髄が存在する。家族歴、およびHLAハプロタイプ DRB1*1501、DQA1*0102、DQB1*0602の存在は、疾患に対する感受性の指標となる。疾患の後期での処置が、疾患のさらなる進行を予防または減速させるために行われるにもかかわらず、神経機能のさらなる損失を遅らせるかまたは停止させるために、疾患の早期の処置が好ましい。
患者は、従来の臨床基準に従って、多発性硬化症を有すると診断される。このような基準は、少なくとも1ヵ月間隔で2回の発病の存在に依存し、発病は、少なくとも24時間持続する1つまたは複数のMS症状の突然の出現または悪化であり、中枢神経系ミエリンに対する損傷の1つを超える領域である。ミエリンに対する損傷は、1つを超える時期で生じていなければならず、且つ脱髄または同様の神経症状が生じ得る任意の他の疾患によって生じていてはならない。
MRI(磁気共鳴画像法)は、CTスキャンも使用可能であるにもかかわらず、MSによって生じたプラークまたは瘢痕化の存在を検出するために脳を画像化する好ましい方法である。他の症状には、精神的機能、情緒的機能、言語機能、運動および協調、視覚、平衡性、ならびに五感の機能における障害が含まれる。誘発電位試験は、脳の様々な部分においてメッセージの遅れがあるかどうかを示すことができ、且つ神経試験において明らかではない神経経路に沿って瘢痕化の証拠を提供することができる電気的診断試験である。通常、脊椎穿刺により回収される脳脊髄液は、サイトカインレベル、およびオリゴクローナル抗体のバンドの存在について試験され得る。
治療効果は、臨床結果に関して測定されてもよく、または免疫学的もしくは生化学的試験に依存してもよい。有害なT細胞活性の抑制は、脊髄液中のミエリン反応性Th1細胞を列挙することにより、病変部位でサイトカインの放出を定量化することにより、または当技術分野において公知の自己免疫T細胞の存在について他のアッセイ法を用いることにより、測定され得る。あるいは、MSにおいて観察される神経組織に対する損傷などの疾患症状の減少、またはMSに罹患した患者のMS発病の数もしくは重症度の減少を期待することができる。例えば、磁気共鳴画像法(MRI)および内部において可視の病変の数および重症度を測定することによって、神経組織損傷を評価することができる。MSの発症数または重症度の減少は、例えば患者の臨床評価によって評価され得る。MRIおよび臨床評価の方法は、当技術分野において周知である。
投与のために様々な方法を使用することができる。製剤は、経口的に、吸入により与えられてもよく、または例えば血管内、腫瘍内、皮下、腹腔内、筋内などに注射されてもよい。疾患、投与頻度、投与様式、宿主由来の物質のクリアランスなどの性質によって、治療用製剤の用量は大きく変動すると考えられる。初回用量はより多い用量であってもよく、その後、より少量の維持用量にしてもよい。ワクチン様の治療剤を投与する場合に、有効量レベルを維持するために、用量は、毎週、隔週、毎月、または医師により決定されたスケジュールで投与され得、または小用量に分割されて毎日、週に2回などで投与され得る。多くの場合、経口投与では、静脈内投与よりもより高用量が必要とされると考えられる。
治療用投与のために、本発明の、規則正しい治療的ペプチドを、様々な製剤に組み入れることができる。より詳しくは、複合体を薬学的に許容される適当な担体または希釈液と組み合わせることによって、薬学的組成物に製剤化することができ、および、タブレット、カプセル、粉剤、顆粒剤、軟膏剤、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル、ミクロスフィアおよびエアロゾルなどの、固体、半固体、液体またはガスの形状の調製物に製剤化してもよい。このように、経口、頬側、直腸、非経口、腹腔内、皮内、経皮、気管内などの投与を含む様々な方法において、ペプチドの投与を達成することができる。ペプチドは、投与後全身性であってもよく、または移植部位で活性用量を維持するように作用するインプラントを使用することによって局所化されてもよい。
薬学的用量形態において、薬学的に許容される塩の形状でペプチドを投与してもよく、またはこれらを単独もしくは適切に会合して、および他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて使用してもよい。以下の方法および賦形剤は、単に例示的なものであって、決して制限するためのものではない。
経口調製物のために、規則正しい治療的ペプチドを単独もしくは適当な添加物と組み合わせて、例えば、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプンなどの従来の添加物;結晶セルロース、セルロース誘導体、アカシア、トウモロコシデンプンまたはゼラチンなどの結合剤;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースなどの崩壊剤;タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;および必要な場合には、希釈液、緩衝剤、湿潤剤、保存剤および香料と共に、タブレット、粉剤、顆粒剤またはカプセルを製造することができる。
規則正しい治療的ペプチドを、例えば植物油または他の類似の油、合成された脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸エステルまたはプロピレングリコールなどの水性または非水性溶媒中に、必要な場合には、可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤および保存剤などの従来の添加物と共に、溶解、懸濁または乳化することによって、注射のための製剤に製剤化することができる。
吸入を介した投与のために、エアロゾル製剤においてペプチドを利用することができる。本発明の化合物を、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの加圧型の許容される噴霧剤に製剤化することができる。
さらに、規則正しい治療的ペプチドを、乳化基剤または水溶性基剤などの様々な基剤と混合することによって、坐剤に製剤化することができる。本発明の規則正しい治療的ペプチドを、坐剤により直腸投与することができる。坐剤は、体温では溶解するが室温で凝固する、カカオ脂、カーボワックスおよびポリエチレングリコールなどの溶媒を含有することができる。
シロップ、エリキシルおよび懸濁液などの経口または直腸に投与するための単位用量形態が提供され得、例えば、茶匙一杯、食匙一杯、タブレットまたは坐剤などの各用量単位は、本発明の1つまたは複数の化合物を含む組成物の予め決定された量を含有する。同様に、注射または静脈内投与のための単位用量形態は、無菌水、通常の食塩水または他の薬学的に許容される担体における溶液として、組成物中に本発明の化合物を含んでもよい。
徐放性製剤のためのインプラントは、当技術分野において周知である。インプラントはミクロスフィア、スラブなどとして、生物分解性または非生物分解性ポリマーと共に製剤化される。例えば、乳酸および/またはグリコール酸のポリマーは、宿主により十分許容される浸食可能なポリマーを形成する。規則正しい治療的ペプチドを含むインプラントは、活性物質の局在濃度が本体の残りに対して増加するように、作用部位に近接して位置付けられる。
本明細書で使用される用語「単位用量形態」とは、ヒトおよび動物の被検体のための単位用量として適した、物理的に分離した単位を意味し、各単位には、薬学的に許容される希釈剤、担体または溶媒に関連して、所望の効果を生成するための十分な量において計算された本発明の予め決定された量のペプチドが含まれる。本発明の新規の単位用量形態のための仕様は、使用される特定の複合体および達成される効果、ならびに宿主の各複合体に関係する薬力学に依存する。
溶媒、アジュバント、担体または希釈剤などの薬学的に許容される賦形剤は公的に容易に利用可能である。さらに、pH調整および緩衝剤、等張化剤、安定剤、湿潤剤などのような、薬学的に許容される補助剤は、公的に容易に利用可能である。
本発明の組成物は、例えば、免疫修飾物質、免疫抑制剤、β-インターフェロン、ステロイド、スタチンなどの他の治療的に活性な物質を含んでもよい。例えば、異なる経路または補足的な経路が活性物質のそれぞれによって影響される場合に、治療結果の達成において、相加効果または相乗効果を可能にする他の物質と組み合わせることは特に興味深い。対象となる免疫抑制剤には、サイクロスポリンAおよびG、FK-506、ミコフェノール酸モフェチル、ラパマイシン、アザチオプリン、移植片拒絶に関係する原形質膜タンパク質に対する抗体、例えば、CD4、CD8、CD2、LFA-1、ICAM-1、CD28など;ならびにMHC分子に由来する免疫抑制オリゴペプチドが含まれる。免疫抑制効果を最小化するために、抗細菌性、抗ウイルス性および抗真菌性の薬物を共に製剤化してもよい。
処置される患者および状態、ならびに投与経路に依存するが、規則正しい治療的ペプチドは、通常、1日当たり0.01mg〜500mg V/kg体重の用量、例えば平均的なヒトのためには約20mg/日の用量で投与されると考えられる。この範囲は広く、一般的に、異なる哺乳類に対する治療効果の有効性は様々であり、ラットと比較してヒトでは、(体重単位あたり)20倍、30倍または40倍少ない用量である。同様に、投与様式は、用量に対して大きな効果を有し得る。このように、例えばラットにおける経口用量は、注射用量の10倍であってもよい。典型的な用量は、毎日1回の注射であってもよい。
当業者は、用量レベルは、特定の化合物の機能、症状の重症度および副作用に対する被検体の感受性により変動し得ることを容易に認識すると考えられる。いくつかの特定のペプチドは、他のものよりもより強力である。所定の複合体のための好ましい用量を、種々の手段によって当業者は容易に決定することができる。好ましい手段は、所与の化合物の生理学的な能力を測定することである。
本発明は、記載されたものなどの特定の方法論、プロトコール、製剤および試薬に限られず、これらはもちろん変化してもよいことが理解されるべきである。また、本願明細書において用いられる用語は、特定の態様のみを記載するためにあると理解されるべきであり、且つこれらは添付の特許請求の範囲によってのみ制限される本発明の範囲を制限することを意図していない。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「1つの(a)」、「および(and)」および「その(the)」は、文脈がそうでないことを明確に記載しない限り、複数の対象を含むことに注意されたい。したがって、例えば、「1つの複合体(a complex)」との言及は、複数のこのような複合体を含み、「その製剤(the formulation)」との言及は、1つまたは複数の製剤および当業者にとって公知であるそれらの等価物の言及を含む。
本明細書において用いられる全ての専門科学用語は、そうでないことを規定しない限り、本発明が帰属する技術分野の業者に共通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において記載されたものと類似または同等の任意の方法、装置および材料を、本発明の実施または試験において使用可能であるが、好ましい方法、装置および材料が現在記載されている。
本明細書において言及される全ての刊行物は、例えば、現在記載されている本発明と関連して用いられる可能性のある刊行物に記載されている方法および方法論を記載および開示する目的で、参照として本明細書に組み入れられる。上記および本明細書の全体にわたって記載された刊行物は、単に、本出願の出願日の以前の開示の目的で提供される。本明細書において、本発明者が従来発明に基づいて、このような開示に先だつ権利がないという承認として解釈されることはない。
以下の実施例は、当業者に完全な開示および本発明を実施かつ使用する方法を開示および説明するように提供されるものであり、本発明と見なされる範囲を制限すること意図してはいない。使用された数値(例えば、量、温度、濃度など)に関して、精度を正確にするための努力がなされたが、若干の実験誤差および偏差は考慮に入れられなければならない。特に明記しない限り、部分は重量部であり、分子量は平均分子量であり、且つ圧力は大気圧またはその近傍である。
実施例
実施例1:MHC-TCR結合モチーフに基づく免疫修飾のための規則正しい治療的ペプチド
ミエリン塩基性タンパク質(MBP)のアミノ酸85〜99位の間の領域は、MS脳病変におけるT細胞および自己抗体のための免疫優性エピトープを含む。MS脳で見出され、T細胞および自己抗体によって認識されるMBPの主要領域は、HLA DRB1*1501 DQB1*0602(HLA DR2)の患者におけるMBP p87-99に由来するコアモチーフ(SEQ ID NO:8) HFFKである。
以前に本発明者らは、自己抗体の認識のための構造上の必要条件を、MBP p87-99に反応するT細胞クローンと比較した。検討された12例の死後症例のCNS病変から、抗MBP抗体をアフィニティー精製した。MBP p87-99のペプチドは全ての症例において免疫優性であり、それはMBPと結合する自己抗体を95%を超えて阻害した。自己抗体の結合に関与している残基は、10アミノ酸セグメントp86-95に位置し((SEQ ID NO:9)VVHFFKNIVT)、これはまた、DRB1*1501およびDQB1*0602との関係において、MBPを認識するT細胞のためのMHC-T細胞受容体接触残基を含んでいた。エピトープの中心において、同一残基(SEQ ID NO:10) VHFFKは、T細胞の結合とMHCの認識にとって重要であった。最近、K91が主要TCR接触残基であり、一方、F90はMHC分子の疎水性P4ポケットへの主なアンカーであるという予測が確認され、MBP p85-99を有するHLA-DR2の結晶構造が解明された。
MSに関連するMHC分子中に存在しているポケットに結合して、病原性T細胞の活性化に干渉するように、規則正しい3つのアミノ酸の反復配列を含んだペプチドが合成された。これらの推定された配列の1つ((SEQ ID NO:4)EYYKEYYKEYYK)は、多発性硬化症の動物モデルであるルイスラットの実験的な自己免疫脳脊髄炎の予防および治療に効果的であった。
材料および方法
動物:雌のルイスラット(6〜8週齢)をHarlan Sprague Dawley(Indianapolis, IN)から購入した。
ペプチド:免疫化および疾患逆転のために、ペプチドを標準の9-フルオレニルメトキシカルボニル化学によりペプチド合成機(モデル9050:MilliGen, Burlington, MA)で合成した。ペプチドをHPLCによって精製した。アミノ酸分析および質量分光法によって構造を確認した。実験のために使用されたペプチドは、
Figure 2007507541
であった。
EAE誘導:合成ペプチドMBP p85-99を2mg/mlの濃度でPBSに溶解し、4mg/mlの熱殺菌された結核菌(Mycobacterium tuberculosis)H37Ra(Difco Laboratories, Detroit, MI)を添加した等容量の不完全フロインドアジュバント(IFA)と乳化した。ラットの皮下に0.1mlのペプチドエマルジョンを注射した。実験動物を、以下のようにスコア化した:0、臨床疾患でない;1、尾部の虚弱または麻痺;2、後肢の虚弱;3、後肢の麻痺;4、前肢の虚弱または麻痺;5、瀕死または死亡した動物。
EAE処置:EAEを誘導するためにMBP p85-99で以前に免疫化したラットを、ペプチド注射から8日目にスコア化した。平均疾患発症の日に、動物にPBS中に0.5mgのペプチドを溶解した溶液(1用量0.25ml)を腹腔内注射した。
結果
TCR-MHC結合モチーフを含む規則正しいペプチドの注射はEAEの発症を逆転させる:進行中のEAEの発症を逆転させる推定される配列の可能性を試験するために、本発明者らは、0.25ml中に0.5mgのペプチドを含む単回用量のPBS溶液を送達した。グラフ(図1)に示すように、対照群と比較した場合に、この用量は進行中の疾患を処置するために十分である。さらに、規則正しいペプチド処置は、2つの異なる用量(マウスにつき0.5mgまたはマウスにつき0.05mg)で、EYYKEYYKEYYK(規則正しい治療的ペプチ)またはコパクソンを静脈内、腹腔内、または皮下投与することによって、EAE誘導後17日目、29日目および36日目でEAE進行中のマウスモデルに投与することにより行った(図2)。規則正しい治療的ペプチドおよびコパクソンの両方は、マンニトールに溶解された。結果は、マウス当たりの再発率として示され、規則正しい治療的ペプチドおよびコパクソンは同様に再発率を減少させることが示される。
実施例2:EAEにおける規則正しい治療的ペプチドMBPのMHC阻害およびT細胞アンタゴニズム
自己免疫MHC-ペプチド複合体と疾患の間の明確な構造関係は示されていない。それにもかかわらず、MHCに対するペプチドの結合は、免疫優性配列を選択するためのパラメータとして広範囲に用いられている。本発明者らの結果は、規則正しい治療的ペプチドEYYK、修飾型の規則正しい治療的ペプチドD-ala-EYYK、またはガラティラメルアセテート(glatiramer acetate)のいずれが反応に存在した場合に、同等の量のMBPペプチドとラットMHCクラスIIとの結合阻害、またはPLPペプチドとマウスMHCクラスIIとの結合阻害を示している(図3)。これらの結果は、修飾型の規則正しい治療的ペプチドD-ala EYYKが、非修飾型のEYYKよりもより高い親和性でこれらのMHCと結合し、コパクソンによって達成される結合に近づくことを示している。関連する構造によってペプチドとMHCの結合の阻害を試験するアッセイ法は、治療ツールとしてMHC阻害の作用機序を説明するために使用されている。規則正しい治療的ペプチドによるMHC-PLPまたはMHC-MOGの結合阻害割合(%)を計算することによって、規則正しいペプチドの免疫調節効果におけるMHC阻害の貢献が評価される。
クラスII分子に結合するペプチドは以下のように測定される。簡単に述べると、APC(抗原提示細胞)は、T細胞(CD52)、マクロファージ(CD45R)およびNK細胞(NKR-P1A)(Pharmingen, San Diego, CA)に特異的な抗体と結合された磁気ビーズ(Dynal, Oslo, Norway)を用いたネガティブ選択によって、脾細胞から精製された。選択の後、平底96ウェルマイクロタイタープレート(Costar, Corning, NY)において、1ウェル当たり0.5×106細胞の濃度で、細胞をプレーティングした。規則正しい治療的ペプチドは阻害剤として使用され、これを0.05mlの容量において異なる濃度(0.01mM〜0.24mMの範囲)でウェルに加えた。37℃で1時間インキュベーションした後、0.01mMのビオチン化されたMBP、MOGまたはPLPペプチドを加えた。さらに4時間インキュベーションした後、細胞を回収し、細胞表面へのPE-アビジンの結合をFACS(Becton Dickinson, San Jose, CA)によって分析した。規則正しい治療的ペプチド(例えばEYYK)のIC50値を測定するために、0.01mMから0.80mMまでのデータ点を使用して、線形回帰曲線を計算した。
規則正しい治療的ペプチドであるEYYKEYYKEYYK、修飾型の規則正しい治療的ペプチドであるD-Ala-EYYKEYYKEYYK-アミド、またはコパクソンの、PLP p139-151特異的T細胞系の増殖を阻害する能力を、増殖アッセイ法において測定した。グラフ(図4)に示すように、修飾型の規則正しい治療的ペプチドD-Ala EYYKを用いることによって、T細胞増殖は用量依存的に減少し、これは、非修飾型の規則正しいペプチドまたはコパクソンのいずれかによる増殖における減少を超えるものである。本発明は初めて、修飾型の規則正しい治療的ペプチドD-ala EYYKが非修飾型のEYYKよりT細胞増殖をより効果的に阻害することを示した。
実施例3:修飾型の規則正しい治療的ペプチドMBPの調製およびEAEにおける効果
規則正しい治療的ペプチドEYYKEYYKEYYK、修飾型の規則正しい治療的ペプチドD-Ala-EYYKEYYKEYYK-アミド、またはコパクソンの、EAEのラットモデルを治療する効果を試験した。単回用量0.5mgのこれらの各ペプチドをエマルジョンとして脳炎誘発物質(CFA中のMBP 85-99ペプチド)と共に投与した。図5に示すように、結果は、12〜13匹の動物の平均疾患スコアとして示され、驚くべきことに、D-Ala型の規則正しいペプチドが非置換型のものよりも優れていることが証明された。D-ala型は、このモデルにおいてほとんどコパクソンの有効性に達している。
実施例4:規則正しい治療的ペプチドMOGの調製およびEAEにおける効果
実施例3と同様の様式において、単量体または多量体型のいずれかで、規則正しい治療的ペプチドMOGのYREYEYEを調製し、EAEのラットモデルおよびマウスモデルにおいて試験する。さらに、修飾型の規則正しい治療的ペプチドD-ala YREYEYEをEAEのラットモデルおよびマウスモデルの両方で試験する。
実施例5:規則正しい治療的ペプチドPLPの調製およびEAEにおける効果
実施例3と同様の様式において、単量体または多量体型のいずれかで、規則正しい治療的ペプチドPLPのYGKELGEYを調製し、EAEのラットモデルおよびマウスモデルにおいて試験する。さらに、修飾型の規則正しい治療的ペプチドD-ala YGKELGEYをEAEのラットモデルおよびマウスモデルの両方で試験する。
実施例6:規則正しい治療的ペプチド MBPおよびMOGの組み合わせ投与ならびにEAEにおけるそれらの効果
実施例3と同様の様式において、単量体または多量体型のいずれかおよびD-ala修飾型で、修飾型の規則正しい治療的ペプチドD-Ala-EYYKEYYKEYYK-アミド(規則正しい治療的ペプチドMBP)と規則正しい治療的ペプチドMOG YREYEYEの組み合わせを、EAEのラットモデルおよびマウスモデルにおいて試験する。組み合わせについて、2つの規則正しい治療的ペプチドを様々な割合で試験し、および2つの規則正しい治療的ペプチドを1つのより大きなペプチドに融合したものを試験する。
実施例7:修飾型の規則正しい治療的ペプチドMBPはTh2サイトカインを誘導する
MSにおけるコパクソンの効果について提案された機序の1つは、疾患過程の治療に恩典を有するTh2型の抗原特異的T細胞の誘導である。この機構は、不完全フロインドアジュバント(IFA)と共に、コパクソンと脳炎誘発性ペプチドMBP85-99の両方をマウスに免疫化することにより、動物で示された(Aharoni et al. (1997) Proceedings of the National Academy of Sciences USA 94:10821-10826)。約10日後に動物からT細胞を回収し、6週間を超える培養により増殖させて、その後、Cop1特異的T細胞によるサイトカイン産生を測定し、Th2型のサイトカインパターンであることを決定した。
類似のプロトコールにおいて、本発明者らは、D-ala修飾型の規則正しいペプチド、非修飾型の規則正しいペプチド、ならびにCop1およびオバルブミン(OVA)を含む対照ペプチドをマウスに免疫化した。OVAは、免疫化の後、Th1型のT細胞の誘導を引き起こすことが知られている。図6に示されるように、これらの各抗原で刺激したT細胞からの、個体のT細胞系のサイトカイン産生を測定した場合に、T細胞系を免疫化したD-ala修飾型の規則正しいペプチド(D-ala-EYYK)において、IL4およびIL10の産生は増加するが、T細胞系を免疫化した非修飾型の規則正しいペプチド(EYYK)においては増加しない。対照として、Cop1は、予想されるようにこれらの2つのTh2サイトカインの増加を引き起こし、OVAは、予想されるようにこれらのサイトカインの増加を引き起こさなかった。これらのデータは、D-ala修飾型の規則正しいペプチドがTh2誘導を引き起こすことが可能であるが、非修飾型のペプチドはそれができないことを意味している。
規則正しい治療的ペプチドで処置されたラットにおける、EAEの予防を示すグラフである。規則正しい治療的ペプチドMBP(SEQ ID NO:4)EYYKEYYKEYYKは、ルイスラットのEAEの発症を予防する。EAE誘導のための完全フロインドアジュバント中の0.1mgのMBP p85-99のエマルジョンを動物に注射した。10日後、疾患の臨床症状が明らかになった時期に、単回腹腔内用量の規則正しい治療的ペプチドMBP(SEQ ID NO:4)EYYKEYYKEYYK(四角)、(SEQ ID NO:5)KYYKYYKYYKYY(三角)、またはPBS(丸)を投与した。結果は、6匹の動物の群の平均疾患スコアとして示される。 規則正しいペプチドで処置されたEAEを有するラットにおける、再発率の減少を示すグラフである。動物に、完全フロインドアジュバント中の0.1mgのPLP p139-151のエマルジョンを用いてEAEを誘導した(0日目)。マウスを疾患ピーク時に等しい群にランダム化し、EAE誘導後17日目、29日目および36日目に、2つの異なる用量(マウスにつき0.5mgまたはマウスにつき0.05mg)で、EYYKEYYKEYYK(規則正しい治療的ペプチドMBP)またはコパクソンを静脈内、腹腔内、または皮下投与することによって処置した。規則正しい治療的ペプチドMBPおよびコパクソンの両方は、マンニトールに溶解された。結果は、マウス当たりの再発率として示され、規則正しい治療的ペプチドMBPおよびコパクソンは再発率を減少させることが示される。 天然ペプチドによるMHC結合を阻害する規則正しいペプチドを示す表である。規則正しい治療的ペプチドMBP EYYKEYYKEYYK、置換型の規則正しい治療的ペプチドMBP D-Ala-EYYKEYYKEYYK-アミド、またはコパクソンの、マウスもしくはラットMHCと天然ペプチドの結合を阻害する能力を、FACS分析によって測定した。表において、低い平均蛍光強度(MFI)によって示されるように、置換型、D-ala型の規則正しい治療的ペプチドおよびコパクソンは、非D-ala型よりいずれのMHCも効果的に阻害した。 規則正しい治療的ペプチドによるT細胞増殖の阻害を示すグラフである。規則正しい治療的ペプチドMBP(EYYKEYYKEYYK)、置換型の規則正しい治療的ペプチドMBP(D-Ala-EYYKEYYKEYYK-アミド)、またはコパクソンの、PLP p139-151特異的T細胞系の増殖を阻害する能力を、増殖アッセイ法によって測定した。グラフに示すように、置換型、D-Ala型の規則正しい治療的ペプチドMBPを用いることによって、T細胞増殖は用量依存的に減少し、これは、非修飾型の規則正しいペプチドまたはコパクソンのいずれかによるT細胞増殖における減少を超えるものである。 置換型、D-Ala型の規則正しい治療的ペプチドによるEAE誘導の阻害を示すグラフである。EAE誘導のための完全フロインドアジュバント中の0.1mgのMBP p85-99のエマルジョンをルイスラットに注射した。0.5mgの規則正しい治療的ペプチドMBP EYYKEYYKEYYK、置換型の規則正しい治療的ペプチドMBP D-Ala-EYYKEYYKEYYK-アミド、またはコパクソンのいずれかを、脳炎誘発性エマルジョンに混合した。結果は、12〜13匹の動物の平均疾患スコアとして示される。置換型、D-Ala型の規則正しい治療的ペプチドは、非置換型の規則正しい治療的ペプチドよりもEAE誘導をより効果的に阻害した。 修飾型、D-Ala型の規則正しいペプチド、非修飾型の規則正しいペプチド、ならびにCop1およびオバルブミン(OVA)を含む対照ペプチドで免疫化されたマウスに由来するT細胞からのサイトカインの産生を示す。OVAは、免疫化の後、Th1型のT細胞の誘導を引き起こすことが知られている。T細胞系を免疫化したD-ala型の規則正しいペプチド(D-ala-EYYK)において、IL4およびIL10の産生が増加するが、T細胞系を免疫化した非修飾型の規則正しいペプチド(EYYK)においては増加しない。対照として、Cop1は、予想されるようにこれらの2つのTh2サイトカインの増加を引き起こし、OVAは、予想されるようにこれらのサイトカインの増加を引き起こさなかった。これらのデータは、修飾型、D-ala型の規則正しいペプチドがTh2誘導を引き起こすことが可能であるが、非修飾型のペプチドはそれができないことを意味している。

Claims (13)

  1. 規則正しいアミノ酸モチーフ[1E2Y3Y4K]nのアミノ末端にD-アミノ酸を含み、式中nは2〜6である、修飾型の規則正しい治療的ペプチド。
  2. 請求項1記載の修飾型の規則正しい治療的ペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む、製剤。
  3. 式中n=3である、請求項1記載の修飾型の規則正しい治療的ペプチド。
  4. D-アミノ酸がD-アラニンである、請求項3記載の修飾型の規則正しい治療的ペプチド。
  5. モチーフの1番目のアミノ酸がグルタミン酸である、請求項4記載の修飾型の規則正しい治療的ペプチド。
  6. 規則正しい治療的アミノ酸モチーフ[1E2Y3Y4K]nのアミノ末端にD-アミノ酸を含み、式中nは2〜6である、有効量の修飾型の規則正しい治療的ペプチド;および薬学的に許容される担体を含む薬学的製剤を、脱髄性自己免疫性疾患に罹患した患者に投与する段階を含む、脱髄性自己免疫性疾患を処置する方法であって、ここで、脱髄性自己免疫性疾患の臨床症状が緩和される方法。
  7. 脱髄性自己免疫性疾患が多発性硬化症である、請求項6記載の方法。
  8. 修飾型の規則正しい治療的アミノ酸モチーフのアミノ末端におけるD-アミノ酸が、D-アラニンである、請求項6記載の方法。
  9. 式中n=3である、請求項8記載の方法。
  10. モチーフの1番目のアミノ酸がグルタミン酸である、請求項9記載の方法。
  11. 投与が皮下注射を含む、請求項10記載の方法。
  12. 投与が毎日実施される、請求項10記載の方法。
  13. 脱髄性自己免疫性疾患に罹患した患者が、HLA-DR2(DRB1*1501)アレルを有する、請求項10記載の方法。
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