JP4749550B2 - アンドロゲンとしての14β,17α−ヒドロキシメチルアンドロスタン誘導体 - Google Patents

アンドロゲンとしての14β,17α−ヒドロキシメチルアンドロスタン誘導体 Download PDF

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Description

【0001】
本発明はステロイドホルモンの分野に関する。これは比較的に古い分野であり、多くの異なるホルモン活性及び医学的用途を得るために共通のステロイド骨格を非常に多種多様に置換することは公知であり、基本的な構造−活性関係は公知であると認められる。驚くことに、この十分に研究されている分野において、完全に新規な発見から本発明が導き出され、本発明により新規なアンドロゲンが提供される。
【0002】
テストステロンやエストラジオールのような天然のステロイドホルモンは14α及び17βの配置を有する。本発明は、反対の配置、すなわち14β,17αで特徴付けられる新規ステロイドの予期せぬ知見に基づく。本発明のステロイドは(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)ステロイドであり、これらは共通してアンドロゲン活性を有することが判明した。前記化合物の医学的用途は当業界で今まで知られていなかった。前記化合物はアンドロステロンの部分合成における中間体としてのみ開示されている。Barton,D.H.ら,J.Chem.Soc.,No.6,2698−2706(1957)及びDa Silva Compos Neves,A.,Chemical Abstracts,53,No. 12,abstract No. 1442a(1959)を参照されたい。
【0003】
よって、本発明は医薬品として使用するための前記ステロイドに関する。本発明は、1つ以上の前記ステロイドを医薬的に許容され得る助剤と共に含む医薬組成物にも関する。ただし、ステロイド骨格の炭素原子No.11は置換基として単素環式または複素環式アシル基を有していない。後者のディスクレマーは欧州特許出願公開第2770676号明細書の開示に基づく。この開示は、11−アリール置換基を有する抗プロゲスタゲンに関し、該化合物は抗プロゲスタゲン活性を有するステロイドの代表例である。また、2つの実施例では、異なる立体配置を有する2つの化合物の混合物が製造されており、前記混合物中の成分は14β,17α配置を有する化合物である。
【0004】
本発明の化合物は、17−ヒドロキシメチル基を有するという要件及び配置が14β及び17αであるという要件により十分特徴付けられる。換言すると、ステロイド骨格の炭素原子上または置換基上の任意の置換基の正確な種類は本発明において特に重要でない。ステロイド化学の当業者は、実際使用し得る置換基を十分理解している。
【0005】
従来、非天然な14β,17α配置を有するステロイドは有機化学の分野で幾分注目されていたことに留意すべきである。例えば、30年以上前の文献であるCrabbe,P.ら,Can.J.Chem.,46,349(1967)を参照されたい。偶然にも、この文献には、化学中間体として1つの(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)ステロイド、すなわち20−ヒドロキシ−14β,17α−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オンが記載されている。また、化合物そのものとして公知の他の(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)ステロイド類は、(3β,5α,14β,17α)−プレグナ−3,20−ジオール及び(3β,14β,17α)−プレグナ−5,9(11)−ジエン−3,20−ジオール(Shoppee,CWら,Helv.Chim.Acta,27,246(1944)及びJ.Chem.Soc.,3610(1962)参照)、及び(14β,17α)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン(Crabbe,Pら,Can.J.Chem.,46,349(1968)参照)である。本発明が化合物に関する限り、本発明ではこれらの公知化合物を請求の範囲から排除している。この発明は、また5α,14β,17α−プレグナン−3β,17,20−トリオール3,20−ジアセテート(CHEM.BULL.Vol.16,No.11,1968,PP.2223−2227)を差し控える。
【0006】
本発明は、特に下記構造式を有するステロイド、またはその医薬的に許容され得る塩またはエステル、プロドラッグ及び前駆体に関する。
【0007】
【化4】
Figure 0004749550
上記式中、
はO、(H,H)、(H,OR)またはNORであり、ここでRは水素、C1−6アルキルまたはC1−6アシルであり、
は水素、C1−6アルキルまたはハロゲンであり、
は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、
は水素、ハロゲンまたはシアノであるか、またはRは任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、
は水素またはC1−6アルキルであり、
は水素、C1−6アルコキシまたはハロゲンであるか、またはRは任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルキリデンまたはC2−6アルケニリデンであり、
は水素またはC1−6アルキルであり、
はC1−6アルキルであり、
は水素、ハロゲンまたはシアノであるか、またはRは任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、
10は水素、C1−6アルコキシ、ハロゲンまたはシアノであるか、またはR10は任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであるか、またはR10はR11及びそれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロパン環を形成し、
11は水素、C1−6アルコキシ、ハロゲンまたはシアノであるか、またはR11は任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであるか、またはR11はR10及びそれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロパン環を形成し、
12は水素、ヒドロキシ、ハロゲンまたはシアノであるか、またはR12は任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、
13及びR14は独立して水素、シアノ、または任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルまたはハロゲンで置換されたフェニルであるか、またはR13及びR14は独立して任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、フェニル、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、C5−6シクロアルケニルまたはC2−6アルキニルであるか、またはR13及びR14はそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルカン環またはC5−6シクロアルケン環を形成し、
15は水素、SOH、C1−6アルキルまたはC1−15アシルであり、
点線は任意の結合を示す。
【0008】
式Iの定義に使用されている用語「C1−6アルキル」は1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシルである。同様に、用語「C1−4アルキル」は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。好ましいアルキル基は1〜4個の炭素原子を有し、最も好ましいアルキル基はメチル及びエチルである。
【0009】
用語「C2−6アルケニル」は少なくとも1個の二重結合及び2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルケニル基を意味する。好ましいアルケニル基は2〜4個の炭素原子を有し、例えばビニル及びプロペニルである。
【0010】
用語「C2−6アルキニル」は少なくとも1個の三重結合及び2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキニル基を意味する。好ましいアルキニル基は2〜4個の炭素原子を有し、例えばエチニル及びプロピニルである。
【0011】
用語「C1−6アルキリデン」は1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキリデン基を意味する。好ましいアルキリデン基は1〜4個の炭素原子を有し、最も好ましくはメチレンである。
【0012】
用語「C2−6アルケニリデン」は2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルケニリデン基を意味する。好ましいアルケニリデン基は2〜4個の炭素原子を有し、例えばエチニリデンである。
【0013】
用語「C3−6シクロアルキル」または「C3−6シクロアルカン環」は3〜6個の炭素原子を有するシクロアルカン環を意味し、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン及びシクロヘキサンである。
【0014】
用語「C5−6シクロアルケニル」または「C5−6シクロアルケン環」は少なくとも1個の二重結合及び5または6個の炭素原子を有するシクロアルケン環を意味する。
【0015】
用語「C1−6アルコキシ」は1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルオキシ基を意味し、例えばメチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキキシ、ペンチルオキキシ及びヘキシルオキシである。同様に、用語「C1−4アルコキシ」は1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルオキシ基を意味する。好ましいアルキルオキシ基は1〜4個の炭素原子を有し、最も好ましいアルキルオキシ基はメチルオキシである。
【0016】
用語「C1−15アシル」は1〜15個の炭素原子を有するカルボン酸から誘導されるアシル基を意味し、例えばホルミル、アセチル、プロパノイル、ブチリル、2−メチルプロパノイル、ペンタノイル、ピバロイル、ヘキサノイル等である。C1−15アシルの定義には、[C3−6シクロアルキル]カルボニル、[C5−6シクロアルケニル]カルボニル、ベンゾイル、[[C1−12アルキル]C3−6シクロアルキル]カルボニル、[[C2−12アルケニル]C3−6シクロアルキル]カルボニル、[[C2−12アルキニル]C3−6シクロアルキル]カルボニル、[[C1−10アルキル]C5−6シクロアルケニル]カルボニル、[[C2−10アルケニル]C5−6シクロアルケニル]カルボニル、[[C2−10アルキニル]C5−6シクロアルケニル]カルボニル、C1−9アルキルベンゾイル、C2−9アルケニルベンゾイル、C2−9アルキニルベンゾイルも含まれる。C1−15アシルの定義には、ジカルボン酸から誘導されるアシル基、例えばヘミ−マロイル、ヘミ−スクシノイル、ヘミ−グルタロイル等も含まれる。好ましくはヘミ−スクシノイルである。
【0017】
用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。ハロゲンがR、R、R、R〜R14の定義のようにアルキル基の置換基であるときには、Cl及びFが好ましく、Fが最も好ましい。
【0018】
本発明の(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)ステロイド誘導体は天然の配置5α、8β、9α、10β、13βを有すると理解されたい。
【0019】
本発明の(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)ステロイド誘導体は天然の配置5α、8β、9α、10β、13βを有し、1つ以上の追加のキラル炭素原子をも有する。従って、前記化合物は純粋なジアステレオマーとして、またはジアステレオマー混合物として得られ得る。純粋なジアステレオマーの入手方法は当業界で公知であり、例えば結晶化またはクロマトグラフィーである。
【0020】
治療に使用するためには、式Iを有する化合物の塩は医薬的に許容され得る対イオンを有するものである。しかしながら、式Iを有する酸の塩、すなわちRが(H,OSOH)またはR15がSOHである化合物は例えば医薬的に許容され得る化合物の製造または精製において使用され得る。医薬的に許容され得るかに関係なく、すべての塩が本発明の範囲に包含される。本発明の酸の塩としては、無機塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)及び有機塩基(例えば、アンモニア、イミダゾール、エチレンジアミン、トリエチルアミン等)から誘導される塩が例示される。
【0021】
包括的に上記した本発明の化合物は予期せぬアンドロゲン活性を有する。アンドロゲン活性は各種方法で測定することができる。例えば、アンドロゲン活性は、ヒト乳ガン細胞(MCF−7細胞系)由来の細胞質アンドロゲン受容体を用いてインビトロで測定することができる。Bergink,E.W.ら,インビトロ及びインビボ条件下でのナンドロロン及びテストステロンの受容体結合性の比較(Comparison of the receptor binding properties of nandrolone and testosterone under in vitro and in vivo conditions),J.Steroid Biochem.,22,831−836(1985)参照。ヒトアンドロゲン受容体をトランスフェクトしたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を使用し(インキュベーション時間16時間、温度4℃)、(Bergink,E.W.ら,J.Steroid Biochem.,19,1563−1570(1980)に記載されている方法に従って)5α−ジヒドロテストステロンの親和性と比較することができる。本発明の化合物の転写促進アンドロゲン活性は、例えばヒトアンドロゲン受容体(hAR)及びマウス乳房腫瘍ウイルス(MMTV)及びルシフェラーゼ受容体遺伝子をトランスフェクトしたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において測定し得(インキュベーション時間16時間、温度37℃)、(Schoonen,W.G.E.J.ら,Analyt.Biochem.,261,222−224(1998)に記載されている方法に従って)5α−ジヒドロテストステロンの活性と比較し得る。アンドロゲン活性をインビトロで測定するためには、古典的なHershbergerテストを使用することができる。このテストでは、化合物のアンドロゲン活性(前立腺重量の増加)及び同化活性(挙筋抗(MLA)の増加)を7日間毎日投与後に未熟去勢ラットにおいて試験する。Hershberger,L.G.ら,改変挙筋抗筋肉法で測定した19−ノルテストステロン及び他のステロイド類の筋増量活性(Myotrophic activity of 19-Nortestosterone and other steroids determined by modified levator anti muscle method),Proceedings of the society for experimental biology and medicine,83,175−180(1953)参照。更に、アンドロゲン化合物のLH抑制に対する効果は、成熟去勢ラットにおいてKumar,N.ら,7α−メチル−19−ノルテストステロンの生物学的活性は雄生殖管においてテストステロンの活性ほど増幅しない(The biological activity of 7 alpha-methyl-19-nortestosterone is not amplified in male reproductive tract as is that of testosterone),Endocrinology,130,3677−3683(1992)に従って試験し得る。
【0022】
比較的高いアンドロゲン活性を示す本発明化合物が好ましい。従って、本発明の化合物は、上記構造式中、RがOであり;R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR14がすべて水素であり;RがHまたはメチルであり;Rがメチルであり;R13が水素、または炭素原子No,20の配置がSであるときにはC1−2アルキルであり;R15がHまたはC1−15アシルであり;二重結合が炭素原子No.4とNo.5の間に存在し、任意に炭素原子No.9とNo.10の間に存在する化合物である。
【0023】
本発明の(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)ステロイドは、アンドロゲンホルモンとして特に男性避妊または男性HRT(ホルモン補充療法)において使用され得る。すなわち、例えば男性避妊では、避妊効果を達成するように働くプロゲスタゲン及び低下したテストステロンレベルを高めるように働くアンドロゲンの両ホルモンを投与することを含み得る。或いは、男性避妊をアンドロゲンホルモンのみを投与して実施する。アンドロゲンは部分的にアンドロゲンが欠乏している加齢男性に対してアンドロゲンを補充するために使用され得る。男性に使用した後に、本発明のアンドロゲンを女性に、例えば閉経後女性においてアンドロゲン補充療法として使用することもできる。
【0024】
また、本発明は、本発明のステロイド化合物を一般教書Gennaroら,Remmington’s Pharmaceutical Scieneces,18版,Mack Publishing Company(1990年)発行(特に8部:医薬製剤及びその製造(Pharmaceutical Preparations and Their Manufacture)参照)に記載されているような医薬的に許容され得る助剤と混合して含む医薬組成物に関する。本発明のステロイド化合物と医薬的に許容され得る助剤の混合物をピル剤、錠剤のような固体剤型に圧縮し得、またはカプセル剤または座剤に加工され得る。医薬的に好適な液体を用いて、本発明の化合物は溶液、懸濁液、乳濁液の形態の注射剤として、または点鼻スプレーのようなスプレーとして適用され得る。錠剤のような剤型を調製するために、慣用されている添加剤、例えば充填剤、着色剤、ポリマー結合剤等を使用し得る。通常、活性化合物の機能を干渉しない医薬的に許容され得る添加剤が使用され得る。本発明のステロイド化合物はインプラント、膣リング、パッチ、ゲルや他の徐放性製剤中に配合し得る。
【0025】
投与し得る組成物中の好適な担体には、適量使用されるラクトーン、スターチ、セルロース誘導体等、またはその混合物が含まれる。
【0026】
更に、本発明は、アンドロゲン欠乏症の治療、例えば男性または女性HRT(ホルモン補充療法)における医薬品の製造のための本発明のステロイド化合物の使用に関する。従って、本発明は、男性または女性HRTの分野の治療方法をも包含し、その方法はアンドロゲン欠乏状態の男性または女性に対して(適当な剤型で)上記した化合物を投与することを含む。
【0027】
更に、本発明は、避妊活性を有する医薬品(当業界では「避妊薬」という用語も使用されている)の製造のための本発明のステロイド化合物の使用に関する。よって、本発明は避妊の医学的適応症、すなわち避妊方法にも関し、その方法は男性、好ましくはヒト男性に対して(適当な剤型で)上記した化合物を任意にプロゲストロンと併用して投与することを含む。
【0028】
本発明のアンドロゲンは、男性避妊用キット中にも使用され得る。前記キットは1つ以上のアンドロゲンのみから構成され得るが、プロゲスタゲン投与手段及びアンドロゲン投与手段を含むことが好ましい。後者のアンドロゲン投与手段は上記した本発明化合物及び医薬的に許容され得る担体からなる。
【0029】
本発明はまた、アンドロゲン補充を要する(特にヒトの)男性または女性に治療有効量の上記した(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)ステロイドを投与することを含む治療方法に関する。これは、プロゲスタゲンのような不妊薬の投与を含む男性避妊の結果としてアンドロゲンの補充が必要かどうかに左右されない。
【0030】
更に、本発明は、稔性男性、特にヒト男性に対して避妊有効に十分な用量及びレジメで上記した(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)ステロイドを投与することを含む避妊方法に関する。或いは、本発明が提供する避妊方法は、稔性男性、特にヒト男性に対して不妊薬(例えば、プロゲスタゲン)及び上記した(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)ステロイドの避妊上有効な組合せを投与することを含む。
【0031】
本発明化合物は、包括的に有機化学の分野、特にステロイド化学の分野(例えば、Fried,J.ら,ステロイド化学の有機反応(Organic Reactions in Steroid Chemistry),第I巻及び第II巻、ニューヨークに所在のVan Nostrand Reinhold Company(1972年)発行参照)で公知の各種方法により製造され得る。C−14の立体化学が逆であり(14β−配置)、(置換)17α−ヒドロキシメチル基を有するステロイドを合成することが重要である。
【0032】
式I(式中、Rはオキソであり、R、R、R、R10、R11、R12及びR15は水素であり、R、R、R及びRは水素またはC1−6アルキルであり、Rはメチルであり、R13及びR14は前記と同義であり、点線はΔ二重結合を示す)を有する化合物の製造用の便利な出発物質は、例えば一般式II:
【0033】
【化5】
Figure 0004749550
(式中、R、R、R及びRは水素またはC1−6アルキルである)
を有する化合物であり、後者の化合物の合成は文献に記載されているかまたは一般的方法を用いて製造され得る。
【0034】
考えられる合成方法では、最初に式IIの化合物を対応する14β−誘導体に変換させる。3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンを環状1,2−エタンジイルアセタールに変換し得、次いでこれを臭素化すると(16α)−16−ブロモ−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール誘導体が得られる。臭素化は三臭化ピリジニウム、三臭化フェニルトリメチルアンモニウムまたは当業界で公知の他の臭素化剤(Rasmusson,G.H.ら,Steroids,22,107(1973))を用いて実施され得る。16α−ブロモ化合物をキシレンまたはジメチルスルホキシド中で塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシド)と反応させると該16α−ブロモ化合物は脱臭化水素化されて、Δ15化合物が得られる(Johnson,W.S.ら,J.Am.Chem.Soc.,79,2005(1957)、Poirier,D.ら,Tetrahedron,47,7751(1991))。エチレンケタールを温和な加水分解にかけると、例えばアセトン及び水の混合物中でp−トルエンスルホン酸で処理すると(上掲Johnson)、3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン誘導体が生じ、次いでこの誘導体を無水酢酸、酢酸イソプロピルまたは他のアセチル化剤(上掲Rasmusson、Bull,J.ら,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I,241(1990))との酸触媒反応にかけると3−メトキシエストラ−1,3,5(10),14,16−ペンタエン−17−オールアセテートに変換される。前記アセテートをホウ水素化ナトリウムまたは他の還元剤(上掲Rasmusson)で処理すると、(17β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オール誘導体が形成される。Δ14二重結合は例えば活性炭担持パラジウムを用いて水素化され(Schubert,G.ら,Z.Chem.,23,410(1983))、その後生じた(14β,17β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オール誘導体を酸化すると(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン誘導体が形成される(酸化については、Hudlicky,M.,有機化学の酸化(Oxidations in Organic Chemistry),ワシントン・ディー・シーに所在のACS Monograph 186(1990年)発行参照)。3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン誘導体を酸触媒異性化反応にかけると、(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン及び3−メトキシエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オン誘導体の混合物が生じ得、この混合物は上記したようにして(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン誘導体に水素化され得る。或いは、前記混合物を分離し、その後(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン誘導体を1,4−還元することにより(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンに変換することもできる。
【0035】
(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン誘導体は、以下のようにしても製造され得る。3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン誘導体を直接、例えばベンゼン/メタノール中で臭化銅(II)と反応させることにより(Segaloffら,Steroids,22,99(1973))、または対応するエノールアセテートを臭素と反応させることにより臭素化すると(上掲Johnson)、16α−ブロモケトン誘導体が得られる。例えばLiBr/LiCO/DMF(上掲Bull)と反応させることにより脱臭化水素化すると、通常(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン及び3−メトキシエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オン誘導体の混合物が生じ、この混合物はその後上記のように処理され得る。
【0036】
Δ15二重結合を導入するための別の方法は、3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンの対応するエノールシリルエーテルまたはエノールアセテートへの変換及びパラジウム(II)塩との反応(Bull,J.R.ら,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I,1269(1996)、Takahashi,T.ら,Tetrahedron,41,5747(1985))、またはエノラートと2−ピリジンスルフィン酸メチルとの反応(Dionne,P.ら,Steroids,62,674(1997))を含む。
【0037】
こうして得た(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン誘導体は(14β,17α)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール誘導体に変換され得る。17−オキソの17α−CHOHへの変換は幾つかの方法により実施され得る:
(a) 1:(14β)−3−メトキシ−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン誘導体へのウィッティッヒまたはPeterson反応(Maercker,A.,Org.Reactions,14,p.270,ニューヨーク、Wiley(1965年)発行、Ager,D.J.,Org.Reactions,38,p.1,ニューヨーク、Wiley(1990年)発行)。2:例えば9−BNN、ジシアミルボランまたはテキシルボランを用いる臭化水素化(例えば、Zweifel.G.ら,Org.Reaction,13,p.1,ニューヨーク、Wiley(1963年)発行参照)、これにより(14β,17α)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール誘導体が生ずる。
【0038】
(b) 1:例えばヨウ化トリメチルスルホニウム/n−BuLiとの反応による17−ケトンの(14β,17α)−3−メトキシスピロエストラ−1,3,5(10)−トリエン[17,2’]オキシランへの変換(Corey,E.J.ら,J.Am.Chem.Soc.,87,1353(1965))。2:17α−オキシランの17α−ホルミルへの(ルイス)酸触媒異性化反応(Rickborn,B.,包括的な有機合成(Comprehensive Organic Synthesis),vol.3,p.733,ニューヨーク、オックスフォードに所在のPergamon Press(1991年)発行)。3:17α−ホルミルの17α−CHOHへの還元。
【0039】
(c) 1:17−ケトンの17−メチレン化合物への変換。2:例えばm−クロロ過安息香酸のようなペルオキシ酸を用いる(14β,17α)−及び/または(14β,17β)−3−メトキシスピロエストラ−1,3,5(10)−トリエン[17,2’]オキシランへのエポキシ化。3:(b)に記載した17−オキシランの17−ホルミルへの(ルイス)酸触媒異性化反応。4:17α−ホルミルの17α−CHOHへの還元。
【0040】
(d) 1:(b)及び(c)に記載した17−ケトンの17α−または17β−オキシランへの変換。2:(例えばNaBHCN/BF・ETOを用いる;Tone,H.ら,Tetrahedron Lett.,28,4569(1987)参照)17−メタノールステロイドへのルイス酸触媒還元。
【0041】
(e) 1:トシルメチルイソシアニド(TosMIC;Bull,J.R.ら,Tetrahedron,31,2151(1975)参照)との反応による17−ケトンの17−シアノステロイドへの反応。2:水素化ジイソブチルアルミニウムによるシアノ基のホルミルへの還元。3:17−ホルミルの17−CHOHへの還元。
【0042】
(f) 1:(Ph)P=CHOMeによるウィッティッヒ縮合。2:生じたエノールエーテルの加水分解。3:17−ホルミルの17−CHOHへの還元。
【0043】
(g) 1:(b)及び(c)に記載の17−ケトンの17α−または17β−オキシランへの変換。2:(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−17−メタノール誘導体への除去。3:Δ16二重結合の水素化。
【0044】
(h) 1:17−ケトンの対応エノールトリフレートへの変換(例えば、Cacchi,S.ら,Tetrahedron Lett.,25,4821(1984)参照)。2:後者のアルキル(14β)−3−メチルエストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−17−カルボキシレートへのパラジウム触媒アルコキシカルボニル化(Cacchi,S.ら,Tetrahedron Lett.,26,1109(1985))。3:後者の対応(14β)−3−メチルエストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−17−メタノール誘導体への還元。4:Δ16二重結合の水素化。
【0045】
(i) 1:(h)に記載の17−ケトンの(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−17−カルボキン酸アルキルへの変換。2:例えば水素化または液体アンモニア中でのリチウムまたはナトリウムによる(14β,17α)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボン酸アルキル誘導体への1,4−還元。3:エステルの17−CHOHへの還元。
【0046】
上記方法の幾つか(a、b、c、e、g)により、17α−CHOH異性体が立体選択的に形成される。他の方法(d、f、h、i)により混合物が生じ得、この混合物はクロマトグラフィーまたは結晶化により分離され得る。
【0047】
こうして得た(14β,17α)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール誘導体をバーチ還元し(Caine,D.ら,Org.Reactions,23,p.1,ニューヨーク、Wiley(1976年)発行)、次いで生じた(14β,17α)−3−メトキシエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール誘導体を水素化すると、本発明の(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン誘導体が得られる。
【0048】
任意に、(14β,17α)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール誘導体は上記したように対応の17−カルボキサルデヒドに酸化され得る。前記アルデヒドを式R13M(式中、R13は水素を除き前記と同義であり、R13中に存在する官能基は適当に保護されており、MはLi、Na、K、MgX、ZnX、CeX、SiRまたはSnRである)の(有機金属)化合物と反応させると、通常C−20エピマーの混合物である(14β,17α)−3−メトキシ−17−(CHR13OH)エストラ−1,3,5(10)−トリエンが生ずる。上記したようにバーチ還元し、加水分解後に後者の化合物は分離され得、なお存在する保護基を除去すると、本発明の(14β,17α)−17−(CHR13OH)エストラ−4−エン−3−オン誘導体(式中、R13は水素を除き前記と同義である)が得られる。
【0049】
任意に、(14β,17α)−3−メトキシ−17−(CHR13OH)エストラ−1,3,5(10)−トリエンを上記したように酸化すると、20−ケトンが得られ得、次いでこのケトンを式R14M(式中、R14は水素を除き前記と同義であり、R14中に存在する官能基は適当に保護されており、Mは前記と同義である)の(有機金属)化合物と反応させ得る。この場合、バーチ還元し、加水分解し、なお存在する保護基を除去すると、本発明の(14β,17α)−17−(CR1314OH)エストラ−4−エン−3−オン誘導体(式中、R13及びR14は水素を除き前記と同義である)が得られる。この方法は、本発明化合物(式中、R13及びR14はそれらが存在する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキル環またはC5−6シクロアルケニル環を形成している)を製造するためにも使用され得る。
【0050】
任意に、20−ケトンはLiAlH、NaBHまたは他の還元剤との反応により還元され得る。この場合、C−20の立体化学が逆の(14β,17α)−17−(CHR13OH)エストラ−4−エン−3−オン誘導体が得られる。
【0051】
任意に、(14β,17α)−3−メトキシエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール誘導体、すなわちバーチ還元後に得られる生成物は上記したように対応する17−カルボキサルデヒドに酸化され得る。上記した式R13Mの化合物と反応させ、加水分解すると、上記した本発明の(14β,17α)−17−(CHR13OH)エストラ−4−エン−3−オン誘導体が得られる。この反応順序により、置換基R13を導入し得、バーチ還元に耐えないであろう置換基R14をも導入し得る。
【0052】
任意に、(14β,17α)−3−メトキシエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール誘導体はまた、酸化、R13Mとの反応等の前により安定な系、例えば(14β,17α)−3,3−ジメトキシエストラ−5(10)−エン−17−メタノール誘導体または(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン環状1,2−エタンジイル(ジチオ)アセタール誘導体に変換され得る。
【0053】
(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−7−オン誘導体を例えば臭化エチルトリフェニルホスホニウムとウィッティッヒ反応すると、主に(17Z)−エチリデン誘導体が生じ、これをヒドロホウ素化すると(14β,17α,20R)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール誘導体が生ずる。その後、バーチ還元し、加水分解すると、本発明の(14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン誘導体(R13=CH)が得られる。一方、例えばトリエチルホスホノアセテートを用いてウィッティッヒ−ホルナー反応させると、(14β,17E)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−1,3,5(10),17(20)−テトラエン−21−オン酸エチルが生じ、これは当業界で公知の方法により(14β,17E)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−1,3,5(10),17(20)−テトラエンが生じ、これをヒドロホウ素化すると(14β,17α,20S)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール誘導体が生ずる。任意に、20−ヒドロキシ化合物にヒドロホウ素化する前に、前記(14β,17E)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−1,3,5(10),17(20)−テトラエン−21−オン酸エチルを当業界で公知の方法を用いてホモログ化すると、本発明の(14β,17α,20S)−17−(CHR13OH)エストラ−4−エン−3−オン誘導体(式中、R13は水素を除き前記と同義である)が得られる。ホモログ化方法は当業界で公知である(Mathieu,J.ら,C−C結合の形成(Formation of C-C Bonds),Vol.I〜III,Stuttgartに所在のGeorg Thieme Publishers(1973年)発行)。
【0054】
C−3、C−4、C−6、C−7、C−10、C−11、C−13、C−14、C−15、C−16及びC17に式IIに定義した以外の置換基を有する式Iを有する化合物、またはステロイド核に二重結合を有しないかまたはΔ二重結合以外の二重結合を有する化合物は、以下のようにして製造され得る。
【0055】
が(H,H)、(H,OR)またはNORであり、RがH、C1−6アルキルまたはC1−6アシルである本発明の化合物は、式I(式中、Rはオキソである)の化合物から標準的方法を用いて製造され得る。
【0056】
がC1−6アルキルまたはハロゲンである化合物は、式I(式中、Rは水素である)の化合物から標準的方法により得られる。
【0057】
がC2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルである化合物は、式I(式中、Rは水素である)の化合物から標準的方法により得られる。
【0058】
が水素またはC1−6アルキルを除き上記と同義である化合物は、例えば(7α,17β)−7−エテニル−17−ヒドロキシエストラ−4−エン−3−オンから製造され得、後者の化合物は例えば(17−β)−17−(アセチルオキシ)エストラ−4,6−ジエン−3−オン(SyntexのDE 1143199(1963))にビニルリチウムまたはビニルマグネシウム化合物を銅(I)触媒1,6−付加して製造され得る。(7α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−7−オンへの変換及び7−エテニルからのC−7での官能化及び/または不飽和側鎖の構築は標準的方法を用いて実施される。C−14での立体化学の逆転及びC−17での側鎖の構築は上記したように実施される。バーチ還元及び生じたエストラ−2,5(10)−ジエンの加水分解を含めたC−14での逆転及び2つの側鎖の構築に必要な反応ステップの正確な順序は合成方法に共通する方法により指示される。
【0059】
がメチルである化合物は、例えば(3β)−3−(アセチルオキシ)アンドロスタ−5,14−ジエン−17−オン(Andre,A.F.St.,J,Am,Chem,Soc.,74,5506(1952))から製造され得る。
【0060】
が水素またはC1−6アルキルを除き上記と同義である化合物は、例えば(11α)−11−ヒドロキシ−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(Collins,D.J.ら,Aust.J.Chem.,36,339(1983))、(11β)−11−ヒドロキシ−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(Choe,Y.S.ら,J.Med.Chem.,38,816(1995))、(11β)−11−(ヒドロキシメチル)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(van den Broek,A.J.ら,Steroid,30,481(1977))、または3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−11,17−ジオン環状17−(1,2−エタンジイルアセタール)(van den Broek,A.J.ら,Recl.Trav.Chim.Pays−Bas,94,35(1975))から得ることができる。本発明の11−置換化合物の製造に必要な反応ステップの正確な順序も、合成方法に共通の方法により指示される。
【0061】
がエチルである化合物は、例えば13−エチルゴナ−4−エン−3,17−ジオン(Brito,M.ら,Synth.Comm.,26,623(1996))から製造され得る。
【0062】
14β−置換化合物は、(17β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オール誘導体を14−置換(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン化合物に変換し得るBullの方法(Bull,J.R.ら,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I,37(1987))を多少改変することにより得ることができる。後者の化合物は、上記した方法により本発明化合物に変換され得る。
【0063】
15−置換化合物は以下のようにして製造され得る。(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン誘導体に式R10M(式中、R10は上記と同義であり、R10中に存在する官能基は適当に保護されており、Mは上記と同義である)の(有機金属)化合物を共役付加すると、C−15が置換されている(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン誘導体が生じ、次いでこの誘導体は上記のようにしてC−15が置換されている本発明の(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン誘導体に変換され得る。
【0064】
16−置換化合物は、(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン誘導体のC−16をアルキル化することにより得られ得、通常16−β異性体が主に形成される。任意に、脱プロトン化し、加水分解することにより、C−16の立体化学を逆転することができる。
【0065】
15,16−メチレン誘導体は、(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンをヨウ化トリメチルスルホキソニウム/塩基と反応させて(14β,15β,16β)−3−メトキシ−15,16−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンを生成し、次いで上記のように処理しすることにより得ることができる。
【0066】
式Iを有する17β−置換化合物は、(14β,17α)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−7−カルボン酸アルキルをアルキル化して得ることができる。
【0067】
15がSOH、C1−6アルキルまたはC1−15アシルである本発明の化合物は、式I(式中、R15は水素である)の化合物から当業界で公知の方法を用いて得られる。
【0068】
ステロイド核に不飽和を有さない本発明の化合物は、RがオキソであるΔ化合物から製造される。
【0069】
Δ5(10)二重結合またはΔ4,9ジエン系を有する本発明の化合物は、バーチ還元後に得られるΔ2,5(10)ジエンから製造される。
【0070】
Δ11二重結合を有する化合物は、例えばエストラ−4,11−ジエン−3,17−ジオン(Broess,A.I.A.ら,Steroids,57,514(1992))から製造され得る。
【0071】
Δ15二重結合を有する本発明の化合物は、(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−17−メタノール誘導体から、ヒドロキシ基を例えばtert−ブチルジメチルシリルエーテルとして保護し、Δ16二重結合をヒドロホウ素化して(14β,16β,17α)−17−[[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]メチル]−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−16−オールを生成し、対応する16−ケトンに酸化し、16−オキソをΔ15二重結合に変換し、最後にバーチ還元/加水分解することにより製造され得る。
【0072】
以下、下記実施例に基づいて本発明を更に説明する。
【0073】
(1) 未置換化合物
実施例1
(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン
i) 乾燥トルエン(300ml)及び乾燥ジメチルスルホキシド(24ml)中に臭化メチルトリフェニルホスホニウム(113g)を含む懸濁液にリチウムアミド(6.6g)を添加した。反応混合物を65℃に30分間加熱した。35〜40℃に冷却後、乾燥トルエン(225ml)中に(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン[Johnson,W.S.ら,J.Am.Chem.Soc.,79,2005(1957);30g]を含む溶液を添加し、混合物を60℃で22時間加熱した。次いで、冷却し、水に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。出発物質を完全に変換するために、上記手順を繰り返した。ジエチルエーテルを添加し、濾過することによりトリフェニルホスフィンオキシドを除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにかけると、(14β)−3−メトキシ−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン(26g)が得られた。
【0074】
ii) 乾燥テトラヒドロフラン(105ml)中にボラン−硫化ジメチル複合体(26.6ml)を含む溶液を0℃に冷却した。温度を10℃以下に維持しながら、乾燥テトラヒドロフラン(32ml)中に1,5−シクロオクタジエン(33ml)を含む溶液を45分間で滴下した。混合物を1時間還流加熱した後、13℃に冷却した。テトラヒドロフラン(100ml)中に前ステップで得た生成物(25g)を含む溶液を10分間で添加し、反応混合物を2.5時間還流加熱した後、室温で一晩撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(3M,120ml)を30分で添加した後、過酸化水素水溶液(30%,120ml)を1時間で添加した(T≦50℃)。2時間撹拌後、反応混合物を亜硫酸ナトリウム水溶液(10%,1.75L)に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。磨砕(エタノール/水1:1)すると、(14β,17α)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(23.6g)が得られた。
【0075】
iii) 液体アンモニア(52ml)中にリチウム(0.86g)を含む溶液に−50〜−60℃に冷却し、その溶液に乾燥テトラヒドロフラン(35ml)中の前ステップで得たアルコール(2.0g)を添加した。−50℃で1時間、−40℃で1時間撹拌後、乾燥エタノールを添加し、アンモニアを蒸発させた。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(14β,17α)−3−メトキシエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(2.13g)が得られた。生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0076】
iv) アセトン(12ml)中に前ステップで得たジエン(0.30g)を含む溶液を塩酸(2〜6M,0.6ml)で処理した。室温で0.1〜2時間撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液(1M)で中和し、その後飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。任意に、アセトンを減圧下で蒸発させた。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけ、結晶化すると、(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン(0.21g)が得られた。m.p.=115−118℃。
【0077】
実施例2
(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−5(10)−エン−3−オン
メタノール(3ml)及びテトラヒドロフラン(2.1ml)の混合物中に(14β,17α)−3−メトキシエストラ−2,5(10)ジエン−17−メタノール(実施例1のステップiii;0.30g)を含む溶液を水(1.8ml)中にシュウ酸(0.105g)を含む溶液で処理した。室温で1.5時間撹拌後、反応混合物を水に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−5(10)−エン−3−オン(0.20g)が得られた。H NMR δ 3.77(m,1H)、3.52(t,1H,J=9.0Hz)、2.74(m,2H)、1.09(s,3H)。
【0078】
実施例3
(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン
乾燥ピリジン(47ml)中に(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−5(10)−エン−3−オン(実施例2;1.75g)を含む溶液に三臭化フェニルトリメチルアンモニウム(2.28g)を10分で少しずつ添加した。室温で1.5時間撹拌後、混合物を氷水に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4,9−ジエン−3−オン(0.36g)が得られた。[α] 20=−241゜(c=1,ジオキサン)。
【0079】
(2) 7−置換化合物
実施例4
(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン
i) エタノール(578ml)及びジクロロメタン(414ml)中の(7α,17β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オール[Segaloff,A.ら,Steroids,22,99(1973);86.2g]及び活性炭担持パラジウム(5%,34.5g)の混合物を水素下(3バール)室温で24時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮すると、(7α,14β,17β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オール(83.0g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0080】
ii) アセトン(1,880ml)中に前ステップで得た生成物(37.4g)を含む溶液を0℃に冷却した。温度を10℃以下に維持しながら、ジョーンズ試薬(8M,37.4ml)を滴下した。反応混合物を30分間撹拌した。2−プロパノール(21ml)を添加し、10分間撹拌後反応混合物をジカライトを介して濾過した。濾液を減圧下で部分的に濃縮し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(35.85g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0081】
iii) 臭化メチルトリフェニルホスホニウム(21.8g)、カリウムtert−ブトキシド(5.7g)及び乾燥トルエン(218ml)の混合物を1時間還流加熱した。乾燥トルエン(50ml)中に前ステップで得たケトン(6.07g)を含む溶液を滴下し、加熱を更に1時間続けた。冷却後、反応混合物を水に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチル−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン(5.85g)が得られた。
【0082】
iv) 乾燥テトラヒドロフラン(27ml)中にボラン−硫化ジメチル複合体(5.94ml)を含む溶液を0℃に冷却した。温度を10℃以下に維持しながら、乾燥テトラヒドロフラン(7ml)中に1.5−シクロオクタジエン(7.36ml)を含む溶液を滴下した。混合物を1時間還流加熱した後、室温に冷却した。乾燥テトラヒドロフラン(70ml)中に前ステップで得た生成物(5.85g)を含む溶液を滴下し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、水酸化ナトリウム水溶液(2M,14.75ml)及び過酸化水素水溶液(30%,11.8ml)を順次注意深く(T≦15℃)添加した。2時間撹拌後、反応混合物を水に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をチオ硫酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α)−3−メチル−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(1.60g)が得られた。
【0083】
v) 液体アンモニア(64ml)中にリチウム(1.35g)を含む溶液を還流しながら、そこに乾燥テトラヒドロフラン(15ml)中の前ステップで得たアルコール(1.06g)を添加した。4時間撹拌後、tert−ブタノールを添加し、撹拌を30分間続けた。エタノールを添加し、アンモニアを蒸発させた。混合物を水に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(0.79g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0084】
vi) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得たジエン(0.79g)を(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン(0.36g)に変換した。m.p.=157−159℃。
【0085】
実施例5
(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4,15−ジエン−3−オン
i) 固体炭酸水素ナトリウム(45.5g)を含有するジエチルエーテル(642ml)中に(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチル−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン(実施例4のステップiii;16.05g)を含む溶液にm−クロロ過安息香酸(70〜75%,14.57g)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌した。更にm−クロロ過安息香酸(14.57g)を添加し、撹拌を一晩続けた。反応物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,17β)−3−メトキシ−7−メチルスピロエストラ−1,3,5(10)−トリエン[17,2’]オキシラン(16.88g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0086】
ii) アルミニウムイソプロポキシド(46.88g)を含有する乾燥2−プロパノール(844ml)中に前ステップで得た生成物(16.88g)を含む溶液を3時間還流加熱した。冷却後、飽和酒石酸ナトリウムカリウム4水和物水溶液を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−17−メタノール(8.68g)が得られた。
【0087】
iii) 乾燥ジクロロメタン(9.4ml)中に前ステップで得た生成物(1.50g)及びイミダゾール(3.07g)を含む溶液を塩化t−ブチルジメチルシリル(1.38g)で処理した。室温で2時間撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β)−17−[[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]メチル]−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10),16−テトラエン(2.54g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0088】
iv) 実施例4のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.57g)を(7α,14β,16β,17α)−17−[[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]メチル]−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−16−オール(1.98g)が得られた。
【0089】
v) アセトン(31ml)中に前ステップで得た生成物(1.69g)及び4−メチルモルホリンN−オキシド(1.33g)を含む溶液に過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(0.080g)を添加した。室温で1.5時間撹拌後、反応混合物をジカライト及びシリカを介して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α)−17−[[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]メチル]−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−16−オン(1.02g)が得られた。
【0090】
vi) 乾燥テトラヒドロフラン(2.3ml)中に1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(0.98ml)を含む溶液を0℃に冷却し、この溶液をn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液,2.87ml)で処理した。5分撹拌後、乾燥テトラヒドロフラン(2.3ml)中に前ステップで得た生成物(1.02g)を含む溶液を添加し、撹拌を1時間続けた。N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(2.5g)を添加し、反応混合物を更に2時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α)−17−[[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]メチル]−3−メトキシ−7−メチル−16−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]エストラ]−1,3,5(10),15−テトラエン(0.69g)が得られた。
【0091】
vii) 乾燥ジメチルホルムアミド(7.8ml)中に前ステップで得た生成物(0.69g)を含む溶液を酢酸パラジウム(II)(37.9mg)、トリフェニルホスフィン(89.7ml)、ギ酸(0.322ml)及びジイソプロピルエチルアミン(3.10ml)で処理し、混合物を60℃で30分間加熱した。反応混合物を水に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α)−17−[[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]メチル]−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−15−テトラエン(0.48g)が得られた。
【0092】
viii) 乾燥テトラヒドロフラン(40ml)及び液体アンモニア(90ml)中に前ステップで得た生成物(0.48g)を含む溶液を還流しながら、この溶液にリチウム顆粒(0.80g)を少しずつ添加し、反応混合物を3時間撹拌した。乾燥tert−ブタノール(2ml)を滴下し、撹拌を30分間続けた。エタノールを添加し、アンモニアを蒸発させた。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,17α)−17−[[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]メチル]−3−メトキシ−7−メチルエストラ−2,5(10),15−トリエン(0.51g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0093】
ix) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得たジエン(0.51g)を(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4,15−ジエン−3−オンに変換した。H NMR δ 6.10(dm,1H,J=6.7Hz)、5.83(m,1H)、5.71(dm,1H,J=6.7Hz)、3.75(m,1H)、3.65(m,1H)、1.26(s,3H)、1.11(m,2H)、0.97(t,3H,J=7.1Hz)。
【0094】
実施例6
(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7,14−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン
i) 実施例5のステップiiiに記載されている方法と同様にして、(7α,17β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オール(実施例4のステップi;15.0g)を(7α,17β)−17−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン(21.9g)に変換した。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0095】
ii) 乾燥テトラヒドロフラン(20ml)中に前ステップで得た生成物(19.33g)を含む溶液をボラン−硫化メチル複合体(27ml)で処理し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、テトラヒドロフラン(350ml)で希釈し、0℃に冷却した。水酸化ナトリウム水溶液(2M,125ml)及び水性過酸化水素(30%,80ml)を注意深く順次添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、ブラインに注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,15α,17β)−17−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−オール(7.64g)及び(7α,14β,15β,17β)−17−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−オール(2.43g)が得られた。
【0096】
iiia) 実施例5のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た15α−ヒドロキシ化合物(7.42g)を(7α,17β)−17−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−オン(8.48g)に変換した。
【0097】
iiib) 実施例5のステップvに記載されている方法と同様にして、ステップiiで得た15β−ヒドロキシ化合物(2.23g)を(7α,14β,17β)−17−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−オン(2.20g)に変換した。
【0098】
iv) 乾燥テトラヒドロフラン(68ml)及び乾燥tert−ブタノール(203ml)の混合物中にステップiiia及びiiibの生成物(全部で10.68g)を含む溶液をカリウムtert−ブトキシド(12.6g)で処理し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。ヨードメタン(34ml)を添加し、撹拌を2時間続けた。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β)−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−15−オン(7.67g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0099】
v) 水性水酸化カリウム(20%,18ml)を含有するテトラヒドロフラン(600ml)及びtert−ブタノール(600ml)の混合物中に前ステップで得た生成物(3.77g)を含む溶液を撹拌しながら、この溶液に温度を15〜20℃に維持しながら水性過酸化水素(30%,300ml)を30mlずつ30分間間隔で添加した。反応混合物を一晩撹拌し(15<T<20℃)、その後水とブラインの混合物(1:1)に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブライン、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,16β,17β)−16,17−エポキシ−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−15−オン(3.55g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0100】
vi) 乾燥テトラヒドロフラン(113ml)中に前ステップで得た生成物(5.65g)を含む溶液を0℃に冷却し、この溶液に水素化アルミニウムリチウム(0.565g)を添加した。反応混合物を1時間還流加熱した。冷却後、飽和硫酸ナトリウム水溶液でクエンチした。生じた混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,15β,17β)−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−15,17−ジオール(2.27g)が得られた。
【0101】
vii) 乾燥ピリジン(20.6ml)中に前ステップで得た生成物(1.70g)を含む溶液を0℃に冷却し、この溶液に塩化ベンゾイル(0.60ml)を添加した。反応混合物を0℃で4時間撹拌した。それぞれ2時間及び3時間後に、更に塩化ベンゾイル(0.15ml)を添加した。水を添加し、撹拌を室温で1時間続けた。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,15β,17β)−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−15,17−ジオール−17−ベンゾエート(1.53g)が得られた。
【0102】
viii) 乾燥ジクロロメタン(18ml)及びエチルビニルエーテル(6ml)の混合物中に前ステップで得た生成物(1.31g)を含む溶液にp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.30g)を添加した。室温で2時間撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。生成物をジエチルエーテルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,15β,17β)−15−[(1−エトキシエチル)オキシ]−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オールベンゾエート(1.64g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0103】
ix) テトラヒドロフラン(30ml)中に水素化アルミニウムリチウム(0.50g)を含む懸濁液に、乾燥テトラヒドロフラン(70ml)中に前ステップで得た生成物(1.64g)を含む溶液を滴下した。混合物を30分間撹拌後、反応物を飽和硫酸ナトリウム水溶液を添加してクエンチした。反応混合物をジカライトを介して濾過し、濾液を減圧下で濃縮すると、(7α,14β,15β,17β)−15−[(1−エトキシエチル)オキシ]−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オール(1.50g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0104】
x) 実施例5のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.50g)を(7α,14β,15β)−15−[(1−エトキシエチル)オキシ]−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(1.55g)に変換した。
【0105】
xi) 乾燥テトラヒドロフラン(15ml)及び乾燥2−プロパノール(30ml)の混合物中に前ステップで得た生成物(1.55g)を含む溶液に水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液,0.60g)を添加した。室温で5分間撹拌後、混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。生成物をジエチルエーテルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β)−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン(1.01g)が得られた。
【0106】
xii) ジクロロメタン(18ml)中に前ステップで得た生成物(0.90g)及びトリエチルシラン(1.8ml)を含む溶液を−40℃に冷却した。塩化チタン(IV)(1.0ml)を滴下し、反応混合物を−30℃で30分間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、生成物をジエチルエーテルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β)−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(0.89g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0107】
xiii) 実施例4のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.68g)を(7α,14β)−3−メトキシ−7,14−ジメチル−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン(0.50g)に変換した。
【0108】
xiv) ステップiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.50g)を(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール及び(7α,14β,17β)−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノールの混合物(0.35g,比率1:1)に変換した。
【0109】
xv) 実施例4のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.35g)を(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール及び(7α,14β,17β)−3−メトキシ−7,14−ジメチルエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノールの混合物(0.39g,比率1:1)に変換した。
【0110】
xvi) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.39g)を(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7,14−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン及び(7α,14β,17β)−17−(ヒドロキシメチル)−7,14−ジメチルエストラ−4−エン−3−オンの混合物(0.16g,比率1:1)に変換した。H NMR δ 5.80(m,1H)、3.83(dd,0.5H,J=10.2及び6.0Hz)、3.74(dd,0.5H,J=10.2及び5.6Hz)、3.52(m,1H)、1.01(s,1.5H)、0.97(s,1.5H)、0.93(s,1.5H)、0.91(s,1.5H)、0.80(d,1.5H,J=7.0Hz)、0.78(d,1.5H,J=7.2Hz)。
【0111】
実施例7
(7α,14β,15β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7,15−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン
i) エチレングリコール(8.0ml)及びo−ギ酸トリエチル(14.5ml)の混合物中に(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(実施例4のステップii;5.0g)を含む溶液にp−トルエンスルホン酸(0.248g)を添加した。反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。水を添加し、撹拌を1時間続けた。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(6.14g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0112】
ii) 乾燥テトラヒドロフラン(32ml)中に前ステップで得た生成物(5.41g)を含む溶液に三臭化フェニルトリメチルアンモニウム(4.75g)を添加した。1.5時間撹拌後、混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,16β)−16−ブロモ−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(8.17g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0113】
iii) 乾燥ジメチルスルホキシド(32ml)中に前ステップで得た生成物(8.17g)を含む溶液をカリウムtert−ブトキシド(7.10g)で処理し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。更にカリウムtert−ブトキシド(3.50g)を添加し、反応混合物を更に2時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(5.48g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0114】
iv) アセトン(98ml)及び水(8.2ml)の混合物中に前ステップで得た生成物(5.84g)を含む溶液をp−トルエンスルホン酸(0.283g)で処理し、反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をプラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン(2.90g)が得られた。
【0115】
v) 酢酸銅(II)(0.73g)を含有する乾燥テトラヒドロフラン(107ml)中に前ステップで得た生成物(2.17g)を含む溶液を−20℃に冷却した。塩化メチルマグネシウム(3Mテトラヒドロフラン溶液,18.0ml)を滴下し、反応混合物を1時間撹拌した。次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,15β)−3−メトキシ−7,15−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(2.38g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0116】
vi) 実施例4のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.96g)を(7α,14β,15β)−3−メトキシ−7,15−ジメチル−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン(1.30g)に変換した。
【0117】
vii) 実施例4のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.30g)を(7α,14β,15β,17α)−3−メトキシ−7,15−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(0.93g)に変換した。
【0118】
viii) 実施例4のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.93g)を(7α,14β,15β,17α)−3−メトキシ−7,15−ジメチルエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(0.93g)に変換した。
【0119】
ix) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.93g)を(7α,14β,15β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7,15−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン(0.93g)に変換した。[α] 20=+93.2゜(c=0.56,ジオキサン)。
【0120】
実施例8
(7α,14β,16α,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7,16−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン
i) テトラヒドロフラン(96ml)中にリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(55.5ミリモル)を含む溶液を−40℃に冷却した。乾燥テトラヒドロフラン(66ml)中に(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−7−オン(実施例4のステップii;15.0g)を含む溶液を滴下し、反応混合物を45分間撹拌した。次いで、−30℃で、ヨードメタン(6.3ml)を添加し、撹拌を1時間続けた(−30<T<−20℃)。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,16β)−3−メトキシ−7,16−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(17.33g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0121】
ii) テトラヒドロフラン(45ml)中にリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(29ミリモル)を含む溶液を−40℃に冷却した。乾燥テトラヒドロフラン(24ml)中に前ステップで得た生成物(6.0g)を含む溶液を滴下し、反応混合物を1時間撹拌した。次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,16α)−3−メトキシ−7,16−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(6.82g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0122】
iii) 実施例4のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(5.14g)を(7α,14β,16α)−3−メトキシ−7,16−ジメチル−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン及び(7α,14β,16β)−3−メトキシ−7,16−ジメチル−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン(3.78g,1:1)の混合物に変換した。
【0123】
iv) 実施例4のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(4.56g)を(7α,14β,16α,17α)−3−メトキシ−7,16−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(2.40g)及び(7α,14β,16β,17β)−3−メトキシ−7,16−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(0.70g)に変換した。
【0124】
v) 実施例4のステップvに記載されている方法と同様にして、(7α,14β,16α,17α)−3−メトキシ−7,16−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(2.31g)を(7α,14β,16α,17α)−3−メトキシ−7,16−ジメチルエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(2.41g)に変換した。
【0125】
vi) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(2.41g)を(7α,14β,16α,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7,16−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン(0.92g)に変換した。[α] 20=+64.1゜(c=0.535,ジオキサン)。
【0126】
実施例9
(7α,14β,16β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7,16−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン
i) ジクロロメタン(100ml)中に(7α,14β,16α)−3−メトキシ−7,16−ジメチル−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン及び(7α,14β,16β)−3−メトキシ−7,16−ジメチル−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエンの混合物(実施例8のステップiii;5.85g,比率1:1)の混合物を含む溶液にm−クロロ過安息香酸(70〜75%,1.7g)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌した。m−クロロ過安息香酸(1.7g及び0.64g)をそれぞれ1.5時間及び2.5時間後に添加した。反応物を飽和硫酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、混合物を室温で1時間撹拌した。生成物をジクロロメタンに抽出した。合わせた有機相を水酸化ナトリウム水溶液(10%)及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,16β,17α)−3−メトキシ−7,16−ジメチルスピロエストラ−1,3,5(10)−トリエン−[17,2’]オキシラン及び(7α,14β,16β,17β)−3−メトキシ−7,16−ジメチルスピロエストラ−1,3,5(10)−トリエン−[17,2’]オキシランの混合物が得られた(2.31g,1:1)。
【0127】
ii) 1,4−ジオキサン(44ml)中に前ステップで得た生成物(1.45g)を含む溶液を過塩素酸水溶液(70%,0.29ml)で処理した。反応混合物を室温で45分間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,16β,17α)−3−メトキシ−7,16−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボキサルデヒド(1.42g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0128】
iii) 実施例6のステップixに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.42g)を(7α,14β,16β,17α)−3−メトキシ−7,16−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(0.52g)に変換した。
【0129】
iv) 実施例4のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.80g)を(7α,14β,16β,17α)−3−メトキシ−7,16−ジメチルエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(0.64g)に変換した。
【0130】
v) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.64g)を(7α,14β,16β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7,16−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン(0.22g)に変換した。[α] 20=+101.0(c=0.49,ジオキサン)。
【0131】
実施例10
(7α,14β,15β,16β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチル−15,16−メチレンエストラ−4−エン−3−オン
i) 乾燥ジメチルスルホキシド(115ml)中にヨウ化トリメチルスルホキソニウム(5.57g)を含む懸濁液に水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液,1.15g)を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン(実施例7のステップiv;1.92g)を添加し、撹拌を1.5時間続けた。反応混合物を氷水に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,15β,16β)−3−メトキシ−7−メチル−15,16−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(2.65g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0132】
ii) ヨウ化トリメチルスルホニウム(3.2g)を含有する乾燥ジメチルホルムアミド(58ml)中に前ステップで得た生成物(2.25g)を含む溶液にカリウムtert−ブトキシド(2.56g)を少しづつ添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,15β,16β,17α)−3−メトキシ−7−メチル−15,16−メチレンスピロエストラ−1,3,5(10)−トリエン[17,2’]オキシラン(2.31g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0133】
iii) 実施例9のステップiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(2.31g)を(7α,14β,15β,16β,17α)−3−メトキシ−7−メチル−15,16−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボキサルデヒド(2.27g)に変換した。
【0134】
iv) 実施例6のステップixに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.70g)を(7α,14β,15β,16β,17α)−3−メトキシ−7−メチル−15,16−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(0.38g)に変換した。
【0135】
v) 実施例4のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.38g)を(7α,14β,15β,16β,17α)−3−メトキシ−7−メチル−15,16−メチレンエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(0.36g)に変換した。
【0136】
vi) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.36g)を(7α,14β,15β,16β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチル−15,16−メチレンエストラ−4−エン−3−オン(0.21g)に変換した。[α] 20=+67.6゜(c=0.58,ジオキサン)。
【0137】
実施例11
(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7,17−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン
i) 2倍量のジョーンズ試薬を用い、実施例4のステップiiに記載されている方法と同様にして、(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(実施例4のステップiv;2.0g)を(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボン酸(2.09g)に変換した。
【0138】
ii) 乾燥トルエン(50ml)中に前ステップで得た生成物(2.09g)及び乾燥ピリジン(0.77ml)を含む溶液を5〜10℃に冷却し、この溶液を乾燥トルエン(1ml)中に塩化オキサリル(0.77ml)を含む溶液で処理した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。0〜5℃に冷却後、乾燥メタノール(2.6ml)を滴下し、撹拌を10〜15℃で1.5時間続けた。混合物を氷水に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボン酸メチル(2.30g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0139】
iii) 乾燥テトラヒドロフラン(5ml)中にジイソプロピルアミン(2.38ml)を含む溶液を−70℃に冷却し、この溶液をn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液,8.86ml)で処理した。混合物を0℃に加温し、その後−70℃に冷却した。乾燥テトラヒドロフラン(4ml)中に前ステップで得た生成物(1.94g)を含む溶液を添加し、温度を0℃に上昇させた。−70℃に冷却後、乾燥テトラヒドロフラン(2ml)中にヨードメタン(1.06ml)を含む溶液を滴下した。冷却浴を外し、反応混合物を2時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7,17−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボン酸メチル(2.10g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0140】
iv) 実施例6のステップixに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(2.1g)を(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7,17−ジメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(1.81g)に変換した。
【0141】
v) 乾燥テトラヒドロフラン(40ml)及び液体アンモニア(120ml)中に前ステップで得たアルコール(1.81g)を含む溶液を還流しながら、この溶液にリチウム顆粒(1.16g)を少しずつ添加した。30分撹拌後、乾燥エタノール(10ml)を滴下した。撹拌を30分間続けた。固体塩化アンモニウム(3.5g)を添加し、アンモニアを蒸発させた。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで乾燥し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7,17−ジメチルエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(1.73g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0142】
vi) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.73g)を(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7,17−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン(0.82g)が得られた。m.p.=190−192℃。
【0143】
実施例12
(7α,14β,17α)−17−フルオロ−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン
i) 実施例9のステップiに記載されている方法と同様にして、(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチル−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン(実施例4のステップiii,2.96g)を(7α,14β,17β)−3−メトキシ−7−メチルスピロエストラ−1,3,5(10)−トリエン[17,2’]オキシラン(2.94g)に変換した。
【0144】
ii) 乾燥ジクロロメタン(10ml)中に前ステップで得たエポキシド(0.31g)を含む溶液を0℃に冷却した。フッ化水素−ピリジン(70%HF,0.1ml)を添加し、反応混合物を3時間撹拌した。更にフッ化水素−ピリジン(0.1ml)を添加し、反応混合物を更に3時間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。生成物をジクロロメタンに抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−17−メタノールで汚染された(7α,14β,17β)−17−フルオロ−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(0.12g)が得られた。
【0145】
iii) 乾燥テトラヒドロフラン(5ml)中に前ステップで得た混合物(0.12g)、乾燥ピリジン(0.50ml)及び無水酢酸(0.30ml)を含む溶液を室温で72時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、1時間撹拌後、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α)−17−[(アセチルオキシ)メチル]−17−フルオロ−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン(0.090g)が得られた。
【0146】
iv) 実施例11のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.080g)を(7α,14β,17α)−17−フルオロ−3−メトキシ−7−メチルエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(0.080g)に変換した。
【0147】
v) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.080g)を(7α,14β,17α)−17−フルオロ−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン(0.026g)に変換した。m.p.=145−146℃。
【0148】
実施例13
(7α,14β,17β)−17−ヒドロキシ−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン
i) 水酸化カリウム(4.5g)を含有するtert−ブタノール(70ml)中に(7α,14β,17β)−3−メトキシ−7−メチルスピロエストラ−1,3,5(10)−トリエン[17,2’]オキシラン(実施例12のステップi;0.91g)を含む溶液を一晩還流した。反応混合物を水に注ぎ、水性塩酸(2M)で中和した。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17β)−17−ヒドロキシ−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(0.21g)が得られた。
【0149】
ii) 実施例1のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.21g)を(7α,14β,17β)−17−ヒドロキシ−3−メトキシ−7−メチルエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(0.21g)に変換した。
【0150】
iii) 溶媒としてメタノールを用い、実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.13g)を(7α,14β,17β)−17−ヒドロキシ−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン(0.093g)に変換した。m.p.=163−167℃。
【0151】
実施例14
(7α,14β,17α)−7−エチル−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン
i) 乾燥テトラヒドロフラン(167ml)中の(17β)−17−(アセチルオキシ)エストラ−4,6−ジエン−3−オン[SyntexのDE 1143199(1963);50.0g]、臭化銅(I)−硫化ジメチル複合体(3.18g)、臭化リチウム(1.38g)及びリチウムチオフェノキシド(1Mテトラヒドロフラン溶液16ml)の混合物を−15℃に冷却し、この溶液にテトラヒドロフラン中の塩化ビニルマグネシウム(2M,159.2ml)を滴下した。30分撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を減圧下で濃縮した後、残渣をアセトン(1,000ml)に溶解し、塩酸(4M,100ml)で処理した。室温で30分間撹拌後、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。アセトンの一部を減圧下で除去し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,17β)−17−(アセチルオキシ)−7−エテニルエストラ−4−エン−3−オン(59.4g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0152】
ii) テトラヒドロフラン(833ml)、メタノール(738ml)及び水(238ml)の混合物中に前ステップで得た生成物(59.4g)を含む溶液に粉末水酸化カリウム(26.7g)を添加した。反応混合物を室温で45分間撹拌し、次いで濃塩酸(20ml)で中和した。テトラヒドロフラン及びメタノールを減圧下で除去し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,17β)−7−エテニル−17−ヒドロキシエストラ−4−エン−3−オン(34.46g)が得られた。
【0153】
iii) 前ステップで得た生成物(66.24g)、o−ギ酸トリメチル(80ml)、臭化銅(II)(65.18g)及びメタノール(1,788ml)の混合物を50分間還流加熱した。冷却後、反応混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。生じた溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,17β)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オール(42.90g)が得られた。
【0154】
iv) 実施例5のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(41.1g)を(7α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(38.1g)に変換した。
【0155】
v) 実施例7のステップiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(36.05g)を(7α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(41.37g)に変換した。
【0156】
vi) 実施例7のステップiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(20.0g)を(7α,16α)−16−ブロモ−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(28.05g)に変換した。
【0157】
vii) 実施例7のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(28.05g)を(7α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(13.93g)に変換した。
【0158】
viii) 実施例7のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(31.47g)を(7α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン(23.92g)に変換した。
【0159】
ix) トルエン(970ml)中に前ステップで得たケトン(23.92g)及びp−トルエンスルホン酸(13.5g)を含む溶液を15分間還流加熱した。冷却後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オン(14.9g)及び(7α,14β)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン(7.32g)が得られた。
【0160】
x) テトラヒドロフラン(161ml)、エタノール(161ml)及び水(26.4ml)の混合物中に(7α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オン(8.72g)を含む溶液にホウ水素化ナトリウム(8.54g)を添加した。反応混合物を室温で50分間撹拌した後、水に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オール(8.45g)が得られた。
【0161】
xi) Pd/C10%を用い、実施例4のステップiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(4.0g)を(7α,14β,17β)−7−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オール(3.57g)に変換した。
【0162】
xii) 実施例5のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(3.57g)を(7α,14β)−7−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オール(2.65g)に変換した。
【0163】
xiii) 実施例4のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.90g)を(7α,14β)−7−エチル−3−メトキシ−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン(2.39g)に変換した。
【0164】
xiv) 実施例4のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(2.39g)を(7α,14β,17α)−7−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(2.67g)に変換した。
【0165】
xv) 実施例4のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(2.67g)を(7α,14β,17α)−7−エチル−3−メトキシエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(2.15g)に変換した。
【0166】
xvi) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(2.15g)を(7α,14β,17α)−7−エチル−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン(0.60g)に変換した。[α] 20=+68゜(c=0.50,ジオキサン)。
【0167】
実施例15
(7α,14β,17α)−7−エテニル−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン
i) 実施例6のステップxiiに記載されている方法と同様にして、(7α,14β)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン(実施例14のステップix;3.18g)を(7α,14β,17α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オール(2.02g)に変換した。
【0168】
ii) 実施例5のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(2.79g)を(7α,14β)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(2.44g)に変換した。
【0169】
iii) ジメトキシエタン(17ml)中に前ステップで得た生成物(2.10g)を含む溶液にtert−ブタノール(68ml)中にカリウムtert−ブトキシド(7.57g)を含む溶液を添加した。乾燥ジメトキシエタン(34ml)中にイソシアン化トシルメチル(TosMIC,2.64g)を含む溶液を1.5時間で添加し、反応混合物を2時間撹拌した。次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボニトリル(1.91g)が得られた。
【0170】
iv) 温度を20℃以下に維持しながら、乾燥トルエン(28ml)中に前ステップで得た生成物(1.81g)を含む溶液に水素化ジイソブチルアルミニウム(20%トルエン溶液27.4ml)を添加した。反応混合物を50分間撹拌した後、水性酢酸(20%)でクエンチした。生じた混合物を濾過し、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(7α,14β,17α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボキサルデヒド(1.87g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0171】
v) 実施例6のステップixに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.87g)を(7α,14β,17α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(0.72g)に変換した。
【0172】
vi) 実施例4のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.72g)を(7α,14β,17α)−7−エテニル−3−メトキシエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(0.71g)に変換した。
【0173】
vii) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.71g)を(7α,14β,17α)−7−エテニル−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン(0.095g)に変換した。[α] 20=−5.3゜(c=0.75,ジオキサン)。
【0174】
(3) 7,20−置換化合物
実施例16
(7α,14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン(a)及び(7α,14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン(b)
i) 酢酸ナトリウム(8.85g)及びシリカ(17.7g)を含有するジクロロメタン(295ml)中に(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(実施例4のステップiv;5.90g)を含む溶液にクロロクロム酸ピリジニウム(10.1g)を添加した。室温で3時間撹拌後、反応混合物をジカライトを介して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボキサルデヒド(4.16g)が得られた。
【0175】
ii) 乾燥テトラヒドロフラン(42ml)中に前ステップで得たアルデヒド(1.40g)を含む溶液を0℃に冷却し、この溶液に塩化メチルマグネシウム(3Mテトラヒドロフラン溶液,1.65ml)を滴下した。30分間撹拌後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α,20S)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール(0.53g)及び(7α,14β,17α,20R)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール(0.40g)が得られた。
【0176】
iiia) 実施例11のステップvに記載されている方法と同様にして、(7α,14β,17α,20S)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール(0.53g)を(7α,14β,17α,20S)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オール(0.50g)に変換した。
【0177】
iiib) 上に記載されている方法と同様にして、(7α,14β,17α,20R)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール(0.40g)を(7α,14β,17α,20R)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オール(0.39g)に変換した。
【0178】
iva) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、(7α,14β,17α,20S)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オール(0.50g)を(7α,14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン(0.22g)に変換した。m.p.=157−160℃。
【0179】
ivb) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、(7α,14β,17α,20R)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オール(0.39g)を(7α,14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン(0.22g)に変換した。[α] 20=+75゜(c=0.5,ジオキサン)。
【0180】
実施例17
[7α,14β,17α(S)]−17−(1−ヒドロキシプロピル)−7−メ チルエストラ−4−エン−3−オン(a)及び[7α,14β,17α(R)]−17−(1−ヒドロキシプロピル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン(b)
i) (7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン(実施例4;15.5g)、1,2−エタンジチオール(17ml)及び乾燥メタノール(150ml)の混合物中に三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(0.60ml)を添加した。室温で2時間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を添加し、メタノールを減圧下で除去した。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水性水酸化ナトリウム(10%)、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン環状1,2−エタンジイルジチオアセタール(12.0g)が得られた。
【0181】
ii) 乾燥ピリジン(1ml)を含有する乾燥ジクロロメタン(60ml)中に前ステップで得た生成物(6.0g)を含む溶液を二クロム酸ピリジニウム(6.0g)で処理し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。更に二クロム酸ピリジニウム(6.0g)を添加し、撹拌を一晩撹拌した。シリカ(10g)を添加し、10分撹拌後混合物をシリカを介して濾過した。残渣を酢酸エチルで洗浄した。濾液を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を磨砕し、母液をカラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α)−17−ホルミル−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン環状3−(1,2−エタンジイルジチオアセタール)(4.2g)が得られた。
【0182】
iii) 実施例16のステップiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.0g)を臭化エチルマグネシウムと反応させ、カラムクロマトグラフィーにかけると[7α,14β,17α(S)]−17−(1−ヒドロキシプロピル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン環状1,2−エタンジイルジチオアセタール(0.31g)及び[7α,14β,17α(R)]−17−(1−ヒドロキシプロピル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン環状1,2−エタンジイルジチオアセタール(0.075g)が得られた。
【0183】
iva) ジクロロメタン(0.70ml)中に[7α,14β,17α(S)]−17−(1−ヒドロキシプロピル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン環状1,2−エタンジイルジチオアセタール(0.15g)を含む溶液に、メタノール及び水の(1:1)混合物(2.24ml)中に過ヨウ素酸(0.028g)を含む溶液を添加した。室温で3時間撹拌後、固体炭酸水素ナトリウム(1g)、固体チオ硫酸ナトリウム(1g)及び水(5ml)を添加し、混合物を濾過した。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかると、[7α,14β,17α(S)]−17−(1−ヒドロキシプロピル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン(0.069g)が得られた。H NMR(CDCl) δ 5.80(m,1H)、3.47(m,1H)、1.25(s,3H)、0.95(t,3H,J=7.4Hz)、0.83(d,3H,J=7.0Hz)。
【0184】
ivb) ステップivaに記載されている方法と同様にして、[7α,14β,17α(R)]−17−(1−ヒドロキシプロピル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン環状1,2−エタンジイルジチオアセタール(0.075g)を[7α,14β,17α(R)]−17−(1−ヒドロキシプロピル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン(0.034g)に変換した。H NMR(CDCl) δ 5.80(m,1H)、3.66(m,1H)、1.07(s,3H)、0.95(t,3H,J=7.4Hz)、0.85(d,3H,J=7.0Hz)。
【0185】
実施例18
出発物質として(7α,14β,17α)−17−ホルミル−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン環状3−(1,2−エタンジイルジチオアセタール)(実施例17のステップii)を用い、実施例17に記載されている方法と同様にして、下記化合物を製造した:
a) [7α,14β,17α(S)]−17−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.86(m,1H)、5.81(m,1H)、5.19(dm,1H,J=17.1Hz)、5.07(dm,1H,J=10.3Hz)、4.02(m,1H)、1.26(s,3H)、0.83(d,3H,J=7.0Hz);
b) [7α,14β,17α(R)]−17−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.92(m,1H)、5.80(m,1H)、5.22(dm,1H,J=17.2Hz)、5.11(d,1H,J=10.3Hz)、4.10(m,1H)、1.07(s,3H)、0.84(d,3H,J=7.0Hz);
c) [7α,14β,17α(R)]−17−(1−ヒドロキシ−2−プロピニル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.81(m,1H)、4.33(m,1H)、2.46(d,1H,J=2.0Hz)、1.22(s,3H)、0.84(d,3H,J=7.1Hz);
d) [7α,14β,17α(S)]−17−(1−ヒドロキシ−2−プロピニル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.81(m,1H)、4.29(m,1H)、2.54(d,1H,J=2.0Hz)、1.24(s,3H)、0.84(d,3H,J=7.1Hz);
e) (7α,14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−7−メチル−19,21−ジノルコラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.80(m,1H)、3.54(m,1H)、1.25(s,3H)、0.93(t,3H,J=7.2Hz)、0.83(d,3H,J=7.0Hz);
f) (7α,14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−7−メチル−1 9,21−ジノルコラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.80(m,1H)、3.77(m,1H)、1.07(s,3H)、0.93(t,3H,J=7.1Hz)、0.84(d,3H,J=7.0Hz);
g) (7α,14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−7−メチル−19,21−ジノルコラ−4,23−ジエン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.87−5.79(m,2H)、5.20−5.14(m,2H)、3.56(m,1H)、1.25(s,3H)、0.83(d,3H,J=7.0Hz);
h) (7α,14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−7−メチル−19,21−ジノルコラ−4,23−ジエン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.86−5.79(m,2H)、5.16−5.11(m,2H)、3.80(m,1H)、1.07(s,3H)、0.84(d,3H,J=7.0Hz);
i) (7α,14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−7−メチル−22,24−シクロ−19,21−ジノルコラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.80(m,1H)、2.81(td,1H,J=8.9及び3.0Hz)、1.25(s,3H)、0.89(m,1H)、0.83(d,3H,J=7.0Hz)、0.57(m,1H)、0.44(m,1H)、0.32(m,1H)、0.22(m,1H);
j) (7α,14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−7−メチル−22,24−シクロ−19,21−ジノルコラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.80(m,1H)、2.91(dd,1H,J=8.9及び4.0Hz)、1.08(s,3H)、1.00(m,1H)、0.85(d,3H,J=7.0Hz)、0.55(m,2H)、0.33(m,1H)、0.25(m,1H);
k) (7α,14β,17α,20R)−21,21,21−トリフルオロ−20−ヒドロキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.81(m,1H)、3.89(m,1H)、1.28(s,3H)、0.84(d,3H,J=7.0Hz);
l) (7α,14β,17α,20S)−21,21,21−トリフルオロ−20−ヒドロキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.81(m,1H)、4.08(m,1H)、1.07(s,3H)、0.85(d,3H,J=7.0Hz)。
【0186】
実施例19
(7α,14β,17α)−20−ヒドロキシ−7,20−ジメチル−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン
i) 実施例4のステップiiに記載されている方法と同様にして、(7α,14β,17α,20S)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール及び(7α,14β,17α,20R)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オールの(1:1)混合物(実施例16のステップii;1.04g)を(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7−メチル−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オン(0.85g)に変換した。
【0187】
ii) 実施例16のステップiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得たケトン(0.85g)を(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7,20−ジメチル−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オールに変換した(0.90g)。
【0188】
iii) 実施例4のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.90g)を(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7,20−ジメチル−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オールに変換した(0.90g)。
【0189】
iv) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.90g)を(7α,14β,17α)−20−ヒドロキシ−7,20−ジメチル−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン(0.45g)に変換した。m.p.=179−181℃。
【0190】
実施例20
出発物質として(7α,14β,15β,16β,17α)−3−メトキシ−7−メチル−15,16−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボキサルデヒド(実施例10のステップiii)を用い、それぞれ実施例16のステップii、実施例4のステップv及び実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、下記化合物を製造した:
a) (7α,14β,15β,16β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−7−メチル−15,16−メチレン−19−ノルプレグナ−4−エン−2−オン:m.p.=160−165℃;
b) (7α,14β,15β,16β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−7−メチル−15,16−メチレン−19−ノルプレグナ−4−エン−2−オン:[α] 20=+61.2゜(c=0.515,ジオキサン)。
【0191】
実施例21
(7α,14β,15β,16β,17α)−20−ヒドロキシ−7,20−ジメチル−15,16−メチレン−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン
(7α,14β,15β,16β,17α)−3−メトキシ−7−メチル−15,16−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボキサルデヒド(実施例10のステップiii)から、それぞれ実施例16のステップii、実施例5のステップv、実施例16のステップii、実施例5のステップviii及び実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、標記化合物を得た。m.p.=158.5−161.8℃。
【0192】
(4) 10−置換化合物
実施例22
(14β,17α)−17−[(アセチルオキシ)メチル]アンドロスタ−4− エン−3−オン(a)及び(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)アンドロスタ−4−エン−3−オン(b)
i) 乾燥エタノール(429ml)中に(3β)−3−(アセチルオキシ)アンドロスタ−5,14−ジエン−17−オン[Andre,A.F.Stら,J.Am.Chem.Soc.,74,5506(1952);42.9g]を含む溶液を−10℃に冷却した。乾燥エタノール(33.5ml)中にホウ水素化ナトリウム(1.51g)を含む溶液を添加し、混合物を−10℃で7.5時間撹拌した。過剰のホウ水素化ナトリウムを酢酸水溶液(50%)を注意深く添加して分解した。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(3β,17β)−アンドロスタ−5,14−ジエン−3,17−ジオール3−アセテート(19.5g)が得られた。
【0193】
ii) 活性炭担持パラジウム(10%,8.0g)を含有する乾燥エタノール(500ml)中に前ステップで得た生成物(20.0g)を含む溶液を水素下(3バール)室温で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮すると、(3β,14β,17β)−アンドロスタ−5−エン−3,17−ジオール3−アセテート(20.2g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0194】
iii) 実施例5のステップvに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.50g)を(3β,14β)−3−(アセチルオキシ)アンドロスタ−5−エン−17−オン(1.08g)に変換した。
【0195】
iv) テトラヒドロフラン(11.6ml)及びメタノール(10.4ml)中に前ステップで得たケトン(1.08g)を含む溶液を水(3.51ml)中に水酸化カリウム(0.589g)を含む溶液で処理した。反応混合物を一晩撹拌した後、ブラインに注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(3β,14β)−3−ヒドロキシアンドロスタ−5−エン−17−オン(1.06g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0196】
v) 実施例5のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得たアルコール(1.06g)を(3β,14β)−3−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]アンドロスタ−5−エン−17−オン(1.70g)に変換した。
【0197】
vi) 実施例4のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得たケトン(1.70g)を(3β,14β)−3−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−17−メチレンアンドロスタ−5−エン(1.41g)に変換した。
【0198】
vii) 実施例4のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.41g)を(3β,14β,17α)−3−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]アンドロスタ−5−エン−17−メタノール(2.28g)に変換した。
【0199】
viii) 乾燥ピリジン(3.38ml)中に前ステップで得たアルコール(2.28g)を含む溶液を無水酢酸(1.74ml)で処理し、混合物を室温で1時間撹拌した。水を添加し、撹拌を更に1時間続けた。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(3β,14β,17α)−3−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]−17−[(アセチルオキシ)メチル]アンドロスタ−5−エン(1.43g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0200】
ix) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.43g)を(3β,14β,17α)−17−[(アセチルオキシ)メチル]アンドロスタ−5−エン−3−オール(0.78g)に変換した。
【0201】
x) 乾燥トルエン(9.2ml)及び2−ブタノン(5.6ml)中の前ステップで得た生成物(0.774g)及びアルミニウムイソプロポキシド(0.64g)の混合物を1時間還流加熱した。冷却後、水(6ml)中に酒石酸ナトリウムカリウム4水和物(4.4g)を含む溶液を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(14β,17α)−17−[(アセチルオキシ)メチル]アンドロスタ−4−エン−3−オン(0.44g)が得られた。m.p.=141−142℃。
【0202】
xi) ステップivに記載されている方法と同様にして、(14β,17α)−17−[(アセチルオキシ)メチル]アンドロスタ−4−エン−3−オン(0.32g)を(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)アンドロスタ−4−エン−3−オン(0.10g)に変換した。m.p.=125.1−127.6℃。
【0203】
(5) 15−置換化合物
実施例23
(14β,15β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−15−メチルエストラ−4−エン−3−オン
実施例7のステップv〜ixに記載されている方法と同様にして、(14β)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン[Johnson,J.ら,J.Am.Chem.Soc.,79,2005(1957)]から(14β,15β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−15−メチルエストラ−4−エン−3−オンを製造した。[α] 20=+3.9゜(c=1.20,ジオキサン)。
【0204】
(6) 20−置換化合物
実施例24
(14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン(a)及び(14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン(b)
i) ジメチルスルホキシド(425ml)及びトリエチルアミン(70ml)の混合物中に(14β,17α)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(実施例1のステップii;23.6g)を含む溶液に、ジメチルスルホキシド(250ml)中に三酸化硫黄−ピリジン複合体(50.0g)を含む溶液を15分で添加した。20分間撹拌後、2−プロパノール(88ml)を添加し、撹拌を15分間続けた。反応混合物を水(1,300ml)に注ぎ、生成物をジクロロメタンに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。磨砕(水/エタノール,最初3:2、次いで1:1)すると、(14β,17α)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボキサルデヒド(18.3g)が得られた。
【0205】
ii) 実施例16のステップiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(3.5g)を(14β,17α,20S)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール(1.78g)及び(14β,17α,20R)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール(1.16g)に変換した。
【0206】
iiia) 実施例1のステップiiiに記載されている方法と同様にして、(14β,17α,20S)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール(1.5g)を(14β,17α,20S)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オール(1.59g)に変換した。
【0207】
iiib) 上に記載されている方法と同様にして、(14β,17α,20R)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−1,3,5(10)−トリエン−20−オール(1.0g)を(14β,17α,20R)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オール(1.13g)に変換した。
【0208】
iva) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、(14β,17α,20S)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オール(1.42g)を(14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン(0.84g)に変換した。m.p.=152−153℃。
【0209】
ivb) 上に記載されている方法と同様にして、(14β,17α,20R)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オール(1.13g)を(14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン(0.72g)に変換した。m.p.=108−109.5℃。
【0210】
実施例25
出発物質として(14β,17α)−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−カルボキサルデヒド(実施例24のステップi)を用い、実施例24に記載されている方法と同様にして、下記化合物を製造した:
a) [14β,17α(S)]−17−(1−ヒドロキシプロピル)エストラ−4−エン−3−オン:m.p.=122−123℃;
b) [14β,17α(R)]−17−(1−ヒドロキシプロピル)エストラ−4−エン−3−オン:m.p.=120−121℃;
c) (14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−19,21−ジノルコラ−4−エン−3−オン:m.p.=102−102.5℃;
d) (14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−19,21−ジノルコラ−4−エン−3−オンH NMR δ 5.81(m,1H)、3.76(m,1H)、1.08(s,3H)、0.92(t,3H,J=7.0Hz)。
【0211】
実施例26
出発物質として(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン(実施例1)を用い、実施例17に記載されている方法と同様にして、下記化合物を製造した:
a) [14β,17α(R)]−17−(1−ヒドロキシ−2−プロピニル)エストラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.82(m,1H)、4.34(m,1H)、2.46(d,1H,J=2.0Hz)、1.21(s,3H);
b) [14β,17α(S)]−17−(1−ヒドロキシ−2−プロピニル)エストラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.82(m,1H)、4.29(m,1H)、2.54(d,1H,J=2.4Hz)、1.24(s,3H);
c) (14β,17α,22R)−21,21,21−トリフルオロ−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.83(m,1H)、3.91(m,1H)、1.27(s,3H);
d) (14β,17α,22S)−21,21,21−トリフルオロ−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 5.83(m,1H)、4.09(m,1H)、1.07(s,3H);
e) [14β,17α(R)]−17−[(ヒドロキシ)(フェニル)メチル]エストラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 7.34(m,4H)、7.29(m,1H)、5.81(m,1H)、4.65(dd,1H,J=6.7及び3.1Hz)、0.61(s,3H);
f) [14β,17α(S)]−17−[(ヒドロキシ)(フェニル)メチル]エストラ−4−エン−3−オンH NMR(CDCl) δ 7.33(m,4H)、7.27(m,1H)、5.82(m,1H)、4.55(dd,1H,J=10.2及び3.5Hz)、1.36(s,3H)。
【0212】
実施例27
(14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3−オン(a)及び(14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3−オン(b)
i) 実施例2に記載されている方法と同様にして、(14β,17α,20S)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オール及び(14β,17α,20R)−3−メトキシ−19−ノルプレグナ−2,5(10)−ジエン−20−オールの混合物(それぞれ実施例24のステップiiia及びiiib;比率1:1,7.87g)を(14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−3−オン及び(14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−3−オンの混合物(7.5g,比率1:1)に変換した。
【0213】
ii) 実施例3に記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(7.5g)を(14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3−オン(2.4g;m.p.=147−148℃)及び(14β,17α,20R)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3−オン(1.95g;m.p.=118−119℃)に変換した。
【0214】
(7) 11,20−置換化合物
実施例28
(11β,14β,17α,20S)−11−エチル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−3−オン(a)及び(11β,14β,1 7α,20R)−11−エチル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−3−オン(b)
i) テトラヒドロフラン(50ml)、エチレングリコール(30ml)及びo−ギ酸トリエチル(30ml)の混合物中に(11β)−11−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン[Pomper,M.G.ら,J.Med.Chem.,33,3143(1990);15g]を含む溶液をp−トルエンスルホン酸(0.25g)で処理し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。炭酸水素ナトリウム(1g)を添加し、10分間撹拌後、混合物を減圧下で濃縮した。次いで、炭酸水素ナトリウム水溶液(5%,200ml)に注ぎ、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(11β)−11−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−7−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(16.2g)が得られた。
【0215】
ii) 実施例7のステップiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(16.0g)を(11β,16α)−16−ブロモ−11−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(18.5g)に変換した。
【0216】
iii) 実施例7のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た臭化物(18.0g)を(11β)−11−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(13.0g)に変換した。
【0217】
iv) 実施例7のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(13.0g)を(11β)−11−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン(7.6g)に変換した。
【0218】
v) 酢酸イソプロペニル(75ml)中に前ステップで得たケトン(8.5g)及びp−トルエンスルホン酸(0.20g)を含む溶液を30分間還流加熱した。反応媒体を部分的(25ml)に留出させ、新しい酢酸イソプロペニル(25ml)と交換した。加熱を更に30分間続け、炭酸水素ナトリウム水溶液(10%)を添加し、混合物を濃縮した。生成物をジエチルエーテルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(75ml)、エタノール(75ml)及び水(10ml)の混合物に排出させた。ホウ水素化ナトリウム(2g)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。過剰のホウ水素化ナトリウムをアセトン(25ml)を注意深く添加して分解した。混合物を濃縮し、水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(11β,17β)−11−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オール(8.0g)が得られた。
【0219】
vi) エタノール(100ml)中の前ステップで得た生成物(6.2g)及び活性炭担持パラジウム(5%,1.0g)の混合物を水素(1バール)下室温で24時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮すると、(11β,14β,17β)−11−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オール(6.0g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0220】
vii) 実施例16のステップiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(6.0g)を(11β,14β)−11−エチル−3−メトキシ−17−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(4.7g)に変換した。
【0221】
viii) 実施例4のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(1.0g)を(11β,14β)−11−エチル−3−メトキシ−17−メチレンエストラ−1,3,5(10)−トリエン(1.0g)に変換した。
【0222】
ix) 実施例4のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(4.0g)を(11β,14β,17α)−11−エチル−3−メトキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(3.5g)に変換した。
【0223】
x) 実施例1のステップiiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(3.2g)を(11β,14β,17α)−11−エチル−3−メトキシエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(3.3g)に変換した。
【0224】
xi) テトラヒドロフラン(30ml)中に(11β,14β,17α)−11−エチル−3−メトキシエストラ−2,5(10)−ジエン−17−メタノール(3.3g)を含む溶液を塩酸(2M,10ml)で処理した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、その後飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで乾燥し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(11β,14β,17α)−11−エチル−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−5(10)−エン−3−オン(3.3g)が得られた。この生成物を更に精製することなく次ステップに使用した。
【0225】
xii) メタノール(30ml)及びo−ギ酸トリメチル(6ml)中に前ステップで得たケトン(3.3g)及びp−トルエンスルホン酸(0.1g)を含む溶液を室温で15分間撹拌した。固体炭酸水素ナトリウム(1g)を添加し、撹拌を更に15分間続けた。反応混合物を部分的に濃縮し、炭酸水素ナトリウム水溶液(5%)を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(11β,14β,17α)−11−エチル−3,3−ジメトキシエストラ−5(10)−エン−17−メタノール(3.0g)が得られた。
【0226】
xiii) ジクロロメタン(60ml)中に塩化オキサリル(1ml)を含む溶液を−60℃に冷却した。ジメチルスルホキシド(1.64ml)を添加し、混合物を5分間撹拌した。ジクロロメタン(5ml)中に前ステップで得た化合物(2.6g)を含む溶液を添加し、撹拌を20分間続けた。トリエチルアミン(5ml)を添加し、温度を20分で0℃に上昇させた。水(50ml)を添加し、生成物をジエチルエーテルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(11β,14β,17α)−11−エチル−3,3−ジメトキシエストラ−5(10)−エン−17−カルボキサルデヒド(2.4g)が得られた。
【0227】
xiv) 実施例16のステップiiに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(2.4g)を(11β,14β,17α,20S)−11−エチル−3,3−ジメトキシエストラ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−20−オール(1.25g)及び(11β,14β,17α,20R)−11−エチル−3,3−ジメトキシエストラ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−20−オール(0.90g)に変換した。
【0228】
xva) テトラヒドロフラン(12ml)中に(11β,14β,17α,20S)−11−エチル−3,3−ジメトキシエストラ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−20−オール(1.25g)を含む溶液を塩酸(0.6M,2ml)で処理した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、その後飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。結晶化すると、(11β,14β,17α,20S)−11−エチル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−3−オン(0.85g)が得られた。m.p.=177−178℃。
【0229】
xvb) ステップxvaに記載されている方法と同様にして、(11β,14β,17α,20R)−11−エチル−3,3−ジメトキシエストラ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−20−オール(0.90g)を(11β,14β,17α,20S)−11−エチル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−3−オン(0.68g)に変換した。H NMR δ 3.89(m,1H)、2.77(m,2H)、1.26(d,3H,J=6.2Hz)、1.18(s,3H)、0.89(t,3H,J=6.8Hz)。
【0230】
実施例29
実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、下記化合物を製造した。
【0231】
a) (11β,14β,17α,20S)−11−エチル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−3−オン(実施例28a)から(11β,14β,17α,20S)−11−エチル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン:[α] 20=+82.4゜(c=0.71,ジオキサン);
b) (11β,14β,17α,20R)−11−エチル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−5(10)−エン−3−オン(実施例28b)から(11β,14β,17α,20R)−11−エチル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン:m.p.=185−186℃。
【0232】
実施例30
(11β,14β,17α,20S)−11−エテニル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3−オン
i) 実施例28のステップiに記載されている方法と同様にして、(14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3−オン(実施例27a;2.5g)を(14β,17α,20S)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(1.5g)に変換した。
【0233】
ii) 炭酸水素ナトリウム(3g)を含有する乾燥ジクロロメタン(15ml)中に前ステップで得た生成物(1.5g)を含む溶液を−15℃に冷却した。乾燥ジクロロメタン(12.5ml)中のm−クロロ過安息香酸(60%,1.42g)を10分で添加し、反応混合物を−10℃で1.25時間撹拌した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(53ml)及び亜硫酸水素ナトリウム水溶液(5%,12.5ml)の混合物に注ぎ、生成物をジクロロメタンに抽出した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮すると、(5α,10α,14β,17α,20S)−5,10−エポキシ−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−9(11)−エン−3−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(1.6g)が得られた。
【0234】
iii) 塩化銅(I)(0.20g)を含有する乾燥テトラヒドロフラン(15ml)中に前ステップで得たエポキシド(1.6g)を含む溶液を臭化ビニルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(15%,12.7ml)で処理した。0℃で1時間撹拌後、反応混合物を塩化アンモニウム水溶液(10%)に注いだ。生成物をジクロロメタンに抽出した。合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(5α,10β,14β,17α,20S)−11−エテニル−5,20−ジヒドロキシ−19−ノルプレグナ−9−エン−3−オン環状1,2−エタンジイルアセタール(0.65g)が得られた。
【0235】
iv) 実施例1のステップivに記載されている方法と同様にして、前ステップで得た生成物(0.60g)を(11β,14β,17α,20S)−11−エテニル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3−オン(0.28g)に変換した。m.p.=144.5−146.1℃。
【0236】
実施例31
(11β,14β,17α,20R)−11−エテニル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3−オン
実施例30に記載されている方法と同様にして、(14β,17α,20R)−0−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3−オン(実施例27b)を(11β,14β,17α,20R)−11−エテニル−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4,9−ジエン−3−オン(0.28g)に変換した。m.p.=96.3−97.2℃。
(8) 18,20−置換化合物
【0237】
実施例32
出発物質として(17β)−13−エチル−3−メトキシゴナ−1,3,5(10),14−テトラエン−17−オール(米国特許第3,577,410号明細書(1968))を用い、それぞれ実施例4及び16に記載されている方法と同様にして、下記化合物を製造した:
a) (14β,17α,20S)−13−エチル−20−ヒドロキシ−18,19−ジノルプレグナ−4−エン−3−オン:[α] 20=+78.3゜(c=0.36,ジオキサン);
b) (14β,17α,20R)−13−エチル−20−ヒドロキシ−18,19−ジノルプレグナ−4−エン−3−オン:m.p.=110.5−111.5℃;
c) [14β,17α(S)]−13−エチル−17−(ヒドロキシプロピル)ゴナ−4−エン−3−オン:[α] 20=+64.1゜(c=0.34,ジオキサン);
d) [14β,17α(R)]−13−エチル−17−(1−ヒドロキシプロ ピル)ゴナ−4−エン−3−オン:m.p.=89.5−90.5℃;
e) [14β,17α(S)]−13−エチル−17−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル)ゴナ−4−エン−3−オンH NMR δ 5.96−5.76(m,2H)、5.25−5.01(m,2H)、4.02(m,1H)、0.89(t,3H,J=8.0Hz);
f) [14β,17α(R)]−13−エチル−17−(1−ヒドロキシ−2−プロペニル)ゴナ−4−エン−3−オン:m.p.=128.5−129.5℃。
(9) その他
【0238】
実施例33
出発物質として(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン(実施例4)を用い、実施例22のステップviiiに記載されている方法と同様にして、下記化合物を製造した:
a) (7α,14β,17α)−17−[(アセチルオキシ)メチル]−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン:m.p.=65−68℃;
b) (7α,14β,17α)−17−[[[(2,2−ジメチル−1−オキソプロピル)オキシ]メチル]−7−メチルエストラ−4−エン−3−オンH NMR δ 5.81(m,1H)、4.12(m,1H)、3.95(m,1H)、1.20(s,9H)、1.12(s,3H)、0.84(d,3H,J=7.4Hz);
c) (7α,14β,17α)−7−メチル−17−[[[(1−オキソウンデシル)オキシ]メチル]エストラ−4−エン−3−オン:m.p.=45.5−48.5℃;
d) (7α,14β,17α)−17−[[[(trans−4−ブチルシクロヘキシル)カルボニル]オキシ]メチル]−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン:[α] 20=+63.1゜(c=0.635,ジオキサン);
e) (7α,14β,17α)−7−メチル−17−[[(フェニルカルボニル)オキシ]メチル]エストラ−4−エン−3−オンH NMR δ 8.03(m,2H)、7.56(m,1H)、7.44(m,2H)、5.81(m,1H)、4.40(m,1H)、4.22(m,1H)、1.18(s,3H)、0.85(d,3H,J=7.1Hz)。
【0239】
実施例34
(3β,7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オール
実施例6のステップixに記載されている方法と同様にして、(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン(実施例4)から標記化合物を製造した。[α] 20=+28.2゜(c=0.49,ジオキサン)。
【0240】
実施例35
(3α,7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−5(10)−エン−3−オール
(7α,14β,17α)−3−メトキシ−7−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−メタノール(実施例4のステップiv;22.0g)をバーチ還元及び加水分解後、標記化合物(2.27g)を副生成物として単離した。m.p.=64−70℃。
【0241】
実施例36
(3E,7α,14β,17α)−3−(ヒドロキシイミノ)−7−メチルエストラ−4−エン−17−メタノール(a)及び(3Z,7α,14β,17α)−3−(ヒドロキシイミノ)−7−メチルエストラ−4−エン−17−メタノール(b)
ピリジン(6ml)中に(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン(実施例4;1.0g)を含む溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(2.65g)を添加した。反応混合物を80℃で1.5時間撹拌した。冷却後、混合物を水に注いだ。生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(3E,7α,14β,17α)−3−(ヒドロキシイミノ)−7−メチルエストラ−4−エン−17−メタノール(0.54g;[α] 20=+95.5゜(c=1.41,ジオキサン))及び(3Z,7α,14β,17α)−3−(ヒドロキシイミノ)−7−メチルエストラ−4−エン−17−メタノール(0.28g;[α] 20=+87.4゜(c=1.0,ジオキサン))が得られた。
【0242】
実施例37
(7α,14β,17α)−7−メチルエストラ−4−エン−17−メタノール
液体アンモニア(70ml)中にナトリウム(0.61g)を含む溶液を−40℃に冷却し、この溶液に乾燥テトラヒドロフラン(4ml)中の(7α,14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)−7−メチルエストラ−4−エン−3−オン環状1,2−エタンジイルジチオアセタール(実施例17のステップi;1.11g)を添加した。1時間撹拌後、乾燥エタノールを添加し、アンモニアを蒸発させた。水を添加し、生成物を酢酸エチルに抽出した。合わせた有機相を水性水酸化ナトリウム(1M)、水及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィーにかけると、(7α,14β,17α)−7−メチルエストラ−4−エン−17−メタノール(0.34g)が得られた。[α] 20=+56.9゜(c=0.93,ジオキサン)
【0243】
結果
本発明の複数の化合物について(上記した方法に従って)アンドロゲン活性を試験し、以下の基準:
+ アンドロゲン活性検出
++ 高いアンドロゲン活性
+++ 優れたアンドロゲン活性
nd データなし
に従ってランク付けした結果を表に示す。
【0244】
本発明化合物の親化合物は(14β,17α)−17−(ヒドロキシメチル)エストラ−4−エン−3−オン(実施例1)である。表に示す化合物は後者の誘導体であり、特記しない限りいずれの化合物もC−3にカルボニル基及びΔ二重結合を有する。
【0245】
【表1】
Figure 0004749550
Figure 0004749550

Claims (2)

  1. 20−ヒドロキシ−14β,17α−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン、(3β,5α,14β,17α)−プレグナ−3,20−ジオール、(3β,14β,17α)−プレグナ−5,9(11)−ジエン−3,20−ジオール、(14β,17α)−20−ヒドロキシ−19−ノルプレグナ−4−エン−3−オン及び5α,14β,17α−プレグナン−3β,17,20−トリオール3,20−ジアセテートを除く条件で、構造式:
    Figure 0004749550
    [式中、
    はOであり、
    、R、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR14はすべて水素であり、
    はHまたはメチルであり、
    はメチルであり、
    13は水素、または炭素原子No,20の配置がSであるときにはC1−2アルキルであり、
    15はHまたはC1−15アシルであり、
    点線は任意の結合を示し
    ただし炭素原子No.9とNo.10の間に二重結合が存在する場合、R は存在しない]を有する化合物。
  2. 構造式:
    Figure 0004749550
    [式中、
    はO、(H,H)、(H,OR)またはNORであり、ここでRは水素、C1−6アルキルまたはC1−6アシルであり、
    は水素、C1−6アルキルまたはハロゲンであり、
    は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、
    は水素、ハロゲンまたはシアノであるか、Rは任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、
    は水素またはC1−6アルキルであり、
    は水素、C1−6アルコキシまたはハロゲンであるか、またはRは任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルキリデンまたはC2−6アルケニリデンであり、
    は水素またはC1−6アルキルであり、
    はC1−6アルキルであり、
    は水素、ハロゲンまたはシアノであるか、またはRは任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、
    10は水素、C1−6アルコキシ、ハロゲンまたはシアノであるか、またはR10は任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであるか、またはR10はR11及びそれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロパン環を形成し、
    11は水素、C1−6アルコキシ、ハロゲンまたはシアノであるか、またはR11は任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであるか、またはR11はR10及びそれらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロパン環を形成し、
    12は水素、ヒドロキシ、ハロゲンまたはシアノであるか、またはR12は任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、
    13及びR14は独立して水素、シアノ、または任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルまたはハロゲンで置換されたフェニルであるか、またはR13及びR14は独立して任意にヒドロキシ、C1−4アルコキシ、フェニル、オキソ、ハロゲンまたはシアノで置換されたC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−6シクロアルキル、C5−6シクロアルケニルまたはC2−6アルキニルであるか、またはR13及びR14はそれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルカン環またはC5−6シクロアルケン環を形成し、
    15は水素、SOH、C1−6アルキルまたはC1−15アシルであり、
    点線は任意の結合を示し、ただし炭素原子No.5とNo.10の間、または炭素原子No.9とNo.10の間に二重結合が存在する場合、R は存在しない
    を有するステロイド化合物、またはその医薬的に許容され得る塩のアンドロゲン不全症の治療薬の製造のための使用。
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