JP4749226B2 - ワイパ構造 - Google Patents

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本発明は、衝突により生じる衝撃を良好に緩和するワイパ構造に関する。
従来、自動車における歩行者保護対策の一つとして、外部からの衝撃を吸収するワイパ構造が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載のワイパ構造は、ピボット軸と、ピボット軸を軸支する円筒軸受部を備えるピボットホルダーとを備える。そして、ピボット軸には周方向に亘って溝が形成されるとともに、溝にはリングが嵌合されている。特許文献1に記載のワイパ構造では、円筒軸受部の上端開口縁に当接している係止板がワッシャを介してリングを係止することで、ピボット軸を係止している。そして、特許文献1に記載のワイパ構造では、外部からワイパアームの基端部に衝撃荷重が加えられると、リングがワッシャを介して係止板の内周側を押圧する。この際に特許文献1に記載のワイパ構造では、係止板の内周部は円筒軸受部の上端開口に位置しているため、係止板の内周側が押圧されて係止板はせん断破壊を起こし、ピボット軸が車体パネルの内方に脱落する。特許文献1に記載のワイパ構造では、外部からワイパアームの基端部に対して衝撃荷重が加えられた時には、ピボット軸が車体パネルの内方に脱落するため、ワイパアームの基端部に対して加えられる外部からの衝撃を吸収することができる。
特開平11−301420号公報
特許文献1に記載のワイパ構造では、外部からピボット軸上に加えられる略軸方向の衝撃荷重を吸収するのみであり、外部からワイパアームヘッド及びワイパアームに対して荷重が加えられた場合の不都合については何ら考慮していない。これに対して、本願の発明者等は、ワイパアームヘッド又はワイパアームに荷重が加えられた時には、次のような要因からワイパアームヘッド及びワイパアームは衝撃を吸収することができないと推定している。すなわち、従来のワイパ構造では、図6に示すようにワイパアーム100の基端部101がワイパアームヘッド102の先端部103に連結されるとともに、付勢手段104がワイパアームヘッド102とワイパアーム100との間に取着されている。そして、従来のワイパ構造では、ワイパブレードをウィンドパネルへ接圧することを目的として、付勢手段104はワイパアーム100とワイパアームヘッド102とを接近させるように付勢しているため(付勢方向は図6の矢印方向)、ワイパアーム100及びワイパアームヘッド102の移動は規制されている。付勢手段104によってワイパアーム100及びワイパアームヘッド102の移動が規制されていると、ワイパアーム100及びワイパアームヘッド102は変形し難い。したがって、ワイパアーム100及びワイパアームヘッド102は、外部からワイパアーム100又はワイパアームヘッド102に対して荷重が加えられた時容易に変形することができないため、ワイパアーム100及びワイパアームヘッド102に作用する衝撃を好適に吸収することができない。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ワイパアームヘッド及びワイパアームに作用する衝撃を好適に吸収できるワイパ構造を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、揺動軸に軸支されるワイパアームヘッドと、ウィンドパネルを払拭するワイパブレードと、前記ワイパアームヘッドと前記ワイパブレードとを連結するワイパアームと、前記ワイパアームヘッドと前記ワイパアームとの間に取着され、前記ワイパアームヘッドと前記ワイパアームとを接近させるように付勢して前記ワイパブレードを前記ウィンドパネルへ接圧する付勢手段とを備えたワイパ構造であって、前記付勢手段は、前記ワイパアームヘッドに設けられた第1係止ピンと、前記ワイパアームに設けられた第2係止ピンとに係止されており、衝突による荷重が前記ワイパアームヘッド及び前記ワイパアームの少なくともいずれか一方に加えられた場合に前記第1係止ピン又は前記第2係止ピンを脱着させる脱着部を前記ワイパアームヘッド及び前記ワイパアームの少なくともいずれか一方に設け、前記脱着部は、前記ワイパブレードを前記ウィンドパネルへ接圧している状態においてウィンドパネル側に開口する溝であり、前記溝の幅よりも外径が大きく形成された前記第1係止ピン又は前記第2係止ピンが前記溝に挟入されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ワイパアームヘッド及びワイパアームの少なくともいずれか一方に前記荷重が作用した場合に、前記ワイパアームヘッド及びワイパアームの少なくともいずれか一方に前記荷重が作用した場合に、前記溝が変形して 該溝に挟入された前記第1係止ピン又は前記第2係止ピンが移動できる状態となることを要旨とする。
これらの発明の構成によれば、ワイパアームヘッド及びワイパアームの少なくともいずれか一方に対して衝突による荷重が加えられた時、第1係止ピン又は第2係止ピンはワイパアームヘッド及びワイパアームの少なくともいずれか一方から脱着する。第1係止ピン又は第2係止ピンがワイパアームヘッド又はワイパアームから脱着すれば、付勢手段は前記ワイパアームヘッドと前記ワイパアームとを接近するように付勢しなくなるため、ワイパアームヘッド及びワイパアームの移動は規制されなくなる。したがって、ワイパアームヘッド及びワイパアームは、衝突による荷重が加えられた時には容易に変形することができ、衝突することで生じるワイパアームヘッド又はワイパアームに対する衝撃を好適に吸収することができる。
また、衝突による荷重は、ワイパブレードをウィンドパネルへ接圧している状態においてはウィンドパネル側と反対側からワイパアームヘッド及びワイパアームの少なくともいずれか一方に対して加えられる。そして、衝突による荷重が加えられるとワイパアームヘッド又はワイパアームは変形し、設置状態においてワイパアームヘッド又はワイパアームのうちウィンドパネル側の部位は、延びるように変形する。したがって、この構成によれば、衝突による荷重がワイパアームヘッド及びワイパアームの少なくともいずれか一方に対して加えられた時、溝の開口も広がる。溝の開口が広がると溝は第1係止ピン又は第2係止ピンを取着できなくなるため、第1係止ピン又は第2係止ピンは、ワイパアームヘッド又はワイパアームから脱着する。第1係止ピン又は第2係止ピンが脱着すると、第1係止ピンと第2係止ピンとに係止されていた付勢手段も、ワイパアームヘッド及びワイパアームの少なくともいずれか一方から脱着する。そして、ワイパアームヘッド及びワイパアームの少なくとも一方から付勢手段を脱着する脱着部は、溝であるため、脱着部が設けられている部位の剛性は小さくなっている。したがって、脱着部が設けられている部位はより変形し易くなっているため、荷重が加えられた時に生じる衝撃をより吸収することができる。
本発明によれば、ワイパアームヘッド及びワイパアーム対する衝撃を好適に吸収することができる。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1に示すワイパ1は、車両に搭載されており、図示しないピボット軸に軸支されるワイパアームヘッド10を備える。ワイパアームヘッド10は、図2(a)におけるA―A線断面視においてチャネル状に形成されるとともに、鋳物部品である。ワイパアームヘッド10の両側部間には第1係止ピン11が設けられるとともに、第1係止ピン11はワイパアームヘッド10の先端部12に位置している。第1係止ピン11は、その両端がかしめられてワイパアームヘッド10の両側部に固定されている。第1係止ピン11は、図示しないウィンドパネルとほぼ平行となるように設けられている。そして、第1係止ピン11よりさらに先端側には、ワイパアーム20の基端部21が回動可能に連結されている。
ワイパアーム20は、鉄によって構成されている。ワイパアーム20は、その両側に位置する側部22の端部同士が上壁部23によって連結されることで、図2(a)におけるB−B線断面視においてチャネル形状となるように形成されている。側部22は、図示しないウィンドパネルとほぼ直交する方向に延びている。上壁部23は、ワイパアームヘッド10とワイパアーム20とがスプリング部材30によって接近するように付勢されている状態において図示しないウィンドパネルと対向している。上壁部23の面のうちウィンドパネル側と反対側の面は、外部に露出している。図2(a)に示すように、ワイパアーム20には、側部22にそれぞれ脱着部としての溝24が形成されている。溝24は、図2(a)において下方に向かって開口するとともに、溝24の上底部は弧を描くような形状に形成されている。したがって、溝24はワイパ1が車両等に設置された状態においてウィンドパネル側に開口する。また、溝24は、該溝24の上底部が該溝24の開口面と対向するような直線状の溝になっている。溝24は、図示しないウィンドパネルに対して直交する方向に延びている。溝24には、第2係止ピン25が挟入されている。
第2係止ピン25は、図示しないウィンドパネルとほぼ平行となるように設けられている。図2(a)に示すように、第2係止ピン25は、ワイパアーム20の両側に位置する側部22間に延設された軸部26を備える。軸部26は、中実の棒状に形成されており、軸部26の外径は、溝24の幅より若干大きくなるとともに、溝24の上底部の弧の径とほぼ同じ大きさになっている。そして、図2(b)に示すように、軸部26は、側部22に形成されたそれぞれの溝24に挟入されている。軸部26の両端には、大径部27がそれぞれ設けられている。
大径部27は、円板状であるとともに、軸部26より径が大きくなるように形成されている。図2(b)に示すように、大径部27の内側面は軸部26が溝24に挟持されている状態において、それぞれ側部22の側面に当接している。
図2(a)に示すように、第1係止ピン11と第2係止ピン25とによって付勢手段としてのスプリング部材30が係止されている。そして、第2係止ピン25は第1係止ピン11より上方に位置しているため、スプリング部材30は傾斜した状態で係止されている。スプリング部材30は、ワイパアームヘッド10とワイパアーム20との間に取着されている状態において側部22と上壁部23とによって覆われている。スプリング部材30は、スプリング31と該スプリング31に連結されたスプリングガイド32とから構成されている。スプリングガイド32の一端部33は、第1係止ピン11と係合するとともに、スプリングガイド32の他端部34は、スプリング31の一端部35と係合している。また、スプリング31の他端部36は、第2係止ピン25と係合している。
図1に示すように、第2係止ピン25よりさらに先端側に位置するワイパアーム20の先端部28には、ワイパブレード40が連結されている。ワイパブレード40は、ワイパアーム20と直接連結しているレバーアッセンブリ41と、レバーアッセンブリ41に保持されるとともにウィンドパネルの外面と当接するブレードラバー42とから構成されている。
次に前記のように構成されたワイパ構造の作用を説明する。
ワイパ1は車両に搭載されており、揺動軸としての図示しないピボット軸が図示しない駆動源によって揺動されると、ワイパ1が備えるワイパアームヘッド10は、ピボット軸の揺動に連動してピボット軸を中心に回動する。ワイパアームヘッド10が回動すると、ワイパアーム20及びワイパブレード40は、ワイパアームヘッド10の回動に伴って回動する。ワイパブレード40は、図示しない車両のウィンドパネル外面に摺接し、ウィンドパネル外面の払拭作業を行う。この時、付勢手段としてのスプリング部材30は、ワイパアームヘッド10とワイパアーム20とを接近させるように付勢して、ワイパブレード40をウィンドパネルへ接圧する。
また、ウィンドパネル側とは反対側にワイパアーム20を回動させると、第1係止ピン11と第2係止ピン25との距離は短くなるため、スプリング部材30は、緊張状態から弛緩状態に至ってワイパアームヘッド10とワイパアーム20とを接近させるように付勢しなくなる。すなわち、ワイパ1は、ワイパアーム20を回動することによりワイパブレード40をウィンドパネルから離間することができるように構成されている。
このような車両に搭載されたワイパ1においてワイパアーム20は外部に露出しているため、車両が衝突物(例えば、歩行者)と衝突した際には衝突物がワイパアーム20に衝突することがある。衝突物が上方からワイパアーム20に当たると、ワイパアーム20の上壁部23には荷重F1が作用する。荷重F1は、スプリング部材30の上方に位置するワイパアーム20の部位に作用するとともにウィンドパネルの外面と交差する方向を指向している。荷重F1がワイパアーム20に作用すると、ワイパアーム20は屈曲するように変形するとともに、側部22は互いに離間する方向に変形する。そして、荷重F1がワイパアーム20に作用すると、溝24が設けられている付近のワイパアーム20の部位は他の部分に比べて剛性が低いため、溝24はより積極的に変形していくようになる。そして、溝24の変形が始まると溝24の開口は広がり、第2係止ピン25が挟持されている状態から自在に移動することができる状態になる。図3に示すように、第2係止ピン25は挟持されている状態から自在に移動することができる状態になると落下してワイパアーム20から外れ、それに伴って第2係止ピン25に係止されているスプリング31の他端部36もワイパアーム20から外れる。スプリング31の他端部36がワイパアーム20から外れて脱落すると、スプリング部材30はワイパアームヘッド10とワイパアーム20と接近させるように付勢できなくなり、ワイパアームヘッド10及びワイパアーム20の移動はスプリング31によって規制されなくなる。したがって、スプリング31の他端部36が外れることによって、ワイパアーム20の変形は滞りなく進行するようになり、ワイパアーム20はより変形できる。ワイパアーム20がより変形すれば、ワイパアーム20に衝突した衝突物に対して作用する反力は抑えられる。すなわち、ワイパアーム20の変形により衝撃が吸収される。
この実施形態では以下の効果を有する。
(1)ワイパアーム20は、その両側にある側部22にそれぞれ脱着部としての溝24を設けている。そして、荷重F1がスプリング部材30の上方に位置するワイパアーム20の上壁部23に加えられた場合には、スプリング31の他端部36がワイパアーム20から外れる。スプリング部材30が外れると、ワイパアーム20は、上壁部23に荷重F1が加えられた時より変形するようになり、衝撃を吸収することができる。また、ワイパアーム20に溝24を設けているため、荷重F1が加えられた時には、溝24の開口は好適に広がりスプリング31の他端部36をワイパアーム20から外すことができる。
(2)ワイパアーム20の側部22には、第2係止ピン25の軸部26を挟持し、下方に向かって開口している溝24が設けられている。そして、溝24が設けられている部分のワイパアーム20は、荷重が加えられた時にはより変形することができるため、荷重F1が加えられた時に生じる衝撃をより好適に吸収できる。
(3)第2係止ピン25は軸部26を備え、軸部26の両端には、それぞれ大径部27が設けられている。そして、第2係止ピン25が挟持されている状態において、大径部27の内側面は、それぞれ側部22に当接している。したがって、ワイパアーム20が振動することで第2係止ピン25に対して軸方向への振動が加えられても、第2係止ピン25が軸方向に移動して溝24から抜け落ちることは抑制される。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を図4にしたがって説明する。この実施形態では溝24を設けていない点及び第2係止ピン25の形状が前記第1の実施形態と異なっている。その他の構成は前記第1の実施形態と同じであり、第1の実施形態と同様の構成部分は同一符号を付して説明を省略又は簡略する。
図4(a)に示すように、第2係止ピン50は、両端がかしめられてワイパアーム20の側部22に固定されている。第2係止ピン50は、中央に縮径部としての凹部51が設けられている。凹部51は、第2係止ピン50の軸方向と交差する方向に延設されるとともに、凹部51が形成されている第2係止ピン50の部位はテーパ状になっている。凹部51によって第2係止ピン50の直径の一部は、縮径されている。凹部51の開口幅Tは、スプリング31の他端部36における直径Kより大きくなるように形成されている。そして、スプリング31の他端部36は、第2係止ピン25の凹部51に引っ掛けられて係止されている。
この実施形態において、衝突物がワイパアーム20の上壁部23に当たると、ワイパアーム20には荷重F1(図4(a)の二点鎖線で示す)が作用する。荷重F1は、スプリング部材30の上方に位置するワイパアーム20の部位に作用するとともにウィンドパネルの外面と直交する方向を指向している。荷重F1がワイパアーム20に作用すると、図4(b)の二点鎖線で示すように、ワイパアーム20の側部22はそれぞれ互いに離間する方向に変形する。ワイパアーム20の側部22がそれぞれ互いに離間する方向に変形すると第2係止ピン50の両端は離間方向に引っ張られるため、第2係止ピン50の凹部51にはせん断応力が集中し、第2係止ピン50は破断する。第2係止ピン50が破断すると、第2係止ピン50に係止されていたスプリング31の他端部36はワイパアーム20から外れる。スプリング31の他端部36がワイパアーム20から外れると、ワイパアームヘッド10及びワイパアーム20にはスプリング部材30による力が作用せず、ワイパアームヘッド10及びワイパアーム20はスプリング部材30によって移動が規制されなくなる。したがって、ワイパアーム20の変形は、滞りなく進行するためワイパアーム20はより変形するようになる。ワイパアーム20がより変形することになれば、ワイパアーム20に衝突した衝突物に対して作用する反力は抑えられる。
この実施形態においては、前記第1の実施形態の効果(1)と同様の効果を有する他に次の効果を有する。
(4)脱着部としての縮径部が第2係止ピン50に設けられている。そして、第2係止ピン50は、ワイパアーム20の側部22間に配置されているため、脱着部としての縮径部は外部に露出することはない。したがって、ワイパアーム20やワイパアームヘッド10に脱着部としての縮径部を設ける場合に比べて外観を良好にすることができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 第1実施形態において、第2係止ピン25を挟持する脱着部としての溝24の構成を変更してもよい。脱着部としての溝24は、ワイパアーム20に対して所定の荷重F1が加えられた時にスプリング部材30を取り外すように機能すればよいため、溝24において第2係止ピン25を取着する構成でなくてもよい。例えば、図5に示すように、溝24を設けているワイパアーム20の厚みを溝24を設けていない部位に比べて小さくすることで、ワイパアーム20の剛性を低下させ、ワイパアーム20が容易に変形できるように構成する。そして、ワイパアーム20に対して上方から荷重が加えられた時には、ワイパアーム20に設けた溝24から変形させて第2係止ピン25を下方に降下させ、第1係止ピン11から第2係止ピン25までの距離が短くなるように構成するとよい。このようにすれば、荷重F1が加えられた時には、スプリング31の他端部36と第2係止ピン25とは係合しなくなり、スプリング部材30をワイパアーム20から外すことができる。
○ 第1の実施形態において、脱着部を設ける箇所は、ワイパアーム20でなくてもよい。例えば、ワイパアームヘッド10に脱着部を設け、スプリングガイド32の一端部33が係止されている第1係止ピン11が外れるように構成してもよい。このように構成すれば、ワイパアームヘッド10に上方から所定値以上の荷重が加えられた場合には、スプリング部材30をワイパアームヘッド10から外すことができる。
○ 第1の実施形態において、溝24は、第2係止ピン25を挟持する構成でなくともよい。すなわち、溝24は、ワイパアーム20に上方から荷重が加えられていない時において第2係止ピン25を取着する構成であればよいため、第2係止ピン25が落下することを防止する突起を溝24に設けたうえで、溝24に第2係止ピン25が遊嵌されるような構成にしてもよい。また、溝24の形状は、ワイパブレード40をウィンドパネルへ接圧している状態においてウィンドパネル側に開口するとともに、スプリング部材30の付勢方向へ屈曲した形状にしてもよい。
○ 第1の実施形態において、脱着部としての溝24を形成する部位は、ワイパアーム20の両方の側部22でなく片方の側部22のみでもよい。
○ 第2の実施形態において、縮径部の形状については特に限定されない。縮径部の形状は、ワイパアーム20の側部22が互いに離間する方向に変形した時に、縮径部にせん断応力が集中するような形状であればよい。したがって、例えば、第2係止ピン25の一部を切り欠くことで縮径部を形成してもよい。
○ 第2の実施形態において、第2係止ピン50に凹部51を設けていたが、凹部51を設けなくてもよい。このような場合には、例えば、第2係止ピン25の強度をスプリング部材30によって加えられる引張力に耐えることができる強度にしたうえで、ワイパアーム20の側部22が互いに離間する方向に変形して第2係止ピン25にせん断応力が加えられた際には破断するような強度に設定するとよい。
○ 第2の実施形態において、縮径部は第2係止ピン25の中央に設けられていたが、縮径部を設ける部位を変更してもよい。例えば、縮径部を第2係止ピン25の端部に設けてもよい。
○ 付勢手段として用いる部材は、スプリング部材30でなくともよい。付勢手段は、ワイパブレード40に対してウィンドパネル側への付勢力を付与できる部材であればよいため、例えば、スプリング部材30の代わりにゴム部材を付勢手段として用いてもよい。
○ 付勢手段としてのスプリング部材30を第2係止ピン25に取着する方策については、とくに限定しない。例えば、第2係止ピン25に嵌合凹部を設け、嵌合凹部にスプリング31の他端部36を嵌合させることで、スプリング部材30を第2係止ピン25に取着させてもよい。
○ 第1係止ピン11とスプリング部材30とを別体に構成しなくてもよい。同様に、第2係止ピン25とスプリング部材30とを別体に構成しなくてもよい。例えば、スプリングガイド32の一端部33の形状を第1係止ピン11の形状と同様の形状にすることで、スプリングガイド32の一部を第1係止ピン11として構成してもよい。また、スプリング31の他端部36の形状を第2係止ピン25の形状と同様の形状にして、スプリング31の一部を第2係止ピン25として構成してもよい。
○ ワイパ1は、フロントウィンドウパネルを払拭するためのワイパとして設けてもよいし、リヤウィンドウパネルを払拭するためのワイパとして設けてもよい。
以下の技術的思想は前記実施形態から把握できる。
○ 前記付勢手段は、前記ワイパアームヘッドに設けられた第1係止ピンと、前記ワイパアームに設けられた第2係止ピンとに係止されており、前記脱着部は、前記第1係止ピン及び前記第2係止ピンの少なくともいずれか一方に設けられ、上方から荷重が加えられた時にはせん断応力が集中する凹部であるワイパ構造。
○ 前記付勢手段は、前記ワイパアームヘッドに設けられた第1係止ピンと、前記ワイパアームに設けられた第2係止ピンとに係止されており、前記脱着部は、前記第1係止ピン及び前記第2係止ピンの少なくともいずれか一方に設けられ、衝突による荷重が前記ワイパアームヘッド又は前記ワイパアームに加えられた時に前記第1係止ピン又は前記第2係止ピンを破断させる破断部であるワイパ構造。
第1実施形態のワイパを示す斜視図。 (a)は、第1実施形態におけるワイパの部分斜視図、(b)は、第1の実施形態におけるワイパの部分断面図。 第1実施形態においてワイパアームが変形した状態を示す斜視図。 (a)は、第2の実施形態におけるワイパの部分斜視図、(b)は、第2の実施形態におけるワイパの部分断面図。 別の実施形態におけるワイパの部分側面図。 従来のワイパ構造を示す部分側断面図。
符号の説明
F1…荷重、1…ワイパ、10…ワイパアームヘッド、11…第1係止ピン、20…ワイパアーム、24…溝、25、50…第2係止ピン、30…スプリング部材、40…ワイパブレード、51…凹部。

Claims (2)

  1. 揺動軸に軸支されるワイパアームヘッドと、ウィンドパネルを払拭するワイパブレードと、前記ワイパアームヘッドと前記ワイパブレードとを連結するワイパアームと、前記ワイパアームヘッドと前記ワイパアームとの間に取着され、前記ワイパアームヘッドと前記ワイパアームとを接近させるように付勢して前記ワイパブレードを前記ウィンドパネルへ接圧する付勢手段とを備えたワイパ構造であって、
    前記付勢手段は、前記ワイパアームヘッドに設けられた第1係止ピンと、前記ワイパアームに設けられた第2係止ピンとに係止されており、
    衝突による荷重が前記ワイパアームヘッド及び前記ワイパアームの少なくともいずれか一方に加えられた場合に前記第1係止ピン又は前記第2係止ピンを脱着させる脱着部を前記ワイパアームヘッド及び前記ワイパアームの少なくともいずれか一方に設け
    前記脱着部は、前記ワイパブレードを前記ウィンドパネルへ接圧している状態においてウィンドパネル側に開口する溝であり、
    前記溝の幅よりも外径が大きく形成された前記第1係止ピン又は前記第2係止ピンが前記溝に挟入されているワイパ構造。
  2. 前記ワイパアームヘッド及びワイパアームの少なくともいずれか一方に前記荷重が作用した場合に、前記溝が変形して 該溝に挟入された前記第1係止ピン又は前記第2係止ピンが移動できる状態となる請求項1に記載のワイパ構造
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