JP4749218B2 - 強誘電体素子の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、強誘電体素子の製造方法に関するものである。
半導体装置における強誘電体材料としては、SrBiTaや、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr1−xTi)O)を用いたものが実用化されている。なお、以下の説明では、SrBiTaの組成比を変えたものや、Nbに代表される添加物を加えたり、また、Nbで置換したりした化合物群をSBTと総称する。また、Pb(Zr1−xTi)Oの組成比を変えたものや、LaやCa等の添加物を加えたり、これらの添加物で置換したりした化合物群をPZTと総称する。さらに、チタン酸ビスマスにランタンを添加したBLTなどが、強誘電体材料として検討されている。これらの強誘電体材料は、いずれもペロブスカイト構造の結晶構造を有しており、この結晶構造が分極発現の起源となり強誘電性を示す。
強誘電体材料を用いた半導体装置である強誘電体素子として、強誘電体メモリがある。強誘電体は、電圧印加方向の分極を、電圧を取り除いても保持する性質をもっている。すなわち、強誘電体には、自発分極がある。このため、強誘電体メモリは、不揮発性メモリとして用いることができる。
図1(A)及び(B)を参照して、強誘電体メモリについて説明する。図1(A)は、強誘電体メモリの基本セル(メモリセルとも称する。)の等価回路図である。図1(B)は、メモリセルの概略的な断面図である。ここでは、強誘電体メモリは、1つのトランジスタと1つの強誘電体キャパシタとで基本セルを構成するものとして説明する。
強誘電体メモリは、トランジスタと強誘電体キャパシタの配置関係によって、プレーナ型とスタック型とに分類できる。
プレーナ型は、キャパシタの上部電極とトランジスタの拡散層が電気的に接続されている構成であり、トランジスタ直上にキャパシタを形成することができない。そのため、1つの基本セルにトランジスタ領域とキャパシタ領域が設けられることになるので、微細化には適さない。
一方、スタック型は、キャパシタの下部電極とトランジスタの拡散層が電気的に接続されている構成であり、トランジスタ上にキャパシタが形成されている。このため、スタック型は、プレーナ型に比べて微細化に優れる。
図1(B)を参照して、スタック型のメモリセルについて説明する。
スタック型のメモリセル10は、下地20上に強誘電体キャパシタ51を備えている。下地20は、素子分離膜39で画成された領域に形成されたMOSトランジスタ30と、MOSトランジスタ30上に形成された第1の層間絶縁膜40と、第1の層間絶縁膜40に形成された、下部電極用のコンタクトプラグ42及び第1のビット線(BL)用のコンタクトプラグ44aとを備えている。MOSトランジスタ30は、シリコン基板32上に形成されたゲート酸化膜36及びゲート電極38と、シリコン基板32に形成されたドレイン領域及びソース領域として機能する拡散層34を備えている。ゲート電極38は、ワード線(WL)としても機能する。従って、以下の説明では、ワード線(WL)もゲート電極と同じ符号を付して説明する。下部電極用のコンタクトプラグ42及び第1のビット線用のコンタクトプラグ44aは、それぞれ拡散層34に電気的に接続されている。
強誘電体キャパシタ51は、下部電極53、強誘電体薄膜55及び上部電極57が順次に積層されて構成されている。第1の層間絶縁膜40及び強誘電体キャパシタ51上に第2の層間絶縁膜41が形成されている。第2の層間絶縁膜41には第2のビット線(BL)用のコンタクトプラグ44b及びプレート線(PL)用のコンタクトプラグ46が形成されている。また、第2の層間絶縁膜41上には、ビット線(BL)60とプレート線(PL)62が形成されている。第2のビット線用コンタクトプラグ44bは、第1のビット線用コンタクトプラグ44a及びビット線60と電気的に接続されている。従って、ビット線(BL)60は、MOSトランジスタ30の一方の拡散層34と電気的に接続されている。プレート線用のコンタクトプラグ46は、強誘電体キャパシタ51の上部電極57及びプレート線(PL)62に、電気的に接続されている。
強誘電体キャパシタ51は、例えばドライエッチングにより形成される。そこで、強誘電体材料のエッチングに用いられるマスクとして、シリコン酸化膜が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
さて、強誘電体キャパシタ51の電極として用いられるPtやIr等の貴金属材料は反応性が極めて低いので、低温(常温から80℃程度)でのエッチングが困難である。このため、エッチングチャンバを加熱して高温雰囲気中でエッチングを行うことがある。この場合、高温雰囲気中では、シリコン酸化膜がもたないので、ハードマスク材料としてTiNまたはTiAlNが用いられる(例えば、特許文献2参照)。
また、エッチング条件によっては、TiNまたはTiAlN上にシリコン酸化膜を積層したハードマスクが用いられることもある(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−151656号公報 特開2003−318371号公報 特開2001−244426号公報
エッチングによる強誘電体キャパシタの形成により、強誘電体キャパシタの強誘電体薄膜に酸素欠損などの結晶欠陥が生じる。この結晶欠陥を回復させるために、エッチング処理後に酸素雰囲気中で熱処理を施す必要がある。
しかし、ハードマスク材料にTiNを用いた場合、強誘電体キャパシタ上にTiNが残存する状態で酸素雰囲気中の熱処理を行うと、TiNが酸化されて、体積の膨張や部分的な剥離などが発生する場合がある。この状態で強誘電体キャパシタを覆う層間絶縁膜の形成を行うと、層間絶縁膜の上面に段差が生じるなど不具合が発生する。従って、酸素雰囲気中の熱処理前にTiNを完全に除去しなければならない。このTiNを完全に除去するためには、強誘電体キャパシタの形成後にさらにエッチングを行う必要がある。このため、上部電極の厚みが薄くなるなどして、強誘電体キャパシタの特性劣化が起こる恐れがある。
一方、TiAlNは耐酸化性を有するので、ハードマスク材料にTiAlNを用いると、TiAlNが残存する状態でも酸素雰囲気中での熱処理が可能である。
しかしながら、TiAlNは、エッチングによりダメージを受けて、不安定な状態になる場合がある。エッチングによるダメージには、エッチング雰囲気中の、Cl、C、O、Arなどの結晶中への導入、導入された元素による結晶欠陥、Nの脱離による組成比の変化、表面の凹凸の形成などがある。このようにTiAlNが不安定な状態にあると、酸素雰囲気中での熱処理によりTiAlNの剥離や凝集が起こる、すなわち、TiAlNの耐酸化性が低下する。
そこで、発明者が鋭意研究を行ったところ、酸素雰囲気中での熱処理の前に、窒素雰囲気中での熱処理を行うことにより、TiAlNの結晶構造及び耐酸化性が回復することを見出した。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、ハードマスク材料のTiAlNが残存する状態で、酸素雰囲気中の熱処理を可能にする強誘電体素子の製造方法を提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の強誘電体素子の製造方法は、以下の工程を備えている。先ず、下地上に、第1導電層、金属酸化物誘電体からなる強誘電体層、及び第2導電層を順次に積層したキャパシタ形成用積層膜を形成する。次に、キャパシタ形成用積層膜上に、TiAlNマスク層を含むハードマスクを形成する。次に、ハードマスクを用いたエッチングにより、第1導電層、強誘電体層及び第2導電層をそれぞれ下部電極、強誘電体薄膜及び上部電極に加工して、キャパシタ形成用積層膜から強誘電体キャパシタを形成する。次に、窒素雰囲気中での熱処理を行って、強誘電体キャパシタ上に残存するTiAlNマスク層の結晶構造を回復させる。次に、酸素雰囲気中での熱処理を行って、強誘電体薄膜の結晶構造を回復させる。
この発明の強誘電体素子の製造方法によれば、窒素雰囲気中での熱処理を行うことによって、TiAlNマスク層の結晶構造が回復するので、TiAlNマスク層が残存する状態で、強誘電体の結晶構造を回復させるための酸素雰囲気中での熱処理を行うことが可能となる。
また、TiAlNは導電性材料であるので、TiAlNマスク層を残存させた状態で、層間絶縁膜を形成し、コンタクトホールのエッチングを行うことが可能になる。この結果、コンタクトホールのエッチングの際にキャパシタに導入されるダメージが低減されるとともに、TiAlNマスク層は、エッチングのバッファ層としても用いることができるので、マージンが拡大する。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の位置、大きさ及び配置関係についてはこの発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の組成(材質)および数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されない。
図2〜6を参照して、強誘電体素子として、スタック型の強誘電体メモリを例にとって、その製造方法について説明する。図2は、強誘電体素子の製造方法について説明するための図であって、特に強誘電体キャパシタの製造フローを示す図である。図3〜6は、強誘電体素子の製造方法について説明するための図であって、強誘電体メモリの製造工程を示す図である。図3〜6は、それぞれ断面の切り口を示している。
ステップ(以下、ステップをSで表す。)5では、下地20を用意する。下地20は、MOSトランジスタ30が形成されたシリコン基板32の一方の主表面側に、第1の層間絶縁膜40を備えている。
MOSトランジスタ30は、素子分離膜39で画成された領域に形成されている。MOSトランジスタ30は、シリコン基板32上に形成されたゲート酸化膜36及びゲート電極38と、シリコン基板の一方の主表面側を平面的に見た場合に、ゲート酸化膜36及びゲート電極38を挟む位置に、ドレイン領域及びソース領域として機能する拡散層34を備えている。なお、シリコン基板32に素子分離膜39及びMOSトランジスタ30を形成する工程は、従来周知の任意好適な方法で行えば良いので、ここでは説明を省略する。
第1の層間絶縁膜40を、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりシリコン酸化膜で形成する。第1の層間絶縁膜40は、下部電極用のコンタクトプラグ42及び第1のビット線用のコンタクトプラグ44aを備えている。下部電極用のコンタクトプラグ42は、MOSトランジスタ30の拡散層34と強誘電体キャパシタの下部電極とを電気的に接続するためのコンタクトプラグである。また、第1のビット線用のコンタクトプラグ44aは、拡散層34とビット線とを電気的に接続するために用いられるコンタクトプラグである。コンタクトプラグの形成は、任意好適な従来周知の方法で行うことができる。例えば、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、拡散層34を露出するコンタクトホールを開口した後、コンタクトホール内にタングステン(W)やポリシリコンをCVD法により堆積する。その後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)やエッチバックにより平坦化処理を行い、下地20を得る(図3(A))。
S10では、下地20上に、第1導電層52、金属酸化物誘電体からなる強誘電体層54、及び第2導電層56を順次に積層したキャパシタ形成用積層膜50を形成する。
第1導電層52を、例えば窒化チタンアルミニウム(TiAlN)層71、Ir層73、IrO層75及びPt層77を順に、スパッタ法により積層して形成する。第1導電層52は、後の工程で加工され強誘電体キャパシタの下部電極となる。下部電極の構成は、この例に限定されないが、下部電極をTiAlN層、Ir層、IrO層及びPt層の積層構造とすることにより、下部電極用のコンタクトプラグ42の酸化を防止することができるなど、キャパシタ下部が受けるダメージを低減できる。
次に、強誘電体の成分元素を含んだ有機溶媒を基板上に塗布し、然る後、有機溶媒を蒸発させかつ所望の結晶構造を得る結晶化熱処理を行うことで、強誘電体層54を形成する。強誘電体として、例えば、SBT、PZT又はBLTなどが用いられる。ここでは、強誘電体としてSBTを例にとって説明する。なお、強誘電体の材料はこれらに限定されず、任意好適な金属酸化物の強誘電体材料を用いることができる。また、強誘電体材料の成膜工程は、上述の方法に限定されず任意好適な従来周知の方法を用いることができる。強誘電体の結晶化熱処理は、強誘電体材料の種類、組成比、成膜方法、膜厚などにより任意好適な条件で行えば良く、好ましくは、例えば、650℃から800℃の範囲内の温度(すなわち雰囲気温度)の酸素雰囲気中で30秒から5分間程度のRTA(rapid thermal annealing)で行えば良い。
次に、第2導電層56を、例えば、Ptをスパッタにより強誘電体層54上に堆積して形成する。なお、第2導電層56として、Ir系材料を用いても良い(図3(B))。
キャパシタ形成用積層膜が形成された後、S20において、キャパシタ形成用積層膜50上に、TiAlNマスク層を含むハードマスクを形成する。ハードマスクの構成は、所望のキャパシタの形状、及びエッチング条件に応じて好適なものを選択できる。
例えば、エッチング後の雰囲気中に残存する成分を考慮すると、ハードマスクの材料としてシリコン酸化膜を用いるのが好ましい。シリコン酸化膜をハードマスクとしたときのエッチングは、常温から80℃程度の、比較的低温で行われる。これに対し、強誘電体キャパシタの電極として用いられる、PtやIrなどの貴金属材料は、反応性が極めて低いので低温でのエッチングが困難である。従って、貴金属材料のエッチングは高温雰囲気中で行うのが良い。しかし、高温雰囲気中では、シリコン酸化膜がもたない。このため、ハードマスクとして、TiAlN、シリコン酸化膜(SiO)及び窒化チタン(TiN)を順に積層した構成にするのがよい。
ハードマスクを形成する工程では、先ず、TiAlN層83、SiO層85及びTiN層87を順に積層して、ハードマスク形成用積層膜81を形成する。ハードマスク形成用積層膜81の形成は、例えばスパッタ法やCVD法など任意好適な周知の方法で行えば良い(図4(A))。その後、ハードマスク形成用積層膜81をフォトリソグラフィ及びドライエッチングにより加工して、TiAlNマスク層82、シリコン酸化膜(SiO)マスク層84及びTiNマスク層86を順に積層したハードマスク80を形成する。ハードマスク80は、キャパシタ形成用積層膜50上の、強誘電体キャパシタ51が形成される領域を覆う位置に設けられる(図4(B))。
S30において、ハードマスク80を用いたエッチングを行う。このエッチングにより第1導電層52、強誘電体層54及び第2導電層56をそれぞれ下部電極53、強誘電体薄膜55及び上部電極57に加工して、キャパシタ形成用積層膜50から強誘電体キャパシタ51を形成する。
強誘電体キャパシタ51を形成する工程では、先ず、高温雰囲気中でのドライエッチングにより、第2導電層56を加工して上部電極57を形成する。ここでは、反応ガスとして、好ましくは、例えば、Cl、Ar及びOの混合ガスを用いて雰囲気温度を450℃にしてエッチングを行う。
次に、低温雰囲気中でのドライエッチングにより、強誘電体層54を加工して強誘電体薄膜55を形成する。ここでは、反応ガスとして、例えば、Cl、Ar及びOの混合ガスを用いて雰囲気温度を80℃にしてエッチングを行う。
次に、高温雰囲気中でのドライエッチングにより、第1導電層52を加工して下部電極53を形成する。下部電極53を形成するためのエッチング条件は、上部電極57を形成する際のエッチング条件と同じにする。これらの一連のドライエッチングにより、ハードマスク80のTiNマスク層86、SiOマスク層84及びTiAlNマスク層82は消耗するが、強誘電体キャパシタ51上に、TiAlNマスク層82の一部分が残存する(図5)。
なお、ここでは、ハードマスク80を3層構造として、高温、低温及び高温のエッチングを行う例について説明したが、この例に何ら限定されるものではない。
例えば、ハードマスクをTiAlNマスク層とシリコン酸化膜マスク層の2層構造としても良い。この場合、エッチング工程では、先ず、低温エッチングにより、第2導電層及び強誘電体層をそれぞれ上部電極及び強誘電体薄膜に加工する。その後、高温エッチングより、第1導電層を下部電極に加工する。
また、ハードマスクをTiAlNマスク層の1層で形成しても良い。この場合、エッチング工程では、高温エッチングにより、第2導電層、強誘電体層及び第1導電層をそれぞれ上部電極、強誘電体薄膜及び下部電極に加工する。
なお、これらのエッチング処理の後、強誘電体キャパシタ51上にはTiAlNマスク層82が残存している。TiAlNは耐酸化性を有するが、エッチングによりダメージを受けることにより、TiAlNマスク層82が不安定な状態になっている場合がある。エッチングによるダメージには、エッチング雰囲気中のCl、O、Arなどの、不純物としての結晶中への導入、不純物の導入による結晶欠陥、Nの脱離による組成比の変化、表面の凹凸の形成などがある。なお、導入される不純物は、Cl、O、Arに限られず、エッチングガスによってCなどが導入されることもある。このようにTiAlNマスク層82が不安定な状態にあると、後の工程での強誘電体の結晶構造を回復させるための酸素雰囲気中での熱処理により、TiAlNマスク層82の剥離や凝集が起こる。この状態で強誘電体キャパシタ51を覆う第2の層間絶縁膜41の形成を行うと、第2の層間絶縁膜41の上面に段差が生じるなど不具合が発生する。
そこで、S40において、窒素雰囲気中での熱処理を行って、強誘電体キャパシタ51上に残存するTiAlNマスク層82の結晶構造を回復させる。この熱処理によって、TiAlNマスク層82中に導入された不純物を脱離させ、また、Nの脱離による組成比の変化及び結晶欠陥からTiAlNマスク層82を回復させる。
TiAlNマスク層82をエッチングによるダメージから回復させた後、S50において、酸素雰囲気中での熱処理を行って、強誘電体薄膜55の結晶構造を回復させる。強誘電体薄膜は、TiAlNマスク層と同様にエッチング工程により、結晶構造の劣化、酸素欠損などの組成比の変化、エッチングガスの膜中への拡散などのダメージを受けているためである。
酸素雰囲気中での熱処理の条件は、S10の強誘電体層54の結晶化熱処理と同じ条件とすればよく、例えば、650℃から800℃の範囲内の温度の酸素雰囲気中で30秒から5分間程度のRTAで行われる。
一方、窒素雰囲気中での熱処理は、TiAlNマスク層82の回復という点からは、高い温度、例えば、高温エッチングでの雰囲気温度以上の温度でされるのが良い。ただし、窒素雰囲気中での高温の熱処理を行うと、金属酸化物誘電体である強誘電体薄膜55が還元されて、酸素欠損が生じる。従って、窒素雰囲気中での熱処理は、その後に行われる酸素雰囲気中での熱処理よりも低い温度に設定して行うのが良い。好適には、窒素雰囲気中で、450〜600℃の範囲内の温度(すなわち雰囲気温度)で30秒から5分間程度のRTAを行うのが良い。なお、この熱処理は、RTAに限定されず、チャンバー内に450〜600℃の範囲内の温度(すなわち雰囲気温度)の窒素雰囲気を導入することで行っても良い。
なお、酸素雰囲気中での熱処理により酸素欠損が回復される程度であれば、強誘電体薄膜が還元されても良い。従って、窒素雰囲気中での熱処理を、酸素雰囲気中での熱処理よりも高い温度で行うことも可能である。
上述したように、この発明の強誘電体素子の製造方法によれば、窒素雰囲気中での熱処理によって、TiAlNマスク層の結晶構造が回復するので、TiAlNが残存する状態で、強誘電体薄膜の結晶構造を回復させるための酸素雰囲気中での熱処理を行うことが可能となる。
強誘電体キャパシタ51を形成した後は、下地20及び強誘電体キャパシタ51上に第2の層間絶縁膜41を形成し、さらに、プレート線用のコンタクトプラグ46及び第2のビット線用のコンタクトプラグ44bを形成する。プレート線用のコンタクトプラグ46は、強誘電体キャパシタ51の上部電極57と、第2の層間絶縁膜41上に設けられるプレート線(PL)とを電気的に接続するコンタクトプラグである。また、第2のビット線用のコンタクトプラグ44bは、第1のビット線用のコンタクトプラグ44aと相俟ってビット線用コンタクトプラグを形成する。ビット線用のコンタクトプラグは、MOSトランジスタ30の拡散層34と、第2の層間絶縁膜41上に設けられるビット線(BL)とを電気的に接続するコンタクトプラグである。
これらコンタクトプラグ44b及び46の形成は、下部電極用のコンタクトプラグ42及び第1のビット線用のコンタクトプラグ44aと同様に行うことができる。ここで、ビット線用のコンタクトプラグ44a及び44bは、第2の層間絶縁膜41の形成後に一括して形成しても良い。なお、ビット線用のコンタクトプラグ44a及び44bの形成を一括して行わない場合は、第1のビット線用のコンタクトプラグ44aの酸化防止等の処置を適宜行うのが良い。
ここで、強誘電体キャパシタ51の上部電極57上に残存するTiAlNマスク層82は、導電性材料である。従って、上部電極57上にコンタクトホール48を開口するエッチングでは、上部電極57が露出する必要はなく、TiAlNマスク層82が露出していれば良い。コンタクトホール48の底部にTiAlNマスク層82が残存することで、コンタクトホール48のエッチングにより強誘電体薄膜55に導入されるダメージを低減することができる。この場合、TiAlNマスク層82の膜厚を、ハードマスクとして要求される膜厚よりも厚く形成して、強誘電体キャパシタ51上にTiAlNマスク層82を積極的に残存させる。このTiAlNマスク層82は、コンタクトホールを開口するエッチングのバッファ層として用いることができ、このTiAlNマスク層82の厚さの分だけ、エッチング工程でのコンタクトホールの深さに対してマージンが拡大される(図6参照)。
ここでは、ハードマスク80としてTiAlNマスク層82を含むものについて説明したが、その材質は、必ずしもTiAlNに限定されるものではない。ハードマスクとして用いられるものであって、耐酸化性及び導電性を有する金属窒化物であれば、利用可能である。
また、強誘電体素子として、スタック型の強誘電体メモリを例にとって説明したが、この発明は、スタック型の強誘電体メモリに限定されるものではない。強誘電体キャパシタを有する素子に適用可能である。
強誘電体メモリの基本セルを示す概略図である。 強誘電体キャパシタの製造フローを示す図である。 強誘電体メモリの製造工程を示す図(その1)である。 強誘電体メモリの製造工程を示す図(その2)である。 強誘電体メモリの製造工程を示す図(その3)である。 強誘電体メモリの製造工程を示す図(その4)である。
符号の説明
10 メモリセル
20 下地
30 MOSトランジスタ
32 シリコン基板
34 拡散層
36 ゲート酸化膜
38 ゲート電極
39 素子分離膜
40、41 層間絶縁膜
42、44a、44b、46 コンタクトプラグ
50 キャパシタ形成用積層膜
51 強誘電体キャパシタ
52 第1導電層
53 下部電極
54 強誘電体層
55 強誘電体薄膜
56 第2導電層
57 上部電極
60 ビット線(BL)
62 プレート線(PL)
71 窒化チタンアルミニウム(TiAlN)層
73 Ir層
75 IrO
77 Pt層
80 ハードマスク
81 ハードマスク形成用積層膜
82 TiAlNマスク層
83 TiAlN層
84 SiOマスク層
85 SiO
86 TiNマスク層
87 TiN層

Claims (7)

  1. 下地上に、第1導電層、金属酸化物誘電体からなる強誘電体層、及び第2導電層を順次に積層したキャパシタ形成用積層膜を形成する工程と、
    該キャパシタ形成用積層膜上に、TiAlNマスク層を含むハードマスクを形成する工程と、
    該ハードマスクを用いたエッチングにより、前記第1導電層、前記強誘電体層及び前記第2導電層をそれぞれ下部電極、強誘電体薄膜及び上部電極に加工して、前記キャパシタ形成用積層膜から強誘電体キャパシタを形成する工程と、
    窒素雰囲気中での熱処理を行って、前記強誘電体キャパシタ上に残存する前記TiAlNマスク層の結晶構造を回復させる工程と、
    酸素雰囲気中での熱処理を行って、前記強誘電体薄膜の結晶構造を回復させる工程と
    順次に行うことを特徴とする強誘電体素子の製造方法。
  2. 前記窒素雰囲気の温度を、前記酸素雰囲気の温度よりも低く設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の強誘電体素子の製造方法。
  3. 前記窒素雰囲気での熱処理を450〜600℃の範囲内の雰囲気温度で行い、及び
    前記酸素雰囲気での熱処理を650〜800℃の範囲内の雰囲気温度で行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の強誘電体素子の製造方法。
  4. 前記ハードマスクを形成する工程では、前記ハードマスクをTiAlNマスク層、シリコン酸化膜マスク層及びTiNマスク層を順に積層して形成し
    前記強誘電体キャパシタを形成する工程では、前記第2導電層を高温エッチングにより前記上部電極に加工し、前記強誘電体層を低温エッチングにより前記強誘電体薄膜に加工し、かつ、前記第1導電層を高温エッチングにより前記下部電極に加工し、及び
    前記低温エッチングは、雰囲気温度を常温から80℃の範囲内の温度として行われ、前記高温エッチングは、前記低温エッチングよりも高い雰囲気温度で行われる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の強誘電体素子の製造方法。
  5. 前記ハードマスクを形成する工程では、前記ハードマスクをTiAlNマスク層及びシリコン酸化膜マスク層を順に積層して形成し
    前記強誘電体キャパシタを形成する工程では、前記第2導電層及び前記強誘電体層を低温エッチングによりそれぞれ前記上部電極及び前記強誘電体薄膜に加工し、かつ、前記第1導電層を高温エッチングにより前記下部電極に加工し、及び
    前記低温エッチングは、雰囲気温度を常温から80℃の範囲内の温度として行われ、前記高温エッチングは、前記低温エッチングよりも高い雰囲気温度で行われる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の強誘電体素子の製造方法。
  6. 前記ハードマスクを形成する工程では、前記ハードマスクをTiAlNマスク層で形成し
    前記強誘電体キャパシタを形成する工程では、前記第2導電層、前記強誘電体層及び前記第1導電層を高温エッチングによりそれぞれ前記上部電極、前記強誘電体薄膜及び前記下部電極に加工し、及び
    前記高温エッチングは、80℃よりも高い雰囲気温度で行われる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の強誘電体素子の製造方法。
  7. 前記強誘電体薄膜の結晶構造を回復させる工程の後、さらに
    前記下地及び前記強誘電体キャパシタ上に層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記TiAlNマスク層をバッファ層としてコンタクトホールを開口する工程と、
    前記コンタクトホール内に導電性プラグを形成する工程と
    を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の強誘電体素子の製造方法。
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