JP4748526B2 - ディスクの表面欠陥検査方法および検査装置 - Google Patents
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Description
ガラスディスク基板等を用いる磁気ディスクの製造工程の―例としては、まず、ガラスディスクをラッピング装置で磨き上げ(ラッピング加工工程)、次にガラス基板の両面をポリッシング加工して、表面粗さ平均1nm程度に鏡面加工する(ポリッシング加工工程)。その後、ガラス基板を洗浄し(第1洗浄工程)、表面欠陥検査および周面欠陥検査が行われる(第1表面検査工程)。そして合格したガラス基板を洗浄し(第2洗浄工程)、スパッタ法等によりクロム、銅、NiAl等からなる厚さ50〜2000Å程度の金属下地層を形成し(金属下地層形成工程)、続いてスパッタ法等によりコバルト系強磁性合金薄膜等からなる厚さ100〜1000Å程度の磁性層を形成し(磁性層形成工程)、さらに例えばカーボン膜、水素化カーボン膜、窒素化カーボン膜等からなる厚さ10〜150Å程度の保護膜を形成する(保護膜形成工程)。このような製造工程で保護膜を形成した後、成膜工程で発生した小突起の除去及び表面の清浄化のため、研磨装置により磁気ディスクの表面のテープクリーニング等が行われる(バーニッシュとワイピング工程)、そして最後に再び表面検査が行われる(第2表面検査工程)。
このような欠陥検査とは別に、ディスクキャリアにディスクホルダーを設けて複数枚のディスクを起立させて横一列に配置しておき、ディスクキャリアをスパッタ室や成膜室などに順次搬送する磁気ディスクの製造装置が知られている(特許文献3)
HDDの家電製品への搭載や自動車などのへの搭載が急速に進むにつれて、HDDの生産が急増している。その関係で、ディスクの検査がその急増に追いつかなくなってきている。しかも、高記録密度の要求から、磁気ディスクやその基板(サブストレート)表面の突起検査あるいは凹凸欠陥検査では、ますます低い突起や凹欠陥の検出が要求される。そのために検査時間がかかるようになってきている。
このようなことに対処するために、検査装置の台数を増加させて並列に検査することなどが行われている。しかし、それは、HDDの製造原価を引き上げる問題がある。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、ディスクのハンドリング時間を短縮して、ディスク検査のスループットを向上させることができるディスクの表面欠陥検査方法および検査装置を提供することにある。
この場合の各検査ディスクは、一枚一枚検査位置にハンドリングするのではなく、単に搬送するだけで済むので、検査の際のディスクのハンドリング時間が短縮され、ディスク検査のスループットを向上させることができる。
図1(a)において、10は、欠陥検査装置であり、1は、その検査対象となるディスク(磁気ディスクあるいはそのサブストレート、以下ディスク)であって、2は、欠陥検査装置10の欠陥検出光学系である。
ディスク1は、ディスクカセット8から内周チャックあるいは内周外周チャックのハンドリングロボット9により取り上げられてリニア移動ベース4上の5連プラテン(ディスクキャリア)3に順次セットされて起立した状態でX軸方向に一列にセットされる。5連プラテン3は、リニア移動ベース4上に載置されて、X軸に沿って所定の速度で移動する。
そこで、ディスク1は、X軸上を移動して検査位置7に順次連続的に位置決めされて、ここでレーザビームLによりZ走査がなされる。
リニア移動ベース4は、水平方向に移動するリニアモータと同様な移動機構であって、5連プラテン3を受ける表面には滑り止めのためにセレーションが形成されている。なお、セレーションに換えて5連プラテン3をリニア移動ベース4上に吸着固定するような構成であってもよい。
投光系5は、半導体レーザ素子(LD)によるレーザビームLを発生するレーザ光源51と補正レンズ52とポリゴンミラー53とを有し、レーザ光源51から発生するレーザビームLを補正レンズ52を経て垂直に配置されたポリゴンミラー53に照射してその反射光をディスク1に照射する。
ポリゴンミラー53の回転の制御により、ディスク1に照射されるレーザビームLは、Z方向にディスク1の外径の幅をカバーする範囲で一方向(上から下)に振られてディスク1の表面を上下に走査する。すなわち、ディスクの移動方向に直交する方向にディスク1の表面がレーザビームLにより走査される。
なお、レーザ光源51のレーザビームLは、その一部がモニタ機構のミラーに照射され、受光素子に受光されてモニタ側に送られる。これにより、レーザ光源51の出力が光照射制御回路を介して調整されるが、図ではこれらのモニタ機構は発明に直接関係していないので省略してある。
レーザビームLの、ディスク1からの反射光は、受光系6で受光される。受光系6は、ディスク1の検査領域からの反射光をレンズ61を経て受光器62が受ける。受光器62としては、PMT(フォトマルチプライヤ)やAPD(アバランシェ・ホト・ダイオード)等の光電変換素子が使用される。
リニア移動ベース4は、空の5連プラテン3を移動し、この移動において、一対のアーム30a,30bの間にハンドリングロボット9が降下して、降下されたディスク1が谷溝31に沿って上から挿入されてディスク1が図示するようにそれぞれのアーム30a,30bの間に保持される。
なお、一対のアーム30a,30bは、下側より数mm程度上部が開いていて、ハンドリングロボット9によるディスクの挿入がし易くなっている。アーム30a,30bのそれぞれの谷溝31は、アーム30a,30bの中間位置まで形成され、図1(b)に示すように、各谷溝31の間の距離がディスク1の直径Dに対応している。そこで、ディスク1は、谷溝31の端で止まって図示するようにアーム30a,30bの途中で保持される。
このXZ走査により得られる各Z走査のレーザビーム照射時のディスク1の表面からの反射光は、ディスク1の表面に対して60°〜70゜前後の受光角度(仰角)をなす受光系6により受光され、その受光光は、受光系6のレンズ61で集光され、受光器62に与えられて電気信号に変換される。
その結果、受光器62から受光量に応じた検出信号がXZ走査に応じて出力される。
なお、A/D66は、データ処理装置11により制御され、5連プラテン3は、リニアベース駆動回路12を介してデータ処理装置11によりそのX方向のステップ移動が制御される。
ところで、ディスク1は、5連プラテン3によりその位置が固定されている。そこで、レーザビームLがディスク1を走査している位置か、それ以外のアーム30a,30b等を走査することになる位置かは、リニアベース駆動回路12の駆動に応じてデータ処理装置11において判定できる。
そこで、採取されるディスク1のデータは、リニア移動ベース4の移動距離に応じて検査ディスク1の走査が開始し、終了した各ディスク1のZ走査位置に対応してディスク1の一面の全面をカバーするような状態で採取される。
これにより、5連プラテン3の5枚のディスク単位でディスクの一面が連続的に検査される。
なお、5連プラテン3の表裏を反転させて裏面側を図1に示す状態にセットして、その後に裏面側の検査がなされるが、ディスクの裏面側の欠陥検査を同時に行うために、欠陥検出光学系2が裏面側に対応して別途設けられていてもよい。
また、スループットを向上させるために、検査されているディスク1とその次のディスク1との間でディスク1を走査していない期間がこの5連プラテン3にはあるので、このときには、5連プラテン3を高速移動させることができる。
5連プラテン3は、細長いベースフレーム38と、これに5対配列されて設けられた一対のチャックアーム31a,31bからなる。ベースフレーム38は、前後に起立して延びたチャックアーム支持部38a,38bをもつチャネル部材である(図3(b参照)。
一対をなす図面左側のチャックアーム31aとその右側のチャックアーム31bは、各L字の胴部分となるアーム部32a(33a)と各L字の足部分となるアーム部32b(33b)の長さの点を除けば同じL字形状をしている。すなわち、図示するように、L字の胴の部分のアーム部32a(33a)は、L字の足部分のアーム部32b(33b)より長い。
なお、図3(a)に示されるように、チャックアーム31bは、チャックアーム31aに対して反転されてL字形が向かい合うように裏返した形で軸34によりベースフレーム38に取付けられている。
また、チャックアーム31bも肘部分で曲がったL字形のレバーとして形成され、垂直に起立したアーム部32bと水平なアーム部33bの根本が肘としてL字に結合されている。そして、この結合部の肘の部分が前記の軸34により軸支され、軸34がチャックアーム支持部38a,38bを貫通し、チャックアーム支持部38a,38bの間にチャックアーム31aとともに回動可能に支持されている(図3(b),図3(c)参照)。
右側のチャックアーム31bのアーム部32bは、左側のチャックアーム31aのアーム部32aより少し長く、水平なアーム部33a,33bが相互に内側に向いて対向するように延びて上下に重ね配置されている。アーム部33aは、アーム部33bの上に位置し、チャックアーム31aがチャックアーム31bの手前側に配置されている(図3(c)参照)。さらに、右側のチャックアーム31bは、次の左側のチャックアーム31aの軸34に共通に前後に取付けられている(図3(c)参照)。
ローラ37a(37b)は、それぞれ中心位置がチャックされるディスク1の中心を通る線上に位置するようにアーム部33a(33b)に回転可能に取付けられている(図3(b),図3(c)参照)。
チャックアーム31a(31b)のアーム部32a(32b)の先端側にはそれぞれフィンガ35a(35b)が延設されている。
フィンガ35a(35b)は、ディスク1の外形に沿って内側に湾曲した窪みを持ち、さらに、内側中央部に逃げの切欠き36a(36b)が設けられている。
コイルばね39は、チャックアーム31aのローラ37aの手前の位置でアーム部33aとベースフレーム38との間に伸張状態で挿着されている。
なお、押上ピンは、図3(c)の底面一部切欠き図で示される孔38cから挿入される。
全体で10枚のディスクをチャックすることができるように10対のチャックアームが設けられている。その詳細説明は割愛する。
また、実施例では、L字の足の部分に当たるアーム部33a,33bには、それぞれローラ37a,37bが設けられているが、これらはローラではなく、円筒棒であってもよい。
さらに、実施例では、APDを用いた受光器を例としているが、イメージセンサ等の各種の受光素子、受光器を用いることができる。また、受光系として光ファイバを用いた受光器を設けてもよい。
また、実施例では、レーザ光源によりレーザスポットをディスクの検査位置に照射しているが、この発明は、このようなレーザスによるポットに限定されるものではなく、光ビーム一般を用いてもよいことはもちろんである。
3…5連プラテン(ディスクキャリア)、
30a,30b…アーム、
31a,31b…チャックアーム、
31…谷溝、32a,32b,33a,33b…アーム部、
34…軸、35a,35b…フィンガ、
36a,36b…切欠き、37a,37b…ローラ、
38…ベースフレーム、38a,38b…チャックアーム支持部、
5…投光系、51…レーザ光源、52…補正レンズ、
53…ポリゴンミラー、6…受光系、
61…レンズ、62…受光器、64…プリアンプ、65…アンプ、
66…A/D変換回路(A/D)、
7…検査位置、8…ディスクカセット、9…ハンドリングロボット、
10…欠陥検査装置、11…データ処理装置、
12…リニアベース駆動回路。
Claims (5)
- ディスクに光ビームを照射して前記ディスクの表面欠陥を検査するディスクの表面欠陥検査方法において、
前記ディスクの外周を両側で保持する複数個の一対のアームを所定間隔で一列に前記ディスクの直径に対応して起立させて前記ディスクの表面に沿うディスク移送の一軸方向に配列し、各前記一対のアームにより一枚のディスクをそれぞれに保持して複数枚の前記ディスクを前記一軸方向に搬送するとともに搬送されている前記ディスクの表面を前記光ビームにより前記一軸方向に直交する方向に走査して欠陥を検出する表面欠陥検査方法。 - 前記一対のアームは、一対のチャックアームであり、前記一軸方向は水平方向であり、前記一軸方向に直交する方向は垂直方向である請求項1記載の表面欠陥検査方法。
- ディスクに光ビームを照射して前記ディスクの表面欠陥を検査するディスクの表面欠陥検査装置において、
前記ディスクの外周を両側で保持する、所定間隔で一列に前記ディスクの直径に対応して起立させて前記ディスクの表面に沿うディスク移送の一軸方向に配列された複数個の一対のアームを有し、各前記一対のアームにより一枚のディスクをそれぞれに保持して前記一軸方向に搬送するディスク搬送機構と、
搬送されている前記ディスクの表面を前記光ビームにより前記一軸方向に直交する方向に走査して欠陥を検出する欠陥検出光学系とを備える表面欠陥検査装置。 - 前記ディスク搬送機構は、前記複数個の一対のアームを有するディスクキャリアと、このキャリアを載置して前記一軸方向に移動するリニア移動ベースとからなり、前記一対のアームは、1個のチャックアームを構成する請求項3記載の表面欠陥検査装置。
- 前記アームは、肘部分で曲がったL字形をしていて、前記肘部分が軸支され、前記L字形が向かい合うように各前記アームが配置されて前記チャックアームとされ、回動することで開閉される請求項4記載の表面欠陥検査装置。
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