JP4747631B2 - 吸音装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、車両のエンジンなどの騒音源から発生する騒音を吸収することによって低減する吸音装置の技術分野に関する。
この種の技術として、吸音材を使用するものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された消音装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、箱体の内部空間を振動板及び低剛性部材を介して仕切った共鳴器を備えると共に、共鳴器の周囲におけるエンジンカバーと少なくとも騒音発生振動体との間に吸音材を配置することによって、共鳴器が消音する周波数帯域を含めて高周波数の騒音を相対的に低減させられるとされている。
尚、高密度のフェルトを防音材として使用して防音効果を向上させる技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、隔壁とカバー本体で囲まれた空間を音圧レベルが高い高圧部に対向させる技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−256868号公報 特開平7−81007号公報 特開2001−214752号公報
吸音材を使用して比較的低周波(長波長)の騒音を吸収するためには、吸音材の厚み又は密度を増す必要があるが、この場合、吸音材の質量及びコストの増加が避け難い。即ち、従来の技術には、効率的に騒音を低減させることが困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、効率的に騒音を低減させることが可能な吸音装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る吸音装置は、騒音源から発生する騒音を吸収する吸音装置であって、前記騒音源の上面と側面の一部とを覆う鉛直断面視略コの字状の基板と、前記基板に沿って形成され、前記基板における前記側面を覆う縁端部に対応する部分が、前記基板及び既に曲折した部分を含む他の部分と夫々接触しないようにロール状に曲折することによって、鉛直断面視渦巻き状の吸音空間を形成する吸音材とを具備することを特徴とする。
本発明における「騒音源」とは、官能的に好ましくない音を発生させ得るものを包括する概念であり、例えば、車両におけるエンジンなどを指す。この場合、エンジン全体が騒音源であってもよいし、シリンダヘッド、シリンダブロック又はオイルパンのような、エンジンの一部が騒音源であってもよい。尚、係る概念に反さない限りにおいて、騒音源とはこのような車両のエンジン周りの装置又は部品若しくは部材に限定されない。
本発明における「基板」とは、例えば、騒音源がエンジンであれば、例えば、エンジンカバーなどの遮蔽部材、エンジンコンパートメントにおける何らかのパネル、又は車室内における何らかのパネルなどの一部或いは全体などを指す。基板の構成材料は、騒音源の態様に応じて適宜異なる。例えば、構成材料はステンレス鋼などの鉄鋼材料、アルミニウム又はチタンなどの金属材料であってもよいし、耐熱性の樹脂材料などであってもよい。また、基板の形状は、鉛直断面視略コの字状をなす範囲で、騒音源の態様に応じて適宜異なっていてよい。
本発明に係る基板には、吸音材が固定される。ここで、本発明における「吸音材」とは、音を吸収する性質を有する材料、例えばグラスウールなどの繊維系材料やウレタンなどの樹脂系材料などによって構成された物体を包括する概念である。尚、吸音材が吸収可能な音の周波数帯域、音の吸収率又は反射率などの物理的な性能は、騒音源から発せられる騒音を幾らかなりとも吸収することが可能である限りにおいて何ら限定されない。また、「固定される」とは、例えば、物理的、機械的、機構的、電気的又は化学的な何らかの手段によって、何らこのような固定がなされない場合と比較して幾らかなりとも吸音材の動きが束縛された状態を包括する概念であり、係る概念が担保される限りにおいて、吸音材は、その一部或いは全部が基板に固着又は貼着されていてもよいし、基板に設けられた支持部材などによって、或いは基板の一部によって、保持されているだけであってもよい。
尚、吸音材は、基板に沿って形成されるが、必ずしも基板全体に沿って形成されておらずともよい。また、吸音材は、必ずしも基板に密着しておらずともよい。
吸音材は、基板において騒音源の側面を覆う縁端部に対応する部分が、基板及びこの吸音材の既に曲折した部分を含む他の部分と夫々接触しないようにロール状に曲折している。ここで「曲折する」とは、巨視的又は微視的に見て平坦でない状態を包括する概念であり、係る概念が担保される限りにおいて、その態様は何ら限定されることなく自由に決定されてよい。例えば、比較的鋭角に折り曲げられていてもよいし、緩やかな曲面を描くように曲げられていてもよい。或いは、凹凸が形成されていてもよい。
この吸音材は、曲折部分が上述したようにロール状に曲折することより、騒音を吸収するための鉛直断面視渦巻き状の吸音空間を形成する。
この吸音間は、吸音材が曲折する過程で、基板や吸音材の他の部分に接触しないようにロール状に曲折する(即ち、相互に空間を隔てて巻かれる)ことによって実現される空間であって、吸音材及び吸音材に挟まれた断面視渦巻き状の管路を指す。この断面視渦巻き状の管路は、設置スペースに比較して十分に長い管路長を有することができるため、比較的広範囲の周波数に対して吸音の効果を享受することができる。また、この断面視渦巻き状の管路においては、騒音が入射する面は常に曲面であり、騒音は入射する面において反射し辛くなっている。従って、吸音材に騒音を効率的に入射させることが可能となる。即ち、効率的に騒音を低減することが可能となるのである。
このように、本発明に係る吸音装置によれば、吸音材に設けられた曲折部分によって鉛直断面視渦巻き状の吸音空間が形成されることにより、吸音材において騒音の吸収に寄与する部分の表面積を増やすことができ、騒音が吸音材に入射する機会を増やすことが可能となる。従って、このような空間が何ら形成されない場合と比較して騒音の吸収効率が向上する。一方で、吸音材の厚みを増加させる場合と比較すると明らかに質量及びコストの増加は抑制される。即ち、効率的に騒音を低減することが可能となるのである。
尚、吸音材の曲折の態様によっては、例えば、騒音が進行する管路を比較的長く確保することも容易にして可能となり、広い周波数帯域の騒音を吸収させることも容易にして可能となる。このような曲折の態様は、予め実験的に、経験的に或いはシミュレーションなどによって、吸収したい騒音の周波数帯に整合するように決定されていてもよい。
ここで特に、騒音を吸収するための鉛直断面視渦巻き状をなす吸音空間を形成する、ロール状に曲折してなる吸音材の形状は、エンジンカバー側端部など、設置空間に比較的余裕がある、騒音源の側面を覆う基板の縁端部に対応する部分で実現される。この部分では、比較的自由に吸音材を曲折させることができるから、設置効率の面で明らかに有利であり、曲折部分の形状に関する自由度飛躍的に向上することを利用して、吸音材の設置スペースなどの制約に応じて効果的に吸音材の表面積を増やすことができる。即ち、空間における吸音材の吸音効率を一層向上させることが可能となる
尚、ロール状に曲折される際の、吸音材の厚み及びロール回数などは、吸音装置に要求される吸音性能、設置場所、仕様、及びコストなどに応じて予め実験的に、経験的に、或いはシミュレーションなどによって適切に決定されていてもよい。
尚、この曲折する部分は、曲折する過程で前記吸音空間におけるロールの外側から内側へ向う方向の断面積が徐々に減少するように曲折してもよい。
このようにロールの外側から内側へ向かう方向(断面視的に見て渦巻きに沿って渦の中心に向かう方向)の断面積が徐々に減少する場合、断面視渦巻き状の吸音空間は、更に断面視ホーン状の管路、即ち、開口部において最も広がった管路となる。従って、吸音空間への入り口付近における音響インピーダンスの変化は緩やかであり、騒音を反射させることなく吸音空間に導くことが可能となる。即ち、一層効率的に騒音を低減することが可能となる。
上述した課題を解決するため、本発明に係る他の吸音装置は、騒音源から発生する騒音を吸収する吸音装置であって、前記騒音源の上面と側面の一部とを覆う鉛直断面視略コの字状をなす基体部と、該基体部における前記側面の一部を覆う縁端部に連接し、既に曲折した部分を含む他の部分と接触しないようにロール状に曲折することによって、鉛直断面視渦巻き状の吸音空間を形成する曲折部とを含む基板を具備することを特徴とする。
本発明に係る他の吸音装置によれば、基板が鉛直断面視略コの字状の基体部と曲折部とを含んでなり騒音源の側面の一部を覆う基体部の縁端部に連接するこの曲折部によって、上述した騒音を吸収するための鉛直断面視渦巻き状の吸音空間が形成される。尚、係る他の吸音装置においても、「曲折する部分」などの概念は上述した吸音材に関するものと同様である。
本発明に係る他の吸音装置によれば、基板における曲折部によって、騒音の進行経路(管路)が明確に規定される。従って、吸音材によって騒音を効果的に吸収することが可能となる。また、基板の一部が曲折することにより、吸音材の使用量を低減することができるため、質量及びコストを抑制することもできる。即ち、効率的に騒音を低減することが可能となるのである。
尚、本発明に係る他の吸音装置も、基板における基体部の縁端部分と騒音源との間の、他の部分と比較して大きい空間的な余裕を利用しているため、設置効率の面で明らかに有利となる。
また、本発明に係る他の吸音装置によれば、基板の一部たる曲折部が曲折しているため、既に述べたように管路は明確に規定されており、この管路を進行する騒音に対しては、結局吸音材の厚みを増加させたのと同等の効果が得られ、比較的低周波領域の騒音を効果的に吸収することが容易にして可能となる。即ち、効率的に騒音を低減することが可能となるのである。
尚、吸音材は、ロール状に曲折する部分に沿って、同じくロール状に形成されていてもよい。この際、吸音材の厚みを徐々に変化させることによって、既に述べたような、断面視ホーン形状の管路を形成することも容易にして可能である。
本発明に係る他の吸音装置の一の態様では、前記騒音源に向かって開口する前記吸音空間の開口部に設置された吸音材を更に具備する。
基板がロール状に曲折することによって形成される管路では、入射する騒音(音波)が係る管路の終点部分で反射して定在波が形成される。この管路の長さをλ/4とする騒音については、管路を始点で係る定在波の振幅が最大となる(即ち、定在波の腹に相当する)。
従って、ロールの内側から外側へ向かう方向の開口部に吸音材が固定されることによって、この波長の騒音が効果的に吸収される。この場合、吸音材は、開口部に設けるのみでよく、明らかに質量及びコストの抑制が実現される。尚、別言すれば、吸収したい音波の波長が予め確定している場合には、係る波長に整合した管路長となるように基板をロール状に形成することにより、係る音波を効果的に吸収することが可能となる。
本発明に係る他の吸音装置の他の態様では、前記吸音空間に充填された吸音材を更に具備する。
尚、本発明に係る吸音装置又は他の吸音装置において、吸音材は、一端が開口した孔部を有していてもよい。
この態様によれば、吸音材に孔部が形成されているため、質量及びコストが抑制される。また、この孔部は、一端が開口している。騒音源から発せられた騒音の一部は、この開口部分から孔部に入射し、孔部を進行する過程で吸音材に吸収されるため、何らこのような孔部が形成されない場合と比較すると、吸音材の吸音効率が向上する。即ち、効率的に騒音を低減することが可能となるのである。
尚、孔部の形状、個数、及び形成位置などは、実験的に、経験的に、或いはシミュレーションなどによって、予め適切に決定されていてもよい。
尚、この態様では、孔部は螺旋形状を有してもよい。
孔部の形状は自由であってよいが、このように螺旋形状である場合には、直孔形状と比較して孔部の長さを増大させることが容易にして可能となる。従って、騒音の吸収効率を効率的に向上させることが可能となる。
尚、この態様では、孔部は、前記騒音の入射方向に開口していてもよい。
このように騒音の入射方向に孔部が開口する場合には、音波が比較的入射し易いため、効率的に騒音を低減することが可能となる。
また、本発明に係る吸音装置又は他の吸音装置の他の態様では、前記騒音源は、車両用のエンジンであり、前記基板は、前記エンジンを覆うエンジンカバーの一部である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、適宜図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る吸音装置の構成について説明する。ここに、図1は、吸音装置10の概念図である。
図1において、吸音装置10は、本発明に係る「騒音源」の一例たるエンジン11の上部を収容するように設置され、エンジン11から発生する騒音を吸収することによって係る騒音を低減することが可能に構成されている。尚、吸音装置10は、エンジンカバーなど遮蔽部材としての機能を併せ持っていてもよい。エンジン11は、図示せぬ車両の動力源であり、従って、吸音装置10は車両に搭載されている。
次に、図2を参照して、吸音装置10の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、図1におけるA−A’線視断面図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
図2において、吸音装置10は、基板100及び吸音材200を備える。
基板100は、アルミニウムなどの金属材料で一体成型された部材である。
吸音材200は、グラスウールなどの繊維系材料で形成されており、エンジン11から発生する騒音を吸収することが可能に構成されている。吸音材200は、一部が基板100の内壁面100aに沿うように内壁面100aに固定されている。
吸音装置10とエンジン11との間には、空間12が介在しており、エンジン11から発せられた騒音は、空間12に音波として三次元的に放出された後に吸音装置10によって吸音される構成となっている。空間12は、エンジン11の側方に対応する部分が、上方に対応する部分と比較して広くなっており、これに伴い、吸音材200も、この部分で比較的厚く形成されている。
次に、図3を参照して、吸音装置10の更なる詳細について説明する。ここに、図3は、吸音装置10の側端部10A(図2における点線枠)の拡大図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。尚、図3には、吸音装置100における一の側端部について拡大図が示されているが、側端部の構成は、吸音装置100全体において等しい構成であるとしてその説明を省略することとする。
図3において、基板100は、断面視コの字型に構成されている。吸音材200は、このコの字型に形成された基板100の内壁面100aに沿って形成されると共に、基板100の縁端部分に相当する部分から先が、図示曲折方向にロール状に曲折されており、断面視渦巻き状の管路300を形成している。即ち、吸音材200の一部は、基板100から離れた位置に存在している。また、この断面視渦巻き状の管路300及び管路300を形成する吸音材200によって、空間12の一部に吸音空間400が規定され、開口部410がエンジン11の方向に開口している。吸音空間400は、本発明に係る「吸音空間」の一例である。
ここで、図4を参照して、この吸音空間400の詳細について説明する。ここに、図4は、吸音空間400の開口部410付近の模式断面図である。尚、同図において、図3と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
図4において、吸音空間400の管路300は、開口部410から図示曲折方向の断面積(ロールの外側から内側へ向う方向の断面積)が徐々に小さくなっており、断面視ホーン状の空間となっている。即ち、開口部410に近い順に例示される断面積300S1、300S2及び300S3は、その大小関係が、300S1>300S2>300S3となっている。
<実施形態の効果>
上記構成を有する吸音装置10の効果について、引き続き図4を参照して説明する。
吸音装置10において、管路300は断面視ホーン状の空間となっている。従って、空間12のうち吸音空間400が形成されていない部分から、開口部410を介してこの管路300へと向う経路において、空間の音響インピーダンスは、徐々に変化し、急激な変化が生じない構成となっている。従って、エンジン11から発せられる騒音は、反射が抑制された状態で吸音空間400に進入することができる。
次に、図5を参照して、吸音装置10の更なる効果について説明する。ここに、図5は、吸音空間400の効果を説明する模式図である。尚、同図において、前述した各図と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
図5において、図5(a)は、本発明の比較例に係る吸音材13によって形成された直線状の管路14が示される。吸音空間内に進入する騒音の進入角度は多様であり、例えば、図示矢線a方向に進行する騒音もあれば、図示矢線b方向に進行する騒音も存在する。然るに、比較例に係る管路14では、矢線a方向の騒音は吸音材13によって吸収することは出来ても、矢線b方向の騒音は吸音材13に吸収されぬまま進行してしまう。即ち、比較例に係る管路の構造では、吸音空間における騒音の吸収効率が芳しくない。
図5(b)には、本実施形態に係る吸音空間400が示される。既に述べたように、管路300は、断面視渦巻き状に形成されている。従って、図示各矢線として示すように、騒音は、どの方向から進入しても(どの方向へ進行しても)、吸音材200によって吸収される。従って、吸音空間における騒音の吸収効率は比較例に係る管路構造と比較して高くなっている。
以上、説明したように、本実施形態に係る吸音装置10によれば、エンジン11において発生する騒音を効果的に吸収することができる。この際、吸音材200の全体的な使用量は、吸音空間400を吸音材200で充填する場合と比較すれば、管路300の分だけ確実に減少するから、吸音装置10の質量及びコストを好適に抑制することが可能となる。即ち、効率的に騒音を低減することが可能となるのである。
<第2実施形態>
第1実施形態では、吸音材がロール状に曲折することによって断面視渦巻き状の管路が形成されていたが、同様の構成はこれ以外にも実現可能である。ここで、このような本発明の第2実施形態について説明する。
始めに、図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る吸音装置の構成について説明する。ここに、図6は、吸音装置15の側端部の拡大断面図である。尚、同図において、図3と重複する箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6において、吸音装置15は、基板110と吸音材210を備える。
基板110は、材質的には第1実施形態に係る基板100と同等であり、基板100と比較すると、図3においてコの字型に形成される際の縁端部から更にロール状に曲折する部分を有している点で異なっている。このようにロール状に曲折する部分を有することによって、断面視渦巻き状の管路300が形成され、ロール状の吸音空間500が形成されている。
吸音材210は、材質的には第1実施形態に係る吸音材200と同等であり、吸音空間500の一部に充填されることによって基板110に固定されている。
第2実施形態に係る吸音装置15によれば、管路300が、吸音材ではなく基板によって形成されるため、第1実施形態に比較して、管路が明確に規定される。従って、この管路300に進入する騒音は、明確に長い管路内を進行することになる。この管路300内には吸音材210が充填されているから、結局、騒音は、擬似的に見て十分に厚みのある吸音材に入射していることになる。従って、吸音材210によって吸収可能な騒音の周波数帯域を広帯域化することが可能となる。本実施形態においても、吸音材210は管路300の容積以上には充填され得ず、吸音材の使用量を抑制することが可能となる。即ち、効率的に騒音を低減することが可能となるのである。
<変形例>
尚、吸音空間500内の吸音材の配置態様は、上述のものに限定されない。例えば、図7に示す態様を採ることも可能である。ここに、図7は、第2実施形態の変形例に係る吸音材の配置態様を示す模式図である。また、図8は、第2実施形態の変形例に係る吸音材の他の配置態様を示す模式図である。尚、各図において、図6と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
図7において、本実施形態に係る吸音材は、基板110に沿うように、基板110と同様ロール状に形成される吸音材211であってもよい(図7(a))。また、吸音材は、基板110に沿うと共に、一方向に徐々に厚みを増した吸音材212であってもよい。吸音材212が採用される場合には、第1実施形態において説明した、断面視ホーン形状の管路を形成することも可能である。
図8において、本実施形態に係る吸音材は、吸音空間500の開口部510を塞ぐように配置された吸音材220であってもよい。この場合、管路300の管路長をλ/4とする波長(特定波長)の騒音を効果的に吸収することができる。この特定波長の騒音の吸収効果について、図9を参照して説明する。ここに、図9は、図8の模式図である。
図9において、管路300は、図8における断面視渦巻き状の管路300を伸張させた図である。この管路300に入射する騒音は、管路300の終了地点において反射し、管路300内に定在波を形成する。従って、この管路300の管路長をλ/4とする波長の騒音では、管路300の開始地点、即ち、開口部510において、この定在波の腹(振幅最大点)が通過することになる。そこで、この開口部510に吸音材220を配置することによって、係る波長の騒音を特に効果的に吸収することが可能となる。
この場合、特定波長(周波数)が予め確定しているならば、管路長をそれに整合するように形成することによって、簡便に係る効果を享受することも可能となる。
<第3実施形態>
吸音材の使用量を抑制しつつ効果的に騒音を吸収する形態は、上述した第1及び第2実施形態のものに限定されない。ここで、図10を参照して、このような本発明の第3実施形態に係る吸音装置ついて説明する。ここに、図10は、吸音装置16の模式的斜視図である。尚、同図において、上述した各図と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
図10において、吸音装置16は、基板100と吸音材230を備える。吸音材230には、複数の孔部231が形成されており、この孔部231の分について質量の増加が抑制されている。
次に、図11を参照して、吸音装置16の詳細について説明する。ここに、図11は、吸音装置16の側端部の拡大断面図である。尚、同図において、図10と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略することとする。
図11において、基板100は、第1実施形態に係る吸音装置10と同様に断面視コの字型に形成されている。吸音材230は、基板100に沿って折れ曲がると共に孔部231を有することによって、本発明に係る「曲折した」形状を実現している。この孔部231は、騒音の入射する方向(図示矢線方向)に開口した開口部232を有しており、開口部232から吸音材230内部に螺旋状の空間を形成している。
本実施形態によれば、孔部231が螺旋形状を有することによって、騒音が進行する管路を比較的長くすることが可能となっている。このため、吸音材230によって比較的広範囲の周波数帯域について騒音を吸収することが可能となっている。また、この孔部231が複数形成されることによって吸音材230は軽量化されており、質量及びコストの増加が抑制されている。即ち、効率的に騒音を低減することが可能となっているのである。
<変形例>
尚、孔部231における騒音の入射方向の断面形状(開口部の断面形状)は、何ら限定されることなく自由に決定されてよい。例えば、図12に例示する態様を採ることも可能である。ここに、図12は、孔部231における開口部232の断面形状の例示図である。
図12において、開口部232は、四角形型の断面形状を有する開口部232aであってもよい(図12(a))。また、開口部232は、楕円型の断面形状を有する開口部232bであってもよい(図12(b))。また、開口部232は、十字型の断面形状を有する開口部232cであってもよい(図12(c))。いずれの形状であっても、また、ここに例示されない他の断面形状であっても、本実施形態に係る効果は何ら阻害されない。
尚、本実施形態に係る孔部231は、上述した第1実施形態及び第2実施形態に夫々係る吸音装置10及び吸音装置15における吸音材200及び210に採用されてもよい。例えば、断面視渦巻き状の管路を規定する吸音材にこのような孔部が形成されていてもよい。この場合、基板又は吸音材が鉛直断面視渦巻き状に曲折することによって得られる効果に、更に係る孔部の効果が加えられ、一層効果的である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う吸音装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る吸音装置の概念図である。 図1におけるA−A’線視断面図である。 図2における側端部の拡大図である。 図3における吸音空間の開口部付近の模式断面図である。 図1の吸音装置における吸音空間の効果を説明する模式図である。 本発明の第2実施形態に係る吸音装置の側端部の拡大断面図である。 図6の吸音装置の変形例に係る吸音材の配置態様を示す模式図である。 図6の吸音装置の変形例に係る吸音材の他の配置態様を示す模式図である。 図8の模式図である。 本発明の第3実施形態に係る吸音装置の模式的斜視図である。 図10の吸音装置における側端部の拡大断面図である。 図11における開口部の断面形状の例示図である。
符号の説明
10…吸音装置、15…吸音装置、16…吸音装置、100…基板、110…基板、200…吸音材、210…吸音材、220…吸音材、230…吸音材、300…管路、400…吸音空間、410…開口部、500…吸音空間、510…開口部。

Claims (5)

  1. 騒音源から発生する騒音を吸収する吸音装置であって、
    前記騒音源の上面と側面の一部とを覆う鉛直断面視略コの字状の基板と、
    前記基板に沿って形成され、前記基板における前記側面を覆う縁端部に対応する部分が、前記基板及び既に曲折した部分を含む他の部分と夫々接触しないようにロール状に曲折することによって、鉛直断面視渦巻き状の吸音空間を形成する吸音材と
    を具備することを特徴とする吸音装置。
  2. 騒音源から発生する騒音を吸収する吸音装置であって、
    前記騒音源の上面と側面の一部とを覆う鉛直断面視略コの字状をなす基体部と、
    該基体部における前記側面の一部を覆う縁端部に連接し、既に曲折した部分を含む他の部分と接触しないようにロール状に曲折することによって、鉛直断面視渦巻き状の吸音空間を形成する曲折部と
    を含む基板を具備することを特徴とする吸音装置。
  3. 前記騒音源に向かって開口する前記吸音空間の開口部に設置された吸音材を更に具備する
    ことを特徴とする請求項2に記載の吸音装置。
  4. 前記吸音空間に充填された吸音材を更に具備する
    ことを特徴とする請求項2に記載の吸音装置。
  5. 前記騒音源は、車両用のエンジンであり、
    前記基板は、前記エンジンを覆うエンジンカバーの一部である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の吸音装置。
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