JP4747191B2 - 凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法 - Google Patents

凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4747191B2
JP4747191B2 JP2008191314A JP2008191314A JP4747191B2 JP 4747191 B2 JP4747191 B2 JP 4747191B2 JP 2008191314 A JP2008191314 A JP 2008191314A JP 2008191314 A JP2008191314 A JP 2008191314A JP 4747191 B2 JP4747191 B2 JP 4747191B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
floc
raw water
wall
flock
zone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008191314A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010023008A (ja
Inventor
康雄 名出
正彬 出納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EMS ENVIROTECH CO.
Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd
Original Assignee
EMS ENVIROTECH CO.
Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EMS ENVIROTECH CO., Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd filed Critical EMS ENVIROTECH CO.
Priority to JP2008191314A priority Critical patent/JP4747191B2/ja
Publication of JP2010023008A publication Critical patent/JP2010023008A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4747191B2 publication Critical patent/JP4747191B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Description

本発明は、原水中の浮遊物を凝集剤によって凝集させて沈降分離する凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法に関する。
廃水処理の有力な手段の一つとして凝集沈殿法がある。凝集沈殿法は、一般には無機性、有機性の浮遊物が存在する廃水に対して、水酸化アルミニウムや塩化鉄等の無機の凝集剤を添加し、その後に凝集フロックを大きくして沈降性を高めるために、有機性高分子凝集剤(ポリマー)を添加する。
高速での凝集沈殿処理を実現するため、フロックゾーン型(「スラッジブランケット型」、「フロックブランケット型」と称することもある)の凝集沈殿原理を採用した凝集沈殿装置が知られている。フロックゾーン型の凝集沈殿原理は、槽内にフロックの流動層を形成し、その流動層内に、新たに生成したフロックを通過させる。新たに生成された小さなフロックは流動層を形成する大きなフロックに取り込まれるため、分離の限界粒子である小さなフロックの径は大きくなり、沈降速度が速まり、凝集沈殿装置の所要面積を小さくできる。
特許文献1には、フロックゾーン型の凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法が記載されている。この凝集沈殿装置は、原水を受け入れる沈殿槽内に内筒が立設されている。内筒の外側はフロックの流動層が形成されるフロック成長ゾーンとなり、内筒の内側はフロックが沈降するフロック沈降ゾーンとなる。フロック成長ゾーンの流動層から出る余剰のフロックは、フロック沈降ゾーンで沈降し、内筒の底から排出される。この凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法は、フロックが沈降するフロック沈降ゾーンとフロック成長ゾーンとを内筒によって区画しているため、フロックの沈降を阻害することなくフロックの流動層を形成でき、凝集沈殿の処理効率を向上できる。
特開昭62−27016号公報
しかしながら、従来の凝集沈殿装置や凝集沈殿処理方法では、安定した流動層の形成は可能になるが、フロック成長ゾーンとフロック沈降ゾーンとが区画されているために、余剰のフロックをうまくフロック沈降ゾーンに引き込むことができず、結果的に処理効率の向上を図り難かった。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、フロック成長ゾーンのフロックをフロック沈降ゾーンに効率よく引き込んで原水の処理効率を向上する凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、原水及び凝集剤を受け入れる沈殿槽と、沈殿槽内に沈殿したフロックを排出するフロック排出部と、沈殿槽から処理水を排出する処理水排出部と、を備える凝集沈殿装置において、沈殿槽内には、原水の上昇流によってフロックの流動層が形成されるフロック成長ゾーンとフロック成長ゾーンで生成されたフロックが沈降するフロック沈降ゾーンとを区画する内壁部が設けられ、内壁部には、鉛直方向で比較した場合の高い位置と低い位置とのそれぞれに、フロック成長ゾーンとフロック沈降ゾーンとを連通する上側及び下側の連通部が設けられ、沈殿槽は、筒状の外壁部を有し、内壁部は、外壁部に囲まれた筒状であり、フロック成長ゾーンは、外壁部と内壁部との間に形成され、フロック沈降ゾーンは、内壁部の内側に形成され、外壁部の下部には、原水の導入部が設けられ、外壁部の上部には処理水排出部が設けられ、内壁部の底にはフロック排出部が設けられ、内壁部の上端は開放されて上側の連通部となり、内壁部の側部には、下側の連通部が設けられ、下側の連通部は、内壁部の側部からフロック成長ゾーン内に突き出した連通管であり、連通管の根本側の基端は、先端に比べて低い位置に配置されており、筒状の内壁部は、軸線回りに回転可能であることを特徴とする。
本発明では、フロック成長ゾーンとフロック沈降ゾーンとは内壁部で区画されている。フロック成長ゾーンではフロックの流動層が形成され、フロック沈降ゾーンではフロックは沈降する。従って、フロック成長ゾーン内の原水とフロック沈降ゾーン内の原水との間では、みかけ上の比重差が生じる。両ゾーンを区画する内壁部には、鉛直方向で比較した場合の高い位置と低い位置とにそれぞれ上側及び下側の連通部が設けられている。上述の比重差により、低い位置に配置された下側の連通部ではフロック成長ゾーンからフロック沈降ゾーンに向けた流れが生じ、上側の連通部では逆向きの流れが生じる。流動層の余剰のフロックは、下側の連通部からの流れに乗ってフロック沈降ゾーンに引き込まれ、フロック沈降ゾーンで沈降する。その結果として、フロック成長ゾーンのフロックをフロック沈降ゾーンに効率よく引き込んで原水の処理効率を向上することが可能になる。
さらに、フロック成長ゾーンとフロック沈降ゾーンとは筒状の内壁部によって区画されているため、一方のゾーンが他方のゾーンを取り囲むように形成される。その結果として、内壁部の周方向における下側の連通部の配置場所によってフロックを引き込む効率にばらつきが生じ難くなり、原水の安定した処理を実現し易くなる。
さらに、内壁部の内側にフロック沈降ゾーンが形成され、内壁部の底にフロック排出部が設けられているため、沈殿槽の中央にフロックを集めて効率よく排出し易くなる。
さらに、フロック成長ゾーン内の原水は、連通管の先端から引き込まれてフロック沈降ゾーンに達する。フロックは、この原水の流れに乗ってフロック沈降ゾーンへ到達する。特に、連通管の根本側の基端は先端よりも低い位置に配置されているため、フロックは沈降しながらスムーズにフロック沈降ゾーンへ到達する。従って、原水中からのフロックの沈降分離が促進され、原水の処理効率の向上を図りやすくなる。
さらに、フロック成長ゾーンの流動層は、内筒部を取り囲むように形成されるため、内筒部が回転することによって流動層のフロックが下側の連通部から均等に引き込まれるようになり、原水の処理効率が向上する。
さらに、内壁部と外壁部との間には、原水の上昇流に交差するように配置された整流板が設けられていると好適である。整流板によって上昇流が安定し、良好なフロックの流動層形成に有効である。
また、本発明は、原水及び凝集剤を受け入れる沈殿槽と、沈殿槽内に沈殿したフロックを排出するフロック排出部と、沈殿槽から処理水を排出する処理水排出部と、を備える凝集沈殿装置において、沈殿槽内には、原水の上昇流によってフロックの流動層が形成されるフロック成長ゾーンとフロック成長ゾーンで生成されたフロックが沈降するフロック沈降ゾーンとを区画する内壁部が設けられ、内壁部には、鉛直方向で比較した場合の高い位置と低い位置とのそれぞれに、フロック成長ゾーンとフロック沈降ゾーンとを連通する上側及び下側の連通部が設けられ、沈殿槽は、筒状の外壁部を有し、内壁部は、外壁部に囲まれた筒状であり、フロック成長ゾーンは、外壁部と内壁部との間に形成され、フロック沈降ゾーンは、内壁部の内側に形成され、外壁部の下部には、原水の導入部が設けられ、外壁部の上部には処理水排出部が設けられ、内壁部の底にはフロック排出部が設けられ、内壁部の上端は開放されて上側の連通部となり、内壁部の側部には、下側の連通部が設けられ、筒状の内壁部は、軸線回りに回転可能であり、内壁部と外壁部との間には、内壁部の軸線に垂直に交差する面上に配置された整流板が設けられ、内壁部には、整流板の上面に沿って移動するスクレーパが設けられていることを特徴とする。本発明では、整流板上にフロックが堆積していても、スクレーパで掻き寄せることができるので整流板上のフロックを解きほぐすことができ、目詰まりを防止できる。
また、導入部に原水を供給する原水供給ラインを更に備え、原水供給ラインには、原水の攪拌部と、攪拌部の上流側に配置され、且つ原水に第1の凝集剤を供給する第1の凝集剤導入部と、攪拌部の下流側に配置され、且つ原水に第2の凝集剤を供給する第2の凝集剤導入部と、が設けられていると好適である。水中の浮遊物質と凝集剤とを反応させるためには一定の強撹拌を必要とする。しかしながら、小さなフロックと大きなフロックを結合させるにはあまり強い撹拌力は返ってその効力をそぎ、またその効力は、数十分以上は持続し難い。上記構成では、攪拌部を挟むようにして上流側と下流側とに第1または第2の凝集剤導入部が設けられているので、攪拌部で強攪拌させた後にフロックの径を大きくするための第2の凝集剤の添加が可能になり、径の大きなフロックの形成に有効であり、原水の処理効率を向上できる。
本発明では、フロック成長ゾーンのフロックをフロック沈降ゾーンに効率よく引き込んで原水の処理効率を向上することができる。
以下、本発明に係る凝集沈殿装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る凝集沈殿装置の概略的な断面図であり、図2は図1のII−II線に沿った断面図、図3は図1のIII―III線に沿った断面図である。
(第1実施形態)
本実施形態は、フロックゾーン型の凝集沈殿原理を採用する高速型の凝集沈殿装置1A(図1参照)である。まず、高速化を実現するための原理について簡単に説明する。凝集沈殿の効率を決めるのは、沈降粒子の径と密度である。原水中の微粒子の沈降速度はストークスの法則が適用できるといわれる。以下の式(1)は、ストークスの式を示している。
Figure 0004747191
式(1)に示されるように、原水中における微粒子の沈降速度は、微粒子と原水との密度差に比例し、粒子の径の二乗に比例する。粒子の密度は同じとして、粒子径が少し変っても沈降速度は大幅に変更する。
ところで、廃水(原水)中の浮遊物質(SS)は一般に図4の(1)のような粒度分布を持っている。これを例えば95%除去するにはd1の粒子径以上のものを沈降分離できるよう沈降面積が必要ということになる。それでは広大な面積が必要になるので、凝集剤で粒子をフロック状にして径を大きくする。その結果、粒度分布は図4の(2)のようになる。粒度分布は大きく右(粒子径の大きい方)に変化するが、小さなフロックも存在するので同じく95%除去するにはd2の粒子径以上の粒子を沈降分離しなければならない。更に何らかの方法で小さなフロックを大きなフロックに包括できれば、その粒度分布は(3)のようになり、分離すべき粒子経はd3となる。
フロックゾーン型の凝集沈殿ろ過法は、小さなフロックを大きなフロックに捕捉する技術の一つである。これは、先に生成したフロックの下部から凝集剤混入の原水を流入させてフロックの流動層を形成し、その流動層内の間隙に凝集剤を混合した原水を通過させる。その結果、新たに生成してくる小フロックが先に生成したフロックに捕捉され、フロックが更に成長すると言う原理を応用したものである。この原理を応用することで、フロックの粒径を大きくでき、沈殿分離の効率を向上できて高速化を実現できる。
図1〜図3に示されるように、凝集沈殿装置1Aは、凝集剤が添加された原水を受け入れる沈殿槽3Aを備える。沈殿槽3Aは、有底円筒状の外筒部(外壁部)5Aを備えている。外筒部5Aの下部には、原水を沈殿槽3A内に供給するための原水配給管(原水の導入部)9が設けられている。原水配給管9は、円筒状の外筒部5Aの軸線L回りに沿って外筒部5Aの側面を取り囲むように敷設された本管9aと、本管9aの外筒部5A周りの均等な複数箇所(例えば、四カ所)から沈殿槽3A内に延びている枝管9bとを備えている。
原水配給管9には、原水を供給するための原水供給管11が接続されている。原水供給管11には、原水に有機性高分子凝集剤(ポリマー)を二段に分けて添加するための第1の凝集剤導入管11aと第2の凝集剤導入管11cとが設けられており、第1の凝集剤導入管11aと第2の凝集剤導入管11cとの間には、原水を攪拌する攪拌部11bが設けられている。攪拌部11bは、ラインミキサーまたは機械式撹拌槽からなる。なお、本実施形態では、第1の凝集剤導入管11aから第1の凝集剤として有機性高分子凝集剤(ポリマー)を添加し、第2の凝集剤導入管11cからは、攪拌部11bで攪拌された原水に有機性高分子凝集剤(ポリマー)を添加したが、第1の凝集剤導入管11aからは水酸化アルミニウムや塩化鉄等の無機の第1の凝集剤を添加し、第2の凝集剤導入管11cからは有機性高分子凝集剤(ポリマー)を添加するようにしてもよい。
沈殿槽3A内には、外筒部5Aと同心になるように立設された円筒状の内筒部(内壁部)7Aが設けられている。内筒部7Aは、外筒部5Aよりも外径が小さく、且つ鉛直方向における高さが低くなっており、外筒部5Aに囲まれた状態になっている。外筒部5Aに囲まれた内筒部7Aの外側は断面ドーナツ状のフロック成長槽13Aとして機能し、内筒部7Aの内側はフロック分離濃縮槽15Aとして機能する。フロック成長槽13A内は、フロック成長ゾーンZ1となり、フロック分離濃縮槽15A内はフロック沈降ゾーンZ2となり、両ゾーンZ1,Z2を内筒部7Aが区画する状態になっている。
フロック成長槽13Aの底部には、原水配給管9の枝管9bが配置されている。各枝管9bは、フロック成長槽13Aの円周方向に沿って均等に複数個(本実施形態では四個)が設けられ、それぞれフロック成長槽13Aの底部に平行に延在している。各枝管9bには、フロック成長槽13Aの周方向の同一方向側に原水分散ノズル9cが設けられており、原水分散ノズル9cから噴射された原水は、フロック成長槽13A内で旋回流を形成する。
原水分散ノズル9cの上方、10cm〜50cmの位置には、ドーナツ状(環状)の整流板17が配置されている。整流板17は、内筒部7Aと外筒部5Aとに固定されている。整流板17は、多孔板、格子状板または複数のスリットを形成した板からなる。フロック成長槽13Aに均等に原水を流入させる目的で、原水分散ノズル9cから旋回流を起こすように流入させるが、その流速が大きすぎるときは、フロック成長槽13A全体が旋回してしまい、良好な流動層FRの形成が阻害される場合もある。整流板17を設けることで、フロック成長槽13A全体での旋回を抑止し、良好なフロックFの流動層FRの形成を促すことができる。
外筒部5Aの上端には、フロック成長ゾーンZ1を通過した清澄水(処理水)を排出する処理水排出部19が設けられている。処理水排出部19は、外筒部5Aの周方向に沿った全縁に亘って設けられており、外筒部5A内からオーバーフローした清澄水を受け入れて排出する。
また、フロック分離濃縮槽15Aの上端、すなわち内筒部7Aの上端は開放されており、フロック成長ゾーンZ1に連通する開口7aが形成されている。フロック分離濃縮槽15Aの底部、すなわち内筒部7Aの下端には、濃縮汚泥排出管21が設けられている。フロック分離濃縮槽15A内のフロック沈降ゾーンZ2では、フロックFが原水から沈降分離され、フロック分離濃縮槽15Aの底部に堆積して濃縮される。濃縮されたフロック、すなわち濃縮汚泥は、濃縮汚泥排出管21から排出される。
フロック分離濃縮槽15A内には、モータMの駆動によって回転する回転軸23が内筒部7Aの軸線L上に設けられている。回転軸23の下端には、濃縮汚泥掻寄機25が設けられている。回転軸23の回転に伴って濃縮汚泥掻寄機25も回転する。濃縮汚泥掻寄機25は、フロック分離濃縮槽15Aの底部に堆積した濃縮汚泥を濃縮汚泥排出管(フロック排出部)21に送り出す。
内筒部7Aの側部7bには外筒部5Aに向かって放射状に突き出した複数のフロック吸引管27Aが周方向で均等に設けられている。フロック吸引管27Aは途中で湾曲したエルボー管からなり、先端27aの開口は上方を向いている。フロック吸引管27Aの根本側の基端27bは、先端27aよりも低い位置に配置されている。フロック吸引管27Aはフロック成長ゾーンZ1とフロック沈降ゾーンZ2とを連通する連通管である。また、フロック吸引管27Aは、鉛直方向で比較した場合に内筒部7Aの上端の開口7aよりも低い位置に配置されている。従って、内筒部7Aの上端の開口7aは上側の連通部に相当し、フロック吸引管27Aは下側の連通部に相当する。
内筒部7A内には、循環水抜出し管29が設置されている。循環水抜出し管29は内筒部7Aの壁面に沿って立ち上がっており、上端の取水ポイントは、フロック分離濃縮槽15Aの高さ方向(鉛直方向)の中間位置に配置されている。循環水抜出し管29は、フロック分離濃縮槽15Aの底を抜けて、第2の凝集剤導入管11cの上流側(直前)の原水供給管11に接続されている。循環水抜出し管29には、循環水ポンプ31が設置されており、循環水ポンプ31の駆動により、フロック分離濃縮槽15Aの高さ方向(鉛直方向)の中間位置から循環水が引き抜かれて原水供給管11に送られるようになっている。循環水抜出し管29は、第2の凝集剤導入管11cの上流側に配置されているため、例えば、原水の供給が停止して循環水のみが循環するような場合であっても、必ず、その循環水には第2の凝集剤導入管11cから第2の凝集剤が添加されるようになる。なお、循環水抜出し管29は、第2の凝集剤導入管11cの下流側の原水供給管11に接続されていてもよい。
次に、凝集沈殿装置1Aを利用した凝集沈殿処理方法について説明する。処理対象となる原水には凝集剤を添加し、沈殿槽3Aに導入する。凝集剤を添加された原水は原水供給管11及び原水配給管9を経て、フロック成長槽13Aの底部に配設された原水分散ノズル9cに供給される。原水分散ノズル9cからの原水の噴射によって、原水の旋回流が形成される。フロック成長槽13A内に供給された原水は、フロック成長槽13Aの全面わたってほぼ均等に供給される。凝集剤を含む原水は原水分散ノズル9cから噴出する水流の撹拌力、剪断力などにより混合されフロックFを形成する。
フロックFはフロック成長槽13Aの底部(整流板17上)に堆積しようとするが、原水を連続して供給することによって流動層FRを形成し、フロック成長ゾーンZ1を形成する。原水の上昇過程で生じた小さなフロックFは、流動層FRを形成する大きなフロックに捕捉される。その結果、フロックFはさらに成長し、フロック成長ゾーンZ1を透過した原水は、あたかもフロック成長ゾーンZ1でろ過されたように清澄化されてゆく。
フロック成長ゾーンZ1とフロック沈降ゾーンZ2とは内筒部7Aで区画しており、フロック成長ゾーンZ1ではフロックFの流動層FRを形成するため、フロック成長ゾーンZ1での原水とフロック沈降ゾーンZ2でフロックFが沈降した後の分離水との間には、見かけ上の比重差が生じる。従って、フロック成長ゾーンZ1がフロック吸引管27Aの先端27aに達すると、この見かけ上の比重差により、原水がフロック吸引管27Aを通してフロック成長槽13Aからフロック分離濃縮槽15Aへと流れ込む。流動層FRの余剰のフロックFは、その流れに従動してフロック分離濃縮槽15Aへと引き込まれる。なお、この流れは、フロック成長ゾーンZ1とフロック沈降ゾーンZ2とがフロック吸引管27Aよりも上方で連通していなければ生じないが、フロック分離濃縮槽15Aの上端は開放(開口部7aが形成)されているため、この条件を満たしている。
本実施形態では、フロック成長ゾーンZ1からフロック沈降ゾーンZ2への自然流としての流れが生じるため、余剰のフロックFをフロック成長槽13Aからフロック分離濃縮槽15Aへ送るのに何らの動力を要せず、自然に送れるのが利点である。またフロック成長ゾーンZ1の高さは自然にフロック吸引管27Aより数センチから数十センチの高さのところに保持されるのも大きな利点である。
フロック分離濃縮槽15Aへ引き込まれたフロックはフロック分離濃縮槽15A内で沈降分離され、更に濃縮して濃縮汚泥として濃縮汚泥排出管21から排出される。フロック成長ゾーンZ1を通過した清澄水は外筒部5Aをほぼ全面で均等に上昇して行き、処理水排出部19より処理水として排出される。
フロック分離濃縮槽15Aの高さ方向の中間位置より循環水を抜き出し、原水配給管9の直前の原水供給管11に導く目的は三つある。まず、1番目の目的について説明する。フロックFがフロック成長槽13Aからフロック分離濃縮槽15Aに流入するとき、フロック分離濃縮槽15Aの上部には僅かではあるが上向きの流れが生じる。この流れがあるとフロックFの細片がその上昇流に乗って処理水側に流出する。この流れを打ち消してフロック分離濃縮槽15A内に下向きの流れを作って、フロックFをフロック分離濃縮槽15Aの底部に誘導するために循環水を引き抜いている。
2番目の目的は、原水分散ノズル9cで原水が十分に分散され、旋回流が起きるには、ノズルでの流速(1〜2m/s)を確保しなければならないので補助的に水をまわすためである。3番目の目的は、この循環水には若干のフロックFが混入するが、これがフロック成長槽13AでフロックFの核になりフロックFの成長を促すためである。したがってこのような目的には、循環水の抜き出し位置は濃縮汚泥排出管21の吐出側から枝分かれして抜き出してもよい。しかしこの時には汚泥の濃縮は犠牲になる。
凝集沈殿装置1Aを利用した凝集沈殿処理方法では、フロック成長ゾーンZ1での効果を一層高めるために凝集剤(主として高分子凝集剤)の添加方法にも工夫を加えている。すなわち、原水供給管11の途中には攪拌部11bが設けられ、攪拌部11bの直前には、第1の凝集剤導入管11aが設置され、攪拌部11bよりも下流側で原水配給管9への接続の直前には第2の凝集剤導入管11cが設置されている。水中の浮遊物質と凝集剤とを反応させるためには一定の強撹拌を必要とする。従って、第1の凝集剤は攪拌部11bの直前に添加している。しかしながら、小さなフロックと大きなフロックを結合させるにはあまり強い撹拌力は返ってその効力をそぎ、またその効力は、数十分以上は持続し難い。この知見は、発明者独自のものであり、この知見に基づいて、第2の凝集剤導入管11cは原水配給管9の手前に設置し、第2の凝集剤をフロック成長槽13Aの直前で添加するようにした。
以上の凝集沈殿装置1A及び凝集沈殿処理方法では、フロック成長ゾーンZ1で形成された流動層FRのフロックは、フロック吸引管27Aからフロック沈降ゾーンZ2に引き込まれる。その結果として、フロック成長ゾーンZ1で形成された流動層FRのフロックFをフロック沈降ゾーンZ2に効率よく引き込んで原水の処理効率を向上することが可能になる。
具体的には、従来の一般的な高速型の凝集沈殿装置の表面積負荷率(LV)は通常の凝集沈殿の2倍程度の表面積負荷率である3m/h程度が上限であるのに対して、上述の凝集沈殿装置1Aによれば、10倍以上の表面積負荷率である10〜15m/hが取れ、すなわち凝集沈殿装置1Aの所要面積を1/10以下にできる。さらに、構造上、水量負荷の変動があっても、フロック成長ゾーンZ1が維持されるため、処理水質が高度に保たれる。
また、フロック分離濃縮槽15Aが汚泥濃縮槽を兼ねているので、別途汚泥濃縮槽を設ける必要もない。すなわち、別途に汚泥濃縮層を設置する場合には凝集沈殿層で生成したフロックFを濃縮槽にポンプ、配管等を経て移送する段階でフロックFを破壊し濃縮層での濃縮を妨げるが、上記の凝集沈殿装置1AではフロックFを直接フロック分離濃縮槽15Aに落下させるので、濃縮効率も高い。さらに、フロック分離濃縮槽15Aから循環水を得ているが、取水ポイントをフロック分離濃縮槽15Aの高さ方向の中間位置に設定しているので汚泥濃縮を阻害することもない。
また、本実施形態では、沈殿槽3Aは、筒状の外筒部5Aを有し、内筒部7Aは、外筒部5Aに囲まれた筒状であり、外筒部5Aと内筒部7Aとの間にフロック成長ゾーンZ1が形成され、内筒部7Aの内側にフロック沈降ゾーンZ2が形成されている。フロック成長ゾーンZ1とフロック沈降ゾーンZ2とは内筒部7Aによって区画されているため、フロック成長ゾーンZ1がフロック沈降ゾーンZ2を取り囲むように形成される。その結果として、内筒部7Aの周方向におけるフロック吸引管27Aの配置場所によってフロックを引き込む効率にばらつきが生じ難くなり、原水の安定した処理を実現し易くなる。なお、外筒部5Aと内筒部7Aとの間にフロック沈降ゾーンZ2を形成し、内筒部7Aの内側にフロック沈降ゾーンZ1を形成してもよく、この場合も、例えば、内筒部7Aの周方向における下側の連通部の配置場所によってフロックを引き込む効率にばらつきが生じ難くなり、原水の安定した処理を実現し易くなる。
また、本実施形態では、特に、内筒部7Aの内側にフロック沈降ゾーンZ2が形成されており、内筒部7Aの下端には、濃縮汚泥排出管21が設けられている。従って、沈殿槽3Aの中央にフロックFを集めて効率よく排出し易くなる。
また、本実施形態では、内筒部7Aにフロック吸引管27Aを設け、そのフロック吸引管27Aは、根本側の基端27bが、先端27aに比べて低い位置に配置されている。フロック成長ゾーンZ1内の原水は、フロック吸引管27Aの先端27aから引き込まれてフロック沈降ゾーンZ2に達し、フロックFは、この原水の流れに乗ってフロック沈降ゾーンZ2へ到達する。そして、フロック吸引管27Aの根本側の基端27bは先端27aよりも低い位置に配置されているため、フロックFは沈降しながらスムーズにフロック沈降ゾーンZ2へ到達する。従って、原水中からのフロックFの沈降分離が促進され、原水の処理効率の向上を図りやすくなる。
さらに、凝集沈殿装置1Aの内筒部7Aと外筒部5Aとの間には、原水の上昇流に交差するように配置された整流板17が設けられている。整流板17によって上昇流が安定し、良好なフロックFの流動層FRの形成に有効である。特に、本実施形態では、フロック成長槽13Aに均等に原水を流入させる目的で、原水分散ノズル9cから旋回流を起こすように流入させるが、その流速が大きすぎるときは、フロック成長槽13A全体が旋回してしまい、良好な流動層FRの形成が阻害される場合もある。整流板17を設けることで、フロック成長槽13A全体での旋回を抑止し、良好なフロックFの流動層FRの形成を促すことができる。
(第2実施形態)
次に、図5を参照して第2実施形態に係る凝集沈殿装置について説明する。図5は、第2実施形態に係る凝集沈殿装置の断面図である。なお、第2実施形態に係る凝集沈殿装置1Bに関して第1実施形態に係る凝集沈殿装置1Aと同様の構成及び要素については、同一の符号を付して詳細説明は省略する。
凝集沈殿装置1Bの沈殿槽3A内には、外筒部(外壁部)5Aと同心になるように立設された円筒状の内筒部(内壁部)7Aが設けられている。内筒部7Aは、外筒部5Aよりも外径が小さく、且つ鉛直方向における高さが低くなっており、外筒部5Aに囲まれた状態になっている。外筒部5Aに囲まれた内筒部7Aの外側は断面ドーナツ状のフロック成長槽13Aとして機能し、内筒部7Aの内側はフロック分離濃縮槽15Aとして機能する。従って、フロック成長槽13A内には、フロック成長ゾーンZ1が形成され、フロック分離濃縮槽15A内にはフロック沈降ゾーンZ2が形成され、両ゾーンZ1,Z2を内筒部7Aが区画する状態になっている。
内筒部7Aの側部7bの高さ方向(鉛直方向)の中間位置には外筒部5Aに向かって放射状に突き出した複数(四本)のフロック吸引管(下側の連通部)27Bが設けられている。フロック吸引管27Bは斜めに傾斜したストレート管からなり、先端の開口27aは上方を向いている。フロック吸引管27Bの根本側の基端27bは、先端27aよりも低い位置に配置されている。なお、本実施形態では、整流板17は、フロック吸引管27Bよりも上に設けられている。
凝集沈殿装置によっても、フロック成長ゾーンZ1で形成された流動層FRのフロックFをフロック沈降ゾーンZ2に効率よく引き込んで原水の処理効率を向上することが可能になる。
(第3実施形態)
次に、図6を参照して第3実施形態に係る凝集沈殿装置について説明する。図6は、第3実施形態に係る凝集沈殿装置の断面図である。なお、第3実施形態に係る凝集沈殿装置1Cに関して第1実施形態に係る凝集沈殿装置1Aと同様の構成及び要素については、同一の符号を付して詳細説明は省略する。
凝集沈殿装置1Cの沈殿槽3C内には、外筒部(外壁部)5Aと同心になるように立設された内筒部(内壁部)7Cが設けられている。本実施形態に係る内筒部7Cは、上端が下端に比べて縮径しており、底部に向かってすそ広がりの円筒形である。外筒部5Aに囲まれた内筒部7Cの外側は断面ドーナツ状のフロック成長槽13Cとして機能し、内筒部7Cの内側はフロック分離濃縮槽15Cとして機能する。従って、フロック成長槽13C内には、フロック成長ゾーンZ1が形成され、フロック分離濃縮槽15C内にはフロック沈降ゾーンZ2が形成され、両ゾーンZ1,Z2を内筒部7Cが区画する状態になっており、フロック成長ゾーンZ1は上の方が広く、逆にフロック沈降ゾーンは下の方が広くなっている。
内筒部7Cの高さ方向(鉛直方向)の中間位置には外筒部5Aに向かって放射状に突き出した複数(四本)のフロック吸引管27(下側の連通部)Cが設けられている。フロック吸引管27Cは水平面上に延在するストレート管からなり、先端の開口27aは上方を向いている。なお、本実施形態では、整流板17は、フロック吸引管27Cよりも上に設けられている。
凝集沈殿装置1Cによっても、フロック成長ゾーンZ1で形成された流動層FRのフロックFをフロック沈降ゾーンZ2に効率よく引き込んで原水の処理効率を向上することが可能になる。特に、本実施形態では、内筒部7Cが底部に向かってすそ広がりの円筒形であるため、原水分散ノズル9cの噴出水は旋回流を起こしやすく、フロック分離濃縮槽15Aの容量を大きく取れて汚泥の濃縮効果が高まる利点がある。
(第4実施形態)
次に、図7を参照して第4実施形態に係る凝集沈殿装置について説明する。図7は、第4実施形態に係る凝集沈殿装置の断面図である。なお、第4実施形態に係る凝集沈殿装置1Dに関して第1実施形態に係る凝集沈殿装置1Aと同様の構成及び要素については、同一の符号を付して詳細説明は省略する。
凝集沈殿装置1Dの沈殿槽3A内には、外筒部(外壁部)5Aと同心になるように立設された円筒状の内筒部(内壁部)7Aが設けられている。内筒部7Aは、外筒部5Aよりも外径が小さく、且つ鉛直方向における高さが低くなっており、外筒部5Aに囲まれた状態になっている。外筒部5Aに囲まれた内筒部7Aの外側は断面ドーナツ状のフロック成長槽13Aとして機能し、内筒部7Aの内側はフロック分離濃縮槽15Aとして機能する。従って、フロック成長槽13A内には、フロック成長ゾーンZ1が形成され、フロック分離濃縮槽15A内にはフロック沈降ゾーンZ2が形成され、両ゾーンZ1,Z2を内筒部7Aが区画する状態になっている。
内筒部7Aの側部7bの高さ方向(鉛直方向)の中間位置には外筒部5Aに向かって放射状に突き出した複数(四本)のフロック吸引管27(下側の連通部)Aが設けられている。フロック吸引管27Aはエルボー管からなり、先端の開口27aは上方を向いている。フロック吸引管27Aの根本側の基端27bは、先端よりも低い位置に配置されている。なお、フロック吸引管27Aは水平面上に延在するストレート管であってもよい。
凝集沈殿装置1Dは、汚泥界面計33及び清水供給管35を備えている。清水供給管35の供給口は、フロック吸引管27Aの先端27aの近傍に配置されており、供給口からフロック吸引管27Aの先端27aに向けて清水が供給される。
凝集沈殿装置1Dによっても、フロック成長ゾーンZ1で形成された流動層FRのフロックFをフロック沈降ゾーンZ2に効率よく引き込んで原水の処理効率を向上することが可能になる。特に、凝集沈殿装置1Dでは、フロック成長槽13A内でのフロック生成ゾーンZ1の高さを汚泥界面計33にて測定しており、フロック生成ゾーンZ1が一定の高さに達したときは、フロック吸引管27Aの先端27aに清水を一定時間注入する。その結果、フロック分離濃縮槽15A内へのフロックFの流入を促すことができて処理効率の効率化に有効である。また、フロック吸引管27Aの目詰まり防止にも有効である。
(第5実施形態)
次に、図8を参照して第5実施形態に係る凝集沈殿装置について説明する。図8は、第5実施形態に係る凝集沈殿装置の断面図である。なお、第5実施形態に係る凝集沈殿装置1Eに関して第1実施形態に係る凝集沈殿装置1Aと同様の構成及び要素については、同一の符号を付して詳細説明は省略する。
凝集沈殿装置1Eの沈殿槽3A内には、外筒部(外壁部)5Aと同心になるように立設された円筒状の内筒部(内壁部)7Aが設けられている。内筒部7Aは、外筒部5Aよりも外径が小さく、且つ鉛直方向における高さが低くなっており、外筒部5Aに囲まれた状態になっている。外筒部5Aに囲まれた内筒部7Aの外側は断面ドーナツ状のフロック成長槽13Aとして機能し、内筒部7Aの内側はフロック分離濃縮槽15Aとして機能する。従って、フロック成長槽13A内には、フロック成長ゾーンZ1が形成され、フロック分離濃縮槽15A内にはフロック沈降ゾーンZ2が形成され、両ゾーンZ1,Z2を内筒部7Aが区画する状態になっている。
内筒部7Aの側部7bの高さ方向(鉛直方向)の中間位置には、上述のフロック吸引管27A〜27Cに代えて、複数のフロック吸引口(下側の連通部)27Eが周方向で均等に設けられている。フロック吸引管27A〜27Cに代えてフロック吸引口27Eを設けると、径方向の省スペース化に有効である。フロック吸引口27Eは、円形、楕円形、正方形、矩形等の適宜な形状にすることができる。フロック吸引口27Eを介してフロック生成ゾーンZ1とフロック沈降ゾーンZ2とが連通し、また、第1実施形態と同様に、内壁部の上端の開口7aを介してフロック生成ゾーンZ1とフロック沈降ゾーンZ2とが連通している。
凝集沈殿装置1Eによっても、フロック成長ゾーンZ1で形成された流動層FRのフロックFをフロック沈降ゾーンZ2に効率よく引き込んで原水の処理効率を向上することが可能になる。
(第6実施形態)
次に、図9を参照して第6実施形態に係る凝集沈殿装置について説明する。図9は、第6実施形態に係る凝集沈殿装置の断面図である。なお、第6実施形態に係る凝集沈殿装置1Fに関して第1実施形態に係る凝集沈殿装置1Aと同様の構成及び要素については、同一の符号を付して詳細説明は省略する。
凝集沈殿装置1Fの沈殿槽3Fの底部には、外筒部(外壁部)5Aと同心になるように立設された円筒状の軸管37が設けられている。軸管37の高さ方向の中間よりやや上側には、外筒部5Aの軸線Lに直交する面上に延在する整流板17が固定されている。軸管37の上部には、軸管37よりも僅かに内径が大きく、外筒部5Aと同じ軸線Lを有する円筒状の内筒部(内壁部)7Fがラビリンス構造にて装着されている。内筒部7Fは、濃縮汚泥掻寄機25の回転軸23にブラケット39を介して連結しており、回転軸23の回転に伴って回転する。外筒部5Aに囲まれた内筒部7Fの外側は断面ドーナツ状のフロック成長槽13Aとして機能し、内筒部7Fの内側はフロック分離濃縮槽15Aとして機能する。従って、フロック成長槽13A内には、フロック成長ゾーンZ1が形成され、フロック分離濃縮槽15A内にはフロック沈降ゾーンZ2が形成され、両ゾーンZ1,Z2を内筒部7Fが区画する状態になっている。
内筒部7Fの側部7bの高さ方向(鉛直方向)の中間位置には、複数(四本)のフロック吸引管(下側の連通部)27Aが周方向で均等に設けられている。フロック吸引管27Aは内筒部7Fの回転に連動して円周方向に沿って移動する。また、内筒部7Fには、整流板17の上面に沿って移動する複数のフロックスクレーパ41が設けられている。フロックスクレーパ41は、周方向で均等間隔を空けた放射状の帯状スクレーパである。
凝集沈殿装置1Fでは、内筒部7Fの回転に連動してフロック吸引管27Aも移動する。フロック成長ゾーンZ1は内筒部7Fを取り囲むように形成されており、フロック吸引管27Aが円周方向に沿って移動する結果、フロック成長ゾーンZ1の流動層FRから均等にフロックFが引き込まれるようになり、原水の処理効率が向上する。特に、複数のフロック吸引管27Aのうちの一部が目詰まりしてしまう可能性もあり、その場合であっても、その他のフロック吸引管27Aが補うようになるので、吸引効果のバラツキを抑え、流動層FRの高さを均一に保持して処理効率の低下を抑止できる。
さらに、凝集沈殿装置1Fでは、整流板17の上面に沿って移動するフロックスクレーパ41が設けられているため、整流板17上にフロックFが堆積していても、そのフロックFを解きほぐすことができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の各実施形態を適宜に組み合わせるようにしてもよい。例えば、第6実施形態において、フロック吸引管27Aの代わりにフロック吸引口27Eを設けるようにしてもよい。
以下、本発明の実施例として、実証テスト機による実験結果を以下に説明する。実証テスト機は、外壁部として直径30cm、高さ160cmの外円筒と、内壁部として直径10cm、高さ80cmの内円筒を設置したものを使用した。
(1)テスト条件
原水:カオリン100mg/l+PAC(ポリ塩化アルミニウム)10mg/lを混合調整した。(原水SS133mg/l)
凝集剤:アニオン系ポリマーを 1.0mg/l添加した。
循環水量:原水量×1/10
表面積負荷率:13m/h(原水基準で)
(2)処理水SS
CASE1: 1.0mg/lを一括添加(5mg/l)した。
CASE2:0.5mg/l+0.5mg/lを分割添加(2mg/l)した。
いずれのCASEでも通常の高速凝集沈殿装置の表面積負荷率(1〜3m/h)よりはるかに高い負荷率の運転にもかかわらず、清澄な処理水が得られている。
本発明の第1実施形態に係る凝集沈殿装置の概略的な断面図である。 図1のII―II線に沿った断面図である。 図1のIII−III線に沿った断面図である。 原水中の粒子分布図である。 本発明の第2実施形態に係る凝集沈殿装置の概略的な断面図である。 本発明の第3実施形態に係る凝集沈殿装置の概略的な断面図である。 本発明の第4実施形態に係る凝集沈殿装置の概略的な断面図である。 本発明の第5実施形態に係る凝集沈殿装置の概略的な断面図である。 本発明の第6実施形態に係る凝集沈殿装置の概略的な断面図である。
符号の説明
1A,1B,1C,1D,1E,1F…凝集沈殿装置、3A,3C,3F…沈殿槽、5F…外筒部(外壁部)、7A,7C,7F…内筒部(内壁部)、7a…内筒部の上端の開口(上側の連通部)、7b…内筒部の側部、9…原水配給管(原水の導入部)、17…整流板、19…処理水排出部、21…濃縮汚泥排出管(フロック排出部)、27A,27B,27C…フロック吸引管(下側の連通部、連通管)、27a…先端、27b…基端、27E…フロック吸引口(下側の連通部)、41…フロックスクレーパ、L…軸線、F…フロック、FR…流動層、Z1…フロック成長ゾーン、Z2…フロック沈降ゾーン。

Claims (4)

  1. 原水及び凝集剤を受け入れる沈殿槽と、前記沈殿槽内に沈殿したフロックを排出するフロック排出部と、前記沈殿槽から処理水を排出する処理水排出部と、を備える凝集沈殿装置において、
    前記沈殿槽内には、
    前記原水の上昇流によってフロックの流動層が形成されるフロック成長ゾーンと前記フロック成長ゾーンで生成されたフロックが沈降するフロック沈降ゾーンとを区画する内壁部が設けられ、
    前記内壁部には、鉛直方向で比較した場合の高い位置と低い位置とのそれぞれに、前記フロック成長ゾーンと前記フロック沈降ゾーンとを連通する上側及び下側の連通部が設けられ、
    前記沈殿槽は、筒状の外壁部を有し、
    前記内壁部は、前記外壁部に囲まれた筒状であり、
    前記フロック成長ゾーンは、前記外壁部と前記内壁部との間に形成され、
    前記フロック沈降ゾーンは、前記内壁部の内側に形成され、
    前記外壁部の下部には、前記原水の導入部が設けられ、前記外壁部の上部には前記処理水排出部が設けられ、前記内壁部の底には前記フロック排出部が設けられ、
    前記内壁部の上端は開放されて上側の前記連通部となり、
    前記内壁部の側部には、下側の前記連通部が設けられ、
    下側の前記連通部は、前記内壁部の側部から前記フロック成長ゾーン内に突き出した連通管であり、前記連通管の根本側の基端は、先端に比べて低い位置に配置されており、
    筒状の前記内壁部は、軸線回りに回転可能であることを特徴とする凝集沈殿装置。
  2. 前記内壁部と前記外壁部との間には、原水の上昇流に交差するように配置された整流板が設けられていることを特徴とする請求項1記載の凝集沈殿装置。
  3. 原水及び凝集剤を受け入れる沈殿槽と、前記沈殿槽内に沈殿したフロックを排出するフロック排出部と、前記沈殿槽から処理水を排出する処理水排出部と、を備える凝集沈殿装置において、
    前記沈殿槽内には、
    前記原水の上昇流によってフロックの流動層が形成されるフロック成長ゾーンと前記フロック成長ゾーンで生成されたフロックが沈降するフロック沈降ゾーンとを区画する内壁部が設けられ、
    前記内壁部には、鉛直方向で比較した場合の高い位置と低い位置とのそれぞれに、前記フロック成長ゾーンと前記フロック沈降ゾーンとを連通する上側及び下側の連通部が設けられ、
    前記沈殿槽は、筒状の外壁部を有し、
    前記内壁部は、前記外壁部に囲まれた筒状であり、
    前記フロック成長ゾーンは、前記外壁部と前記内壁部との間に形成され、
    前記フロック沈降ゾーンは、前記内壁部の内側に形成され、
    前記外壁部の下部には、前記原水の導入部が設けられ、前記外壁部の上部には前記処理水排出部が設けられ、前記内壁部の底には前記フロック排出部が設けられ、
    前記内壁部の上端は開放されて上側の前記連通部となり、
    前記内壁部の側部には、下側の前記連通部が設けられ、
    筒状の前記内壁部は、軸線回りに回転可能であり、
    前記内壁部と前記外壁部との間には、前記内壁部の軸線に垂直に交差する面上に配置された整流板が設けられ、
    前記内壁部には、前記整流板の上面に沿って移動するスクレーパが設けられていることを特徴とする凝集沈殿装置。
  4. 前記導入部に前記原水を供給する原水供給ラインを更に備え、
    前記原水供給ラインには、前記原水の攪拌部と、前記攪拌部の上流側に配置された第1の凝集剤導入部と、前記攪拌部の下流側に配置された第2の凝集剤導入部と、が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の凝集沈殿装置。
JP2008191314A 2008-07-24 2008-07-24 凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法 Active JP4747191B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008191314A JP4747191B2 (ja) 2008-07-24 2008-07-24 凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008191314A JP4747191B2 (ja) 2008-07-24 2008-07-24 凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010023008A JP2010023008A (ja) 2010-02-04
JP4747191B2 true JP4747191B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=41729349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008191314A Active JP4747191B2 (ja) 2008-07-24 2008-07-24 凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4747191B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104096386A (zh) * 2014-07-03 2014-10-15 杭州天宇环保工程实业有限公司 一种组合式沉淀池用斜板

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5085609B2 (ja) * 2009-05-28 2012-11-28 住友重機械エンバイロメント株式会社 凝集沈殿装置
WO2014038537A1 (ja) 2012-09-10 2014-03-13 栗田工業株式会社 水処理方法及び装置
JP6965001B2 (ja) * 2017-03-21 2021-11-10 オルガノ株式会社 スラッジブランケット型凝集沈澱装置、スラッジブランケット型凝集沈澱装置の運転方法、および整流装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS484628Y1 (ja) * 1968-12-24 1973-02-05
JPS5133406Y2 (ja) * 1972-02-08 1976-08-19
JPS5130157A (en) * 1974-09-06 1976-03-15 Yoshizaki Metsuki Kakosho Juge Haisuinoshorihoho oyobi sochi
JPS5342441A (en) * 1976-09-29 1978-04-17 Kurita Water Ind Ltd Agglomeration treatment device
JPS5387553A (en) * 1976-12-16 1978-08-02 Kurita Water Ind Ltd Apparatus for agglomeration treatment
JPS54463A (en) * 1977-06-03 1979-01-05 Kurita Water Ind Ltd Coagulating system
JPS541461A (en) * 1977-06-04 1979-01-08 Kurita Water Ind Ltd Coagulating separating
JPS58189008A (ja) * 1982-04-30 1983-11-04 Chiyoda Chem Eng & Constr Co Ltd 水除濁装置
JPS59120212A (ja) * 1982-12-27 1984-07-11 Maezawa Kasei Kogyo Kk 凝集分離方法
JPS61129011A (ja) * 1984-11-29 1986-06-17 Japan Organo Co Ltd フロックブランケット型凝集沈澱装置
JPH0698247B2 (ja) * 1985-07-29 1994-12-07 オルガノ株式会社 フロツクブランケツト型凝集沈澱装置
JPH061201Y2 (ja) * 1987-01-14 1994-01-12 オルガノ株式会社 フロックブランケット型凝集沈殿装置
JPH07121323B2 (ja) * 1991-08-23 1995-12-25 日本エンヂニヤー・サービス株式会社 排水処理装置
JP3296414B2 (ja) * 1997-05-16 2002-07-02 日立プラント建設株式会社 凝集沈殿装置
JP2002035503A (ja) * 2000-07-27 2002-02-05 Sano:Kk 濁水処理装置
JP3922921B2 (ja) * 2001-12-18 2007-05-30 株式会社荏原製作所 凝集沈殿装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104096386A (zh) * 2014-07-03 2014-10-15 杭州天宇环保工程实业有限公司 一种组合式沉淀池用斜板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010023008A (ja) 2010-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5085609B2 (ja) 凝集沈殿装置
JP4747192B2 (ja) 凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法
JP6320102B2 (ja) 凝集沈殿槽及び凝集沈殿システム
KR101673668B1 (ko) 원형 슬러지 수집기
US8562829B2 (en) Magnetic separation apparatus and waste water treatment apparatus
WO2006036014A1 (ja) 凝集分離装置
JPS6333406B2 (ja)
JP4747191B2 (ja) 凝集沈殿装置及び凝集沈殿処理方法
JP2013078715A (ja) 凝集沈殿装置
KR102406986B1 (ko) 2회 연속 침전 처리장치
JP2018134619A (ja) 凝集沈殿装置
JP2011121033A (ja) 磁気分離装置及び磁気分離方法並びに廃水処理装置及び廃水処理方法
CN206318812U (zh) 一种含油污水过滤设备
KR101249777B1 (ko) 슬러지 침강장치
JP3676657B2 (ja) 旋回流式凝集分離装置
JP3744699B2 (ja) 凝集沈澱方法及び装置
CN207391128U (zh) 一种含油废水处理装置
JP2017013029A (ja) 凝集槽及び凝集処理方法
CN105771337B (zh) 一种高效的固液分离装置及其应用
KR20190121114A (ko) 무동력 교반기 및 이를 포함하는 응집 반응 장치
CN204051093U (zh) 移动式废水动力澄清装置
JP2006095494A (ja) 凝集分離装置
CN104225967B (zh) 移动式废水动力澄清装置
JP2000117005A5 (ja)
CN219885770U (zh) 一种磁混凝高效沉淀装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110516

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4747191

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S802 Written request for registration of partial abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350