JP4746776B2 - 圧痕形成機構、及び硬さ試験機 - Google Patents

圧痕形成機構、及び硬さ試験機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧子により試料表面に荷重を負荷して圧痕を形成させることに基づいて、試料の材料特性を評価する試験機に用いられる圧痕形成機構、及びこの圧痕形成機構を備えた硬さ試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧子により試料表面に荷重を負荷して圧痕を形成させることに基づいて、材料特性としての試料の硬さを評価する試験機として、例えば、ロックウェル硬さ試験機が知られている。
【0003】
従来のロックウェル硬さ試験機200は、例えば、図5に示すように、主に、試験機本体201と、角ネジ202と、試料台203と、おもり204aと、荷重レバー204bと、カム204cと、荷重負荷部204dとからなる圧痕形成機構部204等を備え、荷重負荷部204dは更に、荷重軸1dと、圧子軸2dと、圧子3dと、変位計4d等からなる。
【0004】
上記硬さ試験機200によれば、所定のおもり204aが荷重レバー204bの先端に吊るされ、カム204cの回転によって荷重レバー204bが下がり、荷重軸1dに所定の荷重が作用する。そして、この荷重軸1dに作用した荷重は、圧子軸2dを介して圧子3dに伝達され、この圧子3dが試料Sに当接することにより、試料台203に載置された試料Sに圧痕が形成される。そして、この圧痕の深さを変位計4dにより計測し、この計測結果に基づいて試料Sの硬さ値を求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図6に示すように、上記硬さ試験機200の荷重負荷部204dにおいて、圧子3dを先端部に備えた圧子軸2dは、下筒5dの内部に移動可能に挿入されており、圧子軸2dの上部は、圧子軸2dに取付けられた圧子軸案内板6dによって、下筒5dに支持されている。又、やや径が小さくなった圧子軸2dの下部は、ボール案内7dを介して、圧子軸案内筒8dに移動可能に挿入されており、この圧子軸案内筒8dが更に試料押さえ9dに挿入され、試料押さえ9dが下筒5dに挿入される構成となっている。
そして、圧子軸2dは圧子軸案内板6d、及びボール案内7dにより案内されて上下に移動することとなる。
【0006】
従って、試験荷重負荷時において、圧子軸2dは、圧子軸案内板6d、圧子軸案内筒8d、及び圧子3dが当接する試料Sの3箇所によって支持されることになるが、試験荷重の負荷に伴って圧子軸2dが移動する際、下筒5dと圧子軸案内板6d、及び圧子軸2dとボール案内7dの間には摩擦が生じて圧子軸2dが過拘束となる場合がある。このような過拘束が生じると、圧子軸2dに作用する力が正しく試料Sに伝達されず、又、圧子軸2dの動作のヒステリシスが大きいため、硬さ測定の結果が不安定となるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、圧子軸への拘束を減じることにより、より安定した材料特性測定を行うことが可能な圧痕形成機構、及びこの圧痕形成機構を備える硬さ試験機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜図4に示すように、試料表面に圧子3により圧痕を形成させることに基づいて試料Sの材料特性を測定するために用いられる圧痕形成機構(例えば、圧痕形成機構部104)であって、
先端に前記圧子が取り付けられる圧子軸2と
前記圧子軸が挿入される中空部5aを有し、下降することにより先端が前記試料表面と接する上下動可能な試料押さえ5と、
一端が前記圧子軸に固定され、かつ他端が前記試料押さえに固定され、前記圧子軸を前記試料押さえ5に対し上下動可能に支持する弾性支持部材(例えば、板バネ8)と、
前記試料押さえの内側面に形成され、前記圧子軸の一部と当接した際に、前記圧子軸を所定の位置に位置決めする位置決め部(例えば、バネ取付部53a)と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、圧子軸は上下動可能な試料押さえの内側面に形成された位置決め部により試料押さえ内に位置決めされ、弾性支持部材により試料押さえに対し上下動可能に支持された状態で、圧子により試料表面に圧痕を形成させるので、誤った位置で試料表面に圧痕を形成してしまうことがないうえ、圧子軸が移動に伴って他の部材より過拘束を受けることがない。従って、圧子軸に作用する力は、圧子を介して試料に正確に伝達されるとともに、圧子軸の動作のヒステリシスを小さくすることができるので、材料特性測定の結果を安定させることができる。ここで、材料特性とは、例えば、硬さ、圧子軸の変位推移など、圧痕形成により測定可能な材料特性であれば、どのようなものであってもよい。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の圧痕形成機構において、
前記圧子軸は、下方に向かって外周が漸次縮径するテーパ部(例えば、円錐座23)を備え、
前記位置決め部と、前記テーパ部とが当接して位置決めされることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に圧子軸は、圧子軸に備えられたテーパ部と、位置決め部が当接することにより位置決めされるので、位置決め部がテーパ部の傾斜に沿って案内されることとなって、よりスムーズ、且つ正確に位置決めを行うことができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の圧痕形成機構において
記試料押さえが前記試料表面と接触する位置を基準として、前記試料押さえに対する前記圧子軸の相対変位を測定する変位測定手段(例えば、変位計4)を備え、
前記弾性支持部材の一端は前記試料押さえに固定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に圧子軸弾性支持部材によって試料押さえに固定されるので、試料押さえの先端を試料表面に接するようにさせると、弾性支持部材が固定され、その状態で圧子軸が弾性支持されるので、試料押さえが試料表面と接触する位置を基準とした、試料押さえに対する圧子軸の相対位置変化が変位測定手段により分かるようになって、圧子軸の試料への侵入深さをより正確に測定することができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の圧痕形成機構において、
前記弾性支持部材は板バネ8であることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に圧子軸は、板バネに支持されることにより水平方向の移動を拘束される一方、板バネが上下に撓むため、上下動は可能となる。
従って、構造が極めて簡易な弾性支持部材によって、圧子軸の上下動を制限することなく、圧子軸を的確に支持することができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、硬さ試験機100において、請求項1〜4の何れかに記載の圧痕形成機構(例えば、圧痕形成機構部104)を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れかに記載の圧痕形成機構を硬さ試験機に適用することにより、圧子軸が過拘束を受けにくくなるので、圧子軸に作用する力が圧子を介して試料に正確に伝達され、材料特性測定の結果を安定させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る圧痕形成機構、及び硬さ試験機の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
尚、本実施の形態の硬さ試験機100は、荷重負荷部104dの部分に特徴を有し、それ以外の部分の構成は、従来の一般的なロックウェル硬さ試験機と同様とされている。これにより以下の説明において、本願の特徴部分については図2、及び図3を用いて詳細に説明し、それ以外の部分については簡略して説明するものとする。
【0020】
図1に示す硬さ試験機100は、ロックウェル硬さ試験機と言われるもので、本体部としての試験機本体101と、試験機本体101に角ネジ102によって上下動可能に取り付けられる試料台103と、おもり104aと、荷重レバー104bと、カム104cと、荷重負荷部104dと、からなる圧痕形成機構部104等を備え、荷重負荷部104dは更に、荷重軸1と、圧子軸2と、圧子3と、変位計4等からなる。
【0021】
図2に示す荷重負荷部104dにおいて、荷重軸1の下方には圧子軸2が設けられ、この圧子軸2は先端部21に圧子3を備える。
【0022】
荷重軸1は、軸部の中程にやや径が大きくなった大径部11を有しており、荷重軸1の上部に形成されたバネ取付部12の下面と、大径部11の上面とに、バネ13の一端が各々取り付けられている。
荷重軸1の上部には、荷重レバー当接部14が設けられる。この荷重レバー当接部14の真上には、荷重レバー104bに形成される荷重レバー突出部104eが位置するようになっており、荷重レバー104bが下降した際には、荷重レバー突出部104eによって、荷重レバー当接部14に荷重が負荷される。
又、荷重軸1の下部には、圧子軸当接部15が設けられ、この圧子軸当接部15の真下には、圧子軸2に形成される荷重軸当接部21aが位置するようになっている。
【0023】
荷重軸1は、上部が開放された上筒9の内部に挿入されており、この上筒9の下端には、上筒9よりやや径が大きくなった下筒6が設けられる。
上筒9は、下部内側のみが荷重軸1方向に突出して径が小さくなっており、この突出した部分に上筒突出部91が形成されている。
そして、この上筒突出部91の上面91aと、荷重軸1に設けられる大径部11の下面11aが当接するようになっている。
【0024】
圧子軸2は、上部に荷重軸当接部21aを有する太軸部21と、太軸部21よりやや細い細軸部22からなり、細軸部22は、下部外側に突出したバネ取付部22aを有している。
太軸部21は、図示は省略するが、側面視略U字状体となっており、その内部空間内に変位計4が配置される。
【0025】
太軸部21の底部には、凸部21bが形成され、変位計4の下端が凸部21bと当接する。又、太軸部21の軸部下部には、逆裁頭円錐形状の円錐座23が設けられており、円錐座23の中央に形成された穴部に細軸部22が挿入されている。
【0026】
変位計4は、後述する試料押さえ5の変位計取付部51に固定され、圧子軸2の変位を測定する。
【0027】
圧子軸2は、圧子軸2と略同一の長さを有し、中空部5aを備える試料押さえ5の中空部5a内に挿入されている。又、この試料押さえ5は、下部の試料押さえ突出部52を除いて下筒6に挿入される。
試料押さえ5の試料押さえ突出部52は、下方に向かうにつれて径が小さくなっており、先端部に試料当接部52aが形成されている。
【0028】
試料当接部52aは、試料台103上に載置される試料Sの表面に対向する水平面をわずかに有しており、試料押さえ5の下降により試料当接部52aが試料Sの表面に、側面視において点接触するようになっている。このように点接触によって荷重負荷部104dを試料S上に保持すると、試料Sの表面に多少凹凸がある場合でも、面接触に比べて試料当接部52aが試料S上で傾斜してしまうことが少なくなるので、より垂直に荷重負荷部104dを試料Sの表面に保持することができる。
【0029】
又、この試料当接部52aの内側には圧子3が収納されており、圧子3が試料当接部52aから下方に突出した際に、下方に載置される試料Sと圧子3が当接するようになっている。
【0030】
試料押さえ突出部52の上方には、試料押さえ突出部52よりも径が大きい大径部53が設けられ、その更に上方には、試料押さえ突出部52と同一の径の小径部54が設けられている。
又、大径部53の下面53cは、試料押さえ5が挿入される下筒6の内側の端部64と当接する。
大径部53の内部には、圧子軸2方向へ向かって突出するバネ取付部53aが形成されており、このバネ取付部53aの下面と、細軸部22のバネ取付部22aの上面とに、バネ7の一端が各々取り付けられている。
【0031】
バネ取付部53aの上面端部53bは、圧子軸2の太軸部21に設けられた円錐座23の側面と当接する。この円錐座23によって、圧子軸2は試料押さえ5の内部中央に位置するよう位置決めされるので、試験荷重負荷時、圧子軸2が試料押さえ5の内部において移動し、誤った位置で試料Sに圧痕を形成してしまうことがない。
【0032】
小径部54の略中央には、圧子軸2内へ貫通して設けられる変位計取付部51が形成されており、試料押さえ5はこの変位計取付部51より上方が開放されて開放部54aとなっている。小径部54の上端には、試料押さえ案内部55が外方へ向かって突出するように設けられており、試料押さえ案内部55は下筒6の内側面に当接している。
【0033】
試料押さえ案内部55には、荷重負荷部104dの外方、即ち、荷重負荷部104dが取付けられる試験機本体101へ向かって、板バネ固定部56が下筒6を貫通して設けられる。この板バネ固定部56の自由端には、当該板バネ固定部56と平行して板バネ8が取り付けられ、この板バネ8の一端が圧子軸2の太軸部21上部に固定されている。圧子軸2は、この板バネ8によって軸部上方を支持される。
【0034】
硬さ試験機100においては、従来のような案内部を圧子軸2の上部に設ける代わりに、上述のような試料押さえ案内部55、及び板バネ8を設けており、板バネ8によって圧子軸2の上部を支持し、又、試料押さえ案内部55によって試料押さえ5を支持することにより、従来のように圧子軸2が案内部によって過拘束されるのを未然に防ぐとともに、圧子軸2の支持も的確に行おうとするものである。
【0035】
下筒6は、端部64を除く底面65に試料押さえ突出部52の径よりやや大きい径の穴部61を有しており、この穴部61から試料押さえ突出部52が下方に向かって突出する。
又、下筒6には、試料押さえ5の大径部53と当接する位置において、ボール案内63が設けられており、試料押さえ5はこのボール案内63に従って下筒6の内部を移動可能となっている。
下筒6の上部内側には、試料押さえ5方向へ向かって突出するバネ取付部62が形成されており、このバネ取付部62の下面と、試料押さえ5の大径部53の上面とに、バネ10の一端が各々取り付けられている。
【0036】
次に、上記構成の硬さ試験機100による圧痕形成動作について説明する。
まず、本発明における硬さ測定の原理について概略説明する。
圧子3には初荷重と試験荷重の2種類の荷重が加えられる。そして、試料押さえ5の試料当接部52aが試料Sに接触した状態(位置)を基準にして、圧子3の初荷重負荷状態における変位(試料Sに対する侵入深さ)と、試験荷重負荷状態における変位(試料Sに対する侵入深さ)との差が変位計4によって測定され、その測定結果に基づいて試料Sの硬さ値が求められる。
【0037】
具体的には、まず、カム104cの回転によって、先端におもり104aが吊るされた荷重レバー104bが下がり、荷重レバー突出部104eが荷重軸1の荷重レバー当接部14に当接して、荷重軸1に所定の荷重が作用する。
すると、荷重軸1の下面11aが上筒9の上面91aに当接して、これを下方に押圧するので、荷重負荷部104d全体が下方へ移動し、試料当接部52aから僅かに下方へ突出している圧子3と試料Sが徐々に近づいていく。
【0038】
荷重負荷部104dが更に下方へ移動し、圧子3が試料Sと当接すると、圧子3が試料Sに押し返されて圧子軸2のみが上方へ移動するので、これによりバネ7が縮んで、試料当接部52aの下面が試料Sと当接する。
この時、圧子軸2に設けられた円錐座23は、圧子軸2の上方への移動に伴って、試料押さえ5のバネ取付部53aの上面端部53bから徐々に離れていく。
【0039】
又、圧子軸2の上部に取付けられた板バネ8は、太軸部21に固定される一端が上昇するので上向きにやや撓んだ状態となるが、試料押さえ5の内側で圧子軸2が不用意に移動しない程度に圧子軸2を固定している。
これにより、バネ7に発生する力の全てが圧子軸2にかかり、圧子軸2から圧子3を介して、試料Sにこの初荷重が伝達される(初荷重負荷状態)。
【0040】
尚、この初荷重負荷状態、及び後述の試験荷重負荷状態において、圧子軸2の細軸部22の軸部周囲には隙間が形成され、何ら他の部材と接触していないので、圧子軸2は上下方向に移動する際に過拘束されることがない。
従って、圧子軸2はこの時、板バネ8、及び圧子3が当接する試料Sの2箇所によって支持されることとなり、従来の硬さ試験機200に比較して、荷重の負荷に伴って圧子軸2が移動する際、より拘束を受けにくい構造となっている。
【0041】
初荷重が負荷された後も、荷重負荷部104dは下降を続行し、下筒6が、ボール案内63、及び試料押さえ案内部55に案内されながら下方へ移動を開始する。
すると、バネ10が縮むとともに、試料押さえ5の下面53cは、下筒6の端部64から徐々に離れていく。
【0042】
そして、荷重軸1が下降して、圧子軸2の上部に設けられた荷重軸当接部21aが荷重軸1の圧子軸当接部15に接触する。
すると、上筒9は更に降下して、荷重軸1の大径部11の下面11aは、上筒突出部91の上面91aから徐々に離れていき、これにより、バネ13に発生する力の全てが荷重軸1にかかり、更に、この力は荷重軸1から圧子軸2、及び圧子3を介して、試料Sに試験荷重として伝達される(試験荷重負荷状態)。
【0043】
以上で、圧痕形成のための押圧動作が終了するので、今度は荷重レバー104bをゆっくりと上げていき、荷重軸1に負荷する力を徐々に弱めていく。
するとまず、荷重負荷部104dが上昇するにつれて、荷重軸1の大径部11の下面11aが、上筒突出部91の上面91aに当接して、圧子軸2の上部に設けられた荷重軸当接部21aが、荷重軸1の圧子軸当接部15から離れる。
次に、下筒6が、ボール案内63、及び試料押さえ案内部55に案内されながら上方へ移動して、試料押さえ5の下面53cが、下筒6の端部64に徐々に近づいていき、当接する。
【0044】
ここで再び、バネ7に発生する力の全てが圧子軸2にかかり、圧子軸2から圧子3を介して、試料Sに初荷重が伝達される(2度目の初荷重負荷状態)。
更に、下筒6、及び上筒9が上昇するにつれて、試料押さえ5の試料当接部52aの下面が試料Sから離れ上方へ移動してバネ7に発生する力が弱まり、圧子3が試料当接部52aから突出するようになる。すると、圧子軸2に設けられた円錐座23が、試料押さえ5のバネ取付部53aの上面端部53bに当接する一方、圧子軸2の上部に取付けられた板バネ8は、板バネ8の一端が固定される太軸部21が下降するので、撓んだ状態から元の水平な状態に徐々に戻る。
【0045】
そして、荷重負荷部104dが更に上方へ移動すると、更に、圧子3も同様に試料Sから徐々に離れていき、最後に、荷重レバー突出部104eが荷重軸1の荷重レバー当接部14から離れる。
【0046】
以上の初荷重負荷状態、及び試験荷重負荷状態における圧子3の変位の差を、変位計4によって測定し、その測定結果に基づいて試料Sの硬さ値を求める。
【0047】
以上のように、本実施の形態の圧痕形成機構部104、及びこれを備えた硬さ試験機100によれば、圧子3により試料Sに圧痕を形成する際、圧子軸2は始め、円錐座23によって位置決めされている状態で試料Sに当接するので、圧子3が誤った箇所で試料Sに当接してしまうことがない。
又、圧子3により試料Sに荷重を負荷する際、圧子軸2は板バネ8によって上部を支持されるのみであるため、移動する際に過拘束を受けることがない。従って、変位計4による変位測定の結果が安定し、より正確な試験を行える。
【0048】
尚、上記実施例においては、本発明に係る圧痕形成機構部、及び硬さ試験機の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、板バネ8は、圧子軸2の両側に設ける構成としても良い。
又、図4に示す硬さ試験機100’のように、試験機本体101’に設けられる可動部105によって、硬さ試験機100において示した荷重負荷部104dを試験機本体101’の外方に支持させ、更に、可動部105の上下動によって、荷重負荷部104dを下方へ移動させて、試料Sと当接させる構成としてもよい。
【0049】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、圧子軸は試料押さえの内側面に形成された位置決め部により試料押さえ内に位置決めされ、弾性支持部材により上下動可能に支持された状態で、圧子により試料表面に圧痕を形成させるので、誤った位置で試料表面に圧痕を形成してしまうことがないうえ、圧子軸が移動に伴って他の部材より過拘束を受けることがない。 従って、圧子軸に作用する力は、圧子を介して試料に正確に伝達されるので、材料特性測定の結果を安定させることができる。
【0050】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に圧子軸は、圧子軸に備えられたテーパ部と、位置決め部が当接することにより位置決めされるので、位置決め部がテーパ部の傾斜に沿って案内されることとなって、よりスムーズ、且つ正確に位置決めを行うことができる。
【0051】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に圧子軸弾性支持部材によって試料押さえに固定されるので、試料押さえの先端を試料表面に接するようにさせると、弾性支持部材が固定され、その状態で圧子軸が弾性支持されるので、試料押さえが試料表面と接触する位置を基準とした、試料押さえに対する圧子軸の相対位置変化が変位測定手段により分かるようになって、圧子軸の試料への侵入深さをより正確に測定することができる。
【0052】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に圧子軸は、板バネに支持されることにより水平方向の移動を拘束される一方、板バネが上下に撓むため、上下動は可能となる。
従って、構造が極めて簡易な弾性支持部材によって、圧子軸の上下動を制限することなく、圧子軸を的確に支持することができる。
【0053】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れかに記載の圧痕形成機構を硬さ試験機に適用することにより、圧子軸が過拘束を受けにくくなるので、圧子軸に作用する力が圧子を介して試料に正確に伝達され、材料特性測定の結果を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る硬さ試験機の要部構成を示す側面図である。
【図2】図1における荷重負荷部104dの初荷重を負荷する前の状態を示す図である。
【図3】同荷重負荷部104dの初荷重負荷状態を示す図である。
【図4】硬さ試験機の変形例を示す側面図である。
【図5】従来の硬さ試験機の要部構成を示す側面図である。
【図6】図5における荷重負荷部204dの詳細を示す図である。
【符号の説明】
100 硬さ試験機
104 圧痕形成機構部(圧痕形成機構)
2 圧子軸
23 円錐座(テーパ部)
3 圧子
4 変位計(変位測定手段)
5 試料押さえ
53a バネ取付部(位置決め部)
8 板バネ(弾性支持部材)
S 試料

Claims (5)

  1. 試料表面に圧子により圧痕を形成させることに基づいて試料の材料特性を測定するために用いられる圧痕形成機構であって、
    先端に前記圧子が取り付けられる圧子軸と
    前記圧子軸が挿入される中空部を有し、下降することにより先端が前記試料表面と接する上下動可能な試料押さえと、
    一端が前記圧子軸に固定され、かつ他端が前記試料押さえに固定され、前記圧子軸を前記試料押さえに対し上下動可能に支持する弾性支持部材と、
    前記試料押さえの内側面に形成され、前記圧子軸の一部と当接した際に、前記圧子軸を所定の位置に位置決めする位置決め部と、
    を備えていることを特徴とする圧痕形成機構。
  2. 前記圧子軸は、下方に向かって外周が漸次縮径するテーパ部を備え、
    前記位置決め部と、前記テーパ部とが当接して位置決めされることを特徴とする請求項1記載の圧痕形成機構。
  3. 前記試料押さえが前記試料表面と接触する位置を基準として、前記試料押さえに対する前記圧子軸の相対変位を測定する変位測定手段を備え、
    前記弾性支持部材の一端は前記試料押さえに固定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の圧痕形成機構。
  4. 前記弾性支持部材は板バネであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の圧痕形成機構。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の圧痕形成機構を備えたことを特徴とする硬さ試験機。
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