JP4745894B2 - ロータリーカッタの制御装置 - Google Patents

ロータリーカッタの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4745894B2
JP4745894B2 JP2006153425A JP2006153425A JP4745894B2 JP 4745894 B2 JP4745894 B2 JP 4745894B2 JP 2006153425 A JP2006153425 A JP 2006153425A JP 2006153425 A JP2006153425 A JP 2006153425A JP 4745894 B2 JP4745894 B2 JP 4745894B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
rotary cutter
torque command
master
slave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006153425A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007319992A (ja
Inventor
章子 奥野
Original Assignee
日本リライアンス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本リライアンス株式会社 filed Critical 日本リライアンス株式会社
Priority to JP2006153425A priority Critical patent/JP4745894B2/ja
Publication of JP2007319992A publication Critical patent/JP2007319992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4745894B2 publication Critical patent/JP4745894B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Multiple Motors (AREA)
  • Numerical Control (AREA)

Description

本発明は、ロータリーカッタの制御装置に関し、特に、ロータリーカッタの上刃と下刃との間のクリアランスが所定の設定値になるように制御する制御装置に関するものである。
従来、連続的に高速に送られる鋼板、アルミニウム板、紙、段ボール等のシート状の材料を所定の切断長に切断するためには、例えば、回転する上刃及び下刃を材料に追従させて切断するローターカッタが用いられている。
図5は、従来のロータリーカッタの制御装置を用いる制御対象を示す全体構成図である。このロータリーカッタ101は、材料を上部から切断するための刃物(上刃)が設けられた上刃用ロータリーカッタ102と、下部から切断するための刃物(下刃)が設けられた下刃用ロータリーカッタ103との一対で構成される。上刃用ロータリーカッタ102と下刃用ロータリーカッタ103とは、機械的な噛み合わせによるメカ機構によって同期して回転するようになっている。モータ104は、上刃用ロータリーカッタ102及び下刃用ロータリーカッタ103をメカ機構により同期駆動するための電動機である。また、アブソリュートエンコーダ106は、上刃用ロータリーカッタ102の回転角度及び回転速度、すなわち、上刃用ロータリーカッタ102の主軸の回転角度を、所定の原点に対する絶対位置角度として検出するためのエンコーダである。
このようなロータリーカッタ101を回転駆動する制御装置の例として、例えば特許文献1,2に記載のものがある。図6を参照して、特許文献1,2に記載の制御装置と同等の機能を有する制御装置の概略について説明する。図6は、図5に示したロータリーカッタ101を回転駆動する制御装置の構成を示すブロック図である。この従来の制御装置100は、速度設定器111、速度制御器112、ノッチフィルタ113、微分器114、補正速度推定器115、補正速度制御器116、減算器117、加算器118、及び減算器119を備えている。
微分器114は、アブソリュートエンコーダ106から上刃用ロータリーカッタ102の主軸の原点に対する回転角度θを入力し、微分処理を施して速度ωを出力する。速度設定器111は、上刃用ロータリーカッタ102及び下刃用ロータリーカッタ103の回転速度を設定するものであり、微分器114から速度ωを入力し、予め設定された材料の切断長に応じた速度指令ω*を出力する。速度制御器112は、減算器117が速度指令ω*から速度ωを減算して得た速度偏差Δωを入力し、ゲインKvを乗算して第1の補正トルク指令τAを出力する。
補正速度推定器115、補正速度制御器116及び減算器119は、モータ104負荷に対するフィードフォワード補償を行う機能を有し、モータ104負荷変動に伴う速度変動を抑制する。補正速度推定器115は、速度制御器112からの第1の補正トルク指令τAを入力し、J^の逆数を乗算して積分処理を施し、推定速度S1を出力する。ここで、J^は、上刃用ロータリーカッタ102及び下刃用ロータリーカッタ103をモータ104の回りに換算した値とモータ104の慣性モーメントとを合算して得られる慣性モーメントである。補正速度制御器116は、減算器119が推定速度S1から速度ωを減算して得た補正速度S2を入力し、ゲインKを乗算して第2の補正トルク指令τBを出力する。
加算器118は、速度制御器112からの第1の補正トルク指令τAと、補正速度制御器116からの第2の補正トルク指令τBとを加算し、トルク指令τRを出力する。トルク指令τRは、ノッチフィルタ113を介してモータ駆動信号としてモータ104へ供給され、モータ104を駆動する。
このように、図5に示した上刃用ロータリーカッタ102及び下刃用ロータリーカッタ103は、図6に示した制御装置100により、上刃用ロータリーカッタ102の上刃の回転速度が材料の切断長に応じた速度指令ω*の設定速度になるように回転制御される。これにより、材料に追従して回転し、材料を所定の切断長に切断することができる。
ところで、材料の厚みや切断精度を考慮した回転制御を実現するためには、上刃の角度と下刃の角度との間のズレ量であるクリアランスを設定する必要がある。前述のように、図6に示した従来の制御装置100により回転制御されるロータリーカッタ1は、上刃用ロータリーカッタ102と下刃用ロータリーカッタ103とが機械的な噛み合わせによるメカ機構によって同期して回転するから、その機械的な噛み合わせ位置を変えることにより、クリアランスを調整するようになっている。
つまり、従来の制御装置100は、クリアランスが機械的に設定されたロータリーカッタ101を、1台のモータ104を駆動して回転制御することにより、同時に2つの上刃と下刃との間のクリアランスを維持するように位置決め制御を行う。
このようなクリアランス調整手法の例として、特許文献3,4に記載のものがある。特許文献3は、ロータリーカッタを制御対象とするものではないが、切断する材料の板厚、材質及び形状の材料情報に応じてクリアランス変更曲線を設定し、互いに噛み合う固定刃と移動刃との間のクリアランスを、そのクリアランス変更曲線に従って調整する手法が記載されている。
また、特許文献4も、ロータリーカッタを制御対象とするものではないが、材料の板厚を検出し、その検出値に基づいてクリアランス調整用のモータを駆動し、上刃と下刃との間のクリアランスを調整する手法が記載されている。
特開2001−162586号公報 特開2001−242904号公報 特開平11−10437号公報 特開平1−121116号公報
しかしながら、従来の制御装置100及び特許文献1,2の制御装置において、クリアランス調整は機械的に行われていたため、その時間と手間がかかるという問題があった。また、クリアランスの値は、機械的な噛み合わせによって一義的に決定されるため、任意にきめ細かく設定することができないという問題があった。
また、特許文献3,4のクリアランス調整は共に電気的に行われるが、ロータリーカッタを制御対象としていないため、その調整手法をロータリーカッタにそのまま適用することができない。特に、特許文献3では、クリアランス調整のための専用のメカ機構が必要である。また、特許文献4では、材料の板厚の検出値に基づいてクリアランス調整を行う手法が記載されているが、具体的にどのようにしてクリアランスを維持するかについての言及がない。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ロータリーカッタの上刃と下刃との間のクリアランスの調整を機械的ではなく電気的に行うことにより、ユーザの所望するクリアランスに、任意にきめ細かく設定することが可能なロータリカッタの制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、走行する材料に同期して、上刃及び下刃により材料を切断するロータリーカッタを制御する装置において、上刃が設けられた第1のロータリーカッタを回転制御するマスタ側制御手段と、下刃が設けられた第2のロータリーカッタを回転制御するスレーブ側制御手段とを備え、マスタ側制御手段が、第1及び第2のロータリーカッタの回転速度指令を設定する速度設定器と、前記回転速度指令に所定のゲインを乗算してマスタトルク指令を生成する速度制御器とを有し、前記マスタトルク指令により第1のロータリーカッタを回転制御し、スレーブ側制御手段が、上刃と下刃の回転角度の差を示すクリアランスを設定するクリアランス設定器と、検出した上刃の回転角度と下刃の回転角度との差が、前記クリアランスに一致するように、前記検出した上刃の回転角度と下刃の回転角度との差及び前記クリアランスからズレ分を生成し、ズレ分に応じたスレーブ速度指令と検出した第2のロータリーカッタの回転速度との差に応じた補正トルク指令を生成する速度制御器とを有し、前記マスタトルク指令及び補正トルク指令に基づいて、前記クリアランスを維持するように第2のロータリーカッタを回転制御することを特徴とする。
また、本発明は、前記マスタ側制御手段が、検出した上刃の回転角度を入力し、微分処理を施して第1のロータリーカッタの回転速度を生成する微分器と、第1及び第2のロータリーカッタの回転速度指令を設定する速度設定器と、前記回転速度指令と第1のロータリーカッタの回転速度との差に所定のゲインを乗算して第1のマスタ補正トルク指令を生成する速度制御器とを有し、前記第1のマスタ補正トルク指令をマスタトルク指令として第1のロータリーカッタを回転制御し、スレーブ側制御手段が、検出した下刃の回転角度を入力し、微分処理を施して第2のロータリーカッタの回転速度を生成する微分器と、上刃と下刃の回転角度の差を示すクリアランスを設定するクリアランス設定器と、前記生成された上刃の回転角度と下刃の回転角度との差に、前記設定されたクリアランスを加算して得た、ズレ分に応じたスレーブ角度指令を入力し、所定のゲインを乗算してズレ分に応じたスレーブ速度指令を生成する位置制御器と、前記ズレ分に応じたスレーブ速度指令と第2のロータリーカッタの回転速度との差に所定のゲインを乗算し、ズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令を生成する速度制御器とを有し、前記マスタトルク指令及びズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令に基づいて、前記クリアランスを維持するように第2のロータリーカッタを回転制御することを特徴とする。
また、本発明は、前記マスタ側制御手段が、さらに、前記速度制御器により生成された第1のマスタ補正トルク指令に、第1のロータリーカッタを回転させるための慣性モーメントの逆数を乗算して積分処理を施し、マスタ推定速度を生成する補正速度推定器と、前記マスタ推定速度と第1のロータリーカッタの回転速度との差に所定のゲインを乗算して第2のマスタ補正トルク指令を生成する補正速度制御器とを有し、前記第1のマスタ補正トルク指令及び第2のマスタ補正トルク指令に基づいて、第1のロータリーカッタを回転制御し、前記スレーブ側制御手段が、さらに、前記速度制御器により生成されたズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令に、第2のロータリーカッタを回転させるための慣性モーメントの逆数を乗算して積分処理を施し、ズレ分に応じたスレーブ推定速度を生成する補正速度推定器と、前記ズレ分に応じたスレーブ推定速度と第2のロータリーカッタの回転速度との差に所定のゲインを乗算して、ズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令を生成する補正速度制御器とを有し、前記マスタトルク指令、ズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令及びズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令に基づいて、前記クリアランスを維持するように第2のロータリーカッタを回転制御することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、ロータリーカッタの上刃と下刃との間のクリアランスの調整を機械的ではなく電気的に行うようにし、そのクリアランスを維持するように、下刃が設けられたロータリカッタを回転制御するようにした。これにより、ユーザの所望するクリアランスに、任意にきめ細かく設定することが可能となる。また、クリアランス調整作業を単純化することができ、クリアランス調整を容易に実現することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるロータリーカッタの制御装置を用いる制御対象を示す全体構成図である。このロータリーカッタ1は、材料を上部から切断するための刃物(上刃)が設けられた上刃用ロータリーカッタ2と、下部から切断するための刃物(下刃)が設けられた下刃用ロータリーカッタ3との一対で構成される。図5に示した従来のロータリーカッタ101とこのロータリーカッタ1とを比較すると、両者とも一対のロータリーカッタにより構成される点で同一であるが、従来のロータリーカッタ101が機械的な噛み合わせによるメカ機構によって同期して回転駆動するのに対し、ロータリーカッタ1は上刃用ロータリーカッタ2と下刃用ロータリーカッタ3とがそれぞれ単独で回転駆動する点で相違する。
図1を参照して、モータ4は上刃用ロータリーカッタ2を駆動するための電動機であり、モータ5は、下刃用ロータリーカッタ3を駆動するための電動機である。また、アブソリュートエンコーダ6は、上刃用ロータリーカッタ2の回転角度及び回転速度、すなわち、上刃用ロータリーカッタ2の主軸の回転角度を、所定の原点に対する絶対位置角度として検出するためのエンコーダである。また、アブソリュートエンコーダ7は、上刃用ロータリーカッタ3の回転角度及び回転速度、すなわち、上刃用ロータリーカッタ3の主軸の回転角度を、所定の原点に対する絶対位置角度として検出するためのエンコーダである。ここで、所定の切断長に切断される材料(図示せず)は、手前から上刃用ロータリーカッタ2と下刃用ロータリーカッタ3との間に挿入される。
図2は、図1に示したロータリーカッタ1における上刃と下刃との間のクリアランスを説明する図である。材料8は矢印の向きの走行し、上刃用ロータリーカッタ2及び下刃用ロータリーカッタ3は、その材料8の走行に追従してそれぞれR1,R2の向きに回転する。そして、材料8は、上刃及び下刃により所定の切断長に切断される。この場合、上刃の角度を、所定の原点に対する絶対位置角度θ1とし、下刃の角度を、上刃の原点に対応した所定の原点に対する絶対位置角度θ1+Δθとした場合に、Δθがクリアランスである。
上刃用ロータリーカッタ2及び下刃用ロータリーカッタ3は、下刃が上刃との間でΔθのクリアランスを維持したまま、R1に対応してR2の向きに回転し、材料8が切断される。
図3は、図1及び2に示したロータリーカッタ1を回転駆動する、本発明の実施の形態による制御装置の構成を示すブロック図である。この制御装置10は、モータ4を介して上刃用ロータリーカッタ2の回転制御を行うマスタ側制御手段、及び、モータ5を介して下刃用ロータリーカッタ3の回転制御を行うスレーブ側制御手段により構成される。ここで、スレーブ側制御手段は、上刃用ロータリーカッタ2の回転に追従してその反対方向に回転するように、マスタ側制御手段により生成されたトルク指令に基づいて下刃用ロータリーカッタ3を回転制御すると共に、さらに、設定されたクリアランスΔθを維持するように、クリアランスΔθを基準にしたズレ分(上刃の角度と下刃の角度との間にクリアランスΔθが維持されていない場合のズレ分。尚、維持されている場合はズレ分は無い。)に応じた補正トルク指令を生成し、その補正トルク指令に基づいて下刃用ロータリーカッタ3を回転制御する。
まず、マスタ側制御手段について説明する。このマスタ側制御手段は、図6に示した制御装置100と同一の構成を有しており、速度設定器11、速度制御器12、ノッチフィルタ13、微分器14、補正速度推定器15、補正速度制御器16、減算器17、加算器18、及び減算器19を備えている。
速度設定器11は図6に示した速度設定器111に、速度制御器12は速度制御器112に、ノッチフィルタ13はノッチフィルタ113に、微分器14は微分器114に、補正速度推定器15は補正速度推定器115に、補正速度制御器16は補正速度制御器116に、減算器17は減算器117に、加算器18は加算器118に、そして減算器19は減算器119にそれぞれ相当する。また、マスタ速度ω1*は図6に示した速度指令ω*に、マスタ速度偏差Δω1は速度偏差Δωに、第1のマスタ補正トルク指令τA1は第1の補正トルク指令τAに、第2のマスタ補正トルク指令τB1は第2の補正トルク指令τBに、マスタトルク指令τR1はトルク指令信号τRに、マスタ推定速度S11は推定速度S1に、マスタ補正速度S12は補正速度S2に、そしてマスタ角度θ1は角度θにそれぞれ相当する。
速度設定器11、速度制御器12、ノッチフィルタ13、微分器14、補正速度推定器15、補正速度制御器16、減算器17、加算器18、及び減算器19のそれぞれの機能は、図6に示したものと同様であるから、ここでは説明を省略する。
図3において、速度設定器11は、上刃用ロータリーカッタ2及び下刃用ロータリーカッタ3の回転速度を設定する。また、補正速度推定器15、補正速度制御器16及び減算器19は、モータ4の負荷に対するフィードフォワード補償を行う機能を有し、モータ4の負荷変動に伴う速度変動を抑制する。すなわち、モータ4の負荷が変動した場合であっても、その変動に応じた第2のマスタ補正トルク指令τB1を生成し、この第2のマスタ補正トルク指令τB1によりモータ4が駆動する。ここで、補正速度推定器15におけるJ1^は、上刃用ロータリーカッタ2をモータ4の回りに換算した値とモータ4の慣性モーメントとを合算して得られる慣性モーメントである。
次に、スレーブ側制御手段について説明する。このスレーブ側制御手段は、位置制御器21、速度制御器22、ノッチフィルタ23、微分器24、補正速度推定器25、補正速度制御器26、減算器27、加算器28、減算器29、クリアランス設定器30、反転器31,32、及び減算器33を備えている。
スレーブ側制御手段は、マスタ側制御手段により生成されたマスタトルク指令τR1を反転させた、マスタトルク指令に応じた第3のスレーブ補正トルク指令τC2に基づいて、マスタ側の上刃用ロータリーカッタ2の回転に追従してその反対方向に回転するように、下刃用ロータリーカッタ3を回転制御する。また、クリアランスΔθを基準にしたズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令τA2、及びズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令τB2を生成し、これらの補正トルク指令に基づいて、クリアランスΔθを維持するように下刃用ロータリーカッタ3を回転制御する。
以下、具体的に説明する。微分器24は、アブソリュートエンコーダ7から下刃用ロータリーカッタ3の主軸の原点に対する回転角度(スレーブ角度)θ2を入力し、微分処理を施して速度(スレーブ速度)ω2を出力する。反転器31は、アブソリュートエンコーダ6からのマスタ角度θ1を反転する。また、反転器32は、マスタ側制御手段により生成されたマスタトルク指令τR1を反転し、マスタトルク指令に応じた第3のスレーブ補正トルク指令τC2を出力する。
クリアランス設定器30は、切断する材料の厚みや切断精度等を考慮して、ユーザにより上刃と下刃との間のクリアランスΔθを設定する。減算器33は、クリアランス設定器30からのクリアランスΔθと反転器31により反転されたマスタ角度θ1との加算結果からスレーブ角度θ2を減算し、クリアランスΔθを考慮したズレ分に応じたスレーブ角度指令θ*を出力する。
位置制御器21は、減算器33からズレ分に応じたスレーブ角度指令θ*を入力し、ゲインKP2を乗算してズレ分に応じた速度指令ω2*を出力する。速度制御器22は、減算器7がズレ分に応じた速度指令ω2*からスレーブ速度ω2を減算し、得られたズレ分に応じた速度偏差Δω2を入力し、ゲインKv2を乗算してズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令τA2を出力する。
補正速度推定器25、補正速度制御器26及び減算器29は、モータ5の負荷に対するフィードフォワード補償を行う機能を有し、モータ5の負荷変動に伴う速度変動を抑制する。すなわち、モータ5の負荷が変動した場合であっても、その変動に応じて、ズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令τB2を生成し、このズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令τB2によりモータ5が駆動する。補正速度推定器25は、速度制御器22からのズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令τA2を入力し、J2^の逆数を乗算して積分処理を施し、ズレ分に応じたスレーブ推定速度S21を出力する。ここで、J2^は、下刃用ロータリーカッタ3をモータ5の回りに換算した値とモータ5の慣性モーメントとを合算して得られる慣性モーメントである。補正速度制御器26は、減算器29がズレ分に応じたスレーブ推定速度S21からスレーブ速度ω2を減算し、得られたズレ分に応じたスレーブ補正速度S22を入力し、ゲインK2を乗算してズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令τB2を出力する。
加算器28は、速度制御器22からのズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令τA2と、補正速度制御器26からのズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令τB2と、反転器32からのマスタトルク指令に応じた第3のスレーブ補正トルク指令τC2とを加算し、スレーブトルク指令τR2を出力する。ここで、ズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令τA2は、クリアランスΔθが維持されていない場合のそのズレ分に応じたトルク指令であり、ズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令τB2は、モータ5の負荷変動に伴う速度変動を抑制するためのトルク指令であり、マスタトルク指令に応じた第3のスレーブ補正トルク指令τC2は、マスタ側の上刃用ロータリーカッタ2の回転に追従してその反対方向に下刃用ロータリーカッタ3を回転させるためのトルクである。
図4(1)は、マスタ側制御手段における速度指令ω1*の波形例及びマスタ角度θ1を、(2)はマスタトルク指令τR1の波形例を示す。また、図4(3)は、スレーブ側制御手段におけるマスタトルク指令に応じた第3のスレーブ補正トルク指令τC2の波形例を、(4)は、スレーブトルク指令τR2の波形例を示す。(4)のスレーブトルク指令τR2において、波部分は、ズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令τA2及びズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令τB2によるものである。
図3に戻って、スレーブトルク指令τR2は、ノッチフィルタ23を介してモータ駆動信号としてモータ5へ供給され、モータ5を駆動する。
このように、図1に示した上刃用ロータリーカッタ2は、制御装置10のマスタ側制御手段により、上刃の回転速度であるマスタ速度ω1が、速度設定器11により設定された速度指令ω1*の設定速度になるように回転制御される。また、下刃用ロータリーカッタ3は、制御装置10のスレーブ側制御手段により、マスタ角度θ1とスレーブ角度θ2との差が、クリアランス設定器30により設定されたクリアランスΔθに一致するように回転制御される。
以上のように、本発明の実施の形態による制御装置10によれば、ロータリーカッタ1による切断処理中において、マスタ角度θ1とスレーブ角度θ2と間の差がクリアランス設定器30により設定されたクリアランスΔθに一致するように、機械的ではなく電気的に上刃用ロータリーカッタ2及び下刃用ロータリーカッタ3を回転制御するようにした。したがって、ユーザの所望するクリアランスに、任意にきめ細かく設定することが可能となる。また、クリアランスΔθはクリアランス設定器30により設定されるから、クリアランス調整作業を単純化することができ、クリアランス調整を容易に実現することが可能となる。
また、本発明の実施の形態による制御装置10によれば、スレーブ側制御手段は、マスタ側制御手段により生成されたトルク指令であって、上刃用ロータリーカッタ2を回転制御するためのマスタトルク指令τR1に基づいてスレーブトルク指令τR2を生成し、下刃用ロータリーカッタ3を回転制御するようにした。これにより、下刃用ロータリーカッタ3を、上刃用ロータリーカッタ2に対してカスケード的に回転制御することができ、上刃用ロータリーカッタ2の回転動作に遅れることなく、追従した制御を実現することが可能となる。
また、本発明の実施の形態による制御装置10によれば、スレーブ側制御手段に、補正速度推定器25、補正速度制御器26及び減算器29を備えるようにした。これにより、モータ5の負荷に対するフィードフォワード補償を実現することができ、モータ5の負荷変動に伴う速度変動を抑制することが可能となる。したがって、ロータリーカッタ1による切断処理中において、マスタ角度θ1とスレーブ角度θ2の差に変動が生じた場合、その変動を吸収するように、下刃用ロータリーカッタ3を回転制御することが可能となる。
本発明の実施の形態によるロータリーカッタの制御装置を用いる制御対象を示す全体構成図である。 ロータリーカッタにおける上刃と下刃との間のクリアランスを説明する図である。 本発明の実施の形態によるロータリーカッタの制御装置の構成を示すブロック図である。 図3の制御装置における各信号のタイムチャート図である。 従来のロータリーカッタの制御装置を用いる制御対象を示す全体構成図である。 従来のロータリーカッタの制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,101 ロータリーカッタ
2,102 上刃用ロータリーカッタ
3,103 下刃用ロータリーカッタ
4,5,104 モータ
6,7,106 アブソリュートエンコーダ
8 材料
10,100 制御装置
11,111 速度設定器
12,22,112 速度制御器
13,23,113 ノッチフィルタ
14,24,114 微分器
15,25,115 補正速度推定器
16,26,116 補正速度制御器
17,19,27,29,33,117,119 減算器
18,28,118 加算器
21 位置制御器
30 クリアランス設定器
31,32 反転器
ω* 速度指令
Δω 速度偏差
τA 第1の補正トルク指令
τB 第2の補正トルク指令
S1 推定速度
S2 補正速度
τR トルク指令
θ 角度
ω 速度
ω1* 速度指令
Δω1 マスタ速度偏差
τA1 第1のマスタ補正トルク指令
τB1 第2のマスタ補正トルク指令
S11 マスタ推定速度
S12 マスタ補正速度
τR1 マスタトルク指令
θ1 マスタ角度
ω1 マスタ速度
Δθ クリアランス
θ* ズレ分に応じたスレーブ角度指令
ω2* ズレ分に応じた速度指令
Δω2 ズレ分に応じた速度偏差
τA2 ズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令
τB2 ズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令
τR2 スレーブトルク指令
τC2 マスタトルク指令に応じた第3のスレーブ補正トルク指令
S21 ズレ分に応じたスレーブ推定速度
S22 ズレ分に応じたスレーブ補正速度
θ2 スレーブ角度
ω2 スレーブ速度

Claims (3)

  1. 走行する材料に同期して、上刃及び下刃により材料を切断するロータリーカッタを制御する装置において、
    上刃が設けられた第1のロータリーカッタを回転制御するマスタ側制御手段と、下刃が設けられた第2のロータリーカッタを回転制御するスレーブ側制御手段とを備え、
    マスタ側制御手段が、
    第1及び第2のロータリーカッタの回転速度指令を設定する速度設定器と、
    前記回転速度指令に所定のゲインを乗算してマスタトルク指令を生成する速度制御器とを有し、
    前記マスタトルク指令により第1のロータリーカッタを回転制御し、
    スレーブ側制御手段が、
    上刃と下刃の回転角度の差を示すクリアランスを設定するクリアランス設定器と、
    検出した上刃の回転角度と下刃の回転角度との差が、前記クリアランスに一致するように、前記検出した上刃の回転角度と下刃の回転角度との差及び前記クリアランスからズレ分を生成し、ズレ分に応じたスレーブ速度指令と検出した第2のロータリーカッタの回転速度との差に応じた補正トルク指令を生成する速度制御器とを有し、
    前記マスタトルク指令及び補正トルク指令に基づいて、前記クリアランスを維持するように第2のロータリーカッタを回転制御することを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記マスタ側制御手段が、
    検出した上刃の回転角度を入力し、微分処理を施して第1のロータリーカッタの回転速度を生成する微分器と、
    第1及び第2のロータリーカッタの回転速度指令を設定する速度設定器と、
    前記回転速度指令と第1のロータリーカッタの回転速度との差に所定のゲインを乗算して第1のマスタ補正トルク指令を生成する速度制御器とを有し、
    前記第1のマスタ補正トルク指令をマスタトルク指令として第1のロータリーカッタを回転制御し、
    スレーブ側制御手段が、
    検出した下刃の回転角度を入力し、微分処理を施して第2のロータリーカッタの回転速度を生成する微分器と、
    上刃と下刃の回転角度の差を示すクリアランスを設定するクリアランス設定器と、
    前記生成された上刃の回転角度と下刃の回転角度との差に、前記設定されたクリアランスを加算して得た、ズレ分に応じたスレーブ角度指令を入力し、所定のゲインを乗算してズレ分に応じたスレーブ速度指令を生成する位置制御器と、
    前記ズレ分に応じたスレーブ速度指令と第2のロータリーカッタの回転速度との差に所定のゲインを乗算し、ズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令を生成する速度制御器とを有し、
    前記マスタトルク指令及びズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令に基づいて、前記クリアランスを維持するように第2のロータリーカッタを回転制御することを特徴とする制御装置。
  3. 請求項2に記載の制御装置において、
    前記マスタ側制御手段が、
    さらに、前記速度制御器により生成された第1のマスタ補正トルク指令に、第1のロータリーカッタを回転させるための慣性モーメントの逆数を乗算して積分処理を施し、マスタ推定速度を生成する補正速度推定器と、
    前記マスタ推定速度と第1のロータリーカッタの回転速度との差に所定のゲインを乗算して第2のマスタ補正トルク指令を生成する補正速度制御器とを有し、
    前記第1のマスタ補正トルク指令及び第2のマスタ補正トルク指令に基づいて、第1のロータリーカッタを回転制御し、
    前記スレーブ側制御手段が、
    さらに、前記速度制御器により生成されたズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令に、第2のロータリーカッタを回転させるための慣性モーメントの逆数を乗算して積分処理を施し、ズレ分に応じたスレーブ推定速度を生成する補正速度推定器と、
    前記ズレ分に応じたスレーブ推定速度と第2のロータリーカッタの回転速度との差に所定のゲインを乗算して、ズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令を生成する補正速度制御器とを有し、
    前記マスタトルク指令、ズレ分に応じた第1のスレーブ補正トルク指令及びズレ分に応じた第2のスレーブ補正トルク指令に基づいて、前記クリアランスを維持するように第2のロータリーカッタを回転制御することを特徴とする制御装置。

JP2006153425A 2006-06-01 2006-06-01 ロータリーカッタの制御装置 Expired - Fee Related JP4745894B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006153425A JP4745894B2 (ja) 2006-06-01 2006-06-01 ロータリーカッタの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006153425A JP4745894B2 (ja) 2006-06-01 2006-06-01 ロータリーカッタの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007319992A JP2007319992A (ja) 2007-12-13
JP4745894B2 true JP4745894B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=38853209

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006153425A Expired - Fee Related JP4745894B2 (ja) 2006-06-01 2006-06-01 ロータリーカッタの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4745894B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5149646B2 (ja) * 2008-02-19 2013-02-20 日本リライアンス株式会社 ロータリーカッタの制御装置
JP5470089B2 (ja) * 2010-02-23 2014-04-16 ユニ・チャーム株式会社 カッター装置
JP6717664B2 (ja) * 2016-05-24 2020-07-01 株式会社Rej モータ制御装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56157993A (en) * 1980-05-08 1981-12-05 Toshiba Machine Co Ltd Method and device for minutely changing speed of anvil drum of rotary die cutter
JPS63212414A (ja) * 1987-02-25 1988-09-05 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ドラムシヤ−のドラム速度制御装置
JPH0657396B2 (ja) * 1989-02-17 1994-08-03 レンゴー株式会社 ロータリシャーの制御方法及び装置
US4914517A (en) * 1989-04-06 1990-04-03 Thomson Consumer Electronics, Inc. Tuner control apparatus having tune-by-label capability and using alphabetical label storage
DE19809813A1 (de) * 1998-03-09 1999-09-16 Schloemann Siemag Ag Hochgeschwindigkeitsschere zum Querteilen von Walzband
JP2003211319A (ja) * 2002-01-16 2003-07-29 Jfe Steel Kk トリミング屑の切断方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007319992A (ja) 2007-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3387842B2 (ja) 電子カム方式ロータリカッタ制御方法および電子カム曲線生成方法
TWI453556B (zh) 馬達控制裝置
JP6503000B2 (ja) 揺動切削を行う工作機械の制御装置
JPS6236806B2 (ja)
JP5863860B2 (ja) 加工時の軸間の干渉を低減するサーボ制御装置
JP5826444B1 (ja) 数値制御装置
JP4745894B2 (ja) ロータリーカッタの制御装置
JPS6119000Y2 (ja)
CN113815100B (zh) 一种伺服切刀控制方法及装置
JP2010022145A (ja) 同期制御装置
WO2016074347A1 (zh) 一种铣齿机构的控制电路及其控制方法
JP2014191727A (ja) 二つの軸を互いに同期させる同期制御装置
JP2020163486A (ja) サーボ制御装置
JP5149646B2 (ja) ロータリーカッタの制御装置
CN109164755B (zh) 控制工具对工件定长切割的加工方法、切割装置和机床
JP4318443B2 (ja) 薄板両面同時加工装置
WO2019155986A1 (ja) 加工装置および切削加工方法
JP2017207935A (ja) モータ制御装置
JP2908261B2 (ja) 捻れ振動抑制方法およびツイン・ドライブ制御装置
JP3504201B2 (ja) ロータリーカッタの制御装置
JP6717664B2 (ja) モータ制御装置
JP2003047269A (ja) サーボ制御装置
JP4330896B2 (ja) サーボ制御システム
JPH02262997A (ja) ロータリシャーの制御方法及び装置
JP2003001524A (ja) 歯合わせ方法及び歯車シェービング盤

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101029

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110512

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees