JP4745143B2 - 自動変速装置の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速装置に関し、特にアップシフト時の締結要素の掛け換え制御処理に関する。
解放側締結要素を解放し、締結側締結要素を締結する所謂掛け換え制御によりアップシフトする自動変速機のアップシフト変速制御に係る技術として特許文献1に記載の技術が開示されている。この技術では、アップシフト初期のエンジンの空吹きを抑制するために、解放側締結要素の締結容量と締結側締結要素の締結容量を比較し、エンジンの空吹きが発生した時点での締結容量が大きい方の締結要素の締結圧を上昇させるように学習制御を行い、これによりエンジンの空吹きを抑制している。
特開平10−184882号公報
ところで、自動変速機の構成には、解放側締結要素をバンドブレーキで構成し、締結側締結要素を、ピストンと、このピストンを初期位置に付勢するリターンスプリングを備えた多板クラッチで構成したものが知られている。バンドブレーキの締結・解放制御は、多板クラッチのピストン室への締結圧制御と異なる。バンドブレーキは、バンドブレーキの締結力を発生させるアプライ圧室と、このアプライ圧室に締結圧が供給された状態でバンドブレーキを解放させるための解放力を発生させるリリース圧室とを備えている。
この自動変速機では、非変速時には各締結要素が完全締結状態を維持できるように高めのライン圧を供給し、変速時には、このライン圧を低めの変速時ライン圧に設定して変速制御を実行する。以下、各締結要素の締結・解放は変速時に実行されるため、このときに作用するライン圧を変速時ライン圧と記載する。
バンドブレーキ解放時には、アプライ圧室に変速時ライン圧を作用させたままとし、その対向圧であるリリース圧室に油圧を供給することで、バンドブレーキを徐々に解放する。このような構成を取る理由は、バンドブレーキの抜き圧制御が困難であるためで、詳細については他の公知資料を参照されたい。
また、多板クラッチ締結時には、ピストン室に締結圧を供給する。リターンスプリングが押し潰されるピストンストローク状態では、リターンスプリング力に相当する油圧のみ発生し、締結力が発生しない。その後、ピストンストロークが終了すると、供給された締結圧(後述するアキュムレータ等による棚圧を含む)に応じて締結力が発生する。
この構成の自動変速機は、更に、リリース圧室とピストン室に油圧を供給する油路を共通化した共通油路と、この共通油路の油圧を所定勾配で徐々に上昇可能(以下、棚圧と記載する)とするアキュムレータとオリフィスを備えている。このアキュムレータは、アプライ圧室と連通する第1アキューム室と、この第1アキューム室に対向配置されリリース圧室と連通する第2アキューム室とが設けられている。尚、第1アキューム室と第2アキューム室の面積をそれぞれS1,S2とすると、S1<S2に構成されている。
第1アキューム室に変速時ライン圧が作用している状態では、アキュムレータの容積が最小状態となるように変速時ライン圧が作用する。一方、第1アキューム室に変速時ライン圧が作用した状態でリリース圧室に共通油路に発生する油圧(以下、制御圧と記載する)が作用すると、上記面積の関係から変速時ライン圧よりも低い圧(制御圧)でアキュムレータの容積を大きくするよう作用し、これにより共通油路に発生する制御圧として棚圧が形成される。
上記構成において、アップシフト変速指令が出力されると、共通油路に変速時ライン圧を元圧とする制御圧が供給される。すると、供給初期は、多板クラッチのリターンスプリング力に相当する油圧が制御圧として共通油路に発生し、この油圧分だけバンドブレーキの締結力が減少する。次に、多板クラッチのピストンストロークが終了すると、アキュムレータ及びオリフィスの作用に基づく棚圧が共通油路内に形成され、バンドブレーキにあってはアプライ圧室に作用する変速時ライン圧とリリース圧室に作用する棚圧との差圧に基づく締結力が発生(棚圧分だけ締結力が減少)し、多板クラッチにあっては棚圧に基づく締結力が発生する。尚、アプライ圧室とリリース圧室の有効面積をそれぞれSa,Srとすると、Sa<Srに構成されているため、棚圧がある締結圧になると、バンドブレーキは完全に解放される。これにより、掛け換えアップシフト変速を達成する。
このような構成において、ピストンストローク状態におけるバンドブレーキの締結容量は変速時ライン圧とリターンスプリングによって発生する制御圧によって決定される。言い換えると、リターンスプリングが発生する制御圧はスプリング力に応じて一義的に決まるため、結局は、制御により変更可能なパラメータである変速時ライン圧によって決定される。一方、この状態では多板クラッチには締結容量が発生していない。
次に、ピストンストロークが終了すると、第1アキューム室に作用する変速時ライン圧に対し、第2アキューム室には制御圧が作用するが、この制御圧として、第1アキューム室の面積S1と第2アキューム室の面積S2の比に応じた棚圧が共通油路に発生する。言い換えると、面積S1,S2は一定であるため、結局は、制御により変更可能なパラメータである変速時ライン圧によって多板クラッチの棚圧初期値が決定される。
バンドブレーキの解放タイミングは、リリース圧室の対向圧であるアプライ圧室に供給された変速時ライン圧によって決定され、また、多板クラッチの初期締結容量となるアキュムレータの容積変化開始タイミングの油圧(棚圧初期値)は、第1アキューム室に作用する変速時ライン圧によって決定される。
このことは、言い換えると、状態(制御対象)を決定する2つのパラメータ(アプライ圧室とピストン室)があるにもかかわらず、制御可能なパラメータが1つ(変速時ライン圧)しかないということである。このため、この構成を取らない他の自動変速機に適用した従来技術のように独立にそれぞれの締結要素のタイミングを制御することは不可能である。よって、どのパラメータに基づいて変速時ライン圧を制御してよいかが不明であるという課題があった。
例えば、エンジン空吹きを検出した際、空吹き0における基準回転数から空吹きによって上昇した空吹き回転数に基づいて変速時ライン圧を増加補正することも考えられる。
しかしながら、変速時ライン圧を大きく増加補正しすぎると、バンドブレーキの締結力不足は解消できるものの、多板クラッチの初期締結容量も大きくなり、過剰な変速速度の発生によってイナーシャトルクが増大し、突き出し感が強まるおそれがある。一方、変速時ライン圧を小さく増加補正すると、エンジンの空吹きが若干は抑制されるものの、変速時間が長くなり、変速フィーリングの悪化やクラッチ耐久性の悪化等を招く虞がある。更に、学習補正等を行う場合には、何度も補正を繰り返さなければならず、安定した性能を得るまでに時間がかかってしまう。
すなわち、安定したアップシフトを達成するには、エンジンの空吹きの抑制と共に、適正な変速速度(変速勾配)の達成の両立が不可欠である。言い換えると、上記空吹き回転数の大きさが同じでも、変速勾配が異なる場合には、変速時に同じ量のライン圧補正を行ったとしても、安定したアップシフトを達成することができなかった。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、2つのパラメータに対し、1つの制御要素しかない場合における掛け換え変速時において、エンジン空吹きを効率よく抑制しつつ所望の変速勾配を達成可能な自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機の変速制御装置では、エンジンから入力された回転を、複数の摩擦要素の締結・解放により変速して出力軸に出力する自動変速機であって、第1摩擦要素の解放油圧を供給する第1の油路と、第2摩擦要素の締結油圧を供給する第2の油路と、に対し、同じ油圧が作用するように共通化された共通油路と、前記ライン圧を変速時ライン圧に設定すると共に、前記共通油路に油圧を供給して前記第1摩擦要素を解放し、前記第2摩擦要素を締結することで第n変速段から第(n+1)変速段へアップシフトするアップシフト変速手段と、を備えた自動変速機の変速制御装置において、前記アップシフト時に、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズにおける前記自動変速機の実ギヤ比相当値が前記第n変速段において空吹き回転数が0である場合の実ギヤ比相当値から第(n−1)変速段側に変化したときの変化量を時間積分する積分値算出手段と、前記算出された積分値に基づいて前記変速時ライン圧を補正するライン圧補正手段と、を設けたことを特徴とする。
よって、本願発明の自動変速機の変速制御装置にあっては、第n変速段から第(n+1)変速段へのアップシフト時に、実ギヤ比相当値が第(n−1)変速段側に変化したときの変化量の時間積分、すなわちエンジンが空吹いたときの空吹き量積分値を算出し、この値に基づいて変速時ライン圧を補正することとした。この積分値は、空吹いたときの回転数変化と、ギヤ比の変化勾配との双方に関連するパラメータとして扱える。よって、この積分値に基づいて変速時ライン圧を補正することで、エンジンの空吹きを抑制しつつ、適正なギヤ比の変化勾配を達成することが可能となり、安定したアップシフト変速を達成することができる。
以下、本発明の自動変速機の変速制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は実施例1の自動変速機を備えた車両の全体システムを表す概略図である。エンジン1にはトルクコンバータ2を介して自動変速機3が接続されている。自動変速機3は、エンジン1から入力された駆動力を適宜変速し、この変速された駆動力は、デファレンシャル等を介して駆動輪4に伝達される。
自動変速機3内には、複数の遊星歯車と、各遊星歯車の回転メンバを連結する連結メンバと、各連結メンバ同士の締結・解放もしくは各連結メンバの固定・解放を制御する複数の摩擦締結要素が備えられ、走行状況に応じて各摩擦要素の締結・解放を制御し、所望の変速段を達成する。
自動変速機コントロールユニット(以下ATCU)10には、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ11と、車速VSPを検出する車速センサ12と、運転者の操作するシフトレバー位置を検知するインヒビタスイッチ13と、運転者のアクセルペダル開度等に応じて決定されるスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ14の信号が入力される。
ATCU10では、これらのセンサ信号に基づいて、走行状況に応じた変速段を適宜選択し、自動変速機3に設けられた油圧コントロールバルブユニットに制御信号を出力し、自動変速制御を実行する。油圧コントロールバルブユニット内には、図外のオイルポンプを油圧源とし、締結制御等に用いる圧力の基本となるライン圧PLを調圧するプレッシャレギュレータバルブや、変速段に応じて油圧供給油路を切り換える切換弁や、各切換弁の作動を制御するソレノイドバルブ等が搭載されている。
図2は、実施例1におけるATCU10の制御構成を表すブロック図である。ATCU10内には、インヒビタ信号と車速VSPとスロットル開度TVOに基づいて、目標変速段G*を決定し、現在の変速段Gから目標変速段G*に変速するための制御指令を出力する変速制御部100が設けられている。
また、エンジン回転数Neと車速VSPと目標変速段G*に基づいて、RATIO(=(VSP×G*)/Ne)を算出するRATIO算出部101(特許請求の範囲に記載のレシオ算出手段に相当)と、RATIO算出部101の算出結果に基づいて空吹き積算値を算出する空吹き積算値算出部102(特許請求の範囲に記載の積分値算出手段に相当)と、空吹き積算値に基づいて変速時ライン圧を補正する信号を変速制御部100に出力するライン圧補正部103(特許請求の範囲に記載のライン圧補正手段に相当)から構成されている。尚、RATIOや空吹き積算値については後述する。
図3は実施例1の自動変速機3内に設けられた締結要素と油圧回路の関係を表す概略説明図である。尚、図3の構成を説明するにあたり、本願発明で対象としているアップシフト制御では、ある締結要素を解放し、ある締結要素を締結することで第n変速段から第(n+1)変速段に変速することを想定して説明する。
よって、解放側締結要素とは、対象とするアップシフト(n→n+1)において解放される締結要素であり、他のアップシフトにおいては締結側締結要素ともなり得る。同様に、締結側締結要素とは、他のアップシフトにおいては解放側締結要素ともなり得る。
第n変速段から第(n+1)変速段へのアップシフトにおいて、実施例1の自動変速機3の構成では、解放側締結要素を、回転メンバM1の回転をハウジング24に固定・解放するバンドブレーキB/Bで構成している。
バンドブレーキB/Bには、回転メンバM1の外周を覆うように巻掛けられたバンド31と、バンド31を締付可能なピストンステム32と、ピストンステム32に取り付けられピストンステム32の押圧力を発生させるバンドブレーキピストン33が設けられている。
バンドブレーキB/Bの締結・解放制御は、多板クラッチC1のピストン室への締結圧制御と異なり、バンドブレーキピストン33の一方側に設けられ、バンドブレーキB/Bの締結力を発生させるアプライ圧室APと、バンドブレーキピストン33の他方側に設けられ、このアプライ圧室APに締結圧が供給された状態で解放させるための解放力を発生させるリリース圧室RPとを備えている。
このような構成を取る理由は、バンドブレーキB/Bの抜き圧制御が困難であるためで、詳細については他の公知資料を参照されたい。
また、実施例1の自動変速機3の構成では、締結側締結要素を、回転メンバM2の回転をハウジング24に固定・解放する多板クラッチC1で構成している。
多板クラッチC1は、ピストン室PPに供給された締結圧に基づいて押圧力を発生するピストン21と、このピストン21を初期位置に付勢するリターンスプリング22と、回転メンバM2との間に設けられた複数のクラッチプレート23と、から構成されている。尚、実施例1では、説明簡略のため多板クラッチC1をハウジング24に固定可能なブレーキとして説明するが、他の回転要素との間の連結・解放を行うクラッチとしてもよく特に限定しない。
また、バンドブレーキB/Bと多板クラッチC1に油圧を供給する油路としては、ライン圧を供給するライン圧油路L2と、このライン圧油路L2から分岐した共通油路L1と、共通油路L1に接続され、バンドブレーキB/Bのリリース圧室RPに接続されたリリース油路L11と、多板クラッチC1のピストン室PPに接続されたクラッチ油路L12と、アキュムレータACCの第2アキューム室ACC2に接続されたアキューム油路L13が設けられている。本実施例1では、共通油路L1は、リリース油路L11とクラッチ油路L12とアキューム油路L13に作用する共通路としている。
この共通油路L1内の油圧は、変速時には変速時ライン圧を元圧とする制御圧が発生し、変速が終了して流速が生じない状態では、元圧である変速時ライン圧や通常のライン圧と同じ圧力が作用する。以下、変速時に共通油路L1内に生じる油圧を制御圧と記載する。
尚、ライン圧油路L2上には、チェック弁やオリフィスorfが複数設けられ、油圧供給時と油圧排出時の油圧変化特性を個別に設定している。同様に、アキューム油路L13にもチェック弁やオリフィスorfが複数設けられ、第2アキューム室ACC2への油圧供給時と油圧排出時の油圧変化特性を個別に設定している。
(各構成の作用)
次に、上記構成に基づく作用について説明する。アップシフト前の定常状態では、アプライ圧室APにライン圧PLが作用することでバンドブレーキB/Bが締結され、多板クラッチC1のピストン室PPには締結圧が作用しないことで多板クラッチC1が解放された状態である。
尚、この自動変速機3では、非変速時には各締結要素が完全締結状態を維持できるように高めのライン圧を供給し、変速時には、このライン圧を低めの変速時ライン圧に設定して変速制御を実行する。以下、各締結要素の締結・解放は変速時に実行されるため、このときに作用するライン圧を変速時ライン圧と記載する。
バンドブレーキB/B解放時には、アプライ圧室APに変速時ライン圧PLを作用させたままとし、アプライ圧室APに対向配置されたリリース圧室RPに対向油圧である制御圧を供給することで、バンドブレーキB/Bを徐々に解放する。また、多板クラッチC1締結時には、ピストン室PPに締結圧を供給し、リターンスプリング22が押し潰されるピストンストローク状態では、リターンスプリング力に相当する制御圧のみ発生し、その後、ピストンストロークが終了すると、供給された制御圧(後述するアキュムレータ等による棚圧を含む)に応じて締結力が発生する。
更に、バンドブレーキB/Bのリリース圧室RPと多板クラッチC1のピストン室PPに油圧を供給する油路を共通化した共通油路L1と、この共通油路L1の油圧上昇を所定勾配で徐々に上昇可能(以下、棚圧と記載する)とするアキュムレータACCと複数のオリフィスorfが備えられている。
このアキュムレータACCは、アプライ圧室APと連通する第1アキューム室ACC1と、この第1アキューム室ACC1に対向配置されリリース圧室RPと連通する第2アキューム室ACC2とが設けられている。尚、第1アキューム室ACC1と第2アキューム室ACC2の面積をそれぞれS1,S2とすると、S1<S2に構成されている。
第1アキューム室ACC1にのみ変速時ライン圧PLが作用している状態では、アキュムレータACCの容積が最小状態となるように変速時ライン圧PLが作用し、一方、第1アキューム室ACC1に変速時ライン圧PLが作用した状態で、リリース圧室RPにも変速時ライン圧PLを元圧として共通油路L1内に形成された制御圧が作用すると、上記面積の関係から変速時ライン圧PLよりも低い圧でアキュムレータACCの容積を大きくするよう作用し、これにより棚圧(制御圧)が形成される。
(アップシフト変速時の作用)
〔エンジン空吹き無しの適正なアップシフト作用〕
次に、上記構成に基づくアップシフト時の作用について図4のタイムチャート及び図5の共通速度線図を用いて説明する。尚、図5の共通速度線図は、実施例1の構成において各回転メンバの回転関係を表したものであり、アップシフトとは、エンジン空吹き等が発生しない場合、図5の剛体レバー(1)から剛体レバー(3)に回転運動することと等価である。
時刻t1において、アップシフト変速指令が出力されると、ライン圧をアップシフト変速時ライン圧PLに設定すると共に、共通油路L1に変速時ライン圧PLを元圧とする制御圧が供給される。尚、変速時ライン圧と非変速時ライン圧が同じ値であっても構わない。
すると、供給初期は、多板クラッチC1のリターンスプリング力に相当する油圧のみが発生し、共通油路L1はこの油圧に規定された制御圧が発生する。この制御圧がリリース圧室RPに作用することで、この制御圧分だけバンドブレーキB/Bの締結力が減少する。エンジン空吹き無しの場合であるため、入力トルク相当値は低下したバンドブレーキB/Bの締結力より小さい場合である。
尚、入力トルク相当値とは、エンジン1からトルクコンバータ2を介して自動変速機3内に入力されるトルクのうち、バンドブレーキB/Bの分担トルクに応じて決定される値であり、減速比等に応じて入力トルクとは異なる値となる。ただし、議論が複雑になるため、ここでは入力トルク相当値として扱うこととする。同様に、多板クラッチC1においても、減速比が異なることから実際にはバンドブレーキB/Bの入力トルク相当値と多板クラッチC1の入力トルク相当値とは異なるが、議論が複雑になるため、図4のタイムチャート上では同じ入力トルク相当値として扱うものとする。
時刻t2において、多板クラッチC1のピストンストロークが終了すると、共通油路L1内の制御圧が上昇し、アキュムレータACCに体積変化が生じ始める。この体積変化によって共通油路L1内には流速が発生し、この流速及びオリフィスorfの作用に基づく棚圧PTが形成される。バンドブレーキB/Bにあっては変速時ライン圧PLと棚圧PTとの差圧に基づく締結力が発生(棚圧PT分だけ締結力が減少する)し、多板クラッチC1にあっては棚圧PTに基づく締結力が発生する。
尚、アプライ圧室APとリリース圧室RPの締結力となる面積をそれぞれSa,Srとすると、Sa<Srに構成されているため、棚圧PTがある締結圧になると、バンドブレーキB/Bは完全に解放される。多板クラッチC1が締結容量を確保すると、イナーシャフェーズが進行し、変速前の変速段(第n変速段)におけるギヤ比から目標変速段(第(n+1)変速段)におけるギヤ比に徐々に変化し、掛け換えアップシフトを達成する。
以上の作用から、次のことが理解できる。まず、時刻t1〜t2の間の作用で示すように、ピストンストローク状態におけるバンドブレーキB/Bの締結容量は、変速時ライン圧PLとリターンスプリング22によって発生する制御圧によって決定される。
リターンスプリング22はスプリング力に応じた反力を発生するため制御によっては変更不能な値である。このことから、締結容量は、制御により変更可能なパラメータであるアップシフト変速用ライン圧PLによって決定されている。一方、この状態では多板クラッチC1には締結容量が発生していない。
次に、時刻t2以降の作用で示すように、ピストンストロークが終了すると、第1アキューム室ACC1に作用する変速時ライン圧PLに対し、第1アキューム室ACC1の面積S1と第2アキューム室ACC2の面積S2の比に応じた制御圧が共通油路L1内に発生する。言い換えると、面積S1,S2は一定であるため、結局は、制御により変更可能なパラメータである変速時ライン圧PLによって多板クラッチC1の棚圧初期値が決定される。
バンドブレーキB/Bの解放タイミングは、リリース圧室RPの対向圧であるアプライ圧室APに供給された変速時ライン圧PLによって決定され、また、多板クラッチC1の初期締結容量を決定するアキュムレータACCの容積変化開始タイミング(時刻t2に相当)の油圧(棚圧初期値)は、第1アキューム室ACC1に作用する変速時ライン圧PLによって決定される。
エンジン空吹きが発生していない場合は、変速時ライン圧が適正に設定されているため、ピストンストローク時のバンドブレーキB/B締結トルクが入力トルク相当値よりも若干大きい状態であり、また、ピストンストローク終了後の多板クラッチC1の締結トルクも入力トルク相当値よりも若干大きい状態である。
〔エンジン空吹きを引き起こす場合の作用〕
次に、エンジン空吹きを引き起こす場合の作用について説明する。図4のエンジン回転数のタイムチャート及び図5の共通速度線図(剛体レバー(1)→(2)→(3)への遷移)は、アップシフトにおいてエンジン空吹きが発生した場合の状態を表す作用説明図である。例えば、図4の時刻t1において、アップシフト変速指令により共通油路L1に圧力の供給を開始した時に、バンドブレーキB/Bのアプライ圧室APに作用する変速時ライン圧PLが低いと、リターンスプリング力相当値(制御圧)によってバンドブレーキB/B締結トルクが低下しすぎて、入力トルク相当値を下回る(図4中、空吹き発生時の入力トルク相当値参照)。
このとき、図5の共通速度線図に示すように、剛体レバー(1)は出力軸回転数を中心として一旦エンジン回転数上昇側に回動して剛体レバー(2)で表す状態となる。次に、ピストンストロークが完了すると、バンドブレーキB/Bは解放され、多板クラッチC1が締結することで剛体レバー(2)は、徐々に剛体レバー(3)への回動することとなる。
すなわち、変速時ライン圧が適正値よりも低いと、エンジンの空吹きを引き起こしてしまう。この現象を更に詳細に検討する。図6はアップシフト時におけるエンジン回転数変化を表すタイムチャートである。図6中、太い実線で示す状態のようにエンジン空吹きが発生した場合について説明する。
このように、エンジン空吹きを検出した際、例えば、空吹き0における基準回転数から空吹きによって上昇した空吹き回転数最大値hに基づいて変速時ライン圧PLを増加補正することが考えられる。変速時ライン圧PLを増加補正すれば、バンドブレーキB/Bの締結トルクが高まり、リターンスプリング力相当値を差し引いたとしても入力トルク相当値を下回らないようにすることができ、エンジン空吹きを抑制できると考えられるからである。
しかしながら、上記したように、空吹き回転数に基づいて変速時ライン圧PLを補正した場合、変速時ライン圧PLを大きく増加補正しすぎると、図6の細い二点鎖線で示すように、バンドブレーキB/Bの締結力不足は解消できるものの、多板クラッチC1の初期締結容量も大きくなり、過剰な変速速度の発生によってイナーシャトルクが増大し、突き出し感が強まるおそれがある。
一方、変速時ライン圧PLを小さく増加補正すると、図6の細い点線で示すように、エンジンの空吹きが若干は抑制されるものの、やはり空吹きは発生したままであり、一方、勾配は緩やかになり過ぎて、変速時間が長くなり、変速フィーリングの悪化やクラッチ耐久性の悪化等を招く虞がある。更に、学習補正等を行う場合には、何度も補正を繰り返さなければならず、安定した性能を得るまでに時間がかかってしまう。
次に、図6の太い一点鎖線で示す状態のようにエンジン空吹きが発生した場合について説明する。図6の太い実線で示す状態と太い一点鎖線で示す状態とでは、基本的に空吹き回転数最大値hは同じである。よって、上述の方法で変速時ライン圧PLを補正する際には、同じ値で補正されることとなる。
しかしながら、太い一点鎖線で示す状態は、太い実線で示す場合に比べてイナーシャフェーズにおける変速進行速度が遅いという違いがある。この場合に同じ補正を行ったとしても、多板クラッチC1の摩擦係数不足等が発生していると考えられ、結局補正量不足となり、定性的な補正量をエンジン空吹き回転数最大値hに基づいて行うことは容易ではない。
すなわち、安定したアップシフトを達成するには、エンジンの空吹きの抑制と共に、適正な変速速度(変速勾配)の達成の両立が不可欠である。言い換えると、上記空吹き回転数の大きさが同じで、変速勾配が異なる変速時に同じ量の変速時ライン圧補正を行ったとしても、安定したアップシフトを達成することができなかった。
この変速勾配の違いは、バンドブレーキB/Bの摩擦係数のバラツキ、多板クラッチC1の摩擦係数のバラツキ、油圧回路に起因する油圧特性や経時変化等の複雑な要因を含んで発生しうるものである。
そこで、本出願人は鋭意研究の結果、1つの制御対象(変速時ライン圧PL)によってこれらをバランス良く考慮して補正する方法として、自動変速機3の実ギヤ比相当値Gが第(n−1)変速段側に変化したときの変化量を時間積分し、この算出された積分値に基づいて変速時ライン圧PLを補正することとした。
すなわち、図6の太い実線と太い一点鎖線の関係で説明したように、単にエンジン空吹き回転数最大値hにのみ着目すると、両者の定性的な違いを見出すことができない。これに対し、両者の空吹き積分値(面積)に着目すると、これらの相違を見出すことができるからである。
図7は実施例1のエンジン空吹き時におけるライン圧補正制御処理を表すフローチャートである。尚、ここでは、第n変速段を第2速とし、第(n+1)変速段を第3速として説明する。
ステップ201では、2→3アップシフト変速中か否かを判断し、アップシフト変速中であればステップ202へ進み、それ以外のときは本制御フローを終了する。
ステップ202では、第2速におけるRATIO検知タイマが0か否かを判断し、0のときはステップ203へ進み、それ以外のときはステップ205へ進む。
ステップ203では、第2速RATIO検知タイマのカウントアップを開始する。
ステップ204では、RATIOカウンタn及び、RATIO合計値RATIOSUMをクリアする。
ステップ205では、RATIOのサンプリングを実行する。尚、RATIOとは、出力軸回転数(車速VSP)に目標変速比G*を掛けたものを、エンジン回転数Neで除した値であり、タービン回転数センサ等を備えていない構成において特に有効な値である。
ステップ206では、RATIOカウンタnをカウントアップすると共に、RATIOSUMを前回までのRATIOSUMに今回のRATIOを加算することで算出する。
ステップ207では、第2速RATIO検知タイマのカウント値が所定値T2nd以下か否かを判断し、T2nd以下のときは本制御フローを終了して再度ステップ202からステップ206を繰り返す。T2ndよりも大きいときは、サンプリングが完了したと判断してステップ208へ進む。
ステップ208では、空吹きタイマが0か否かを判断し、0のときはステップ209へ進み、それ以外のときはステップ212へ進む。
ステップ209では、第2速における平均RATIOであるRATIO2ndをRATIOSUM/nにより算出する。すなわち、RATIOの合計値をサンプリング回数で除した値を平均RATIOとする。
ステップ210では、空吹き検出タイマのカウントアップを開始する。
ステップ211では、KARABUKISUMをクリアする。尚、KARABUKISUMとは、RATIOベースで見たときの空吹き積分値に相当する。
ステップ212では、エンジン空吹きによって生じる空吹き値ΔKARABUKIを下記式より算出する。
ΔKARABUKI=MAX(0,RATIO2nd−RATIO)
すなわち、図8のタイムチャートに示すように、RATIO2ndより下回ったRATIOの値のみを取り出す。
ステップ213では、KARABUKISUMを前回までのKARABUKISUMに今回のΔKARABUKIを加算することで算出する。
ステップ214では、空吹き検出タイマが所定値TKARABUKI以下か否かを判断し、TKARABUKI以下のときは本制御フローを終了して再度ステップ212からステップ214を繰り返す。TKARABUKIよりも大きいときは、エンジン空吹きの積分が完了したと判断してステップ215へ進む。
ステップ215では、変速時ライン圧補正の指標となるエンジン空吹き量と相関を有するパラメータKARABUKIを下記式により算出してステップ216へ進む。
KARABUKI={(KARABUKISUM−A)×B}1/2
尚、Aはセンサ等のノイズ要素を加味した成分であり、ノイズによる誤検出を抑制するための補正項である。また、BはRATIOをエンジン回転数に見合った物理量とする補正係数である。
ステップ216では、一回の補正幅Sed1を予め設定された表より算出する。
ステップ217では、補正量Sedに補正幅Sed1を加算し、リミット処理を施す。
補正量Sed=Sed+Sed1
補正量Sed=MIN(Sed,SEDLIMH)
補正量Sed=MAX(Sed,SEDLIML)
ステップ218では、第2速RATIO検知タイマ及び空吹き検出タイマをクリアし、本制御を終了する。
次に、上記制御フローに基づく作用について図8のタイムチャートを用いて説明する。
時刻t1において、第2速→第3速へのアップシフト指令が出力されると、目標変速段G*は第2速ギヤ比から第3速ギヤ比に変更される。これに伴い、実際の車速VSPやエンジン回転数Neが変化せず目標変速段G*のみ一気に変化することから、RATIOも一気に変化することとなる。このとき、同時に第2速RATIO検知タイマをスタートさせ、実RATIOのサンプリングを行う。
尚、このRATIOを用いる理由は、実施例1の構成ではタービン回転数センサを備えていないため、直接自動変速機内のギヤ比を検知できないからである。よって、タービン回転数センサ等を備えている場合には、タービン回転数と車速VSPに基づいてギヤ比を算出し、このギヤ比を用いてKARABUKIを算出しても良い。また、変速前のエンジン回転数の傾き等から基準エンジン回転数を算出し、この基準エンジン回転数を上回った回転数をKARABUKIとして算出してもよい。
時刻t2において、第2速RATIO検知タイマが所定値T2ndに到達すると、その間にサンプリングされたRATIOに基づいて2速平均のRATIOであるRATIO2ndを算出する。これにより、エンジン空吹きが発生していない場合の基準となる値を決定する。
その後、RATIO2ndを下回った値ΔKARABUKIを積算し、KARABUKISUM(空吹き積算値)を算出する。このKARABUKISUMに補正項A及び補正係数Bを作用させ、更に平方根を算出し、この平方根を変速時ライン圧補正の指標となるエンジン空吹き量と相関を有するパラメータKARABUKIとして設定する。
ここで、平方根を取る理由について説明する。図9はエンジン回転数Neが空吹いたときの同一面積であって異なる空吹きパターンを種々表す図である。図9中、点線、一点鎖線、二点鎖線で示すように、同じ面積であっても、種々の空吹きパターンを有する。上述したように、実施例1の構成にあっては、これらの空吹きパターンが種々想定されたとしても、補正可能なパラメータは変速時ライン圧PLのみであるため、1つの値に代表させてやる必要がある。
そこで、図9中の太い実線で示すように、ある基準の空吹き波形を設定し、この基準空吹き波形は、エンジン空吹き回転数最大値hを高さとし、このエンジン空吹き回転数最大値hに定数kを掛けた値を底辺とした三角形とみなして規格化する。すると、各面積は、エンジン空吹き回転数最大値hの二乗に比例する値と見なすことができる。これを利用して、KARABUKISUMの平方根を取ることで求めた面積を空吹き量のパラメータに戻し、適正空吹き量に対応したライン圧補正幅Sed1として安定的に算出するものである。
図10は上記ライン圧補正制御処理を実行した際のタイムチャートである。図10中、細い実線が補正前の変速時ライン圧PLによって制御した場合にエンジン空吹きが発生した状態を表す。また、図10中、太い実線が補正後の変速時ライン圧PLによって制御した場合にエンジン空吹きが抑制された状態を表す。
図10に示すように、アップシフト変速指令出力後にライン圧PLを変速制御用の変速時ライン圧PLに制御する際、補正前よりも高めに補正する。すると、バンドブレーキB/Bの締結トルクの低下が小さくなり、入力トルク相当値よりも高い状態に維持できる。よって、エンジン空吹きが抑制される。
その後、多板クラッチC1の締結圧も補正前に比べて高い締結力に設定され、適正な勾配でイナーシャフェーズを進行させることができる。これにより、エンジン空吹きを抑制すると同時に、適正な勾配によるイナーシャフェーズの進行によって突き上げショックや変速の間延び感を抑制することができる。
以上説明したように、実施例1の構成にあっては、下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)エンジン1から入力された回転を、複数の摩擦要素の締結・解放により変速して出力軸に出力する自動変速機3であって、ライン圧により締結されたバンドブレーキB/B(第1摩擦要素)の解放油圧を供給するリリース油路L11(第1の油路)と、多板クラッチC1(第2摩擦要素)の締結油圧を供給するクラッチ油路L12(第2の油路)と、ライン圧により圧縮されたアキュムレータACCの容積を拡大する油圧を供給するアキューム油路L13(第3の油路)に対し、同じ油圧が作用するように共通化された共通油路L1を有し、ライン圧を変速時ライン圧に設定すると共に、共通油路L1に油圧を供給してバンドブレーキB/Bを解放し、多板クラッチC1を締結することで第n変速段から第(n+1)変速段へアップシフトする自動変速機において、アップシフト時に、自動変速機の実ギヤ比相当値が第(n−1)変速段側に変化したときの変化量を時間積分し、この積分値に基づいて変速時ライン圧を補正することとした。
よって、第n変速段から第(n+1)変速段へのアップシフト時に、実ギヤ比相当値が第(n−1)変速段側に変化したときの変化量の時間積分、すなわちエンジンが空吹いたときの空吹き量積分値を算出し、この値に基づいて変速時ライン圧を補正することとした。この積分値は、空吹いたときの回転数変化と、ギヤ比の変化勾配に起因するパラメータとして扱える。よって、この積分値に基づいて変速時ライン圧を補正することで、エンジンの空吹きを抑制しつつ、適正なギヤ比の変化勾配を達成することが可能となり、安定したアップシフト変速を達成することができる。
(2)積分値が大きいほど、変速時ライン圧補正量を大きくすることとした。よって、少ない補正回数でエンジン空吹きを抑制することができる。
(3)算出された積分値の平方根に比例した変速時ライン圧補正量を設定することとした。よって、種々の要因によって発生したエンジン空吹きであっても、定性的な関係によって適正な値に補正することができる。
(4)車速VSP(出力軸の回転数)と自動変速機3の目標ギヤ比G*の積を、エンジンの回転数Neで除したレシオを算出し、アップシフト初期のレシオに基づいて第n変速段における基準レシオを算出する。そして、レシオが基準レシオより下回ったときの変化量を時間積分することとした。よって、タービン回転数センサ等を備えていない構成であっても、積分値を算出することができる。
実施例1の自動変速機を備えた車両の構成を表すシステム図である。 実施例1のATCUの制御構成を表すブロック図である。 実施例1の自動変速機の締結要素と油路の関係を表す油圧回路の概略図である。 実施例1の構成において、アップシフト時にエンジン空吹きが発生した場合の変速時ライン圧と締結トルクの関係を表すタイムチャートである。 実施例1の構成において、アップシフト時にエンジン空吹きが発生した場合の各回転メンバの回転速度の関係を表す共通速度線図である。 実施例1のエンジン空吹きとイナーシャフェーズの進行速度の関係を表す概略図である。 実施例1のライン圧補正制御処理を表すフローチャートである。 実施例1の空吹き積分値算出過程を表すタイムチャートである。 実施例1の空吹き積算値の平方根を取る理由を説明する概略図である。 実施例1のライン圧補正制御によって変速時ライン圧を補正した場合において、アップシフト時の変速時ライン圧と締結トルクの関係を表すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 自動変速機
4 駆動輪
10 自動変速機コントローラ(ATCU)
11 エンジン回転数センサ
12 車速センサ
13 インヒビタスイッチ
14 スロットル開度センサ
21 ピストン
22 リターンスプリング
23 クラッチプレート
31 バンド
32 ピストンステム
33 バンドブレーキピストン
ACC アキュムレータ
ACC1 第1アキューム室
ACC2 第2アキューム室
AP アプライ圧室
B/B バンドブレーキ
C1 多板クラッチ
L1 共通油路
L11 リリース油路
L12 クラッチ油路
L13 アキューム油路
L2 ライン圧油路
M1 第1回転メンバ
M2 第2回転メンバ
orf オリフィス
PP ピストン室
RP リリース圧室

Claims (5)

  1. エンジンから入力された回転を、複数の摩擦要素の締結・解放により変速して出力軸に出力する自動変速機であって、
    第1摩擦要素の解放油圧を供給する第1の油路と、第2摩擦要素の締結油圧を供給する第2の油路と、に対し、同じ油圧が作用するように共通化された共通油路と、
    前記ライン圧を変速時ライン圧に設定すると共に、前記共通油路に油圧を供給して前記第1摩擦要素を解放し、前記第2摩擦要素を締結することで第n変速段から第(n+1)変速段へアップシフトするアップシフト変速手段と、
    を備えた自動変速機の変速制御装置において、
    前記アップシフト時に、トルクフェーズ及びイナーシャフェーズにおける前記自動変速機の実ギヤ比相当値が前記第n変速段において空吹き回転数が0である場合の実ギヤ比相当値から第(n−1)変速段側に変化したときの変化量を時間積分する積分値算出手段と、
    前記算出された積分値に基づいて前記変速時ライン圧を補正するライン圧補正手段と、
    を設けたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記共通油路には、ライン圧により圧縮されたアキュムレータの容積を拡大する油圧を供給する第3の油路が接続されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記ライン圧補正手段は、前記算出された積分値が大きいほど、前記変速時ライン圧補正量を大きくすることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 請求項3に記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記ライン圧補正手段は、前記算出された積分値の平方根に比例した前記変速時ライン圧補正量を設定することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載の自動変速機の変速制御装置において、
    前記実ギヤ比相当値は、前記出力軸の回転数と前記自動変速機の目標ギヤ比の積を、前記エンジンの回転数で除した値であるレシオ算出値であり、該レシオ算出値を算出するレシオ算出手段と、
    前記アップシフト初期における前記レシオに基づいて第n変速段における基準レシオを算出する基準レシオ算出手段と、
    を設け、
    前記積分値算出手段は、前記レシオが前記基準レシオより下回って変化したときの変化量を時間積分する手段であることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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