JP5164945B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
従来、特許文献1に開示されているように、多板のクラッチプレートの一旦側端部に並んでディッシュプレートを配置する摩擦締結要素の構造が開示されている。
特開2003−106429号公報
しかし、特許文献1に記載の自動変速機にあっては、摩擦締結要素の締結初期においてディッシュプレートの変形による体積変化が生じ、締結が遅くなる傾向がある。この状態で目標のクラッチ締結速度となるようにフィードバック制御を行うと、締結初期では上述のように締結が遅くなることによりフィードバック制御量の積分成分が増大する。よって、締結後半に一気に締結力が増大しやすく、滑らかな締結を達成することが困難であった。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、ディッシュプレートを備えた摩擦締結要素を滑らかに締結可能な自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、ディッシュプレートを備えた摩擦締結要素を締結制御するにあたり、フィードバック制御を行うフィードバックループとは異なる制御ループに所定の油圧を加算する加算手段を設けた。
よって、フィードバックループから出力される制御量よりも実際には加算された油圧によって締結作動が行われるため、フィードバックループ内の積分成分が蓄積されることがなく、締結後半において制御量過多による急締結を抑制することができる。
実施例1のパワートレーンを表す概略図である。 実施例1のパワートレーンの制御システムを表すシステム図である。 実施例1のリバースブレーキの構成を表す概略図である。 実施例1の締結制御部の構成を表す制御ブロック図である。 実施例1の第1加算量と回転数変化率偏差との関係を表す加算量マップである。 実施例1の第2加算量と締結進行度γとの関係を表す加算量マップである。 実施例1の締結制御の作用を表すタイムチャートである。
図1は本発明の自動変速機の制御装置を搭載した実施例1のパワートレーンを表す概略図である。実施例1のパワートレーンは、駆動源であるエンジン1と、このエンジン1に駆動結合されるトルクコンバータ2と、このトルクコンバータ2に減速機構3を介して駆動結合される自動変速機4と、この自動変速機4の変速機出力軸(プロペラシャフト)5を介して駆動結合されるファイナルドライブギア機構6と、このファイナルドライブギア機構6を経て自動変速機4からの動力が出力される車輪7とを有する。自動変速機4は、無段変速機構8と副変速機構9とで構成されている。
無段変速機構8は、減速機構3の出力軸に連結される駆動プーリ8aと、副変速機構9の入力軸9aに連結される従動プーリ8bとを有し、これらの間にベルト8cを掛け渡した既存のベルト式無段変速機構である。駆動プーリ8a及び従動プーリ8bにはそれぞれ、オイルが供給されており、その油圧に応じてプーリ幅を自由に変更することができる。これにより、無段変速機構8は、駆動プーリ8aへの供給圧と従動プーリ8bへの供給圧とを制御することで、変速比を無段階に変更させることができる。
副変速機構9は、ラビニヨ遊星歯車機構の複合サンギア9bに従動プーリ8bを駆動結合することで当該サンギア9bを入力とする一方、キャリア9cを変速機出力軸5に駆動結合することで当該キャリア9cを出力としている有段変速機構である。サンギア9bは、ローブレーキL/Bを介してケースCに固定され、キャリア9cはハイクラッチH/Cを介してリングギア9dに駆動結合されている。更に、リングギア9dは、リバースブレーキR/Bを介してケースCに固定されている。
ローブレーキL/B、ハイクラッチH/C及びリバースブレーキR/Bにもそれぞれ、オイルを供給することができ、その油圧に応じて締結及び解放を自由に行うことができる。これにより、副変速機構9は、ローブレーキL/B、ハイクラッチH/C及びリバースブレーキR/Bへの供給圧を制御することで、前進1速、前進2速及び後進を選択することができる。
前進1速の選択の場合は、ローブレーキL/Bを締結すると共にハイクラッチH/Cを解放する。また、前進2速の選択の場合は、ローブレーキL/Bを解放すると共にハイクラッチH/Cを締結する。なお、副変速機構9の制御にあたっての締結及び解放の関係についての詳細は、下記の表に示すとおりである。
Figure 0005164945
実施例1の車両は、自動変速機4を変速制御するための変速機コントローラ11(図2参照)内に構成された変速制御部100を有する。変速制御部100は、自動変速機4の目標入力回転数を算出し、この目標入力回転数に基づき、無段変速機構8の変速比を無段階に制御する無段変速制御部101と、副変速機構9の目標変速段を算出し、この目標変速段に制御する有段変速制御部102とを有する。即ち、自動変速機4全体としては、無段変速機構8の変速制御と副変速機構9の変速制御を協調させることで、目標とする変速比が実現される。また、変速制御部100には、摩擦締結要素(実施例1ではリバースブレーキR/B)を滑らかに締結する締結制御部103を有する。尚、リバースブレーキR/Bの構成及び締結制御部103の詳細については後述する。
無段変速機構8は、図2に示すように、油圧コントロールバルブユニット10に内蔵された複数のソレノイドバルブをON,OFF制御することで、駆動プーリ8a及び従動プーリ8bへの供給圧(通常は、駆動プーリ8aへの供給圧のみ)が制御される。これにより、変速比を無段階に変更することができる。副変速機構9も、同様に、油圧コントロールバルブユニット10に内蔵された複数のソレノイドバルブをON,OFF制御することで、ローブレーキL/B、ハイクラッチH/C及びリバースブレーキR/Bへの供給圧が制御され、前進1速又は前進2速が選択される。
油圧コントロールバルブユニット10は、図2に示すように、変速機コントローラ11によって制御される。変速機コントローラ11には、例えば、エンジントルクTeを検出するエンジントルクセンサSteからの信号と、スロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサSThからの信号と、エンジン1の出力回転数(以下、「エンジン回転数」)Neを検出するエンジン回転センサSeからの信号、自動変速機4の入力回転数Niを検出するタービン回転センサSiからの信号と、変速機出力軸5の回転数(以下、「自動変速機出力軸回転数」)Noを検出する自動変速機出力回転センサSoからの信号とをそれぞれ入力する。ここで、入力回転数Niはトルクコンバータ2のタービンランナから減速機構3を介して減速された回転数を検出していることから、後述する締結制御部103では、入力回転数Niを減速機構分だけ増速した回転数をタービン回転数Ntとして検出する。同様に、自動変速機出力回転数Noは無段変速機構8と副変速機構9によって変速された回転数であるため、タービン回転数Ntと対比するときは、各変速機構8,9の変速比を考慮して変速前の回転数に換算した回転数である出力回転数Noutとして検出する。
〔リバースブレーキの構成〕
次に、リバースブレーキR/Bの構成について説明する。図3は実施例1のリバースブレーキの構成を表す概略図である。実施例1の摩擦締結要素は、ローブレーキL/BやハイクラッチH/Cにはディッシュプレートを備えていない多板式の摩擦締結要素を採用し、リバースブレーキR/Bはディッシュプレートを採用している。リバースブレーキR/Bは、ケースC内に収装されたシリンダ部材20と、シリンダ部材20内に摺動可能に配置されたピストン21と、ピストン21を解放側に付勢するリターンスプリング22及びリターンスプリング22を保持するスプリングリテーナ23とを有する。また、ケースC内周に形成されたスプライン溝C1には複数のケース側クラッチプレート25が取り付けられている。リングギヤ9dの外周には、ケース側クラッチプレート25と交互に重なるように取り付けられたリングギヤ側クラッチプレート26が取り付けられている。これらクラッチプレートとピストン21との間には皿バネ状のディッシュプレート24が配置されている。
油圧コントロールバルブユニット10内には、エンジンにより駆動されるオイルポンプ31と、オイルポンプ31から供給されるライン圧の供給ルートを切り換えるマニュアルバルブ32と、マニュアルバルブ32を経由して供給されたライン圧を締結圧として調圧するソレノイドバルブ33とを有する。運転者のシフトレバー操作によってリバースレンジが選択されると、それに連動してマニュアルバルブ32がライン圧の供給ルートをリバースブレーキR/Bに切り換える。そして、ライン圧は変速機コントローラ11からの指令信号に応じてライン圧を調圧し、この調圧された締結圧によりピストン21を押圧してリバースブレーキR/Bを締結する。
ディッシュプレート24を採用する理由は、シリンダ室に供給された油圧を緩やかに排出するためである。緩やかに排出するという観点からはアキュムレータと同様の作用であるが、ディッシュプレート24のほうが油路等の構造を簡略化できるからである。また、ピストン21がクラッチプレートに接触する締結開始点とディッシュプレート24の変形開始点とが同じであり、制御が容易であるというメリットがある。
〔締結制御部の構成〕
次に、締結制御部103について説明する。図4は締結制御部103の制御構成を表す制御ブロック図である。運転者がセレクトレバーをリバースレンジに切換操作を行うと締結制御部103の作動を開始する。以下、締結制御部103に設けられた各構成について説明する。
締結進行率設定部1031では、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとに基づいて締結進行率δを設定する。ここで締結進行率とは以下の定義によって与えられる。まず、締結進行度γを下記のように定義する。
γ=β/α
α=Ne−Nout
β=Nt−Nout
このとき、締結進行率δは、下記のように定義される。
δ=1/(dγ/dt)
すなわち、締結進行度γの1秒あたりの変化量の逆数が締結進行率δである。例えば、締結進行率δ=1と指示すると、1秒間で摩擦締結要素の締結が完了する。実施例1では、締結進行度γが所定値γoとなるまではδ=1で設定し、所定値γoを超えたときは、δを1よりも徐々に大きな値(例えば、制御周期毎に0.2ずつ大きくする等)に設定する。これにより、締結前半では比較的素早い締結動作を行い、締結後半では比較的緩やかな締結動作を実現する。
目標タービン回転変化率演算部1032では、設定された締結進行率δに応じて目標タービン回転変化率ΔNt*を演算する。すなわち、締結進行率の指示に応じた理想的なタービン回転変化率が演算される。
(回転変化率ベースの制御構成)
回転変化率偏差演算部1033では、目標タービン回転変化率ΔNt*と実タービン回転変化率演算部1044で演算された実タービン回転変化率ΔNtとの偏差である回転数変化率偏差x(=ΔNt*−ΔNt)を演算する。
第1加算量演算部1034(加算手段)では、回転数変化率偏差xに基づいて図5に示すマップから第1加算量Pxを演算する。図5は実施例1の第1加算量と回転数変化率偏差との関係を表す加算量マップである。このマップは、回転数変化率偏差xが大きいほど第1加算量Pxが大きくなるように連続的に設定されており、滑らかな制御を達成する。尚、第1加算量Pxは、回転数変化率偏差xのみに基づき設定され、回転数変化率偏差の微分地dx/dtや積分値∫xdtに基づいて算出されるものではない。
変化率フィードバック制御量演算部1035では、回転数変化率偏差xに基づいて、PID制御量P1fbを演算する。例えば、P1fb=k1p・x+k1i・∫xdt+k1d・(dx/dt)として演算される。ここで、k1p,k1i,k1dはそれぞれ変化率フィードバック制御用の比例ゲイン,積分ゲイン,微分ゲインである。
トルク演算部1036では、PID制御量P1fbにリバースブレーキR/Bのイナーシャを乗算して回転変化率ベーストルク制御量Tdn1を演算する。
変化率ベース加算部1030では、変化率フィードバック制御量P1fbに第1加算量Pxを加算し、最終的な回転変化率トルク制御量Tdn2を演算する。
(回転数ベースの制御構成)
外乱オブザーバ1038では、目標タービン回転変化率ΔNt*に基づいて目標タービン回転数Nt*を演算する。第1トルコンモデル1039では、演算された目標タービン回転数Nt*とエンジン回転数Ne及び予め設定されたトルクコンバータ諸元を用いて回転数ベース目標トルクTt*を演算する。第2トルコンモデル1040では、検出された実タービン回転数Ntとエンジン回転数Ne及び予め設定されたトルクコンバータ諸元を用いて回転数ベース実トルクTtを演算する。回転数偏差演算部1041では、回転数ベース目標トルクTt*と回転数ベース実トルクTtとの偏差である回転数偏差y(=Tt*−Tt)を演算する。尚、第1トルコンモデルと第2トルコンモデルは同じ演算処理を行うものである。
回転数フィードバック制御量演算部1043では、回転数偏差yに基づいてPI制御量P2fbを演算し、所定のゲインを乗算して回転数ベーストルク制御量Tnを演算する。例えば、P2fb=k2p・y+k2i・∫ydtとして演算される。ここで、k2p,k2iはそれぞれ回転数フィードバック制御用の比例ゲイン,積分ゲインである。
第2加算量演算部1037では、締結進行度γに基づいて図6に示すマップから第2加算量Pγを演算する。図6は実施例1の第2加算量と締結進行度γとの関係を表す加算量マップである。このマップは、締結進行度γが大きくなるほど、すなわち締結が進行するほど第2加算量Pγが小さくなるように連続的に設定されており、滑らかな制御を達成する。
制御量加算部1045では、回転変化率トルク制御量Tdn2と回転数ベーストルク制御量Tnと第2加算量Pγを加算し、最終的な摩擦締結要素に供給する油圧指令を出力する。具体的には油圧コントロールバルブユニット10に内蔵されたソレノイドバルブ33に対し、油圧指令に応じたON,OFF制御信号を出力する。
〔締結制御による締結作用〕
次に、締結制御部の作用について説明する。図7は運転者がニュートラルレンジ(Nレンジ)からリバースレンジ(Rレンジ)に切換操作をしたときの油圧変化及び各種回転数の関係を表すタイムチャートである。初期状態はニュートラルレンジが選択されており、リバースブレーキR/B等の全ての摩擦締結要素は完全解放されている。
時刻t1において、運転者がセレクトレバーを操作してRレンジに切り換えると、時刻t2においてプリチャージフェーズを開始し、リバースブレーキR/Bへのプリチャージ用急増圧指令が出力される。これはクラッチプレート間の隙間を詰めるためにピストンを素早くストロークさせるものであり、特に締結力は生じない。実圧もリターンスプリング力程度が発生するだけである。初期に高い指示圧を出すことで、ピストンストローク速度を確保する。時刻t3において、予め設定された所定時間のプリチャージ用急増圧指令を終了し、プリチャージ用緩増圧指令を出力する。ピストンストローク速度を適切に調節し、締結時の衝撃を緩和するものである。
時刻t4において、リバースブレーキR/Bの締結圧が徐々に確保され始めると、ディッシュプレート24を押し潰し始める。このとき、ディッシュプレート24の変形が生じる際の押圧力によって締結力が発生し、タービン回転数Ntが徐々に低下し始め、出力軸トルクが出力され始める。
時刻t5において、タービン回転数Ntの落ち込み変化を検出すると、プリチャージフェーズを終了し、締結進行フェーズを開始、すなわち締結制御(回転変化率ベースの制御及び回転数ベースの制御)を実行する。このとき、実回転変化率が目標回転変化率よりも小さいときは、偏差xに応じた高い第1加算量Pxを加算する。一方、実回転変化率が目標回転変化率よりも大きいときは、偏差xが負の値となるため、この場合は加算を行わない。尚、偏差xの値に応じて減算してもよい。このように、変化率フィードバック制御量演算部1035内でのゲイン調整ではなく、それとは別ループにおいて変化率偏差xに応じた加算量を設定することで、変化率フィードバック制御量演算部1035内における積分成分が蓄積されることがない。
更に、締結制御開始初期、すなわち締結進行度γが小さいときは、回転数偏差yが大きい。回転数偏差yが大きい状態が継続すると、回転数フィードバック制御部の積分成分が蓄積されて締結後半に過剰な締結力を発生するおそれがある。よって、第2加算部1037により締結進行度γが低いときは大きな第2加算量Pγを、締結進行度γが高いときは小さな第2加算量Pγを加算する。このように、回転数フィードバック制御量演算部1043内でのゲイン調整ではなく、それとは別ループにおいて回転数偏差yに応じた加算量を設定することで、回転数フィードバック制御量演算部1043内における積分成分が蓄積されることがない。
ここで、図7内に実施例1の第1加算部1034及び第2加算部1037による制御を行わない場合のタービン回転数変化を比較例として一点鎖線で示す。ディッシュプレート24のようにリターンスプリング22の抗力よりも大きく、且つ、体積変化を伴う弾性体を備えている場合、特に締結初期にはピストンストロークが阻害されやすく、指令通りに締結力を発生させることが困難となる。この追従性の悪化はフィードバック制御ループ内に積分成分の蓄積をもたらす。すると、ある段階、例えばディッシュプレート24が完全に潰れてから急激に締結力が増大し、それに伴う締結ショックを発生するおそれがある。また、タービン回転数の急低下は、トルクコンバータから出力されるトルクの急激な増加を意味し、運転者に違和感を与えるおそれがある。
これに対し、実施例1では、予めフィードバック制御ループとは別ループにおいて制御量に所定量を加算する構成としているため、フィードバック制御ループ内に積分成分が蓄積されることがなく、タービン回転数の急低下や締結ショックの発生を抑制することができる。尚、このような制御構成にすると、車両開発上、非常に有利である。一般に、コントローラを開発すると、それを実際の車両に搭載して実験を繰り返しながら各種制御ゲインの調整を行って発散を回避しつつ安定した制御結果が得られるように調整する。このとき、フィードバック制御内のゲイン調整は、種類も多く微妙な調整が要求されるため、全てをフィードバック制御ゲインによって調整することは開発コストの増大を招く。これに対し、フィードバック制御ループとは別ループの制御ループにおいて加算量の調整をする場合には、フィードバック制御の発散の心配が無く、簡便に調整できるため開発コストを抑制することができる。
時刻t6において締結が完了すると、指示圧を一気に高めて完全締結状態に移行させる。時刻t7において、一旦完全締結油圧まで油圧を高めた後、リバースレンジの定常制御を開始する。この定常制御とは、アクセル開度等に応じた締結圧を供給することで必要な締結力を確保しつつ燃費の改善を図る等のものであり、アクセル開度が小さいときは低めの締結圧を、アクセル開度が大きいときは高めの締結圧を供給する。
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)ケース側クラッチプレート25と交互に重なるように取り付けられたリングギヤ側クラッチプレート26(相対回転可能な一対の部材間に夫々設けられた摩擦板)と、これらクラッチプレート25,26を押圧して締結状態にするピストン21と、クラッチプレート25,26とピストン21との間に介在する皿バネ状のディッシュプレート24と、ピストン21に作用させる油圧を調圧する油圧コントロールバルブユニット10(油圧制御手段)と、クラッチプレート25,26の締結の進行状態を判定する締結進行率設定部1031,第2加算部1037(進行状態判定手段)と、クラッチプレート25,26の締結の進行状態が目標の進行状態となるように前記ピストンに作用させる油圧を少なくとも積分項を用いたフィードバック制御により算出する変化率フィードバック制御量演算部1035,回転数フィードバック制御量演算部1043(フィードバック制御手段)と、変化率フィードバック制御量演算部1035,回転数フィードバック制御量演算部1043により算出されたピストン21に作用させる油圧に、クラッチプレート25,26の締結の進行状態が後半の領域よりも前半の領域の方が大きい所定の油圧を加算する第2加算部1037(加算手段)と、を備えた。
よって、フィードバックループから出力される制御量よりも実際には加算された油圧によって締結作動が行われるため、フィードバックループ内の積分成分が蓄積されることがなく、締結後半において制御量過多による急締結を抑制することができる。また、締結状態の後半領域では小さな加算量を加えるため、ディッシュプレート24の変形終了後に過度に締結力が増大することによる回転数の急激な低下等を抑制することができる。
(2)第2加算部1037は、加算する所定の油圧Pγを締結の進行に応じて徐々に小さくなるように設定する(図6に示すマップ参照)。よって、リバースブレーキR/Bを滑らかに締結することができる。
(3)ケース側クラッチプレート25と交互に重なるように取り付けられたリングギヤ側クラッチプレート26(相対回転可能な一対の部材間に夫々設けられた摩擦板)と、これらクラッチプレート25,26を押圧して締結状態にするピストン21と、クラッチプレート25,26とピストン21との間に介在する皿バネ状のディッシュプレート24と、ピストン21に作用させる油圧を調圧する油圧コントロールバルブユニット10(油圧制御手段)と、クラッチプレート25,26の締結の進行状態を判定する締結進行率設定部1031,第2加算部1037(進行状態判定手段)と、クラッチプレート25,26の締結の進行状態が目標の進行状態となるように前記ピストンに作用させる油圧を少なくとも積分項を用いたフィードバック制御により算出する変化率フィードバック制御量演算部1035,回転数フィードバック制御量演算部1043(フィードバック制御手段)と、変化率フィードバック制御量演算部1035,回転数フィードバック制御量演算部1043により算出されたピストン21に作用させる油圧に、目標進行状態と実進行状態との差が大きいときは小さいときよりも大きな所定の油圧を加算する第1加算部1034(加算手段)と、を備えた。
よって、フィードバックループから出力される制御量よりも実際には加算された油圧によって締結作動が行われるため、フィードバックループ内の積分成分が蓄積されることがなく、締結後半において制御量過多による急締結を抑制することができる。
(4)第1加算部1034は、目標進行状態と実進行状態との差に応じた所定の油圧を加算するように設定する(図5に示すマップ参照)。よって、リバースブレーキR/Bを滑らかに締結することができる。
以上、実施例1について説明したが、本発明は上記実施例に限られず、適宜他の構成を取ることができる。実施例1では、第1加算部1034と第2加算部1037の両方を備えた構成としたが、一方のみを備えた構成としてもよい。
また、締結の進行状態を判定するためのパラメータとして締結進行度γや締結進行率δを導入したが、例えば、入力軸回転数や摩擦締結要素の差回転など、締結の進行状態を判定できるパラメータを用いて制御してもよい。
また、実施例1では、第1加算量Px及び第2加算量Pγをマップから演算したが、所定の関数に基づいて第1加算量Px又は第2加算量Pγを算出してもよい。
また、実施例1では、無段変速機構と副変速機構とで構成された自動変速機における制御例を示したが、これに限定されず、無段変速機のみの構成や、有段変速機のみの構成であっても適用可能である。
また、実施例1ではリバースブレーキR/Bの締結に対して適用したが、他の摩擦締結要素にディッシュプレートを備えている場合には、同様の制御を適用できる。
また、実施例1では回転数フィードバック制御において、回転数に基づくトルクの偏差によってフィードバック制御量を決定したが、回転数偏差に基づいて制御量を決定し、その後、所定のゲインを乗算してトルク制御量に換算してもよい。また、回転変化率ベースの制御と回転数ベースの制御の両方を備えたが、一方のみの制御構成としてもよい。また、回転数フィードバック制御ではPI制御を採用したが、これらは必要に応じてPID制御としてもよい。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
4 自動変速機
5 変速機出力軸
8 無段変速機構
9 副変速機構
10 油圧コントロールバルブユニット
11 変速機コントローラ
103 締結制御部
1030 変化率ベース加算部
1031 締結進行率設定部
1033 回転変化率偏差演算部
1034 第1加算部
1035 変化率フィードバック制御量演算部
1036 トルク演算部
1037 第2加算部
1041 回転数偏差演算部
1043 回転数フィードバック制御量演算部
1044 実タービン回転変化率演算部
1045 制御量加算部
R/B リバースブレーキ

Claims (3)

  1. 相対回転可能な一対の部材間に夫々設けられた摩擦板と、
    該摩擦板を押圧して締結状態にするピストンと、
    前記摩擦板と前記ピストンとの間に介在する皿バネ状のディッシュプレートと、
    前記ピストンに作用させる油圧を調圧する油圧制御手段と、
    前記摩擦板の締結の進行状態を判定する進行状態判定手段と、
    前記摩擦板の締結の進行状態が目標の進行状態となるように前記ピストンに作用させる油圧を少なくとも積分項を用いたフィードバック制御により算出するフィードバック制御手段と、
    前記フィードバック制御手段により算出された前記ピストンに作用させる油圧に、前記摩擦材の締結の進行状態が後半の領域よりも前半の領域の方が大きい所定の油圧を加算する加算手段と、
    を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記加算手段は、前記所定の油圧が締結の進行に応じて徐々に小さくなるように設定することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記摩擦板のトルク入力側部材の実回転数変化率を検出する回転数変化率検出手段を設け、
    前記所定の油圧は、前記摩擦板の締結の進行状態に応じて演算された前記トルク入力側部材の目標回転数変化率と前記実回転数変化率との偏差が大きいほど大きい第1の所定の油圧と、前記進行状態が進行するほど小さな第2の所定の油圧とを加算した油圧であることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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