JP4744774B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の演出制御手段によって遊技演出の制御が実行される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機では、様々な遊技演出が行われている。このような遊技演出としては、図柄表示装置の表示態様に基づく表示演出、電飾ランプの発光態様に基づく発光演出、スピーカの音声出力態様に基づく音声演出などが行われている。そして、これらの遊技演出は、メイン制御手段が遊技演出のベースとなる演出パターンを決定し、サブ制御手段(演出制御手段)が演出パターンに基づいて図柄表示装置、電飾ランプ、スピーカを各別に制御することにより行われている。具体的に言えば、メイン制御手段は、演出パターンを決定し、該演出パターンを指定する制御コマンドをサブ制御手段に出力している。そして、サブ制御手段では、入力した制御コマンドで指定された演出パターンに基づき、遊技演出の具体的な演出内容を決定し、制御を実行するようになっている。前記サブ制御手段としては、図柄表示装置の表示内容を制御する表示制御手段、電飾ランプの発光態様を制御するランプ制御手段、スピーカの音声出力態様を制御する音声制御手段などである。そして、パチンコ機で行われる遊技演出は、表示演出、発光演出、及び音声演出が同調し、表示演出に見合った発光演出や音声演出が行われていることが好ましい。
【0003】
このようなメイン制御手段とサブ制御手段によって遊技演出を行うことは、例えば、特許文献1に記載されている。そして、特許文献1では、遊技制御部が出力した制御コマンドに基づいて、表示制御手段が図柄表示装置上にキャラクタ画像を表示させ、該表示に連動して音声制御手段がキャラクタ画像の動作表示に対応した音声をスピーカから出力するようになっている。この特許文献1では、表示演出と音声演出が同調して行われている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−45518号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パチンコ機で行われる遊技演出においては、表示演出、発光演出、及び音声演出を同調させない方がより面白みのある遊技演出となる場合もある。例えば、音声演出として歌を流す場合には、表示演出や発光演出に関係なく、その歌が完結するまで流れていた方が面白い。そのため、パチンコ機で行われる全ての遊技演出において、表示演出、発光演出、及び音声演出を同調させることが必ずしも好ましい遊技演出のスタイルとは言い切れない。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、演出制御手段の制御による遊技演出を同調させることができる一方で、一部の演出制御手段の制御による遊技演出を他の演出制御手段の制御による遊技演出と独立させることもできる遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技演出を指示する制御信号を出力する演出指示手段と、前記演出指示手段が出力した制御信号を入力する毎に、前記制御信号で指示された遊技演出を実行させる複数の演出制御手段と、を備え、大当り状態中には前記演出制御手段の制御によって大当り状態用の遊技演出が実行される遊技機において、前記複数の演出制御手段には、表示演出装置の表示内容を制御して前記遊技演出としての表示演出を実行させる表示制御手段と、音声装置の音声出力を制御して前記遊技演出としての音声演出を実行させる音声制御手段と、を含み、前記大当り状態中には、開閉動作を行う大入賞口を予め定めた所定時間を上限として開放させるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として行われるとともに、前記大当り状態の開始によって最初にオープニング演出が行われ、前記オープニング演出の終了後に前記ラウンド遊技の開始によって当該ラウンド遊技が開始する毎にラウンド演出が行われ、最後のラウンド遊技の終了後にエンディング演出が行われるようになっており、前記演出指示手段は、前記オープニング演出を指示する制御信号、前記ラウンド演出を指示する制御信号、及び前記エンディング演出を指示する制御信号を、前記大当り状態用の遊技演出を指示する制御信号として少なくとも前記表示制御手段及び前記音声制御手段に出力可能に構成されており、前記大当り状態中において前記表示制御手段は、前記オープニング演出、前記ラウンド演出、及び前記エンディング演出を指示する制御信号を入力した場合、各制御信号に指示された演出用の表示演出を実行させ、前記大当り状態中において前記音声制御手段は、前記オープニング演出を指示する制御信号を入力した場合、前記オープニング演出を指示する制御信号で指示された前記大当り状態用の音声演出を実行させるとともに、前記音声演出を独立して実行させることを示す情報を設定し、前記ラウンド演出を指示する制御信号を入力した場合、前記情報が設定されていないときには前記ラウンド演出を指示する制御信号で指示された前記大当り状態用の音声演出を実行させるとともに前記情報を設定する一方で、前記情報が設定されているときには既に実行中の大当り状態用の音声演出を継続して実行させ、今回の大当り状態において前記情報を設定した後であって当該情報の設定が電源供給の遮断に伴ってリセットされているときには前記ラウンド演出を指示する制御信号で指示された前記大当り状態用の音声演出を実行させるとともに前記情報を再設定し、前記エンディング演出を指示する制御信号を入力した場合、前記情報が設定されていないときには前記エンディング演出を指示する制御信号で指示された前記大当り状態用の音声演出を実行させる一方で、前記情報が設定されているときには既に実行中の大当り状態用の音声演出を継続して実行させ、前記オープニング演出を指示する制御信号を入力することにより前記大当り状態用の音声演出を実行させ、当該音声演出を、前記エンディング演出が終了する迄の間、継続して実行させることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記オープニング演出を指示する制御信号で指示される前記大当り状態用の音声演出の演出内容には、複数の演出内容があり、前記音声制御手段は、前記オープニング演出を指示する制御信号を入力した場合、前記オープニング演出を指示する制御信号に応じて選択される演出内容により前記大当り状態用の音声演出を実行させることを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)に具体化した一実施形態を図1〜図6に基づき説明する。
【0012】
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の周囲前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、各種遊技の状態(図柄変動、大当り状態など)に応じて点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う電飾ランプ(発光装置)16が設けられている。外枠11の下部(パチンコ機10の下部)には、前記遊技の状態に応じて各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ(音声装置)17が配置されている。また、中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。
【0013】
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶画面からなる可視表示部Hを備えた図柄表示装置(表示演出装置)20が配設されている。この液晶式の図柄表示装置20では、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、図柄表示装置20では、表示演出に関連して、複数種類の図柄(識別情報)を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームにおいて3列の図柄による図柄組み合わせを導出し、該図柄組み合わせを構成する各列の図柄の種類を0〜9の10種類の数字と定めている。
【0014】
そして、遊技者は、図柄表示装置20(可視表示部H)において、最終的に停止(確定停止表示)した図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可視表示部Hに停止した全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111][222]など)から大当りを認識できる。以下、大当りを認識できる図柄組み合わせを「大当り組み合わせ」と示す。そして、大当り組み合わせで停止した場合、遊技者には、遊技者にとって有利となる大当り状態(特別遊技状態)が付与される。また、可視表示部Hにおいて停止した全列の図柄が異なる種類の場合又は1列の図柄がリーチを構成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][121]など)からはずれを認識できる。また、本実施形態のパチンコ機10は、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄変動が停止するようになっている。そして、図柄変動の停止によって導出された左図柄と右図柄が同一種類の場合にはリーチを認識できる。このリーチは、可視表示部Hにおいて、ゆれ変動状態(一旦停止表示)とされた左図柄と右図柄の図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は図柄変動中を示す)から認識できる。
【0015】
図柄表示装置20の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う普通電動役物21を備えた始動入賞口22が配設されている。始動入賞口22の奥方には、入賞した遊技球を検知する入賞検知センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口22は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件(図柄変動の開始条件)を付与し得る。
【0016】
また、始動入賞口22の下方には、アクチュエータAC(図3に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた大入賞口24が配設されている。前記アクチュエータACは、モータ、ソレノイドなどにより構成されている。前記大入賞口24は、図柄組み合わせゲームによって導出され、最終的に停止した図柄組み合わせが大当り組み合わせになったことに関連して大入賞口扉23が開閉動作し、開状態又は閉状態を取り得るようになっている。大入賞口24が開状態を取り得る場合には、大入賞口扉23が開放されて、遊技球の入賞が許容された状態となる。その一方で、大入賞口24が閉状態を取り得る場合には、大入賞口扉23が閉鎖されて、遊技球の入賞が許容されていない状態(入賞が阻止される状態)となる。そして、大当り状態が付与されると、大入賞口24の取り得る状態が開状態となり、遊技者は、多数の遊技球(賞球)が獲得できるチャンスを得ることができる。
【0017】
前記大入賞口24は、所定時間(例えば30秒間)が経過する間又は規定入賞個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口24に入賞する間、大入賞口扉23の開放によって開状態を取り得るようになっている。一方で、大入賞口24は、前記所定時間の経過後又は規定入賞個数の入賞後、大入賞口扉23の閉鎖によって閉状態を取り得るようになっている。この大入賞口24の開状態及び閉状態は、所定の継続条件の成立(1ラウンド中に特定入賞(V入賞)が有る)によって、予め定めた規定ラウンド数だけ繰り返し行われるようになっている。なお、「1ラウンド」は、大入賞口24の取り得る状態が閉状態から開状態に変換され、該開状態が再び閉状態に変換される迄である。そして、大入賞口24には、通常入賞口(図示しない)が配設されており、該通常入賞口の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントセンサSE2(図3に示す)が設けられている。また、大入賞口24には、特定入賞口(V入賞口)が配設されており、該特定入賞口の奥方には、入賞した遊技球を検知する特定通過カウントセンサSE3(図3に示す)が設けられている。前述した所定の継続条件は、特定入賞口に1個以上の遊技球が入賞することにより成立し、大入賞口24は、両入賞口に入賞した遊技球の合計個数が規定入賞個数に達すると閉状態を取り得るようになっている。
【0018】
本実施形態のパチンコ機10では、予め定めた規定ラウンド数を5ラウンドに設定している。そして、可視表示部Hに大当り組み合わせが停止すると、大当り状態が付与されて大当り状態中の遊技(図2に示す)が行われるようになっている。この大当り状態中の遊技は、最初にオープニング演出(以下、「オープニング」という)が行われ、該オープニングの終了後、大入賞口24が開状態を取り得ることにより1ラウンド(1R)目の遊技が開始する。この1ラウンド目の遊技において特定入賞口に遊技球が入賞すると、1ラウンド目の遊技終了に伴って閉状態となった大入賞口24が再び開状態となり、2ラウンド(2R)目の遊技が開始する。以下、同様に、所定の継続条件の成立によって、3ラウンド(3R)目の遊技→4ラウンド(4R)目の遊技→5ラウンド(5R)目の遊技の順に行われる。そして、5ラウンド目の遊技が終了すると、エンディング演出(以下、「エンディング」という)が行われ、該エンディングの終了後、大当り状態中に保留されていた図柄組み合わせゲームがあれば、該ゲームを開始する。このように本実施形態においては、オープニングの開始からエンディングの終了までの期間が、大当り状態中に行われる遊技となっている。なお、1ラウンド目〜4ラウンド目の遊技において、特定入賞口に遊技球が入賞しなかった場合には、該ラウンドの終了と共にエンディングが行われるようになっている。また、各ラウンドの遊技間には、大入賞口24が閉状態から開状態を取り得るまでの所定の時間(インターバル時間、通常2〜3秒程度)が設定されている(図2にはインターバル時間を図示していない)。
【0019】
一方、図3に示すように、パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御するメイン制御手段としての主制御基板(主制御部)25が装着されている。主制御基板25は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを演算処理するようになっている。そして、主制御基板25は、前記制御コマンドを制御信号(メイン制御信号)として出力するようになっている。また、機裏側には、図柄表示装置20で行われる表示演出の制御(表示制御)を実行する表示制御基板(表示制御部)26が装着されている。また、機裏側には、電飾ランプ16で行われる発光演出の制御(発光制御)を実行するランプ制御基板(発光制御部)27が装着されている。また、機裏側には、スピーカ17で行われる音声演出の制御(音声制御)を実行する音声制御手段としての音声制御基板(音声制御部)28が装着されている。本実施形態において表示制御基板26、ランプ制御基板27及び音声制御基板28は、遊技演出を実行する演出実行手段である図柄表示装置20、電飾ランプ16及びスピーカ17を制御する演出制御手段として機能する。また、各制御基板26〜28は、前述のように制御対象が各別に定められており、該制御対象を専門的に制御することから、メイン制御手段である主制御基板25に対してサブ制御手段となる。
【0020】
また、機裏側には、主制御基板25が出力した制御コマンドに基づいて、表示制御基板26、ランプ制御基板27及び音声制御基板28を統括的に制御する統括制御手段としての統括制御基板(統括制御部)29が装着されている。この統括制御基板29は、前記各制御基板26〜28を統括的に制御するために各種処理を実行し、該処理結果に応じて、所定の制御(遊技演出に関する制御など)を指示する各種の制御コマンドを演算処理するようになっている。そして、統括制御基板29は、前記制御コマンドを制御信号(サブ制御信号)として出力するようになっている。本実施形態では、主制御基板25と統括制御基板29によって、各制御基板26〜28に遊技演出の制御を指示する演出指示手段が構成されている。
【0021】
以下、主制御基板25、表示制御基板26、ランプ制御基板27、音声制御基板28及び統括制御基板29の具体的な構成を図3〜図5に基づき説明する。
前記各制御基板25〜29は、主制御基板25に対して統括制御基板29が接続され、該統括制御基板29に対して表示制御基板26、ランプ制御基板27及び音声制御基板28が各別に接続されている。そして、統括制御基板29は、主制御基板25から制御コマンドを入力し、表示制御基板26、ランプ制御基板27及び音声制御基板28は、統括制御基板29から制御コマンドを入力するようになっている。
【0022】
前記主制御基板25は、メインCPU25aを備えており、該メインCPU25aには、ROM25b及びRAM25cが接続されている。メインCPU25aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。ROM25bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラムや、複数種類の演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは、パチンコ機10で行われる遊技演出のベース(基礎又は基本)となるパターンを示すものであり、演出パターンによって遊技演出の種類が特定可能とされている。RAM25cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値、各センサSE1〜SE3からの入賞信号に基づき設定した情報など)が記憶(設定)されるようになっている。
【0023】
図4(a)には、ROM25bに記憶された大当り状態中に行われる遊技演出の演出パターンが例示されている。具体的には、オープニングで行われる遊技演出のベースとなるオープニング用の演出パターンPS、エンディングで行われる遊技演出のベースとなるエンディング用の演出パターンPEが記憶されている。また、各ラウンドで行われる遊技演出のベースとなるラウンド用の演出パターンP1(1ラウンド用),P2(2ラウンド用),P3(3ラウンド用),P4(4ラウンド用),P5(5ラウンド用)が記憶されている。
【0024】
従って、メインCPU25aは、前述した各種乱数の値及び各種センサSE1〜SE3からの入賞信号に基づき、各種の処理(大当り判定など)を実行し、該処理結果に応じた各種の制御コマンドを演算処理する。そして、メインCPU25aは、演出パターンを決定すると、所定のタイミングで、決定した演出パターンを指定すると共に遊技演出の開始を指示する制御コマンド(演出パターン指定コマンド)を統括制御基板29の統括CPU29aに出力する。また、メインCPU25aは、所定のタイミングで、大入賞口扉23の開作動を指示する制御信号(以下、「開信号」という)及び閉作動を指示する制御信号(以下、「閉信号」という)をアクチュエータACに出力する。
【0025】
次に、統括制御基板29について説明すると、該統括制御基板29は、統括CPU29aを備え、該統括CPU29aにはROM29b及びRAM29cが接続されている。統括CPU29aは、演出内容パターン振分乱数の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。ROM29bには、各制御基板26〜28を統括的に制御するための制御プログラムや複数種類の演出内容パターンが記憶されている。前記演出内容パターンは、前記演出パターンに対応付けられており、各制御基板26〜28の制御により行わせる遊技演出の具体的な演出内容を特定するためのものである。RAM29cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(演出内容パターン振分乱数の値、入力した制御コマンドに応じて設定した情報など)が記憶(設定)されるようになっている。
【0026】
図4(b)には、図4(a)で例示した大当り状態中に行われる遊技演出の演出パターンに対応付けられた演出内容パターンが例示されている。そして、ROM29bには、複数種類の演出内容パターンが、一つの演出パターンに対して複数振分けられた状態で記憶されている。前記オープニング用の演出パターンPSには演出内容パターンPS−a,PS−bが、エンディング用の演出パターンPEには演出内容パターンPE−a,PE−bが振分けられている。前記1ラウンド用の演出パターンP1には演出内容パターンP1−a,P1−bが、2ラウンド用の演出パターンP2には演出内容パターンP2−a,P2−bが、3ラウンド用の演出パターンP3には演出内容パターンP3−a,P3−bが振分けられている。前記4ラウンド用の演出パターンP4には演出内容パターンP4−a,P4−bが、5ラウンド用の演出パターンP5には演出内容パターンP5−a,P5−bが振分けられている。
【0027】
これらの演出内容パターンは、演出内容パターン振分乱数の値と予め対応付けられており、統括CPU29aが、RAM29cから読み出した演出内容パターン振分乱数の値に基づき、指定された演出パターンに対応する一つの演出内容パターンを決定する。例えば、オープニング用の演出パターンPSを指定する演出パターン指定コマンドを入力した場合、統括CPU29aは、演出パターンPSに振分けられた演出内容パターンPS−a,PS−bの中から一つの演出内容パターンを決定する。そして、統括CPU29aは、決定した演出内容パターンを指定する制御コマンド(演出内容パターン指定コマンド)を演算処理し、該演出内容パターン指定コマンドを各制御基板26〜28の各サブCPU26a〜28aに出力する。
【0028】
このように統括制御基板29は、各制御基板26〜28の制御により行わせる遊技演出の具体的な演出内容を特定するための演出内容パターンを決定し、該決定した演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを各制御基板26〜28に出力している。そのため、各制御基板26〜28は、統括制御基板29で決定した同一の演出内容パターンに基づき、夫々、遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)の制御を実行することになる。その結果、表示制御基板26の制御による図柄表示装置20の表示演出、ランプ制御基板27の制御による電飾ランプ16の発光演出及び音声制御基板28の制御によるスピーカ17の音声演出を同調させることができる。即ち、パチンコ機10で行われる遊技演出を同調させることができる。「遊技演出が同調する」とは、各々の遊技演出の演出内容が同じ調子となるように行われていることであり、例えば、「犬が走っている様子」を示す表示演出が行われている場合に、その表示演出に見合った(又は関連した)発光演出(激しく点滅など)や音声演出(犬が走っている時の音など)が行われることである。
【0029】
次に、表示制御基板26、ランプ制御基板27及び音声制御基板28について説明する。
前記表示制御基板26は、サブCPU26aを備えており、該サブCPU26aにはROM26b及びRAM26cが接続されている。ROM26bには、複数種類の表示演出用の演出実行データや、各種の画像情報(図柄の画像情報、各種背景画像、文字画像、登場キャラクタの画像など)が記憶されている。RAM26cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。前記表示演出用の演出実行データは、サブCPU26aが、図柄表示装置20(可視表示部H)の表示内容(図柄変動、キャラクタの動作、可視表示部Hの背景、表示される文字など)を制御するための情報である。そして、ROM26bには、一つの演出内容パターンに対して一つの表示演出用の演出実行データが対応付けられて記憶されている。図4(c)には、大当り状態中に行われる遊技演出の演出内容パターンに対応付けられた表示演出用の演出実行データが例示されている。
【0030】
従って、サブCPU26aは、演出内容パターン指定コマンドを入力すると、指定された演出内容パターンに対応する表示演出用の演出実行データをROM26bから読み出し、該演出実行データに基づき可視表示部Hの表示内容を制御する。この制御により、図柄表示装置20では、表示演出が行われる。
【0031】
前記ランプ制御基板27は、サブCPU27aを備えており、該サブCPU27aにはROM27b及びRAM27cが接続されている。ROM27bには、複数種類の発光演出用の演出実行データが記憶されている。RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。前記発光演出用の演出実行データは、サブCPU27aが、電飾ランプ16の発光態様(点灯タイミング、点灯時間など)を制御するための情報である。そして、ROM27bには、一つの演出内容パターンに対して一つの発光演出用の演出実行データが対応付けられて記憶されている。図4(c)には、大当り状態中に行われる遊技演出の演出内容パターンに対応付けられた発光演出用の演出実行データが例示されている。
【0032】
従って、サブCPU27aは、演出内容パターン指定コマンドを入力すると、指定された演出内容パターンに対応する発光演出用の演出実行データをROM27bから読み出し、該演出実行データに基づき電飾ランプ16の発光態様を制御する。この制御により、電飾ランプ16では、発光演出が行われる。
【0033】
前記音声制御基板28は、サブCPU28aを備えており、該サブCPU28aにはROM28b及びRAM28cが接続されている。ROM28bには、複数種類の音声演出用の演出実行データが記憶されている。RAM28cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。前記音声演出用の演出実行データは、サブCPU28aが、スピーカ17の音声出力態様(効果音の種類、音声出力時間など)を制御するための情報である。そして、ROM28bには、一つの演出内容パターンに対して一つの音声演出用の演出実行データが対応付けられて記憶されている。図4(c)には、大当り状態中に行われる遊技演出の演出内容パターンに対応付けられた音声演出用の演出実行データが例示されている。本実施形態における各演出実行データには、所定の歌(曲)を出力するための情報が示されており、選択された演出実行データに応じて複数種類(本実施形態では2種類)の異なる歌が出力可能とされている。より詳しくは、演出実行データDP1−a,DP2−a,DP3−a,DP4−a,DP5−aに示された情報を同一内容とし、これらの演出実行データには1曲目の歌を出力するための情報が示されている。また、演出実行データDP1−b,DP2−b,DP3−b,DP4−b,DP5−bに示された情報を同一内容とし、これらの演出実行データには1曲目の歌とは異なる2曲目の歌を出力するための情報が示されている。そのため、何れの分類(1曲目か、2曲目か)に属する演出実行データが選択されたかに応じて異なる曲が出力されるようになっている。
【0034】
従って、サブCPU28aは、演出内容パターン指定コマンドを入力すると、指定された演出内容パターンに対応する音声演出用の演出実行データをROM28bから読み出し、該演出実行データに基づきスピーカ17の音声出力態様を制御する。この制御により、スピーカ17では、音声演出が行われる。
【0035】
そして、本実施形態のパチンコ機10は、遊技演出をなす複数の形態の演出(表示演出、発光演出、音声演出)を同調させて行わせる場合と、前記複数の形態の演出の一部を他の形態の遊技演出と独立させて行う、即ち、非同調状態で行わせる場合ができるように構成されている。より詳しくは、所定の条件下で、音声制御基板28の制御による音声演出を、表示制御基板26の制御による表示演出及びランプ制御基板27の制御による発光演出と独立させて行わせるように構成されている。
【0036】
以下、音声演出のみを独立させて行わせるための構成について説明する。
本実施形態では、大当り状態中において、1ラウンド目の遊技が開始してから最終ラウンドの遊技(エンディングが行われる直前のラウンドの遊技)が終了する迄の間(所定の期間)、音声演出を独立させて行わせるようになっている。そして、音声制御基板28のサブCPU28aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンの内容を判定し、該内容に応じて、指定された演出内容パターンに基づく音声演出を実行するか否かを判定するようになっている。前記サブCPU28aは、前記判定によって音声演出を実行すると決定した場合、従前に行っている音声演出の制御を終了し、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンに基づき、新たな音声演出の制御を実行する。その一方で、サブCPU28aは、前記判定によって音声演出を実行しないと決定した場合、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンを無視して実行中の音声演出の制御を継続実行する。このとき、表示制御基板26のサブCPU26aとランプ制御基板27のサブCPU27aは、指定された演出内容パターンに基づき、新たな遊技演出(表示演出、発光演出)の制御を実行する。その結果、音声演出が表示演出及び発光演出と独立する。
【0037】
図5には、演出内容パターン指定コマンドを入力した音声制御基板28のサブCPU28aが実行する処理が示されている。
前記サブCPU28aは、入力した演出内容パターン指定コマンドにおいて、ラウンド用の演出内容パターンP1−a,P1−b,P2−a,P2−b,P3−a,P3−b,P4−a,P4−b,P5−a,P5−bが指定されたか否かを判定する(ステップS10)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU28aは、音声用(音声演出用)の制御フラグに「0」が設定されているか否かを判定する(ステップS11)。この音声用の制御フラグは、指定されたラウンド用の演出内容パターンに基づき、ラウンド用の音声演出を実行するか(「0」)否か(「1」)を示している。前記音声用の制御フラグは、RAM28cに定められた所定の設定領域に設定されている。この制御フラグは、初期状態では「0」に設定されている。
【0038】
前記ステップS11の判定結果が肯定(制御フラグに「0」が設定)の場合、サブCPU28aは、指定されたラウンド用の演出内容パターンに対応する演出実行データをROM28bから読み出す(ステップS12)。続いて、サブCPU28aは、読み出した演出実行データに基づき音声演出の制御を実行する(ステップS13)。このステップS13において、スピーカ17の音声出力態様が制御され、スピーカ17では、ラウンド用の音声演出が開始する。そして、サブCPU28aは、音声用の制御フラグをセット、即ち、「0」→「1」に設定し(ステップS14)、処理を終了する。前記ステップS14において音声用の制御フラグに「1」が設定されると、音声演出を独立させて行わせる状態を開始するための開始条件が成立する。この開始条件は、ラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを最初に入力した際に成立する。
【0039】
そして、サブCPU28aは、前記ステップS11の判定結果が否定(制御フラグが「1」に設定)の場合、指定されたラウンド用の演出内容パターンに対応する演出実行データをROM28bから読み出すことなく、処理を終了する。即ち、音声用の制御フラグに「1」が設定された以降(前述の開始条件の成立以降)に、ラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを入力した場合、該コマンドで指定された演出内容パターンに基づく音声演出を実行しない。
【0040】
次に、前記ステップS10の判定結果が否定の場合、サブCPU28aは、入力した演出内容パターン指定コマンドにおいて、エンディング用の演出内容パターンPE−a,PE−bが指定されたか否かを判定する(ステップS15)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU28aは、指定されたエンディング用の演出内容パターンに対応する演出実行データをROM28bから読み出す(ステップS16)。続いて、サブCPU28aは、読み出した演出実行データに基づき音声演出の制御を実行する(ステップS17)。このステップS17において、スピーカ17の音声出力態様が制御され、スピーカ17では、エンディング用の音声演出が開始する。そして、サブCPU28aは、音声用の制御フラグをリセット、即ち、「1」→「0」に設定し(ステップS18)、処理を終了する。前記ステップS18において音声用の制御フラグに「0」が設定されると、音声演出を独立させて行わせる状態を終了するための終了条件が成立する。即ち、サブCPU28aは、最初に入力したラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドに基づく継続実行中の音声演出の制御を終了し、エンディング用の音声演出が行われるように制御を開始する。
【0041】
次に、前記ステップS15の判定結果が否定の場合、サブCPU28aは、入力した制御コマンド(演出内容パターン指定コマンドなど)に応じた制御を実行する(ステップS19)。例えば、サブCPU28aは、オープニング用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを入力した場合、指定されたオープニング用の演出内容パターンに対応する演出実行データをROM28bから読み出す。そして、サブCPU28aは、読み出した演出実行データに基づき音声演出の制御を実行する。この場合、スピーカ17の音声出力態様が制御され、スピーカ17では、オープニング用の音声演出が開始する。
【0042】
このように音声制御基板28のサブCPU28aは、図5の処理によって、ラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドの入力を契機に指定された演出内容パターンに基づき音声演出を実行するか否かを判定している。そして、サブCPU28aは、開始条件が満たされている間(終了条件が成立する迄の間)、新たにラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを入力しても、該コマンドで指定された演出内容パターンに基づく音声演出を実行しない。即ち、サブCPU28aは、従前に入力したラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドに基づきラウンド用の音声演出の制御を既に実行しているため、該音声演出の制御を継続実行する。その一方で、表示制御基板26のサブCPU26a及びランプ制御基板27のサブCPU27aは、音声制御基板28のサブCPU28aにおける前記開始条件が満たされている間でも、新たな演出内容パターン指定コマンドを入力すると、従前に行っている遊技演出(表示演出、発光演出)の制御を終了する。そして、前記サブCPU26a,27aは、新たな演出内容パターン指定コマンドに基づき、新たな遊技演出(表示演出、発光演出)の制御を開始する。従って、音声制御基板28のサブCPU28aの処理により、前記開始条件が満たされている間、音声演出を、表示演出及び発光演出と独立させて行わせることが可能となる。
【0043】
また、どのラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを入力しても、サブCPU28aでは、前記開始条件が成立する。そのため、ラウンドの遊技中に停電が生じ、その後、復電されて停電直前に行われていたラウンドの遊技から再開されると、音声演出を独立させて行うための開始条件が成立し、停電前と同様に音声演出が独立して行われる状態が復帰する。即ち、バックアップ機能を搭載している主制御基板25のメインCPU25aは、復電に伴って停電前に行われていた大当り遊技(停電直前に行われていたラウンドの遊技)から再開させ、次のラウンドの遊技に移行させる際にラウンド用の演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを出力する。一方で、統括制御基板29及び各制御基板26〜28にはバックアップ機能が搭載されていないため、各RAM26c〜29cの記憶内容(前記制御フラグなど)は停電に伴って消去(リセット)されている。従って、統括CPU29aは、復電後に入力した演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンに応じて演出内容パターンを決定し、該演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを各サブCPU26a〜28aに出力する。そして、音声制御基板28のサブCPU28aでは、メインCPU25aが復電後最初に出力した演出パターンに対応するラウンド用の演出内容パターンを入力することにより、図5に示すステップS10〜S14の処理によって、音声演出を独立させて行うための開始条件が成立する。
【0044】
本実施形態では、音声制御基板28のサブCPU28aが、信号判定手段及び演出実行判定手段として機能する。そして、ラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドが、遊技演出(音声演出)の開始を指示する開始信号としてサブCPU28aに入力される。また、エンディング用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドが、継続実行中の遊技演出(音声演出)の終了を指示する終了信号としてサブCPU28aに入力される。また、前記演出実行判定手段となるサブCPU28aは、従前に入力した開始信号(演出内容パターン指定コマンド)に基づき、所定の遊技演出(ラウンド用の音声演出)を既に実行している場合、新たに入力した開始信号(演出内容パターン指定コマンド)に基づく遊技演出(音声演出)を実行しないと判定する。
【0045】
次に、このように構成されたパチンコ機10において、遊技演出が行われる態様を図6に基づき説明する。なお、以下の説明において、既に説明した同一の制御内容についてはその重複する説明を省略又は簡略する。
【0046】
前記主制御基板25のメインCPU25aは、入賞検知センサSE1からの入賞信号を入力すると、大当り判定用乱数の値をRAM25cから読み出し、該読み出した値をRAM25cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM25cに格納されている前記大当り判定用乱数の値とROM25bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当り判定を行う。前記大当り判定によって大当りを決定すると、メインCPU25aは、図柄表示装置20(可視表示部H)に最終的に停止させる停止図柄を、全列が同一種類となるように決定すると共に、ROM25bに記憶されている大当り演出用の演出パターン(図4(a)には図示しない)を決定する。そして、メインCPU25aは、決定した大当り演出用の演出パターンを指定する演出パターン指定コマンド及び決定した図柄を指定する図柄指定コマンドを、統括制御基板29の統括CPU29aに出力する。前記大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、大当り組み合わせで停止するように展開される演出である。
【0047】
前記大当り演出用の演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを入力した統括CPU29aは、指定された演出パターンに対応する一つの演出内容パターンを決定する。そして、統括CPU29aは、決定した演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを、表示制御基板26のサブCPU26a、ランプ制御基板27のサブCPU27a及び音声制御基板28のサブCPU28aに出力する。また、統括CPU29aは、入力した図柄指定コマンドを、表示制御基板26のサブCPU26aに出力する。
【0048】
前記表示制御基板26のサブCPU26a及びランプ制御基板27のサブCPU27aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンに対応する演出実行データ(図4(c)には図示しない)を読み出し、遊技演出(表示演出、発光演出)の制御を実行する。一方、音声制御基板28のサブCPU28aは、各ラウンド用あるいはエンディング用の演出内容パターンではないことから、図5に示すステップS10,S15の判定結果が否定となり、ステップS19の処理を実行する。即ち、サブCPU28aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンに対応する演出実行データ(図4(c)には図示しない)を読み出し、音声演出の制御を実行する。その結果、図柄表示装置20の表示演出、電飾ランプ16の発光演出及びスピーカ17の音声演出は、同一の演出内容パターンに対応付けられた演出実行データに基づき、互いの遊技演出が同調し合うように行われる。この遊技演出により、可視表示部Hでは、図柄組み合わせゲームが開始し、所定時間の経過後、大当り組み合わせ(図6では[777])が表示される。この表示された大当り組み合わせが確定すると、遊技者には、大当り状態が付与される。
【0049】
そして、メインCPU25aは、大当り状態中の遊技に移行するために、最初に、オープニング用の演出パターンPSを指定する演出パターン指定コマンドを統括CPU29aに出力する。前記統括CPU29aは、指定された演出パターンPSに対応する一つの演出内容パターンを決定する(演出内容パターンPS−aを決定したとする)。そして、統括CPU29aは、演出内容パターンPS−aを指定する演出内容パターン指定コマンドを各サブCPU26a〜28aに出力する。
【0050】
前記表示制御基板26のサブCPU26a及びランプ制御基板27のサブCPU27aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンPS−aに対応する演出実行データDPS−aを読み出し、遊技演出(表示演出、発光演出)の制御を実行する。一方、音声制御基板28のサブCPU28aは、オープニング用の演出内容パターンであることから、図5に示すステップS10,S15の判定結果が否定となり、ステップS19の処理を実行する。即ち、サブCPU28aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンPS−aに対応する演出実行データDPS−aを読み出し、音声演出の制御を実行する。その結果、オープニングにおける図柄表示装置20の表示演出(「大当り」の表示)、電飾ランプ16の発光演出(「大当り」に対応した発光)及びスピーカ17の音声演出(「大当り」の音声出力)が開始する。このオープニングの開始時には、ラウンドの遊技がまだ開始されていないため、音声制御基板28に設定された音声用の制御フラグが初期状態の「0」のままとなっており、各サブCPU26a〜28aは、同一の演出内容パターンに基づきオープニングの遊技演出の制御を実行する。
【0051】
次に、メインCPU25aは、オープニングの遊技演出が終了するタイミングで1ラウンド用の演出パターンP1を指定する演出パターン指定コマンドを統括CPU29aに出力する。前記統括CPU29aは、指定された演出パターンP1に対応する一つの演出内容パターンを決定する(演出内容パターンP1−aを決定したとする)。そして、統括CPU29aは、演出内容パターンP1−aを指定する演出内容パターン指定コマンドを各サブCPU26a〜28aに出力する。
【0052】
前記表示制御基板26のサブCPU26a及びランプ制御基板27のサブCPU27aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンP1−aに対応する演出実行データDP1−aを読み出し、遊技演出(表示演出、発光演出)の制御を実行する。一方、音声制御基板28のサブCPU28aは、図5に示すステップS10の判定結果が肯定となり、ステップS11の処理を実行する。このとき、音声用の制御フラグは、従前にラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを入力していないため初期状態の「0」のままとなっている。そのため、サブCPU28aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンP1−aに対応する演出実行データDP1−aを読み出し(ステップS12)、音声演出の制御を実行する(ステップS13)。その結果、1ラウンド目の遊技における図柄表示装置20の表示演出(「1R」の表示)、電飾ランプ16の発光演出(「1R」に対応した発光)及びスピーカ17の音声演出(歌が流れる)が開始する。この1ラウンド目の遊技の開始時、各サブCPU26a〜28aは、同一の演出内容パターン指定コマンドに基づき1ラウンド目の遊技演出の制御を実行する。一方で、サブCPU28aは、1ラウンド用の演出内容パターンP1−aを指定する演出内容パターン指定コマンドの入力により、ステップS14で音声用の制御コマンドに「1」を設定する。この状態において、前述の開始条件が成立したことになる。そのため、サブCPU28a(音声制御基板28)は、1ラウンド目の遊技演出(所定の遊技演出)を開始したため、以降、終了条件が成立する迄の間、音声演出を表示演出及び発光演出とは独立させるように制御を実行する。従って、音声演出は、各ラウンドの遊技間に設定されたインターバル時間も含めて独立して行われる。
【0053】
また、メインCPU25aは、1ラウンド目の遊技が開始するタイミングで、開信号をアクチュエータACに出力し、大入賞口24の取り得る状態が閉状態から開状態に変換される。そして、メインCPU25aは、1ラウンド目の遊技中、カウントセンサSE2及び特定通過カウントセンサSE3からの入賞信号に基づいて、継続条件が成立したか否かの判定(継続判定)及び規定入賞個数の遊技球が入賞したか否かの判定(入賞判定)を行う。前記入賞判定の判定結果が肯定の場合(規定入賞個数に到達)又は所定時間が経過した場合、メインCPU25aは、閉信号をアクチュエータACに出力し、大入賞口24の取り得る状態が開状態から閉状態に変換されると共に、1ラウンド目の遊技が終了する。
【0054】
そして、1ラウンド目の遊技中に行われた継続判定の判定結果が肯定(V入賞有り)の場合、メインCPU25aは、2ラウンド用の演出パターンP2を指定する演出パターン指定コマンドを統括CPU29aに出力する。また、メインCPU25aは、開信号をアクチュエータACに出力する。前記統括CPU29aは、指定された演出パターンP2に対応する一つの演出内容パターンを決定する(演出内容パターンP2−aを決定したとする)。そして、統括CPU29aは、演出内容パターンP2−aを指定する演出内容パターン指定コマンドを各サブCPU26a〜28aに出力する。
【0055】
前記表示制御基板26のサブCPU26a及びランプ制御基板27のサブCPU27aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンP2−aに対応する演出実行データDP2−aを読み出し、遊技演出(表示演出、発光演出)の制御を実行する。その結果、2ラウンド目の遊技における図柄表示装置20の表示演出(「2R」の表示)及び電飾ランプ16の発光演出(「2R」に対応した発光)が開始する。一方、音声制御基板28のサブCPU28aは、図5に示すステップS10の判定結果が肯定となり、ステップS11の処理を実行する。このとき、音声用の制御フラグは、1ラウンド用の演出内容パターンP1−aを指定する演出内容パターン指定コマンドの入力により、既に「1」に設定されている。そのため、サブCPU28aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンP2−aに対応する演出実行データDP2−aを読み出すことなく、図5の処理を終了する。即ち、サブCPU28aは、音声演出を独立して行わせるための開始条件が既に成立していることから、実行中の演出実行データDP1−aに基づく制御を継続実行し、1ラウンド目の遊技の開始時から行っている音声演出(歌が流れる)を継続する。
【0056】
以下、前述同様に、メインCPU25aは、各ラウンドの遊技中に行う継続判定及び入賞判定の判定結果に応じて開信号又は閉信号をアクチュエータACに出力する。また、メインCPU25aは、継続判定の判定結果に応じて、統括CPU29aに対して、演出パターンP3→演出パターンP4→演出パターンP5を指定する演出パターン指定コマンドを順に出力する。前記統括CPU29aは、演出パターンP3,P4,P5を指定する演出パターン指定コマンドを入力する毎に、指定された演出パターンに対応する一つ演出内容パターンを決定し、演出内容パターン指定コマンドを各サブCPU26a〜28aに出力する。そして、音声制御基板28のサブCPU28aは、ラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを入力している間は、図5に示すステップS10の判定結果が肯定となり、ステップS11の処理を実行する。何れの場合も音声用の制御フラグは「1」に設定されているため、サブCPU28aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンに対応する演出実行データを読み出すことなく、図5の処理を終了する。その結果、継続条件が成立している場合において、音声演出は、5ラウンド目の遊技が終了する迄の間、表示演出及び発光演出とは独立して行われる。即ち、1ラウンド目の遊技の開始時から1曲の歌が継続して出力されることになる。
【0057】
そして、メインCPU25aは、最終ラウンド(5ラウンド目)の遊技演出が終了するタイミングでエンディング用の演出パターンPEを指定する演出パターン指定コマンドを統括CPU29aに出力する。前記統括CPU29aは、指定された演出パターンPEに対応する一つの演出内容パターンを決定する(演出内容パターンPE−aを決定したとする)。そして、統括CPU29aは、演出内容パターンPE−aを指定する演出内容パターン指定コマンドを各サブCPU26a〜28aに出力する。
【0058】
前記表示制御基板26のサブCPU26a及びランプ制御基板27のサブCPU27aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンPE−aに対応する演出実行データDPE−aを読み出し、遊技演出(表示演出、発光演出)の制御を実行する。一方、音声制御基板28のサブCPU28aは、エンディング用の演出内容パターンであることから、図5に示すステップS10の判定結果が否定となり、ステップS15の処理を実行する。このステップS15の判定結果が肯定となるため、サブCPU28aは、入力した演出内容パターン指定コマンドで指定された演出内容パターンPE−aに対応する演出実行データDPE−aを読み出し(ステップS16)、音声演出の制御を実行する(ステップS17)。その結果、エンディングにおける図柄表示装置20の表示演出(「またね」の表示)、電飾ランプ16の発光演出(「またね」に対応した発光)及びスピーカ17の音声演出(「またね」の音声)が開始する。このエンディングの開始時には、ラウンドの遊技が既に終了しているため、各サブCPU26a〜28aは、同一の演出内容パターンに基づきエンディングの遊技演出の制御を実行する。即ち、サブCPU28aは、エンディング用の演出内容パターンPE−aを指定する演出内容パターン指定コマンドの入力により、ステップS18で音声用の制御コマンドに「0」を設定する。この状態において、前述の終了条件が成立したことになる。そのため、音声制御基板28のサブCPU28aは、継続実行中の演出実行データDP1−aに基づく制御を終了し、演出実行データDPE−aに基づく制御を新たに開始する。
【0059】
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)音声制御基板28は、演出内容パターン指定コマンドを入力すると、指定された演出内容パターンの内容を判定し、該内容に応じて、指定された演出内容パターンに基づく音声演出を実行するか否かを判定するように構成した。そのため、音声制御基板28が音声演出を実行すると決定した場合、各制御基板26〜28は、互いに関連付けられた演出実行データに基づき夫々の遊技演出を行うことができる。従って、この場合には、各制御基板26〜28の制御による遊技演出を同調させることができる。その一方で、音声制御基板28が音声演出を実行しないと決定した場合、一部の制御基板(実施形態では音声制御基板28)の制御による遊技演出を、他の制御基板(実施形態では表示制御基板26とランプ制御基板27)の制御による遊技演出と独立させることができる。
【0060】
(2)音声演出を実行するか否かを音声制御基板28が判定するようにした。そのため、主制御基板25及び統括制御基板29の負荷の軽減に貢献することができる。
【0061】
(3)音声制御基板28は、開始条件が満たされている間、新たにラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを入力しても、該演出内容パターンに基づく音声演出を実行せず、実行中の音声演出の制御を継続するようにした。そのため、開始条件が満たされている間、音声演出を、表示演出及び発光演出と独立させて行うことができる。
【0062】
(4)音声制御基板28は、大当り状態中、1ラウンド目の遊技が開始した後、最終のラウンドの遊技が終了する迄の間、新たにラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを入力しても、該演出内容パターンに基づく音声演出を実行せず、実行中の音声演出の制御を継続するようにした。そのため、1ラウンド目の遊技が開始した後、最終のラウンドの遊技が終了する迄の間、音声演出を、表示演出及び発光演出と独立させて行うことができる。また、大当り状態中は、ラウンド毎に遊技がインターバルを介して一旦区切られるものの、実質的には一つの遊技であり、この大当り状態中に遊技演出(実施形態では音声演出)を独立させ、かつ、所定の演出内容を継続して行うことで、大当り状態が継続していることを遊技者に対して印象付けることができる。特に、音声演出を独立させることにより、可視表示部Hにラウンドの情報(何ラウンド目かなど)を表示しつつ、大当り状態が継続していることを遊技者に聴覚を通じて認識させることができる。
【0063】
(5)音声演出を独立させる際、開始条件が満たされている間(1ラウンド目の遊技が開始した後、最終のラウンドの遊技が終了する迄の間)、所定の歌を継続して出力するようにした。そのため、所定の歌が途切れることなく、1曲が連続して出力され、面白みのある遊技演出(音声演出)を実現することができる。
【0064】
(6)音声制御基板28は、ラウンド用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを入力する毎に前記開始条件が成立するようにした。そのため、ラウンドの遊技中に停電が生じても該ラウンドの遊技の再開に伴って、音声演出を独立させて行うための開始条件が成立する。従って、停電前と同様に音声演出を独立させて行うことができる。また、音声制御基板28がこのような処理を行うことで、停電時にRAM28cの記憶内容を保持するバックアップ機能を搭載する必要がなく、パチンコ機10の制御を簡素化することができる。また、統括制御基板29や各制御基板26〜28にバックアップ機能を搭載することによるコスト高、及び基板の大型化を抑制できる。
【0065】
(7)主制御基板25が遊技演出のベースとなる演出パターンを、統括制御基板29が遊技演出の具体的な演出内容を特定するための演出内容パターンを決定している。そのため、膨大な情報量からなる遊技演出の制御を主制御基板25と統括制御基板29により、分担して行うことができる。この分担により、各制御基板25〜29の負荷を分散し、一つの制御基板への負荷集中を抑制できる。特に、主制御基板25に対して過度の負担を強いることを抑制することができる。
【0066】
(8)統括制御基板29は、一つの演出パターンに対して複数振分けられた演出内容パターンの中から一つの演出内容パターンを決定している。そして、統括制御基板29は、決定した演出内容パターンを示す演出内容パターン指定コマンドを各制御基板26〜28に出力している。そのため、各制御基板26〜28は、統括制御基板29が決定した同一の演出内容パターンに対応付けられた演出実行データに基づき、夫々、遊技演出の制御を実行することができる。従って、各制御基板26〜28の各制御により行われる遊技演出を確実に同調させることができる。
【0067】
(9)また、統括制御基板29を設けることにより、遊技演出を多様化させる場合であっても、主制御基板25が管理する(ROM25bに記憶する)演出パターンの数を増加させることなく、遊技演出の種類を多様化することができる。即ち、一つの演出パターンに対して複数の演出内容パターンを振分けることで、遊技演出を多様化できる。また、主制御基板25が管理する演出パターンの数を最小限にすることができるため、遊技演出の制御が複雑化することを抑制し、主制御基板25に過度の負担を強いることを抑制できる。
【0068】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、統括制御基板29を、表示制御基板26、ランプ制御基板27及び音声制御基板28のうち一つ又は二つの制御基板と兼用構成にしても良い。例えば、音声制御基板28が、前記実施形態で説明した統括制御基板29の役割を担い、主制御基板25が出力した制御コマンドに基づいて各制御基板26〜28を統括的に制御しても良い。このとき、CPU、ROM及びRAMを別々に設けても良いし、兼用しても良い。この場合、音声制御基板28は、演出制御手段になると共に、統括制御手段にもなる。
【0069】
・前記実施形態では、表示制御基板26、ランプ制御基板27、音声制御基板28及び統括制御基板29を別基板構成としているが、これらの制御基板26〜29を任意に組み合わせて単一の基板で構成しても良い。例えば、制御基板26〜28を単一の基板で構成しても良い。このとき、CPU、ROM及びRAMを、音声制御用と統括制御用とに分けて別々に設けても良いし、兼用しても良い。このように構成された単一の基板は、表示制御、ランプ制御、及び音声制御の複数の制御を実行可能であり、複数の演出制御手段を構成する。
【0070】
・前記実施形態では、主制御基板25と統括制御基板29を別基板構成としているが、単一の基板で構成しても良い。なお、単一の基板で構成する場合には、メインCPU25a、ROM25b、RAM25c、統括CPU29a、ROM29b、及びRAM29cを夫々設ける。
【0071】
・前記実施形態において、統括制御基板29を省略し、各制御基板26〜28が主制御基板25から直接制御コマンド(演出パターン指定コマンドなど)を入力して各種の処理を実行するようにしても良い。即ち、音声制御基板28のサブCPU28aは、図5に示す処理を、入力した演出パターン指定コマンドの内容に応じて実行する。また、各制御基板26〜28の各ROM26b〜28bには、演出パターンに対応付けられた演出実行データが記憶される。この場合、主制御基板25のみによって演出指示手段が構成される。
【0072】
・前記実施形態において、大当り状態中、音声演出を独立させて行わせる期間は任意に変更しても良い。例えば、オープニングの遊技が開始してからエンディングの遊技が終了するまでの間、音声演出を独立させて行わせるようにしても良い。この場合、オープニング用の演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドが開始信号としてサブCPU28aに入力され、該サブCPU28aは、音声用の制御フラグに「1」を設定するように構成する。
【0073】
・前記実施形態では、大当り状態中に音声演出を独立させて行わせるようにしているが、他の場合に音声演出を独立させて行わせるようにしても良い。例えば、デモ表示コマンドなどの特定の制御コマンドを入力した場合、所定時間の間、音声演出を独立させて行わせるようにしても良い。この場合、所定時間が経過する迄の間、音声演出を独立させて行わせる条件が満たされていることになる。
【0074】
・前記実施形態では、図柄表示装置20、電飾ランプ16及びスピーカ17で遊技演出が行われているが、遊技演出を行う装置(演出実行手段)は任意に変更しても良い。例えば、発射装置19内に設けられて振動による遊技演出を行う振動装置、遊技盤13に設けられて可動体の動作による遊技演出を行う可動装置、又は上球皿15内に設けられて香気の発生による遊技演出を行う香気発生装置を加えても良い。
【0075】
・前記実施形態では、音声演出を独立させて行わせるようにしているが、他の遊技演出を独立させて行わせるようにしても良い。例えば、表示演出を、発光演出及び音声演出と独立させて行わせるようにしても良い。この場合、図5に示す処理を、表示制御基板26のサブCPU26aが実行するようにすれば良く、サブCPU26aが、信号判定手段及び演出実行判定手段となる。また、前述した振動装置、可動装置又は香気発生装置が設けられている場合、これらの装置による遊技演出を独立させて行うようにしても良い。即ち、独立させて行わせる遊技演出の種類は任意に変更しても良い。そして、独立させて行わせる遊技演出の制御を実行する制御基板(制御部)に信号判定手段及び演出実行判定手段を設ければよい。また、前記実施形態のように表示制御基板26、ランプ制御基板27及び音声制御基板28が遊技演出の制御を行う場合、各制御基板26〜28のサブCPU26a〜28aを信号判定手段及び演出実行判定手段として機能させても良い。
【0076】
・前記実施形態において、音声制御基板28のROM28bに記憶された全てのラウンド用の演出実行データに示された情報を同一内容としても良い。即ち、何れの演出実行データが選択されても同一の歌が流れるようにしても良く、この場合、1曲の歌が流れることになる。また、全てのラウンド用の演出実行データに示された情報を異なる内容にしても良い。即ち、何れの演出実行データが選択されたかに応じて異なる歌が流れるようにしても良く、前記実施形態では10の演出実行データ(ラウンド用)が記憶されていることから10曲の歌の中から1曲の歌が選択されて流れることになる。
【0077】
・前記実施形態において、大当り状態中に行う遊技演出の演出パターンは、任意に変更しても良い。例えば、規定ラウンド数が15ラウンドに設定されている場合には、1ラウンド用〜15ラウンド用の遊技演出の演出パターンが記憶されていても良い。また、オープニング用やエンディング用の演出パターンを省略しても良い。なお、エンディング用の演出パターンを省略する場合、音声制御基板28のサブCPU28aは、大当り状態の終了を示すコマンド(制御信号)の入力を契機に音声用の制御フラグを「1」→「0」に設定する。例えば、このようなコマンドとしては、大当り状態の終了後、最初に行われる図柄組み合わせゲームの開始を指示するコマンドや遊技の状態を示すコマンドなどであり、これらのコマンドが終了信号としてサブCPU28aに入力される。
【0078】
・前記実施形態において、演出パターンに対して振分ける演出内容パターンを単数としても良い。また、演出パターンの種類に応じて振分ける演出内容パターンを単数若しくは複数としても良い。また、一つの演出パターンに対して複数種類の演出内容パターンを振分ける場合、2種類、3種類、4種類など、その振分け数は任意に変更しても良い。
【0079】
・前記実施形態では、図柄表示装置20が液晶式で構成されているが、図柄表示装置20の種類は任意に変更しても良い。例えば、CRT(ブラウン管)式、プラズマディスプレイ式、ドットマトリクス式、7セグメントLED式、機械式(ドラム式又はベルト式)の図柄表示装置でも良い。また、これらの図柄表示装置に表示可能な図柄の種類、図柄数、及び図柄組み合わせを構成する列数は任意に変更しても良い。また、図柄表示装置に導出させる図柄の順番は、任意に変更しても良い。
【0080】
次に、前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記複数のサブ制御手段のうち一つのサブ制御手段は、音声演出を制御する音声制御手段であり、該音声制御手段には、前記信号判定手段と演出実行判定手段が設けられており、前記音声制御手段は、前記演出実行判定手段が新たに入力した開始信号に基づく遊技演出を実行しないと判定した場合、実行中の音声演出の制御を継続実行するように構成されている。
【0081】
(ロ)遊技機全体を制御するメイン制御手段と、該メイン制御手段が出力するメイン制御信号に基づいて複数のサブ制御手段を統括的に制御する統括制御手段と、該統括制御手段が出力するサブ制御信号に基づいて遊技演出の制御を実行する複数のサブ制御手段とを備えた遊技機において、前記複数のサブ制御手段のうち少なくとも一つのサブ制御手段には、入力したサブ制御信号の内容を判定する信号判定手段と、該信号判定手段により遊技演出の開始を指示する開始信号であると判定された場合に該開始信号に基づき遊技演出を実行するか否かを判定する演出実行判定手段を設け、前記演出実行判定手段が遊技演出を実行しないと判定したサブ制御手段については前記開始信号に基づく遊技演出の制御を実行しない一方で、他のサブ制御手段については前記開始信号に基づく遊技演出の制御を実行するように構成されている。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、演出制御手段の制御による遊技演出を同調させることができる一方で、一部の演出制御手段の制御による遊技演出を他の演出制御手段の制御による遊技演出と独立させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】 本実施形態における大当り状態中の遊技を説明する説明図。
【図3】 主制御基板、統括制御基板、表示制御基板、ランプ制御基板、及び音声制御基板の具体的な構成を説明するブロック図。
【図4】 (a)は主制御基板に記憶された演出パターンを説明する説明図、(b)は統括制御基板に記憶された演出内容パターンを説明する説明図、(c)は表示制御基板、ランプ制御基板、及び音声制御基板に記憶された演出実行データを説明する説明図。
【図5】 音声制御基板が実行する処理の流れを示すフローチャート。
【図6】 遊技演出が行われる態様を説明する模式図。
【符号の説明】
10…パチンコ遊技機(遊技機)、25…主制御基板(メイン制御手段)、26…表示制御基板(演出制御手段)、27…ランプ制御基板(演出制御手段)、28…音声制御基板(演出制御手段、音声制御手段)、28a…サブCPU(信号判定手段、演出実行判定手段)、29…統括制御基板(統括制御手段)。
Claims (2)
- 遊技演出を指示する制御信号を出力する演出指示手段と、前記演出指示手段が出力した制御信号を入力する毎に、前記制御信号で指示された遊技演出を実行させる複数の演出制御手段と、を備え、大当り状態中には前記演出制御手段の制御によって大当り状態用の遊技演出が実行される遊技機において、
前記複数の演出制御手段には、表示演出装置の表示内容を制御して前記遊技演出としての表示演出を実行させる表示制御手段と、音声装置の音声出力を制御して前記遊技演出としての音声演出を実行させる音声制御手段と、を含み、
前記大当り状態中には、開閉動作を行う大入賞口を予め定めた所定時間を上限として開放させるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として行われるとともに、前記大当り状態の開始によって最初にオープニング演出が行われ、前記オープニング演出の終了後に前記ラウンド遊技の開始によって当該ラウンド遊技が開始する毎にラウンド演出が行われ、最後のラウンド遊技の終了後にエンディング演出が行われるようになっており、
前記演出指示手段は、前記オープニング演出を指示する制御信号、前記ラウンド演出を指示する制御信号、及び前記エンディング演出を指示する制御信号を、前記大当り状態用の遊技演出を指示する制御信号として少なくとも前記表示制御手段及び前記音声制御手段に出力可能に構成されており、
前記大当り状態中において前記表示制御手段は、前記オープニング演出、前記ラウンド演出、及び前記エンディング演出を指示する制御信号を入力した場合、各制御信号に指示された演出用の表示演出を実行させ、
前記大当り状態中において前記音声制御手段は、
前記オープニング演出を指示する制御信号を入力した場合、前記オープニング演出を指示する制御信号で指示された前記大当り状態用の音声演出を実行させるとともに、前記音声演出を独立して実行させることを示す情報を設定し、
前記ラウンド演出を指示する制御信号を入力した場合、前記情報が設定されていないときには前記ラウンド演出を指示する制御信号で指示された前記大当り状態用の音声演出を実行させるとともに前記情報を設定する一方で、前記情報が設定されているときには既に実行中の大当り状態用の音声演出を継続して実行させ、今回の大当り状態において前記情報を設定した後であって当該情報の設定が電源供給の遮断に伴ってリセットされているときには前記ラウンド演出を指示する制御信号で指示された前記大当り状態用の音声演出を実行させるとともに前記情報を再設定し、
前記エンディング演出を指示する制御信号を入力した場合、前記情報が設定されていないときには前記エンディング演出を指示する制御信号で指示された前記大当り状態用の音声演出を実行させる一方で、前記情報が設定されているときには既に実行中の大当り状態用の音声演出を継続して実行させ、
前記オープニング演出を指示する制御信号を入力することにより前記大当り状態用の音声演出を実行させ、当該音声演出を、前記エンディング演出が終了する迄の間、継続して実行させることを特徴とする遊技機。 - 前記オープニング演出を指示する制御信号で指示される前記大当り状態用の音声演出の演出内容には、複数の演出内容があり、
前記音声制御手段は、前記オープニング演出を指示する制御信号を入力した場合、前記オープニング演出を指示する制御信号に応じて選択される演出内容により前記大当り状態用の音声演出を実行させる請求項1に記載の遊技機。
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