JP4744285B2 - 水素自動車のガスの使用及び補給システム - Google Patents
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Description
[発明の分野]
本発明は、自動車に搭載して使用されたり、水素貯蔵及び補給ステーションでより大量に使用されるような複数の高圧貯蔵タンクからの水素ガスの引き出し、及びそれらへの水素ガスの補給を効率的に行うためのシステムに関する。
水素を自動車の燃料として使用するとき、補給用の水素燃料貯蔵所インフラストラクチャーも開発しなければならない。一般的に、自動車の燃料電池又は内燃機関に動力を供給するために水素を使用する場合、約5000psiの範囲の最高圧力に維持される搭載燃料タンク内に水素が貯蔵される。燃料電池自動車の場合、燃料電池スタックへの水素導入の利用は約30psiで行われる。燃料電池又は内燃機関を有する自動車に動力を供給するための水素の消費及び搭載燃料タンクからの引き出しは、運転者及び自動車の速度、加速度及び他の動力ニーズのオンデマンド制御を行いたいという自動車運転者の要望と円滑に関係付けなければならない。燃料貯蔵所及び車載タンクのシステム全体のエネルギ効率及びそれらの相関関係の向上が、望ましい目標である。
本発明の1つの目的は、水素燃料自動車及び燃料貯蔵所のインフラストラクチャーの全エネルギ効率に織り込んだときの水素補給システムにおける機械エネルギ損失を最小限に抑えることである。自動車に水素を補給する毎に、水素を車載タンク内へ圧縮するためにエネルギが必要であり、したがって、本発明の1つの目的は、水素燃料自動車の搭載燃料貯蔵タンクに補給するために必要な圧縮エネルギを最小限に抑えることである。本発明のさらなる目的は、一度に1つのタンクで水素を複数のタンクから引き出し、且つそれらに補給し、それにより、タンクの補給に必要な圧縮エネルギを減少させるシステムを提供することである。
図面を考慮した好適な実施形態の以下の説明で、本発明をより十分に説明する。
本発明のシステムは、複数の搭載貯蔵タンクからなるバンク内の、一度に1つのタンクから水素を、締め切り圧力又は閾最低圧力に達するまで、引き出すことにより、水素燃料自動車の補給エネルギ効率を高める。使用中のタンク内で閾締め切り圧力に達したとき、順番に次のタンクが開放され、それにより、次のタンクから燃料電池又はエンジンにガスが流れることができる。このプロセスは、すべての車載タンクに対して繰り返される。自動車/補給ステーションシステム全体において、自動車に水素を補給するとき、タンクに補給するために必要な圧縮エネルギがより少なくなる。本発明は、補充ステーションの限られた水素量をより効果的に利用し、且つ補給後にステーションで(又は直接的に自動車へ)水素を圧縮して最高限度状態に戻すために必要なエネルギを減少させることによって、貯蔵所からタンクへの全エネルギ効率を高めるとともに、水素ステーションのガス利用を増加させる。本発明は、ステーションに高圧水素を保存し、事実上、ステーション側での水素利用を最大にする。ステーションの低圧水素のより多くが車載タンクの補充に使用され、より高圧の水素を保持し、且つステーションでの限られた水素供給を完全に利用する能力が向上するため、本発明を使用したステーションではより多くの自動車に満たすことができる。
図1は、自動車用の従来技術の水素貯蔵タンクシステムの一例を示す。第1タンク1は、チェック弁入口5及び切り換え式出口7を有する弁V1を備える。第2タンク2は、チェック弁入口6及び切り換え式出口8を有する弁V2を備える。第2、第3及び他のタンクN及び弁VNも同様に並列に構成される。タンク1及びタンク2は、補給継手又はマニホルド11及びガス利用継手又はマニホルド12から延びる導管を介して並列に相互接続される。補給継手又はマニホルド11は、導管14を介して補給ノズル10に相互接続可能である。ガス利用継手又はマニホルド12は、導管17及び18を介して搭載タンク1及び2に相互接続され、これらの導管17及び18は、導管19を介し、且つ高圧レギュレータ32及び低圧レギュレータ13を介して自動車燃料電池スタック又はエンジン19FCに通じている。一般的に、車載タンクは、半球形端部を有する円筒形であり、或る既定温度で約5000psiの最大定格容量の水素ガス量を貯蔵することができる。導管15及び16を通る補給モード、及び導管17及び18を通る消費モードでは、等しい圧力又は量の水素ガスが、それぞれ各並列タンクに送り込まれ、且つ各並列タンクから引き出される。自動車が始動するとき、燃料電池又はエンジンが動力を発生し始めることができる前に、タンク1の弁V1の出口7及びタンク2の弁V2の出口8が開いて、水素が流れることができる。通常、燃料電池スタック又は自動車エンジンに通じる搭載タンクの出口弁がすべて同時に開放されて、各タンクが水素を自動車に等しく供給することができる。水素が消費されると、車載タンクのすべてにおいて圧力が等しく低下する。
各搭載タンクからの水素ガスの引き出しは、出口弁によって制御してもよい。また、該出口弁は、感知された所定レベルで動作可能な圧力感知弁や、アクチュエータによって制御可能な弁であってもよい。タンク「z」の出口弁の閉鎖は、タンク「z−1」の入口弁の開放と同時であってもよい。または、タンク「z−1」の出口弁の開放は、タンク「z」の出口弁の閉鎖の前であってもよい。
図2Bでは、論理回路又はCPUに基づいたコントローラが40で示され、且つ弁制御マニホルドが41で示されている。マニホルド41は、固有の圧力制御手段を有してもよいが、ユニット40によって制御されてもよい。図2Bでは、圧力パラメータに基づいてタンクの流れを選択するための制御可能マニホルド41が示されており、ここでは、タンク20a及び20bに対応した弁又はスイッチ41Va及び41Vbが閉鎖され、且つタンク20cに対応した弁又はスイッチ41Vcが開いている。
各搭載タンクからの水素ガスの引き出しは、各タンクの出口に対応した切り換え式入口弁を有するマニホルドを介して行われてもよく、また、マニホルド弁は、各タンクの出口に個別に動作可能に相互接続され、それにより、特定タンクからのガスの前記流れは、そのタンクに対応したマニホルド弁が開放しているか、閉鎖しているかによって決められてもよい。
タンク「z」に対応したマニホルド弁の閉鎖は、タンク「z−1」に対応したマニホルド弁の開放と同時に起きてもよい。また、タンク「z−1」に対応したマニホルド弁の開放は、タンク「z」に対応したマニホルド弁の閉鎖の前に起きてもよい。
複数のタンクの各々の出口弁は、タンク内の圧力、又は、圧力及び温度を測定するセンサに動作可能に相互接続され、センサはさらに、感知された圧力、又は、圧力及び温度に応じて弁を開閉する制御機構に相互接続されていてもよい。
マニホルドの入口弁の各々は、マニホルドの入口又は出口及びタンクの1つ又は複数内の圧力、又は、圧力及び温度を測定するセンサに動作可能に相互接続され、センサはさらに、感知された圧力、又は、圧力及び温度に応じて弁を開閉する制御機構に相互接続されていてもよい。
E=理想圧縮エネルギ
V=貯蔵タンクの容積
Pf=コンプレッサ出口圧力
Pi=コンプレッサ入口圧力
C=k−1/zk
z=圧縮段階の数
k=Cp/Cv
Cp=一定圧でのモル熱
Cv=定容積でのモル熱
に従って計算した。
Claims (18)
- 高圧水素ガス貯蔵搭載タンクに接続している管路から該タンクへの補給と排出を調整するための補給及び排出システムであって、
(1)自動車の各タンクは、マニホルドを介して該管路に接続可能であり、且つ該管路からの加圧水素が1つ以上の搭載タンクに流れ込み、あるいは、1つ以上の搭載タンクから流出し、
(2)各タンクに対応し、該タンクと該管路との間に配置された圧力感知チェック弁を備え、
(a)該タンクは、該タンクの定格容量に達するまで、最低圧力のタンクから最高圧力のタンクの順に補給され、該満たされたタンクに対応する該チェック弁は閉じられ、次の1つ以上の搭載タンク内の圧力が所定レベルに達するまで、該管路からの加圧水素は、該次の1つ以上の搭載タンクに流れ、すべてのタンクが同一の所定圧力に補給されるまで、すべてのタンクに対してこのシーケンスを繰り返して該搭載タンクは補給され、
(b)最高圧力のタンクから最低圧力のタンクの順に、排出されるタンクに対応する各チェックバルブが閉じられると水素ガスは次の1つ以上の搭載タンク内から水素ガスが流れることによって、該タンクは排出され、すべてのタンクに対してこのシーケンスを繰り返して該搭載タンクは排出される、
システム。 - 制御可能且つ開閉可能な弁が、該タンクの入口と該補給管路との間に動作可能に配置され、該1つ以上の搭載タンク内の圧力が所定レベルに達するまで、該補給管路からの加圧水素が1つ以上の搭載タンクに流れ込み、該1つ以上のタンク内の該圧力が所定レベルに達したとき、第1タンクの該弁は次のタンクの該弁の開放後に閉鎖され、該補給管路からの水素は該次の1つ以上の搭載タンクに流れ、該次の1つ以上のタンク内の該圧力が所定レベルに達するまで、該次の1つ以上の搭載タンクを満たし、すべてのタンクが所定圧力を満たすまで、すべてのタンクに対してこのシーケンスを繰り返す、
請求項1に記載のシステム。 - 制御可能且つ開閉可能な弁が該タンクの入口と該補給管路との間に動作可能に配置され、該1つ以上の搭載タンク内の圧力が所定レベルに達するまで、該補給管路からの加圧水素が1つ以上の搭載タンクに流れ込み、
該1つ以上のタンク内の該圧力が所定レベルに達したとき、次のタンクの該弁は直前に補給が完了したタンクの該弁の閉鎖とほぼ同時に開き、該補給管路からの水素は該次の1つ以上の搭載タンクに流れ、該次の1つ以上のタンク内の該圧力が所定レベルに達するまで、該次の1つ以上の搭載タンクを満たし、
すべてのタンクが所定圧力を満たすまで、すべてのタンクに対して前記のシーケンスを繰り返す、
請求項1に記載のシステム。 - (a)前記各タンクの入口と前記補給管路との間に動作可能に配置された、制御可能且つ開閉可能な弁と、
(b)該複数のタンクのそれぞれは、該タンクの圧力と温度を測定するセンサと操作可能に相互接続し、該センサは、該タンク内で測定された所定の圧力と温度のときに、該タンクに関連する該弁を開閉する制御機構と、
を有し、
(c)1つ以上の搭載タンク内の圧力が所定レベルに達するまで、該補給管路からの加圧水素が該1つ以上の搭載タンクに流れ込み、該制御機構は該補給管路の流れを次のタンクへ切り替え、
(d)該1つ以上のタンク内の該圧力が所定レベルに達したとき、該補給管路からの水素は該次の1つ以上の搭載タンクに流れ、該次の1つ以上のタンク内の該圧力が所定レベルに達するまで、該次の1つ以上の搭載タンクを満たし、
(e)すべてのタンクが所定圧力を満たすまで、すべてのタンクに対して前記のシーケンスを繰り返す、
請求項1に記載のシステム。 - 「n」が搭載タンクの数を表し、「z」が搭載された一連のタンクのうちの1つのタンクの通し番号を表す場合、閾圧力に達するまで水素ガスがタンク「z」から排出され、タンク「z−1」の入口弁の開放と同時にタンク「z」の該出口弁は閉鎖され、且つ該水素タンク内の次に続くタンク「z−1」から閾圧力に達するまで排出され、同じステップが連続した各搭載タンクで繰り返される、という手順に従って水素が該複数の搭載タンクから排出されること、によって各タンクからの前記排出が行われることを特徴とする、
請求項1に記載のシステム。 - 各前記弁は所定の圧力において作動し、前記複数の搭載タンクから排出された水素によって前記自動車に動力を与える、請求項5に記載のシステム。
- 前記出口弁はアクチュエータによって制御可能な弁であって、前記複数の搭載タンクから排出された水素によって前記自動車に動力を与える、請求項5に記載のシステム。
- 「n」が搭載タンクの数を表し、「z」が搭載された一連のタンクのうちの1つのタンクの通し番号を表す場合、閾圧力に達するまで水素ガスがタンク「z」から排出され、タンク「z−1」の該出口弁はタンク「z」の該出口弁が閉鎖する前に開放され、且つ該水素タンク内の次に続くタンク「z−1」から閾圧力に達するまで排出され、同じステップが連続した各搭載タンクで繰り返される、という手順に従って、「n」個の搭載タンクから水素が排出される、請求項1に記載のシステム。
- 各前記出口弁は所定の圧力において作動し、前記複数の搭載タンクから排出された水素によって前記自動車に動力を与える、請求項8に記載のシステム。
- 前記出口弁はアクチュエータによって駆動される、請求項9に記載のシステム。
- 前記マニホルドに関連したマニホルド弁を有し、
該マニホルド弁は、各タンクに個別に動作可能に相互接続され、それにより、ある特定のタンクからのガスの流れは、該タンクに対応した該マニホルド弁が開放しているか閉鎖しているかによって決められ、
「n」がタンクの数を表し、「z」が一連のタンクのうちの1つのタンクの通し番号を表す場合、閾圧力に達するまで水素ガスがタンク「z」から排出され、タンク「z−1」に対応する該マニホルド弁の開放と同時にタンク「z」に対応する該マニホルド弁は閉鎖され、同じステップが連続した各タンクで繰り返される、という手順に従って該n個のタンクから水素が排出され、それによって、前記自動車に動力を与えることができる、
請求項1に記載のシステム。 - 各タンクはマニホルド弁に関連付けられ、
「n」がタンクの数を表し、「z」が一連のタンクのうちの1つのタンクの通し番号を表す場合、閾圧力に達するまで水素ガスがタンク「z」から排出され、タンク「z−1」に対応する該マニホルド弁はタンク「z」に対応する該マニホルド弁が閉鎖する前に開放され、同じステップが連続した各タンクで繰り返される、という手順に従って該n個のタンクから水素が排出される、
請求項11に記載のシステム。 - n個のタンクを有し、
各タンクからの水素の排出は出口弁によって制御され、
該各タンクのそれぞれの該出口弁は該タンク内の温度と圧力を測定するセンサと動作可能に相互接続され、該センサは、測定された圧力と温度に基づいて該出口弁を開閉する制御機構と相互接続し、
「n」がタンクの数を表し、「z」が一連のタンクのうちの1つのタンクの通し番号を表す場合、水素ガスがタンク「z」から、閾圧力に達するまで排出され、その時点でタンク「z」が遮断され、且つ該タンク内の次に続くタンク「z−1」から、閾圧力に達するまで排出され、同じステップが連続した各タンクで繰り返される、という手順に従って水素が該複数のタンクから排出される、
請求項1に記載のシステム。 - 加圧状態の水素ガスを貯蔵するためのn個の車載タンクを有し、
各タンクに対応し、切り換え式であるマニホルド弁を有するマニホルドを含み、
該マニホルド弁は、各タンクに個別に動作可能に相互接続され、それにより、ある特定のタンクからのガスの流れは、該タンクに対応した該マニホルド弁が開放しているか閉鎖しているかによって決められ、
各該マニホルド弁は、1つ以上のタンク、タンクの入口、及び、タンクの出口の圧力を測定するセンサと相互接続し、該センサは、該圧力に基づいて該マニホルド弁を開閉する制御機構と相互接続し、
「n」が車載タンクの数を表し、「z」が一連の車載タンクのうちの1つの車載タンクの通し番号を表す場合、水素ガスがタンク「z」に移動させられ、そして、該複数の車載タンクの内の次に続くタンク「z−1」は水素ガスが補給され、同じステップが連続した各タンクで繰り返される、という手順に従って水素が該複数の搭載タンクに移動させられる、
請求項1に記載のシステム。 - 前記タンクは貯蔵所で排出され、前記弁は、補給プロセスの間に閉じることが指定されているときは、排出プロセスの間には開けられ、一方、補給プロセスの間に開けることが指定されているときは、排出プロセスの間には開けられ、
排出ガスの流れは、開けられている弁を通してタンクに移動する、
請求項1乃至13のいずれか1項に記載のシステム。 - n個のタンクを有し、該タンクは貯蔵所で排出され、
補給は入口弁によって制御され、
該各タンクのそれぞれの該入口弁は該タンク内の温度と圧力を測定するセンサと動作可能に相互接続され、該センサは、測定された圧力と温度に基づいて該入口弁を開閉する制御機構と相互接続し、
「n」が搭載タンクの数を表し、「z」が一連の搭載タンクのうちの1つのタンクの通し番号を表す場合、閾圧力に達するまでタンク「z」から水素ガスが排出され、その時点でタンク「z」からの排出を停止し、且つ該搭載タンク内の次に続くタンク「z−1」から、閾圧力に達するまで排出され、同じステップが連続した各タンクで繰り返される、という手順に従って該1つ以上のタンクから水素が排出される、
請求項1に記載のシステム。 - 請求項13に記載のシステムを有する水素燃料自動車。
- 各出口弁に関連し、該各出口弁を制御するアクチュエータをさらに有する、請求項17に記載の水素燃料自動車。
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