JP4743876B2 - リザーバタンク - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、リザーバタンクの位置ずれを容易に発見でき、マスタシリンダに対する組付不良や、リザーバタンクやグロメットシールの損傷を防止できるリザーバタンクを提供することを目的とする。
したがって、組付時におけるリザーバタンクの損傷を低減することができる。
なお、各図中、同一の符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明を省略する。
マスタシリンダ1を構成するシリンダ本体2は、実質的に円筒状の部材であって、軸線方向に沿った一端側が閉塞されるとともに、他端側が開口されている。また、シリンダ本体2内には開口された端部側からピストン3が摺動可能に挿入されている。このピストンは、第1のピストン3a及び第2のピストン3bから構成され、ブレーキ操作時において、ブレーキペダルの踏み込み等によってシリンダ本体2内を軸方向に移動する。また、シリンダ本体2内を第1のピストン3aによって区画された領域は第1の液圧室4aを構成し、シリンダ本体2内を第1のピストン3a及び第2のピストン3bによって区画された領域は第2の液圧室4bを構成し、各ピストン3a、3bがシリンダ本体2の閉塞された端部側に移動することによって、各液圧室4a、4b内の液圧が高められる。
なお、このブレーキ配管の構成はいわゆるX配管の例であるが、これ以外にも、前輪側のブレーキ装置を第1の液圧室につなぎ、後輪側のブレーキ装置を第2の液圧室につなぐようにした、いわゆるH配管を採用することもできる。
また、第1及び第2のボス部5a、5bの間には、上方に突出して形成されたリブ(図示せず)を備え、このリブには固定ピン挿入穴(図示せず)が設けられている。そして、固定ピン挿入穴は、リザーバタンク10の突出部13に設けられた固定ピン挿入穴15と同一直線上に位置し、すべての固定ピン挿入穴に対して固定ピン9が挿入され、リザーバタンク10とマスタシリンダ1とが固定されている。
リザーバ本体21の底部から突設する第1及び第2の円筒部11a、11bは、シリンダ本体2の第1及び第2のボス部5a、5bに対応するように離間して配置されている。また、各円筒部11a、11bは、上側の大径部18と下側の小径部19とを含む段付の円筒状に形成され、大径部18は、グロメットシール7のフランジ部7a上面と当接し、小径部19は、グロメットシール7と当接するシール面となっている。そして、第1及び第2の円筒部11a、11bは、グロメットシール7を介してシリンダ本体2の第1及び第2のボス部5a、5bに嵌合される。
これらの固定ピン挿入穴と、シリンダ本体2の上側のリブに設けられた固定ピン挿入穴とは同一直線上にあり、一本の固定ピン9が挿入されることにより、マスタシリンダ1とリザーバタンク10とが固定されている。
このように形成される係止部であれば、リザーバタンクが用いられる用途や、車種等によって、リザーバ本体の全体形状が異なる場合であっても、形状を共通化しやすい底部に設けてあるために、組付治具を含む組付装置を共通化させることができる。したがって、リザーバタンクの種類ごとに組付治具等を変える必要がなくなり、生産コストの上昇を抑えることができる。また、リザーバ本体の底部であれば、リザーバタンクの容量に影響を与えることなく厚肉にしたりできるため、組付時の押圧力に耐えうる設計が可能になり、当該押圧力によるリザーバタンクの損傷を防ぐことができる。
なお、係止部は、互いに対向する両横方向に少なくとも形成されていればよく、当該両横方向以外にさらに別の係止部が形成されていても構わない。
次いで、組付治具によってリザーバタンクを保持するとともに、リザーバタンクを載置台上から移動する。このとき、図5(a)に示すように、各係止部23、24の上側に位置する面25、26を組付治具33、34の先端つめ部33a、34aによって係止させて保持することもでき、あるいは、図5(b)に示すように、組付治具33、34の先端つめ部33a、34aによってリザーバタンク10を両側から押圧保持することもできる。さらに、図示しないが、組付治具によってリザーバタンクを保持して、当該リザーバタンクの位置自体を移動させてもよく、あるいは、組付治具によってリザーバタンクを保持し、載置台を移動させても構わない。
なお、図6に示す例では、この状態でグロメットシール7がリザーバタンク10の円筒部11a、11bに装着されているが、円筒部11a、11bにグロメットシール7を装着する時期、方法等については特に制限されるものではない。さらに、グロメットシールを円筒部に装着しておく以外にも、マスタシリンダ側のボス部内にあらかじめ装着しておくこともできる。
このようにして、リザーバタンクをマスタシリンダに対して組み付けることができる。
また、リザーバタンクのセット位置が、比較的小程度にずれている場合であれば、組付治具の先端つめ部が凹部内に進入する際に、リザーバタンクの配置位置が本来の位置に補正される。
したがって、組付治具が係止される係止部を凹部又は孔部とすることにより、リザーバタンクのセット位置精度が高められるように、位置合わせ機能を合わせ持つことができる。
図9〜図14は、リザーバ本体の底部における、円筒部の配列方向に対して垂直方向に交差する方向の両横方向に係止部を設けたリザーバタンクであり、図15は、円筒部の配列方向に沿った方向の両横方向に係止部を設けたリザーバタンクである。いずれの方向に沿っても第1及び第2の係止部を備えることができるが、組付治具の配置や移動の邪魔にならないようにでき、組付作業を効率化できることから、図9〜図14に示すように、円筒部の配列方向に対して垂直方向に交差する方向の両横方向に係止部を設けることが好ましい。
また、図10は、リザーバ本体21の底部の横方向両側に、それぞれ二つの孔部53´、53´´からなる係止部53が形成されたリザーバタンク10Bである。
これらの図9及び図10では、第2の係止部の配置位置の図示を一部省略してあるが、第2の係止部は、第1の係止部23、53が設けられた側とは反対側において、第1の係止部23、53の位置と同じ位置に配置されている。
これらの点を考慮すると、上述した図9や図10に示すように、一つの円筒部に対する関係としては、それぞれ等距離に置かれた凹部又は孔部と含み、それぞれの円筒部に対して一つ又は二つの凹部又は孔部を備えた構成とすることが好ましい。
かかるテーパ状の凹部又は孔部は、複数の凹部又は孔部のすべてをテーパ状とすることもでき、あるいは、複数の凹部又は孔部の少なくとも一部をテーパ状としてもよい。
特に、図13に示すように、リザーバ本体21の底部から下方に突設した突出部13に孔部からなる係止部93、94を形成することにより、リザーバタンクの位置合わせ機能と併せて、グロメットシールの装着漏れや、位置ずれの有無を確認するための確認穴として機能させることもできる。
例えば、図14(a)に示すように、係止部としての凹部88の大きさを、組付治具33の先端つめ部33aよりも大きくし、先端つめ部33aの先に位置合わせ用突起39を形成するとともに、係止部としての凹部88内に位置合わせ用の第2凹部又は孔部89を形成した場合であっても、リザーバタンクの位置合わせ効果を得ることができる。
また、図14(b)に示すように、係止部としての凹部98の大きさを、組付治具33の先端つめ部33aよりも大きくし、先端つめ部33aの先に位置合わせ用凹部36を形成するとともに、係止部としての凹部98内に位置合わせ用の突部99を形成した場合であっても、リザーバタンクの位置合わせ効果を得ることができる
Claims (8)
- マスタシリンダに固定して使用されるリザーバタンクにおいて、
樹脂製の容器からなるリザーバ本体と、
前記リザーバ本体の底部から下方に向けて突設され、グロメットシールが装着されるとともに前記マスタシリンダのボス部に嵌合される円筒部と、
前記リザーバ本体の底部近傍における、互いに対向する両横方向に、スリットを介して横方向に突出する突部として設けられ、前記円筒部を前記ボスに嵌め合わせる際に組付治具を係止するための係止部であって、前記両横方向の一方側に設けられた第1の係止部、及び前記両横方向の他方側に設けられた第2の係止部と、を備え、
前記突部としての第1及び第2の係止部に、凹部又は孔部が設けてあり、前記組付治具を係止することを特徴とするリザーバタンク。 - 前記凹部又は孔部を、前記組付治具の形状に対応して配置することを特徴とする請求項1に記載のリザーバタンク。
- 前記第1及び第2の係止部のうちの少なくとも一方の係止部は複数の係止部を備え、隣接する前記複数の係止部の間にリブを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のリザーバタンク。
- 前記第1及び第2の係止部を、前記マスタシリンダの軸線方向に対して垂直に交差する方向に設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリザーバタンク。
- 前記両横方向に設けられた係止部は、前記円筒部を中心として両側に対称的に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリザーバタンク。
- 前記第1及び第2の係止部はそれぞれ数が異なる複数の係止部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリザーバタンク。
- 前記第1及び第2の係止部を、前記組付治具の挿入方向に向けて断面積が小さくなるようなテーパ状とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のリザーバタンク。
- マスタシリンダに固定して使用されるリザーバタンクにおいて、
樹脂製の容器からなるリザーバ本体と、
前記リザーバ本体の底部から下方に向けて突設され、グロメットシールが装着されるとともに前記マスタシリンダのボス部に嵌合される円筒部と、
前記リザーバ本体の底部近傍における、互いに対向する両横方向に設けられ、前記円筒部を前記ボスに嵌め合わせる際に組付治具を係止するための係止部であって、前記両横方向の一方側に設けられた第1の係止部、及び前記両横方向の他方側に設けられた第2の係止部と、を備え、
前記第1及び第2の係止部を孔部から構成してあり、当該孔部を前記リザーバ本体の底部から下方に突設した突出部に設けることを特徴とするリザーバタンク。
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