JP4743620B2 - 改良触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、周期律表5族、6族から選ばれる少なくとも1種の元素と、周期律表1族、2族、14族、15族、16族から選ばれる少なくとも1種の元素を含むブロンズ構造型結晶相を含有する酸化物触媒の製造方法に関する。
近年、プロピレン又はイソブチレンに代わって、プロパン又はイソブタンを原料とし、気相接触アンモ酸化反応や気相接触酸化反応によって不飽和ニトリルや不飽和カルボン酸を製造する技術が着目されており、多数の酸化物触媒が提案されている。それらの中でも特に注目されている触媒系は、反応温度が低く、また不飽和ニトリルや不飽和カルボン酸の選択率、収率が比較的高い結晶性の酸化物触媒である。特許文献1〜3等には、結晶性のMo−V−Sb−Nb系酸化物触媒、Mo−V−Te−Nb系酸化物触媒が記載されている。
複合金属酸化物において結晶性の高い化合物を触媒として利用する場合、その結晶構造が触媒としての性能、すなわち活性及び選択性に大きく影響する。優れた性能を発揮するには、結晶構造において炭化水素の脱水素、カルボン酸化又はアンモ酸化、酸素の取り込みと活性化などの役割を担う反応中心が近接していることが望ましく、そのような多様な反応場を併せ持つことができる結晶構造の複雑さを有していることが必要である。現状、触媒として提案されている化合物ではこのような要件を満たす固体化合物の例は少なく、例えば、特定のブロンズ構造はこのような要件を満たす結晶構造のひとつである。
しかし、従来のブロンズ型酸化物触媒の製法では、単純な構造を有するHTB相(ブロンズ型結晶相として六方晶系に属し、後述する表1(c)に記載のX線ピークを有する結晶相)が優位に生成する。ブロンズ型結晶相が触媒として有効な場合に、反応場の複雑さを具現できるOTB相(ブロンズ型結晶相として斜方晶系に属し、後述する表1(a)に記載のX線回折ピークを有する結晶相)及び/又はTTB相(ブロンズ型結晶相として正方晶系に属し、後述する表1(b)に記載のX線回折ピークを有する結晶相)に比較して、HTB相の活性、選択性は低いレベルにとどまると考えられている。
複数の結晶相からなる酸化物触媒の活性や選択率を高める方法として、酸性又はアルカリ性溶液により特定の結晶相純度を低減し、特定の結晶相純度を高める方法は公知である。特許文献4には、炭化水素の気相接触酸化反応用のモリブデン及び/又はバナジウムを含有する金属酸化物触媒を、酸処理する方法が開示されている。この明細書中には、MoaVbTecYyOn(Yは、Nb,Ta,W,Ti,Al,Zr,Cr,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,Ni,Pd,Pt,Sb,Bi,B,In及びCeの中から選ばれた1つ又はそれ以上の元素を表し、a=1とするとき、b=0.01〜1.0、好ましくは0.1〜0.6、c=0.01〜1.0、好ましくは0.05〜0.4、y=0.01〜1.0、好ましくは0.1〜0.6、であり、また、nは他の元素の酸化状態により決定される。)を塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸や、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸などの脂肪族多塩基酸で処理する方法が開示されている。
特許文献5には、MoaVbSbcXxOn (式中、Xは、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、W、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、In、Sn、Pb、Bi、Ce及びアルカリ土類金属の中から選ばれた少なくとも一種の金属元素を表し、a=1とするとき、0.02≦b≦0.99、0.001≦c≦0.9、0≦x≦0.89であり、0.001≦c/b≦0.80であり、nは他の元素の酸化状態によって決定される値である)で表される結晶性複合酸化物であり、特定の単位格子定数の結晶構造を有し、特定の主要粉末X線回折ピークを有する結晶性複合酸化物を製造するに際し、溶媒中にバナジウム成分、アンチモン成分、モリブデン成分及びXで表される元素成分を含む化合物を添加混合後、溶媒を除去、乾燥して得られた化合物を、仮焼、焼成して前駆体を得、更に該前駆体を有機酸水溶液、無機酸水溶液及び過酸化水素水の中の少なくとも一種類の溶剤で洗浄することを特徴とする結晶性複合酸化物の製造方法が開示されている。
特許文献6には、Mo、V、Sb、Nbを構成元素とする酸化物をシュウ酸水溶液、過酸化水素水、などで洗浄する方法が記載されている。
特許文献7には、Mo1VaSbbZcOn(Zは、Nb、W、Cr、Ti、Ta、Zr、Hf、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、B、Ga、In、Ge、Sn、P、Pb、Bi、Y、希土類元素及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種類以上の元素であり、a、b、c及びnは、Mo1原子あたりの原子比を表し、0.1≦a≦1、0.01≦b≦0.6、0≦c≦1であり、nは、構成金属の酸化状態によって決まる原子比である。)で示される成分組成を有する酸化物を塩基性水溶液に接触させ、ついで塩基性水溶液を分離除去する方法が開示されている。
特許文献8には、組成式MoViSbjAk(式中、Aは、Nb、Ta、Sn、W、Ti、Ni、Fe、Cr、Co及びCeからなる群から選ばれた1種以上の金属元素であり、i及びjは、各々0.01〜1.5で、かつj/i=0.3〜1であり、またkは、0.001〜3.0である。)で表される金属酸化物又は該酸化物を含む無機混合物を、過酸化水素水と接触させることを特徴とする炭化水素の気相接触酸化用触媒の製造方法が開示されている。
特許文献9には、AaVbNcXdO(式中、AはMo及びWからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、NはTe及びSeからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、さらにXは、Nb、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pt、Bi、B、In、Ce、As、Ge、Sn、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Hf、Pb、P、Pm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Au、Ag、Re、Pr、Zn、Ga、Pd、Ir、Nd、Y、Sm、Tb、Br、Cu、Sc、Cl、F及びIからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、A、V、N及びXは、A:V:N:Xの原子比がa:b:c:dとなる量で存在し、a=1のとき、b=0.1から2、c=0.1から1、d=0.01から1であり、eは他の元素の酸化状態に応じて変化する。)を有する混合金属酸化物を提供し、有機酸、アルコール、無機酸及び過酸化水素からなる群から選択される液体接触メンバーと該混合金属酸化物を接触させて接触混合物を形成し、該接触混合物から不溶性物質を回収する触媒の製造方法が開示されている。この明細書中にはシュウ酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、過塩素酸、塩素酸、次亜塩素酸、等が記載されている。
特許文献10、11及び12にも、混合金属酸化物を有機酸、無機酸及び過酸化水素によって接触させるという同様の記載がされている。
特開平7−232071号公報 特開平9−157241号公報 特開2002−239382号公報 特開平8−57319号公報 特開平11−43314号公報 特開平10−330343号公報 特開2000−93796号公報 特開2000−51693号公報 特開2003−24788号公報 特開2003−24789号公報 特開2003−24790号公報 特開2003−38960号公報
しかしながら、従来技術による触媒性能ではいまだ不十分である。また、本発明者らが上記の方法を検討したところ、主としてHTB相及びOTB相からなる混合酸化物を溶液との接触処理により、実質的にHTB相を含まないOTB相のみからなる酸化物に結晶相変化させたところ、炭化水素の転化率活性は著しく高まるものの、ニトリル選択率や収率での性能向上は顕著でなく、むしろ低下する場合が見られた。さらに粉末X線回折によって分析した結果と併せて考察すると、触媒化合物を構成する結晶相の比率が同じでも用いた溶液との接触処理方法により性能に違いが見いだされた。即ち、従来の溶液との接触処理方法では触媒性能に関与する、結晶相比以外の要因に変化を生じ、そのために選択率や収率の向上がみられず、むしろ低下してしまう場合があると考えられる。
炭化水素の選択酸化又はアンモ酸化反応の工業的重要性故に、さらに高活性かつ高選択性触媒化合物の開発が望まれている。
そこで、OTB相、TTB相の他にHTB相を含む混合酸化物を処理して、活性及び選択性の高い改良触媒を製造するには、OTB相及び/又はTTB相を選択的に取り出す処理過程において、表面の組成や化学状態などの触媒として有効に機能する化学特性を劣化させない処理方法が必要である。
本発明者等は、上記課題を解決するため、酸化触媒としての有効性が示されている金属酸化物の酸性溶液との接触処理について鋭意研究を行った。その結果、触媒として作用を担う複合金属酸化物の結晶相を構成する元素を複数含む均一溶液と接触させた後、均一溶液成分を除去することでOTB相及び/又はTTB相からなる酸化物を得る方法を見出し、該処理によって得られた酸化物触媒の活性が著しく向上し、かつ選択性も同時に向上することを確認するにいたって、本発明を完成した。
すなわち、本発明の一の態様によれば、下記式(I)で示される成分組成を有し、
Mαm1+(1-α)m2aBαb1+(1-α)b2tOαn1+(1-α)n2 (I)
(式中、Mは周期律表5族、6族から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは周期律表14族、15族、16族から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Bは周期律表3族、4族、7族、8族、9族、10族、12族、13族から選ばれる元素であり、Tは周期律表1族、2族から選ばれる元素であり、M、A、B、Tの組成比を決めるα、m1、m2、a、b1、b2、t、n1及びn2が、0≦α≦1、m1+b1=40、54≦m2+b2≦55のとき、2≦a+t≦8、112≦n1≦120、146≦n2≦155である。)
ブロンズ型結晶相として斜方晶系に属し、下記表1(a)に記載のX線回折ピークを有する結晶相であるOTB相、及び/又は、
Figure 0004743620
ブロンズ型結晶相として正方晶系に属し、下記表1(b)に記載のX線回折ピークを有する結晶相であるTTB相を含む触媒の製造方法であって、
Figure 0004743620
下記式(II)で示される成分組成を有する前駆体酸化物を、
xyzuv (II)
(式中、Mは周期律表5族、6族から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは周期律表14族、15族、16族から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Bは周期律表3族、4族、7族、8族、9族、10族、12族、13族から選ばれる元素であり、Tは周期律表1族、2族から選ばれる元素であり、M、A、B、Tの組成比を決めるx、y及びuは、x+z=1.0のとき、0.05≦y+u≦0.5、vは構成金属の酸化状態によって決まる値である。)
M、A、Bから選択される元素成分を少なくとも2つ以上含む酸性溶液と接触させる工程を含むことを特徴とする触媒の製造方法を提供する。
また、本発明の別の態様によれば、前記方法で製造された酸化物触媒を提供する。
さらに、本発明のさらに別の態様によれば、プロパン又はイソブタンの気相接触アンモ酸化反応による不飽和ニトリルの製造方法であって、
前記製造方法で製造された酸化物触媒と前記プロパン又はイソブタンとを接触させる工程を含む製造方法を提供する。
くわえて、本発明のさらに別の態様によれば、プロパン又はイソブタンの気相接触酸化反応による不飽和カルボン酸の製造方法であって、
前記製造方法で得られた酸化物触媒と、前記プロパン又はイソブタンとを接触させる工程を含む製造方法を提供する。
なお、本発明において「酸性溶液」という語は、均一な酸性水溶液を意味する。「化学処理」という語は、前駆体酸化物を酸性溶液と接触させて、その組成及び化学状態を変える操作を意味する。また、「酸化」という語は、飽和炭化水素又は不飽和炭化水素の選択酸化、カルボン酸化又はアンモ酸化を包含した意味で用いる。
本発明に係る製造方法により製造された酸化物を触媒に用いる製造プロセスは、原料である炭化水素から高い選択性でカルボン酸やニトリルを製造することができ、資源、エネルギー、環境保全の面において優れている。
以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
本発明は、下記式(I)で示される成分組成を有し、
Mαm1+(1-α)m2aBαb1+(1-α)b2tOαn1+(1-α)n2 (I)
(式中、Mは周期律表5族、6族から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは周期律表14族、15族、16族から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Bは周期律表3族、4族、7族、8族、9族、10族、12族、13族から選ばれる元素であり、Tは周期律表1族、2族から選ばれる元素であり、M、A、B、Tの組成比を決めるα、m1、m2、a、b1、b2、t、n1及びn2が、0≦α≦1、m1+b1=40、54≦m2+b2≦55のとき、2≦a+t≦8、112≦n1≦120、146≦n2≦155である。)
ブロンズ型結晶相として斜方晶系に属し、下記表1(a)に記載のX線回折ピークを有する結晶相であるOTB相、及び/又は、
Figure 0004743620
ブロンズ型結晶相として正方晶系に属し、下記表1(b)に記載のX線回折ピークを有する結晶相であるTTB相を含む改良触媒の製造方法であって、
Figure 0004743620
下記式(II)で示される成分組成を有する前駆体酸化物を、
xyzuv (II)
(式中、Mは周期律表5族、6族から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは周期律表14族、15族、16族から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Bは周期律表3族、4族、7族、8族、9族、10族、12族、13族から選ばれる元素であり、Tは周期律表1族、2族から選ばれる元素であり、M、A、B、Tの組成比を決めるx、y及びuは、x+z=1.0のとき、0.05≦y+u≦0.5、vは構成金属の酸化状態によって決まる値である。)
M、A、Bから選択される元素成分を少なくとも2つ以上含む酸性溶液と接触させる製造方法によって得られること酸化物を、不飽和ニトリル又はカルボン酸の製造用酸化物触媒として用いる。
<化学処理による改良触媒の製造方法>
本発明の触媒酸化物は、例えば、以下の方法によって製造することが可能である。前駆体酸化物と接触させる酸性溶液は、式(II)、
xyzuv (II)
の構成元素M、A、Bを含む酸性溶液であり、M、A、Bから選択される元素成分を少なくとも2種以上含み、含まれる元素の濃度範囲は、
0.001≦[M]≦10.0 (mol/l)
0.001≦[A]≦10.0 (mol/l)
0.001≦[B]≦10.0 (mol/l)
であり、酸性成分の追加により酸性度は−1≦pH≦4、好ましくは0≦pH≦3の範囲である。
溶液の調製に用いる金属原料としては特に限定はないが、例えば、酸化物、硝酸塩、塩化物、オキシ塩化物、アルコキシドなどを用いることができる。例えば、モリブデン原料としては、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸化物、モリブデン酸、モリブデンのオキシ塩化物、モリブデンの塩化物、モリブデンのアルコキシド等を用いることができ、好ましくはヘプタモリブデン酸アンモニウムである。タングステン原料としては、メタタングステン酸アンモニウム、タングステン酸化物、タングステン酸等を用いることができるが、好ましくはメタタングステン酸アンモニウムである。
バナジウム原料としては、メタバナジン酸アンモニウム、酸化バナジウム(V)、バナジウムのオキシ塩化物、バナジウムのアルコキシド等を用いることができ、好ましくはメタバナジン酸アンモニウムである。
アンチモン原料としては、酸化アンチモン(III)、酸化アンチモン(IV)、酸化アンチモン(V)、メタアンチモン酸(III)、アンチモン酸(V)、アンチモン酸アンモニウム(V)、塩化アンチモン(III)、塩化酸化アンチモン(III)、硝酸酸化アンチモン(III)、アンチモンのアルコキシド、アンチモンの酒石酸塩等の有機酸塩、金属アンチモン等を用いることができ、好ましくは酸化アンチモン(III)である
ニオブの原料としては、シュウ酸水溶液にニオブ酸を溶解させた水溶液を好適に用いることができる。シュウ酸/ニオブのモル比は1〜10であり、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4である。得られた水溶液に過酸化水素を添加してもよい。過酸化水素/ニオブのモル比は好ましくは0.5〜10であり、より好ましくは2〜6である。
酸性成分としては、シュウ酸、酒石酸、硝酸を用いることができ、好ましくはシュウ酸である。
前駆体酸化物と接触させる溶液は、式(II)の構成元素M、A、Bを含む酸性溶液であり、好ましくはM、A、Bから選択される元素成分を少なくとも4種以上含み、かつ4種のうちM、Aから選択される成分をそれぞれ1種以上含む酸性溶液であり、以下に述べる処方により調製される。以下では、構成元素をバナジウム、モリブデン、ニオブ、アンチモンに限定したものを例に説明をするが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Nb以外の元素を含む原料を各元素の濃度0.01〜1.0Mの水溶液中で撹拌する。必要に応じて還流操作により30分から2時間加熱してもよい。加熱温度は80℃から120℃が好ましい。還流操作を終えた後、この溶液を20℃〜50℃まで冷却した後、過酸化水素水溶液を加えて攪拌し溶液内再酸化を施した後、再び上記還流操作を行ってもよい。還流による酸化還元及び過酸化水素水溶液による再酸化操作は繰り返し行うことができる。過酸化水素の量はアンチモンに対して0.5〜4.0、好ましくは0.1〜2.0モル比相当を用いることができる。Mo、V、Sb以外の成分元素を添加する場合は、上記溶液混合時に加えてもよいし、還流操作後に加えてもよいが、追加する成分による酸化還元効果がある場合には、溶液混合時に加えることが好ましい。
Nbは、上記により得た混合溶液に、室温大気雰囲気下でシュウ酸水素ニオブ水溶液に過酸化水素溶液を加えた溶液として追加し、Nb濃度0.01〜1.0Mとする。過酸化水素の量はニオブに対して0.5〜4.0、好ましくは0.1〜2.0モル比相当を用いることができる。
さらに、この溶液に酸成分としてシュウ酸を1〜20wt%、好ましくは5〜10wt%追加する。このようにして溶液調製時かつ前駆体酸化物との接触処理時において触媒酸化物以外の固形分を含まない透明な均一性を保持した酸性溶液を得ることができる。
上記溶液を式(II)の前駆体酸化物と接触させ、OTB結晶相及び/又はTTB相からなる触媒の性能を高める方法としては、前駆体酸化物に対し上記調製の酸性溶液を重量比で10倍から200倍用いて、温度20度から100度、望ましくは60度から90度において30分から10時間、好ましくは1時間から3時間の接触処理操作を施す。透明な均一溶液と固相はろ過又は遠心分離などの方法により分離して固形物を得る。取り出した固形物は、水又は熱水、好ましくは80℃以上の熱水で洗浄することにより溶液成分を除くことが望ましい。
上記の処理操作は、繰り返し行うことができる。前駆体酸化物と接触させる溶液は処理毎に調製してもよいし、前回の溶液が均一かつ適した成分濃度を有していれば繰り返し用いることができる。溶液のリサイクルは、接触処理により溶け出す成分が適した溶液を形成するような溶液を用いてもよいし、水による希釈、不足成分の追加を行うことで可能である。
さらに必要に応じて、固形物を不活性雰囲気下で100度〜900度程度の加熱処理を行って使用してもよい。以下では、上記の処理操作の後、加熱操作を施す場合も含めて化学処理と表記する。
得られた固形酸化物における結晶相の変化は、下記式(III)で評価することが可能である。これをブロンズ型結晶混合物中におけるHTB相(ブロンズ型結晶相として六方晶系に属し、表1(c)のX線回折ピークを有する結晶相)の存在比率を表すパラメータとし、HTB相比と称する。
R(HTB) = I(P1)/I(P2) (III)
(式中、I(P1)は、表1cにおける2θ=28.1のピーク強度であり、I(P2)は、表1における2θ=22.1のブロンズ相に共通するピーク強度である。)
Figure 0004743620
<前駆体酸化物の製造方法>
本発明における化学処理前の無機酸化物の混合物(本発明において前駆体酸化物と称する)の製造は公知の方法により可能である。例えば、特開平10−330343、特開2000−70714号公報などに製造方法が記載されている。これらの製造方法では、主としてOTB相とHTB相からなる結晶性酸化物が生成する。
原料溶液の調製に用いる金属原料としては特に限定はないが、例えば、酸化物、硝酸塩、塩化物、オキシ塩化物、アルコキシドなどを用いることができる。例えば、モリブデン原料としては、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸化物、モリブデン酸、モリブデンのオキシ塩化物、モリブデンの塩化物、モリブデンのアルコキシド等を用いることができ、好ましくはヘプタモリブデン酸アンモニウムである。タングステン原料としては、メタタングステン酸アンモニウム、タングステン酸化物、タングステン酸等を用いることができるが、好ましくはメタタングステン酸アンモニウムである。バナジウム原料としては、メタバナジン酸アンモニウム、酸化バナジウム(V)、バナジウムのオキシ塩化物、バナジウムのアルコキシド等を用いることができ、好ましくはメタバナジン酸アンモニウムである。アンチモン原料としては、酸化アンチモン(III)、酸化アンチモン(IV)、酸化アンチモン(V)、メタアンチモン酸(III)、アンチモン酸(V)、アンチモン酸アンモニウム(V)、塩化アンチモン(III)、塩化酸化アンチモン(III)、硝酸酸化アンチモン(III)、アンチモンのアルコキシド、アンチモンの酒石酸塩等の有機酸塩、金属アンチモン等を用いることができ、好ましくは酸化アンチモン(III)である。ニオブの原料としては、シュウ酸水溶液にニオブ酸を溶解させた水溶液を好適に用いることができる。シュウ酸/ニオブのモル比は1〜10であり、好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。得られた水溶液に過酸化水素を添加してもよい。過酸化水素/ニオブのモル比は好ましくは0.5〜10であり、特に好ましくは2〜6である。
本発明における式(II)で表される前駆体酸化物は、(a)原料調合、(b)乾燥、(c)焼成の3つの工程を経て製造することができる。以下では、M、Aをバナジウム、モリブデン、ニオブ、アンチモンに限定したものを例に説明をする。
(a)原料調合工程
室温大気雰囲気下においてヘプタモリブデン酸アンモニウムを溶解した水溶液にメタバナジン酸アンモニウムを加え、50℃〜80℃に加熱して均一溶液を得る。この溶液に酸化アンチモン(III)を加え黄白濁した溶液を還流操作により30分から2時間加熱する。加熱温度は、80℃から120℃が好ましい。この操作によりアンチモンとモリブデンの一部が酸化還元することにより黒紫溶液に変化する。この溶液を20℃〜60℃まで冷却した後、過酸化水素水溶液を加えて溶液内再酸化を施し、再び上記還流操作を行ってもよい。還流による酸化還元及び過酸化水素水溶液による再酸化操作は繰り返し行うことができる。過酸化水素の総量はアンチモンに対して0.5〜4.0、好ましくは0.1〜2.0モル比相当を用いることができる。以上の操作により、スラリー状態又は均一な状態の溶液を得ることができる。
Mo、V、Nb、Sb以外の成分元素を添加する場合は、上記溶液混合時に加えてもよいし、還流操作後に加えてもよいが、追加する成分による酸化還元効果がある場合には、溶液混合時に加えることが好ましい。
このようにして得た混合溶液に、室温大気雰囲気下でシュウ酸水素ニオブ水溶液に過酸化水素溶液を加えた溶液を加える。過酸化水素の量はニオブに対して0.5〜4.0、好ましくは0.1〜2.0モル比相当を用いることができる。
化学処理前の前駆体酸化物として担持触媒化合物を製造する場合には、上記調合順序のいずれかのステップにおいて担体原料を添加することができる。
(b)乾燥工程
原料調合工程で得られた触媒原料液を乾燥工程により水分を除去し、粉体を得ることができる。乾燥工程では、噴霧乾燥、蒸発乾固、ロータリーエバポレーション、真空乾燥、凍結真空乾燥などを用いることができる。一般に、原料成分の均一混合が保持され、特定の成分がセグリゲーションしない条件を用いることが望ましく、噴霧乾燥、ロータリーエバポレーションが適している。加熱により乾燥を行う方法では、100℃〜300℃の範囲で行うのが望ましい。噴霧乾燥は簡便には100℃〜300℃に加熱した鉄板などのプレート上に原料調合液を噴霧して行うこともできる。
(c)焼成工程
乾燥工程で得られた粉体を、実質的に酸素を含まない雰囲気下で焼成することにより前駆体酸化物を得ることができる。焼成雰囲気は、真空又は窒素などの不活性ガス雰囲気下で行い、好ましくは不活性ガス雰囲気下で不活性ガスを流通させながら行う。焼成はOTB相及び/又はTTB相の形成に適した温度時間で行われる。焼成温度は300℃〜900℃であり、焼成時間は30分〜12時間、好ましくは1時間から6時間である。
さらに、上記焼成の前段階として初期焼成を行うこともできる。初期焼成により粉体中の金属以外の元素量を適切にコントロールすることができる。初期焼成は、空気中又は不活性ガス中で行い、空気又は不活性ガスの適量を流通しながら行うことが望ましい。焼成温度は100℃〜500℃の範囲で、好ましくは250℃〜350℃である。
このようにして得られた前駆体酸化物を前述した方法により化学処理することで、本発明の改良酸化物触媒が得られる。
触媒酸化物は、該酸化物単独でも該酸化物をシリカ、シリカアルミナ、ジルコニア、セリアなどに担持した状態でもよい。また、担持方法は、前駆体製造時に担体を加える方法でも、前駆体酸化物を製造したのち、又は、さらに化学処理を施した後、公知の方法により担体上に担持させる方法のどちらを採用してもよい。本発明の酸化物触媒は、担体を含めた全重量に対して1%〜60重量%、好ましくは5〜40重量%の担持量で用いることができる。
本発明において、炭化水素の酸化を実施するに当たっては、該触媒化合物を単独又は助触媒等の成分と組み合わせて用いることができる。該触媒化合物以外の成分としては特に限定されないが、例としてヘプタモリブデン酸アンモニウム、アンチモン酸、リン酸、などが挙げられる。
得られた酸化物触媒の存在下、プロパン又はイソブタンを、気相接触酸化又は気相接触アンモ酸化させて、不飽和カルボン酸又は不飽和ニトリルを製造することができる。プロパン、イソブタン、アンモニアの供給原料は、必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのガスを使用することができる。
反応系に供給する酸素源として空気、酸素を富化した空気、又は純酸素を用いることができる。さらに、希釈ガスとしてヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素などを供給してもよい。
気相接触アンモ酸化の場合、反応系に供給するアンモニアのプロパン又はイソブタンに対するモル比は0.1〜1.5、好ましくは0.2〜1.2である。反応に供給される分子状酸素のプロパン又はイソブタンに対するモル比は、0.2〜6、好ましくは0.4〜4である。
気相接触酸化の場合、反応系に供給される分子状酸素のプロパン又はイソブタンに対するモル比は、0.1〜10、好ましくは0.1〜5である。また、反応系に水蒸気を添加することも好ましい態様である。反応に供給され水蒸気のプロパン又はイソブタンに対するモル比は、0.1〜70、好ましくは0.5〜40である。
反応圧力は絶対圧で0.01〜1MPa、好ましくは0.1〜0.3MPaである。反応温度は350℃〜600℃、好ましくは380℃〜470℃である。接触時間は0.1〜30(g・s/ml)、好ましくは0.5〜10(g・s/ml)である。
反応は、固定床、流動床、移動床など従来の方式を採用できるが流動床が好ましい。反応は単流方式でもリサイクル方式でもよい。さらに反応を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
以下に示す本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであり、本発明は以下の実施例等に制限されるものではない。当業者は、以下に示す実施例に様々な変更を加えて本発明を実施することができ、かかる変更は本願特許請求の範囲に包含される。
本発明の酸化物の合成に際して、原料の化合物は、市販品又は当分野で公知の方法によって合成したものを使用した。
生成した複合金属酸化物は、粉末X線回折により結晶相を同定した。
反応生成物の分析はオンラインガスクロマトグラフィーで行った。
(比較例1)
水200gにヘプタモリブデン酸アンモニウム10.60g、メタバナジン酸アンモニウム2.04g、酸化アンチモン(III)[Sb23]3.71gを添加し、油浴を用いて110℃で2時間、大気下で還流して反応させ、この後、50℃に冷却したのち、30%の過酸化水素水3.67gを加え、同様の方法により1時間還流を施し、再び50℃に冷却したのち、30%の過酸化水素水3.67gを加えた後、さらに同様の方法により30分還流を行って濃紫色の溶液を得た。これに0.6076mol/kgのシュウ酸ニオブ水溶液7.16gに30重量%の過酸化水素1.09gを加えた溶液を加えた。得られた溶液を70℃の水浴中で10分間攪拌したのち、30重量%のシリカゾル30.0gを加えて触媒原料液を得た。この原料液を110℃に加熱したテフロンコーティング鉄板上に噴霧し水分除去した粉体を得た。この粉体5.0gを300℃の恒温槽にて空気を流通させながら1時間加熱処理した後、内径20mmの石英管に充填し、400(ml/min)の窒素ガス流通下、620℃で2時間焼成して前駆体酸化物を得た。この前駆体酸化物の式(III)で定義されるHTB相比はR(HTB)=1.1であった。
上記の前駆体酸化物W=0.20gを内径4mmの固定床型反応管に充填し、反応温度T=420℃、プロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:0.7:1.7:5.3のモル比の混合ガスを流量F=8.0〜1.0(ml/min)で流した。このとき圧力はゲージ圧でP=0.0(MPa)、絶対圧で1atmであった。接触時間はCT=0.59〜4.73(W/F×60×273/(273+T)×((P+0.101)/0.101))(g・s/ml)である。反応ガスの分析はオンラインガスクロマトグラフィーで行った。得られた結果を表2に示す。
(実施例1)
水200gにヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NH46Mo724・4H2O]10.60g、メタバナジン酸アンモニウム[NH4VO3]2.04g、酸化アンチモン(III)[Sb23]3.71gを添加し、油浴を用いて110℃で2時間、大気下で還流して反応させ、この後、50℃に冷却したのち、30%の過酸化水素水3.67gを加え、同様の方法により1時間還流を施し、再び50℃に冷却したのち、30%の過酸化水素水3.67gを加えた後、さらに同様の方法により30分還流を行って濃紫色の溶液を得た。これに0.6076mol/kgのシュウ酸ニオブ水溶液7.16gに30%の過酸化水素1.09gを加えた溶液を加えた。得られた溶液を70℃の水浴中で撹拌しながら、シュウ酸2水和物[H224・2H2O]20gを加えた。得られた溶液は青緑色を有する透明な均一溶液であり、室温で1日以上放置しても色及び透明性に変化はみられなかった。
前駆体酸化物と溶液との接触処理操作は、上記の方法で製造した溶液の100gに比較例1の方法で製造した前駆体酸化物1gを加え温度80℃で3時間撹拌操作を行った。撹拌は、触媒と溶液を含むナス型フラスコをローターに固定し、これを水浴に充分浸して200rpmの回転を与えることにより行った。溶液との接触処理中及び処理後において溶液は均一であり、触媒以外の固形成分のセグリゲーションは確認されなかった。
得られた触媒の固形成分を含む溶液をろ過したのち、ろ紙上に残った粉末を沸騰した熱水500ccで洗浄した。これを大気中110℃で3時間乾燥し、青色粉末を得た。この固形物を粉末X線回折により測定した。もとの粉末X線回折と比較するとHTB相に由来するP1ピークが低減しており、式(III)で定義されるHTB相比はR(HTB)=0.05であった。
上記の化合物0.20gを比較例1と同様の方法により反応に用いた。得られた結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により溶液との攪拌操作時間を1時間として酸化物触媒の製造を行い濃紺色を帯びた黒色の固形物を得た。もとの粉末X線回折と比較するとHTB相に由来するP1ピークが低減しており、式(III)で定義されるHTB相比はR(HTB)=0.7であった。
上記の化合物0.20gを比較例1と同様の方法により反応に用いた。得られた結果を表2に示す。
(比較例2)
比較例1の方法によりにより製造した前駆体酸化物1.0gを、10.0重量%のシュウ酸2水和物溶液100gで実施例1と同様の方法により化学処理し濃紺色の化合物を得た。粉末X線回折により測定したところ、もとの粉末X線回折と比較するとHTB相に由来する28°ピークが低減しており式(II)で定義されるHTB相比はR(HTB)=0.04であった。
上記の化合物0.20gを実施例1と同様の方法により反応に用いた。得られた結果を表2に示す。
Figure 0004743620
本発明方法によれば、選択性及び活性が向上した改良触媒により、プロパン又はイソブタンから高い収率で不飽和ニトリル又はカルボン酸を製造することができる。

Claims (7)

  1. 下記式(I)で示される成分組成を有し、
    Mαm1+(1-α)m2aBαb1+(1-α)b2tOαn1+(1-α)n2 (I)
    (式中、Mは、Mo、V、Nb、Wから選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは、P、Sb、Teから選ばれる少なくとも1種の元素であり、Bは、Mn、Fe、Coから選ばれる元素であり、Tは、K、Rb、Cs、Sr、Baから選ばれる元素であり、M、A、B、Tの組成比を決めるα、m1、m2、a、b1、b2、t、n1及びn2が、0≦α≦1、m1+b1=40、54≦m2+b2≦55のとき、2≦a+t≦8、112≦n1≦120、146≦n2≦155である。)
    ブロンズ型結晶相として斜方晶系に属し、下記表1(a)に記載のX線回折ピークを有する結晶相であるOTB相、及び/又は、
    Figure 0004743620
    前記式(I)で示される成分組成を有し、
    ブロンズ型結晶相として正方晶系に属し、下記表1(b)に記載のX線回折ピークを有する結晶相であるTTB相を含む触媒の製造方法であって、
    Figure 0004743620
    下記式(II)で示される成分組成を有する前駆体酸化物を、
    xyzuv (II)
    (式中、Mは、Mo、V、Nb、Wから選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは、P、Sb、Teから選ばれる少なくとも1種の元素であり、Bは、Mn、Fe、Coから選ばれる元素であり、Tは、K、Rb、Cs、Sr、Baから選ばれる元素であり、M、A、B、Tの組成比を決めるx、y及びuは、x+z=1.0のとき、0.05≦y+u≦0.5、vは構成金属の酸化状態によって決まる値である。)
    実質的に酸素を含まない雰囲気下で焼成する工程と、
    前記焼成工程の後、前記前駆体酸化物を前記M、A、Bの元素群から選択される元素成分を少なくとも2つ以上含む酸性溶液と接触させる工程と、を含むことを特徴とする触媒の製造方法。
  2. 前記酸性溶液が、前記M、A、Bの元素群から選択される元素成分を少なくとも4種以上含み、かつ4種のうちM、Aから選択される成分をそれぞれ1種以上含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記酸性溶液が、MとしてMo、V及びNb、AとしてSbを含むことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記酸性溶液が、シュウ酸、酒石酸及び硝酸からなる群から選択される少なくとも1種の酸性成分を含む請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 前記式(I)及び式(II)で示される成分組成において、前記MがMo、V及びNbであり、前記AがSbであり、前記B及びTは含まれないことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の方法で製造された酸化物触媒。
  7. プロパン又はイソブタンの気相接触アンモ酸化反応による不飽和ニトリルの製造方法であって、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法で製造された酸化物触媒と前記プロパン又はイソブタンとを接触させる工程を含む製造方法。
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