JP4742302B2 - 回路遮断器 - Google Patents
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次に、前記した細隙消弧方式の電流遮断部を備えた回路遮断器,および従来における細隙消弧板の構造例を図5〜図7に示す。
まず、回路遮断器の全体構造を図5に示す。図5において、1は回路遮断器のモールドケース、2は電源側端子と一体になる固定接触子、2aは固定接点、3は回動式の可動接触子、3aは可動接点、4は可動接触子3の接触子ホルダ、5は可動接触子3の開閉機構、6は操作ハンドル、7は過電流引外し装置(バイメタル式)、8はトリップクロスバー、9は可動接触子3の接点開閉移動経路に沿い、その両側に対峙しモールドケース1の消弧室内に配置した絶縁材(ポリエステル樹脂(汎用エンジニアリングプラスチック)などの高分子材料)の細隙消弧板、10は細隙消弧板9の背後に併設した消弧グリッドである。なお、モールドケース1の内部に画成した消弧室は、消弧グリッド10の背面側に開口するガス排気口を除いて周囲がモールドケースの仕切り壁で閉ざされている。
上記構成による電流遮断の動作原理は特許文献1に詳しく述べられており、短絡電流遮断時には前記細隙消弧板9の細隙効果により、固定接点2a/可動接点3a間に発生したアークarcの断面積が増大するのを抑えつつ、細隙消弧板9がアーク熱を奪ってアークエネルギーを吸収する。さらに、アーク熱により細隙消弧板9の表面が熱分解して発生するガス(炭化水素系ガス)がアークを冷却するとともに、細隙空間に発生した圧力が可動接触子3を開極位置に押し上げる力として開極速度を速め、同時にアークを消弧グリッド10に向けて伸長させるように作用する。これにより、固定/可動接点間に発生したアーク電圧が高くなって短絡電流が限流遮断される。
一方、前記した細隙消弧板9とは別に、固定/可動接触子の近傍にフッ素を含む部材を配置して、電流遮断時に固定/可動接点間に生じたアークの熱で消弧性のフッ素ガスを発生させ、このフッ素ガスをアークに混入させることでアークの温度,導電率を下げて遮断能力を高めるようにした遮断方式のものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかも、昨今では資源の再利用化から、回路遮断器についてもモールドケースの材質を堅牢な熱硬化性樹脂からリサイクルの可能な熱可塑性樹脂に変更して構成することが進められているが、電流遮断時にモールドケースに過大な圧力が加わると熱可塑性樹脂製のモールドケースが破損するおそれがある。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、可動接点の移動経路全域で細隙消弧板による細隙効果,消弧作用を有効に発揮させて高い限流遮断性能を確保しつつ、遮断器ケースの過度な内圧上昇を抑制してモールドケースを安全に保護できるように電流遮断部の細隙消弧板を改良した回路遮断器を提供することにある。
前記細隙消弧板を可動接点開閉移動経路の全長域に沿って配置し、かつ該細隙消弧板を長手方向に沿って固定接点に近い前半領域と、該前半領域から先の後半領域とに区分した上で、前半領域は溶発量の大きな高分子材料,後半領域はフッ素を含む材料で構成するものとし(請求項1)、ここで細隙消弧板は具体的に次記のような態様で構成することができる。
(1)前記細隙消弧板の後半領域をフッ素樹脂成形品で構成する(請求項2)。
(2)前記細隙消弧板の後半領域の表面にフッ素を含む材料を被着する(請求項3)。
(3)可動接点開閉移動経路の両側に対峙する細隙消弧板の間の細隙間隔について、後半領域の細隙間隔を前半領域の細隙間隔よりも拡大して設定する(請求項4)。
(4)前項(3)において、細隙消弧板の前半領域と後半領域との境界の内壁面側に段差を形成し、該段差を境に後半領域の細隙間隔を前半領域の細隙間隔よりも拡大させる(請求項5)。
(5)前項(3)において、細隙消弧板の後半領域の内壁面にテーパー面を形成し、可動接触子の開極終端側に向けて後半領域の細隙間隔を前半領域の細隙間隔よりも漸次拡大させる(請求項6)。
一方、細隙消弧板の後半領域は耐アーク性が高く、かつアーク熱により消弧性ガスを発生するフッ素を含む材料で構成している。これにより、電流遮断動作の後半行程ではアーク熱を受けて細隙消弧板から発生したフッ素ガス(消弧性ガス)がアークに混入してアークの温度,導電率を低下させる。しかも、フッ素を含む材料(フッ素樹脂の成形品,あるいは細隙消弧板の表面にフッ素樹脂を含む材料でコーティングもしくはライニングする)は、汎用エンジニアリングプラスチックなどと較べて耐アーク性,耐トラッキング性が高く、体積抵抗率も高い特性を有していてアーク熱による分解ガス発生量も少ない。
まず、図1(a),(b)に示す実施例の回路遮断器では、図6に示した従来構造と同様に可動接触子3の開閉移動経路に沿ってその全長域をカバーする長さの細隙消弧板9を配置しているが、この細隙消弧板9はその長手方向に沿って固定接点2aに近い前半領域9aと、該前半領域9aから先の後半領域9bとに区分した上で、前半領域9aは溶発量の大きな高分子材料(ポリエステル樹脂などの汎用エンジニアリングプラスチック)で構成し、後半領域9bはフッ素を含む材料(フッ素樹脂の成形品,あるいは汎用樹脂板の表面にフッ素樹脂を含む材料でコーティングもしくはライニングする)で構成している。
上記の構成により、短絡電流の遮断時に可動接点3aが固定接点2aから開離する開極動作の前半行程では、固定/可動接点間に発生したアークarcに対して細隙消弧板9の前半領域9aが高い細隙効果を発揮し、アークarcと細隙消弧板9の接触,およびアーク熱により細隙消弧板9の前半領域9aが溶発して発生した熱分解ガス(炭化水素系ガス)によりアークを強力に冷却し、そのアーク電圧を高めて電流ピークを低く抑える。一方、可動接触子3が細隙消弧板9の前半領域9aを通過して後半領域(フッ素を含む材料)9bに移動すると、アーク熱を受けて後半領域9bの表面から発生したフッ素ガスがアークarcに混入し、先記の特許文献3でも述べられているようにフッ素ガス中のフッ素原子がアーク中の電子と結合して負イオンになり、このときにアークの温度および導電率を低下させて電流を限流遮断する。しかも、フッ素を含む材料(フッ素樹脂)は耐アーク性,耐トラッキング性が高く、アーク熱による分解ガスの発生量も前半領域9aの絶縁材(汎用エンジニアリングプラスチック)と較べて少なくなる。これにより遮断器モールドケースの過度な圧力上昇を抑え、また電流遮断後の再点弧発生を効果的に阻止できる。
すなわち、図2に示す実施例の構造では、対峙する細隙消弧板9の内壁面側で、その前半領域9aと後半領域9bとの境界に段差部9a−1を形成し、この段差部9a−1を境に後半領域9bの細隙間隔d2を前半領域9aの細隙間隔d1よりも拡大させている。
この構成により、短絡電流の遮断時に可動接点3aが固定接点2aから開離する開極動作の後半行程では、前記段差部9aから先の細隙間隔がd2に拡大した分だけ細隙効果が多少低まるものの、アーク熱を受けて細隙消弧板9の後半領域9bから発生する熱分解ガスの発生量は図1(b)の構造(後半領域9bでの細隙間隔d1)よりも減少して遮断器ケースの内圧上昇を低減させ、さらに開極終端位置では可動接触子3と細隙消弧板9との間の絶縁間隔が大きくなって再点弧の発生防止に寄与する。
2a 固定接点
3 可動接触子
3a 可動接点
9 細隙消弧板
9a 前半領域
9a−1 段差部
9b 後半領域
9b−1 直線状テーパー面
9b−2 円弧状テーパー面
arc アーク
d1,d2 細隙間隔
Claims (6)
- 固定接触子と対をなす可動接触子の開閉移動経路に沿い、該開閉移動経路の両側に絶縁材からなる一対の細隙消弧板を配置してその対向壁面間に細隙消弧空間を形成した回路遮断器において、
前記細隙消弧板を可動接点開閉移動経路の全長域に沿って配置し、かつ該細隙消弧板を長手方向に沿って固定接点に近い前半領域と、該前半領域から先の後半領域とに区分した上で、前半領域は溶発量の大きな高分子材料,後半領域はフッ素を含む材料で構成したことを特徴とする回路遮断器。 - 請求項1記載の回路遮断器において、細隙消弧板の後半領域をフッ素樹脂成形品で構成したことを特徴とする回路遮断器。
- 請求項1記載の回路遮断器において、細隙消弧板の後半領域の表面にフッ素を含む材料を被着したことを特徴とする回路遮断器。
- 請求項1ないし3記載の回路遮断器において、可動接点開閉移動経路の両側に対峙する細隙消弧板の間の細隙間隔について、後半領域の細隙間隔を前半領域の細隙間隔よりも拡大設定したことを特徴とする回路遮断器。
- 請求項4記載の回路遮断器において、細隙消弧板の前半領域と後半領域との境界の内壁面側に段差を形成し、該段差を境に後半領域の細隙間隔を前半領域の細隙間隔よりも拡大させたことを特徴とする回路遮断器。
- 請求項4記載の回路遮断器において、細隙消弧板の後半領域の内壁面にテーパー面を形成し、可動接触子の開極終端側に向けて後半領域の細隙間隔を前半領域の細隙間隔よりも漸次拡大させたことを特徴とする回路遮断器。
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