JP4740770B2 - 超音波探触子及び超音波撮像装置 - Google Patents

超音波探触子及び超音波撮像装置 Download PDF

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本発明は、超音波探触子及び超音波撮像装置に関し、特にダイアフラム型超音波トランスデューサを用いた超音波探触子及び超音波撮像装置に関する。
超音波を送受信するトランスデューサの主流は、PZTに代表されるセラミックス系の圧電素子を用いたトランスデューサである。この圧電セラミックス系超音波トランスデューサは現在も、実用に供されている超音波トランスデューサの大半を占めているが、これを置き換えるべく、半導体マイクロ加工技術によるマイクロメートルオーダーの構造を有する微細なダイアフラム型超音波トランスデューサの研究開発が1990年代より始まった(Proceedings of 1994 IEEE Ultrasonics Symposium 1241-1244頁)。その典型的な構造は、図18の断面摸式図に示したように、空隙4を挟んで基板1と平坦なダイアフラム6の双方に設けられた下部電極2及び上部電極3がコンデンサを形成するものである。この電極2,3間に電圧を印加すれば、両電極上に反対符号の電荷が誘起され、互いに引力を及ぼしあうので、ダイアフラム6が変位する。このとき、ダイアフラム6の外側が水や生体に接していれば、これらの媒体中に音波を放射する。これが送信における電気・音響変換の原理である。一方、DCバイアス電圧を印加して電極2,3上に一定の電荷を誘起しておき、ダイアフラム6の接している媒体から強制的に振動を加え、ダイアフラム6に変位を与えると、変位に対応する電圧が両電極2,3間に付加的に生ずる。この受信における音響・電気変換の原理は、可聴音域のマイクロフォンとして用いられているDCバイアス型コンデンサマイクロフォンの原理と同じである。
超音波ビームの形成においては、上記トランスデューサを多数並べ、図19のようにアレイ化して使用する。図19では、複数個の六角形のトランスデューサ12をトランスデューサ間結線13で電気的に結合し、図示した境界線20で区画される一つのチャンネルを形成している。超音波トランスデューサを用いて超音波パルスの送受信を行い、エコー信号から対象物の断層像を画像化する場合において、超音波トランスデューサの電気・機械変換効率の周波数特性が平坦であるほど、時間軸上のパルス幅が狭くなり高分解能となる。また、トランスデューサから対象までの距離に応じて異なる周波数を選択できるなど、装置の制御方法の自由度が広がる利点がある。このため、図20に示すように、径の異なるダイアフラムを有するトランスデューサ12をトランスデューサ間結線で繋いで1つの素子14として同時に駆動して、広帯域化を図る方法が米国特許第5,870,351号明細書に開示されている。
Proceedings of 1994 IEEE Ultrasonics Symposium, pp.1241-1244 米国特許第5,870,351号明細書
しかし、図20に示すように、大きさが異なる多角形や、円形のダイアフラムを敷き詰めて超音波探触子を構成した場合には、トランスデューサ間に必ず隙間が生じる。この隙間は、以下の二つの観点で超音波探触子の性能を劣化させてしまう。まず、有効な素子面積が減少することによって、実効的な送受波の感度が低下する。また、ダイアフラムが形成されていない素子部分が超音波探触子の送受波口径中に露出していると、その部分から基板内に入った音が残響音の原因となり、診断画像上の虚像の原因となる。残響音に関しては、ダイアフラムから、ダイアフラムが形成されていない部分を通って、伝播した超音波が隣接するトランスデューサの端で反射され、再び元のダイアフラムに戻ってくることも、その原因となりうる。
本発明の超音波探触子は、基板上に、上部電極と下部電極と空隙層とを備える超音波トランスデューサが複数アレイ状に配列された構造を有する。複数の超音波トランスデューサは異なる共振周波数を持ち、基板表面の超音波トランスデューサが設けられていない部分で受ける超音波の影響によるノイズが−60dB以下となるような充填率で、基板上に配置される。
本発明では、一態様として、ダイアフラム型超音波トランスデューサの多角形ダイアフラムの上又は内部に梁構造を作り、ダイアフラムの直径は同じで梁の幅の異なる複数のダイアフラム型超音波トランスデューサを電気的に同時に駆動することで、ダイアフラム間の隙間を抑制しつつ、広帯域化を実現する。または、幅が異なる複数の梁を一つのダイアフラム上に、並べて形成することで、ダイアフラム間の隙間の面積を最小限に抑え、広帯域化を実現する。もしくは、短辺の長さが異なる複数の長方形ダイアフラムを電気的に同時に駆動することで、ダイアフラム間の隙間を抑制しつつ、広帯域化を実現する。
本発明によれば、ダイアフラム間の隙間の面積を最小化することで、トランスデューサのパルス特性上の尾引きを抑制し、かつトランスデューサの電気的な1素子としての帯域幅を広く設定することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の超音波トランスデューサを用いた超音波撮像装置の構成例を示す図である。この図1を用いて、超音波診断装置の動作を説明する。
予めプログラミングされた送受信シークエンス制御部201の制御に基づいて送信遅延及び重み選択部203において、送波ビームフォーマ204に与える、各チャンネルの送信遅延時間、重み関数の値が選択される。これらの値に基づいて、送波ビームフォーマ204は切り替えスイッチ205を介して、電気・音響変換素子101に送波パルスを与える。このとき、電気・音響変換素子101にはバイアス電圧制御部202によって、バイアス電圧も印加されており、その結果、電気・音響変換素子101から、ここには図示しない被検体に対して超音波が送波される。被検体内の散乱体によって、反射した超音波の一部は、再び電気・音響変換素子101で受信される。送受信シークエンス制御部では、送波を行うタイミングから所定の時間が経過した後に、今度は受波ビームフォーマ206を、受信モードを起動するように制御する。前記の所定の時間とは、例えば、被検体の深さ1mmより深いところから画像を所得する場合には、1mmを音が往復する時間のことである。送波直後に受信モードに入らないのは、通常、送信する電圧の振幅に対して、受信する電圧の振幅は100分の1から1000分の1と極めて小さいからである。受波ビームフォーマ206では、いわゆるダイナミックフォーカスと呼ばれる、反射超音波の到達時間に応じて、連続的に遅延時間と重み関数の制御を行う。ダイナミックフォーカス後のデータは、画像作成手段、例えば、フィルタ207、包絡線信号検出器208、スキャンコンバータ209で画像信号に変換されたあと、表示部210に超音波断層像として表示される。
トランスデューサを様々な用途で実用化する際に重要となる基本的特性の一つは、中心周波数と比帯域幅で表される周波数特性である。中心周波数fcは、電気・機械変換効率(感度)が最も良い周波数のことである。また、比帯域幅fhは、例えば3dB幅といった場合には、中心周波数での感度から3dB落ちた二つの周波数の間隔を中心周波数で割ったものとして定義される。比帯域幅は広いほど、一つのトランスデューサを様々な周波数帯に用いることができ、あるいは時間幅の短い超音波パルスを形成できるため、超音波ビームを用いた撮像の場合には高い距離分解能が得られるなどの有益な特性が得られる。ダイアフラム型超音波トランスデューサにおける中心周波数fcは、ダイアフラムの共振周波数とほぼ等しい値となるので、ダイアフラムの剛性をD、質量をmとすると、次式(1)で表わされ、比帯域幅fhは式(2)で表わされる。
Figure 0004740770
振動ダイアフラムの剛性及び質量は、材料が固体の場合、振動ダイアフラムの形状とその寸法、及び振動ダイアフラムの厚さによって決定される。従って、原理的には適切な振動ダイアフラムの形状と厚さを決定することによって、望みの周波数特性が得られることになる。しかし中心周波数、感度の最大値、比帯域幅と三つのパラメータを最適化するのに、Dとmの二つの設計自由度だけでは不足することになる。
通常の2次元断層像を撮像する超音波診断装置用の超音波探触子は、断層面に垂直な方向(短軸方向)は音響レンズによる固定フォーカスで、断層面に沿った方向(長軸方向)に振動子をアレイ化して並べ、電子フォーカスで断層面内の所望の位置に超音波ビームをフォーカスするように構成されている。良好な超音波ビームを形成するには、ビームの中心周波数での波長の半分程度の幅でトランスデューサをアレイ化することが理想的であり、例えば中心周波数が5MHzでは、0.15mm程度の幅でアレイ化される。短軸方向では、トランスデューサの幅が広いほど焦点でのビーム幅は狭くなり、空間分解能の高い断層像を得ることが出来るが、短軸の固定フォーカスの焦域があまり狭いと、長軸の電子フォーカスでフォーカス域を制御するのが難しくなる。また患者の肋骨の隙間など、患部に押し当てて操作する場合の使い勝手の観点からも、短軸幅は7〜8mm程度が望ましい。つまり、電気的な1素子の大きさは7〜8mm×0.15mm程度であるので、例えばダイアフラムの直径が50μm程度の場合には、150×3=450個のダイアフラムが電気的な1素子の中に並べられた状態で使うことになる。この数百個のダイフラムそれぞれの形状、材質を変えると、電気的な1素子全体での比帯域幅をより自由に設計できるようになる。原理的には形状、材質に関して自由度があるが、実際の半導体プロセスでは、基板の上に順に層構造を作製していくので、隣接するトランスデューサ毎に材質を変えることは現実的でなく、ダイアフラムの厚さを変えることも難しい。結果として、ダイアフラムの直径を変えることによって所望の比帯域幅を設計するのが最も現実的な方法である。
米国特許第5,870,351号明細書には、図20に示すように、電気的に結合された一つの素子の中にダイアフラムの径が異なる六角形を多数並べた例が示されている。しかし、直径が異なる円や多角形で領域を敷き詰めた場合には、充填効率が下がってしまうという問題がある。これは、(ダイアフラムの面積)/(素子全体の面積)の比率が低下して感度が低下するという問題以上に、素子のパルス特性に大きな影響を与える。このパルス特性の劣化について、図21を用いて説明する。図21に示すように、大きさの異なる六角形のダイアフラムを複数配置した場合には、着目しているダイアフラムから、ダイアフラムの形成されていない部分を通り、着目したダイアフラムの周囲のダイアフラムの端面で反射され再び着目ダイアフラムに超音波が戻ってくる経路(図中の矢印)の長さが、単一の大きさの六角形ダイアフラムを敷き詰めて形成されたアレイの場合に比べ、長くなる。
図2は、着目するダイアフラムと隣接ダイアフラム間の距離を変えたときの、超音波受波パルス特性を有限要素法によってシミュレーションした結果を示すグラフである。ここでは、ダイアフラムの幅は60μm、長さは無限の二次元モデルの例を扱っている。ダイアフラムの材料は窒化シリコンで、厚みは1.2μmである。アレイの前面から到達する超音波は、中心周波数10MHzの正弦波で、サイクル数は1周期分である。横軸は時間であり、アレイの前面から到達する超音波パルスがダイアフラム表面に到達した時間を原点にとっている。縦軸は、ダイアフラム中心部分の垂直方向への速度である。4つのグラフは、隣接ダイアフラム間の距離が、それぞれ5μm、20μm、40μm、60μmの場合を示している。
図2から、隣接ダイアフラム間の距離を広げるに従い、パルス幅が広がっていることがわかる。隣接ダイアフラム間の距離が5μmのときは、ほぼ外部から到達した超音波波形と同様なダイアフラムの変形となっており、ダイアフラム中心部分は1周期分の正弦波の振動をしたあと(約0.1マイクロ秒後)、振動振幅が急速に小さくなり、パルス幅は狭く、超音波からダイアフラムの変形へ変換する伝達関数の周波数特性はほぼ平坦である。一方、隣接ダイアフラム間の距離が広がるに従い、パルス波形が伸びている。隣接ダイアフラム間距離が60μmでは、隣接ダイアフラム間距離が5μmの場合に比べ、パルス幅がほぼ1.5倍に伸び、このような条件のアレイを用いた場合には空間分解能が劣化することを示している。
図3は、隣接ダイアフラム間距離が20μm、40μm、60μmの場合の受波パルス波形から、隣接ダイアフラム間距離が5μmの場合の受波パルス波形を差し引いた波形を示すグラフである。隣接ダイアフラムからの反射波の影響がほぼ無い条件である、隣接ダイアフラム間距離が5μmの受波波形と比べることで、隣接ダイアフラムからの反射波を抽出することが出来る。この隣接ダイアフラムからの反射波が、隣接ダイアフラム間距離に応じて大きくなっていることが顕著に示されている。
この反射波の絶対値の積分値を縦軸にとり、隣接ダイアフラム間距離を横軸にとったグラフが図4である。縦軸は、元の受波波形の絶対値の積分値で規格化してある。縦軸の値が、反射波の影響がほぼ無視出来る0.1以下になるのは、隣接ダイアフラム間距離が10μm以下であることが示されている。これは、シリコン内を伝播する音速が8000m/sであることを考えると、10MHzでの超音波の波長が800μmであるから、波長の1/80以下という条件であることがわかる。
複数のダイアフラム型超音波トランスデューサを電気的に結合して構成される1素子としてのトランスデューサの領域にダイアフラムが形成されていない領域が存在すると、以下に示す過程によってもパルス特性が劣化する。図22はダイアフラムの隙間から基板に入った超音波がノイズを生成するメカニズムの説明図であり、図22(a)はダイアフラムとその周辺の断面模式図、図22(b)は受波電圧信号の時間変化を表す図である。
図22(a)に示すように、ダイアフラムの上の方からくる超音波パルスを受信する場合を考えると、まずダイアフラムに直接入射した超音波パルスAは、図22(b)の横軸時間、縦軸受波電圧信号のグラフ上のAで示されるように電気信号に変換される。一方、ダイアフラム間の隙間の領域に到達した超音波パルスBは、図22(a)の経路a,b,cに示すように、基板内で多重反射を繰り返しながら、ダイアフラムのリム部を通ってダイアフラムに到達する。この経路a,b,cを通った超音波パルスも、ダイアフラムを変形させて電気信号に変換され、図22(b)に示す波形B,B’,B”として、電気信号上に現れる。
超音波診断装置においては、血管の内部構造を観察する場合など、血管外の組織部と血管の内腔のように、互いに反射率強度が40dBから60dBも異なるような部位を観察するために、輝度の圧縮を行って広いダイナミックレンジで画像化している。そのため、BやB’などのエコーが微弱なものであっても、血管周辺の組織からの反射信号Aに、時間が遅れたBやB’のエコーが伴うと、これが血管内部の像として観察され、血管内のプラークなのか、Bなどの虚像なのか区別できなくなってしまう。通常の超音波診断装置の画像のダイナミックレンジから判断すると、信号Bの振幅は信号Aの振幅に比べて、1000分の1、すなわち−60dB程度まで小さく抑える必要がある。前述のように、ダイアフラムの隙間の長さを波長の1/80程度まで短くすれば、隙間を介しての音の伝播効率が低下して、Bの様な残響音の影響が問題とならなくなってくる。この経路aでウエハ内に入る超音波の大きさを十分に小さくしておけば、経路bの多重反射の反射率を十分に小さく出来なくても、Bの残響音を小さく出来るので、結果として、経路bの多重反射の反射率に大きな影響を与えるウエハと背面材料の接着剤の厚みや材質に関する選定の自由度が増え、製造工程の取り得る自由度が向上する。
本発明では、このダイアフラムの隙間の面積を最小化しつつ、互いに異なる共振周波数を持たせて比帯域幅を拡大するのに適したダイアフラムの形状及び構造を採用する。
図5は、本発明による超音波探触子の一実施例を示す図であり、超音波探触子を構成する半導体ダイアフラム型超音波トランスデューサアレイの一部を示す上面図である。図6は、図5に示したアレイ中の一つのダイアフラム型超音波トランスデューサを切断し、斜め上方から観察した様子を示す断面模式図である。
個々のダイアフラム型超音波トランスデューサは、図6に示すように、基板1上に形成した下部電極2の上に、内部に空隙4を有する第1のダイアフラム層5を形成し、その上に上部電極3、第2のダイアフラム層6を順に形成し、更に第2のダイアフラム層の上にダイアフラムの対向する頂点間を結ぶ梁7を形成したものである。下部電極2と上部電極3とは、内部に空隙4を有するダイアフラム層5を介して対向し、コンデンサを構成する。六角形の形状をした各ダイアフラムの中心部には、ダイアフラムの形状と相似形の膜が梁と連続するように形成されている。図7に示すように、梁のみを形成すると、ダイアフラム中央付近の梁が交差する部分において、鋭角な部分が生じ、半導体のエッチングプロセスなどによって、鋭角部分を削るときにバラつきが生じる可能性がある。ここで中央に相似形部分を形成すると、鋭角な部分を作らないですむという利点がある。また、ダイアフラム型のトランスデューサにおいては、大きなDCバイアスを印加した方が、蓄積される電荷が多いため、送受波の感度を向上することができるが、このときに過度なDCバイアスを印加すると、ダイアフラムの一部が空隙4の反対側面に接触してしまう。このような接触は、ダイアフラムへの電荷注入の原因となり、素子の電気音響変換特性にドリフトをもたらすことになる。梁を形成した場合、梁の隙間の部分で、かつダイアフラムの中心近傍の部分から接触することになる。接触なく印加できるDCバイアスの上限を大きくするには、凹凸なく変形したほうが有利であるので、梁の交点部近傍にはダイアフラムの相似形の膜を形成するのが有利である。このとき、相似形部の大きさがあまり大きいと、梁の隙間が全て埋まってしまい、梁を形成した意味が無くなるので、相似形部の直径はダイアフラム全体の直径に対して50%から80%程度であることが望ましい。
ここで梁とは、幅が長さに比べ小さく、ダイアフラムの一部のみを覆う形状の構造体である。梁は、以下に示すような硬さの条件を備えることで、ダイアフラム型超音波トランスデューサ全体の共振周波数に影響を与える。すなわち、空隙4の上方壁部を構成するダイアフラム部の材料の硬さに比べ梁の硬さを十分に大きくする、もしくはダイアフラム部の厚みに比べ梁の厚みを十分に大きくすることで、ダイアフラム型超音波トランスデューサ全体の共振周波数は、梁の形状と材質によって制御することができる。例えば、幅W、長さl、厚さtの単純な直方体形状の梁を考えると、厚み方向の共振周波数fbは下式(3)で与えられる。ここで、Eはヤング率、Iは断面モーメント、mは質量である。
Figure 0004740770
断面形状が長方形の梁では、断面モーメントIはWt3/3であるため、式(3)は式(4)のようになる。
Figure 0004740770
従って、梁の材質が同じで、厚みtと長さlが一定の場合、共振周波数fbは幅Wの平方根に比例することになる。
梁が、周辺部で幅Wの直方体状であり、ダイアフラムの中心部ではダイアフラムと相似形の、図5や図6に示すような形状の場合には、近似的にダイアフラム中心部を質量Mの錘とみなすと、式(3)は式(5)のようになり、前記とほぼ同じように取り扱うことが可能となる。
Figure 0004740770
このように、ダイアフラムの共振周波数を梁の幅Wの大きさで制御できるようになると、ダイアフラムの径は一定で、ダイアフラムの表面あるいは裏面に設けた梁の幅Wが異なるトランスデューサを図5に示すように敷き詰めることで、ダイアフラム間の隙間がなく、共振周波数が異なる複数のダイアフラム型超音波トランスデューサで、1つの超音波トランスデューサを構成することが可能になる。図5では、1つの素子として機能する超音波トランスデューサの境界線を破線20によって示している。このとき、下部電極2は1つの超音波トランスデューサを構成する複数のダイアフラム型超音波トランスデューサに共通であり、1つの超音波トランスデューサを構成する複数のダイアフラム型超音波トランスデューサの上部電極同士は結線13によって電気的に相互に接続されている。
以下に、図6に示したダイアフラム型超音波トランスデューサを構成する材料と寸法の例について説明する。基板1はシリコンからなり、シリコン基板の上に、厚み500nm程度の金属もしくはポリシリコンなどからなる下部電極2が形成されている。下部電極2の上には、酸化シリコンなどの絶縁膜が50nm程度の厚みで形成され、その上に厚み方向の寸法が200nm程度の空隙4が形成され、空隙4の上壁を構成する絶縁膜(第1のダイアフラム層)5が100nm程度形成され、その上にアルミニウムなどの金属で形成される上部電極3が厚み400nm程度形成され、この上に空隙4の全面を覆う窒化珪素からなる第2のダイアフラム膜6が厚み200nm程度形成され、そのうえに梁7を構成する窒化珪素の膜が厚み1000nm程度形成されている。ただし、これらの材質や寸法は単なる一例であり、上記に説明した通りでなくても構わない。例えば、梁を窒化珪素で構成し、ダイアフラムの直径を60μm、膜の厚み及び梁の厚みをそれぞれ2μmと4μmとすると、W1が0.5μmのとき中心周波数が7.8MHzで−6dB比帯域幅が120%(−6dB比帯域が3〜12.5MHz)、W2が4μmのとき中心周波数が10MHzで−6dB比帯域幅が100%(−6dB比帯域が5〜15MHz)、W3が20μmのとき中心周波数が11.5MHzで−6dB比帯域幅が96%(−6dB比帯域が6〜17MHz)となる。梁の幅W1,W2,W3を有するトランスデューサの数をそれぞれ最適にすることにより(W1とW3の数をW2の数より多くした方が、より平坦な周波数特性が得られる)、−6dB帯域が3−17MHzすなわち、−6dB比帯域幅が140%となる。従来公知のダイアフラム構造では−6dB比帯域幅は100〜120%程度であるので、−6dB比帯域幅が40〜20ポイント改善することになる。
図5に示した例では、多角形の形状をしたダイアフラムの中心部にダイアフラムの形状と相似形の膜を梁と連続するように形成しているが、勿論図7に示すように、中心部にダイアフラムの形状と相似形の膜を形成しない梁構造としても、同じ効果を期待できる。一方、図8に示すように、ダイアフラム中心部に硬い領域15を設け、その硬い領域15の大きさを変えることで、全体のダイアフラムの大きさを保ったまま、個々のダイアフラムの共振周波数を異なるように設定することも可能である。しかし、ダイアフラムの共振周波数は、質量と、構造と材質で決まるバネの寄与に分解して考えることが出来るが、バネの強さに対しては、ダイアフラムの厚みが厚い場合には、ダイアフラムのリム部での材質、形状の寄与が支配的であるため、図8のような形状では、個々のダイアフラムで周波数を異なるように設定するのは困難である。よって、図8に示したようにダイアフラムの中心に大きさの異なる硬い領域15を形成する構造よりは、図5や図7に示したように、多角形の形状をしたダイアフラムの表面又は裏面にダイアフラムの対向する頂点間を結ぶ幅の異なる梁を形成した構造の方が好ましい。
次に、本発明による超音波探触子の広帯域特性を活用する方法に関して説明する。図9(a)は、比帯域幅が60%程度の従来の探触子を使った場合の、観察部位毎の周波数の選択の仕方を説明する図である。一般的に周波数が高い方が、波長が短くなるので、空間分解能が向上する。しかし、超音波の伝播に伴う減衰は、周波数にほぼ比例して大きくなるので、被検体の深部を観察する場合には、減衰のためほとんど信号が返ってこなくなってしまう。このように、減衰による信号対雑音比の劣化と空間分解能はトレードオフの関係にあるので、所望の信号対雑音比を満足する範囲でなるべく高い周波数を選択する。従って、観察対象となる深さによって、ほぼ自動的に最適な周波数が決まり、体表から15〜20cmくらいの深いところ(肝臓など)を観察するには2MHz程度の周波数、甲状腺など体表から数センチのところを観察するには10MHz程度の周波数、血管内プローブのような場合には更に高周波が選択される。
従来は、このような2MHzから15MHz程度までの広い周波数をカバーするような超音波探触子が無かったので、それぞれの対象部位毎に探触子を最適化して、所定の中心周波数を設定したプローブを使っていた。そのため、素子の幅も一定であればよく、波長の半分から75%程度になるような、固定素子幅の素子にアレイ化していた。しかし本発明によれば、図9(b)に示すように、一つの探触子で、人体を対象にする場合に必要な周波数域をほぼカバーすることが可能となる。図9(b)におけるf1,f2,f3は、各モードにおける駆動周波数である。
ここで、一つの探触子で、関心領域の体表からの深さによって駆動周波数を切り替えて、中心周波数を大きく異なるように動作させるために、素子幅が切り替わるように構成する必要がある。素子幅の切り替えは、対象部位の選択時に決定され、一つの撮像面内では一定の場合や、対象部位が比較的大きく、一つの画面内でも関心部位を設定する場所の変化に応じて切り替わる必要がある場合や、関心領域が体表の近傍から深い部分に広がっており、超音波を受信しながらフォーカス位置の移動に伴って素子幅も切り替えていく必要がある場合もある。例えば、受信しながら素子幅を切り替える場合に関して装置図を用いて説明する。図1の送波ビームフォーマ204から広帯域の超音波パルスを送受波切替スイッチ205及び副素子束ね切替スイッチ17を介して、副素子16から構成される超音波探触子に印加し、ここには図示しない被検体に超音波パルスを送波する。送波ビームフォーマにおいては、ビームを絞って空間分解能を上げることよりも、広く超音波パルスを送波し、信号対雑音比を向上することが重要なので、1チャンネル内の副素子数は少なくして、全口径を狭くする。被検体内で散乱された超音波は浅いところから順に戻ってくるので、生体内での伝播距離が短い超音波から順に戻ってくる。この被検体から戻ってくる超音波を従来技術においては、送受波切替スイッチ205を介して受波ビームフォーマ206で受け、各チャンネル間での遅延時間、重み係数を調整し、包絡線検波、スキャンコンバータを介して断層像が表示される。一方、本発明では、探触子と送受波切替スイッチ205の間の副素子束ね切替スイッチ17において、浅い部分からの超音波の受波時では送波した帯域の上端の帯域に対応した束ね数で束ね、深い部分からの超音波の受波時では送波した帯域の下端の帯域に対応した束ね数で束ねる。浅い部分からの超音波の受信から深い部分からの超音波の受信まで時間的には連続しているので、副素子数の切替も時間的に連続的に行う必要がある。
図5の例では、六角形のダイアフラムを縦横に繋いで電気的な1素子の超音波トランスデューサとしているが、上記のモードを実現するために、図10のように、複数の超音波トランスデューサを短軸方向にのみ結線13によってトランスデューサ間結線を行い、この電気的に結線された超音波トランスデューサを副素子として、長軸方向(アレイ方向)に束ねる副素子の数を変えることで、モードによって素子幅を切り替えることができる。ここでモードとは、対象部位や関心部位の深さによって自動的に決まる撮像条件のことである。撮像条件としては、駆動周波数、受信での周波数フィルタのカットオフ値、送波正弦波の波数、時間軸重み関数、口径重み関数などである。操作者が対象部位を選択もしくは入力すると、通常は撮像の深さの範囲が決まり、介在物の減衰の程度が推定可能なため、最適な周波数などの諸条件が決定される。場合によっては、肝臓や心臓など、比較的大きな臓器を観察する場合などは、対象部位が決まっても、関心領域が近傍から遠方まで広く広がっている事が多いので、一つの対象部位でも複数のモードを持ち、反射エコーの生成する深度によって、自動的にモードを切り替えながら使う場合もある。副素子は、上部電極同士を導電体によって恒久的に接続されたダイアフラム型超音波トランスデューサの集まりで構成される。副素子はまた、ビームフォーミングをするための1素子を構成するとき、切替可能なスイッチによって束ねられる単位トランスデューサとなる。図10において、破線20は、電気的に結線された超音波トランスデューサ副素子間の境界線を示す。図10には、アレイ化方向に対して垂直な方向に電気的に接続された4つの副素子16a〜16dが示されている。
例えば、1個のダイアフラム型超音波トランスデューサを構成するダイアフラムの直径が50μmであるとき、勿論ダイアフラム一つの幅より狭い範囲では調整出来ないが、2MHzでの波長の75%となる0.55mmの素子幅は直径50μmのダイアフラム11列で実現でき、20MHzでの波長の75%となる55μmの素子幅は直径50μmのダイアフラム1列で実現できるので、2MHzから20MHzの範囲で、モードごとに最適な素子ピッチを実現できる。すなわち、この場合には、超音波探触子を2MHzで駆動するときには、隣接する副素子を11個ずつ束ねたものを1素子として同時に駆動することで素子幅0.55mmを実現することができ、超音波探触子を20MHzで駆動するときには、個々の副素子を独立して駆動することにより素子幅55μmを実現することができる。
図11は、この副素子を束ねる数の切替え方、及びそれによる効果を具体的に説明した図である。図11(a)は、最も近い距離Fnに送波もしくは受波の焦点をあわせた状態を示している。このときは、各素子は、幅Wsの1つの副素子を1素子として構成されているので、チャンネル数Nのシステムの場合、全口径幅Wnは、Wn=Ws×Nとなる。一方、図11(b)は、より深い距離Ffに焦点を合わせた状態を示している。このとき、幅Wcの素子は、副素子を2個束ねて構成されているので、全口径幅WfはWf=Wc×N=2×Ws×Nとなる。更に深い焦点に対しては、副素子を束ねる数を増やしていくことで、全口径幅を広げていくことが可能となる。このように、超音波探触子の焦点を変えても、F値、すなわち焦点距離/口径幅をほぼ一定に保つことが出来るので、素子幅及びチャンネル数が一定の場合に比べ、近傍においてはF値が小さくなり過ぎることによる不要なグレーティングローブの生成を抑えることが可能となり、遠方においては、F値が大きくなることによるフォーカスのボケを抑えることが出来る。
この副素子の束ねスイッチは、診断装置内に搭載することも可能であるが、図12に示すように、診断装置に接続するコネクタ19とトランスデューサを結ぶケーブル18よりも、副素子16側に副素子の束ねスイッチ17を設けることによって、ケーブル18の本数を必要最小限に抑えることができる。その結果、操作者がトランスデューサを手に持って操作するときの負担を極力低減することが可能となる。
次に、六角形以外の形状のダイアフラムを用いるダイアフラム型超音波トランスデューサアレイの例について説明する。ダイアフラムの隙間の面積を最小にしつつ、共振周波数が異なるダイアフラムで超音波探触子の送受波面を埋めることは、長方形のダイアフラムを用いることによっても実現可能である。このとき、長方形ダイアフラムの長辺と短辺の比が1対1に近いと、夫々の辺の長さに対応したモード間での結合振動のため、共振モードが複雑になり、見かけは広帯域でも、周波数特性を絶対値と位相の両方で見た場合に位相が一定ではなく、結果として周波数成分毎に異なる遅延を持ち、時間軸上でのパルス特性が劣化してしまうことがある。しかし、長辺と短辺の長さが大きく異なる(例えば1:8以上など)ようにしておけば、長方形のダイアフラムは短辺に沿って変形する樋型に振動し、ほとんど短辺の長さで共振周波数が定まるようになる。
図13(a)は、長方形のダイアフラムを有するダイアフラム型超音波トランスデューサを用いた超音波探触子の例を示す平面摸式図である。また図14にアレイ化方向の断面図を示す。図14に示すように空洞部分の幅が異なるように構成することで、異なる共振周波数をもつ複数のダイアフラムを電気的に結線された1素子中に備えることが可能となる。この超音波探触子は、それぞれが個々のダイアフラム型超音波トランスデューサの構成要素であるところの複数のダイアフラムを、その長辺の方向が電気的に結線された1素子14の長辺の方向と一致するように、すなわち超音波トランスデューサアレイのアレイ化方向と直交する方向になるように配置している。個々のダイアフラムの下方には、そのダイアフラムとほぼ同形状の上部電極及び空隙が設けられており、空隙の下方に設けられた共通の下部電極と上部電極とによってコンデンサが構成される。また、長方形のダイアフラムを備える個々のトランスデューサは、そのダイアフラムの短辺の長さによって決まる共振周波数を有する。電気的に結線された1素子14の短辺を複数に分割するような、ダイアフラムの短辺の長さの組み合わせを選ぶことで、隙間なく配置された、中心周波数が異なる複数のダイアフラムが、電気的に同時に駆動される一つの超音波トランスデューサが得られる。例えば、W0を500μm、窒化珪素で構成された膜の厚みを3μmとすると、W1が60μmのとき中心周波数が7.8MHzで−6dB比帯域幅が120%(−6dB比帯域が3〜12.5MHz)、W2が50μmのとき中心周波数が10MHzで−6dB比帯域幅が100%(−6dB比帯域が5〜15MHz)、W3が40μmのとき中心周波数が11.5MHzで−6dB比帯域幅が100%(−6dB比帯域が6〜17MHz)となる。短辺の長さW1,W2,W3を有するトランスデューサの数をそれぞれ最適にすることにより(W1とW3の数をW2の数より多くした方が、より平坦な周波数特性が得られる)、−6dB帯域が1〜15MHzすなわち、−6dB比帯域幅が140%となる。従来公知のダイアフラム構造では−6dB比帯域幅は100〜120%程度であるので、−6dB比帯域幅が20〜40ポイント改善することになる。
図13(b)は、長方形のダイアフラムを有するダイアフラム型超音波トランスデューサアレイを用いた超音波探触子の他の例を示す平面摸式図である。この超音波探触子は、それぞれが個々のトランスデューサの構成要素であるところの複数のダイアフラムを、その長辺の方向が電気的1素子14の短辺と同じ向き、すなわち超音波トランスデューサアレイのアレイ化方向と同じ方向になるように配置している。個々のダイアフラムの下方には、そのダイアフラムとほぼ同形状の上部電極及び空隙が設けられており、空隙の下方に設けられた共通の下部電極と上部電極とによってコンデンサが構成される。このようなダイアフラムの配置によっても、中心周波数が異なる複数のダイアフラムで超音波探触子の表面を隙間無く充填することが可能となる。これらの、異なる中心周波数のダイアフラムを並べるときに、規則性がなるべく出ないように配列する方が、不要なグレーティングビームを発生しないので好ましい。なお、図13(b)においても、図13(a)と同じようにW1,W2,W3に対して共振周波数が決定されるので、選択の仕方、及び効果に関しても図13(a)の場合と同様である。
本実施例においても、図15に示すように、アレイの長軸方向の素子幅をモードによって自由に変えられるように設定することは、本発明の超音波撮像素子が有する広帯域特性を十分に使いこなすという観点から有益である。なお、図15においては、複数のトランスデューサをアレイ化方向と垂直な方向にのみ結線して多数の副素子を構成しておき、副素子の束ね方を変更することによってアレイの長軸方向の素子幅を変更するものであるが、図13(a)あるいは図13(b)に示すように結線された複数のダイアフラム型超音波トランスデューサからなる素子14を1つの副素子とし、副素子の束ね方を束ねスイッチによって変更することによって、アレイの長軸方向の素子幅をモードに応じて変更するようにしてもよい。
図16は、本発明による超音波探触子の更に別の実施例を示す平面模式図である。図17(a)は、その断面模式図である。図のように幅の異なる梁を複数ダイアフラムの表面に設けることによって、広帯域なトランスデューサを実現できる。本実施例の超音波探触子のダイアフラム型超音波トランスデューサは、1つの電気信号によって駆動される素子、すなわち電気的な1素子を1つのダイアフラムで構成するが、1つのダイアフラム上に中心周波数の異なる梁を複数並べてダイアフラム全体としての帯域幅を広げたものである。図16の例では、1つのトランスデューサを構成する長方形のダイアフラム6上に、ダイアフラムの短辺方向を横切るように矩形の梁7a〜7eを複数形成した。梁7aの短辺の幅はW1、梁7bの短辺の幅はW2、梁7cの短辺の幅はW3、梁7dの短辺の幅はW4、梁7eの短辺の幅はW5であり、幅W1〜W5は互いに異なる。図16のダイアフラムと梁の関係は梁の交差点部の寄与が大きくない場合には、図5におけるW1,W2,W3と共振周波数の関係と同じである。なお、図17(b)に示すように、幅の異なる梁をダイアフラム6の内部に埋め込むようにして設けてもよい。
図16に示した超音波探触子の場合も、やはり前述のように、各々の中心周波数をもつ梁ごとの並べ方に、なるべく周期性がないように配置して、グレーティングローブが形成されないように注意する必要がある。
上記実施例においては、2次元断層像を撮像するための1次元アレイの例で説明を行ったが、2次元アレイや、1.5次元アレイにおいても、電気的な1素子を構成するダイアフラムの数は減るものの、複数のダイアフラムで電気的な1素子を構成することに変わりはないので、本発明の特徴である、隙間を最小限に抑えた、中心周波数が異なる複数のダイアフラムで構成される電気的な素子を配置したトランスデューサアレイを実現することができる。なお、1.5次元アレイとは、超音波ビーム位置もしくは方向を走査する方向(長軸)、すなわち撮像面に直交する方向(短軸)に関してもアレイ化することにより、短軸側のフォーカスも可変にすることができる構成をもったアレイのことである。
本発明による超音波撮像装置の構成例を示す図。 ダイアフラム間の距離とパルス波形の関係を説明する図。 ダイアフラム間の距離と反射波形の関係を説明する図。 ダイアフラム間の距離と反射波形の強度を説明する図。 本発明による超音波探触子の実施例を示す上面図。 本発明による半導体ダイアフラム型超音波トランスデューサの構造を示す図。 本発明による半導体ダイアフラム型超音波トランスデューサの上面図。 本発明による半導体ダイアフラム型超音波トランスデューサの上面図。 本発明による広帯域化した周波数帯域の利用形態の説明図。 モードによって電気的な1素子の幅を切り替えて使うためのトランスデューサ。 焦点までの距離に応じて副素子の束ね方を切り替える効果の説明図。 副素子束ね切替スイッチと周辺部分の説明図。 本発明によるダイアフラム型超音波トランスデューサアレイの上面図。 半導体ダイアフラム型超音波トランスデューサの断面摸式図。 電気的な1素子の幅を切り替えて使うトランスデューサアレイの上面図。 本発明によるダイアフラム型超音波トランスデューサアレイの上面図。 半導体ダイアフラム型超音波トランスデューサの断面摸式図。 半導体ダイアフラム型超音波トランスデューサの断面摸式図。 半導体ダイアフラム型超音波トランスデューサアレイの上面図。 径が異なるダイアフラムを並べた超音波トランスデューサの説明図。 ダイアフラム間を反射する超音波の経路を説明する図。 ダイアフラムの隙間から基板に入った超音波によるノイズ生成の説明図。アレイの上面図。
符号の説明
1…基板、2…下部電極、3…上部電極、4…空隙、5…ダイアフラム層、6…ダイアフラム層、7…梁、12…超音波トランスデューサ、13…結線、14…超音波トランスデューサの電気的に結線された1素子、15…ダイアフラム中心部の硬い領域、16…副素子、17…副素子束ね切替スイッチ、18…ケーブル、19…ケーブル/診断機接続コネクタ、20…超音波トランスデューサ素子もしくは副素子間の境界線。

Claims (19)

  1. 基板と、前記基板上に設けられた複数の超音波トランスデューサとを有する超音波探触子において、
    前記複数の超音波トランスデューサは、それぞれ下部電極と、上部電極と、前記上部電極と共に振動するダイアフラムと、前記下部電極と上部電極の間に設けられた空隙とを有し、
    前記ダイアフラムは多角形の形状を有し、当該ダイアフラムはその表面又は内部に梁を有し、
    前記複数の超音波トランスデューサは、前記梁の幅をダイアフラム単位で異にする複数種類のダイアフラムで構成される
    ことを特徴とする超音波探触子。
  2. 請求項1記載の超音波探触子において、前記ダイアフラムは六角形であることを特徴とする超音波探触子。
  3. 請求項2記載の超音波探触子において、前記梁は前記ダイアフラムの対向する頂点間を結ぶように形成されていることを特徴とする超音波探触子。
  4. 請求項1記載の超音波探触子において、前記ダイアフラムは長方形であることを特徴とする超音波探触子。
  5. 請求項4記載の超音波探触子において、前記梁は長方形のダイアフラムの長辺と長辺との間を結ぶように設けられていることを特徴とする超音波探触子。
  6. 請求項1記載の超音波探触子において、隣接するダイアフラム間の間隔は前記基板内を伝播する超音波の最も成分の多い周波数における波長の1/80以下であることを特徴とする超音波探触子。
  7. 請求項1記載の超音波探触子において、当該超音波探触子のアレイ化方向と直交する方向に配置された複数の超音波トランスデューサは、それぞれの上部電極が電気的に接続されて副素子を構成していることを特徴とする超音波探触子。
  8. 請求項記載の超音波探触子において、前記副素子の束ね方を変更する束ねスイッチを有することを特徴とする超音波探触子。
  9. 基板と、前記基板上に設けられた複数の超音波トランスデューサとを有する超音波探触子において、
    前記複数の超音波トランスデューサは、それぞれ下部電極と、上部電極と、前記上部電極と共に振動する長方形のダイアフラムと、前記下部電極と上部電極の間に設けられた空隙とを有し、前記ダイアフラムは長辺と短辺の長さの比が異なる形状を有し、当該ダイアフラムはその表面又は内部に梁を有し、
    前記複数の超音波トランスデューサは、前記梁の幅をダイアフラム単位で異にする複数種類のダイアフラムで構成される
    ことを特徴とする超音波探触子。
  10. 請求項記載の超音波探触子において、前記長方形のダイアフラムは、長辺が当該超音波探触子のアレイ化方向と直交する方向になるように配置されていることを特徴とする超音波探触子。
  11. 請求項記載の超音波探触子において、前記長方形のダイアフラムは、長辺が当該超音波探触子のアレイ化方向と同じ方向になるように配置されていることを特徴とする超音波探触子。
  12. 請求項記載の超音波探触子において、隣接するダイアフラム間の間隔は前記基板内を伝播する超音波の波長の1/80以下であることを特徴とする超音波探触子。
  13. 請求項記載の超音波探触子において、当該超音波探触子のアレイ化方向と直交する方向に配置された複数の超音波トランスデューサは、それぞれの上部電極が電気的に接続されて副素子を構成していることを特徴とする超音波探触子。
  14. 請求項13記載の超音波探触子において、前記副素子の束ね方を変更する束ねスイッチを有することを特徴とする超音波探触子。
  15. 被検体に超音波を送受波する超音波探触子と、
    前記超音波探触子によって得られた信号から画像を作成する画像作成部と、
    前記画像を表示する表示部と、
    被検体の測定部位の深さに応じて前記超音波探触子の焦点を制御する制御部とを備える超音波撮像装置において、
    前記超音波探触子は基板上に、それぞれ下部電極と、上部電極と、前記上部電極と共に振動するダイアフラムと、前記下部電極と上部電極の間に設けられた空隙とを有する複数の超音波トランスデューサを有し、前記ダイアフラムは多角形の形状を有し、当該ダイアフラムはその表面又は内部に梁を有し、前記複数の超音波トランスデューサは、前記梁の幅をダイアフラム単位で異にする複数種類のダイアフラムで構成されていることを特徴とする超音波撮像装置。
  16. 請求項15記載の超音波撮像装置において、前記ダイアフラムは六角形であり、前記梁は前記ダイアフラムの対向する頂点間を結ぶように形成されているとともに、幅の異なる複数の梁が設けられ、1つのダイアフラムに対して設けられた梁の幅は同じであることを特徴とする超音波撮像装置。
  17. 請求項15記載の超音波撮像装置において、隣接するダイアフラム間の間隔は前記基板内を伝播する超音波の最も成分の多い周波数における波長の1/80以下であることを特徴とする超音波撮像装置。
  18. 被検体に超音波を送受波する超音波探触子と、
    前記超音波探触子によって得られた信号から画像を作成する画像作成部と、
    前記画像を表示する表示部と、
    被検体の測定部位の深さに応じて前記超音波探触子の焦点を制御する制御部とを備える超音波撮像装置において、
    前記超音波探触子は基板上に、それぞれ下部電極と、上部電極と、前記上部電極と共に振動する長方形のダイアフラムと、前記下部電極と上部電極の間に設けられた空隙とを有する複数の超音波トランスデューサを有し、前記ダイアフラムは長辺と短辺の長さの比が異なる形状を有し、当該ダイアフラムはその表面又は内部に梁を有し、前記複数の超音波トランスデューサは、前記梁の幅をダイアフラム単位で異にする複数種類のダイアフラムで構成されることを特徴とする超音波撮像装置。
  19. 請求項18記載の超音波撮像装置において、隣接するダイアフラム間の間隔は前記基板内を伝播する超音波の最も成分の多い周波数における波長の1/80以下であることを特徴とする超音波撮像装置。
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