JP2004033666A - 超音波探触子および超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超音波探触子を、列状に配列された複数の振動子29を有する振動子列を複数並列に配置してなり、隣接する振動子列が列方向に互いにずらして配置される構成とする。また、本発明の探触子は、振動子列に含まれる振動子が共通の配線基板に取付けられる構成としてもよい。この場合、探触子29はこのように形成された複数の振動子列をこの列方向にずらして重ねることによって容易に作製することができる。この保持部材としては、フレキシブルプリント基板(FPC)35を用い、このFPC35上に各振動子29を駆動するための信号電極とを形成するようにしてもよい。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用等の超音波診断装置に係り、特に2次元アレイ状に配列された振動子を有する超音波探触子に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断装置は、電気信号と音響信号とを双方向に変換する振動子を、例えば生体等の被検体に対向して複数配列した超音波探触子を用い、被検体内に超音波ビームを送信し、これに対するエコー信号に基づいて、例えば画像や血流速度等の診断に有用な情報を得るものである。
【0003】
このような超音波探触子として、複数の振動子を列状に配置してなるものが広く用いられている。そして、各振動子からの超音波の送信タイミングをずらすことによって、被検体内のその振動子列が含まれる平面上において超音波ビームの方向を変えるセクタスキャン等や、任意の深さで超音波ビームを集束させる送信フォーカスの技術が知られている。
【0004】
また、振動子を被検体に対向する面状に配列してなる2次元アレイ型探触子が提案されている。例えば、特開平7−203592号公報には、複数の振動子を格子状に配列してなる2次元アレイ型探触子が記載されている。このような2次元アレイ型探触子を用いると、送信フォーカスを3次元的に行うことによって良好なフォーカスを得て分解能を向上したり、超音波ビームの方位を2方向に偏向させることによって探触子を移動せずに広範囲を観測することが可能になる。さらに、被検体内を3次元的に走査することによって被検体内の3次元像を生成することも可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した2次元アレイ型探触子において、信号対ノイズ比(S/N比)をさらに向上することが要望されている。
【0006】
これに対し、2次元アレイ型探触子を構成する探触子の素子間のピッチを小さくすることによってS/N比を向上することが提案されているが、素子ピッチを小さくする場合は、機械加工技術による制約を伴なう。このため、素子ピッチにかかわらずS/N比を向上することが要望されている。
【0007】
上述した問題点に鑑み、本発明の課題は、2次元アレイ型探触子のS/N比を向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者らは、列状に配列された複数の振動子を有する振動子列を複数並列に配置させてなり、隣接する振動子列を列方向に互いにずらして配置して超音波探触子を形成することによって上述した課題を解決できることを見出した。
【0009】
すなわち、振動子が縦横の格子状に配列されなる従来技術に係る探触子と、上述した本発明の探触子とのそれぞれの指向性についてシミュレーションを行ったところ、本発明の探触子のほうがグレーティングローブを含むサイドローブが低減され、S/N比が向上することを見出した。
【0010】
そして、被検体に対向して面状に配列された複数の振動子を有する2次元アレイ型の探触子と、この探触子から被検体に送信する超音波信号を生成する送波手段と、この送波手段からの出力信号を探触子に伝達するとともに被検体からの反射エコー信号を受信し、その受信した反射エコー信号を信号処理する信号処理手段とを備えた超音波診断装置において、探触子が隣接する振動子列が列方向にずらして配置されるものであって、このずらして配置された振動子に超音波信号が送信されるように送波手段を制御するとともに、送信制御された超音波信号に対応する反射エコー信号を信号処理するように信号処理手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【0011】
また、本発明の探触子は、振動子列に含まれる振動子が共通の配線基盤に取付けられる構成としてもよい。この場合、探触子はこのようにして形成された複数の振動子列をこの列方向にずらして重ねることによって容易に製作することができる。この保持部材としては、例えばフレキシブルプリント基板(FPC)を用い、このFPC上に各振動子を駆動するための信号電極とグラウンド電極とを形成するようにしてもよい。
【0012】
また、複数の振動子列に含まれる複数の振動子が共通の保持部材によって保持されている構成としてもよい。この場合、例えば各振動子の超音波が放射される面に付着される音響整合層や、その反対側の面に付着される音響吸音材を各振動子にわたって共通化し、これらを保持部材として用いてもよい。また、グラウンド電極を膜状に形成して各振動子の超音波放射面またはその背面に付着し、このグラウンド電極を保持部材として用いてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる超音波診断装置の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、超音波診断装置は、2次元アレイ型の探触子1と、探触子1から図示しない被検体に送信する超音波信号を生成する送波回路3とを有する。探触子1は図示しない被検体に対向して面状に配列された複数の振動子を有する。この探触子1の詳細な構成については後に詳しく説明する。また、送波回路3の出力信号を探触子1に伝達するとともに探触子1が受信した受波信号が入力される送受分離回路5が設けられている。ここで、送受分離回路5に入力される受波信号は、探触子1の選択された口径に対応する複数の振動子それぞれからの信号からなる複数チャネルの信号である。そして、送受分離回路5から出力される複数チャネルの受波信号に対してそれぞれ異なった時間遅延を与え、各チャンネルの受波信号の位相を揃えて加算することによって受信ビーム信号を生成する整相回路7が設けられている。また、探触子1に対して、送信ビームの偏向や集束に係る信号を提供する送波手段であるビーム制御回路9が設けられている。そして、整相回路7から出力された受信ビーム信号を処理する信号処理部11が設けられている。信号処理部は、受信ビーム信号の信号強度を表示画像の輝度に対応する信号に変換するBモード処理部13と、整相回路7の出力信号にドップラ効果を利用した処理を行い、ドプラ偏移を受けた成分を示すドップラ処理部15と、整相回路7の出力信号を処理して被検体の超音波ビーム方向断面の深度方向の時間的変化を示すMモードデータを生成するMモード処理部17とを有して構成されている。そして、Bモード処理部13、ドップラ処理部15およびMモード処理部17からそれぞれ出力される2次元の画像データを処理して3次元のボリュームデータを作成する3次元画像処理部19と、3次元画像処理部19が出力する画像データを画像メモリ21に記憶し、この画像データを標準テレビ信号等の表示装置で表示可能なデータとして読み出すデジタル・スキャン・コンバータ(DSC)23と、DSC23の出力信号を画像表示する画像表示部25とが設けられている。そして、整相回路7と、ビーム制御回路9と、信号処理部11と、3次元画像処理部19とを総括して制御する制御装置27が設けられている。
【0014】
次に、本実施形態の超音波診断装置の特徴部である探触子1について詳しく説明する。図2は、本実施形態の超音波診断装置の2次元アレイ型探触子の構成を示す斜視図である。図2に示すように、探触子1は略直方体状に形成された圧電素子を有する振動子29を図示しない被検体方向、つまり超音波が送受信される方向に対向して面状に配列してなる。個々の振動子29は、その表面、つまり超音波放射面側または被検体側に接着された音響整合層31と、その反対側である背面側に接着された音響吸音材33とによって挟まれている。音響整合層31と音響吸音材33とはそれぞれ振動子29と略同一の断面形状を有してなり、その結果振動子29に音響整合層31および音響吸音材33とを接合されることによって、これら全体として直方体状の形状となる。音響整合層31は、振動子29と被検体との間の超音波の伝播が効率よく行われるように作用する。また、音響吸音材33は、振動子29から被検体とは反対方向に放射される超音波を減衰させるとともに、振動子の振動を短時間で低減させることによって、超音波ビーム波形の尾引きを低減し、超音波ビームの特性向上に寄与する。そして、各振動子29は、可撓性を有するシート状のフレキシブルプリント配線盤(FPC)35にその側面を付着される。FPC35上には図示しないグランド電極および信号電極が形成され、これらは振動子29とハンダ付けされる。そして、図2に示すように、1枚のFPC35には、列状に複数の振動子29が略同じピッチで配列される。探触子1は、このように振動子29が列状に配列されたFPC35を所定のピッチだけ離間させながら重ねることによって構成される。このとき隣接するFPC35にそれぞれ取り付けられた振動子29は、振動子29のピッチの半分だけFPC35の延在する方向にずらして配置されている。
【0015】
また、図3は、図2の超音波探触子の、1枚のFPC35に係る1列の振動子列を示す図である。なお、説明の簡単のため、図2および図3においては実際の探触子1よりも振動子29の個数を振動子列あたりの個数、振動子列数ともに少なく図示しており、実際には、1枚のFPC35には例えば64個の振動子29が取り付けられて振動子列を構成し、この振動子列を例えば64列、振動子29の列方向ピッチの1/2ずつずらしてジグザグ状に重ね合わせて構成される。
【0016】
次に、上述した超音波診断装置の動作について説明する。はじめに、送波回路3は、制御装置27からの指示に応じて送信する超音波信号の波形を生成する。この超音波信号は送受分離回路5を介して探触子1に供給される。一方、ビーム制御回路9は、制御回路27からの指示に基づいて、探触子1の送信用に選択された口径に対応する各振動子29ごとに超音波信号に異なった時間遅延を与えることによって、周知の送信フォーカス処理を行う。各チャネルの超音波ビーム信号は送受分離回路5を介して探触子1の対応する振動子29に伝達される。超音波ビーム信号を受けた振動子29は圧電効果によって振動し、これによって超音波を発生する。そして、複数の振動子29が発した超音波はそれぞれ音響整合層31を介して図示しない被検体内に伝播する。そして、各振動子からの超音波の波面が一致する方向に進行する超音波ビームが形成される。そして、被検体内を伝播する超音波ビームは、音響インピーダンスが変化する箇所において反射し、その一部は再び探触子1に戻る。探触子1の各振動子29は、このようなエコー信号を含む超音波を受信し、電気的な受信信号に変換して送受分離回路5に送る。なお、ここでは受信信号は、受信用に選択された口径に対応する複数の振動子29にそれぞれ対応する複数チャネルの信号である。この受信信号は整相回路7に入力され、エコー信号の反射源から各振動子29までの超音波の伝播経路長の違いに起因する位相のずれを揃える整相処理が施され、整相された各チャネルの受信信号は加算され、受信ビーム信号が生成される。整相回路7から出力された受信ビーム信号は、必要に応じてBモード処理部13、ドップラ処理部15またはMモード処理部17に供給され、それぞれ周知の信号処理を施される。この処理によって形成された2次元画像データは3次元画像処理部19に入力される。3次元画像処理部19は、入力された2次元画像データ信号を処理し、3次元のボリュームデータを作成してDSC23に出力する。DSC23は画像データを画像メモリ21に記憶するとともに、この画像データを例えば標準テレビ信号等に変換して読出し、画像表示部25に出力する。
【0017】
次に、本実施形態の特徴部に係る振動子を振動子列方向にずらしてなる探触子と、振動子を列方向にずらさず、換言すれば縦横の格子状に配列した既存の探触子との性能のシミュレーション結果について説明する。このシミュレーションは、2次元アレイ型探触子の探触子アレイ面または被検体に対向する面の中心から垂直に50mm離れた点、つまり被検体内の深さ50mmの位置において超音波ビームが集束されるように送信フォーカスを合わせて送信し、このフォーカス点を含みかつ超音波ビームの進行方向と垂直な面上における音圧分布、つまりフォーカス点からの距離と音圧との相関を求めたものである。ちなみに、この超音波ビームは、周波数が3.5MHzのパルス波4周期からなるものである。また、2次元アレイ型探触子の振動子アレイは平面上に配列されるいわゆるリニア型のものであり、また被検体の媒質は一定である仮定した。以下、本実施形態の探触子を「実施例」、既存の探触子を「比較例」と称して説明する。
【0018】
先ず、本シミュレーションの条件として設定した各探触子の振動子の配列について説明する。振動子の個数については、実施例、比較例ともに64個の振動子からなる振動子列を64列(64x64個)配置している。そして、実施例においては隣り合った振動子列を列方向の振動子間隔ピッチの1/2だけジグザグ状に交互にずらして配置している。これに対し、比較例は隣り合った振動子列をずらさずに配列しており、振動子は格子状に配列されている。図4は、各探触子の振動子の配列方法を示す模式図であり、図示の簡単のため、振動子の個数は少なく描いている。図4(a)は実施例を示し、図4(b)は比較例を示している。いずれの振動子も、振動子列方向の幅が0.33mm、それと直交方向の幅が0.25mmの略直方体に形成されている。また、振動子列方向の振動子ピッチdaは0.38mmに設定され、各振動子列相互間の振動子ピッチdeもまた0.38mmに設定されている。また、斜め方向に位置する振動子の中心どうしのピッチを実施例dd’、比較例ddとすると、実施例においてはdd’=(da2/4+de2)1/2≒0.42mmであり、比較例においては、dd=(da2+de2)1/2≒0.53mmであって、実施例のほうが振動子ピッチが密であるということができる。なお、説明の便宜上、振動子列の方向を「長軸方向」と称し、その直交方向を「短軸方向」と称する。また、長軸方向及び単軸方向とそれぞれ45°の角度をなす方向を「45°方向」と称する。
【0019】
図5(a)、(b)、(c)は、それぞれ長軸方向、短軸方向および45°方向における音圧分布のシミュレーション結果を示すグラフである。いずれも、実施例のデータを実線で示し、比較例のデータを破線で示している。各グラフとも、横軸は上述した平面上におけるフォーカス点からの距離(mm)を示し、縦軸は音圧(dB)を示す。
【0020】
各図とも、フォーカス点において音圧が最大となり、フォーカス点から離れるにつれて音圧は低下する。その後、長軸方向と短軸方向においては再び音圧が向上しているが、これはグレーティングローブに起因するものであると考えられる。理想的には、音圧分布がフォーカス点に集中すべきであるが、実際にはこのような音圧分布が存在する。この音圧分布が、S/N比を低下させるいわゆるサイドローブとなる。したがって、フォーカス点以外の領域に分布している音圧が低いほうが、S/N比が良好であるといえる。
【0021】
ここで、実施例のデータと比較例のデータとを比較すると、長軸方向、短軸方向、45°方向ともに実施例のほうがサイドローブが低減され、特に長軸方向においてはフォーカス点からの距離が40mmを超える領域におけるグレーティングローブの低減が顕著である。また、各図間のサイドローブの低減量を比較すると、とりわけ45°方向における、距離5mmないし30mm近傍におけるサイドローブの低減効果が大きい。
【0022】
ところで、サイドローブのうち特にグレーティングローブが低減される原理は、以下のように考えられる。すなわち、グレーティングローブは超音波ビームの進行方向に対する角度θが、d・sinθ=n・λ(n=1、2、・・)となる方向に発生することが知られている。ここで、dは振動子間のピッチであり、λは超音波の波長である。したがって、λが小さくなる高周波の超音波において良好な超音波ビーム特性を得るためには振動子ピッチdが小さいほうが好ましい。一方、図6は実施例および比較例の探触子の振動子を超音波ビームの進行方向と長軸方向との側面からみた状態を示す模式図であり、図6(a)が比較例、図6(b)が実施例を示すものであるが、図6(a)に示すように、比較例においては長軸方向振動子ピッチdaがそのまま上式の振動子ピッチdであると認められるのに対し、実施例においては、実線で示す振動子と、破線で示す隣接する振動子列の振動子とが補完しあい、見かけ上振動子ピッチがda/2であるのと同様の効果を奏しているものと考えられる。
【0023】
以上のように、本実施形態によれば、列状に配列された複数の振動子を有する振動子列を複数並列に配置させてなり、隣接する振動子列を互いにずらして配置することによって、サイドローブを低減することができ、S/N比が向上する。
【0024】
また、振動子列に含まれる振動子が共通のFPCに取付けられ、このFPCに振動子を駆動するための信号電極とグラウンド電極とが形成されているので、FPC上に振動子を配置することによって、振動子列の形成および配線を容易かつ同時に行うことができる。また探触子自体の形成もこのような振動子列を相互にずらしながら重ねることによって容易に行える効果がある。
【0025】
次に、本発明を適用してなる超音波診断装置の第2の実施形態について説明する。図7は本実施形態の超音波診断装置の構成を示すブロック図である。なお、これ以降の各実施形態において、第1の実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略し、相違点についてのみ説明する。本実施形態においては、第1の実施形態における3次元画像処理部19を信号処理部11の後段に設ける代わりに、3次元画像処理部19’を信号処理部11’の内部に設けている。3次元画像処理部19’は、信号処理部11’内でBモード処理部13、ドップラ処理部15およびMモード処理部17から2次元画像データを得て、これに基づいて3次元画像データを生成し、DSC23に出力する。また、Bモード処理部13、ドップラ処理部15およびMモード処理部17もそれぞれ直接DSC23に2次元画像データを供給することができるように構成され、その結果2次元画像データを画像表示する既存の超音波診断装置と同様の使用も可能となっている。
【0026】
次に、本発明を適用してなる超音波診断装置の第3の実施形態について説明する。図8は、本実施形態の超音波診断装置の2次元アレイ型探触子の構成を示す斜視図である。本実施形態においては、振動子29は第1の実施形態と同様に隣接する振動子列と1/2ピッチずつずらして配置されている。そして、本実施形態は、全ての振動子の超音波放射面を覆ってシート状に形成されたグランド電極41が設けられ、各振動子29はこのグランド電極41に接続されている。なお。このグランド電極41は、一方向の端部が振動子アレイからはみ出しており、この部分に図示しないグランド配線が接続される。また、振動子アレイを覆う矩形のシート状に形成された音響整合層43が、グランド電極41の振動子とは反対側の面に配置されている。また、同じく振動子アレイを覆う矩形のシート状に形成された単一の音響吸音材45が、全ての振動子29の背面を覆って設けられている。そして、音響吸音材45の内部には、各振動子29とそれぞれ接続される図示しない信号配線が形成されている。このようなオフセットを有して配置される探触子29は、音響吸音材の表面に、シート状または層状の振動子材料を接着し、レーザ等によって各振動子29を切り出すことによって形成することができる。そして、これらの振動子29の超音波放射面にグランド電極41を接着し、その上に音響整合層43を接着することによって探触子を形成することができる。すなわち、本実施形態においては、全ての振動子29が同一のグランド電極41、音響整合層43および音響吸音材45を共有することになる。
【0027】
次に、本発明を適用してなる超音波診断装置の第4の実施形態について説明する。図9は、本実施形態における2次元アレイ型探触子の振動子の配列を示す図である。図9に示すように、各振動子47は略正六角形に形成された超音波放射面を有してなり、これらの振動子47は、六角形のそれぞれの辺を隣り合った振動子47の辺と隣接させて配置されていることを特徴とする。これによって振動子をいわゆる最密に配置することが可能となる。
【0028】
次に、本発明を適用してなる超音波診断装置の第5の実施形態について説明する。図10は、本実施形態における2次元アレイ型探触子の振動子の配列を示す図である。本実施形態においては、2次元アレイを形成する振動子の超音波の放射面が、球面状またはドーム状の凸面上に配列され、いわゆるコンベックス型探触子として形成されていることを特徴とする。図10に示すように、各振動子49の超音波放射面は略長方形に形成され、振動子列は球面の経線方向に平行に配列される。そして、隣り合った振動子列が相互に列方向の振動子ピッチの1/2ずつずらされている。
【0029】
また、上述した各実施形態においては、振動子の超音波放射面は矩形または六角形であるが、例えばそれ以外の多角形や、円形であってもよい。
【0030】
また、上述した各実施形態においては、隣接する振動子列をずらす幅は、列方向の振動子相互間のピッチの1/2としているが、これに限らず、例えば1/3ピッチや1/4ピッチずつずらして配置してもよく、この場合3列または4列ごとにもとのピッチに戻るように順次配列してもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、2次元アレイ型探触子のS/N比を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる超音波診断装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の超音波診断装置の2次元アレイ型探触子の構成を示す斜視図である。
【図3】図2の探触子の振動子列を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例と比較例との振動子の配列方法を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例と比較例との音圧分布のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例と比較例との振動子列を側面からみた状態を示す模式図である。
【図7】本発明を適用してなる超音波診断装置の第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明を適用してなる超音波診断装置の第3の実施形態に係る2次元アレイ型探触子の構成を示す斜視図である。
【図9】本発明を適用してなる超音波診断装置の第4の実施形態に係る2次元アレイ型探触子の振動子の配列を示す図である。
【図10】本発明を適用してなる超音波診断装置の第5の実施形態に係る2次元アレイ型探触子の振動子の配列を示す図である。
【符号の説明】
1 2次元アレイ型探触子
3 送波回路
5 送受分離回路
7 整相回路
9 ビーム制御回路
11 信号処理部
29 振動子
31 音響整合層
33 音響吸音材
35 フレキシブルプリント基板
37 コネクタ
Claims (2)
- 列状に配列された複数の振動子を有する振動子列を複数並列に配置させてなり、隣接する振動子列が列方向に互いにずらして配置されている超音波探触子。
- 被検体に対向して面状に配列された複数の振動子を有する2次元アレイ型の探触子と、この探触子から前記被検体に送信する超音波信号を生成する送波手段と、この送波手段からの出力信号を前記探触子に伝達するとともに前記被検体からの反射エコー信号を受信し、その受信した反射エコー信号を信号処理する信号処理手段とを備えた超音波診断装置において、前記探触子が隣接する振動子列が列方向に互いにずらして配置されるものであって、該ずらして配置された振動子に超音波振動子が送信されるように前記送波手段を制御するとともに、前記送信制御された超音波信号に対応する反射エコー信号を信号処理するように前記信号処理手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
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