JP4751388B2 - 超音波撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波撮像装置に関し、特に、電気音響変換素子(トランスデューサ素子)を2次元配列した2次元アレイを有し、当該2次元アレイにより超音波を送受して撮像範囲を走査し超音波3次元画像を生成する超音波撮像装置に関する。
生体に対してパルス状超音波を送信し、その反射波を受信して、その生体内部を撮像するパルスエコー法による超音波診断装置は、X線・MRIとともに医療診断に広く用いられている。
2次元アレイ型超音波トランスデューサを用いて医療診断用の3次元撮像を実現するためには、トランスデューサから引き出す信号線数が問題となる。すなわち、2次元アレイ全体で103個から104個程度の素子が必要となり、信号線をすべて独立に超音波トランスデューサから引き出したのでは、信号線の本数が増加し、接続ケーブルが太く、扱い難くなる。
この課題を解決するため、特開2001−286467号公報では、2次元アレイ型超音波トランスデューサにスイッチ回路を搭載して、アレイを構成する素子同士をこのスイッチ回路により適宜接続してからケーブルに接続することにより、引き出すケーブル数を1桁から2桁少なくする方法が開示されている。焦点位置から発せられた超音波が、平面状の受信面に到達するときの位相分布は同心円状をなしている。そのため、特開2001−286467号公報では、同じ同心円状にある素子同士を接続して、同じケーブルに接続し、信号を引き出すことが行われている。さらに、素子同士を接続するパターンはビーム形成方向によって変化するので、スイッチ回路によって接続パターンを変更している。
2次元アレイ型超音波トランスデューサを用いて3次元撮像を実現するための、他の課題は、複数ビームの同時形成である。超音波撮像の特徴である高い時間分解能を生かしながら、3次元画像を形成するために必要な大きな画像情報量を取得するには、高い情報取得スループットが必要であり、このために同時送受信ビームのマルチビーム化は必須である。ところが、特開2001−286467号公報の素子接続パターンをそのまま用いたのでは、一つのパターンに対応して一つの送受信ビームを形成することしかできず、高速撮像に適さない
例えば心臓の冠状動脈の血流の観察や拍出量の測定を行うなど、被検体の動的な部位の動態を立体的かつリアルタイムに把握するために、電気音響変換素子を面状に配置した2次元アレイを含む超音波探触子を用いて、3次元画像をリアルタイムに取得することが考えられた。しかしながら、視野の広さ(深度および視野角)、解像度の高さ、フレームレート(リアルタイム性)の高さは相反関係にあり、ある要素を向上させるには、他の要素を犠牲にしなければならなかった。
一例として、視野角を2次元アレイの長軸方向及び短軸方向に各60度、走査線間隔を1.5度とすると、1フレームを構成する走査線の数は1600本となる。また、例えば被検体の深度20cm(超音波の行程として往復40cm)までの画像を得ようとすれば、被検体内の一般的な部位の音速は1530m/s程度であることから、走査線1本あたりの走査時間は、少なくとも260μs程度かかる。したがって、この場合、フレーム周期は約0.4秒、フレームレートは約2.5Hzとなり、心臓の動態の観察に必要な20Hz〜30Hz以上のフレームレートを達成できなかった。
そこで、例えば、特許第2961903号明細書(段落0008〜0009、図3)のように、2次元配列振動子を素子分割し、送信方向に対し、異なる微小角だけ受波ビームが偏向されるようにそれぞれ位相合わせを行って、送信方向に対して例えば4本の受波ビームを同時に形成する受波整相回路を有する超音波3次元撮像装置が提案されている。
また、特開2000−33087号公報(段落0090、図11)のように、トランスデューサアレイの3000個のトランスデューサ素子を、各々のグループが25個の素子を含む120個のサブアレイにまとめ、グループ内受信プロセッサにより個々のトランスデューサ信号を遅延して加算し、加算された信号を受信ビームフォーマのチャンネルの1つに提供する「グループ内プロセッサを有するフェーズドアレイ音響装置」が提案されている。
また、特開2001−286467号公報(段落0021、図3)のように、2次元配列振動子の同心円状の振動子群ごとに、フォーカス点までの距離に応じた遅延時間を付与し、各リング状振動子群から放射された超音波がフォーカス点で収束するとともに、フォーカス点から反射した超音波が各リング状振動子群へ向かうようにした超音波診断装置が提案されている。
従来の超音波3次元撮像装置では、1本の送信ビームに対し4本の受波ビームを同時形成すれば、撮像範囲の広さおよび解像度が同じならば、フレームレートは4倍になる。したがって、前記した例で20Hz以上のフレームレートを達成するには、1本の超音波送信ビームに対し、8本以上の超音波受波ビームを形成すればよい。
しかしながら、一般に、充分な解像度の画像を得るためには、数千個の振動子を配列した2次元配列振動子を用いる必要がある。このため、前記従来の超音波撮像装置では、遅延手段や加算手段も数千個必要になり、受波整相回路の回路規模が膨大なものとなる。このため、製造費用が高いのみならず、装置を実現すること自体が困難であるという問題点があった。また、仮に製造したとしても、2次元配列振動子からの接続線の芯線数が数千本となり、撮像操作が現実的に行えないという問題点があった。
一般に、充分な分解能を得るには、2次元配列振動子の開口長をできるだけ大きくし、多数の電気音響変換素子を用いたほうがよいが、数千の入力チャンネルを有する受信ビームフォーマは、回路規模が非現実的となるため、電気音響変換素子の数千のチャンネルを、例えば、100〜200チャンネル程度に低減することが考えられた。
従来の「グループ内プロセッサを有するフェーズドアレイ音響装置」では、チャンネル数が低減されるため、回路規模が縮小され、操作性の向上が期待できるが、トランスデューサ素子をグループにまとめたサブアレイの形状によっては、グレーティングローブの発生などにより、充分な解像度やコントラストが得られなかったり、ノイズや偽像が発生したりして、所望の画質が得られないことがあるという問題点があった。また、グループ分けを細かくすれば、チャンネル数が増大し、回路規模が増大するとともに、所望のフレームレートが達成できないという問題点があった。
また、従来の超音波診断装置では、各リング状振動子群の幅を一定(2素子ピッチ)としている。このため、特に超音波ビームを振る方向によっては、各群の間隔がほぼ1波長(2素子ピッチ)となることがあるため、大きなグレーティングローブが発生して画質が劣化することがあり、グレーティングローブの発生を抑制するため、各群の間隔を狭くすれば、回路規模が増大するという問題点があった。また、内側のリングと外側のリングとで振動子の数が極端に異なるため、リングごとにインピーダンスなどの電気的特性が大きく異なり、補正のための回路規模が増大したり画質が低下したりするという問題点があった。あるいは、リングごとの電気的特性を等しくするため、振動子を間引いて用いれば、解像度が低下するという問題点があった。
このように、電気音響変換素子のチャンネルを束ねてチャンネル数低減を行う場合には、チャンネル数を低減することとグレーティングローブを抑制することとは相反関係にあり、チャンネル数を低減すると、得られる画像の画質が劣化するという問題があった。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、低コストで、広視野、高解像度、高フレームレートの超音波3次元画像を生成できる超音波撮像装置を提供することを課題とする。
記課題を解決するため、本発明の超音波撮像装置は、複数のトランスデューサ素子を2次元配列した2次元アレイを有し、当該2次元アレイにより超音波を送受して撮像範囲を走査し超音波3次元画像を生成する超音波撮像装置であって、前記トランスデューサ素子を前記2次元アレイの配列面上の第1方向の寸法より第2方向の寸法が大きい第1素子ブロックと前記第2方向の寸法より前記第1方向の寸法が大きい第2素子ブロックとを含む複数の素子ブロックに区分けするとともに、前記撮像範囲に送信ビームと複数の受信ビームとを形成するように各々の前記素子ブロック内を所定数のグループに区分けし、当該グループごとに前記トランスデューサ素子の送受信チャンネルを集束して1チャンネルとする選択手段を具備したことを特徴とする。
本発明の超音波撮像装置によれば、低コストで、広視野、高解像度、高フレームレートのリアルタイム超音波3次元画像を生成できる。
トランスデューサ送受信面を基準とした焦点の位置と送受信面上の位相分布との関係を示す図である。 複数ビームの焦点面状の配列と口径分割線の関係を示す図である。 トランスデューサ受信面へ下した垂線上に複数ビームの焦点群を形成するためのアレイ素子接続パターンを示す図である。 トランスデューサ受信面へ下した垂線に対して斜めな方向に複数ビームの焦点群を形成するためのアレイ素子接続パターンを示す図である。 トランスデューサ受信面へ下した垂線に対して斜めな方向に複数ビームの焦点群を形成するためのアレイ素子接続パターンを示す図である。 本実施形態の超音波診断装置の構成を示すブロック図である。 焦点を方位方向にシフトさせた第1の受信ビームの焦点面上ビームパターンである。 焦点を方位方向にシフトさせた第2の受信ビームの焦点面上ビームパターンである。 焦点を方位方向にシフトさせた第3の受信ビームの焦点面上ビームパターンである。 焦点を方位方向にシフトさせた第4の受信ビームの焦点面上ビームパターンである。 口径分割線と素子分割線が0度を超え90度未満の角度をなすように構成した2次元アレイの構成を示す図である。 口径分割線に直交または平行する方位方向の受信ビームパターンである。 素子分割線に直交または平行する方位方向の受信ビームパターンである。 本発明による超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。 2次元アレイのブロック分割の概念を示す説明図である。 電気音響変換素子のグループ化方法を示す説明図である。 選択部の構成を詳細に示すブロック図である。 選択器からの受信信号を受信ビームフォーマで処理するまでの構成を詳細に示したブロック図である。 本発明による別の超音波撮像装置の構成を示すブロック図である。 比較例による2次元アレイのブロック分割を示すパターン図である。 比較例によるグループ化を示すパターン図である。 フレネルゾーンプレートと2次元アレイとの関係を示す説明図である。 本発明による2次元アレイのブロック分け例を示すパターン図である。 本発明によるグループ化を示すパターン図である。 本発明による2次元アレイの別のブロック分割例を示すパターン図である。 2次元アレイをブロック分割した時の素子ブロックと、グループ化パターンを決定するためのフォーカス点との幾何学的な位置関係を示した概念図である。 基本例のグループ化方法を説明するための、素子ブロック内の各電気音響変換素子に与えるべき遅延量の頻度分布を示すヒストグラムである。 変形例のグループ化方法を説明するための、素子ブロック内の各電気音響変換素子に与えるべき遅延量の頻度分布を示すヒストグラムである。 グループ化の比較例を示すパターン図である。 グループ化の第1例を示すパターン図である。 グループ化の第2例を示すパターン図である。 グループ化の第3例を示すパターン図である。 ビームプロファイルの表示座標系を示す説明図である。 比較例のグループ化パターンを用いたときの(u,v)座標系におけるビームプロファイルを示す等高線図である。 第1例のグループ化パターンを用いたときの(u,v)座標系におけるビームプロファイルを示す等高線図である。 第2例のグループ化パターンを用いたときの(u,v)座標系におけるビームプロファイルを示した等高線図である。 第3例のグループ化パターンを用いたときの(u,v)座標系におけるビームプロファイルを示した等高線図である。
<第1の実施形態>
次に、図1ないし図13を参照して、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
(基本原理)
X線・MRIなど他の画像診断モダリティにない超音波診断装置の最大の特長は、リアルタイム画像表示を可能とする撮像速度の速さにある。すなわち、ヒト視覚の時間分解能である約30ms毎に画像更新可能な撮像速度の速さである。さらに、低速再生により心臓の弁の動きを診断することを目的に、15ms毎に画像取得する時間分解能を実現することすら可能である。
一方、パルスエコー法による空間分解能のうち、深さ方向(z方向)の距離分解能は、超音波パルスが反射物との間を往復するのに要する時間の分解能により得られる。生体中の超音波の伝播速度は、水中とほぼ等しく1500m/sであるので、超音波周波数が数MHz以上であれば、1μs程度の時間分解能により1mm程度の距離分解能を容易に得ることができる。
これに直交する方向(x,y方向)の空間分解能、すなわち方位分解能は、送信波又は受信波をフォーカスすることにより高められる。超音波波長の数倍以下の方位分解能を得るには、口径と焦点距離の比であるFナンバーが1にせまるほどの強いフォーカスが必要である。カメラの場合の被写界深度にあたる焦域深度は、その結果、数波長と小さくなってしまう。これは、超音波の往復伝播時間1μs程度に相当するが、近年の著しい高速電子回路技術の進歩によって、超音波がこの距離を伝播する間に受信焦点距離を変化させることが可能となった。このリアルタイム受信ダイナミックフォーカス技術により、受信については、常にフォーカスの合った撮像が実現できるようになった。
生体は元来3次元空間を占める存在であり、それに生ずる疾患に対応する病態の画像による観察は、本来、可能であれば3次元観察すべきものである。超音波撮像の特長である高い時間分解能を生かしながら、また、前記のようにして最近実現されるようになった高い空間分解能を維持しながら3次元撮像するためには、現在広く普及している1次元アレイ型超音波トランスデューサ(1次元探触子)を他の1次元について機械的に走査する方法は、3次元計測のために凹凸のある被検体の体表で探触子を体表に接触させながら手動で又は機械的に移動することが難しく、2次元アレイ型超音波トランスデューサを用いてすべての次元について電子的に走査する必要を生ずる。
2次元アレイ型超音波トランスデューサを用いて医療診断用の3次元撮像を実現するためには、大きな課題が少なくとも二つ存在する。一つは、アレイ型超音波トランスデューサから引き出す信号線数の問題である。
アレイ型トランスデューサによる送受信ビーム形成を自由に行うには、アレイを構成する素子の配列方向の寸法を半波長程度以下にする必要がある。この寸法は、超音波診断用として一般的な2MHzから3MHzの超音波周波数を用いるとき、0.25mmから0.37mm程度である。一方、肋間から心臓を撮像するために方位分解能を多少犠牲にした小型の送受信口径であっても、12mmから20mm程度の幅を持っている。
従って、2次元アレイ全体で103個から104個程度の素子が必要となり、これに接続される信号線をすべて独立に超音波トランスデューサから引き出したのでは、信号線の本数が増加し、ケーブルが太く、扱い難いものになる。これらの問題をケーブルによって解決するには、外径が小さいケーブルが必要であるが、このためには、現在でもすでに製造技術の限界に近いケーブル芯線をさらに細くする必要があり、実現困難である。また、多数の遅延回路を設ける必要が生じ、超音波トランスデューサ素子の電気容量がそれに接続されるケーブルの電気容量に比べて小さくなるため、受信信号電圧が低下してしまうという問題も発生する。
次に、焦点位置にある点反射源から発せられた超音波が、概ね平面状のトランスデューサ受信面に到達するときの位相分布に着目する。その等位相領域は、図1に示すように、点反射源からトランスデューサ受信面へ下した垂線の足を中心とする同心円状のフレネル分布をなしている。逆に、この同心円状の各領域の素子に同一の遅延時間を与えて送信すれば、焦点に収束する超音波が発生する。焦点がトランスデューサ受信面の正面にある場合には1001a、斜め方向にある場合には1001bや1001cというように、素子同士を接続するパターンがビーム形成方向によって変化する。複数の受信ビームを形成するにあたり、複数の焦点それぞれについて、その位置にある点反射源から発せられた超音波がトランスデューサ受信面に到達するときの等位相領域に着目すると、それらは、複数焦点間の方位方向のシフト量に対応して、少しずつシフトしている。
従って、これら複数の受信ビームを同時形成するためには、まず、トランスデューサ受信面をいくつかのブロックに分けてから、それぞれのブロック内において、これら複数焦点の平均的な等位相領域接続パターンを用いて信号線を引き出すのが有効である。
図2に、複数ビームの焦点面上の配列と口径分割線の関係を示した。図2の上側にトランスデューサ受信面の口径を複数に分割する口径分割線を破線で記し、図2の下側に4本の受信ビームの焦点面上の配列とその中心位置(×で示された位置)を記した。言い換えれば、複数のビームの中心位置に焦点が形成されるように等位相領域の素子の信号線が接続されている。ここで、4本の受信ビームの配列間隔は、トランスデューサ受信面の大きさに比べて非常に短くなっている。
この図2を用いて、4本の受信ビームを同時形成する場合について、その焦点面上の配列と、それらを同時形成するのに最適な受信面分割パターンの関係について検討できる。焦点面上焦点付近の音場と送受信面上の音場とは、結晶中の原子配列とX線回折パターンの関係と同様、互いに一方をフーリエ変換すると他方となる関係にあることは、良く知られている。従って、焦点面における複数受信ビームの配列の逆格子を考え、それを分割線として受信口径を分割するのが最適と考えられる。図2では、4本の受信ビームが正方形の4頂点に位置しているが、これが、x方向がy方向よりも長い長方形である場合には、その逆格子を考えて、y方向の分割線間隔をx方向より長くすることにより、最適な口径分割パターンを得ることができる。
図3から図5は、このようにして得られた、4本の受信ビームを同時形成するためのアレイ素子の接続パターンを模式的に示したものである。この例では、受信口径全体を4×4のブロックに分けた上で、各ブロック内の素子を、4本の受信ビームの中央(図2中の×で示された位置)に焦点を形成フレネル分布の等位相領域接続パターンに従って接続した。言い換えれば、焦点面上の異なる位置に配列する複数のビームの中心位置に焦点を形成する際の等位相領域の素子を互いに接続した。図中では、隣り合うブロックが白黒反転するように各ブロックを白または黒に染めた。図3は、焦点がトランスデューサ受信面の正面にある図1中1001aの場合のパターンであり、図4は、焦点がトランスデューサ受信面の斜め横方向にある図1中1001bの場合であり、y方向に平行なパターンが各ブロック毎に連続している。また、図5は、図1中1001cの場合のパターンであり、x,y軸に45度傾斜したパターンが各ブロック毎に連続している。
以下,本発明の一実施形態である超音波診断装置(超音波撮像装置)について図を用いて説明する。
図6は、パルスエコー法を基本とする超音波診断装置の典型的な構成を示すブロック図である。送受信シークエンス制御部1012は、送信ビームフォーマ1013、受信ビームフォーマ1020、切り替えSW群1011及び束ねSW制御部1010を制御する。切り替えSW群1011及び束ねSW制御部1010は、超音波探触子を構成するアレイ型トランスデューサ素子群1001をブロック毎に接続する束ねSWブロック(スイッチ)1002に対して、それらの接続パターンを制御する信号を与える。
超音波送波時は、複数ビームでなく単一の超音波ビームを形成する。そのために、選択手段である束ねSWブロック1002は、所定の焦点距離の超音波ビームを形成するようにアレイ型トランスデューサ素子群1001の各素子をフレネルリング状に束ねる。すなわち、同時に駆動するアレイ型トランスデューサ素子が選択される。送信ビームフォーマ1013は、フレネル分布にしたがって遅延した波形を用いて、アレイ型トランスデューサ素子群1001の各素子を駆動する。
一方、超音波受波時は、材料の音速と密度の積で表される音響インピーダンスの変化が大きなところで反射した反射波を受信する。このとき、複数ビームを受信することにより、時間分解能が高められる。受信ビームフォーマ1020では、束ねSWブロック1002及び切り替えSW群1011を介して受信したアレイ型トランスデューサ素子群1001の各入力信号をプリアンプにより増幅の後、信号をサンプルし、A/D変換後、一旦、メモリに蓄える。
より詳細には、プリアンプの直後に、送信からの経過時間に従って増幅率が漸増するよう制御されたTGC(TIME GAIN CONTROL)アンプを通した後、A/D変換するのが一般的である。これは、生体中を伝播する超音波が、伝播距離にほぼ比例して減衰するのに対応して、受信信号の振幅が、送信からの経過時間にほぼ比例して減少するのを補償して、A/D変換器入り口における信号振幅の大きさを一定の範囲に保つための処理である。これによりA/D変換における振幅量子化による信号ダイナミックレンジの低下を防ぐことができる。これに加えて、A/D変換の前に帯域制限フィルタを通すことにより、A/D変換における時間軸量子化によるエイリアシングを防ぐことができるのは周知の通りである。
受波指向性を得るためには、一旦、メモリに蓄えられた各素子の受波信号に、各素子の位置に応じた一種の遅延を与えた後に互いに加算して収束効果を得る必要がある。各素子の信号に与えるべき遅延時間の最適値は、受波焦点距離により変化する。また、良好なパルスエコー像を得るための受波焦点距離の最適値は、送信からの経過時間と音速に比例して長くなる。従って、各素子の信号に与える遅延時間を送信からの経過時間に応じて変化させるダイナミックフォーカス受信方式を用いることが望ましい。この方式は、各素子の受波信号を一旦メモリに書き込んでから再び読み出して互いに加算する構成であれば、読み出し時あるいは書き込み時の制御により、比較的容易に実現することができる。
受信ビームフォーマ1020の出力信号は、複数の受信ビーム毎に受波メモリ1021に蓄えられる。本実施形態では4つの受信ビームを形成するので、受波メモリ1021は4つ設けられている。これらのメモリに蓄えられた信号は、選択SW1022により順次選択され、読み出される。さらに、読み出された信号は、フィルタ1023を通過後、包絡線信号検出器1024において、サンプル&ホールドされ包絡線信号が検出される。また、この包絡線信号を対数的に圧縮して表示信号とする。これをスキャンコンバータ1025で2次元像あるいは3次元像に変換し、CRTあるいは液晶を基本要素とする表示部1026に画像を表示する。
(シミュレーション例)
次に、本実施形態の超音波診断装置を用いて形成される受信音場の例を以下に示す。
図7から図10は、焦点を方位方向にシフトさせた第1から第4の受信ビームの焦点面上ビームパターンである。これらの図は、x,y方向(方位方向)の10mmまでについて、受信感度を規格化している。超音波周波数3MHz、64×64個の素子よりなる16mm×16mmの受信口径を4行×4列に等分割して、受信面から60mm離れた焦点面上4mm四方の正方形の各頂点に受信ビームを同時形成した。いずれの受信ビームについてもサイドローブが見られるものの、その主ビームに対する相対感度0.2程度は、実用上問題のない範囲にある。
これらの受信ビームの−6dBビーム幅は、約5mmである。同時形成される受信ビームの隣接ビーム間の中心距離は、この例のように、−3〜−6dBビーム幅の程度に設定するのが妥当である。これよりも間隔が狭いと、エコー信号として各受信ビームより得られる情報の独立性が小さくなってしまい、並列受信する価値が低くなってしまう。逆に、これよりも隣接受信ビーム間の間隔を狭く設定すると、隣接する受信ビームの中間に存在する反射源からのエコーを検出し落とす可能性が増えることになる。受信口径を4行×4列に等分割すると、この例のように、−3〜−6dBビーム幅の程度に離れた複数の受信ビームを同時形成することができる。
分割数がこれより少ないと、−3〜−6dBビーム幅の程度に離れた複数の受信ビームを同時形成するときに生ずるサイドローブの強度を許容範囲に抑えるのが困難となる。逆に、分割数をこれより増加すれば、サイドローブの強度を抑えながら、−3〜−6dBビーム幅の程度に離れた複数の受信ビームを同時形成することは容易になるが、引き出す必要のある信号線の本数が増えてしまう。
この2次元超音波トランスデューサを構成する64個×64個のトランスデューサ素子は、16個×16個のトランスデューサ素子を有する4行×4列の各ブロックに等分割され、各ブロックは、16よりも少ない数15本の引き出しケーブルを持ち、各ブロックのトランスデューサ素子は、16入力15出力のマルチプレクサスイッチ16個によって引き出しケーブルに接続されている。これを一般化すると、2次元超音波トランスデューサは、n,M,Nを自然数とするとき、M1,M2,…,Mn個のトランスデューサ素子に分割されたものであり、各トランスデューサ素子は、Mnよりも少ないNn本の引き出し線を持つn個のブロックに分割され、n番目のブロックの素子に1入力Nn出力のマルチプレクサスイッチMn個が接続されている、といえる。
受信口径を複数のブロックに分割したのち、ブロック内で各素子を等位相領域に着目した接続パターンに従ってスイッチにより接続する方式を矩形受信口径に適用した場合の実用上の問題として、ブロックの一辺に比べて寸法の長い対角線の方向の素子間隔が、辺方向の素子間隔より細かいため、受信口径対角線方向に受信ビームを偏向するに必要な引き出し線の数が、受信口径辺方向に受信ビームを偏向するに必要な引き出し線の数の2倍程度になってしまう点がある。
この問題は、図11に示すように、トランスデューサ素子の分割線が、受信口径またはそれを分割したブロックの対角線に平行となるように、アレイ型トランスデューサを構成することにより解決する。図12及び図13は、このようなアレイ型トランスデューサを用いて、それぞれ口径分割方向と素子分割方向に受信ビームを45度偏向した場合の受信ビームパターンである。この例では、超音波周波数2MHz、48個×48個の素子よりなる5mm×5mmの受信口径を4行×4列に16分割して、焦点距離57.3mmの受信ビームを形成した。この距離においては、mm単位の方位方向の距離とdeg単位の角度の数値が一致する。素子分割方向に主ビームを偏向したとき、偏向方向と反対側90度方向にグレーティングローブが生じているが、実用上、視野外と考えられるので、実質的問題にはならない。
以上説明したように、本実施形態によれば、引き出しケーブル線数を抑えながら複数の受信ビームを同時形成できるので、太すぎないケーブルで接続された超音波プローブを用いて、心臓の撮像などにも適する実時間3次元撮像を実現することができる。従って、医療ならびに工業における意義は大きいということができる。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記実施形態は、送信時に単一のビームを形成して所定の焦点位置に収束させたが、複数ビームを形成して送信することもできる。
(2)前記実施形態は、4×4の矩形形状に16分割したが、同心円の角度方向に等分割することもできる。
<第2の実施形態>
次に、図14ないし図37を参照して、本発明の第2の実施形態について詳細に説明する。
図14は、本発明による超音波撮像装置100Aの構成を示すブロック図である。
超音波撮像装置100Aは、被検体に対し超音波を送受して走査を行い、撮像領域のリアルタイム超音波3次元画像を得るものであり、2次元アレイ1と、選択部2と、送受分離スイッチ3と、送信ビームフォーマ4と、増幅部5と、受信ビームフォーマ6と、信号処理部7と、3次元メモリ8と、表示部9と、制御部10とを具備している。
2次元アレイ1は、多数の電気音響変換素子(トランスデューサ素子)を平面状または曲面状に配列したものであり、個々の電気音響変換素子は、送信ビームフォーマ4により駆動され超音波を送信するとともに、被検体から反射した超音波を受信して電気信号に変換する。
選択部2は、2次元アレイ1の各々の電気音響変換素子に対応した多数の入出力チャンネルを後記するように集束し、2次元アレイ1の入出力チャンネル数を低減して、送受分離スイッチ3へ接続する。
送受分離スイッチ3は、制御部10の制御により、被検体へ超音波を送信するときは送信ビームフォーマ4と選択部2とを接続し、被検体からのエコーを受信するときは選択部2と増幅部5とを接続することにより、送信時と受信時とで、送信系(送信ビームフォーマ4)と、受信系(増幅部5から表示部9まで)とを分離する。
送信ビームフォーマ4は、2次元アレイ1を電気駆動することにより、送信ビームTを形成させるとともに、制御部10の制御により、送信ビームTの方向をずらしながら撮像領域全体の走査を行う。
増幅部5は、2次元アレイ1からの受信信号を増幅して、受信ビームフォーマ6へ出力する。
受信ビームフォーマ6は、選択部2で集束された各々の信号に遅延処理および加算処理を施して、送信ビームTに対して複数(例えば、4本)の受信ビームR1〜R4に係るエコー信号を同時に生成する。
信号処理部7は、受信ビームフォーマ6からのエコー信号に前処理(対数変換処理、フィルタ処理、ガンマ補正など)を施す。
3次元メモリ8は、デジタルスキャンコンバータ(DSC)および画像メモリとしての機能を有する。すなわち、信号処理部7からのエコー信号をデジタル変換して蓄積し、3次元画像データを形成するとともに蓄積し、表示部9の表示形態に合わせて出力する。
表示部9は、3次元メモリ8から3次元画像データを読み出し、被検体の3次元画像または断層画像を表示する。
制御部10は、選択部2、送受分離スイッチ3、送信ビームフォーマ4、増幅部5、受信ビームフォーマ6、信号処理部7、3次元メモリ8および表示部9を制御する。
なお、超音波探触子(図示せず)は、2次元アレイ1と選択部2とを含んで構成されていて、送受分離スイッチ3以降の他の構成要素は、本体(図示せず)側に設けられている。この超音波探触子と本体とは、ケーブルで接続されているが、後記するように2次元アレイ1の入出力チャンネル数が選択部2により低減されているため、このケーブルの芯線数も低減される。このため、ケーブルの径を細くでき、超音波撮像装置100Aの操作性を向上させることができる。
次に、2次元アレイ1を4個の素子ブロックに区分けするとともに、各々の素子ブロックに4チャンネルを割り当てて、2次元アレイ1全体のチャンネル数を16チャンネルに低減する例について、その概念を説明する。なお、本発明による素子ブロックの区分けは、例えば、図23を参照して後記するように行うが、ここでは、素子ブロック分割とグループ分割の概念を説明する都合上、短軸方向(図の縦方向;請求項の第1方向)の寸法より長軸方向(図の横方向;請求項の第2方向)の寸法が長い素子ブロック(請求項の第1素子ブロック)に区分けした場合について説明する。
図15は、2次元アレイ1のブロック分割の概念を示す説明図である。
2次元アレイ1は、4n個の電気音響変換素子をマトリクス状に配列したものである。配列面が平面である場合について説明するが、配列面は曲面であってもよい。この2次元アレイ1を、短軸方向(図の縦方向;請求項の第1方向)に2つに分割し、長軸方向(図の横方向;請求項の第2方向)に2つに分割することにより、各々n個の電気音響変換素子からなる4つの素子ブロック11〜14とする。図示するように、素子ブロック11は、電気音響変換素子111〜11nからなり、素子ブロック12は、電気音響変換素子121〜12nからなり、素子ブロック13は、電気音響変換素子131〜13nからなり、素子ブロック14は、電気音響変換素子141〜14nからなる。
なお、矩形の電気音響変換素子をマトリクス状に配列した例について説明するが、例えば、矩形ではなく三角形や六角形などの他の形状の電気音響変換素子を用いたり、マトリクス状ではなくハニカム状やランダム状など異なる配列を行ってもよい。
図16は、電気音響変換素子111〜11n,121〜12n,131〜13n,141〜14nのグループ化方法を示す説明図である。なお、隣り合うグループとなる範囲を、網掛けおよび白抜きによって区別して図示してある。
素子ブロック11〜14内の電気音響変換素子111〜11n,121〜12n,131〜13n,141〜14nは、3つの同心円151〜153によって区分けされることにより、グループ化される。
すなわち、素子ブロック11は、4個のグループa1〜d1にグループ分けされ、グループa1〜d1の各々に1チャンネルずつが割り当てられる。同様に、素子ブロック12は、4個のグループa2〜d2にグループ分けされ、グループa2〜d2の各々に1チャンネルずつが割り当てられ、素子ブロック13は、4個のグループa3〜d3にグループ分けされ、グループa3〜d3の各々に1チャンネルずつが割り当てられ、素子ブロック14は、4個のグループa4〜d4にグループ分けされ、グループa4〜d4の各々に1チャンネルずつが割り当てられる。
なお、2次元アレイ1の正面方向に送信ビームTを形成するとともに、送信ビームTの近傍に受信ビームR1〜R4を形成するように、4つの素子ブロック11〜14のそれぞれについて電気音響変換素子をグループ化したため、同心円151〜153の中心が、2次元アレイ1の中心と一致している。したがって、短軸方向へビームを偏向する場合は、同心円151〜153の中心が短軸方向へずれ、長軸方向へビームを偏向する場合は、同心円151〜153の中心が長軸方向へずれることとなる。
すなわち、被検体を走査するにあたって、ビーム方向を変えるためにグループ化の範囲を変化させるが、ブロック化の範囲は変化させなくてよい。
図17は、選択部2の構成を詳細に示すブロック図である。
選択部2は、前記した電気音響変換素子のグループ化を実現する機能を有し、素子ブロック11と接続された選択器21と、素子ブロック12と接続された選択器22と、素子ブロック13と接続された選択器23と、素子ブロック14と接続された選択器24とを含んでいる。
図17(a)に示すように、選択器21は、素子ブロック11を形成する電気音響変換素子111〜11nのそれぞれを、グループa1〜d1に係る4本のチャンネルのいずれかと導通させるためのスイッチ211〜21nを含んでいる。スイッチ211〜21nは制御部10の制御に従い、電気音響変換素子111〜11nを、走査方向によりグループa1〜d1に係るいずれかのチャンネルに接続し、前記したグループ化を行う。
図17(b)に示すように、選択器22は、素子ブロック12を形成する電気音響変換素子121〜12nのそれぞれを、グループa2〜d2に係る4本のチャンネルのいずれかと導通させるためのスイッチ221〜22nを含んでいる。スイッチ221〜22nは制御部10の制御に従い、電気音響変換素子121〜12nを、走査方向によりグループa2〜d2に係るいずれかのチャンネルに接続し、前記したグループ化を行う。
図17(c)に示すように、選択器23は、素子ブロック13を形成する電気音響変換素子131〜13nのそれぞれを、グループa3〜d3に係る4本のチャンネルのいずれかと導通させるためのスイッチ231〜23nを含んでいる。スイッチ231〜23nは制御部10の制御に従い、電気音響変換素子131〜13nを、走査方向によりグループa3〜d3に係るいずれかのチャンネルに接続し、前記したグループ化を行う。
図17(d)に示すように、選択器24は、素子ブロック14を形成する電気音響変換素子141〜14nのそれぞれを、グループa4〜d4に係る4本のチャンネルのいずれかと導通させるためのスイッチ241〜24nを含んでいる。スイッチ241〜24nは制御部10の制御に従い、電気音響変換素子141〜14nを、走査方向によりグループa4〜d4に係るいずれかのチャンネルに接続し、前記したグループ化を行う。
図18は、選択部2の選択器21〜24からの受信信号を受信ビームフォーマ6で処理するまでの構成を詳細に示したブロック図である。
送受分離スイッチ3は、被検体からの反射波を受信するとき、制御部10の制御により、選択器21,22,23,24のグループa1〜d1,a2〜d2,a3〜d3,a4〜d4に係る各チャンネルを、増幅部5に接続する。
増幅部5は、前記した各チャンネルにより伝送される受信信号を、制御部10の制御により、チャンネルごとに所定の利得で増幅し、受信ビームフォーマ6へ出力する。
受信ビームフォーマ6は、4つの受信ビームR1〜R4を形成する機能を有し、バスライン61と、遅延器621〜624と、加算器631〜634とを含んでいる。
バスライン61は、グループa1〜d1、a2〜d2、a3〜d3、a4〜d4に係るチャンネルをそれぞれ4本ずつに分岐し、分岐したチャンネルを遅延器621〜624へ接続する。したがって、遅延器621〜624のいずれへも、同じ信号が入力される。
遅延器621〜624は、制御部10の制御により、偏向方向に関しては受信ビームR1〜R4を形成するように、深さ方向に対してはダイナミックフォーカシング受信を行うように、チャンネルごとに異なる遅延量により遅延する。具体的には、連続的に受信される受信信号に対し、あるフォーカス点に対する遅延と、受信ビームR1〜R4の偏向に係る遅延とをあわせたものを遅延器621〜624で与え、これと異なるフォーカス点に対しても、前記処理を繰り返し行うことによって、ダイナミックフォーカス受信を行う。
加算器631〜634は、遅延器621〜624からの各チャンネルを、受信ビームR1,R2,R3,R4に係るものごとに加算し、加算した信号を信号処理部7(図14参照)へ出力する。
図14に戻り、信号処理部7は、加算器631〜634からの受信ビームR1,R2,R3,R4に係る各信号に、フィルタ処理、補間処理、検波などの信号処理を施して、3次元メモリ8へ出力する。
3次元メモリ8は、3次元画像データを生成して蓄積する。表示部9は、この3次元画像データを用いて、3次元表示あるいは任意断面表示する。
2次元アレイ1のチャンネル数(4nチャンネル)を16チャンネルに低減する例について説明したが、現実的には、要求される画質などの撮像性能、装置の規模、コストおよび取り扱いの都合などを考慮し、電気音響変換素子の数と、低減後のチャンネル数を決定し、例えば、数千個の電気音響変換素子(数千チャンネル)を有する2次元アレイ1を用いて、チャンネル数を100〜200チャンネル程度に低減する。なお、グレーティングローブを抑制する観点からは、低減後のチャンネル数は多いほうが好ましいが、回路規模を縮小するとともに接続線の芯線数を減らして操作性を向上させる観点からは、低減後のチャンネル数は少ないほうが好ましい。
図19は、本発明による別の超音波撮像装置100Bの構成を示すブロック図である。
この超音波撮像装置100Bは、選択部2の代わりに、送信用選択部2Tおよび受信用選択部2Rを備えているほかは、前記した超音波撮像装置100Aと実質的に同様の構成である。
送受分離スイッチ3は、超音波の送信時は、送信用選択部2Tと2次元アレイ1とを接続し、超音波の受信時は、2次元アレイ1と受信用選択部2Rとを接続する。
送信用選択部2Tは、実質的に選択部2と同様の構成であり、2次元アレイ1の各々の電気音響変換素子に対応した送受分離スイッチ3への多数の入力チャンネルを集束し、素子ブロック11〜14ごとに電気音響変換素子をグループ化する。送信用選択部2Tの入力端子には、送信ビームフォーマ4の出力端子が接続されている。
受信用選択部2Rは、実質的に選択部2と同様の構成であり、2次元アレイ1の各々の電気音響変換素子に対応した送受分離スイッチ3からの多数の出力チャンネルを集束し、送信用選択部2Tとは異なるパターンで素子ブロック11〜14ごとに電気音響変換素子をグループ化する。受信用選択部2Rの出力端子には、増幅部5の入力端子が接続されている。
超音波撮像装置100Bによれば、送信時と受信時で、異なるパターンのグループ化が可能となるため、送信時と受信時とでグレーティングローブの発生場所を変えることができ、画質を向上させることができる。
図20は、比較例による2次元アレイ1のブロック分割を示すパターン図である。
この比較例では、2次元アレイ1は、短軸方向(図の縦方向)に4分割され、長軸方向(図の横方向)に4分割されている。したがって、2次元アレイ1は、16個の素子ブロックに分割されている。各素子ブロック内では、電気音響変換素子は、短軸方向に12素子、長軸方向に16素子並べられているものとする。したがって、1素子ブロックあたりの電気音響変換素子は、192素子であり、2次元アレイ1全体では、3072素子である。2次元アレイ1の入出力チャンネル(3072チャンネル)を、128チャンネルに束ねることとすると、1素子ブロックに割り当てるチャンネル数は、8チャンネルとなる。
図21は、比較例によるグループ化を示すパターン図であり、図21(a)は、2次元アレイ1の正面方向にビームを形成した場合を示し、図21(b)は、長軸方向(図の横方向)へビームを偏向させた場合を示す。
図21(a)および図21(b)に示した2次元アレイ1の素子ピッチは、グレーティングローブを抑制するために、送受する超音波の半波長以下とすることが好ましい。例えば超音波の中心周波数が2.5MHzであれば、素子ピッチは0.3mmとすればよい。この場合、2次元アレイ1の寸法は、長軸方向に19.2mm、短軸方向に14.4mmとなる。なお、心臓を体外から撮像する場合には、肋骨間からの撮像となるため、2次元アレイ1の短軸方向の代表寸法は、最大20数mm程度とする必要がある。
図21(a)は、フォーカス距離Fを50mmとし、2次元アレイに正対する方向にビームを指向する場合のパターンを示し、図21(b)は、同様にフォーカス距離Fを50mmとし、2次元アレイ1に正対する方向から長軸方向に30°傾いた方向にビームを偏向させる場合のパターンを示す。いずれの場合も、ビームの軸を中心とした同心円状または円弧状のパターンとなる。
図22は、フレネルゾーンプレート30と2次元アレイ1との関係を示す説明図である。
このフレネルゾーンプレート30は、2次元アレイ1から正面方向へ送信する場合の送信ビームの中心軸Aを中心として、1,2,3,…の平方根に比例する長さを半径とする同心円によって画定される環状領域を、1つおきに超音波に対して不透明にしたものである。したがって、環状領域の幅は、中心軸Aから離れたものほど狭くなる。図22では、フレネルゾーンプレート30のハッチングで示す部分を超音波に対して不透明とし、白抜きで示す部分が透明とするが、ハッチングで示す部分を透明とし、白抜きで示す部分を不透明としてもよい。
なお、フレネルゾーンプレート30の同心円の大きさ、すなわち2次元アレイ1におけるグループ化パターンは、フォーカス距離によって決定される。図22では、フォーカス距離を50mmとし、2次元アレイ1の寸法を、長軸方向に19.2mm、短軸方向に14.4mmとした場合について示してある。
グレーティングローブを発生させないためには、2次元アレイ1のグループ化のパターンを、フレネルゾーンプレート30の環状領域のパターンよりも細かくすればよい。したがって、2次元アレイ1の相対位置が、フレネルゾーンプレート30の中心軸Aに近いほど、2次元アレイ1のグループ化パターンを粗くすることができる。反対に、フレネルゾーンプレート30の中心軸Aから離隔しているほど、2次元アレイ1のグループ化パターンを細かくしたほうがよい。
図22に示すように、例えば、正面方向にビームを形成する場合には、フレネルゾーンプレート30における2次元アレイ1の相対位置は、範囲1aのようになる。したがって、フレネルゾーンプレート30の環状領域の幅が広いことから、2次元アレイ1のグループ数は少なくてよい。しかし、正面方向から偏向したビームを形成する場合には、フレネルゾーンプレート30における2次元アレイ1の相対位置は、範囲1bのようになる。したがって、フレネルゾーンプレート30の環状領域の幅が狭いことから、この環状領域に合わせて細かく2次元アレイ1を環状にグループ分けしないと、グレーティングローブが発生してしまう。
ところが、2次元アレイ1における素子ピッチを細かくするのには限界があり、2次元アレイ1の各素子ブロックに割り当てられるチャンネル数には制限がある。したがって、ビームを大きく偏向すると、フレネルゾーンプレート30の環状領域で示すパターンより細かく電気音響変換素子をグループ化できなくなるため、グレーティングローブの影響を受けることになる。
グレーティングローブを抑制する観点からは、長軸方向にビームを偏向した場合は、長軸方向には隣接するグループの間隔を1素子ピッチとするのが望ましい。しかし、例えば図21(b)に示す例では、素子ブロックごとに8チャンネルを割り当てているため、隣接するグループの間隔がほぼ2素子ピッチとなっている。このため、大きなグレーティングローブが発生して画像を劣化させる要因となる。
前記したように、電気音響変換素子のブロック分けを行い、さらにグループ分けを行ってチャンネル数を低減し多点同時受信を行う場合には、チャンネル数の低減とグレーティングローブ抑制が相反関係となる。
次に、このような相反関係の下で、より高画質のリアルタイム3次元超音波画像を得るため、2次元アレイ1のブロック分割とグループ化パターンの設定とを行って、グレーティングローブの抑制を行う概念について、詳細に説明する。
図23は、本発明による2次元アレイ1のブロック分け例を示すパターン図である。
この例では、2次元アレイ1は、短軸方向(図の縦方向)の寸法が長軸方向(図の横方向)の寸法に比較して短い(横長の)素子ブロック11a,11bと長軸方向の寸法が短軸方向の寸法に比較して短い素子ブロック12a〜12fとが混在するとともに、長軸方向および短軸方向のいずれにも線対称にブロックが配置されている。
ここで、1個の素子ブロックに割り当てるチャンネル数をk、素子ブロック11a,11bの長軸方向(図の横方向)の素子数をm1、短軸方向(図の縦方向)の素子数をm2とし、素子ブロック12a〜12fの長軸方向(図の横方向)の素子数をm3、短軸方向(図の縦方向)の素子数をm4とする。
この場合、望ましくはm≦kとする。なぜなら、長軸方向にビームを偏向しても、短軸方向に細長い素子ブロック12a〜12fでは、チャンネルごとに束ねられたグループの間隔がほぼ素子ピッチと等しくなり、グレーティングローブを抑制することができるからである。
また、この場合、望ましくはm≦kとする。なぜなら、短軸方向にビームを偏向しても、短軸方向に短い素子ブロック11a、11bでは、チャンネルごとに束ねられたグループの間隔がほぼ素子ピッチと等しくなり、グレーティングローブを抑制することができるからである。
図24は、本発明によるグループ化を示すパターン図であり、図24(a)は、2次元アレイ1の正面方向にビームを形成した場合を示し、図24(b)は、長軸方向(図の横方向)へビームを偏向させた場合を示す。
グループ化を行った条件は、ブロック分割が異なるほかは、前記した比較例(図21(a)および図21(b)参照)と同様である。
比較例によるものと、本発明によるものとを比較すると、チャンネル数が同じであっても、本発明によるブロック分割方法によれば、同心円状のグループの間隔が細かくなり、ビーム形成時の遅延量制御をより適切に制御できることが分かる。
図25は、本発明による2次元アレイ1の別のブロック分割例を示すパターン図である。
図25(a)〜図25(e)に示す2次元アレイ1において、長軸方向(図の横方向)に比べて短軸方向(図の縦方向)が長い(縦長の)素子ブロックと、短軸方向に比べて長軸方向が長い(横長の)素子ブロックとが混在するとともに、これらの素子ブロックが長軸方向および短軸方向に対称となるように配置される。素子ブロックは、矩形のもののほか、図25(e)に示すように、例えばかぎ形など、非矩形の素子ブロックを組み合わせてもよい。2次元アレイ1が矩形である場合について例示したが、2次元アレイ1は、例えば楕円形など、他の形状を有するものでもよい。
次に、本発明による各素子ブロック内におけるグループ化パターン決定方法について、図26〜図28を用いて詳細に説明する。
図26は、2次元アレイ1をブロック分割したときの素子ブロック11と、グループ化パターンを決定するためのフォーカス点Rとの幾何学的な位置関係を示した概念図である。
素子ブロック11内の電気音響変換素子のうち、フォーカス点Rと最も遠距離にある電気音響変換素子に与えるべき遅延量をτmax、フォーカス点Rと最も近距離にある電気音響変換素子に与えるべき遅延量をτminとする。
図27は、比較例のグループ化方法を説明するための、素子ブロック11内の各電気音響変換素子に与えるべき遅延量の頻度分布を示すヒストグラムである。
このグループ化方法では、遅延量ごとの出現頻度にかかわらず、チャンネル間の遅延量間隔(ステップ)が等しくなるように、素子ブロック11内でグループを形成する。すなわち、素子ブロック11内で与えられる最大遅延量をτmax、最小遅延量をτminとすると、隣接するチャンネル間の遅延量間隔ΔτがΔτ=(τmax−τmin)/4となるように、素子ブロック11の電気音響変換素子を4個のグループa1〜d1に区分けする。図21(a)、図21(b)、図24(a)、図24(b)に示したグループ化パターンは、この方法により、各素子ブロック内におけるチャンネル間の遅延量間隔を均等にして得たものである。
このグループ化では、同一のビームを形成するにあたって、遅延量を与える頻度(素子数)が多くビーム形成への影響が比較的大きいグループb1やグループc1に係るチャンネルと、遅延量を与える頻度(素子数)が多くビーム形成への影響が比較的小さいグループa1やグループd1に係るチャンネルとで、加算する際に同じ重みが与えられる。
すなわち、素子数が多いグループb1やグループc1に係るチャンネルの重みを大きくし、素子数が少ないグループa1やグループd1に係るチャンネルの重みを小さくすべきであるところ、前記した要因により、グループb1やグループc1に係るチャンネルの影響が相対的に小さくなり、グループa1やグループd1に係るチャンネルの影響が相対的に大きくなってしまう。このため、グループ化による効果が充分にあらわれないことがある。
また、素子数が非常に多いグループc1と、素子数が非常に少ないグループa1とでは、チャンネルごとにインピーダンスなどの電気的特性が異なってしまうため、各チャンネルで電気音響変換素子の駆動条件がばらつき、補正のための回路が複雑化したり、画像が劣化したりすることがある。
図28は、本実施形態のグループ化方法を説明するための、素子ブロック11内の各電気音響変換素子に与えるべき遅延量の頻度分布を示すヒストグラムである。
このグループ化では、遅延量ごとの出現頻度をグループごとの遅延量の範囲で積分した量Sが、素子ブロック11内のグループa1〜d1に係る各チャンネルにおいて等しくなるように、すなわち、チャンネルごとに図28に示すヒストグラムの面積が等しくなるように、電気音響変換素子のグループ化を行う。
具体的には、各電気音響変換素子の寸法および形状が同じであれば、各グループに属する電気音響変換素子の数が等しくなるように、与えるべき遅延量の小さいもの(または大きいもの)から、順にグループ化を行う。
このグループ化では、形成ビームに大きな影響を及ぼす頻度の多いグループb1やグループc1はより細かく遅延量を制御するため、グレーティングローブの発生を抑制することができる。また、各チャンネルにグループ化される電気音響変換素子数が実質的に等しくなるため、各チャンネルのインピーダンスなどの電気的特性を均等にでき、回路規模を縮小できるとともに画質の向上を図ることができる。
本実施形態の超音波撮像装置100Aおよび100Bによれば、2次元アレイの電気音響変換素子からの信号チャンネル数を低減すると共に、図23に示したような2次元アレイの適切なブロック分割と、図30および図32に示すような図28に示す方法に基づく各素子ブロック内における適切なグループ化を行うことにより、グレーティングローブを抑制しつつ、3次元画像を高速に撮像するための同時受信が可能となるため、低コストでリアルタイムな3次元画像を高画質で得ることができる。
本発明による超音波撮像装置におけるグレーティングローブ抑制効果をビームシミュレーションによって確かめた。
2次元アレイは、3072個の正方形状の電気音響変換素子を、長軸方向に64素子、短軸方向に48素子、マトリクス状に配列した矩形状のものを用いた。素子ピッチは0.3mmとしたので、2次元アレイの寸法は、長軸方向に19.2mm、短軸方向に14.4mmとなった。
チャンネル数は、3072チャンネルを128チャンネルへ低減するものとし、走査線方向を2次元アレイの中心軸から斜め45度(後述する図33においてθj=φj=45°)、グループ化パターンを決定するためのフォーカス距離Fdを50mmとした。送信波は、中心周波数が2.5MHz、帯域幅が1MHz、パルス幅が2μsのパルス波とした。
図29は、グループ化の比較例を示すパターン図である。
この比較例では、まず、2次元アレイ1を短軸方向に4分割し長軸方向に4分割してマトリクス状に16個の素子ブロック分けを行い、各素子ブロックに8チャンネルを割り当てた。そして、各素子ブロックを、図27に示すように遅延量の差が均等になるように8個にグループ分けし、各グループの電気音響変換素子のチャンネルを集束して1チャンネルを割り当て、2次元アレイ1のチャンネル数を128チャンネルとした。
図30は、グループ化の第1例を示すパターン図である。
この第1例では、まず、比較例と同様に16個にブロック分けを行い、各素子ブロックに8チャンネルを割り当てた。そして、各素子ブロックを、図28に示すように遅延量の出現頻度が均等になるように8個にグループ分けし、各グループの電気音響変換素子のチャンネルを集束して1チャンネルを割り当て、2次元アレイ1のチャンネル数を128チャンネルとした。
図31は、グループ化の第2例を示すパターン図である。
この第2例では、まず、図23に示すように、短軸方向の寸法が長軸方向の寸法より長い素子ブロックと、長軸方向の寸法が短軸方向の寸法より長い素子ブロックとが混在するように、8個にブロック分けを行い、各素子ブロックに16チャンネルを割り当てた。そして、各素子ブロックを、図28に示すように遅延量の差が均等になるように16個にグループ分けし、各グループの電気音響変換素子のチャンネルを集束して1チャンネルを割り当て、2次元アレイ1のチャンネル数を128チャンネルとした。
図32は、グループ化の第3例を示すパターン図である。
この第3例では、まず、第2例と同様に8個にブロック分けを行った。そして、各素子ブロックを、図28に示すように遅延量の出現確率が均等になるように16個にグループ分けし、各グループの電気音響変換素子のチャンネルを集束して1チャンネルを割り当て、2次元アレイ1のチャンネル数を128チャンネルとした。
比較例および第1例〜第3例のグループ化パターンそれぞれについて、フォーカス距離50mmを半径とした半球状の受信ビームプロファイルを計算した。ビームのレベルは、パルス幅当たりの音圧実効値として求めた。
図33は、ビームプロファイルの表示座標系を示す説明図である。
中心軸をz軸として、直交座標系(x,y,z)のxy面に2次元アレイ1を置き、フォーカス距離Fを半径、x=y=z=0を中心とする半球面Qでのビームパターンを、(x,y)座標系においてフォーカス距離Fで正規化した(u,v)座標系に投影した。半球面Q上のフォーカス点Rの座標を(xj,yj,zj)とし、このフォーカス点Rをフォーカス距離F、z軸からの回転角θj、x軸からの回転角φjで表される(F,θj,φj)座標系で表すことができる。このとき、フォーカス点Rの(u,v)座標系への変換は、uj=sinθjsinφj、vj=sinθjcosφjと表すことができる。前記した正面方向に対し、斜め45°(θj=φj=45°)へ偏向させた走査線方向に対応する(u,v)座標系上での位置は、u=v=0.5に相当する。
図34は、比較例のグループ化パターンを用いたときの(u,v)座標系におけるビームプロファイルを示す等高線図である。
比較例のグループ化パターンを用いた場合、正面方向にフォーカス点Rと同レベルの大きなグレーティングローブが発生していることがわかる。
図35は、第1例のグループ化パターンを用いたときの(u,v)座標系におけるビームプロファイルを示す等高線図である。
第1例のグループ化パターンを用いた場合、遅延量ヒストグラムの出現確率を均等にしてグループ化を行ったため、比較例と比較すると、グレーティングローブが抑制されたことが分かった。
図36は、第2例のグループ化パターンを用いたときの(u,v)座標系におけるビームプロファイルを示した等高線図である。
第2例のグループ化パターンを用いた場合、短軸方向の寸法が長軸方向の寸法に比べて長い素子ブロックと長軸方向の寸法が短軸方向の寸法に比べて長い素子ブロックとを混在させてブロック分けを行ったため、比較例と比較すると、グレーティングローブが抑制されたことが分かった。
図37は、第3例のグループ化パターンを用いたときの(u,v)座標系におけるビームプロファイルを示した等高線図である。
第3例のグループ化パターンを用いた場合、短軸方向の寸法が長軸方向の寸法に比べて長い素子ブロックと長軸方向の寸法が短軸方向の寸法に比べて長い素子ブロックとを混在させてブロック分けを行うとともに、遅延量ヒストグラムの出現確率を均等にしてグループ化を行ったため、第1例および第2例と比較すると、グレーティングローブが抑制されたことが分かった。
このシミュレーションによれば、次の効果が確認された。
(1)短軸方向の寸法が長軸方向の寸法に比べて長い素子ブロックと長軸方向の寸法が短軸方向の寸法に比べて長い素子ブロックとを混在させてブロック分けを行えば、グレーティングローブを抑制できる。
(2)遅延量ヒストグラムの出現確率を均等にしてグループ化を行えば、グレーティングローブを抑制できる。
(3)(1)および(2)を併用すれば、グレーティングローブ抑制効果をさらに高めることができる。

Claims (8)

  1. 複数のトランスデューサ素子を2次元配列した2次元アレイを有し、当該2次元アレイにより超音波を送受して撮像範囲を走査し超音波3次元画像を生成する超音波撮像装置であって、
    前記トランスデューサ素子を前記2次元アレイの配列面上の第1方向の寸法より第2方向の寸法が大きい第1素子ブロックと前記第2方向の寸法より前記第1方向の寸法が大きい第2素子ブロックとを含む複数の素子ブロックに区分けするとともに、前記撮像範囲に送信ビームと複数の受信ビームとを形成するように各々の前記素子ブロック内を所定数のグループに区分けする分割手段と、
    当該グループごとに前記トランスデューサ素子の送受信チャンネルを集束して1チャンネルとする選択手段と、
    を具備したことを特徴とする超音波撮像装置。
  2. 複数のトランスデューサ素子を2次元配列した2次元アレイを有し、当該2次元アレイにより超音波を送受して撮像範囲を走査し超音波3次元画像を生成する超音波撮像装置であって、
    前記トランスデューサ素子を形状が異なるものを含む複数の素子ブロックに区分けするとともに、前記撮像範囲に送信ビームと複数の受信ビームとを形成するように各々の前記素子ブロック内を所定数のグループに区分けする分割手段と、
    当該グループごとに前記トランスデューサ素子の送受信チャンネルを集束して1チャンネルとする選択手段と、
    を具備したことを特徴とする超音波撮像装置。
  3. 前記素子ブロックは、矩形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    超音波撮像装置。
  4. 前記素子ブロックは、前記第1方向および前記第2方向について対称に配置されたこと
    を特徴とする請求項1に記載の超音波撮像装置。
  5. 前記選択手段は、前記送信ビームの形成時と前記受信ビームの形成時とで前記グループのパターンを変えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波撮像装置。
  6. 前記第1素子ブロックの前記第1方向の素子数が前記素子ブロックあたりのチャンネル数以下であり、前記第2素子ブロックの前記第2方向の素子数が前記素子ブロックあたりのチャンネル数以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波撮像装置。
  7. 前記選択手段は、前記トランスデューサ素子へ与えるべき遅延量ごとの出現頻度を前記グループごとの前記遅延量の範囲において積分した量が当該グループごとに均等になるように、各々の前記素子ブロック内を前記所定数の前記グループに区分けすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波撮像装置。
  8. 複数のトランスデューサ素子を2次元配列した2次元アレイを有し、当該2次元アレイにより超音波を送受して撮像範囲を走査し超音波3次元画像を生成する超音波撮像装置であって、
    前記トランスデューサ素子を前記2次元アレイの配列面に係る短軸方向の幅または長軸方向の幅が異なるものを含む複数の素子ブロックに区分けするとともに、前記撮像範囲に送信ビームと複数の受信ビームとを形成するように各々の前記素子ブロック内を所定数のグループに区分けする分割手段と、
    当該グループごとに前記トランスデューサ素子の送受信チャンネルを集束して1チャンネルとする選択手段と、
    を具備したことを特徴とする超音波撮像装置。
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