JP4740169B2 - 光情報媒体用硬化性組成物及び光情報媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、光情報媒体用硬化性組成物と、再生専用光ディスク、記録型光ディスク等の光情報媒体に関し、更に詳しくは、引張弾性率が高い光透過層を有し、かつ反りが小さい光情報媒体に関する。
近年、情報記録媒体の分野では高密度化に関して様々な研究がすすめられている。光ディスクの分野においても、動画が記録できる0.6mm厚の基板を貼り合わせた構造のDVDが普及期を迎えている。
しかしながら、今後、デジタルハイビジョン放送が広まるにつれ、さらなる大容量の光ディスクが必要とされている。そこで、記録・再生側の基板(光透過層)を0.1mm厚とし、レンズ開口数NAが0.85程度で、記録、再生のレーザー波長を400nm程度とした高密度光ディスクシステムが提案され、実用化されつつある。
この光透過層の形成方法としては、プラスチック製の透明シートを貼り合わせる手法や、液状の紫外線硬化型樹脂をスピンコート法により塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化形成する手法が開発されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。しかしながら、高密度光ディスクシステムに用いる光透過層について、透明シートを貼り合わせる方法や液状紫外線硬化型樹脂をスピンコートする方法で形成するにしても、光透過層には記録情報を保護する観点で引張弾性率が高いこと、かつ光透過層が形成された光ディスクの反りが小さいことが求められる。このスピンコート法に用いうる液状紫外線硬化型樹脂としては、例えば、特許文献4〜6に記載された活性エネルギー線硬化性の組成物を挙げることができる。なお、本明細書では、光透過層が形成された光ディスクの反りが小さいことを“光透過層の反りが小さい”ということがある。
しかしながら、高密度光ディスクシステムに用いる光透過層について、透明シートを貼り合わせる方法、液状紫外線硬化型樹脂をスピンコートする方法で光透過層を形成するにしても、特許文献1〜3に記載されるとおり、外部環境(温度や湿度)の変化により光ディスクに生じる反りが問題である。
さらに、特許文献4〜6に記載の液状紫外線硬化型樹脂を硬化して0.1mm厚の光透過層を持つ光ディスクを得た場合には、光透過層の引張弾性率をより大きくしたいとの要望や、硬化後の反りをさらに小さくしたいとの要望があった。なお、引用文献5には、テトラシクロドデカニルアクリレートが例示されているが、それは必須成分以外の共重合可能な他の成分として、多くの化合物と共に単に羅列されているに過ぎない。
特開2002−92945号公報 特開2003−91883号公報 特開2003−173571号公報 特開平7−48422号公報 特開2004−185653号公報 特開2002−309185号公報
本発明の課題は、引張弾性率が高い光透過層を有し、かつ反りが小さい光情報媒体を提供することである。
本発明は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)、下記一般式(I)で示される(メタ)アクリレート(B)及び光重合開始剤(C)を含有する光記録媒体用硬化性組成物である。
Figure 0004740169
(式中、nは1〜4の整数であり、X1及びX2は一方がアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、他方が水素原子又はアルキル基であり、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基である。)
また、本発明は、支持基体上に情報記録面を有し、この情報記録面上に光透過層を有し、この光透過層を通して記録光又は再生光が入射するように使用される光情報媒体であって、該光透過層が、上記硬化性組成物の塗膜の硬化物である光情報媒体である。
本発明によって、引張弾性率が高い光透過層を有し、かつ反りが小さい光情報媒体が提供できる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の光情報媒体は、少なくとも支持基体上に情報記録面を有し、この情報記録面上に光透過層を有する構造を具備している。そして、この光透過層を通して記録光又は再生光が入射して、情報記録面に記録したり、情報記録面の情報を読み出したりできる光情報媒体である。
本発明の光情報媒体を構成する支持基体としては、例えば、金属、ガラス、セラミックス、紙、木材、プラスチック等の材料やこれらの複合材料が使用可能である。特に、従来の光ディスク製造プロセスを利用できることから、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が好適である。
本発明の光情報媒体は、支持基体上に情報記録面として記録層を有する。この記録層の材料は特に限定されず、読み取り専用型媒体、相変化型記録媒体、ピット形成タイプ記録媒体、光磁気記録媒体等に適用可能な材料を必要に応じて使用すればよい。例えば、金、銀、銀・Pd・Cu合金、アルミニウム、Al・Ti合金、銀・In・Te・Sb合金、銀・In・Te・Sb・Ge合金、Ge・Sb・Te合金、Ge・Sn・Sb・Te合金、Sb・Te合金、Tb・Fe・Co合金、色素等が使用可能である。また、記録層の少なくとも一方の側に、記録層の保護や光学的効果を目的として、SiN、ZnS、SiO2等の誘電体層を設けることも可能である。
本発明における光透過層は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)(以下、「成分A」という)、下記一般式(I)で示される(メタ)アクリレート(B)(以下、「成分B」
という)及び光重合開始剤(C)(以下「成分C」という)を含有する本発明の光情報媒体用硬化性組成物からなる塗膜を硬化して形成される。
Figure 0004740169
(式中、nは1〜4の整数であり、X1及びX2は一方がアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、他方が水素原子又はアルキル基であり、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基である。)
成分Aは、硬化性組成物に低収縮性を付与する成分であり、またその硬化物に強靭性や可とう性を付与するための成分である。
成分Aであるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、(メタ)アクリロイル基とウレタン基を分子内に具有する化合物であり、例えば、イソシアネート化合物、多価アルコール及び水酸基含有(メタ)アクリレートから合成される。
成分Aの合成に使用しうるイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−イソシアナトフェニル)メタン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネート類が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、硬化物に優れた靭性と難黄変性を付与できることから、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族骨格のジイソシアネート化合物が好ましい。
成分Aの合成に使用しうる多価アルコールは、特に限定されず、市販されている各種の多価アルコール類が使用可能である。その具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール類;ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、1−メチルブチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類;これら多価アルコール類に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテル変性ポリオール類;これら多価アルコール類と、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸類又はこれら多塩基酸の酸無水物類との反応によって得られるポリエステルポリオール類;これら多価アルコール類と、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類との反応によって得られるポリラクトンポリオール類;これら多価アルコール類及び多塩基酸類と、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類との反応によって得られるラクトン変性ポリエステルポリオール類;1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、トリメチルヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等のジオール類と、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジフェニルカーボネート等の炭酸エステル類とのエステル交換反応により得られるポリカーボネートジオール類;ポリブタジエングリコール類などが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、ポリテトラメチレングリコール、ポリラクトンポリオール類、ポリカーボネートジオール類は、得られる硬化物の耐湿性と強伸度のバランスに優れ、得られる光情報媒体の寸法安定性に優れるため、特に好ましい。
成分Aの合成に使用しうる水酸基含有(メタ)アクリレートは、具体的には、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基、及び分子内に少なくとも1個のヒドロキシル基を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルであればよく、特に限定されない。その具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類や、これらのカプロラクトンの付加物等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、得られる成分Aが低粘度となることから、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
成分Aの合成手法は、特に限定されず、従来から知られるウレタン(メタ)アクリレート合成手法を使用できる。具体的には、例えば、フラスコ内に、2モルのジイソシアネートを仕込み、更にジブチル錫ジラウレート等の公知の触媒を総仕込量に対して50〜300ppmを混合し、フラスコ内温度を40〜60℃に保ちながら、1モルのジオール化合物を2〜4時間かけて滴下して、ウレタンプレポリマーを得る。その後、得られたウレタンプレポリマー末端に残存するイソシアネート基に、当量のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルを滴下し、フラスコ内温60〜75℃で付加反応させればよい。
本発明において、成分Aの使用割合は、硬化性組成物の低収縮性の観点から、成分A及び成分Bの合計に対して30質量%以上が好ましく、硬化性組成物を低粘度化して塗布作業性を良好にするためには90質量%以下が好ましい。さらに好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
成分Aの含有量が30質量%以上の場合には、組成物の硬化収縮率の低減効果が十分に発現し、かつ得られる硬化物の可撓性が良好となる傾向にある。また、90質量%以下の場合には、得られる組成物の液粘度が低くなり、基材への塗工作業性が良好となる傾向にある。
成分Bは、硬化性組成物に引張弾性率と硬化収縮率低減に伴う反りを小さくする成分である。
使用可能な成分Bの具体例としては、テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−(メタ)アクリレート、9−置換テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−(メタ)アクリレート、8−置換テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−(メタ)アクリレート、8、9−ジ置換テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−(メタ)アクリレート、2,7−ジメチルテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−(メタ)アクリレート、2,10−ジメチルテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−(メタ)アクリレート、ヘキサシクロ[6,6,1,13,6,110,13,02,7,09,14]ヘプタデシル−4−(メタ)アクリレート、11−メチルヘキサシクロ[6,6,1,13,6,110,13,02,7,09,14]ヘプタデシル−4−(メタ)アクリレート、12−メチルヘキサシクロ[6,6,1,13,6,110,13,02,7,09,14]ヘプタデシル−4−(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、ここで、置換基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基及びヘキシル基のいずれかであることが好ましい。
これらの中でも、テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−アクリレート、9−メチルテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−アクリレートは、得られる硬化物に高い引張弾性率と硬化後の反りが小さくなる点で特に好ましい。
成分Bの合成手法は、特に限定されず、従来から知られる合成手法を使用できる。具体的には、例えば、多環式オレフィンの不飽和結合に蟻酸を付加反応させて多環式オレフィンの蟻酸エステルを形成させた後、該蟻酸エステルを加水分解して多環式アルコールを得、さらにこの多環式アルコールにアクリル酸又はメタクリル酸、又はアクリル酸又はメタクリル酸のエステル形成性誘導体、例えば、アクリル酸ハライド、メタクリル酸ハライド等を反応させることによって得られる(特許2563267号公報参照)。
本発明において、成分Bの使用割合は、硬化性組成物の低収縮性の観点から、成分A及び成分Bの合計に対して、10質量%以上が好ましく、硬化性組成物を低粘度化して塗布作業性を良好にするためには70質量%以下が好ましい。さらに好ましくは20質量%以上60質量%以下である。
成分Bの使用割合が10質量%以上の場合には、得られる組成物の硬化収縮率が低減し、硬化反りが小さくなる傾向にあり、70質量%以下の場合には、得られる組成物の引張弾性率が高くなる傾向にある。
本発明の光情報媒体用硬化性組成物は、成分Cを含有することにより、活性エネルギー線照射により効率よく硬化物を得ることができる。
成分Cの具体例としては、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート等の光重合開始剤が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、硬化性及び硬化物の難黄変性の観点から、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンが好ましい。
本発明において、成分Cの使用量は特に限定されないが、成分A、成分B及び成分D(後述)の重合性成分の合計100質量部に対して、1〜5質量部の範囲とすることが好ましい。
この成分Cの使用量は、空気雰囲気中での硬化性の観点から1質量部以上であることが好ましく、深部硬化性、難黄変性及び光透過層膜厚安定性の観点から5質量部以下であることが好ましい。
更に、成分Cの使用量は、1.5質量部以上であることがより好ましく、4質量部以下であることがより好ましい。
本発明の光情報媒体用硬化性組成物には、得られる硬化物に表面硬度、強靭性、可とう性、隣り合う層との密着性を付与する目的で、成分A及び成分B以外に(メタ)アクリル酸エステル又は他のビニル化合物(D)(以下、「成分D」という)を添加してもよい。
成分Dとしては、例えば、多官能(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸エステル、モノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、他のビニル化合物等であって、上述の成分A及び成分B以外の重合性化合物が挙げられる。
成分Dの内、多官能(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
ジ(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸シクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールA、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(付加数;n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,13−トリデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノ(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸2−エチル−ヘキシル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、2−イソブチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステルポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、フタル酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、アジピン酸等の多塩基酸、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコール及び(メタ)アクリル酸又はその誘導体の反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
エポキシポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、ビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
他のビニル化合物の具体例としては、酢酸ビニル、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニルアミド類などが挙げられる。
これらは1種単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、硬化性と硬化物の機械物性のバランスが良好であることから、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデカニル、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、2−イソブチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
本発明において、成分Dの含有量は特に限定されないが、成分Dを含む場合は、成分Aは20〜80質量%、成分Bは10〜70質量%及び成分Dは10〜70質量%であることが好ましく、成分Aは25〜70質量%、成分Bは15〜60質量%及び成分Dは15〜60質量%であることがより好ましい。
成分Dの含有量が10質量%以上の場合には、得られる硬化物の機械的物性が良好になる傾向にあり、70質量%以下の場合には、組成物の硬化収縮率の低減が十分に図られ、かつ得られる硬化物の可撓性が良好となる傾向にある。
その他、本発明の特性が損なわない範囲であれば、例えば、熱重合開始剤、酸化防止剤や光安定剤、光増感剤、熱可塑性高分子、スリップ剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等の公知の添加剤などを適宜配合して用いてもよい。
これら酸化防止剤や光安定剤の添加量は、特に限定されないが、それぞれ、成分A及び成分B、又は成分A、成分B及び成分Dの合計100質量部に対して、0.001〜5質量部の範囲とすることが好ましく、0.01〜3質量部の範囲がより好ましい。
本発明の光情報媒体用硬化性組成物は、ダストやゲル物等の異物の存在による読み取り又は書き込みエラーを防止するために、5μm以上、好ましくは1μm以上の異物を排除するろ過フィルターを用いてろ過することが好ましい。ろ過フィルターの素材はセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン等が使用可能である。また、光透過層に気泡が存在してもエラーの原因となるため、本発明の記録情報媒体用硬化性組成物は予め真空、超音波若しくは遠心条件下、又はその組み合わせの条件下において、脱気を行うことが好ましい。
上記した硬化性組成物は、活性エネルギー線を照射することにより、硬化させることができる。この活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、X線、紫外線、可視光線等が挙げられる。
本発明では、上記した硬化性組成物を、支持基体上に設けられた情報記録面の上に、スピンコート、スプレーコート、ブラシコート等の公知の塗工方法で塗工し、情報記録面上に硬化性組成物の塗膜を形成する。なお、塗膜の厚みは、硬化後に5μm以上であり500μm以下になるようにすることが好ましい。次いで、活性エネルギー線で塗膜を硬化し、情報記録面上に光透過層(以下、「硬化物層」ということがある)を形成して、光記録媒体を製造する。なお、活性エネルギー線を照射する雰囲気下は、空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよいが、製造コストの観点からは空気中で照射することが好ましい。
本発明において、硬化物層の厚みが5μm以上の場合には、光情報媒体の表面を十分に保護できる傾向にあり、500μm以下であれば、得られる光情報媒体の反りを抑制しやすい傾向にある。より好ましくは、10〜300μmの範囲であり、更に好ましくは15〜150μmの範囲である。
本発明の光情報媒体は、高温高湿条件下においても、硬化物層の膜厚変化が小さくなるために、硬化性組成物を90%以上の反応率となるよう硬化させる必要がある。反応率が90%を下回ると、硬化物層中に残存する未反応のジ(メタ)アクリレート類や光重合開始剤が経時的に揮発し、膜厚が大きく減少する傾向にある。反応率は93%以上であることが好ましく、95%以上がより好ましい。
硬化性組成物の反応率を90%以上とするためには、例えば、活性エネルギー線として紫外線を使用した場合、積算光量を500mJ/cm2以上、より好ましくは1000mJ/cm2以上、さらに好ましくは2000mJ/cm2以上の条件で照射して、硬化性組成物を硬化させる。
反応率を測定する方法としては、赤外分光法により(メタ)アクリロイル基の残存量を測定する手法や、硬化物の弾性率、Tg等の物理特性の飽和度から測定する手法、ゲル分率により架橋度合いを測定する手法等が挙げられる。
これらの中では、硬化物中に残存し、膜厚減少の原因となる残渣を定量しやすいことから、ゲル分率を測定する手法を利用することが好ましい。ゲル分率の測定方法としては、硬化物を粉砕し、溶剤中で未硬化成分を抽出後、乾燥させて、その重量変化によりゲル分率を測定する手法を利用できるが特に限定されるものではない。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。なお、以下における「部」は、「質量部」を意味する。
合成例1[ウレタンアクリレートUA1(成分A)の製造]
5リットルの4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート1110g及びジブチル錫ジオクテート0.5gを仕込んでウォーターバスで内温が40℃になるように加熱し、撹拌している中に、ポリカプロラクトンジオール「プラクセル205」(商品名、ダイセル化学工業株式会社製、数平均分子量530)1206gを側管付きの滴下ロートから、フラスコ内温を40℃に保ちながら、4時間等速滴下で加え、さらに、同温度で2時間攪拌して反応した。その後、フラスコ内容の温度を75℃に上げ、2−ヒドロキシエチルアクリレート633gとハイドロキノンモノメチルエーテル1gを均一に混合溶解させた液を滴下ロートより、フラスコ内温を75℃に保ちながら、2時間等速滴下し、さらにフラスコ内容物の温度を75℃に保ち、4時間反応して、ウレタンアクリレートUA1を製造した。
合成例2[ウレタンアクリレートUA2(成分A)の製造]
プラクセル205に代えて、ポリテトラメチレングリコール「PTG1000SN」(商品名、保土ヶ谷化学株式会社製、数平均分子量970)1721g及びN−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブタナミド82.5gを用いる以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA2を製造した。
以下の実施例、比較例において測定した評価項目及びその評価方法を以下に示す。
1.硬化性組成物の粘度(単位:mPa・s)
E型粘度計「TVE−20」(商品名、東機産業株式会社製)にて、25℃で測定した。
2.硬化物層の引張特性
作製した光ディスクから硬化物層を剥離し、該剥離した硬化物層から10mm×100mm×100μmの試験片を切り出し、つかみ具間距離50mm、引張速度20mm/分とすること以外は、JIS K7127−1989に準拠して、23℃、相対湿度50%の環境下において、最大点応力(単位:MPa)、破断伸度(単位:%)及び引張弾性率(単位:MPa)を測定した。
なお、引張弾性率について、測定値から下記基準で評価した。
○:引張弾性率1200MPa以上
×:引張弾性率1200MPa未満
3.光ディスクの寸法安定性
<初期反り>
作製した光ディスクの初期反り角(単位:度)を、光ディスク光学機械特性測定装置「DLD−3000」(商品名、ジャパンイーエム株式会社製)を用い、23℃、相対湿度50%環境下にて、半径55mm位置での値を測定した。なお、光ディスクの反り角とは、光ディスク最外周における硬化物層側への半径方向の最大反り角のことである。また、値が負(−)である場合は、硬化物層側とは反対側に反っていること意味する。なお、初期反りについては、初期反り角の測定値から下記基準で評価した。
○:初期反り角0.4度以内で、良好
×:初期反り角0.4度超、不良
<環境変化試験>
初期反り角を測定した光ディスクを70℃の乾燥機内に50分間置いた後、23℃、相対湿度50%環境下へ取り出し、反り角を1分間隔で10分間測定した。そして、その最小値と最大値の幅P−P(単位:度)を求めた。そして、このP−Pの値を用い、環境変化試験を下記基準で評価した。
○:P−P値0.4度以内で、良好
×:P−P値0.4度超で、不良
[実施例1]
(1)硬化性組成物の調製
成分AとしてUA1(合成例1で得た)45部、成分Bとしてテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−アクリレート(QCDA)40部、成分Dとしてテトラヒドロフルフリルアクリレート15部及び成分Cとして1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(HCPK)3部を混合溶解し、1μmのフィルターでろ過した後、減圧して脱気をして、硬化性組成物を得た。なお、粘度は1850mPa・sであった。
(2)評価用光ディスクの作製
ポリカーボネート樹脂(飽和吸水率:0.15%)を射出成型して光ディスク形状を有する透明円盤状鏡面基板(直径12cm、板厚1.1mm、反り角0度)を作製し、その片面に、スパッタリング法にて、膜厚20nmのAg98Pd1Cu1(原子比)合金(以下、「銀合金」という)反射膜を有する評価用光ディスク基材を作製した。この銀合金反射膜上に、(1)で調製した硬化性組成物を、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下、スピンコーターを用いて塗工した。その後、塗工面の上方より、Dバルブランプ(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製)を用いて、紫外線を積算光量2000mJ/cm2(紫外線光量計「UV−350」(商品名、株式会社オーク製作所製)で測定)で照射し、塗膜を硬化して、平均膜厚が100μmの硬化物層を有する評価用光ディスクを作成した。
(3)硬化物層、光ディスクの評価
作製した光ディスクを、23℃、相対湿度50%の環境下にて24時間置いた後、硬化物層と光ディスクの各種評価を上記にて実施した。結果を表1に示す。
[実施例2〜4、比較例1〜6]
硬化性組成物を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、評価用光ディスク基材に硬化物層を形成し、評価用光ディスクを作成した。作成した光ディスクについて、実施例1と同様に評価をし、結果を表1に示した。
なお、表1中の略号は、以下の化合物を示す。
UA1:合成例1で得たウレタンアクリレートUA1
UA2:合成例2で得たウレタンアクリレートUA2
QCDA:テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]ドデシル−3−アクリレート
TAIC:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
PHE−S:フェノキシエチルアクリレート(第一工業製薬株式会社製)
IBXA:イソボルニルアクリレート
TCDDA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン
Figure 0004740169

Claims (2)

  1. ウレタン(メタ)アクリレート(A)、下記一般式(I)で示される(メタ)アクリレート(B)及び光重合開始剤(C)を含有する光情報媒体用硬化性組成物。
    Figure 0004740169
    (式中、nは1〜4の整数であり、X1及びX2は一方がアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、他方が水素原子又はアルキル基であり、R1〜R12はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基である。)
  2. 支持基体上に情報記録面を有し、この情報記録面上に光透過層を有し、この光透過層を通して記録光又は再生光が入射するように使用される光情報媒体であって、
    該光透過層が、請求項1に記載の硬化性組成物の塗膜の硬化物である光情報媒体。
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