JP3720759B2 - 光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物、および光ディスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物、および光ディスクに関するものであり、さらに詳しくは、重合時の硬化収縮率が低く、機械的強度を有する透明な硬化被覆層を形成しうる光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物、および光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得た硬化被覆層を有する光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録の媒体としてコンパクトディスク、追記型光ディスク、光磁気ディスク、相変化型光ディスク等の光ディスクが多く用いられるようになってきた。これらの光ディスクは、ピット、グループ等の微細な凹凸を形成したポリカーボネート等の透明基板上に、スパッタリング法により、金属薄膜等で記録層を形成し、さらにこの記録層の劣化を防ぐために、紫外線硬化型樹脂によって5〜20μm程度の膜厚の保護層を該記録層上に設けて製造されるのが一般的である。
【0003】
一方で、近年、記録容量を高めたものとして、例えば、特開平8−212597号公報に記載される、0.6mm厚の光ディスク基板を貼り合わせたDVD(デジタルビデオディスクまたはデジタルバーサタイルディスク)が広く、普及しつつある。
【0004】
さらにDVDよりも、記録容量を向上させ、高品位の動画情報等を長時間録画することが可能な高密度型光ディスクとして、特開平8−235638号公報記載の光ディスクが提案されている。
この高密度型光ディスクは、プラスチック等で形成される透明または不透明の基板上に記録層を形成し、次いで記録層上に約100μmの光透過層を積層してなり、光透過層を通して記録光および/または再生光を入射して使用する光ディスクである。
【0005】
この高密度型光ディスクについては、特開平8−235638号公報記載の光ディスクが提案されている。この高密度型光ディスクは、プラスチック等で形成される透明または不透明の基板上に記録層を形成し、次いで記録層上に約100μmの光透過層を積層してなり、光透過層を通して記録光および/または再生光を入射して使用する光ディスクである。
この高密度型光ディスクについては、特開平11−273147号公報に記載のとおり、コンパクトディスクやDVD等の光情報媒体の記録および/または再生に従来用いられてた赤色レーザーよりも短波長の、例えば波長400nmのレーザー光を利用する短波長記録により、更に高密度化する提案がなされている。
【0006】
この光透過層の形成方法としては、▲1▼透明フィルムを接着剤を用いて記録層上に貼り付ける方法、▲2▼記録層上にのせた紫外線硬化性樹脂を、ガラス板等の平坦で透明な板状物で所望の膜厚となるように押しひろげ、この板状物を介して紫外線を照射して硬化させ、板状物を離型して光透過層を得る方法(2P(フォトポリマー)法)、▲3▼紫外線硬化性樹脂を記録層上にスピンコート法により塗布した後に、紫外線を照射して光透過層を得る方法等が挙げられる。
【0007】
このような光透過層の形成に用いる紫外線硬化性樹脂としては、例えば、特開平3−131605号公報や、特開平4−264167号公報等に記載される組成物が挙げられる。
また、特開昭61−208646号公報、特開昭62−88156号公報、特開平5−59139号公報等に記載のトラッキング用溝を透明基板上に形成する為の光ディスクスタンパー転写用紫外線硬化型樹脂も使用可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平3−131605号公報、特開平4−264167号公報、特開昭61−208646号公報および特開昭62−88156号に記載の紫外線硬化性樹脂を用いて、先に述べた高密度型光ディスクの光透過層を形成すると、紫外線硬化性樹脂の硬化収縮率が高いので、光ディスクに大きな反りを生じるという実用上の課題がある。また、特開平5−59139号公報に記載の組成物においては、反りを生じない比率の組成とした場合は、得られる硬化物の硬度が低過ぎるという問題が生じ、硬度と反りのバランスをとることが困難である。なお、この公報記載の実施例で採用される組成では、高硬度ではあるが大きな反りを生じる。
ところで、特開昭54−127994号公報には、特定のアミド変性ウレタンアクリレート放射線硬化性化合物を含有するコーティング組成物が記載されている。しかし、このコーティング組成物は、ビニルカバーの保護塗膜形成の為に使用されるものであり、光ディスクの被覆層とは全く異なる分野において用いられる組成物である。さらに、このコーティング組成物にウレタンアクリレートを含有させるのは、硬化膜に曲げ強さや引っ張り強さを付与する為であり、上述したような光ディスクの被覆層の特有の問題(硬化収縮等)とは無関係な観点に基づいている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、分子内に少なくとも1個のアミド基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)、下記一般式(I)で示される化合物(B)、および前記(A)、(B)成分以外のエチレン性不飽和化合物(C)を含有する、光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物、および前述の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得た硬化被覆層を有する光ディスクに関するものである。
【0010】
【化3】
【0011】
(式中X1およびX2はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を示し、X3はヒドロキシ基、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を示し、R1、R2およびR3は炭素数1〜4のアルキレン基を示す。)
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明する。
【0013】
本発明の光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物は、硬化収縮率が低く、機械的強度を有する硬化被覆層を形成し得るものである。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの総称である。
【0014】
本発明において(A)成分として用いる分子内に少なくとも1個のアミド基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、組成物に低収縮性を、得られる硬化被覆層に表面硬度、耐衝撃性等の耐久性を付与する成分である。
このようなウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)は、特に限定されないが、例えば膜厚100μm程度の硬化被覆層を形成する場合などにおいては、下記(a1)〜(a4)の4成分から合成したウレタン(メタ)アクリレート等が好適である。
【0015】
(a1)分子内に少なくとも1個のアミド基、および少なくとも2個のヒドロキシ基を有するアミド含有化合物
(a2)前記(a1)成分を除く多価アルコール化合物
(a3)有機ジイソシナネート化合物、および
(a4)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル
【0016】
分子内に少なくとも1個のアミド基、および少なくとも2個のヒドロキシ基を有するアミド含有化合物(以下、アミドヒドロキシ化合物と称す)(a1)は、本発明の組成物を重合硬化してなる硬化被覆層の低収縮性を維持したまま、機械的強度(靭性)を向上させる作用を有する成分である。
【0017】
この(a1)成分としては、例えば、環状ヒドロキシカルボン酸エステルとアンモニアとの反応生成物、環状ヒドロキシカルボン酸エステルと1個の第一級または第二級アミノ窒素を含む化合物との反応生成物等が挙げられる。
【0018】
環状ヒドロキシカルボン酸エステルの具体例としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができるが、上記した中でも、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンが特に好ましい。
【0019】
1個の第一級または第二級アミノ窒素を含む化合物の具体例としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、6−アミノ−1−ヘキサノール、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノデカン等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0020】
上記した中でも、コストの観点から、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびN−メチルエタノールアミンが特に好ましい。
【0021】
環状ヒドロキシカルボン酸エステルと1個の第一級または第二級アミノ窒素を含む化合物との反応は、当モル量の両者を混合し、約100℃で6〜24時間加熱することにより得ることができる。
【0022】
特に最も好ましい(a1)成分としては、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド等が挙げられる。
【0023】
(a2)成分は、以上詳述した(a1)成分を除く多価アルコール化合物であり、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)の硬化物の柔軟性と伸度を向上させる作用を有する。
【0024】
(a2)成分としては、例えば、市販の各種多価アルコール化合物を使用できる。
【0025】
(a2)成分の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、1−メチルブチレングリコール等のポリエーテルジオール類;ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA等の多価アルコール類;これら多価アルコール類に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテル変性ジオール類;これら多価アルコール類と、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸類またはこれら多塩基酸の酸無水物類との反応によって得られるジオール化合物や、これら多価アルコール類と、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類との反応によって得られるポリカプロラクトンジオール化合物、さらにはこれら多価アルコール類および多塩基酸類と、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類との反応によって得られるカプロラクトン変性ポリエステルジオール化合物等のポリエステルジオール類;芳香族ポリカーボネートジオール、脂肪族ポリカーボネートジオール等のポリカーボネートジオール類;ポリブタジエンジオール類;等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0026】
上記した中でも、得られる組成物の硬化時の低収縮性を考慮すると、(a2)成分の分子量は300以上であることが好ましい。また、組成物の低粘度化の観点からは、2000以下であることが好ましい。
【0027】
さらに、上述した具体例のうち、強伸度バランスに優れる点から、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオールおよびポリカーボネートジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種のジオール化合物を用いることが特に好ましい。特に好ましくは、ポリブチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、脂肪族ポリカーボネートジオールである。
【0028】
(a3)成分である有機ジイソシナネート化合物は、前述した2種のアルコール成分[(a1)および(a2)成分]にウレタン結合を導入して強靱性を増すだけでなく、後述するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル[(a4)成分]を付加するためのウレタン(メタ)アクリレート合成反応を発現する成分でもある。
【0029】
(a3)成分の具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−イソシアナトフェニル)メタン、2、4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0030】
上記した中でも、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2、4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートが好ましい。
【0031】
更に、硬化被覆層に優れた靭性と難黄変性を付与できることから、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族骨格のジイソシナネート化合物が特に好ましい。
また、さらにその中でも、加水分解性塩素量が100ppm以下であるジイソシアネート化合物を使用することが、光ディスクの記録膜保護性能が向上する傾向にあることから最も好ましい。
【0032】
(a4)成分であるヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルは、製造したポリウレタン前駆体の末端に付加することで、ラジカル反応性を付与する成分である。
【0033】
その具体例としては、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基、および分子内に少なくとも1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0034】
前記(a4)成分の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0035】
上記した中でも、低粘度化の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0036】
本発明において、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)を構成する、(a1)〜(a4)の使用比率は、モル当量で、[(a3)]/[(a1)+(a2)]/[(a4)]=2.0/0.8〜1.2/0.8〜1.2で、かつ(a1)/(a2)=0.2〜1.0/1.0〜0.2であり、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)中のアミド基含有濃度は、化合物(A)の分子内に少なくとも1個、好ましくは2個以上である。
【0037】
具体的な合成方法としては、例えば、(a1)成分と(a2)成分の総ヒドロキシル基含有当量で0.9モル当量を合成釜内に仕込み、これに加熱・攪拌下、(a3)成分のイソシアネート2.0モル当量を滴下することで前駆体のイソシアネート末端ポリウレタンが得られる。これに更に(a4)成分の1.1〜1.3モル当量分を滴下、加熱付加することにより、(A)成分のウレタン(メタ)アクリレート化合物が得られる。
【0038】
なお、ここでいうモル当量とは、使用する化合物のモル数と官能基数を乗じた数である。
【0039】
具体的には、アミドヒドロキシ化合物(a1)や、分子内に2個の水酸基を有するアルコール(a2)の場合は、分子内のヒドロキシル基数(2)と使用モル数を乗じた数を指す。
【0040】
有機ジイソシナネート化合物(a3)の場合は、分子内のNCO基数(2)と使用モル数を乗じたものを指す。
【0041】
分子内に1個の(メタ)アクリレート基、および1個のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸のヒドロキシ基含有アルキルエステル(a4)の場合は、使用モル数を指す
【0042】
本発明の組成物において、(A)成分の使用割合は特に限定されないが、(A)、(B)および(C)成分の合計量100質量部中、25〜75質量%の範囲が好ましく、特に好ましくは30〜70質量%の範囲である。
【0043】
(A)成分の使用量は、組成物の硬化時収縮率を低減や、得られる硬化被覆層に表面硬度、耐衝撃性等の耐久性向上をさせるには、25質量%以上であることが好ましく、組成物を低粘度化し、光ディスクへの塗工作業性を良好にするためには、75質量%以下であることが好ましい。
【0044】
本発明で用いる(B)成分は、下記一般式(I)で表される化合物である。
【0045】
【化4】
【0046】
(式中X1およびX2はアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を示し、X3はヒドロキシ基、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を示し、R1、R2およびR3は炭素数1〜4のアルキレン基を示す。)
【0047】
この(B)成分は、組成物に硬化性を、得られる硬化被覆層に耐久性を付与する成分である。
【0048】
(B)成分の具体例としては、例えば、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
これらは、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0049】
これらの中でも、硬化性が良好であることから、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを使用することが好ましい。
【0050】
さらに、組成物の低温貯蔵安定性の点から、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートに、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレートを(B)成分の使用量中0.01〜40質量%の範囲で含有させた混合物とすることが好ましい。
【0051】
本発明において、(B)成分の使用割合は特に限定されないが、(A)、(B)および(C)成分の合計量100質量部中、5〜55質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲が特に好ましい。
【0052】
(B)成分の使用量は、得られる硬化被覆層の表面硬度の観点から5質量%以上が好ましく、組成物の硬化収縮率が低いことから30質量%以下が好ましい。
【0053】
本発明で用いる前記(A)、(B)成分以外のエチレン性不飽和化合物(C)は、本発明の組成物の粘度を調整し、さらに硬化性および硬化被覆層の耐久性を向上する成分である。
【0054】
この(C)成分の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性トリメチロールプロパントリアクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0055】
ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸メチルペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチルペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸シクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールA、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、水添ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル等ジ(メタ)アクリル酸エステル類;
【0056】
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデカニル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0057】
酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
【0058】
アクリルアミド、 N,N−ジメチルアクリルアミド、 N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;
【0059】
フタル酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、アジピン酸等の多塩基酸、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールおよび(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート類;
【0060】
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類とエピクロルヒドリンの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸またはその誘導体を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート類;
【0061】
有機ジイソシアネート化合物の1種単独または2種以上の混合物に、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルの1種単独または2種以上の混合物を反応させた(A)成分以外のウレタンポリ(メタ)アクリレート類;
【0062】
アルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリブタジエンジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、スピログリコール化合物等の1種または2種以上の混合物からなるアルコール類の水酸基に有機ジイソシアネート化合物を付加し、残ったイソシアネート基に、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させた(A)成分以外のウレタンポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0063】
これらの中でも、耐水性に優れることから、分子内に環状構造を有する化合物が好ましい。
【0064】
この分子内に環状構造を有する化合物の具体例としては、例えば、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタン、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデカニル等の化合物類等が挙げられる。
【0065】
本発明において、(C)成分の使用割合は特に限定されていないが、(A)、(B)および(C)成分の合計量100質量部中、20〜70質量%の範囲が好ましく、25〜65質量%の範囲が特に好ましい。
【0066】
(C)成分の使用量は、得られる組成物の粘度が低く、光ディスクへの塗工作業性が良好となることから20質量%以上が好ましく、組成物の硬化時低収縮性の観点から70質量%以下であることが好ましい。
【0067】
本発明の組成物は、前記(A)、(B)、および(C)成分を含有する組成物であるが、該組成物にさらに光重合開始剤(D)を含有させれば、効率よく紫外線照射により硬化物を得ることができる。
【0068】
(D)成分の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
【0069】
硬化促進のために使用する光重合開始剤(D)は、光ディスクの読み取りまたは書き込みに用いる光線を吸収しない種類および使用量を適宜選択して用いることが好ましい。
【0070】
例えば、光ディスクの読み取りに用いるレーザーの波長が380〜800nmの範囲内である場合は、読み取りに必要なレーザー光が十分に硬化被覆層を通過するよう、光重合開始剤の種類および使用量を適宜選択することが好ましい。
【0071】
この場合、硬化被覆層が青色レーザー光を吸収しないよう、短波長感光型光重合開始剤を使用することが特に好ましい。
【0072】
この短波長感光型光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0073】
本発明において、光重合開始剤(D)の使用割合は特に限定されないが、(A)、(B)および(C)成分の合計量100質量部に対して、0.001〜10質量部の範囲で添加することが好ましく、0.01〜5質量部の範囲がさらに好ましい。
【0074】
本発明において、(D)成分の使用量は塗膜の硬化性の観点から0.001質量部以上が好ましく、塗膜の深部硬化性、硬化被覆層の着色防止、青色レーザーでの記録層の情報読み取り等の点から10質量部以下が好ましい。
【0075】
更に、本発明の組成物には、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の公知の光増感剤を添加することもできる。
【0076】
また、その性能を損なわない範囲内で、必要に応じて、例えば熱可塑性高分子、スリップ剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等、公知の添加剤を、適宜配合してもよい。
【0077】
特に、光ディスクを長期間、加熱状態や太陽光下で保存した際等の長期使用に際して、硬化被膜の黄変を防ぎ、青色レーザーによる光ディスクの読み込みあるいは書き込みに支障をきたさないようにするため、酸化防止剤や光安定剤を使用することが好ましい。
【0078】
酸化防止剤や光安定剤の具体例としては、市販されているものを使用できる。市販品の具体例としては、例えば、住友化学(株)製スミライザーBHT、スミライザーS、スミライザーBP−76、スミライザーMDP−S、スミライザーGM、スミライザーBBM−S、スミライザーWX−R、スミライザーNW、スミライザーBP−179、スミライザーBP−101、スミライザーGA−80、スミライザーTNP、スミライザーTPP−R、スミライザーP−16、旭電化工業(株)製アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60AO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ329K、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製チヌビン770、チヌビン765、チヌビン144、チヌビン622、チヌビン111、チヌビン123、チヌビン292、日立化成工業(株)製ファンクリルFA−711M、FA−712HM等が挙げられる(以上、全て商品名)。
【0079】
これら酸化防止剤や光安定剤の添加量は特に限定されないが、(A)、(B)および(C)成分の合計量100質量部に対して、0.001〜2質量部の範囲で添加することが好ましく、0.01〜1質量部の範囲がさらに好ましい。
【0080】
本発明の組成物の粘度は特に限定されるものではないが、25℃において1000〜10000mPa・sの範囲が好ましく、2000〜8000mPa・sの範囲より好ましい。
【0081】
この粘度が1000mPa・s以上であれば塗工作業性が良好となり、10000mPa・s以下であれば組成物の取り扱い性が良好となる。
また、2000〜8000mPa・sの範囲であれば、短時間のスピンコートで膜厚100μmの硬化被覆層を得ることができる。
【0082】
本発明の組成物の塗工方法は特に限定されるものではなく、公知の方法で行えばよいが、光ディスクの生産性の観点から、スピンコーター法が好ましい。
【0083】
本発明の組成物の塗膜を硬化させる手段としては、光エネルギー照射、例えば、α,βおよびγ線などの活性エネルギー線を公知の方法で照射すればよい。
【0084】
本発明の組成物を用いて厚み100μm程度の硬化被覆層を形成する場合には、紫外線を用いることが特に好ましい。
紫外線の発生源は、実用性、経済性の面から、一般に使用されている紫外線ランプでよい。
【0085】
紫外線ランプの具体例としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。なお、本発明の組成物を硬化させる際の光エネルギー照射は、空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよい。
【0086】
次に本発明の光ディスクについて、以下詳細に説明する。
本発明の光ディスクは、前記した組成物を硬化させて得た硬化被覆層を有する光ディスク;あるいは基板上に、記録層および硬化被覆層をこの順に積層して成り、記録光および/または再生光が入射する側の面は該硬化被覆層である光ディスクにおいて、該硬化被覆層が、硬化収縮率7.5%以下の硬化性組成物を硬化させて得た、鉛筆硬度2B以上で、かつ波長380〜800nmの範囲における光線透過率が75%以上の層であることを特徴とする光ディスクである。
【0087】
ここでいう硬化被覆層とは、高密度光ディスクの記録層の光透過層や、DVD等の多層記録型光ディスクの接着剤兼光透過層等、光ディスクを構成する硬化被覆層全般を意味する。この硬化被覆層は、外観上、および記録層のデータの読み取りや書き込みを行う場合には読み取り障害が生じないよう透明であることが好ましい。
【0088】
この光ディスクの該硬化被覆層を形成する、硬化収縮率が7.5%以下の活性エネルギー線硬化性組成物としては、例えば先に詳述した本発明の組成物を挙げることができるが、特に限定されるものではない。
【0089】
本発明においては、20℃における硬化前の液比重(d1)と、硬化して得られた硬化被覆層の20℃における比重(d2)をそれぞれ測定し、下記の数式(1)により求めた値を硬化収縮率(%)とする。
【0090】
【数1】
【0091】
硬化収縮率が7.5%より高いと、記録層との密着性不良や硬化時収縮により光ディスクが大きく反る等の不具合が生じやすく、記録や読み取りが困難になる傾向にある。
【0092】
本発明の光ディスクの該硬化被覆層の表面硬度は、鉛筆硬度で2B以上である。特に該硬化被覆層が光ディスクの最外面になる場合には、B以上が好ましい。なお、ここでいう鉛筆硬度とは、JIS K−5400準拠の方法で得られる値である。
この鉛筆硬度が2Bより柔らかいと、硬化被覆層表面に傷がつきやすいため、光ディスクの書き込みまたは読み込みエラーの原因となる傾向にある。
【0093】
本発明の光ディスクの硬化被覆層の波長380〜800nmの範囲における光線透過率は、読み取りや書き込みのエラーを防ぐために、75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
なお、本発明の光ディスクの読み取りや書き込みに使用するレーザー光の波長は、特に限定されないが、一般に光ディスクの読み取りや書き込みに使用されている、波長380〜800nmの範囲のレーザー光が好ましく、特に光ディスクの記録容量を高密度にできることから、400nm前後の青紫色レーザー光が好ましい。
【0094】
本発明の光ディスクにおいて、硬化被覆層の厚みは、所望する特性が得られれば特に限定されないが、20〜200μmの範囲が好ましく、より好ましくは50〜150μmの範囲である。
【0095】
硬化被覆層の厚みは、所望する特性が得られれば特に限定されないが、20〜200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲がより好ましい。この厚みが20μm以上であれば、記録層の酸化劣化や、水分による劣化を抑制できる。また、200μm以下であれば、光ディスクの反り量を抑制できる。
【0096】
本発明の光ディスクにおける硬化被覆層を形成するには、例えば、記録層を有する支持体基板上の記録層側に、光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物の均一塗膜を形成し、これを活性エネルギー線を照射して硬化させればよい。
【0097】
硬化被覆層のガラス転移温度(以下、Tgという)は、特に限定されないが、車載用途等、耐熱性の要求される環境での使用を考慮すると、Tg50℃以上とすることが好ましく、Tg60℃以上がより好ましい。
【0098】
なお、本発明の光ディスクは、耐候性や表面硬度をさらに向上させる目的で、該硬化被覆層上にハードコート層等を適宜積層してもよい。
【0099】
該ハードコート層を形成するハードコート用組成物としては、特に限定されるものではなく、アクリル系ハードコート材、シリカ微粒子含有ハードコート材等、公知の各種ハードコート用組成物を使用できる。この組成物を塗布、硬化し、膜厚0.1〜7μm、好ましくは、0.3〜5μmのハードコート層を形成することが好ましい。
【0100】
ハードコート用組成物中には、光ディスクのスリップ性を良好とし、傷付き防止性能を向上するために、フッ素系またはシリコーン系のスリップ剤を添加してもよい。スリップ剤としては、ポリエーテル変性シリコーンが好適である。
【0101】
本発明の光ディスクの支持体基板は、透明でも非透明であってもよい。その材質としては、ガラス、セラミックス、金属、プラスチック等、公知のものを使用することができる。
【0102】
中でも、低コスト、軽量、光ディスクのランドおよびグルーブを成型する容易性の観点から、プラスチックが好ましい。
【0103】
その具体例としては、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、アモルファスポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
すなわち、支持体基板として、このようなプラスチック材料の成型品が特に好ましい。
【0104】
本発明の光ディスクの記録層は、特に限定されず、従来公知の記録用材料を使用できる。
【0105】
例えば、読み取り専用光ディスクの場合、記録層の材質としては、金、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、光の反射率の高い金属であれば使用可能であり、好ましくは低コストで耐久性の高いアルミニウム合金である。
【0106】
また、例えば書き換え可能な光ディスクの場合、相変化記録層の材質としては、銀・In・Te・Sb合金、銀・In・Te・Sb・Ge合金、Ge・Sb・Te合金、 Ge・Sn・Sb・Te合金、Sb・Te合金等が挙げられ、光磁気記録層の材質としては、Tb・Fe・Co系合金等が挙げられる。
【0107】
さらに、これらの各種記録層上に、SiN、ZnS、SiO2等の誘電膜を積層してもよい。
【0108】
記録層を形成するには、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等公知の薄膜形成技術を使用すればよい。
【0109】
本発明の組成物は、特に光ディスク用途の光透過層形成用として非常に有用なものであるが、透明性に優れ、低収縮かつ機械特性に優れていることから、例えば、ICカード、IDカード等のカード類の接着剤や保護コートにも使用可能であり、フレネルレンズ、プリズムシート等の光学部品用2Pレジンや、透明ポッティング材料、光造形用樹脂、液晶封止材、EL封止材としても使用可能である。
【0110】
【実施例】
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。なお、以下の記載において「部」は質量基準である。
【0111】
《合成例1》[ウレタンアクリレート(UA1:A成分)の製造]
(1) 攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート1112g(10モル当量)、およびジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
【0112】
(2) N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド175g(2.4モル当量)とポリブチレングリコール(n=12;重量平均分子量:850)1102g(2.6モル当量)を均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。
【0113】
(3) 次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2-ヒドロキシエチルアクリレート633g(5.5モル当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタンアクリレート(UA1)を製造した。反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により、1%未満であることを確認し、ウレタンアクリレートUA1を得た。
【0114】
《合成例2》[ウレタンアクリレート(UA2:A成分)の製造]
(1) 攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン1260g(10モル当量)、およびジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
【0115】
(2) N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド250g(3.4モル当量)とポリブチレングリコール(n=12;重量平均分子量:850)660g(1.6モル当量)を均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。
【0116】
(3) 次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2-ヒドロキシエチルアクリレート633g(5.5モル当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタンアクリレート(UA2)を製造した。反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により、1%未満であることを確認し、ウレタンアクリレートUA2を得た。
【0117】
《合成例3》[ウレタンアクリレート(UA3:C成分)の製造]
(1) 攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート867g(7.8モル当量)、およびジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
【0118】
(2) ポリブチレングリコール(n=12;平均分子量:850)1658g(3.9モル当量)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。
【0119】
(3) 次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2-ヒドロキシエチルアクリレート453g(3.9モル当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタンアクリレート(UA3)を製造した。反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により、1%未満であることを確認した。
【0120】
《合成例4》[ウレタンアクリレート(UA4:C成分)の製造]
(1) 攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート1334g(12モル当量)、およびジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
【0121】
(2) 2-ヒドロキシエチルアクリレート1416g(12.2モル当量)とハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら6時間等速滴下により滴下し、同温度で4時間撹拌して反応させて、ウレタンアクリレート(UA4)を製造した。反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により、1%未満であることを確認した。
【0122】
このようにして合成例1〜4で得られた化合物を使用して、以下実施例を行った。
なお、実施例中の反り角とは、光ディスク最外周における光透過層側への半径方向の最大反り角を意味する。
【0123】
[実施例1]
(1)硬化性組成物の調製
(A)成分として合成例1で得られたUA1を65質量部、(B)成分として東亞合成(株)製アロニクスM315(トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート90%、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルトリイソシアヌレート10%の混合物)を10質量部、(C)成分として、テトラヒドロフルフリルアクリレートを25質量部、(D)成分として1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン2質量部を混合溶解し、硬化性組成物を得た。
得られた該組成物は、無色透明で常温(25℃)で約5200mPa・sの粘稠な液状を呈していた。
また、得られた組成物の液比重と硬化物の比重により硬化収縮率を求めた結果、6.0%であった。なお、硬化収縮率は7.5%以下を許容範囲とした。
この評価結果は、表1の硬化収縮率(%)の欄に示した。
【0124】
(2)評価用透明円盤及び光ディスクの作製、およびその評価
帝人化成(株)製パンライトAD9000TG(ポリカーボネート樹脂)を射出成型して得た光ディスク形状を有する透明円盤状基板(直径12cm、板厚1.2mm、反り角0度)に、前記硬化性組成物をスピンコーターで塗布し、平均膜厚100μmの塗膜を形成した。この塗膜を、ランプ高さ10cmの高圧水銀灯(120W/cm)により、積算光量1000mJ/cm2のエネルギー量で硬化させて、光透過層を有する透明円盤を得た。
【0125】
得られた透明円盤について、ジャパンイーエム(株)製DLD−3000光ディスク光学機械特性測定装置を用いて、20℃、50%RH環境下にて、反り角を測定したところ、反り角は0.1度であり、良好な機械特性を示した。
該円盤を80℃、85%RHの環境条件下に100時間放置した後、取り出して20℃、50%RHの環境条件下に100時間放置して、再び反り角を測定したところ、反り角は0.2度であり、良好な機械特性を示した。
これらの反り角の評価結果は、表1の初期反り角(度)欄、および試験後反り角(度)欄に示した。
なお、この反り角の範囲は、初期および耐久試験後ともに0〜0.3度を許容範囲とした。
更に、JIS K−5400に準拠し、光透過層の鉛筆硬度を測定したところBであり、ポリカーボネート基板(4B)より硬く、良好であった。なお鉛筆硬度の範囲は2B以上を許容範囲とした。
この鉛筆硬度の評価結果は、表1に示した。
【0126】
次に、帝人化成(株)製パンライトAD9000TGを射出成型して得た、直径12cm、板厚1.2mmの透明円盤に、バルザース(株)製スパッタリング装置CDI−900により、アルミニウム合金を膜厚50nmでスパッタリングし、信号記録面にアルミ合金反射膜を有する光ディスクを得た。
得られた光ディスクのアルミ合金反射膜上に、前記硬化性組成物をスピンコーターで塗布して平均膜厚100μmの塗膜を形成し、ランプ高さ10cmの高圧水銀灯(120W/cm)により、積算光量1000mJ/cm2のエネルギー量で硬化させて、光透過層を有する光ディスクを得た。
【0127】
該光ディスクを80℃、85%RHの環境条件下に100時間放置した後、取り出して、微分干渉顕微鏡にて800倍の倍率でアルミ合金面を観察したところ、白化やピンホール等の腐食は発生しておらず、良好な記録層保護性能を示した。
この評価結果は、表1の耐腐食性の欄に示した。
【0128】
また、同様にして得られた光ディスクのアルミ合金面から、光透過層を剥離して得られた透明膜について、20℃、50%RHの環境条件下に100時間放置したのち、日立製作所(株)製分光光度計U−3400を用いて、波長400nmでの光線透過率を測定したところ88%であり、良好な光線透過率であった。
この評価結果は、表1の光線透過率の欄に記載した。
なお、400nm光線透過率は80%以上を許容範囲とした。
【0129】
[実施例2〜5、比較例1〜3]
表1に示す組成物を用いる以外は、本発明の実施例1と同様にして光透過層を有する透明円盤、および光ディスクを得た。また、これらについて実施例1と同様にして評価を行い、その評価結果を表1の評価結果欄にそれぞれ示した。
【0130】
[比較例4]
特開昭61−208646号公報の実施例1記載の組成物を、硬化性組成物として用いる以外は、本発明の実施例1と同様にして透明円盤および光ディスクを形成した。これらの評価結果は、表1に示した。
【0131】
[比較例5]
特開平3−131605号公報記載の実施例で用いた組成物を硬化性組成物として用いる以外は、本発明の実施例1と同様にして透明円盤および光ディスクを形成した。これらの評価結果は、表1に示した。
【0132】
[実施例6]
実施例2の硬化性組成物を用い、純銀(純度99.99%)をスパッタリングターゲットとして用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価用光ディスクを作製し、同様に評価した。本実施例においては、光線透過率、機械特性、鉛筆硬度、初期反り角、試験後反り角および耐腐食性ともに、実施例1と同等の良好な値が得られた。
【0133】
【表1】
【0134】
表1中の略号は、以下の通りである。
注1:反り角が測定装置の測定可能範囲(±1度)を大きく超え、測定不可能
UA1:合成例1で得たウレタンアクリレート(UA1)
UA2:合成例2で得たウレタンアクリレート(UA2)
UA3:合成例3で得たウレタンアクリレート(UA3)
UA4:合成例4で得たウレタンアクリレート(UA4)
M315:東亞合成(株)製アクリレート(トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート90%、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルトリイソシアヌレート10%の混合物)
M313:東亞合成(株)製アクリレート(トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート65%、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルトリイソシアヌレート35%の混合物)
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
TCA:トリシクロデカニルアクリレート
TCDA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
HBPE4:水添ビスフェノールAテトラオキシエチレンジアクリレート
NPGDA:ネオペンチルグリコールジアクリレート
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
BPAEA:ビスフェノールA型エポキシアクリレート
HCPK:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン
BIE:ベンゾインイソブチルエーテル
BNP:ベンゾフェノン
EPA:p−ジメチルアミノ安息香酸エチル
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
FZ2165:日本ユニカー(株)製ポリエーテル変性シリコーン
LS292:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート
BHT:2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール
【0135】
【発明の効果】
以上示した通り、本発明の組成物は、重合時の硬化性が低く、優れた透明性を有し、かつ優れた表面硬度、記録層保護性能、および機械特性を有する光透過層を形成することを可能としたものである。これにより、100μm程度の光透過層を有する高密度型光ディスクを得ることが可能となる。この光ディスクは青色レーザー光を用いて読み取りおよび/または書き込みを行う高密度型光ディスクとして極めて有用である。
Claims (4)
- ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)が、下記(a1)〜(a4)成分を反応させて得られる化合物である、請求項1記載の光ディスク用活性エネルギー線硬化性組成物。
(a1)分子内に少なくとも1個のアミド基、および少なくとも2個のヒドロキシ基を有するアミド含有化合物
(a2)前記(a1)成分を除く多価アルコール化合物
(a3)有機ジイソシアネート化合物
(a4)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル - 硬化被覆層が、厚み20〜200μmの範囲であることを特徴とする、請求項3記載の光ディスク。
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