JP2002230831A - 光ディスク用保護コーティング材組成物、および光ディスク - Google Patents

光ディスク用保護コーティング材組成物、および光ディスク

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JP2002230831A JP2001366639A JP2001366639A JP2002230831A JP 2002230831 A JP2002230831 A JP 2002230831A JP 2001366639 A JP2001366639 A JP 2001366639A JP 2001366639 A JP2001366639 A JP 2001366639A JP 2002230831 A JP2002230831 A JP 2002230831A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、表面硬度および耐久性を有し、かつ
反りのない書き込みおよび/または読み取りを行う光デ
ィスクを得る。 【解決手段】 分子内に少なくとも2個のラジカル重合
性(メタ)アクリロイルオキシ基、少なくとも1個のア
ミド基、および少なくとも2個のウレタン基を有するウ
レタン(メタ)アクリレート化合物(A)、(A)成分
以外のエチレン性不飽和化合物(B)、および光重合開
始剤(C)を含む光ディスク用保護コーティング材組成
物の硬化物層を形成した光ディスクを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク用保護
コーティング材組成物、および光ディスクに関するもの
であり、さらに詳しくは、重合時の硬化収縮率が低く、
機械的強度を有する保護層を形成しうる光硬化型組成物
および該組成物を硬化せしめて得た透明膜を有する、硬
度、透明性、および耐久性に優れた光ディスクに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の媒体としてコンパクト
ディスク、追記型光ディスク、光磁気ディスク、相変化
型光ディスク等の光ディスクが多く用いられるようにな
ってきた。これらの光ディスクは、微細なランドおよび
グルーブを形成した、ポリカーボネート等の透明樹脂基
板記録面に、スパッタリング法により、記録膜や光反射
膜として働く金属薄膜層を形成し、これら薄膜層の劣化
を防ぐために紫外線硬化型樹脂による保護層を設けて製
造することが一般的である。
【0003】これらの光ディスクは1.2mm厚の透明
樹脂基板を用いて製造されていた。しかしながら、近年
は、記録容量を高めるために、0.6mm厚の光ディス
クを貼り合わせたDVD(デジタルビデオディスクまた
はデジタルバーサタイルディスク)が広く、普及しつつ
ある。ところが、このDVDでは、長時間の映像録画は
未だ困難であるのが現状である。
【0004】そこで、次世代の高密度光ディスクとし
て、日経エレクトロニクス2000.6.19(no.
722)の57〜64頁や、同2000.7.17(n
o.774)の151頁〜160頁に記載されているよ
うに、基板上に記録層と100μmの透明カバー層を積
層し、透明カバー層側から青色レーザー光により書き込
みおよび/または読み取りを行うタイプの光ディスクが
実用化されつつある。
【0005】この透明カバー層(本発明では以下、保護
層という)の形成方法としては、100μmの透明フィ
ルムを貼り付ける手法、紫外線硬化型樹脂を記録層上に
のせ、平坦で透明なガラス板等で樹脂厚み100μmと
なるように押しつけたのち、ガラス板を介して紫外線硬
化を行い、ガラス板を離型して保護層を得る2P(フォ
トポリマー)法、紫外線硬化型樹脂をスピンコートして
100μmの厚みに塗装硬化する手法等が挙げられる。
【0006】このような保護層の形成に用いる紫外線硬
化型樹脂としては、例えば、特開平3−131605号
公報や、特開平4−264167号公報等に記載される
組成物など公知の光ディスク記録層保護用のコーティン
グ材組成物が挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該組成
物では硬化収縮が大きいため、100μm厚みの保護層
を形成する際、光ディスクに反りが生じてしまう。そこ
で、保護層形成面と反対側に、予め反らせて成型したデ
ィスク基板に保護層を形成しなければならない。さら
に、このような方法で保護層を形成できたとしても、耐
久試験を行うと徐々に光ディスクの反りが大きくなると
いう課題があった。
【0008】本発明は、基板上に記録層を形成し、10
0μm程度の保護層を積層し、レーザー光により、保護
層側から記録層に対して、書き込みおよび/または読み
取りを行う高密度型光ディスクにおいて、反りがなく、
塗工作業性、透明性、表面硬度および耐久性に優れた光
ディスクを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、分子内
に少なくとも2個のラジカル重合性(メタ)アクリロイ
ルオキシ基、少なくとも1個のアミド基、および少なく
とも2個のウレタン基を有するウレタン(メタ)アクリ
レート化合物(A)、(A)以外のエチレン性不飽和化
合物(B)、および光重合開始剤(C)を含む、光ディ
スク用保護コーティング材組成物、およびこの硬化物層
を有する光ディスクにある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、詳細に説
明する。
【0011】まず、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、分子内に少なくとも2個のラジカル
重合性(メタ)アクリロイルオキシ基、少なくとも1個
のアミド基、および少なくとも2個のウレタン基を有す
るウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)、(A)
以外のエチレン性不飽和化合物(B)、光重合開始剤
(C)を含む組成物であり、低収縮で、透明性が高く、
記録膜保護性能や、機械特性等の耐久性が良好な硬化物
を形成することができる。
【0012】本発明の(A)成分である分子内に少なく
とも2個のラジカル重合性(メタ)アクリロイルオキシ
基、少なくとも1個のアミド基、および少なくとも2個
のウレタン基を有するウレタン(メタ)アクリレート化
合物は、組成物に低収縮性を、得られる硬化物に硬度、
耐衝撃性等の耐久性を付与する成分である。
【0013】このようなウレタン(メタ)アクリレート
化合物としては、特に限定されることはないが、好適な
具体例として、下記(a1)〜(a4)の4成分から合
成したウレタン(メタ)アクリレートを挙げられる。
【0014】(a1)分子内に1個以上のアミド基、お
よび少なくとも2個のNCO反応性ヒドロキシ基を有す
るアミドヒドロキシ化合物 (a2)ポリエステルジオール、ポリエーテルジオー
ル、およびポリカーボネートジオールから選ばれる少な
くとも1種のジオール化合物 (a3)有機ジイソシナネート化合物、および (a4)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキ
シ基、および1個のNCO反応性ヒドロキシ基を有する
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル
【0015】この分子内に1個以上のアミド基、および
少なくとも2個のNCO反応性ヒドロキシ基を有するア
ミドヒドロキシ化合物(a1)は、本発明の組成物を重
合硬化してなる硬化物の伸度を維持したまま、機械的強
度を向上させるという、靭性を向上させる作用を有する
成分である。
【0016】(a1)成分の具体例としては、環状ヒド
ロキシカルボン酸エステルとアンモニア、または1個の
第一級または第二級アミノ窒素を含む化合物との反応生
成物が挙げられる。
【0017】環状ヒドロキシカルボン酸エステルの具体
例としては、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラ
クトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が
挙げられる。これらは、1種を単独で、または2種以上
を併用して用いることができるが、上記した中でもγ−
ブチロラクトン、γ−バレロラクトンが特に好ましい。
【0018】1個の第一級または第二級アミノ窒素を含
む化合物の具体例としては、例えば、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミ
ン、N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノ
ールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ
−2−エチル−1,3−プロパンジオール、6−アミノ
−1−ヘキサノール、1,4−ジアミノブタン、1,2
−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノデカン
等が挙げられる。これらは、1種を単独で、または2種
以上を併用して用いることができる。
【0019】中でも、エタノールアミン、ジエタノール
アミン、およびN−メチルエタノールアミンが特に好ま
しい。
【0020】環状ヒドロキシカルボン酸エステルと1個
の第一級または第二級アミノ窒素を含む化合物の反応
は、当モル量の両者を混合し、約100℃で6〜24時
間加熱することにより行われる。
【0021】最も好ましい(a1)成分としては、N−
メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキ
シプロピルアミド等が挙げられる。
【0022】前記(a2)成分であるポリエステルジオ
ール、ポリエーテルジオール、およびポリカーボネート
ジオールから選ばれる少なくとも1種のジオール化合物
は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(A)の硬化
物の柔軟性と伸度を向上させる作用を有し、種々市販さ
れている。
【0023】(a2)成分の具体例としては、例えば、
ポリエチレングリコール(n=6〜20)、ポリプロピ
レングリコール(n=6〜20)、ポリブチレングリコ
ール(n=6〜20)、1−メチルブチレングリコール
(n=6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アル
キレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付
加(n=2〜10)ジオール、ポリカーボネートジオー
ル(炭素数4〜6の脂肪族骨格)、フタル酸とアルキレ
ンジオールから誘導されたポリエステルジオール、マレ
イン酸とアルキレンジオールから誘導されたポリエステ
ルジオール、フマル酸とアルキレンジオールから誘導さ
れたポリエステルジオール等が挙げられる。これらは、
1種単独または2種以上を併用して用いることができ
る。
【0024】この中でも、重量平均分子量は300〜2
000程度のものが好ましい。
【0025】上記した中でも、ポリブチレングリコール
(n=6〜20)、ポリカプロラクトンジオール、アル
キレン(炭素数2〜10)ジオールのカプロラクトン付
加(n=2〜10)ジオールが特に好ましい。
【0026】前記(a3)成分である有機ジイソシナネ
ート化合物は、前記2種のジオール成分にウレタン結合
を導入し、強靱性を増すための必須成分であるだけでな
く、後述するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エス
テルを付加するためのウレタン(メタ)アクリレート合
成における必須成分である。
【0027】(a3)成分の具体例としては、例えば、
イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナト
シクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソシアナトフェ
ニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−イソシアナトフ
ェニル)メタン、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、トリス(4−イソ
シアナトフェニル)メタン、1,2−キシリレンジイソ
シアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、
1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水
添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、ルボルナンジイソシア
ネート等が挙げられる。これらは1種単独または2種以
上を併用して用いることができる。
【0028】上記した中でも、イソホロンジイソシアネ
ート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタ
ン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、1,2−キシリレンジイソシア
ネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2
−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシ
リレンジイソシアネートが好ましい。
【0029】更に、硬化物に優れた耐候性を付与できる
ことから、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イ
ソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−水添キシ
リレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイ
ソシアネート等の脂肪族または脂環族骨格のジイソシア
ネート化合物が特に好ましく、なかでも、加水分解性塩
素量が100ppm以下であるジイソシアネート化合物
を使用することが、光ディスクの記録膜保護性能向上の
観点から好ましい。
【0030】前記(a4)成分である分子中に1個以上
の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のNCO
反応性ヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)
アクリル酸エステルは、製造したポリウレタン前駆体の
末端に付加することで、ラジカル反応性を付与する成分
である。
【0031】前記(a4)成分の具体例としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキ
シル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノー
ルモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、4−
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとカプロラクト
ンの付加物、トリメチロールプロパンジアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート等が挙げられる。これら
は、1種単独または2種以上を併用して用いることがで
きる。
【0032】上記した中でも、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレートが特に好ましい。
【0033】本発明において、ウレタン(メタ)アクリ
レート化合物(A)を構成する、(a1)〜(a4)の
使用比率は、モル当量で、[(a3)]/[(a1)+
(a2)]/[(a4)]=2.0/0.8〜1.2/
0.8〜1.2で、かつ(a1)/(a2)=0.2〜
1.0/1.0〜0.2である。
【0034】具体的な合成方法としては、例えば、(a
1)成分と(a2)成分の総ヒドロキシル基含有当量で
0.9モル当量を合成釜内に仕込み、これに加熱・攪拌
下、(a3)成分のイソシアネート2.0モル当量を滴
下することで前駆体のイソシアネート末端ポリウレタン
が得られる。これに更に(a4)成分の1.1から1.
3モル当量分を滴下、加熱付加することにより、(A)
成分のウレタン(メタ)アクリレート化合物が得られ
る。
【0035】なお、ここでいうモル当量とは、使用する
化合物のモル数と官能基数を乗じた数である。
【0036】具体的には、分子内に1個以上のアミド
基、および少なくとも2個のNCO反応性ヒドロキシ基
を有するアミドヒドロキシ化合物(a1)、および、ポ
リエステルジオール、ポリエーテルジオールおよびポリ
カーボネートジオールから選ばれる少なくとも1種のジ
オール化合物(a2)の場合は、分子内のヒドロキシル
基数(2)と使用モル数を乗じた数を指す。
【0037】有機ジイソシナネート化合物(a3)の場
合は、分子内のNCO基数(2)と使用モル数を乗じた
ものを指す。
【0038】分子中に1個の(メタ)アクリレート基、
および1個のNCO反応性ヒドロキシ基を有する(メ
タ)アクリル酸のヒドロキシ基含有アルキルエステル
(a4)の場合は、使用モル数を指す
【0039】本発明の組成物において、(A)成分の含
有量は特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の
合計量100質量%中、20〜80質量%の範囲が好ま
しく、特に好ましくは25〜75質量%の範囲である。
【0040】(A)成分の含有量が20質量%より少な
い場合には、得られる保護層の機械的強度が不足し、さ
らに重合に伴う体積収縮率が増加して、光ディスクの反
りが大きくなる傾向にある。また、(A)成分の含有量
が80質量%を超える場合には、硬化性組成物の液粘度
が高くなり、光ディスクへの塗工作業性が不良となる傾
向にある。
【0041】本発明の(B)成分である(A)成分以外
のエチレン性不飽和化合物は、組成物を塗装に適した粘
度に調整し、さらに硬化性および耐久性を向上する成分
である。
【0042】この(B)成分は特に限定されるものでは
なく、(A)成分以外のエチレン性不飽和化合物を、1
種または2種以上を併用して用いることができる。
【0043】中でも、ビスフェノール型エポキシ(メ
タ)アクリレート化合物(b1)を必須成分として使用
することがより好ましい。
【0044】(B)のうち、ビスフェノール型エポキシ
(メタ)アクリレート化合物(b1)の具体例として
は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビ
スフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビ
スフェノール類とエピクロルヒドリンの縮合反応で得ら
れるビスフェノール型エポキシ樹脂に、(メタ)アクリ
ル酸またはその誘導体を反応させたエポキシ(メタ)ア
クリレート類が挙げられる。
【0045】中でも、粘度と耐熱性のバランスに優れる
ことから、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリ
レート、およびビスフェノールF型エポキシ(メタ)ア
クリレートが好ましい。
【0046】また、得られる組成物の粘度および重合に
伴う体積収縮率が低いことから、重量平均分子量が80
0〜5000の範囲にあるビスフェノール型エポキシ
(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0047】このビスフェノール型エポキシ(メタ)ア
クリレートの重量平均分子量が800より低い場合に
は、得られる組成物の重合に伴う体積収縮率が大きくな
り、光ディスクの反りが大きくなる傾向にある。また、
5000を超える場合には、組成物の粘度が極端に高く
なり、光ディスクへの塗工作業性が低下する傾向にあ
る。
【0048】さらに、これらのエポキシ(メタ)アクリ
レートの原料となるエポキシ樹脂は、塩素を含有してい
ないことが好ましい。塩素を含有している場合には、好
ましくはエポキシ樹脂の全塩素含有量が2000ppm
以下の範囲、特に好ましくは1500ppm以下の範囲
である。
【0049】この全塩素含有量が2000ppmを超え
る場合には、これを原料として合成したエポキシ(メ
タ)アクリレートを用いて保護層を形成した場合、記録
層の保護性能が低下する傾向にある。
【0050】本発明において、前記(A)成分および
(b1)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物
(B)の具体例としては、例えば、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシ
レーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
ル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メ
タ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッド
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステ
ル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラク
トン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
ル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル等の多官能(メ
タ)アクリル酸エステル類;
【0051】ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒ
ドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリ
ロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)ア
クリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸
1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸
1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6
−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオ
ール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
4−ヒドロキシブチル、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メ
タ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)
アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アク
リル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アク
リル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ
(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェ
ノールA等のジ(メタ)アクリル酸エステル類;
【0052】(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリ
ル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボル
ニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、2−(メタ)
アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタ
ン、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリ
ル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニ
ル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)
アクリル酸テトラシクロドデカニル、ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加
物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル
類;
【0053】ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールのγ−ブチロラクトン付加物(n+m=2〜5)の
ジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコー
ルのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メ
タ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロ
ラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリ
ル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラ
クトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル
酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクト
ン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エ
ステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n
+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビス
フェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2〜
5)のジ(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アク
リル酸エステル類;
【0054】酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホル
ムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−
ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジ
ビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエ
ーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル
類;
【0055】ジアリルフタレート、トリメチロールプロ
パンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の
アリル化合物類;
【0056】アクリルアミド、 N,N−ジメチルアク
リルアミド、 N,N−ジメチルメタクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアク
リルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−
t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、
ヒドロキシエチルアクリルアミド、メチレンビスアクリ
ルアミド等のアクリルアミド類;
【0057】フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸、エチ
レングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコ
ールおよび(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反
応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート
類;
【0058】有機ジイソシアネート化合物の1種単独ま
たは2種以上の混合物に、分子中に1個以上の(メタ)
アクリロイルオキシ基、および1個のNCO反応性ヒド
ロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸
エステルの1種単独または2種以上の混合物を反応させ
た(A)成分以外のウレタンポリ(メタ)アクリレート
類;アルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリブ
タジエンジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボ
ネートジオール、スピログリコール化合物等の1種また
は2種以上の混合物からなるアルコール類の水酸基に有
機ジイソシアネート化合物を付加し、残ったイソシアネ
ート基に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオ
キシ基、および1個のNCO反応性ヒドロキシ基を有す
るヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応
させた(A)成分以外のウレタンポリ(メタ)アクリレ
ート類等が挙げられる。これらは、1種または2種以上
を併用して用いることができる。
【0059】これらの中でも、耐水性に優れることか
ら、分子内に環状構造を有する化合物が好ましい。
【0060】この好ましい化合物の具体例としては、例
えば、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキ
シエチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイル
オキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル
酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル
酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メ
タ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノー
ルA、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、
(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニ
ル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、2−(メタ)ア
クリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタ
ン、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリ
ル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニ
ル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)
アクリル酸テトラシクロドデカニル等の化合物類等が挙
げられる。
【0061】本発明において、(B)成分の含有量は特
に限定されていないが、(A)成分と(B)成分の含有
量100質量%中、20〜80質量%の範囲が好まし
く、25〜75質量%の範囲が特に好ましい。
【0062】(B)成分の含有量が20質量%よりも少
ない場合には、得られる組成物の液粘度が高くなり、光
ディスク基材への塗工作業性が不良となる傾向にある。
また、80質量%を超える場合には、組成物の硬化に伴
う体積収縮が大きくなり、光ディスクの反りが大きくな
る傾向にある。
【0063】また、本発明において(b1)成分を含有
する場合には、(b1)成分は、(A)成分と(B)成
分の合計量100質量%中、5〜40質量%の範囲が好
ましく、5〜30質量%の範囲がより好ましい。
【0064】(b1)成分が5質量%より少ない場合に
は、得られる保護膜の機械的強度や記録膜保護性能が低
下し、かつ重合に伴う体積収縮率が増加して、光ディス
クの反りが大きくなる傾向にあり、(b1)成分が40
質量%を超える場合には、組成物の液粘度が高くなり、
光ディスクへの塗工作業性が低下する傾向にある。
【0065】本発明の(C)成分である光重合開始剤
は、本発明の組成物を効率よく活性エネルギー線照射に
より硬化させるための成分であり、特に限定されるもの
ではない。
【0066】この(C)成分の具体例としては、例え
ば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)
ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノ
ン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニ
ルベンゾフェノン、チオキサントン、ジエチルチオキサ
ントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサ
ントン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアント
ラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベン
ジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル
−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−1−
〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロ
パン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジ
フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメト
キシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホ
スフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベ
ンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベ
ンゾイルホルメート等が挙げられる。これらは、1種ま
たは2種以上を併用して用いることができる。
【0067】例えば、光ディスクの読み取りに用いるレ
ーザーの波長が380〜800nmの範囲である場合に
は、読みとりに必要なレーザー光が十分に保護層を通過
するよう、光重合開始剤の種類および使用量を適宜選択
して用いることが好ましい。この場合、得られる保護層
が青色レーザー光を吸収し難い、短波長感光型光重合開
始剤を使用することが特に好ましい。
【0068】この短波長感光型光重合開始剤の具体例と
しては、例えば、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメ
チルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエ
イト、4−フェニルベンゾフェノン、ジエトキシアセト
フェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−
ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テル、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。こ
れらは、1種または2種以上を併用して用いることがで
きる。
【0069】本発明において、光重合開始剤(C)の含
有量は特に限定されないが、(A)成分と(B)成分の
合計量100質量部に対して、0.001〜10質量部
の範囲が好ましく、0.01〜9質量部の範囲がさらに
好ましく、0.1〜7質量部の範囲が特に好ましい。
【0070】本発明において、(C)成分の含有量が
0.001質量部より少ないと、塗膜の硬化性が不十分
となる傾向にあり、10質量部を超えると、塗膜の深部
硬化性が不良となったり、硬化膜が着色して、青色レー
ザーでの記録層の情報読みとりが不良となる傾向にあ
る。
【0071】更に、光ディスク用保護コーティング材組
成物には、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸
メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメ
チルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセト
フェノン等の公知の光増感剤を添加することもできる。
【0072】以上が本発明の光ディスク用保護コーティ
ング材組成物の構成成分であるが、その性能を損なわな
い範囲であれば、必要に応じて、例えば、熱可塑性高分
子、スリップ剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング
剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した
無機フィラー等、公知の添加剤等を適宜配合して用いて
もよい。
【0073】これらの添加剤の中でも、長期使用に際し
て、硬化被膜の黄変を防ぎ、青色レーザーによる光ディ
スクの読み込みあるいは書き込みに支障をきたさないよ
うにするため、酸化防止剤や光安定剤を使用することが
好ましい。
【0074】この具体例としては、例えば、各種市販さ
れている、住友化学(株)製スミライザーBHT、スミ
ライザーS、スミライザーBP−76、スミライザーM
DP−S、スミライザーGM、スミライザーBBM−
S、スミライザーWX−R、スミライザーNW、スミラ
イザーBP−179、スミライザーBP−101、スミ
ライザーGA−80、スミライザーTNP、スミライザ
ーTPP−R、スミライザーP−16、旭電化工業
(株)製アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−
30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−5
0、アデカスタブAO−60AO−70、アデカスタブ
AO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブ
PEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブ
PEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカス
タブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ
260、アデカスタブ522A、アデカスタブ329
K、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカス
タブ135A、アデカスタブ3010、チバスペシャリ
ティーケミカルズ(株)製チヌビン770、チヌビン7
65、チヌビン144、チヌビン622、チヌビン11
1、チヌビン123、チヌビン292等が挙げられる。
【0075】前記組成物の塗膜の形成方法としては、特
に限定されるものではないが、膜厚制御が容易であるス
ピンコーター法による塗工方法が好ましい。特に、光デ
ィスク外周部の盛り上がりを少なくするために、スピン
コート後、回転させながら活性エネルギー線照射により
硬化させたり、スピンコートの回転を止めた直後〜0.
8秒以内に硬化させたりすることが好ましい。
【0076】また、塗布された組成物の被膜を硬化させ
る手段としては、光エネルギー照射、例えばα,βおよ
びγ線などの活性エネルギー線を公知の方法で該硬化性
組成物に照射することにより行えばよいが、硬化手段と
して紫外線を用いることが特に好ましい。この際に用い
る紫外線発生源としては、実用性、経済性の面から一般
に使用されている紫外線ランプでよい。
【0077】紫外線ランプの具体例としては、例えば、
低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、
キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられ
る。光エネルギー照射の雰囲気下は、空気中でもよい
し、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよいが、実用
性、経済性の面からは空気中が好ましい。
【0078】次に本発明の光ディスクについて、以下詳
細に説明する。本発明の光ディスクは、前記光ディスク
用保護コーティング材組成物の硬化物層を有するもので
あれば、構造などは特に限定されるものではない。
【0079】また、この硬化物層の目的も、光ディスク
の記録層の保護層として使用することもできるし、光デ
ィスクを保護することを目的に、最外層として使用する
ことも可能であり、さらには、多層記録型光ディスクの
接着剤兼保護層として使用することも可能である。さら
に、本発明の光ディスクは、耐候性や表面硬度を向上さ
せる目的で、この硬化物層の上にさらにハードコート層
等を適宜積層してもよい。
【0080】本発明の光ディスクにおいて、硬化物層上
にハードコート層を積層する場合に、該ハードコート層
を形成する組成物は特に限定されるものではなく、アク
リル系ハードコート材、シリカ微粒子含有ハードコート
材等、公知の各種ハードコート用組成物を使用すればよ
い。
【0081】本発明の光ディスクにおいて、基板は、透
明でも非透明であってもよく、その材質としては、ガラ
ス、セラミックス、金属、プラスチック等、公知のもの
を使用することができる。中でも、低コスト、軽量、光
ディスクのランドおよびグルーブを成型する容易性の観
点から、プラスチックが好ましく、特にポリカーボネー
ト、ポリメチルメタクリレート、アモルファスポリオレ
フィン樹脂の成型品が好ましい。
【0082】本発明の光ディスクにおいて、記録層とし
ては、特に限定されず、従来公知の記録用材料を使用す
ればよい。
【0083】例えば、読み取り専用光ディスクの場合、
記録層の材質としては、金、銀、銀合金、アルミニウ
ム、アルミニウム合金等の光の反射率の高い金属であれ
ば使用可能であり、好ましくは低コストで耐久性の高い
アルミニウム合金である。
【0084】また、例えば書き換え可能な光ディスクの
場合、相変化記録層の材質としては、銀・In・Te・
Sb合金、Ge・Sb・Te合金、 Ge・Sn・Sb
・Te合金、Sb・Te合金等が使用可能であり、光磁
気記録層の材質としては、Tb・Fe・Co系合金等が
使用可能である。さらに、これらの各種記録層に対し
て、SiN、ZnS、SiO2等の誘電膜を積層するこ
とも可能であるが、特に限定されるものではない。
【0085】これらの記録層を形成するには、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等公知
の薄膜形成技術が使用可能である。
【0086】本発明の光ディスクは、前記光ディスク用
保護コーティング材組成物の硬化物層を有している。こ
の硬化物層の厚みは特に限定されないが、記録層の保護
を目的に使用する場合には、5〜200μmの範囲が好
ましく、より好ましくは40〜160μmの範囲であ
る。
【0087】この硬化物層の厚みが5μmより薄いと、
記録層の酸化による劣化や、水分による劣化を抑制しに
くくなる傾向にあり、200μmを超えると、得られる
光ディスクの反り角が大きくなる傾向にある。
【0088】本発明の光ディスクの硬化物層を形成する
には、前記組成物を、所望する特性が得られる膜厚とな
るように、均一な塗膜を形成し、これを硬化させればよ
い。
【0089】この硬化物層のガラス転移温度(以下、T
gという)は、50℃以上であることが好ましく、より
好ましくは60℃以上である。Tgが50℃より低い保
護層を有する光ディスクは、炎天下の車内等の高温条件
下で使用すると、反り角大きくなる傾向にある。
【0090】また、該硬化物層の硬度は、特に限定され
るものではないが、該硬化物層の上にハードコート層を
形成しない場合には、JIS K−5400準拠の方法
で得られる鉛筆硬度が3B以上であることが好ましく、
2B以上がより好ましい。
【0091】この鉛筆硬度が3B未満の場合には、硬化
物層表面に傷がつきやすく、光ディスクの書き込みまた
は読み込みエラーの原因となる傾向にある。
【0092】特に、高密度型光ディスクを得る場合に
は、本発明の光ディスクの硬化物層に、分子内に(メ
タ)アクリロイル基を3個以上有する化合物類20〜6
0質量%、その他のエチレン性不飽和化合物類40〜8
0質量%からなるハードコート用組成物を塗布、硬化
し、膜厚1〜7μmの範囲のハードコート層を設けるこ
とが好ましい。
【0093】本発明の光ディスクにおいて、硬化物層を
記録層の保護層として適用する場合には、記録層に情報
を書き込んだり読み込んだりする際にレーザー光が透過
する。
【0094】ここで、レーザー光として、波長400n
m前後の青紫色レーザー光を利用する場合には、保護層
を通した波長400nmの光線透過率が70%以上であ
ることが好ましく、より好ましくは75%以上である。
【0095】波長400nmの光線透過率が70%未満
の場合、光ディスクの読み取りおよびまたは書き込みエ
ラーが発生する確率が上昇する傾向にある。
【0096】
【実施例】以下、本発明について実施例を用いて詳細に
説明する。なお、実施例中の反り角とは、光ディスク最
外周における保護層側への半径方向の最大反り角を意味
する。
【0097】<合成例1>[ウレタンアクリレート(UA
1:A成分)の製造] (1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備え
た内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジ
イソシアネート(住友バイエルウレタン社製デスモジュ
ールI:加水分解塩素量60ppm)1112g(10
モル当量)、およびジブチル錫ジラウレート0.5gを
仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加
熱した。
【0098】(2)N−メチル−N−(2−ヒドロキシ
エチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド193g
(2.4モル当量)とポリブチレングリコール(n=1
2;平均分子量:850)1105g(2.6モル当
量)を均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロート
に仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラ
スコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜7
5℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度
で2時間撹拌して反応させた。
【0099】(3)次いで、フラスコ内容物の温度を6
0℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2-ヒドロ
キシエチルアクリレート581g(5モル当量)とハイ
ドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶
解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら
2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温
度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタン
アクリレート(UA1)を製造した。反応の終点は残存
イソシアネート当量の測定により判断し、反応率99%
以上であることを確認して、ウレタンアクリレートUA
1を得た。
【0100】<合成例2>[ウレタンアクリレート(UA
2:A成分)の製造] (1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備え
た内容積5リットルの三つ口フラスコに、ビス(4−イ
ソシアナトシクロヘキシル)メタン(住友バイエルウレ
タン社製デスモジュールW:加水分解塩素量4ppm)
1324g(10モル当量)、およびジブチル錫ジラウ
レート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70
℃になるように加熱した。
【0101】(2)N−メチル−N−(2−ヒドロキシ
エチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド274g
(3.4モル当量)とポリブチレングリコール(n=1
2;平均分子量:850)680g(1.6モル当量)
を均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロートに仕
込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ
中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃
に保ちながら4時間等速滴下により滴下し、同温度で2
時間撹拌して反応させた。
【0102】(3)次いで、フラスコ内容物の温度を6
0℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2-ヒドロ
キシエチルアクリレート581g(5モル当量)とハイ
ドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶
解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら
2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温
度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタン
アクリレート(UA2)を製造した。反応の終点は残存
イソシアネート当量の測定により判断し、反応率99%
以上であることを確認して、ウレタンアクリレートUA
2を得た。
【0103】<合成例3>[ウレタンアクリレート(UA
3:A成分)の製造] (1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備え
た内容積5リットルの三つ口フラスコに、ビス(4−イ
ソシアナトシクロヘキシル)メタン1324g(10モ
ル当量)、およびジブチル錫ジラウレート0.5gを仕
込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱
した。
【0104】(2)N−メチル−N−(2−ヒドロキシ
エチル)−4−ヒドロキシブチルアミド70g(0.8
モル当量)とポリカプロラクトンジオール(ダイセル化
学工業(株)製プラクセル205;平均分子量:53
0)848g(3.2モル当量)を均一に混合溶解させ
た液を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート
内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつ
つ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等
速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させ
た。
【0105】(3)次いで、フラスコ内容物の温度を6
0℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2-ヒドロ
キシエチルアクリレート696g(6モル当量)とハイ
ドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶
解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら
2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温
度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタン
アクリレート(UA3)を製造した。反応の終点は残存
イソシアネート当量の測定により判断し、反応率99%
以上であることを確認して、ウレタンアクリレートUA
3を得た。
【0106】<合成例4>[ウレタンアクリレート(UA
4:A成分)の製造] (1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備え
た内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジ
イソシアネート1112g(10モル当量)、およびジ
ブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバ
スで内温が70℃になるように加熱した。
【0107】(2)N−メチル−N−(2−ヒドロキシ
エチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド161g(2
モル当量)とポリカーボネートジオール(旭化成(株)製
CX−4710;平均分子量:1002)1303g
(2.6モル当量)を均一に混合溶解させた液を側管付
きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上
記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ
内温を65〜75℃に保ちながら4時間等速滴下により
滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させた。
【0108】(3)次いで、フラスコ内容物の温度を6
0℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2-ヒドロ
キシエチルアクリレート626g(5.4モル当量)と
ハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混
合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちな
がら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物
の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレ
タンアクリレート(UA4)を製造した。反応の終点は
残存イソシアネート当量の測定により判断し、反応率9
9%以上であることを確認して、ウレタンアクリレート
UA4を得た。
【0109】<合成例5>[ウレタンアクリレート(UA
3:B成分)の製造] (1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備え
た内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジ
イソシアネート1334g(12モル当量)、およびジ
ブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバ
スで内温が70℃になるように加熱した。
【0110】(2)2-ヒドロキシエチルアクリレート
1416g(12.2モル当量)とハイドロキノンモノ
メチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液を側
管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液
を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フ
ラスコ内温を65〜75℃に保ちながら6時間等速滴下
により滴下し、同温度で8時間撹拌して反応させて、ウ
レタンアクリレート(UA5)を製造した。反応の終点
は残存イソシアネート当量の測定により判断し、反応率
99%以上であることを確認した。
【0111】<合成例6>[ウレタンアクリレート(UA
6:B成分)の製造] (1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備え
た内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソホロンジ
イソシアネート867g(7.8モル当量)、およびジ
ブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバ
スで内温が70℃になるように加熱した。
【0112】(2)ポリブチレングリコール(n=1
2;平均分子量:850)1658g(3.9モル当
量)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート
内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつ
つ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等
速滴下により滴下し、同温度で2時間撹拌して反応させ
た。
【0113】(3)次いで、フラスコ内容物の温度を6
0℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2-ヒドロ
キシエチルアクリレート453g(3.9モル当量)と
ハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混
合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちな
がら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物
の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレ
タンアクリレート(UA6)を製造した。反応の終点は
残存イソシアネート当量の測定により判断し、反応率9
9%以上であることを確認した。
【0114】<合成例7>[エポキシアクリレート(EA
1:b1成分)の製造] 攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容
積2リットルの三つ口フラスコに、油化シェルエポキシ
(株)製エピコート1001(ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、エポキシ当量479)958g、アクリル酸
144g、メタクリル酸ジメチルアミノエチル11g、
テトラヒドロフルフリルアクリレート278.6g、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル1.1g、2,6−ジ
−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.5g
仕込み、95℃で24時間反応させた。反応の終点は酸
価測定により行い、酸価1mgKOH/gであることを
確認し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(E
A1)80質量%およびテトラヒドロフルフリルアクリ
レート20質量%の混合物を得た。得られた混合物をG
PC測定したところ、EA1の重量平均分子量は236
0であった。
【0115】<合成例8>[エポキシアクリレート(EA
2:b1成分)の製造] 攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容
積2リットルの三つ口フラスコに、油化シェルエポキシ
(株)製エピコート1003(ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、エポキシ当量743)891.6g、アクリ
ル酸86.4g、メタクリル酸ジメチルアミノエチル
9.8g、テトラヒドロフルフリルアクリレート24
7.2g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1g、
2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノー
ル0.5g仕込み、95℃で24時間反応させた。反応
の終点は酸価測定により行い、酸価1mgKOH/gで
あることを確認し、ビスフェノールA型エポキシアクリ
レート(EA2)80質量%およびテトラヒドロフルフ
リルアクリレート20質量%の混合物を得た。得られた
混合物をGPC測定したところ、EA2の重量平均分子
量は3910であった。
【0116】<合成例9>[エポキシアクリレート(EA
3:b1成分)の製造] 攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容
積5リットルの三つ口フラスコに、油化シェルエポキシ
(株)製エピコート828(ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、エポキシ当量189)756g、アクリル酸2
88g、メタクリル酸ジメチルアミノエチル10.4
g、テトラヒドロフルフリルアクリレート263.9
g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1g、2,6-ジー
ターシャリーブチル-4-メチルフェノール0.5g仕込
み、95℃で24時間反応させた。反応の終点は酸価測
定により行い、酸価1mgKOH/gであることを確認
し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(EA
3)80質量%およびテトラヒドロフルフリルアクリレ
ート20質量%の混合物を得た。得られた混合物をGP
C測定したところ、EA3の重量平均分子量は700で
あった。
【0117】このようにして合成例1〜9で得られた化
合物を使用して、以下実施例を行った。なお、実施例中
の反り角とは、光ディスク最外周における保護層側への
半径方向の最大反り角を意味する。
【0118】[実施例1] (1)保護コーティング材組成物の調製 (A)成分として合成例1で得られたUA1を50質量
部、(b1)成分として合成例8で得られたビスフェノ
ールA型エポキシアクリレートEA2とテトラヒドロフ
ルフリルアクリレートの混合物を18.75質量部(そ
の内、EA2は15質量部、テトラヒドロフルフリルア
クリレートは3.75質量部)、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート16.25質量部、イソボルニルアクリ
レート15質量部、(C)成分として1−ヒドロキシ−
シクロヘキシルフェニルケトン3質量部を混合溶解し、
保護コーティング材組成物を得た。得られた組成物は、
無色透明で常温(25℃)で約7000mPa・sの粘
稠な液状を呈していた。
【0119】(2)評価用光ディスクの作製および評価 帝人化成(株)製パンライトAD9000TG(ポリカ
ーボネート樹脂)を射出成型して得た光ディスク形状を
有する透明円盤状基板(直径12cm、板厚1.1m
m、反り角0度)に、前記保護コーティング材組成物を
スピンコーターを用いて、平均膜厚100μmとなるよ
うに塗工した。この塗膜を、ランプ高さ10cmの高圧
水銀灯(120w/cm)により、積算光量1000m
j/cm2のエネルギー量で硬化させて、保護層を有す
る透明円盤を得た。
【0120】得られた透明円盤について、ジャパンイー
エム(株)製DLD−3000光ディスク光学機械特性
測定装置を用いて、20℃、50%RH環境下にて、反
り角を測定したところ、反り角は0.1度であり、良好
な機械特性を示した。該円盤を80℃、85%RHの環
境条件下に100時間放置した後、取り出して20℃、
50%RHの環境条件下に100時間放置して、再び反
り角を測定したところ、反り角は0.2度であり、良好
な機械特性を示した。なお、反り角の範囲は0〜0.3
度を許容範囲とした。更に、JIS K−5400に準
拠し、保護層の鉛筆硬度を測定したところ、2Bであ
り、ポリカーボネート基板(4B)より硬く、良好であ
った。なお鉛筆硬度の範囲は3B以上を許容範囲とし
た。
【0121】次に、帝人化成(株)製パンライトAD9
000TGを射出成型して得た、直径12cm、板厚
1.1mmの透明円盤に、バルザース(株)製スパッタ
リング装置CDI−900により、アルミニウム合金を
膜厚50nmでスパッタリングし、信号記録面にアルミ
合金反射膜を有する光ディスクを得た。得られた光ディ
スクのアルミ合金反射膜上に、前記保護コーティング材
組成物をスピンコーターを用いて、平均膜厚100μm
となるように塗装し、ランプ高さ10cmの高圧水銀灯
(120w/cm)により、積算光量1000mj/c
2のエネルギー量で硬化させて、保護層を有する光デ
ィスクを得た。
【0122】該光ディスクを80℃、85%RHの環境
条件下に100時間放置した後、取り出して、微分干渉
顕微鏡にて800倍の倍率でアルミ合金面を観察したと
ころ、白化やピンホール等の腐食は発生しておらず、良
好な記録膜保護性能を示した。
【0123】また、同様にして得られた光ディスクのア
ルミ合金面から、保護層を剥離し、得られた透明膜につ
いて、日立製作所(株)製分光光度計U−3400を用
いて、空気をリファレンスとし、波長400nmでの光
線透過率を測定したところ85%であり、良好な光透過
率であった。なお、400nm光線透過率は70%以上
を許容範囲とした。
【0124】[実施例2〜5、比較例1〜4]表1の実
施例2〜5および比較例1〜4の欄に示す保護層用硬化
性組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして光ディ
スクを得て、その評価を行った。この評価結果は、それ
ぞれ表1に示した。
【0125】
【表1】
【0126】表1中の略号は、以下の通りである。 注1:反り角が測定装置の測定可能範囲(±1度)を大
きく越え、測定不可能 THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート IBXA:イソボルニルアクリレート TCDA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレー
ト NPGDA:ネオペンチルグリコールジアクリレート TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート HCPK:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケ
トン BNP:ベンゾフェノン EPA:p−ジメチルアミノ安息香酸エチル
【0127】
【発明の効果】以上示した通り、本発明は、優れた塗工
作業性を有し、かつ優れた透明性、記録膜保護性能、お
よび機械特性を有する保護層を形成することを可能とし
たものである。これにより、薄型でかつ反りのない高密
度型光ディスクを得ることを可能としたものであり、青
色レーザーを用いて読み取りおよび/または書き込みを
行う光ディスクとして極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 葉山 康司 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 塗師 誠司 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4F006 AA36 AB24 AB34 AB37 AB43 BA02 CA02 DA04 EA03 4J038 DB061 DB211 DG121 DG131 DG211 DG261 FA03 FA11 GA09 KA03 NA01 NA11 PB08 PB09 5D029 LA03 LA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に少なくとも2個のラジカル重合
    性(メタ)アクリロイルオキシ基、少なくとも1個のア
    ミド基、および少なくとも2個のウレタン基を有するウ
    レタン(メタ)アクリレート化合物(A)、(A)成分
    以外のエチレン性不飽和化合物(B)、および光重合開
    始剤(C)を含む光ディスク用保護コーティング材組成
    物。
  2. 【請求項2】 エチレン性不飽和化合物(B)が、ビス
    フェノール型エポキシ(メタ)アクリレート化合物(b
    1)を含む請求項1記載の光ディスク用保護コーティン
    グ材組成物。
  3. 【請求項3】 ウレタン(メタ)アクリレート化合物
    (A)が、下記(a1)〜(a4)成分を反応させて得ら
    れる、請求項1記載の光ディスク用保護コーティング材
    組成物。 (a1)分子内に1個以上のアミド基、および少なくと
    も2個のNCO反応性ヒドロキシ基を有するアミドヒド
    ロキシ化合物 (a2)ポリエーテルジオール、ポリエステルジオー
    ル、およびポリカーボネートジオールから選ばれる少な
    くとも1種のジオール化合物 (a3)有機ジイソシアネート化合物 (a4)分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキ
    シ基、および1個のNCO反応性ヒドロキシ基を有する
    ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル
  4. 【請求項4】 請求項1記載の組成物の硬化物層を有す
    る光ディスク。
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