以下より、本発明にかかる実施形態の一例について図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1の磁気共鳴イメージング装置の構成を示す構成図である。
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置は、静磁場マグネット部12と、勾配コイル部13と、RFコイル部14と、RF駆動部22と、勾配駆動部23と、データ収集部24と、制御部25と、クレードル26と、データ処理部31と、操作部32と、表示部33とを有する。
以下より、各構成要素について、順次、説明する。
静磁場マグネット部12は、たとえば、一対の永久磁石により構成されており、被検体40が収容される撮像空間11に静磁場を形成する。ここでは、静磁場マグネット部12は、被検体40の体軸方向に対して垂直な方向Zに静磁場の方向が沿うように静磁場を形成する。なお、静磁場マグネット部12は、超伝導磁石により構成されていてもよい。
勾配コイル部13は、静磁場が形成された撮像空間11に勾配磁場を形成し、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号に位置情報を付加する。ここでは、勾配コイル部13は、3系統からなり、撮像条件に応じて、周波数エンコード方向と位相エンコード方向とスライス選択方向とのそれぞれに勾配磁場を形成する。具体的には、勾配コイル部13は、被検体40のスライス選択方向に勾配磁場を印加し、RFコイル部14がRFパルスを送信することによって励起させる被検体40のスライスを選択する。また、勾配コイル13は、被検体40の位相エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を位相エンコードする。そして、勾配コイル部13は、被検体40の周波数エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を周波数エンコードする。
RFコイル部14は、図1に示すように、被検体40の撮像領域を囲むように配置される。RFコイル部14は、静磁場マグネット部12によって静磁場が形成される撮像空間11内において、電磁波であるRFパルスを被検体40に送信して高周波磁場を形成し、被検体40の撮像領域におけるプロトンのスピンを励起する。そして、RFコイル部14は、その励起された被検体40内のプロトンから発生する電磁波を磁気共鳴信号として受信する。
RF駆動部22は、RFコイル部14を駆動させて撮像空間11内にRFパルスを送信させて高周波磁場を形成する。RF駆動部22は、ゲート変調器(図示なし)とRF電力増幅器(図示なし)とRF発振器(図示なし)とを有する。RF駆動部22は、制御部25からの制御信号に基づいて、RF発振器からの信号を、ゲート変調器を用いて所定のタイミングおよび所定の包絡線の信号に変調する。そして、ゲート変調器により変調された信号を、RF電力増幅器により増幅した後、RFコイル部14に出力し、RFパルスを送信させる。
勾配駆動部23は、制御部25からの制御信号に基づいて、勾配パルスを勾配コイル部13に印加して駆動させ、静磁場が形成されている撮像空間11内に勾配磁場を発生させる。勾配駆動部23は、3系統の勾配コイル部13に対応して3系統の駆動回路(図示なし)を有する。
データ収集部24は、制御部25からの制御信号に基づいて、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号を収集し、データ処理部31に出力する。データ収集部24は、位相エンコードと周波数エンコードとが施された磁気共鳴信号をk空間に対応するように収集する。ここでは、データ収集部24は、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号をRF駆動部22のRF発振器の出力を参照信号として位相検波器が位相検波した後に、そのアナログ信号の磁気共鳴信号をA/D変換器がデジタル信号に変換する。そして、その収集した磁気共鳴信号をメモリに記憶後、データ処理部31に出力する。
制御部25は、コンピュータと、コンピュータを用いて所定のパルスシーケンスを各部に実行させるプログラムとを有する。そして、制御部25は、操作部32からデータ処理部31を介して入力される操作信号に基づいて、RF駆動部22と勾配駆動部23とデータ収集部24とのそれぞれに、所定のパルスシーケンスを実行させる制御信号を出力し制御を行う。
クレードル26は、被検体40を載置する台を有する。クレードル部26は、制御部25からの制御信号に基づいて、撮像空間11の内部と外部との間を移動する。
データ処理部31は、コンピュータと、そのコンピュータを用いて所定のデータ処理を実行するプログラムとを有する。データ処理部31は、操作部32に接続されており、操作部32からの操作信号が入力される。そして、データ処理部31は、制御部25に接続されており、オペレータによって操作部32に入力される操作信号を制御部25に出力する。また、データ処理部31は、データ収集部24に接続されており、データ収集部24が収集された磁気共鳴信号を取得し、その取得した磁気共鳴信号に対して画像処理を行って、被検体40のスライスについての画像を生成する。たとえば、データ処理部31は、デジタル信号に変換された磁気共鳴信号に対してフーリエ変換処理を実施して、被検体40の画像を生成する。そして、データ処理部31は、その生成した画像を表示部33に出力する。
操作部32は、キーボードやマウスなどの操作デバイスにより構成されている。操作部32は、オペレータによって操作され、その操作に応じた操作信号をデータ処理部31に出力する。ここでは、撮像目的に応じた複数のパルスシーケンスをオペレータが選択して入力可能なように操作部32が構成されている。
表示部33は、CRTなどの表示デバイスにより構成されている。表示部33は、被検体40からの磁気共鳴信号に基づいて生成される被検体40のスライスについての画像を表示する。
なお、上記の実施形態の磁気共鳴イメージング装置において、勾配コイル部13は、本発明の勾配磁場印加部に相当する。また、本実施形態のRFコイル部14は、本発明の送信部に相当する。また、本実施形態のデータ収集部24は、本発明のデータ収集部に相当する。また、本実施形態のデータ処理部31は、本発明の画像生成部に相当する。また、本実施形態の表示部33は、本発明の表示部に相当する。
以下より、上記の本実施形態の磁気共鳴イメージング装置を用いて、被検体40のスライスを撮像する磁気共鳴イメージング方法について説明する。
はじめに、クレードル26に被検体40を載置した後、被検体40の撮像領域に対応するようにRFコイル部14を設置する。ここでは、被検体40の肝臓部分を撮像するように、RFコイル部14を設置する。そして、オペレータにより操作部32に入力される撮像条件に基づいて、操作部32が操作信号を制御部25にデータ処理部31を介して出力する。
つぎに、操作部32に入力された撮像条件に基づいて、被検体40が載置されているクレードル26を、静磁場が形成されている撮像空間11内に移動するように、制御部25が制御する。
つぎに、その操作信号に基づいて、制御部25がRF駆動部22と勾配駆動部23とデータ収集部24とのそれぞれに制御信号を出力し、被検体40にRFパルスと勾配磁場とをTRごとに印加して、その被検体40から発生する磁気共鳴信号を収集する。
図2は、1TRにおいて制御部25が各部を制御する手順を示すパルスシーケンス図である。図2においては、RFパルスRFと、スライス選択方向の勾配磁場Gsと、位相エンコード方向の勾配磁場Gpと、周波数エンコード方向の勾配磁場Grと、磁気共鳴信号MRとを示している。なお、ここでは、縦軸が強度を示し、横軸が時間を示している。
図2に示すように、スピンエコー法により被検体40の画像を撮像するように、制御部25が各部を制御する。つまり、制御部25は、選択される被検体40のスライスについてのスピンを90°のフリップアングルになるように励起する90°RFパルスをRFコイル部14が被検体40に送信した後に、その90°RFパルスにより励起され位相分散されたスピンを再収束させるRFパルスである180°再収束パルスを、RFコイル部14が被検体40に送信するように制御する。
ここでは、オペレータによって操作部32に入力された撮像方法と第1エコー時間TE1などの撮像条件に基づいて、制御部25が、90°RFパルスと180°再収束パルスとを被検体40に送信する時点を算出して、それぞれに対応するように制御する。
具体的には、制御部25は、第1エコー時間TE1が90°RFパルスの送信時点と180°再収束パルスの送信時点との時間間隔τの2倍になるように、90°RFパルスの送信時点と180°再収束パルスの送信時点とを算出して制御する。
そして、図2に示すように、第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1をデータ収集部24が磁気共鳴信号MRとして収集するように制御部25が制御する。また、第1エコー時間TEよりも短い第2エコー時間TE2において得られる第2磁気共鳴信号MR2を、データ収集部24が磁気共鳴信号MRとして収集するように制御する。また、さらに、第1エコー時間TE1と第2エコー時間TE2との差分値tに対応するように第1エコー時間TE1よりも長い第3エコー信号TE3において得られる第3磁気共鳴信号MR3を、データ収集部24が磁気共鳴信号MRとして収集するように制御する。
ここでは、オペレータによって操作部32に入力された撮像方法と第1エコー時間TE1との撮像条件に基づいて、制御部25が第2エコー時間TE2と第3エコー時間TE3とを算出して、それぞれに対応するように制御する。
本実施形態においては、被検体40の水からの磁気共鳴信号と、その被検体40の脂肪からの磁気共鳴信号とが逆位相になる時間Toutの分、第1エコー時間TE1よりも短い第2エコー時間TE2にて、データ収集部24が第2磁気共鳴信号MR2を収集するように、制御部25が第2エコー時間TE2を設定する。つまり、被検体40の水と脂肪とのように、共鳴周波数が互いに異なる第1組織と第2組織とのそれぞれからの磁気共鳴信号が逆位相になる時間Toutと、第1エコー時間TE1と第2エコー時間TE2との差分値tとが同じになるように、第2エコー時間TE2を設定する。水と脂肪との磁気共鳴信号のそれぞれが逆位相になる時間Tout(mSec)は、静磁場強度B0(T)と回転磁気比γ(MHz/T)と正の整数N(N=1,2,3・・・)とによって、Tout={(2N−1)/2}×1000/(3.5・γ・B0)のように規定される。このため、この関係式に基づいて、制御部25は、たとえば、静磁場強度が1.5Tの場合においては、第1エコー時間TE1よりも2.3ミリ秒分、短い時間になるように、第2エコー時間TE2を設定する。そして、制御部25は、第1エコー時間TE1よりも長い第3エコー時間TE3において得られる第3磁気共鳴信号MR3をデータ収集部24が磁気共鳴信号MRとして収集するように、第3エコー時間TE3を設定する。ここでは、第1エコー時間TE1と第2エコー時間TE2との差分値tに対応するように、被検体40の水と脂肪とのそれぞれの磁気共鳴信号が逆位相になる時間Toutの分、第1エコー時間TE1よりも長く、第3エコー時間TE3を設定する。たとえば、静磁場強度が1.5Tの場合においては、第1エコー時間TE1よりも2.3ミリ秒分、長い時間になるように、第3エコー時間TE3を設定する。
そして、制御部25は、上記のようにして設定された撮像条件に基づいて、被検体40にRFパルスと勾配磁場とをTRごとに印加するように制御し、その被検体40から発生する磁気共鳴信号をデータ収集部24に収集させる。ここでは、前述したように、データ収集部24は、第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1と、第2エコー時間TE2において得られる第2磁気共鳴信号MR2と、第3エコー時間TE3において得られる第3磁気共鳴信号MR3とのそれぞれを磁気共鳴信号MRとして収集する。
つぎに、データ収集部24により収集された磁気共鳴信号MRに基づいて、データ処理部31が被検体40のスライスについての画像を生成する。データ処理部31は、データ収集部24によりデジタル信号に変換された磁気共鳴信号MRに対してフーリエ変換処理を実施して、被検体40の画像を生成する。
ここでは、データ処理部31は、第1磁気共鳴信号MR1,第2磁気共鳴信号MR2,第3磁気共鳴信号MR3のそれぞれに基づいて、第1画像I1,第2画像I2,第3画像I3のそれぞれを強度画像として生成する。つまり、データ処理部31は、第1磁気共鳴信号MR1に基づいて第1画像I1を生成し、第2磁気共鳴信号MR2に基づいて第2画像I2を生成し、第3磁気共鳴信号MR3に基づいて第3画像I3を生成する。その後、データ処理部31は、第2画像I2と第3画像I3とを平均化して第4画像I4を生成する。つまり、第2画像I2の画素と、その第2画像I2の画素に対応する第3画像I3の画素との平均値で各画素が構成されるように、第2画像I2と第3画像I3との画像間で画素値を平均化して第4画像I4を生成する。
つぎに、データ処理部31により生成した第1画像I1と第4画像I4とを表示部33が表示する。
図3は、表示部33により表示される第1画像I1と第4画像I4とを示す図である。図3においては、被検体40の中の肝臓Aと脂肪Bとその他の臓器Cとを表示する第1画像I1と第4画像I4とを示している。
図3に示すように、第1画像I1は、水と脂肪とが同位相の場合の画像に相当するため、脂肪Bの部分が高い輝度になるように表示される。一方、第4画像I4は、水と脂肪とが逆位相の場合の画像に相当する第2画像I2と第3画像I3とを平均化して生成されているため、脂肪Bの部分が低い輝度になるように表示される。そして、このように生成される第1画像I1と第4画像I4とを表示部33が並べて表示する。
以上のように、本実施形態は、第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1と、第1エコー時間TE1よりも短い第2エコー時間TE2において得られる第2磁気共鳴信号MR2と、第1エコー時間TE1と第2エコー時間TE2との差分値に対応するように第1エコー時間TE1よりも長い第3エコー時間TE3において得られる第3磁気共鳴信号MR3とのそれぞれを、磁気共鳴信号MRとして、データ収集部24がスピンエコー法により収集する。ここでは、90°RFパルスの送信時点と180°再収束パルスの送信時点との時間間隔τの2倍になる第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1をデータ収集部24が収集する。そして、被検体40の水と脂肪との信号が逆位相になる時間Toutに対応して第1エコー時間TE1よりも短い第2エコー時間TE2で、データ収集部24が第2磁気共鳴信号MR2を収集する。そして、被検体40の水と脂肪との信号が逆位相になる時間Toutに対応して第1エコー時間TE1よりも長い第3エコー時間TE3で、データ収集部24が第3磁気共鳴信号MR3を収集する。そして、データ処理部31が、第1磁気共鳴信号MR1に基づいて第1画像I1を生成し、第2磁気共鳴信号MR2に基づいて第2画像I2を生成し、第3磁気共鳴信号MR3に基づいて第3画像I3を生成すると共に、第2画像I2と第3画像I3とを平均化して第4画像I4を生成する。そして、表示部33は、水と脂肪とが同位相の場合の画像として第1画像I1を表示すると共に、水と脂肪とが逆位相の場合の画像として第4画像I4を表示する。このため、本実施形態は、被検体40の中の水と脂肪とが同位相になる場合の画像と逆位相になる場合の画像との両者が十分なコントラストで得られる。特に、本実施形態においては、第2画像I2と第3画像I3とにおいては、第1画像I1に対して同等なT2*減衰が加味されているため、この第2画像I2と第3画像I3とを平均化し生成されている第4画像I4は、第1画像I1と同様に、T2減衰の影響が少なくなっている。したがって、本実施形態は、より十分なコントラストの画像を得ることができ、画像品質を向上させることができる。
<実施形態2>
以下より、本発明にかかる実施形態2の磁気共鳴イメージング装置について説明する。
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置においては、第2エコー時間TE2と第3エコー時間TE3とが実施形態1と異なるように動作する。また、本実施形態においては、SPIO(Super Paramagnetic Iron Oxide)が投与された被検体40の肝臓部分を撮像する。本実施形態は、この点を除き、実施形態1と同様である。このため、重複する箇所については説明を省略する。
本実施形態においては、実施形態1と異なり、制御部25は、被検体40の水と脂肪とのそれぞれからの磁気共鳴信号が同位相になる時間Tinの分だけ、第1エコー時間TE1よりも短くなるように第2エコー時間TE2を設定する。つまり、第1エコー時間TE1と第2エコー時間TE2との差分値tが、被検体40の水と脂肪とのそれぞれの磁気共鳴信号が同位相になる時間Tinと同じになるように設定する。水と脂肪との磁気共鳴信号のそれぞれが同位相になる時間Tinは、静磁場強度B0と回転磁気比γと正の整数N(N=1,2,3・・・)とによって、Tin=N/(3.5・γ・B0)のように規定される。このため、本実施形態の制御部25は、前記の関係式に基づいて、たとえば、静磁場強度が1.5Tの場合においては、第1エコー時間TE1よりも4.6ミリ秒分、短い時間になるように、第2エコー時間TE2を設定する。
そして、第1エコー時間TE1と第2エコー時間TE2との差分値tに対応するように、被検体40の水と脂肪とのそれぞれの磁気共鳴信号が同位相になる時間Tinの分だけ、第1エコー時間TE1よりも長くなるように第3エコー時間TE3を設定する。たとえば、静磁場強度が1.5Tの場合においては、第1エコー時間TE1よりも4.5ミリ秒分、長い時間になるように、第3エコー時間TE3を設定する。
そして、制御部25は、上記のようにして設定された撮像条件に基づいて、被検体40にRFパルスと勾配磁場とをTRごとに印加するように制御し、その被検体40から発生する磁気共鳴信号MRをデータ収集部24に収集させる。ここでは、実施形態1と同様に、データ収集部24は、第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1と、第2エコー時間TE2において得られる第2磁気共鳴信号MR2と、第3エコー時間TE3において得られる第3磁気共鳴信号MR3とのそれぞれを磁気共鳴信号MRとして収集する。
つぎに、データ収集部24により収集された磁気共鳴信号MRに基づいて、データ処理部31が被検体40のスライスについての画像を生成する。
ここでは、実施形態1と同様に、データ処理部31は、第1磁気共鳴信号MR1に基づいて第1画像I1を生成し、第2磁気共鳴信号MR2に基づいて第2画像I2を生成し、第3磁気共鳴信号MR3に基づいて第3画像I3を生成する。その後、データ処理部31は、第2画像I2と第3画像I3とを、画素ごとに平均化して第4画像I4を生成する。
つぎに、データ処理部31により生成した第1画像I1と第4画像I4とを表示部33が表示する。
図4は、表示部33により表示される第1画像I1と第4画像I4とを示す図である。図4においては、被検体40の肝臓Aと脂肪Bとその他の臓器Cと腫瘍Dとを表示する第1画像I1と第4画像I4とを示している。
図4に示すように、第1画像I1は、実施形態1と同様に、水と脂肪とが同位相の場合の画像に相当するため、脂肪Bの部分が高い輝度になるように表示される。一方、第4画像I4は、水と脂肪とが同位相の場合の画像に相当する第2画像I2と第3画像I3とを平均化して生成されているため、T2*強調画像として表示される。つまり、本実施形態においては、腫瘍D以外の肝臓Aの部分は、SPIOが沈着しているために、T2*減衰の影響で低い輝度になるように表示される。そして、腫瘍Dは、SPIOが沈着しないために減衰せず、肝臓Aよりも高い輝度になるように表示される。
以上のように、本実施形態は、被検体40の水と脂肪との信号が同位相になる時間Tinに対応して第1エコー時間TE1よりも短い第2エコー時間TE2で、データ収集部24が第2磁気共鳴信号MR2を収集する。そして、被検体40の水と脂肪との信号が同位相になる時間Tinに対応して第1エコー時間TE1よりも長い第3エコー時間TE3で、データ収集部24が第3磁気共鳴信号MR3を収集する。そして、実施形態1と同様に、データ処理部31が第1画像I1と第4画像I4とを生成し、表示部33がその第1画像I1と第4画像I4とを表示する。このため、本実施形態は、T2減衰の影響を受けないように、T2*減衰についての強調画像を生成し、十分なコントラストが得られるため、画像品質を向上させることができる。
<実施形態3>
以下より、本発明にかかる実施形態3の磁気共鳴イメージング装置について説明する。
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置においては、データ処理部31が、実施形態2と異なる動作をする。本実施形態は、この点を除き、実施形態2と同様である。このため、重複する箇所については説明を省略する。
本実施形態においては、実施形態2と同様に、第1磁気共鳴信号MR1と第2磁気共鳴信号MR2と第3磁気共鳴信号MR3とをデータ収集24が収集後、データ処理部31が第1画像I1と第4画像I4とを生成する。
そして、本実施形態においては、実施形態2と異なり、データ処理部31は、第4画像I4と第1画像I1との差分を算出して第5画像I5を生成する。つまり、第4画像I4と第1画像I1との画像間で対応する画素をサブストラクション処理して、第5画像I5を生成する。
そして、データ処理部31により生成した第1画像I1と第5画像I5とを表示部33が表示する。
図5は、表示部33により表示される第1画像I1と第5画像I5とを示す図である。図5においては、被検体40の肝臓Aと脂肪Bとその他の臓器Cと腫瘍Dとを表示する第1画像I1と第5画像I5とを示している。
図5に示すように、第1画像I1は、実施形態2と同様に、水と脂肪とが同位相の場合の画像に相当するため、脂肪Bの部分が高い輝度になるように表示される。一方、第5画像は、第1画像I1と第4画像I4との差分画像であるため、T2*強調画像として表示される。つまり、腫瘍Dは、実施形態2と逆に、肝臓Aよりも低い輝度になるように表示される。
以上のように、本実施形態は、データ処理部31が第1画像I1と第4画像I4との差分画像である第5画像I5を生成した後に、表示部33が第1画像I1と第5画像I5とを表示する。このため、本実施形態は、実施形態2と同様に、T2*減衰についての強調画像を十分なコントラストで得られるため、画像品質を向上させることができる。
<実施形態4>
以下より、本発明にかかる実施形態4の磁気共鳴イメージング装置について説明する。
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置においては、制御部25が、実施形態1と異なる動作をする。本実施形態は、この点を除き、実施形態1と同様である。このため、重複する箇所については説明を省略する。
図6は、1TRにおいて制御部25が各部を制御する手順を示すパルスシーケンス図である。図6においては、RFパルスRFと、周波数エンコード方向の勾配磁場Grと、磁気共鳴信号MRとを示している。図6においては、周波数エンコード方向の勾配磁場Grが異なる2種類のパルスシーケンスを時間軸に対応するように、この部分を並べて示しており、第1パルスシーケンスに対応する周波数エンコード方向の勾配磁場Gr1と、この場合に収集される第1磁気共鳴信号MR1とを示すと共に、第2パルスシーケンスに対応する周波数エンコード方向の勾配磁場Gr2と、この場合に収集される第2磁気共鳴信号MR2とを示している。なお、スライス選択方向の勾配磁場Gsと、位相エンコード方向の勾配磁場Gpとは、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、図6に示すように、スピンエコー法に基づく第1パルスシーケンスと第2パルスシーケンスとによって、被検体40の画像を撮像するように、制御部25が各部を制御する。
まず、第1パルスシーケンスに対応するように、制御部25が各部を制御し被検体40の画像を撮像する。その後、第2パルスシーケンスに対応するように、制御部25が各部を制御し被検体40の画像を撮像する。
第1パルスシーケンスを実施する際においては、図6に示すように、第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1をデータ収集部24が磁気共鳴信号MRとして収集するように制御部25が制御する。ここでは、90°RFパルスの送信時点と180°再収束パルスの送信時点との時間間隔τの2倍になる第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1をデータ収集部24が収集するように制御する。
そして、第2パルスシーケンスを実施する際においては、第1エコー時間TEよりも長い第2エコー時間TE2において得られる第2磁気共鳴信号MR2を、データ収集部24が磁気共鳴信号MRとして収集するように制御する。ここでは、実施形態1と同様に、オペレータによって操作部32に入力された撮像方法と第1エコー時間TE1との撮像条件に基づいて、制御部25が第2エコー時間TE2を算出して制御する。本実施形態においては、被検体40の水からの磁気共鳴信号と、その被検体40の脂肪からの磁気共鳴信号とが逆位相になる時間Toutの分だけ、第1エコー時間TE1よりも長い第2エコー時間TE2にて、データ収集部24が第2磁気共鳴信号MR2を収集するように、制御部25が第2エコー時間TE2を設定する。たとえば、静磁場強度が1.5Tの場合においては、第1エコー時間TE1よりも2.3ミリ秒分、長い時間になるように、第2エコー時間TE2を設定する。
そして、上記のようにして設定された撮像条件に基づいて、制御部25が被検体40にRFパルスと勾配磁場とをTRごとに印加するように制御し、その被検体40から発生する磁気共鳴信号をデータ収集部24に収集させる。つまり、第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1と、第2エコー時間TE2において得られる第2磁気共鳴信号MR2とのそれぞれをデータ収集部24が磁気共鳴信号MRとして収集する。
つぎに、データ収集部24により収集された磁気共鳴信号MRに基づいて、データ処理部31が被検体40のスライスについての画像を生成する。ここでは、データ収集部24によりデジタル信号に変換された磁気共鳴信号MRに対してデータ処理部31がフーリエ変換処理を実施して、被検体40の画像を生成する。具体的には、第1磁気共鳴信号MR1,第2磁気共鳴信号MR2のそれぞれに基づいて、データ処理部31が、第1画像I1,第2画像I2のそれぞれを強度画像として生成する。つまり、データ処理部31は、第1磁気共鳴信号MR1に基づいて第1画像I1を生成し、第2磁気共鳴信号MR2に基づいて第2画像I2を生成する。
つぎに、データ処理部31により生成した第1画像I1と第2画像I2とを、表示部33が表示する。
図7は、表示部33により表示される第1画像I1と第2画像I2とを示す図である。図7においては、被検体40の中の肝臓Aと脂肪Bとその他の臓器Cとを表示する第1画像I1と第2画像I2とを示している。
図7に示すように、第1画像I1は、水と脂肪とが同位相の場合の画像に相当するため、脂肪Bの部分が高い輝度になるように表示される。一方、第2画像I2は、水と脂肪とが逆位相の場合の画像に相当するため、脂肪Bの部分が低い輝度になるように表示される。
以上のように、本実施形態は、第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1と、第1エコー時間TE1と異なる第2エコー時間TE2において得られる第2磁気共鳴信号MR2とのそれぞれを、磁気共鳴信号MRとして、データ収集部24がスピンエコー法により収集する。ここでは、90°RFパルスの送信時点と180°再収束パルスの送信時点との時間間隔τの2倍になる第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1をデータ収集部24が収集する。そして、被検体40の水と脂肪との信号が逆位相になる時間Toutに対応して第1エコー時間TE1よりも長い第2エコー時間TE2で、データ収集部24が第2磁気共鳴信号MR2を収集する。そして、データ処理部31が、第1磁気共鳴信号MR1に基づいて第1画像I1を生成し、第2磁気共鳴信号MR2に基づいて第2画像I2を生成する。そして、表示部33は、水と脂肪とが同位相の場合の画像として第1画像I1を表示すると共に、水と脂肪とが逆位相の場合の画像として第2画像I2を表示する。このように、本実施形態は、スピンエコー法によって位相が巻き戻された後に収集される磁気共鳴信号を用いて、T2*減衰の影響が無いように第1画像I1を撮像しているため、被検体40の中の水と脂肪とが同位相になる場合の第1画像I1と逆位相になる場合の第2画像I2との両者が十分なコントラストで得られ、画像品質を向上することができる。
<実施形態5>
以下より、本発明にかかる実施形態5の磁気共鳴イメージング装置について説明する。
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置においては、第2エコー時間TE2が、実施形態4と異なるように動作する。また、本実施形態においては、実施形態2と同様に、SPIOが投与された被検体40の肝臓部分を撮像する。本実施形態は、この点を除き、実施形態4と同様である。このため、重複する箇所については説明を省略する。
本実施形態においては、実施形態4と異なり、制御部25は、被検体40の水と脂肪とのそれぞれからの磁気共鳴信号が同位相になる時間Tinの分だけ、第1エコー時間TE1よりも長くなるように第2エコー時間TE2を設定する。つまり、第1エコー時間TE1と第2エコー時間TE2との差分値tが、被検体40の水と脂肪とのそれぞれの磁気共鳴信号が同位相になる時間Tinと同じになるように設定する。たとえば、静磁場強度が1.5Tの場合においては、第1エコー時間TE1よりも4.6ミリ秒分、長い時間になるように、第2エコー時間TE2を設定する。
そして、制御部25は、上記のようにして設定された撮像条件に基づいて、被検体40にRFパルスと勾配磁場とをTRごとに印加するように制御し、その被検体40から発生する磁気共鳴信号MRをデータ収集部24に収集させる。ここでは、実施形態4と同様に、データ収集部24は、第1エコー時間TE1において得られる第1磁気共鳴信号MR1と、第2エコー時間TE2において得られる第2磁気共鳴信号MR2とのそれぞれを磁気共鳴信号MRとして収集する。
つぎに、データ収集部24により収集された磁気共鳴信号MRに基づいて、データ処理部31が被検体40のスライスについての画像を生成する。
ここでは、実施形態4と同様に、データ処理部31は、第1磁気共鳴信号MR1に基づいて第1画像I1を生成し、第2磁気共鳴信号MR2に基づいて第2画像I2を生成する。
つぎに、データ処理部31により生成した第1画像I1と第2画像I2とを表示部33が表示する。
図8は、表示部33により表示される第1画像I1と第2画像I2とを示す図である。図8においては、被検体40の肝臓Aと脂肪Bとその他の臓器Cと腫瘍Dとを表示する第1画像I1と第2画像I2とを示している。
図8に示すように、第1画像I1は、実施形態4と同様に、水と脂肪とが同位相の場合の画像に相当するため、脂肪Bの部分が高い輝度になるように表示される。一方、第2画像I2は、T2*強調画像として表示される。つまり、本実施形態においては、実施形態2と同様に、腫瘍D以外の肝臓Aの部分は、SPIOが沈着しているために、T2*減衰の影響で低い輝度になるように表示される。そして、腫瘍DはSPIOが沈着しないために減衰せず、肝臓Aよりも高い輝度になるように表示される。
以上のように、本実施形態は、被検体40の水と脂肪との信号が同位相になる時間Tinに対応して第1エコー時間TE1より長い第2エコー時間TE2で、データ収集部24が第2磁気共鳴信号MR2を収集する。そして、実施形態4と同様に、データ処理部31が第1画像I1と第2画像I2とを生成し、表示部33がその第1画像I1と第2画像I2とを表示する。このため、本実施形態は、T2*減衰についての強調画像を十分なコントラストで得られるため、画像品質を向上させることができる。
<実施形態6>
以下より、本発明にかかる実施形態6の磁気共鳴イメージング装置について説明する。
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置においては、データ処理部31が、実施形態5と異なる動作をする。本実施形態は、この点を除き、実施形態5と同様である。このため、重複する箇所については説明を省略する。
本実施形態においては、実施形態5と同様に、第1磁気共鳴信号MR1と第2磁気共鳴信号MR2とをデータ収集24が収集後、データ処理部31が第1画像I1と第2画像I2とを生成する。
そして、本実施形態においては、実施形態5と異なり、データ処理部31は、第2画像I2と第1画像I1との差分を算出して第3画像I3を生成する。
そして、データ処理部31により生成した第1画像I1と第3画像I3とを表示部33が表示する。
図9は、表示部33により表示される第1画像I1と第3画像I3とを示す図である。図5においては、被検体40の肝臓Aと脂肪Bとその他の臓器Cと腫瘍Dとを表示する第1画像I1と第3画像I3とを示している。
図9に示すように、第1画像I1は、実施形態5と同様に、水と脂肪とが同位相の場合の画像に相当するため、脂肪Bの部分が高い輝度になるように表示される。一方、第3画像I3は、第1画像I1と第2画像I2との差分画像であるため、T2*強調画像として表示される。つまり、腫瘍Dは、実施形態5と逆に、肝臓Aよりも低い輝度になるように表示される。
以上のように、本実施形態は、データ処理部31が第1画像I1と第2画像I2との差分画像である第3画像I3を生成した後に、表示部33が第1画像I1と第3画像I3とを表示する。このため、本実施形態は、実施形態5と同様に、T2*減衰についての強調画像を十分なコントラストで得られるため、画像品質を向上させることができる。
<実施形態7>
以下より、本発明にかかる実施形態7の磁気共鳴イメージング装置について説明する。
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置においては、制御部25が、実施形態4と異なる動作をする。本実施形態は、この点を除き、実施形態4と同様である。このため、重複する箇所については説明を省略する。
図10は、1TRにおいて制御部25が各部を制御する手順を示すパルスシーケンス図である。図10においては、RFパルスRFと、周波数エンコード方向の勾配磁場Grと、磁気共鳴信号MRとを示している。図10においては、RFパルスRFが異なる2種類のパルスシーケンスを時間軸に対応するように、この部分を並べて示しており、第1パルスシーケンスに対応するRFパルスRF1と、この場合に収集される第1磁気共鳴信号MR1とを示すと共に、第2パルスシーケンスに対応するRFパルスRF2と、この場合に収集される第2磁気共鳴信号MR2とを示している。なお、スライス選択方向の勾配磁場Gsと、位相エンコード方向の勾配磁場Gpとは、実施形態1と同様である。
本実施形態においては、図6に示すように、スピンエコー法に基づく第1パルスシーケンスと第2パルスシーケンスとによって、被検体40の画像を撮像するように、制御部25が各部を制御する。
まず、第1パルスシーケンスに対応するように、制御部25が各部を制御し被検体40の画像を撮像する。その後、第2パルスシーケンスに対応するように、制御部25が各部を制御し被検体40の画像を撮像する。
第1パルスシーケンスを実施する際においては、図10に示すように、90°RFパルスを被検体へRFコイル部14に送信させると共に、その90°RFパルスから第1時間τ1の経過後に180°再収束パルスをRFコイル部14に被検体へ送信させた後に、その180°再収束パルスから第1時間τ1の経過後のエコー時間TEにおいて得られる第1磁気共鳴信号MR1を、データ収集部24が磁気共鳴信号MRとして収集するように制御部25が制御する。つまり、スピンエコータイミングでの第1磁気共鳴信号MR1を収集するために、90°RFパルスの送信時点と180°再収束パルスの送信時点との時間間隔である第1時間τ1の2倍になるエコー時間TEにおいて得られる第1磁気共鳴信号MR1をデータ収集部24が収集するように制御する。
そして、第2パルスシーケンスを実施する際においては、図10に示すように、90°RFパルスをRFコイル部14に被検体へ送信させると共に、その90°RFパルスから第1時間τ1と異なる第2時間τ2の経過後に180°再収束パルスをRFコイル部14に被検体へ送信させた後に、第1磁気共鳴信号が収集されたエコー時間TEと同じエコー時間TEにおいて得られる第2磁気共鳴信号MR2を、データ収集部24が磁気共鳴信号として収集するように制御する。つまり、スピンエコータイミングから外れたタイミングで第2磁気共鳴信号MR2を収集するように制御する。ここでは、オペレータによって操作部32に入力された撮像方法とエコー時間TEとの撮像条件に基づいて、制御部25が、第2パルスシーケンスにおいて90°RFパルスの送信時点と180°再収束パルスの送信時点との時間間隔である第2時間τ2を算出して制御する。本実施形態においては、第1パルスシーケンスにおいて90°RFパルスの送信時点と180°再収束パルスの送信時点との時間間隔である第1時間τ1から所定時間dτ分、短い第2時間τ2となる第2パルスシーケンスにて、データ収集部24が第2磁気共鳴信号MR2を収集するように制御部25が制御する。
そして、上記のようにして設定された撮像条件に基づいて、制御部25が被検体40にRFパルスと勾配磁場とをTRごとに印加するように制御し、その被検体40から発生する磁気共鳴信号をデータ収集部24に収集させる。つまり、第1パルスシーケンスにおいて得られる第1磁気共鳴信号MR1と、第2パルスシーケンスにおいて得られる第2磁気共鳴信号MR2とのそれぞれをデータ収集部24が磁気共鳴信号MRとして収集する。
つぎに、データ収集部24により収集された磁気共鳴信号MRに基づいて、データ処理部31が被検体40のスライスについての画像を生成する。ここでは、実施形態4と同様に、データ収集部24によりデジタル信号に変換された磁気共鳴信号MRに対してデータ処理部31がフーリエ変換処理を実施して、被検体40の画像を生成する。具体的には、第1磁気共鳴信号MR1,第2磁気共鳴信号MR2のそれぞれに基づいて、データ処理部31が、第1画像I1,第2画像I2のそれぞれを強度画像として生成する。つまり、データ処理部31は、第1磁気共鳴信号MR1に基づいて第1画像I1を生成し、第2磁気共鳴信号MR2に基づいて第2画像I2を生成する。
つぎに、データ処理部31により生成した第1画像I1と第2画像I2とを、表示部33が表示する。
なお、実施形態5と実施形態6と同様に、画像を生成し、表示する場合にも適用可能である。
以上のように、本実施形態は、スピンエコー法により、90°RFパルスを被検体に送信すると共に、その90°RFパルスから第1時間τ1の経過後に180°再収束パルスを被検体に送信した後に、180°再収束パルスから第1時間τ1の経過後のエコー時間TEにおいて得られる第1磁気共鳴信号MR1をデータ収集部24が収集する。さらに、スピンエコー法により、90°RFパルスを被検体に送信すると共に、その90°RFパルスから第1時間τ1よりも短い第2時間τ2の経過後に180°再収束パルスを被検体に送信した後に、第1磁気共鳴信号MR1が収集されたエコー時間TEと同じエコー時間TEにおいて得られる第2磁気共鳴信号MR2をデータ収集部24が収集する。そして、データ処理部31が、第1磁気共鳴信号MR1に基づいて第1画像I1を生成し、第2磁気共鳴信号MR2に基づいて第2画像I2を生成する。そして、表示部33は、第1画像I1を表示すると共に、第2画像I2を表示する。このように、本実施形態は、第1パルスシーケンスにおいてはスピンエコー法によって位相が巻き戻された後に収集される磁気共鳴信号を用いて、T2*減衰の影響が無いように第1画像I1を撮像しているため、被検体40の中の水と脂肪とが同位相になる場合の第1画像I1を生成可能である。一方で、第2パルスシーケンスにおいては、第1パルスシーケンスに対して180°再収束パルスの送信タイミングを変えることによって第1画像I1と異なってT2*減衰の影響を付加されると共に、第1パルスシーケンスとエコー時間TEを同じにすることによってT2減衰の影響が第1画像I1と同じになる第2画像I2を生成可能となる。よって、本実施形態は、第1画像I1と第2画像I2との両者が十分なコントラストで得られ、画像品質を向上し、診断効率を向上させることができる。
なお、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例を採用することができる。
図11は、本発明の変形例において、1TRにて制御部25が各部を制御する手順を示すパルスシーケンス図である。図11においては、RFパルスRFと、周波数エンコード方向の勾配磁場Grとを示している。なお、スライス選択方向の勾配磁場Gsと、位相エンコード方向の勾配磁場Gpとについて、記載を省略している。
たとえば、図11(a)に示すように、実施形態4から6においての第1磁気共鳴信号MR1と第2磁気共鳴信号MR2とのそれぞれを同じTR内で収集するように、第1エコー時間TE1と第2エコー時間TE2とを設定し被検体を撮像してもよい。具体的には、第1エコー時間TE1よりも第2エコー時間TE2が長くなるように設定し、被検体を撮像してもよい。
また、たとえば、図11(b)に示すように、図11(a)とは逆に、第1エコー時間TE1よりも第2エコー時間TE2が短くなるように設定し、被検体を撮像してもよい。
また、たとえば、図11(c)に示すように、流速補正法(Flow Compensation)に基づいて、勾配磁場ローブ(gradient lobes)を、実施形態1から3に適用してもよい。図11(c)においては、1次の流れ、つまり、一定速度の流れに対応するように、勾配磁場ローブを周波数エンコード方向に付加した場合について示している。なお、実施形態4から7においても、同様に、流速補正法に基づいて、勾配磁場ローブを適用してもよい。
また、たとえば、図11(d)に示すように、実施形態1から3においての周波数エンコード方向についての勾配磁場Grの印加を、グラディエントエコー法に適用し、被検体を撮像してもよい。
その他に、本発明においては、受信周波数に制限はなく、第1エコー時間TE1,第2エコー時間TE2,第3エコー時間TE3において受信周波数を変更してもよい。また、第1エコー時間TE1,第2エコー時間TE2,第3エコー時間TE3においてS/N比が同様になるように、バンド幅を調整してもよい。
また、上記においては、3つのエコー時間に対応する磁気共鳴信号を収集する場合について示しているが、これに限定されず、4つ以上であってもよい。そして、被検体の体動の影響を抑制するために、息止めされた状態で磁気共鳴信号を収集することや、心拍や呼吸に同期するように磁気共鳴信号を収集することを実施してもよい。また、高速スピンエコー法を適用してもよい。そして、T2強調やプロトン密度強調の場合に適用してもよい。