JP4739445B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

本願の発明は、液晶ディスプレイ等の表示装置の製造に好適に使用される基板処理装置に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種表示装置の製造においては、装置の元になる板状物(以下、基板と総称する)に対して表面処理等の処理を施すことが必要である。例えば、液晶ディスプレイでは、ガラス製の基板の板面(端面でない面)に透明電極を形成する処理等が必要となる。このような処理に用いられる基板処理装置は、所定の雰囲気で基板を処理するため、真空に排気したり又は内部に所定のガスを導入したりすることができるよう構成されたチャンバーを備えている。そして、異なる処理を連続して行ったり、大気圧から徐々に圧力を下げる必要などから、複数のチャンバーを備えた構成とされる。
このような従来の基板処理装置は、チャンバーのレイアウトの考え方から、大きく二つに分けられる。一つはインライン型と呼ばれるものであり、もう一つは、クラスターツール型と呼ばれるものである。図6は、従来の代表的な基板処理装置の一つとして、インライン型の装置の概略構成を示したものである。インライン型では、一直線上に複数のチャンバー11,2,3,12を縦設した構成である。複数のチャンバー11,2,3,12を貫くようにして、基板9を搬送させる搬送系が設けられる。また、各チャンバー11,2,3,12間には、ゲートバルブ10が設けられる。
基板9は、トレイ91に載せられた状態で搬送系によって各チャンバーに順次搬送され、処理が行われる。複数のチャンバーのうちの一つは、基板9の搬入の際に大気に開放されるロードロックチャンバー11、別の一つは、基板9の搬出の際に大気に開放されるアンロードロックチャンバー12である。残りのチャンバーのうちの幾つかは、処理用のチャンバー(以下、処理チャンバー)2である。また、処理チャンバー2とロードロックチャンバー11又はアンドロードロックチャンバー12との間に設けられたチャンバー3は、調圧用チャンバーである。この調圧用チャンバー3は、ロードロックチャンバー11(又はアンロードロックチャンバー12)と処理チャンバー2との圧力差が大きいため、その中間の圧力に雰囲気を維持して調節するものである。
図6に示すように、搬送系は、基板9を載せたトレイ91を搬送コロ41により移動させる構成とされる。搬送コロ41は、搬送方向に垂直で水平な方向に伸びる回転軸の両端に設けられた一対の小さな円盤状の部材である。回転軸及び一対の搬送コロ41の組を、搬送方向に所定間隔をおいて多数設けることにより、搬送系は構成される。図6から解るように、基板9は水平な姿勢で搬送され、処理される
一方、図7は、従来の代表的な基板処理装置の別の一つとして、クラスターツール型の装置の概略構成を示したものである。クラスターツール型では、内部に搬送ロボット42を設けた搬送チャンバー5の周囲に、ロードロックチャンバー11や複数の処理チャンバー2を設けた構造である。図7に示す例では、ロードロックチャンバー11は二つ設けられている。また、搬送チャンバー5と各ロードロックチャンバー11及び各処理チャンバー2との間には、ゲートバルブ10が設けられている。
搬送ロボット42は、一方のロードロックチャンバー11から基板9を取り出して各処理チャンバー2に順次搬送する。そして、搬送ロボット42は、処理終了後、一方又は他方のロードロックチャンバー11に基板9を戻す。尚、図7に示すロードロックチャンバー11は、図6に示す装置におけるアンロードロックチャンバー12の機能も有するものであるが、「ロードロックチャンバー」の名称をそのまま使用する。
搬送ロボット42は、多関節型のロボットであり、そのアームの先端に基板9を載せて搬送するようになっている。搬送ロボット42は、アームの伸縮、回転、上下の各運動を行って基板9を所定の位置まで搬送する。基板9は、水平な姿勢でアームに載せられて搬送される。また、処理チャンバー2内でも、基板9は水平な姿勢を維持して処理される。
特開平11−241163号公報([0002]―[0010])
このような基板処理装置では、基板の大型化が顕著な傾向となっている。例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイの技術は、コンピュータの表示部用のみならず、壁掛けテレビとしても本格的な普及が近いとみられるが、壁掛けテレビの場合、コンピュータ用のディスプレイ等に比べて表示面積が大きくなる。このため、基板も大型化する。また、一般的な傾向として、一つの基板から二以上の製品を製造するようにして生産性を向上させたり製造コストを低減させたりすることが多くなっており、これに伴い基板は大型化している。
このような基板の大型化を背景として、上述した従来の基板処理装置は、以下のような問題を現状抱えている、又は、将来抱えると予想される。まず、インライン型であれ、クラスターツール型であれ、従来の装置では、基板は、搬送中及び処理中水平な姿勢を維持する。従って、基板が大型化すると、チャンバーの水平方向の占有面積(以下、単に占有面積)も必然的に大きくなる。この結果、装置全体の占有面積も大きくなってしまう。
そして、図6に示すインライン型の装置では、各チャンバー11,2,3,12が大型化すると、ライン方向の長さが長くなってしまう。現在、壁掛けテレビ等の家庭用テレビの製造では、1m×1.2m程度の大きさの基板を処理することが必要になっており、この程度の基板を処理する装置をインライン型で構成すると、ライン方向の長さは、10数メートルにも達してしまう。
また、図7に示すクラスターツール型の装置でも、基板9の大型化は各チャンバーの占有面積の増大に直結し、装置全体の占有面積の増大につながる。クラスターツール型の装置で深刻なのは、搬送チャンバー5の大型化である。図7から解るように、搬送チャンバー5では、搬送ロボット42の回転運動の中心軸は搬送チャンバー5の中央に設定されているものの、基板9はアームの先端に載るため、基板9は搬送チャンバー5の中央から偏心した位置で回転軸の周りを回転する。従って、基板9の回転に要する水平方向のスペースの半径(以下、必要回転半径)は、基板9の辺(長辺又は短辺)の2倍以上となる。このため、基板9が大型化すると、必要回転半径は倍増し、ますます搬送チャンバー5が大型化してしまう。例えば前述した1m×1.2m程度の大きさの基板9を処理する場合、必要回転半径は、ゆうに2メートルを越えてしまう。
搬送チャンバー5は、往々にして排気系によって真空に排気する必要があるが、搬送チャンバー5が大型化すると、所定の真空に排気するまでに長時間を要したり、排気系の構成が大がかりになって高コストとなる問題がある。また、このような搬送チャンバー5は、基板9の処理には本質的には不必要なものである。このようなものが、装置の占有面積の大部分を占めることは、装置の設計としては好ましくない。
基板の大型化を背景とした別の問題は、搬送の際の基板の撓みである。液晶ディスプレイ等の表示装置では、表示面積の増大とともに薄型化が市場の強い要求である。このため、基板も、大型化する一方で厚さはそれほど厚くなっていない。むしろ、薄くなる傾向にある。前述した例でいうと、1m×1.2m程度の大きさでも厚さは0.7mm程度である。
この程度に大きく且つ薄い基板9を水平な姿勢で搬送したり処理したりすると、自重による基板の撓みの問題が顕在化してくる。例えば、インライン型の装置では、前述したようにトレイ91を搬送コロ41により移動させることで搬送されるが、搬送コロ41に当たっていない部分でトレイ91が撓むことにより基板9も下方に垂れるようにして撓み易い。また、クラスターツール型の装置でも、アームに接触していない両側の部分で基板9は下方に垂れて撓む。このような撓みが生じた状態で処理が行われると、処理が不均一となり、表示ムラ等の製品の性能に障害を与える恐れがある。また、基板に不均一な内部応力が残留する結果、基板の割れ等の破損が生じやすくなり、製品の信頼性を低下させる恐れもある。
また、クラスターツール型では、大型化する基板9を搬送ロボット42で搬送することは、現実的に不可能になりつつある。つまり、大型の基板9を保持するには、アームの大きさや剛性等を充分にする必要がある。そして、そのような大がかりなアームを高い精度で伸縮、回転、上下運動させる必要があるが、そのような運動機構を充分な精度で製作することは、非常に難しい。従って、多関節アームロボットによる搬送は、近い将来、限界に達すると考えられる。
基板の大型化を背景としたさらに別の問題は、メンテナンス上の問題である。即ち、装置を構成するチャンバーは、メンテナンスのため、内部を開放できる構造とされる。例えば、何らかの事情でチャンバー内で搬送エラーが生じた場合、装置の運転を止め、チャンバーの内部を点検する。そして、例えば基板9が搬送コロ41の上に正しく載っていなかったり、もしくは、アームの上に正しく載っていなかったりするのを発見した場合、基板9を正しい位置に復帰させて装置の運転を再開する。
チャンバーは、このようなメンテナンスのため、開閉扉を有する。通常、チャンバーの上板部を蝶番を介して取り付け、開閉扉とする。上板部を開閉扉とするのは、開閉扉を開けることで、処理対象である基板の板面のチェックを行えるようにするためである。開閉扉を開けて、基板の板面に異物等が載っていないか、目視でチェックする。しかしながら、基板が大型化してチャンバーが大型化すると、開閉扉も大きくなる。前述した程度の大きさに基板が大型化すると、開閉扉の大きさも1メートル角を越える大きさとなってしまう。この程度まで開閉扉が大型化すると、もはや作業者の力では開閉することが困難となってしまい、クレーンのような大がかりな機構が必要になってしまう。
本願の発明は、基板の大型化を背景とした上記諸課題を解決するためになされたものであり、占有面積の増大の抑制、基板の撓みの問題の解消、メンテナンスの容易化等の顕著な技術的意義を有するものである。
上記課題を解決するために、本発明の基板処理装置は、大気雰囲気と真空雰囲気との間で基板の搬入搬出を行うロードロックチャンバーと、内部で前記基板に対して所定の処理がなされる処理チャンバーと、前記ロードロックチャンバーと前記処理チャンバーとの間で、前記基板を基板保持具に保持させて搬送機構により移動させる搬送系を備えた中間チャンバーと、を具える基板処理装置であって、
前記基板保持具は、前記基板の保持が可能な受け板と、前記受け板を固定する中間板と、前記中間板の下面から下方に延びる支持板と、を有し、
前記搬送機構は、前記支持板の下端が填り込む溝を有し、前記基板保持具の移動を第一の方向へガイドするガイドレールと、前記基板保持具を前記第一の方向の移動を可能にさせるピニオンと、前記ピニオンを駆動させるピニオン駆動機構とを、同一平面上に配置するベース板とを有し、
さらに前記ベース板の下側にガイドロッドを配置することにより、前記ガイドロッドが延びる第二の方向への前記搬送機構の移動を可能にしている構成を有する
本発明によれば、回転機構を使用せずにロードロックチャンバー、中間チャンバー及び処理チャンバー間を基板保持具の搬送をすることが出来る。その為、装置の占有面積が増大することを抑制することが出来、従来の技術であるクラスターツール型では不可避な装置の大型化を回避出来るという顕著な効果が得られる。
第一の実施形態の基板処理装置の平面概略図である。 第一の実施形態の装置における基板保持具及び搬送系の構成について説明する斜視概略図である。 中間チャンバー7内における搬送系の構成を示した正面概略図である。 図1乃至図3に示す第一の実施形態の装置における搬送系の動作について説明する平面概略図である。 第二の実施形態の基板処理装置の平面概略図である。 従来の代表的な基板処理装置の一つとして、インライン型の装置の概略構成を示したものである。 従来の代表的な基板処理装置の別の一つとして、クラスターツール型の装置の概略構成を示したものである。
以下、本願発明の実施の形態(以下、実施形態)について説明する。本願発明の装置は、どのような種類の処理を行う装置であっても実施が可能であるが、以下の各実施形態では、一例としてスパッタリングを行うものとなっている。まず、図1を使用して、第一の実施形態の基板処理装置の全体の構成について説明する。図1は、第一の実施形態の基板処理装置の平面概略図である。
図1に示すように、実施形態の装置は、一つの処理チャンバー2と、一つの中間チャンバー7と、二つのロードロックチャンバー11と、基板(図1中不図示)を載せた基板保持具(図1中不図示)を移動させることにより基板を搬送する搬送系(図1中不図示)とから主に構成されている。処理チャンバー2は中間チャンバー7の一方の側に気密に接続され、各ロードロックチャンバー11は他方の側に気密に接続されて並設されている。各接続箇所には、ゲートバルブ10が設けられている。
各チャンバー11,2,7は気密な真空容器であり、排気系(図1中不図示)によって内部が排気されるようになっている。ロードロックチャンバー11の外側には、基板保持具に未処理の基板を搭載したり、処理済みの基板を基板保持具から回収したりする場所であるロードステーションが設けられている。
本実施形態の装置の第一の大きな特徴点は、基板を垂直又は垂直に近い角度で保持して搬送及び処理するようになっている点である。より正確に表現すれば、基板をその板面が水平に対して45度以上90度以下の保持角度になるよう立てて保持する基板保持具と、基板保持具を移動させて基板を搬送する搬送系とが設けられている。
基板保持具及び搬送系の構成について、図2を使用して説明する。図2は、第一の実施形態の装置における基板保持具及び搬送系の構成について説明する斜視概略図である。図2に示す基板保持具92は、水平な姿勢の中間板921と、中間板921に固定された一対の受け板922,923と、中間板921の下面から下方に延びる支持板924とから主に構成されている。中間板921は、方形(長方形又は正方形)である。一対の受け板922,923は、その下端が折れ曲がり、その折れ曲がった部分(以下、下端部)が中間板921に固定され、上方に延びている。一対の受け板922,923の上方に延びた部分(以下、主部)は、互いに向かい合っており、横から見ると「ハ」の字を形成している。一対の受け板922,923の主部の水平に対する角度(図2にθで示す)は、45度以上90度以下となっている。
受け板922,923の主部には、図2に示すように、方形の開口925が設けられている。本実施形態では方形の基板9を搬送して処理することが想定されている。基板9は、受け板922,923の開口925よりも少し大きい。基板9は、図2に示すように、下縁が受け板922,923の下端部の上に載り、板面が受け板922,923の主部に接触した形で(もたれかかった形で)受け板922,923に保持される。尚、基板9は、受け板922,923の開口925を塞ぐ位置で保持される。
支持板924は、その上端面が中間板921の下面の中央に固定され、垂直に下方に延びている。横から見ると、支持板924と中間板921とによってT字が形成されている。支持板924の中間板921に固定された辺の方向は、中間板921の一辺に対して平行であり、保持された基板9の上縁及び下縁もこれと平行である。
搬送系は、本実施形態では、ラックアンドピニオン機構により基板9を搬送するようになっている。具体的に説明すると、支持板924の両側の側面には、ラック43が設けられている。ラック43が延びる方向は水平な方向であり、上述した中間板921の一辺の方向に一致している。搬送系は、上記ラック43に噛み合う複数のピニオン44と、ピニオン44を駆動させるピニオン駆動機構45とから構成されている。ピニオン駆動機構45は、各ピニオン44に駆動軸を介して連結された駆動ギヤ451と、駆動ギヤ451に懸架されたタイミングベルト452と、駆動ギヤ451の一つに連結されたモータ453と、残りの駆動ギヤ451の駆動軸を受ける軸受け454とから主に構成されている。
図2において、モータ453が動作すると、タイミングベルト452を介して駆動ギヤ451が回転し、この回転が駆動軸により各ピニオン44に伝えられる。そして、各ピニオン44の回転により、ラック43が水平方向に直線移動し、基板保持具92も全体に直線移動する。この結果、基板保持具92に保持されている基板9が搬送される。
また、図2に示すように、基板保持具92全体を支えるとともに基板保持具92の移動をガイドするガイドレール48が設けられている。ガイドレール48は、支持板924の下端が填り込んだ溝を有する。基板保持具92の直線移動の方向に長い部材である。ガイドレール48の内面には、不図示のベアリング等が設けられており、支持板924の下端の移動をスムーズなものにしている。尚、磁気浮上機構を採用して支持板924の下端とガイドレール48との非接触にすると、塵や埃等の発生が防げるので好適である。
このようなピニオン44と、ピニオン駆動機構45及びガイドレール48の組は、各ロードロックチャンバー11、中間チャンバー7、処理チャンバー2、及び、不図示のロードステーションに設けられている。そして、それぞれの場所でピニオン駆動機構45がピニオン44を駆動することで、基板保持具92が、ラック43の長さ方向に移動し、ロードステーション、ロードロックチャンバー11、中間チャンバー7、処理チャンバー2の順に基板9が移動するようになっている。
図1から解るように、本実施形態では、ロードロックチャンバー11と中間チャンバー7とを結ぶ方向は、中間チャンバー7と処理チャンバー2とを結ぶ方向に一致している。上述したラックアンドピニオン機構による基板9の移動方向はこの方向に一致しており、以下、この方向を「第一の方向」と呼ぶ。但し、ロードロックチャンバー11と中間チャンバー7とを結ぶ方向が、中間チャンバー7と処理チャンバー2とを結ぶ方向に一致することは必須の条件ではない。両者が一致しない場合、いずれかの方向が「第一の方向」ということになる。
本実施形態の第二の大きな特徴点は、搬送系が、中間チャンバー7内において、前記第一の方向の搬送に加え、第一の方向に垂直な水平方向である第二の方向に基板9を搬送できるようになっている点である。以下、この点について、図2及び図3を使用して説明する。図3は、中間チャンバー7内における搬送系の構成を示した正面概略図である。
図3に示すように、中間チャンバー7内では、ピニオン44、ピニオン駆動機構45及びガイドレール48の組は、二組設けられていて左右に配されている。各組のピニオン44、ピニオン駆動機構45及びガイドレール48には、それらを上面に固定したベース板46が設けられている。各ベース板46は水平な姿勢であり、同一平面上に設けられている。図3に示す右側のピニオン44、ピニオン駆動機構45、ガイドレール48及びベース板46の組(以下、右側搬送機構4R)と、左側のピニオン44、ピニオン駆動機構45、ガイドレール48及びベース板46の組(以下、左側搬送機構4L)は、基本的に同じ構成である。尚、図2は、図3に示す右側搬送機構4Rを示したものとなっている。
図3に示すように、両搬送機構のベース板46の下側には、ガイドロッド471が設けられている。図2に示すように、ガイドロッド471は、二本平行に設けられており、その間隔は、ベース板46の幅よりも少し短い。そして、各ベース板46の下面には、ガイドロッド471を挿通させたリニア軸受け472が設けられている。リニア軸受け472は、各ベース板46の下面の四隅に設けられている。
そして、図3に示すように、右側搬送機構4Rのベース板46の右端には、右側固定板473を介して右側駆動ロッド474が固定され、左側搬送機構4Lのベース板46の左端には、左側固定板475を介して左側駆動ロッド476が固定されている。右側駆動ロッド474にはエアシリンダのような右側直線駆動源477が接続されており、左側駆動ロッド476にも同様の左側直線駆動源478が接続されている。
右側直線駆動源477が動作すると、右側駆動ロッド474を介して右側搬送機構4R全体がガイドロッド471にガイドされながら直線移動する。この結果、右側搬送機構4R上にある基板保持具92も一体に移動し、この基板保持具92に保持された基板9はこの方向に搬送される。また、左側直線駆動源478が動作すると、左側駆動ロッド476を介して左側搬送機構4L全体がガイドロッド471にガイドされながら直線移動する。この結果、左側搬送機構4L上にある基板保持具92も一体に移動し、この基板保持具92に保持された基板9はこの方向に搬送される。この際の基板9の搬送方向は、ガイドロッド471の延びる方向に一致している。上記説明から解る通り、ガイドロッド471の延びる方向は第二の方向である。即ち、基板9は、中間チャンバー7内で、第一の方向と第二の方向に搬送されることが可能となっている。
本実施形態の第三の大きな特徴点は、処理チャンバー2内での処理に先立ち、基板9が上記中間チャンバー7内で予め所定温度まで加熱されるようになっている点である。本実施形態では、ヒータ6としてセラミックヒータが使用されている。セラミックヒータは、パネル状であり、基板保持具92に保持された基板9に対して平行になるよう同じ角度で傾けて設けられている
上記ヒータ6は、図3に示すように、ヒータ取付具61によって左側搬送機構4Lのベース板46に取り付けられている。ヒータ取付具61は、左側搬送機構4Lのベース板46の上面に固定された支柱部611と、支柱部611の先端に設けられたヒータ取付部612とから成っている。図3に示すように、支柱部611の上側は、水平に折れ曲がっており、その先端にヒータ取付部612が形成されている。
ヒータ取付部612は、パネル状のヒータ6を上下で保持している。ヒータ取付具61は、不図示のヒータ電源とヒータ6とを接続するケーブルを内部に収容している。尚、図3に示すように、ヒータ取付部612は左右対称であり、左右にヒータ6を保持している。従って、二つの基板9が同時に加熱されるようになっている。また、基板保持具92の受け板922,923には、前述したように開口925が設けられており、ヒータ6から輻射線が基板9に充分に達するようになっている。尚、ヒータ6として、輻射加熱ランプが使用される場合もある。
上述した搬送系の動作について、図4を使用して説明する。図4は、図1乃至図3に示す第一の実施形態の装置における搬送系の動作について説明する平面概略図である。図4では、搬送系による基板保持具92の動きを説明するため、基板保持具92の位置を示すものとして支持板924のみが描かれている。また、説明の便宜上、二つのロードロックチャンバー11を、右側ロードロックチャンバー11、左側ロードロックチャンバー11と呼ぶ。
まず、未処理の二枚の基板9が搭載された基板保持具92は、搬送系によって左側ロードロックチャンバー11内に移動する。左側ロードロックチャンバー11の大気側のゲートバルブ10を閉じた後、左側ロードロックチャンバー11と中間チャンバー7との間のゲートバルブ10が開けられ、搬送系は、図4(1)に示すように、この基板保持具92を中間チャンバー7内に移動させる。
より具体的に説明すると、図3に示す左側駆動源478が予め動作しており、左側搬送機構4Lが、左側ロードロックチャンバー11内の搬送機構(不図示)に対して同一直線上に並ぶようにしている。即ち、左側搬送機構4Lのガイドレール48及びピニオン44の列が、左側ロードロックチャンバー11内のそれらと同一直線上に並ぶ位置に位置している(以下、この位置を左側ロードロック搬送位置と呼ぶ)。
この状態で、左側ロードロックチャンバー11内のピニオン駆動機構45と、中間チャンバー7内の左側搬送機構4Lのピニオン駆動機構45が同時に動作して、基板保持具92が左側ロードロックチャンバー11内の搬送機構から中間チャンバー7内の左側搬送機構4Lに受け渡される。基板保持具92は、左側搬送機構4Lのベース板46上の所定位置に達した時点で、各ピニオン駆動機構45が動作を停止する。その後、左側ロードロックチャンバー11と中間チャンバー7との間のゲートバルブ10は閉じられる。
中間チャンバー7内の左側搬送機構4Lに受け渡された基板保持具92に保持された基板9に対しては、図3に示すように、ヒータ6が向かい合う状態となる。ヒータ6は、未処理の基板9がこのようにして中間チャンバー7内に搬入されると動作し、基板9を予備加熱する。予備加熱が終了すると、左側搬送機構4Lは、この基板保持具92を処理チャンバー2に移動させる動作の準備をする。即ち、左側直線駆動源478が再び動作し、図4(2)に示すように、基板保持具92を中間チャンバー7の中央の位置まで移動させる。この位置は、左側搬送機構4Lのガイドレール48及びピニオン44の列が、処理チャンバー2内のそれらと同一直線上になる位置である(以下、この位置を処理側搬送位置と呼ぶ)。尚、この際、中間チャンバー7内の右側搬送機構4Rは、処理側搬送位置より右側の所定位置に退避している。
この状態で、中間チャンバー7と処理チャンバー2との間のゲートバルブ10が開き、左側搬送機構4Lのピニオン駆動機構45と処理チャンバー2内のピニオン駆動機構45(不図示)が同時に動作して、図4(3)に示すように、基板保持具92が処理チャンバー2内に搬入される。そして、処理チャンバー2での処理中、中間チャンバー7内の左側搬送機構4Lは、次の基板9を搬入態勢を取る。
即ち、図4(3)に示すように、左側ロードロックチャンバー11には、未処理の二枚の基板9を保持した次の基板保持具92が搬入されている。左側直線駆動源478が再び動作して左側搬送機構4Lを左側ロードロック搬送位置に移動させる。そして、左側ロードロックチャンバー11内の搬送機構及び中間チャンバー7内の左側搬送機構4Lが同時に動作して、図4(4)に示すように、次の基板保持具92が中間チャンバー7内に搬入される。そして、最初の基板保持具92に保持された基板9が処理チャンバー2内で処理されている際、次の基板保持具92に保持された基板9は、前述したようにヒータ6によって予備加熱される。
処理チャンバー2内での処理が終了すると、最初の基板保持具92は、中間チャンバー7内の右側搬送機構4Rによって右側ロードロックチャンバー11に搬送される。具体的に説明すると、まず、右側直線駆動源477が動作して、右側搬送機構4Rを処理側搬送位置に移動させる。そして、処理チャンバー2と中間チャンバー7との間のゲートバルブ10が開き、処理チャンバー2内のピニオン駆動機構45と、右側搬送機構4Rのピニオン駆動機構45とが同時に動作して、図4(4)に示すように、基板保持具92が処理チャンバー2から中間チャンバー7に搬出される。基板保持具92が右側搬送機構4Rに渡され、右側搬送機構4Rのベース板46上の所定位置に達した時点で各ピニオン駆動機構45は動作を停止する。
その後、図4(5)に示すように、右側直線駆動源477が動作して右側搬送機構4Rが元の位置に戻る。この位置は、右側搬送機構4Rのガイドレール48及び各ピニオン44の列が右側ロードロックチャンバー11内のそれらと同一直線上となる位置である(以下、この位置を右側ロードロック搬送位置と呼ぶ)。そして、中間チャンバー7と右側ロードロックチャンバー11との間のゲートバルブ10が開けられ、図4(6)に示すように、最初の基板保持具92は右側ロードロックチャンバー11に移動する。その後、中間チャンバー7と右側ロードロックチャンバー11との間のゲートバルブ10が閉じられ、右側ロードロックチャンバー11内を大気圧に戻した後、右側ロードロックチャンバー11と大気側との間のゲートバルブ10を開け、最初の基板保持具92を大気側のロードステーションに搬出する。
並行して、図4(5)(6)に示すように、次の基板保持具92は、最初の基板保持具92と同様の動作により処理チャンバー2内に移動する。左側ロードロックチャンバー11には未処理の基板9を保持したさらに次の基板保持具92が搬入されており、左側搬送機構4Lは左側ロードロック搬送位置に戻り、この基板保持具92を受け取る。
このようにして、左側ロードロックチャンバー11、左側搬送機構4L、処理チャンバー2、右側搬送機構4R、右側ロードロックチャンバー11の順に基板保持具92が移動し、基板9の搬送及び処理が順次行われる。そして、右側ロードロックチャンバー11から大気側に出た基板保持具92は、未処理の基板9を保持して再び左側ロードロックチャンバー11に搬入される。
上記説明から解るように、本実施形態では、装置内に二つないし三つ(場合によっては四つ)の基板保持具92が搬入されており、処理チャンバー2内での処理中に、基板9の予備加熱や、左右のロードロックチャンバー11を経由した基板9の搬送を行っている。従って、生産性が高い。
尚、上記構成において、ガイドレール48の入り口側の構成は、基板保持具92の支持板924の下端を受け入れやすくするようにすることが好ましい。即ち、搬送動作において、基板保持具92は、手前側のガイドレール48から前方のガイドレール48に乗り移るようにして移動するが、この際、前方のガイドレール48に支持板924の下端が正しく填り込まないと、搬送エラーになってしまう。これを防止するには、ガイドレール48の入り口側の溝の側面にテーパを設けて入り口側の開口を広げる等して、支持板924の下端を受け入れやすくすると良い。
次に、再び図1を使用して、処理チャンバー2の構成について詳説する。前述したように、本実施形態の装置は、スパッタリングを行うものである。従って、処理チャンバー2は、内部でスパッタリングが行えるものとなっている。具体的に説明すると、図1に示すように、処理チャンバー2は、内部を排気する排気系21と、内部にスパッタリング用のガスを導入するガス導入系22とを有している。排気系21は、ターボ分子ポンプやクライオポンプ等の真空ポンプにより、処理チャンバー2内を10−3Pa〜10−5Pa程度まで排気できるよう構成されている。ガス導入系22は、スパッタリング用のガスとして、アルゴン又は窒素等を所定の流量で導入できるようになっている。
また、図1に示すように、処理チャンバー2の器壁に気密に填め込むようにしてスパッタリングカソード24が設けられている。スパッタリングカソード24は、被スパッタ面を処理チャンバー2内に露出させて設けられたターゲットと、ターゲットの背後に設けられた磁石ユニットとから成る。
ターゲットは、成膜する材料から成る板状であり、基板9と平行な姿勢とすることが成膜の均一性から好ましい。磁石ユニットは、マグネトロンスパッタリングを可能にするものである。また、スパッタ放電を生じさせるスパッタ電源26がスパッタリングカソード24に接続されている。スパッタ電源26は、負の直流電圧又は高周波電圧を発生させるものである。
前述した基板9の搬送動作において、基板9は、処理チャンバー2に搬入された際、スパッタリングカソード24に対向した位置で停止するようになっている。この位置で基板9が停止した状態で、ガス導入系22によって所定のガスが所定の流量導入され、スパッタ電源26が動作する。これによって、スパッタ放電が生じ、ターゲットから放出された粒子(スパッタ粒子)が基板9の板面に達し、基板9の板面にターゲットの材料の薄膜が作成される。成膜の例について説明すると、例えば透明電極用のITO(In-TiN-Oxcide)膜の作成の場合、ITOより成るターゲットを使用してスパッタリングを行う。また、カラーフィルタ用のクロム膜の場合、クロムより成るターゲットを使用してスパッタリングを行う。
上記動作において、左側ロードロックチャンバー11Lは未処理の基板9の搬入用に使用され、右側ロードロックチャンバー11Rは処理済みの基板9の搬出用に使用されているが、これは必須ではない。左右のロードロックチャンバー11L,11Rとも、搬入用及び搬出用に兼用して用いたり、役割を交互に変えながら用いたりすることができる。但し、左側水平移動機構4Lと右側ロードロックチャンバー11Rとの間で基板保持具92の受け渡しを行う場合、右側水平搬送機構4Rはその位置よりさらに右側に退避できるようにする必要がある。また、右側水平移動機構4Rと左側ロードロックチャンバー11Lとの間で基板保持具92の受け渡しを行う場合、左側水平搬送機構4Lはその位置よりさらに左側に退避できるようにする必要がある。
上述した構成及び動作に係る本実施形態の装置は、以下のような顕著な技術的意義を有する。まず第一に、基板9が垂直又は垂直に近い角度で保持された状態で搬送されて処理される構成は、装置の占有面積増大の抑制に顕著な効果を有する。即ち、基板9が垂直又は垂直に近い角度で保持された状態で搬送されて処理されるので、ロードロックチャンバー11や中間チャンバー7、処理チャンバー2の占有面積は、基板9が水平に搬送されて処理される場合に比べて格段に小さくて済む。特に、基板9が水平に搬送されて処理される場合には、基板9が大型化するとその分だけ各チャンバーの占有面積が大きくならざるを得ないが、本実施形態では、垂直方向のスペースは多く必要になるものの、占有面積は本質的に大きくなることはない。このため、装置全体の占有面積も大きくなることはない。
本実施形態のような装置は、クリーンルーム内に配置されることが多い。装置の占有面積が増大するとことは、それだけ大きなクリーンルームを必要とすることにつながり、施工コストやランニングコストが高くなってしまう欠点がある。本実施形態の装置によれば、占有面積の増大が抑制されるため、クリーンルームの施工コストやランニングコストの低減に有利である。
また、基板9が垂直又は垂直に近い角度で保持された状態で搬送されて処理される構成は、基板9の撓みを防止する上でも顕著な技術的意義を有する。即ち、本実施形態では、前述したように基板9は基板保持具92にもたれかかった状態で載置されて保持されるので、水平な姿勢で保持される場合のような自重による撓みは発生しない。このため、処理の不均一化や表示ムラ等の製品の性能障害、不均一な残留内部応力による基板9の割れ等の破損が生じる恐れがない。
さらに、基板9が垂直又は垂直に近い角度で保持された状態で搬送されて処理される構成は、装置のメンテナンスを容易にするという技術的意義を有する。前述したように、装置を構成する各チャンバーは、内部のメンテナンスのため開閉扉を設ける必要があるが、チャンバーの占有面積が小さくなるため、上板部に開閉扉を設けても、開閉扉がそれ程大きくなることはない。また、基板9の板面が側方に向いていることから、開閉扉はチャンバーの側板部に設けてもよく、この場合には大きな開閉扉であっても開閉は容易である。
上記実施形態において、基板9の保持角度θは45度〜90度であるとしたが、これは、45度以下であると、水平に近くなり、上述したような技術的意義が充分に得られないからである。尚、この範囲において、θは、70度〜85度とすることが、より好ましい。θが85度を超えると、90度にあまりにも近くなり、基板保持具92にもたれかかった状態のみでは基板9の保持が充分でなくなる恐れがある。つまり、何らかの衝撃により基板9が倒れる可能性が高くなる。これを防止するには、基板9を基板保持具92に押さえつけるクランプ機構等が別途設けると良いが、構造が複雑になるし、基板9の着脱動作が煩雑になる欠点がある。また、θが70度より大きくしておくと、上述した垂直保持の技術的意義がより大きくなる。
次に、中間チャンバー7内で基板9が第一の方向に加え第二の方向に移動可能である点は、以下のような技術的意義を有する。まず第一に、基板9が第一の方向にしか移動できない場合、中間チャンバー7に対してロードロックチャンバー11や処理チャンバー2を縦設する以外のレイアウトは採用し得ない。つまり、図6に示す従来のインライン型のレイアウトしか採用できない。この構成では、前述したように、基板9の大型化によってライン方向の長さが長くなる問題が顕著となる。
しかしながら、本実施形態のように、第一の方向に垂直で水平な第二の方向に基板9の搬送が可能な場合、左右のロードロックチャンバー11のように、中間チャンバー7に対して複数の別のチャンバーを横に並べて設ける(並設する)ことができる。このため、ライン方向の長さを長くすることなくチャンバーの数を増やすことができる。この点は、異なる処理を連続して多く行う場合や、圧力差のためにチャンバーが多く必要である場合などに特に有効である。
また、本実施形態のように、基板9が中間チャンバー7内で第二の方向に移動可能である構成は、中間チャンバー7にバッファ機能を持たせることができるという点でも顕著な技術的意義がある。即ち、基板9が第一の方向にしか移動できない場合、一つの基板9が処理チャンバー2に搬入されて処理され、同じ経路を戻って大気側に出た後でしか、次の基板9を搬入動作を行うことができない。一方、本実施形態構成によれば、最初の基板9の処理チャンバー2での処理中に次の基板9を中間チャンバー7に搬入したり、最初の基板9の大気側への搬出動作の間に次の基板9の処理チャンバー2への搬送動作や次の基板9の処理を行うことができる。従って、生産性が高い。尚、この技術的意義は、ロードロックチャンバー11が一つの場合でも基本的に同様である。勿論、二つのロードロックチャンバー11を有する本実施形態では、基板9の搬入搬出動作の効率が倍増しており、生産性が高い。
また、図2から解る通り、中間チャンバー7と各ロードロックチャンバー11との間の搬送の方向、及び、中間チャンバー7と処理チャンバー2との間の搬送の方向は、基板9の板面とともに保持角度θを成す水平な方向に対して直角な水平方向である。この構成は、搬送に要する水平方向のスペースの占有面積を小さくする技術的意義がある。即ち、搬送方向が、基板9の板面とともに保持角度θを成す水平な方向に一致している場合、基板9の板面を搬送方向に対して前方又は後方に向けた状態で搬送することになる。この構成だと、搬送に要するスペースの幅は、基板9の板面の幅に一致してしまう。従って、搬送に要する水平方向のスペースの大きさは、本実施形態の場合に比べて大きくなってしまう。このため、装置全体の大型化につながり、これは基板9が大型化した場合により深刻となる。一方、本実施形態の構成によれば、このような問題はなく、搬送に要する水平方向のスペースは最小化される。
また、上記構成は、ゲートバルブ10の簡略化にも貢献している。即ち、搬送方向が、基板9の板面とともに保持角度θを成す水平な方向に一致する構成の場合、ロードロックチャンバー11や処理チャンバー2はその方形の輪郭のうちの長辺の部分で中間チャンバーに接続される構成となる。このため、ゲートバルブ10が開閉すべき開口の大きさが大きくなってしまう。従って、バルブ開閉に大きな駆動力を必要とする等、ゲートバルブ10が大がかりとなる。一方、本実施形態の構成によれば、このような問題はなく、ゲートバルブ10を簡略化できる。
また、本実施形態では、処理チャンバー2内で処理された基板9が、中間チャンバー7を経由していずれか一方のロードロックチャンバーに戻ってくる構成(いわゆるインターバック型の一種の構成)となっている。この構成では、装置への基板の搬入搬出が装置の同じ側で行える。従って、既存の製造ラインへの組み込みが容易である。一方、前述したインライン型の装置の場合、装置への基板の搬入搬出が左右に分かれるため、既存の製造ラインにおいて、左右の幅が広く開いている必要がある。従って、限られたスペースの製造ラインでは、前述したインライン型の装置は組み込みが難しい。
また、本実施形態では、上記のようなバッファ機能を有する中間チャンバー7に基板9を予備加熱するヒータ6が設けられている。従って、予備加熱用のチャンバーを別途設ける必要がなく、装置の占有面積を低減させたり装置コストを低減させたりする技術的意義がある。そして、予備加熱を前の基板9の処理中に行えることから、リードタイムが短縮され、この点で生産性も向上している。
また、上記中間チャンバー7に、調圧チャンバーの機能を持たせることも可能である。即ち、ロードロックチャンバー11と処理チャンバー2との圧力差が大きい場合、中間チャンバー7内をその中間の圧力に維持して調節すると好適である。
次に、本願発明の第二の実施形態について説明する。図5は、第二の実施形態の基板処理装置の平面概略図である。図5に示す基板処理装置は、処理チャンバー2が二つである点で第一の実施形態と異なっている。その他の点は基本的に同様なので、説明は省略する。二つの処理チャンバーを第一処理チャンバー201及び第二処理チャンバー202とすると、第一処理チャンバー201は、図1に示す第一の実施形態の処理チャンバー2に相当している。第二処理チャンバー202は、インライン型の装置のように第一処理チャンバー201に縦設されている。
第二処理チャンバー202内にも、前述したのと同様のピニオンの列、ピニオン駆動機構及びガイドレールの組が設けられている(不図示)。そして、これらの機構は、第一処理チャンバー201内のそれらの機構と同一直線上となっている。つまり、ラックアンドピニオン機構により、第一処理チャンバー201と第二処理チャンバー202との間で基板保持具92を移動させるようになっている。第二処理チャンバー202内の構成も、第一処理チャンバー201と同様に自由に選定できる。以下の例では、第二処理チャンバー202も同様にスパッタリングを行うものである場合を採り上げる。従って、第二処理チャンバー202内の構成は、図1に示す処理チャンバー2とほぼ同様である。
例えば、チタン膜の上に窒化チタン膜を積層する場合、第一第二処理チャンバー201,202内のターゲットは、いずれもチタン製とされる。そして、第一処理チャンバー201のガス導入系22は、アルゴンガスを導入するものとされ、第二処理チャンバー202のガス導入系22は、窒素とアルゴンの混合ガスを導入するものとされる。第一処理チャンバー201ではアルゴンガスの放電によりターゲットがスパッタリングされて基板9の板面にチタン膜が作成され、第二処理チャンバー202では窒素ガスの放電によりターゲットがスパッタリングされ、窒素とチタンとの反応を利用しながら基板9の板面に窒化チタン膜が作成される。
上記成膜の際、第二処理チャンバー202内の窒素が第一処理チャンバー201内に拡散すると、第一処理チャンバー201内のターゲットの表面が窒化される等の不具合がある。従って、窒素ガスの拡散を防止することが好ましい。このための構成としては、第一第二処理チャンバー201,202間にゲートバルブ10を設けても良いが、第一処理チャンバー201の圧力が第二処理チャンバー202内の圧力に比べて常に高くなるように排気する差動排気を行う構成が簡易なので好ましい。
第二の実施形態では、二つの処理チャンバー201,202を縦設したが、三つ又はそれ以上の処理チャンバーを縦設しても良い。また、第一の実施形態におけるロードロックチャンバー11のように、二つの(又は三つ以上の)処理チャンバーの横に並べて中間チャンバー7に接続しても良い。この場合には、中間チャンバー7内における処理側搬送位置が二つ必要になるので、第二の方向における中間チャンバー7の長さが長くなる。しかし、従来のように単に処理チャンバーを縦設していくだけの構成に比べると、装置の占有面積の増大による問題は少ない。
上記構成では、基板保持具92を移動させる機構としてラックアンドピニオン機構を採用したが、これに限られるものではない。例えば、垂直な軸の回り回転する駆動ローラを第一の方向に沿って多数設け、各駆動ローラが支持板924の両側面に適当な摩擦力で接触するようにする。そして、両側の各駆動ローラを互いに逆向きに同時に回転させれば、基板保持具92を第一の方向に直線移動させることができる。
また、第二の方向に搬送する機構についても同様である。例えば、二つのガイドロッド471に平行で両者の真ん中にボールネジ(精密ネジ)を第一の方向に沿って設ける。そして、このボールネジに内面が噛み合っている貫通孔を有する被駆動ヘッドをベース板46の下面に固定する。ボールネジをサーボモータ等で回転させることにより、基板保持具92を第二の方向に直線移動させることができる。
また、上述した各実施形態において、処理チャンバー2,201,202における処理により基板9が高温になる場合、中間チャンバー7内に冷却機構を設けるようにしても良い。冷却機構としては、例えば、所定の低温に冷却されている冷却ブロックを基板9の裏面(処理される板面とは反対側の板面)又は基板保持具9に接触させて冷却する構成が採用できる。
上記説明では、処理チャンバー2,201,202はスパッタリングを行うものであったが、本願発明は、化学蒸着(CVD)や真空蒸着等の他の成膜処理、エッチング処理、表面改質処理等、各種の処理を行う装置について実施することが可能である。また、処理対象である基板9についても同様であり、表示装置用の基板の他、ハードディスク等の情報記録媒体用の基板や、プリント配線盤用の基板等を処理対象とすることができる。
11 ロードロックチャンバー
2 処理チャンバー
201 処理チャンバー
202 処理チャンバー
21 排気系
22 ガス導入系
24 磁石ユニット
26 スパッタ電源
43 ラック
44 ピニオン
45 ピニオン駆動機構
46 ベース板
471 ガイドロッド
48 ガイドレール
6 ヒータ
7 中間チャンバー
9 基板
92 基板保持具

Claims (4)

  1. 大気雰囲気と真空雰囲気との間で基板の搬入搬出を行うロードロックチャンバーと、内部で前記基板に対して所定の処理がなされる処理チャンバーと、前記ロードロックチャンバーと前記処理チャンバーとの間で、前記基板を基板保持具に保持させて搬送機構により移動させる搬送系を備えた中間チャンバーと、を具える基板処理装置であって、
    前記基板保持具は、前記基板の保持が可能な受け板と、前記受け板を固定する中間板と、前記中間板の下面から下方に延びる支持板と、を有し、
    前記搬送機構は、前記支持板の下端が填り込む溝を有し、前記基板保持具の移動を第一の方向へガイドするガイドレールと、前記基板保持具を前記第一の方向の移動を可能にさせるピニオンと、前記ピニオンを駆動させるピニオン駆動機構とを、同一平面上に配置するベース板とを有し、
    さらに前記ベース板の下側にガイドロッドを配置することにより、前記ガイドロッドが延びる第二の方向への前記搬送機構の移動を可能にしていることを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記基板保持具は、基板を水平に対して45度以上90度以下の保持角度で前記基板を保持することを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
  3. 前記中間チャンバー内には、処理に先だって基板を所定温度まで加熱するヒータが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の基板処理装置。
  4. 前記中間チャンバーには、二以上のロードロックチャンバーが並設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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