[第1の実施の形態]
以下、本発明の好適な実施形態であるプリンタ制御システムについて説明を行う。図1はプリンタ制御システムの構成を説明するブロック図である。なお、本発明の機能が実行されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、LAN,WAN等のネットワークを介して接続がなされ処理が行われるシステムであっても本発明を適用できる。
同図において、ホストコンピュータ3000は、CPU101やRAM102、ROM103等を備える。CPU101は、ROM103のプログラム用ROMあるいは外部メモリ111に記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行する。またCPU101は、システムバス104に接続される各デバイスを総括的に制御する。また、ROM103のプログラム用ROM領域あるいは外部メモリ111には、CPU101の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム(以下OS)等を記憶し、ROM103のフォント用ROM領域あるいは外部メモリ111には上記文書処理の際に使用するフォントデータ等を記憶し、ROM103のデータ用ROM領域あるいは外部メモリ111には上記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。RAM102は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
キーボードコントローラ(KBC)105は、キーボード109や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)106は、CRTディスプレイ(CRT)110の表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)107は、ハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)等の外部メモリ111とのアクセスを制御する。外部メモリ111には、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタ制御コマンド生成プログラム(以下プリンタドライバ)等が記憶される。プリンタコントローラ(PRTC)108は、双方向性インタフェイス(インタフェイス)121を介してプリンタ500に接続されて、プリンタ500との通信制御処理を実行する。
なお、CPU101は、例えばRAM102上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、CRT110上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU101は、CRT110上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは印刷を実行する際、プリンタドライバにより提供される印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行える。
プリンタ500は、CPU112により制御される。プリンタCPU112は、ROM113のプログラム用ROM領域に記憶された制御プログラム等あるいは外部メモリ114に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス115に接続される印刷部(プリンタエンジン)117に出力情報としての画像信号を出力する。また、このROM113のプログラムROM領域には、CPU112の制御プログラム等を記憶する。ROM113のフォント用ROM領域には上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶され、ROM113のデータ用ROM領域には、ハードディスク等の外部メモリ114がないプリンタの場合には、ホストコンピュータ上で利用される情報等が記憶されている。
CPU112は入力部118を介してホストコンピュータとの通信処理が可能となっており、プリンタ内の情報等をホストコンピュータ3000に通知できる。RAM119は、CPU12の主メモリや、ワークエリア等として機能するRAMで、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM119は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。前述したハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ114は、メモリコントローラ(MC)120によりアクセスを制御される。外部メモリ114は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、118は前述した操作パネルで操作のためのスイッチおよびLED表示器等が配されている。
また、外部メモリ114は1個に限らず、複数個備えられ、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていてもよい。更に、図示しないNVRAMを有し、操作パネル1501からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしてもよい。
図2は、プリンタ等の印刷装置が直接接続されているか、あるいはネットワーク経由で接続されているホストコンピュータにおける従来の典型的な印刷処理システムのソフトウエア構成図である。アプリケーション201、グラフィックエンジン202、プリンタドライバ203、およびシステムスプーラ204は、外部メモリ111にプログラムファイルとして保存されたプログラムモジュールである。それらのプログラムモジュールは、実行される場合に、オペレーティングシステム(OS)や、それらを利用する他のモジュールによってRAM102にロードされて実行される。また、アプリケーション201およびプリンタドライバ203は、外部メモリ111であるFDやCD−ROM、あるいは不図示のネットワークを経由して外部ディスク111であるHDに追加することが可能となっている。外部メモリ11に保存されているアプリケーション201はRAM102にロードされて実行されるが、このアプリケーション201からプリンタ500に対して印刷を行う際には、同様にRAM102にロードされ実行可能となっているグラフィックエンジン202を利用して出力(描画)を行う。
アプリケーション201は、ワードプロセシングやスプレッドシート、フォトレタッチ、ドローあるいはペイント、プレゼンテーション、テキスト編集などの機能を提供するアプリケーションプログラムであり、印刷機能を有している。これらアプリケーションは、作成された文書データや画像データなどのアプリケーションデータを印刷するにあたって、オペレーティングシステム(OS)により提供される所定のインターフェースを利用する。すなわち、アプリケーション201は、作成したデータを印刷するために、前記インターフェースを提供するOSの出力モジュールに対して、あらかじめ定められる、OSに依存する形式の出力コマンドを送信する。出力コマンドを受けた出力モジュールは、プリンタ等の出力デバイスが処理可能な形式にそのコマンドを変換し、それを出力する。出力デバイスが処理可能な形式はデバイスの種類やメーカ、機種などによって異なるために、デバイスごとにデバイスドライバが提供されており、OSではそのデバイスドライバを利用してコマンドの変換を行う。OSとしてマイクロソフト社のウインドウズ(登録商標)を利用する場合には、前述した出力モジュールとしてはGDI(Graphic Device Interface)と呼ばれるモジュールが相当する。
グラフィックエンジン202は、オペレーティングシステムとしてたとえばウインドウズ(登録商標)が利用されている場合には、GDIに相当する。グラフィックエンジン202は、印刷装置ごとに用意されたプリンタドライバ203を外部メモリ11からRAM2にロードし、アプリケーション201の出力先をプリンタドライバ203に設定する。そして、例えばウインドウズ(登録商標)においては、グラフィックエンジン202は、アプリケーション201から受け取るGDI(Graphic Device Interface)関数をDDI(Device Driver Interface)関数に変換して、プリンタドライバ203へDDI関数を出力する。
プリンタドライバ203は、グラフィックエンジン202から受け取ったDDI関数に基づいて、プリンタが認識可能な制御コマンド、例えばPDL(Page Description Language)を生成する。生成されたプリンタ制御コマンドは、OSによってRAM102にロードされたシステムスプーラ204を経て、インタフェイス121経由でプリンタ500へ印刷データとして出力される。
<本実施形態の印刷システムの構成>
本実施形態の印刷システムは、図2で示すプリンタとホストコンピュータからなる印刷システムに加えて、更に図3に示すように、アプリケーションからの印刷データを中間コードデータ(保存ファイル)として保存する構成を有する。なお、保存ファイルに含まれるデータについても以下保存ファイルと呼ぶ。
図3は、図2のシステムを拡張したもので、グラフィックエンジン202からプリンタドライバ203へ印刷命令を送る際に、中間コードからなる保存ファイル303を生成する構成をとる。すなわち、アプリケーション201とグラフィックエンジン202との間に、図3に示した印刷データ保存用ドライバ302、保存ファイル303、印刷制御アプリケーション304、印刷アプリケーション305、編集情報ファイル306が挟み込まれている。なお、編集情報ファイルに含まれるデータについても以下編集情報ファイルと呼ぶ。なお、本実施形態においては保存ファイル303と編集情報ファイルとを別個のファイルとしているが、これらは、ファイルが開かれていない状態においては、その一体性を保持するためにアーカイブファイルとして一体とされている。
図3で示すシステムにおいては、保存ファイル303で保存されているデータの内容に対して加工を施すことができる。これによりアプリケーションからの印刷データに対して、拡大縮小や、複数ページを1ページに縮小して印刷する等、アプリケーションの持たない機能を実現することができる。これらの目的のために、図2のシステムに対し、図3の様に中間コードデータでスプールする様、システムの拡張がなされてきている。なお、印刷データの加工を行うためには、通常印刷制御アプリケーション304が提供するウインドウから設定を行い、その設定内容をRAM102上あるいは外部メモリ111上に保管する。
図3に示す通り、この拡張された処理方式では、まず、アプリケーション301からの印刷データは印刷データ保存用ドライバ302を介して保存ファイル303としてシステム上に保存される。この保存ファイル303は中間ファイルとも呼ばれ、印刷物のコンテンツデータや印刷用設定データ等が含まれる。印刷物のコンテンツデータとはユーザがアプリケーション上で作成したデータを中間コードに変換したデータであり、印刷用設定データとはコンテンツデータをどのように出力するか(出力体裁等)を記述したデータである。そのほか、印刷制御アプリケーションにより保存ファイルの内容の編集や出力指示をユーザに行わせる際のユーザインターフェースを提供するための編集情報ファイルというアプリケーション用拡張データが含まれる。
この保存ファイル303を印刷制御アプリケーション304が読み込む。この印刷制御アプリケーション304は読み込んだ保存ファイル303の出力体裁を変更、表示し、保存、印刷することが可能である。実際に印刷のための処理を行うのは印刷アプリケーション(デスプーラ)305である。印刷制御アプリケーション304から印刷命令を受けた印刷アプリケーション(デスプーラ)305は、印刷制御アプリケーション304の設定した出力体裁に従い、GDI関数など、所定の形式でグラフィックエンジン202に対してデータを入力する。グラフィックエンジン202は、入力されたGDI関数形式などのデータをDDI関数に変換して、プリンタドライバ203へDDI関数を出力する。プリンタドライバ203は、グラフィックエンジン202から取得したDDI関数に基づいてページ記述言語等からなるプリンタ制御コマンドを生成し、システムスプーラ204経由でプリンタ500に出力する。
<保存ファイルのデータ形式>
印刷アプリケーション304の詳細に言及する前に、保存ファイルのデータ形式を説明する。保存ファイルは、コンテンツデータとして各原稿ページ(アプリケーションで生成されたページ単位のデータ。論理ページとも呼ぶ。)のデータを含み、印刷用設定データとしてたとえばジョブチケットと呼ばれる形式のデータを含む。さらに、保存ファイルと共に、後述する印刷制御アプリケーションで保存ファイルに含まれる印刷設定情報の設定変更を行うための編集情報ファイルも格納される。保存ファイルにおいては、このPDF形式の原稿ページデータやジョブチケットと呼ばれる形式のデータが中間データということになる。
保存ファイルにおいて、原稿ページデータは、例えばPDF形式などで定義されており、文字の書体や色の指定、原稿ページ内における文字や図形等のレイアウトの情報等が含まれている。
保存ファイルであるジョブチケットは原稿ページを最小単位とする構造を有するデータである。ジョブチケットにおける構造は、用紙上における原稿ページのレイアウトを定義している。1つのジョブチケットは1つの印刷ジョブに対応する。最上位に文書全体のノードがあり、文書全体の属性、例えば両面印刷/片面印刷などが定義されている。その下には、文書の構造および各構成要素ごとの設定を示す情報と含む。具体的には、シート束ノードが属し、用いるべき用紙の識別子や、プリンタにおける給紙口の指定などの属性が含まれる。各シート束ノードには、そのシート束に含まれるシートのノードが属する。1シートは1枚の用紙に相当する。各シートには、印刷ページ(物理ページ)が属する。片面印刷ならば1シートには1物理ページが属し、両面印刷ならば1シートに2物理ページが属する。各物理ページには、その上に配置される原稿ページが属する。また物理ページの属性として、原稿ページのレイアウトが含まれる。原稿ページについては、原稿ページの実体である原稿ページデータへの関連づけ情報(リンク情報)が含まれる。
文書全体の設定については、例えば次のような情報を含む。
(1)物理ページ(印刷媒体のシートの面を指す。)上における原稿ページの配置の情報(Nページを1枚の物理ページに配置するいわゆるNアップ(N−up)印刷の設定等)および順序
(2)ドキュメント名
(3)両面指定の可否
(4)バリアブル印刷(あらかじめ定めた欄の内容を別途用意したデータを埋め込んで印刷する技術)の可否
(5)含まれる原稿ページ数
(6)カラータイプ
(7)部数など
(8)ウオーターマーク(原稿ページまたは印刷ページに重複させる地模様)
(9)プリンタ状態
(10)メディアタイプ
(11)シート上の論理ページ番号リスト
(12)印刷品位など。
シート束ごとの印刷設定については次のようなパラメータを設定できる。
(13)Nアップ印刷の指定
(14)カラータイプ
(15)給紙元など。
各シート束に属するシートごとの印刷設定については次のような設定ができる。
(16)両面/片面印刷の設定。
各シートに属する物理ページ(面)ごとの印刷設定については次の設定ができる。
(17)カラータイプ
(18)表面/裏面のいずれかに相当するかの指定。
各物理ページに配置される原稿ページごとの印刷設定については次の設定ができる。
(19)開始座標
(20)大きさ
(21)順序。
このようにジョブチケットは、原稿ページを最小位とした階層構造を有するデータである。そして、これらジョブチケットにより定義される印刷用設定は、その多くがドキュメント単位で設定される階層ごとに共通なものではあるが、N−up設定やカラータイプのように階層間で共通なものも一部存在する。共通な設定については、下位の階層は、原則としてその上位の階層における同一の設定の値を継承する。ただし、階層間で共通な属性が異なる値を有している場合には、注目階層について設定された値が、その属性の値として用いられる。たとえば、カラータイプの設定は、ドキュメント全体とシート束(シートのくくり)、物理ページ(面あるいは印刷ページとも呼ぶ)について設定することができる。カラータイプは、印刷装置におけるモードを指定する設定であり、モノクロモードが設定されれば印刷装置によりモノクロームで印刷させ、カラーモードが設定されればカラーで印刷させるように、印刷データが生成される。
<編集情報ファイルにより管理される文書構造>
印刷制御アプリケーション304は、保存ファイルに含まれるデータを様々な方法でユーザに指定させ、また、印刷設定を変更させるためのユーザインターフェースを提供するプログラムである。保存ファイル自体は上述した構造を有するファイルであるが、印刷制御アプリケーション304は、保存ファイルを管理するためにさらに前述した編集情報ファイルを、保存ファイルと対応付けて管理している。その編集情報ファイルに含まれる編集情報により、印刷制御アプリケーション304は、保存ファイル、例えばジョブチケットで定義されるドキュメントとは独立した管理構造で文書を管理する。その管理構造は、ジョブチケットと類似した階層構造であるが、ジョブチケットと異なり、上位から「ブック」「章」「原稿(論理)ページ」という階層からなる。このうち原稿ページはジョブチケットでいうところの原稿ページと同じものを指す。また章は、シート束(シートのくくり)に対応する。
ユーザインターフェースとして表示される仮想的なファイルは、保存ファイル303のように恒久的に保存され管理されるファイルではなく、ユーザが、印刷制御アプリケーション304を用いて保存ファイルの印刷用設定の変更や印刷指示等を行う際に一時的にユーザインターフェースのために構築される。したがって、印刷制御アプリケーション304は、保存ファイル303を対応する編集情報ファイル306とともに開き、その保存ファイルから編集情報で定義される構造を有した仮想的なブックファイルを構築して後述するようにユーザインターフェースとして表示する。そして、ユーザがユーザインターフェースを介してブックファイルを参照しながら印刷設定の変更を行うと、その設定は、編集情報ファイルに反映される。
ここで、一時的に印刷制御アプリケーションにより構築されるブックファイル、すなわち編集情報ファイルにより定義されるデータ形式について説明する。
ブックファイルは、紙媒体の書物を模した3層の層構造を有する。上位層は「ブック」と呼ばれ、1冊の本を模しており、そのブック全般に係る属性が定義されている。その下の中間層は本でいう章に相当し、やはり「章」と呼ばれる。各章についても、章ごとの属性が定義できる。下位層は「ページ」であり、アプリケーションプログラムで定義された各原稿ページ(すなわち論理ページ)に相当する。各原稿ページついても原稿ページごとの属性が定義できる。ひとつのブックは複数の章を含んでいてよく、また、ひとつの章は複数の原稿ページを含むことができる。なお以下の説明では原稿ページについては単にページと呼ぶ。
図16(A)は、編集情報ファイルで定義されるブックファイルの形式の一例を模式的に示す図である。すなわち、図16(A)は、編集情報データの内容を模式的に示す図でもある。この例の編集情報ファイルにおいて、ブック、章、ページは、それぞれに相当するノードにより示されている。ひとつの編集情報ファイルはひとつのブックを含む。ブック、章は、ブックとしての構造を定義するための概念であるから、定義された属性値と下位層へのリンクとをその実体として含む。ページは、印刷されるデータを作成したアプリケーションプログラムによって出力されたページごとのデータを実体として有する。ページの実体は、保存ファイル303に含まれるPDF形式等の原稿ページデータである。すなわち、編集情報ファイルはブックファイルの形式および属性を定義するだけで、原稿ページデータそのものは含まない。
図16(A)において、ブック301には、ブック属性が定義されるているとともに、2つの章302A,302Bがリンクされている。このリンクにより、章302A,302Bがブック301に包含されていることが表示される。章302Aには、原稿ページ303A,303Bがリンクされ、これら原稿ページが章302Aに含まれることが示されている。各原稿ページ303A,303Bにはそれぞれ属性値が定義されている。そして、その実体である原稿ページデータ(1)、(2)へのリンクが含まれる。これらリンクは、図16(B)に示した保存ファイルに含まれる原稿ページデータ304のデータ(1),(2)に対応し、ページ303A、303Bの実体が、原稿ページデータ(1)、(2)であることを表示する。
図17は、ブック属性のリストである。下位層と重複して定義可能な項目に関しては、下位層の属性値が優先採用される。そのため、ブック属性にのみ含まれる項目に関しては、ブック属性に定義された値はブック全体を通して有効な値となる。しかし、下位層と重複する項目については、下位層において定義されていない場合における既定値としての意味を有する。なお、図示された各項目は具体的に1項目に対応するのではなく、関連する複数の項目を含むものもある。
図18は章属性の、図19はページ属性のリストである。章属性とページ属性との関係もブック属性と下位層の属性との関係と同様である。
ブック属性に固有の項目は、印刷方法、製本詳細、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りの6項目である。これらは、ブックを通して定義される項目である。印刷方法設定は、片面印刷、両面印刷、製本印刷の3つの値を指定できる。製本印刷とは、別途指定する枚数の用紙を束にして2つ折りにし、その束をつづり合わせることで製本が可能となる形式で印刷する方法である。製本詳細設定は、製本印刷が指定されている場合に、見開き方向や束になる枚数等が指定できる。表紙/裏表紙設定は、ブックとしてまとめられる原稿ページデータを印刷する際に、表紙および裏表紙となる用紙を付加することの指定等を含む。インデックス紙設定および合紙設定は、章の区切りとして、印刷装置にインデックス紙や合紙を挿入するための設定である。章区切り設定は、章の区切り目において、新たな用紙を使用するか、新たな印刷ページを使用するか、特に何もしないか等の指定を含む。
章属性に関しては、章に固有の項目はなく、すべてブック属性と重複する。したがって、章属性における定義とブック属性における定義とが異なれば、章属性で定義された値が優先する。ブック属性と章属性とにのみ共通する項目は、用紙サイズ、用紙方向、N−up印刷指定、拡大縮小、排紙方法の5項目である。
N−up印刷指定は、1印刷ページに含まれる原稿ページ数を指定するための項目である。指定可能な配置としては、1×1や1×2、2×2、3×3、4×4などがある。排紙方法属性は、排出した用紙にステイプル処理を施すか否かを指定するための項目であり、この属性の有効性は使用する印刷装置がステイプル機能を有するか否かに依存する。
ページ属性に固有の項目には、ページ回転設定、ズーム、配置指定、アノテーション、ページ分割などがある。ページ回転設定は、原稿ページを印刷ページに配置する際の回転角度を指定するための項目である。ズーム設定は、原稿ページの変倍率を指定するための項目である。変倍率設定は、仮想論理ページ領域のサイズを100%として指定される。仮想論理ページ領域とは、原稿ページを、N−up等の指定に応じて配置した場合に、1原稿ページが占める領域である。
ブック、章、ページについて共通な属性として、ウォーターマーク属性およびヘッダ・フッタ属性、カラータイプがある。ウォーターマークとは、アプリケーションで作成されたデータに重ねて印刷される、別途指定される画像や文字列などである。ヘッダ・フッタは、それぞれ各ページの上余白および下余白に印刷されるウォーターマークである。カラータイプは、印刷装置におけるモードを指定する設定であり、モノクロモードが設定されれば印刷装置によりモノクロームで印刷させ、カラーモードが設定されればカラーで印刷させるように、印刷データが生成される。
なお、ブック(ドキュメント)全体の設定と異なる設定を章や原稿ページについて行う場合には、「例外設定」であることを示すためのフラグも、各印刷設定項目に含まれる。
<編集情報ファイルの生成手順>
編集情報ファイルは上述したような構造および内容を有している。次に、印刷制御アプリケーション304および印刷データ保存用ドライバ302によって編集情報ファイルを作成する手順を説明する。編集情報ファイルの作成は、印刷制御アプリケーション304による編集情報ファイルの編集操作の一環として実現される。図20は、印刷制御アプリケーション304により編集情報ファイルを開く際の手順である。
まず、開こうとする編集情報ファイルが、新規作成すべきものであるか、それとも既存のものであるか判定する(ステップS701)。新規作成の場合には、章を含まない編集情報ファイルを新規に作成する(ステップS702)。新規に作成される編集情報ファイルは、図16(A)の例で示せば、ブックノード301のみ有し、章のノードに対するリンクが存在しないブックのノードとなる。ブック属性は、新規作成用としてあらかじめ用意された属性のセットが適用される。そして、新規編集情報ファイルを編集するためのユーザインターフェース(UI)画面を表示する(ステップS704)。新規に編集情報ファイルが作成された際のUI画面では、図9のUI画面1100の内容をすべて空白にしたものとなる。
一方、既存の編集情報ファイルがあれば、指定された編集情報ファイルを開き(ステップS704)、その編集情報ファイルの構造、属性、内容に従ってデータを展開してユーザインターフェース(UI)画面を表示する。なおRAM102に展開されるデータもまた図16(A)と同様の構成をとる。そして、各階層のノードに含まれる属性も、図17〜図19に示す形式でRAM102に展開される。これら属性項目は、たとえばその構造はポインタ等を用いて実現し、また属性における項目は、項目ごとの識別子等によって識別することができる。図9は、このUI画面の一例である。UI画面1100は、ブックの構造を示すツリー部1101と、印刷された状態を表示するプレビュー部1102とを含む。ツリー部1101には、ブックに含まれる章、各章に含まれるページが、図16(A)のような木構造で表示される。ツリー部1101に表示されるページは原稿ページである。プレビュー部1102には、印刷ページの内容が縮小されて表示される。その表示順序は、ブックの構造を反映したものとなっている。
さて、開かれた編集情報ファイルには、印刷データ保存用ドライバ302によって中間形式の原稿ページデータを、新たな章として追加することができる。この機能をインポート機能と呼ぶ。図20の手順によって新規に作成された編集情報ファイルにアプリケーションデータをインポートすることで、原稿ページデータが編集情報ファイルの章の下に属するものとして対応付けられ、編集情報ファイルに実体が与えられる。この機能は、図9の画面にアプリケーションデータをドラッグアンドドロップ操作することで起動される。図21にインポート処理の手順を示す。
まず、指定されたアプリケーションデータを生成したアプリケーションプログラムを起動し、デバイスドライバとして印刷データ保存用ドライバ302を指定してアプリケーションデータを印刷出力させることで、中間形式のデータ(たとえばPDF形式)に変換する(ステップS801)。変換を終えたなら、変換されたデータが画像データであるか否かを判定する(ステップS802)。この判定は、ウインドウズ(登録商標)OSの下であれば、アプリケーションデータのファイル拡張子に基づいて行うことができる。例えば、拡張子が「bmp」であればウインドウズ(登録商標)ビットマップデータであり、「jpg」であればjpeg圧縮された画像データ、「tiff」であればtiff形式の画像データであると判定できる。
画像データでなかった場合には、ステップS801で生成された中間データを、現在開かれている編集情報ファイルのブックに、新たな章として追加する(ステップS803)。すなわち、インポートにより新たな章とそれに属する新たな原稿ページが追加される。そして、各ページノードには、原稿ページの実体に対するリンク情報を書き込む。原稿ページの実体は印刷データ保存用ドライバ302により生成されたものが使用される。
なおインポートされた場合、章属性としては、ブック属性と共通するものについてはブック属性の値がコピーされ、そうでないものについては、あらかじめ用意された規定値に設定される。また、保存ファイルの文書全体についての属性と共通するものについては、それを引き継ぐようにすることもできる。
インポートされたアプリケーションデータが画像データである場合には、原則として新たな章は追加されず、指定されている章に画像データが1ファイルを1原稿ページとして追加される(ステップS804)。ただし、編集情報ファイルが新規作成された空のファイルであれば、新たな章が作成されて、その章に属する原稿ページとして画像データが追加される。その場合ページ属性は、上位層の属性と共通のものについてはその属性値が与えられ、アプリケーションデータにおいて定義された属性を保存ファイルに引き継いでいるものについてはその値が与えられる。例えば、N−up指定などがアプリケーションデータにおいてされていた場合には、その属性値が引き継がれる。このようにして、新規な編集情報ファイルが作成され、あるいは、新規な章が追加される。
また、保存ファイルについても、追加された原稿ページデータは、印刷データ保存用ドライバで生成されたデータが、既存の保存ファイルに対する追加であれば、新たに付加されて保存される。その際、アプリケーションで指定された印刷設定が、印刷データ保存用ドライバで生成されたデータに反映されている場合には、その印刷設定を保存ファイルに反映することもできる。
図22は、図21のステップS801において、印刷データ保存用ドライバ302により保存ファイルを生成させる手順を示すフローチャートである。まず、新たな保存ファイルを作成してそれを開く(ステップS901)。指定したアプリケーションデータに対応するアプリケーションを起動し、印刷データ保存用ドライバ302をデバイスドライバとして、OSの出力モジュール(例えばウインドウズのGDI)に対して出力コマンドを送信させる。出力モジュールは、受信した出力コマンドを印刷データ保存用ドライバ302によって所定の形式(例えばPDF形式)のデータに変換し、出力する(ステップS902)。出力先はステップS901で開いた保存ファイルである。指定されたデータすべてについて変換が終了したか判定し(ステップS903)、終了していれば保存ファイルを閉じる(ステップS904)。印刷データ保存用ドライバ302によって生成される保存ファイルは、図16(A)にしめす構造と、図16(B)に示した原稿ページデータの実体を含むファイルである。
<編集情報ファイルの編集>
以上のようにして、アプリケーションデータから編集情報ファイルを作成することができる。生成された編集情報ファイルについては、章及びページに対して次のような編集操作が可能である。
(1)新規追加
(2)削除
(3)コピー
(4)切り取り
(5)貼り付け
(6)移動
(7)章名称変更
(8)ページ番号名称振り直し
(9)表紙挿入
(10)合紙挿入
(11)インデックス紙挿入
(12)各原稿ページに対するページレイアウト。
(13)カラーモードの設定
カラーモードの設定については、ブックに対しても可能である。このほか、いったん行った編集操作を取り消す操作や、さらに取り消した操作をやり直す操作が可能である。これら編集機能により、例えば複数の編集情報ファイルの統合、編集情報ファイル内で章やページの再配置、編集情報ファイル内で章やページの削除、原稿ページのレイアウト変更、合紙やインデックス紙の挿入などといった編集操作が可能となる。これらの操作を行うと、図4乃至図6に示す属性に操作結果が反映されたり、あるいは編集情報ファイルの構造に反映される。たとえば、ブランクページの新規追加操作を行えば、指定された箇所にブランクページが挿入される。このブランクページは原稿ページとして扱われる。また、原稿ページに対するレイアウトを変更すれば、その変更内容は、印刷方法やN−up印刷、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りといった属性に反映される。
<編集情報ファイルの出力>
以上のように作成・編集される編集情報ファイルは印刷出力を最終目的としている。利用者が図9に示す印刷制御アプリケーションのUI画面1100からファイルメニューを選択し、そこから印刷を選択すると、指定した出力デバイスにより印刷出力される。この際、まず印刷制御アプリケーション304は、現在開かれている編集情報ファイルおよび対応する保存ファイル(例えばジョブチケット)からデスプールテーブルを作成してデスプーラ305に渡す。この手順は後で詳述する。デスプーラ305は、保存ファイルをOSの出力コマンド、例えばウインドウズのGDIコマンドに変換し、それをグラフィックエンジンであるGDIに送信する。グラフィックエンジン202は、指定されたプリンタドライバ203によってデバイス(例えばプリンタ)に適したコマンドを生成し、そのデバイスに送信する。
<印刷制御アプリケーションによる処理手順>
図5〜図15は本発明に係る画像処理システムを特徴付ける部分の印刷制御アプリケーション304、印刷アプリケーション(デスプーラ)305における処理手順のフローチャート等を示した図である。これを用い、本画像処理システムのホストコンピュータによる処理フローを説明する。
図5、図6は印刷制御アプリケーション304、図7、図8は印刷アプリケーション305の大まかなフローを表している。また、図9は印刷制御アプリケーション304においてブックファイルを開いた際のユーザインターフェース画面例であり、図10〜図13はその画面において印刷指示等の操作を促すユーザインターフェースを例示した図である。図9においては、編集情報ファイルにより、章間のインデックス紙の挿入がされているため、インデックス紙も縮小表示されている。
印刷制御アプリケーション304は、上述したように編集情報ファイルを新規に作成し、あるいは既存の編集情報ファイルを指定して開くことができる。ここではメモリに展開された編集情報ファイルを編集情報データと呼ぶことにする。この展開の際に、編集情報ファイルおよび保存ファイルに基づいて表示されるのが図9である。
図9において、ユーザが「印刷体裁」欄1111を選択すると、「ドキュメントの詳細設定」「章の詳細設定」「ページの詳細設定」の各欄を含むポップアップメニューが表示される。その欄においては、文書全体、章、原稿ページそれぞれについて、属性の設定を行うことができる。そして、ポップアップメニューから「ドキュメントの詳細設定」「章の詳細設定」「ページの詳細設定」が指定された場合に表示されるユーザインターフェース画面が、図11〜図13それぞれの画面である。章および原稿ページについては、ドキュメントと異なる設定を行うための例外設定のチェックボックス1201,1301が用意されており、それがチェックされた場合には、例外設定としてモノクロとフルカラーの選択ができる。ユーザが例外設定のチェックボックスをチェックすると、「例外設定」であることを示すフラグがセットされて、編集情報データの一部として格納される。例外設定がされた場合に、フルカラー/モノクロのいずれかについてラジオボタンが指定できる。さらにドキュメント全体(ブック)については、フルカラーとモノクロの自動切り替えの選択が可能となっている(図11参照)。ユーザがこれらのいずれかについて例外設定チェックボックスおよびラジオボタンを指定すると、例外設定フラグおよび指定されたボタンに応じた値が、RAM102に展開された編集情報ファイルのデータ、すなわち、図16(A)におけるブック属性(図17)、章属性(図18)、ページ属性(図19)について、「カラータイプ」項目の値として設定される。
このようにして、ユーザは、図9のユーザインターフェース画面においてカラー、モノクロの指示等を、ブック、章、ページの単位で指定することで行える。
一方、図9の「ファイル」欄1112が選択されると、「印刷」欄を含むポップアップが表示される。そこで「印刷」が指定されると、図10の画面が表示される。図10においてOKボタン1001が押されると、それを印刷指示として、印刷データの出力が開始される。
図5は、印刷制御アプリケーション304により実行される手順である。実際には、ユーザからの入力があるとそれが何の指示内容の分析につづいて、指示内容に即した処理が行われることになるが、図5では指示内容の分析を印刷指示にのみ便宜的に限定している。
図5において、まず、ユーザから何らかのUI上での指示があった場合、それが印刷指示があるかの判定処理がステップ501で行われる。ここでは図9および図10で示されるUI上から印刷の指示がされたとする。すると、カラー、モノクロ指示(カラータイプ)を含むデスプールテーブルの作成処理502が行われる。デスプールテーブルは、図14で示すような構造になっており、印刷アプリケーションに対する印刷情報を指示するテーブルである。ステップ502においては、カラー、モノクロ指示を含むデスプールテーブルが作成される。
図14は、保存ファイルを元に作成されたデスプールテーブルの一例である。デスプールテーブルはRAM102上に展開される。保存ファイルには、本実施形態ではジョブチケットという印刷用設定のデータが含まれるが、デスプールテーブルは、そのジョブチケットと同様の構造および各層における印刷設定、原稿ページへの関連づけを含む。すなわち、部数やカラータイプなどドキュメント全体に有効な印刷設定1400の下に、Nアップ印刷の指定やカラータイプなどシート束(シートのくくり)で有効な印刷設定1410,1420があり、各シート束に属するシートごとに、両面/片面指定などの印刷設定1411,1412,1413があり、各シートに属する物理ページ(面)ごとに、カラータイプや表面/裏面のいずれかに相当するかの指定などの印刷設定1411aがある。図14には詳細を示さないが、各層の印刷設定には設定可能な項目が含まれている。デスプールテーブルの設定はデバイスの仕様に従い、物理ページでの指定となっている。
次に、ステップ503において、印刷アプリケーション(デスプーラ)305への印刷指示処理が行われる。これは、デスプールテーブルの内容に従い印刷を行うように、印刷アプリケーション(デスプーラ)に指示を行う処理である。印刷制御アプリケーション304は、作成したデスプールテーブルとともに、印刷対象の面を特定するための物理ページを特定するデータおよび印刷対象の原稿ページデータを、印刷アプリケーション305に渡して、GDI関数のパラメータへと変換させる。
ここで、ステップ502の処理は、デスプールテーブルを作成し、図11〜図13のUI画面においてなされた指定に従って、カラー、モノクロ情報をカラータイプの項目の値として書き込む処理である。図6に、デスプールテーブルを展開した後、その印刷設定のひとつであるカラータイプについて、印刷制御アプリケーション304における指定に基づいて再設定する処理手順を示す。
図6においてはUIにより設定された編集情報データを参照する。まず、編集情報データの原稿ページノードの属性を調べて、各シート(用紙)内にページの例外設定でカラー設定がされているか論理ページが含まれるかの判定処理601が行われる。印刷制御アプリケーションは図13で示すUIより、ページの詳細設定で例外設定として各ページのカラーの設定をすることができる。ステップ601では、論理ページの例外設定としてカラー設定がされているページを判定する。ただし、この設定は論理ページへの設定であり、デスプールテーブルへの設定はデバイスの仕様に従い、物理ページでの指定となっている。このため、ある論理ページでモノクロの指定であっても、この論理ページと同一の物理ページに含まれる他の論理ページに、例外設定としてフルカラー設定がされているものがないかを判定する必要がある。また、両面時であれば、その裏面についてもカラー設定がされていないかを判定して初めて、同一用紙内にページの例外設定でフルカラー設定がされているかの判定がされる。なお、ある論理ページが、どのシート上に配置されるかについては、デスプールテーブルあるいはジョブチケットを参照することで、判定できる。ステップ601でページ例外設定でフルカラーが設定されていれば、ステップ606に分岐する。ステップ606では、デスプールテーブルにおいて、ページ例外設定としてフルカラーが設定されたすべての論理ページが含まれるシートごとに、その印刷設定のカラータイプとして“フルカラー”である旨が書き込まれる。
一方、ステップ601で例外設定としてカラー設定がされた論理ページがないと判定された場合、次に、同一用紙内にページの例外設定でモノクロ設定がされているかの判定処理602が行われる。ステップ601と同様に、モノクロの例外設定がされていないかを判定する処理である。ここでモノクロの例外設定がされていたら、以降の判定処理は行わずに、モノクロ情報のデスプールテープルへの書き込み処理607が行われる。ステップ607では、デスプールテーブルにおいて、ページ例外設定がされたすべての論理ページが配置されるシートごとにカラータイプとして“モノクロ”である旨が書き込まれる。
ステップ602でモノクロ例外設定がされていないと判定された場合には、次に、章の例外設定としてカラーの設定がされているかの判定処理602が行われる。印刷制御アプリケーションでは、原稿ページについてと同様に、図12で示すUIより、章の詳細設定で各章のカラー設定をすることができる。同一用紙内にページの例外設定でカラー設定がされているかの判定処理601で設定されていないと判定されても、ページの例外設定として、モノクロが設定されていなければ、章の設定でカラー設定がされている場合はカラー設定とするためである。章の例外設定としてフルカラー設定がされている場合には、ステップ606に分岐する。ステップ606では、デスプールテーブルにおいて、章の例外設定としてフルカラーが設定されたすべての章に対応するシート束(しーとのくくり)ごとに、その印刷設定のカラータイプとして“フルカラー”である旨が書き込まれる。
章の例外設定としてカラーの設定がされていないと判定された場合には、章の例外設定としてモノクロの設定がされているかの判定処理604が行われる。これも、同様に、章にモノクロの例外設定がされていないかを判定する処理である。ここでモノクロの例外設定がされていたら、以降の判定処理は行わずに、モノクロ情報のデスプールテープルへの書き込み処理607が行われる。ステップ607では、デスプールテーブルにおいて、章の例外設定としてモノクロが設定されたすべての章に対応するシート束(しーとのくくり)ごとに、その印刷設定のカラータイプとして“モノクロ”である旨が書き込まれる。
ステップ605において、モノクロ設定がされていないと判定された場合には、ドキュメントの詳細設定でカラーの設定がされているかの判定処理が行われる。つまり、ここまでページ、章の例外設定がされていない時、初めてドキュメントの詳細設定に従って、カラー、モノクロの設定を書き込むということである。これらはカラー情報のデスプールテープルへの書き込み処理606、モノクロ情報のデスプールテープルへの書き込み処理607によって行われる。この場合には書き込まれるのはドキュメントの印刷設定におけるカラータイプである。
シート束(くくり)について印刷設定が書き込まれたデスプールテーブルを例示した図が図15である。図15においては、シートのくくりで有効な印刷設定について“フルカラー”1510や“モノクロ”1520といった設定値が書き込まれる。なお、図15においては、設定値はカラータイプ以外は省略されている。
以上の手順で作成されたデスプールテーブルが、各原稿ページのデータや、印刷対象となる範囲の指定と共に印刷アプリケーションに渡される。
<印刷アプリケーションによる処理手順>
以下、印刷アプリケーション(デスプーラ)305が、印刷制御アプリケーションから印刷指示処理を受けた動作を説明する。
まず、デスプールテーブル読み込み処理701が行われる。これは、図5および図6の手順で作成されたデスプールテーブルを印刷アプリケーション(デスプーラ)305で読み込む処理である。ドキュメント全体に有効な印刷設定、シートのくくりで有効な印刷設定、シートに有効な印刷設定、物理ページに有効な印刷設定が順次読み込まれる。読み込んだ後は、これら印刷設定を保持し、デスプールテーブルで示される物理ページ(印刷ページ)の単位で順に着目して、ステップ702以降の処理を行う。またデスプールテーブルと共に、印刷範囲の物理ページを特定するための情報が印刷制御アプリケーションから渡される。この情報は印刷制御アプリケーション304のユーザインターフェースを介してユーザに指定されたものを、物理ページ単位に変換したものである。変換は、シート束やシート、物理ページと、章や論理ページとの対応付けから容易に行うことができる。
図15には、読み込まれたシートのくくりで有効な印刷設定の中にカラー、モノクロ印刷指示(カラータイプ)が含まれている。判定処理702では、注目物理ページについて、このような、ドキュメント全体やシートのくくりあるいは物理ページごとに設定されたカラータイプを判定する。ステップ702においては、注目物理ページについて、フルカラー指示があると判定されれば、次のカラーコマンド送信準備処理703が行われる。注目物理ページについてフルカラーの指示があるとは、その注目物理ページについてフルカラーの設定がされているか、あるいはその注目物理ページを含むシート束あるいはドキュメント全体について、フルカラーの設定がされている場合である。一方、注目物理ページについてカラー指示がされていない場合には、ステップ704に分岐する。
カラーコマンド送信準備処理703は、後の印刷モードコマンド送信処理705に先立ち事前に行う処理である。具体的には図8で示されるシーケンスで行われる。モノクロコマンド送信準備処理704も後の印刷モードコマンド送信処理705に先立ち事前に行う処理である。これもまた具体的には図8で示されるシーケンスで行われる。
図8において、デバイス、例えばプリンタの能力情報を取得する能力取得処理801が行われる。これはデバイスによっては印刷モードの変更に対応していない可能性があるため、デバイスに対して、印刷モードの変更処理に対応しているか否かを問い合わせる処理である。すなわち、印刷モードを変更するための印刷モード変更コマンドを、ひとつのジョブの中において処理できるか否かをプリンタに問い合わせる。もちろん、カラーの印刷ができないデバイスについても同様である。これはプリンタドライバを通じて行われる。なおこの判定は、プリンタドライバやOSがデバイスについての機能情報を保持している場合には、その機能情報を参照して行うこともできる。
その後、取得した能力情報を参照して、使用するデバイスが印刷モード変更コマンドに対応しているかの判定処理802が行われる。判定処理802において印刷モードの変更に対応する能力があると判定された場合、注目物理ページについて、カラーコマンドあるいはモノクロコマンドを含む、印刷モード変更コマンドの作成処理が行われる。ステップ703において実行される場合には、ステップ803では、フルカラーへのカラーモードの変更を指示する印刷モード変更コマンド(カラーコマンド)を含む印刷指示を作成するためのデータが作成される。
一方、ステップ704において実行される場合には、ステップ803ではモノクロへのカラーモードの変更を指示する印刷モード変更コマンド(モノクロコマンド)を含む印刷指示作成のためのデータが作成される。
ここで印刷指示とは、アプリケーションがグラフィックエンジンを通じてドライバ経由でデバイスに指示するための構造体である。この印刷指示もデバイスに依存するため、グラフィックエンジン202によりドライバ203を通じて作成される。そのために、印刷アプリケーション305は、グラフィックエンジン202により処理させるためのデータをステップ803および804で作成する。ここで作成されるデータは、グラフィックエンジンを介して印刷を行うアプリケーションプログラムが作成するデータと同様である。すなわち、印刷アプリケーションは、印刷制御アプリケーションにより印刷対象として指定されたページやその印刷設定を、グラフィックエンジンに渡すデータ形式とする。
ステップ705に戻ると、ここでグラフィックエンジン202を呼び出して、印刷指示を作成させる。
ウインドウズ(登録商標)におけるグラフィックエンジンであるGDIは、ディスプレイカードやプリンタに対する画像情報の処理を司っている。GDIは、ディスプレイカードやプリンタといった各デバイス毎の依存性を吸収するためにデバイスドライバと呼ばれるモジュールを動的にリンクし、それぞれのデバイスに対する出力処理を行う。プリンタに対するこのデバイスドライバがプリンタドライバ203である。このプリンタドライバ203には、その能力や機能などに応じてあらかじめデバイスドライバに実装することが決められているDDI(Device Driver Interface)と呼ばれる基本関数群が用意されている。印刷アプリケーションによるAPI(Application Programing Interface)コールをGDIがデバイスドライバ用にデータ変換を行い、このDDI関数群が適宜GDIからコールされて前述した印刷指示が生成され、スプーラ204を経てプリンタ500に送信される。GDIでは、このようにプリンタドライバを介して印刷アプリケーション305からの印刷要求をシーケンシャルに処理している。プリンタドライバ203は、プリンタ500が、PDL(Printer Description Language)と呼ばれる印刷モードコマンドを処理可能なコントローラを搭載するプリンタであれば、抽象度の高い描画情報をPDLに置き換える処理を行う。もちろんこの印刷モードコマンドに、カラーコマンドやモノクロコマンドも含まれる。
このように、ステップ803、804では、グラフィックエンジン202に対して処理させるデータを作成する処理を行い、ステップ705でGDIにより処理を遂行させる。
最後に、注目ページが印刷指示された最後の物理ページであるか判定し、最後でなければ注目ページを次に写して(707)、ステップ701から繰り返す。
グラフィックエンジン202およびプリンタドライバ203により作成された印刷モードコマンドは、プリンタドライバ2032により出力されてスプーラ204にいったん保持される。そして、スプーラ204から、印刷モードコマンドの生成処理とは非同期にプリンタに500対して送信される。これは、印刷指示をデバイスに送信する処理である。
プリンタ500においては、カラーコマンドやモノクロコマンドが送信されてくれば、そのコマンドに従ってカラーモードを変更し、実際の画像形成処理を行う。
以上の構成により、本実施形態の印刷システムは、アプリケーションが作成した複数ページの文書に対して、ユーザが所望するページをカラー印刷またはモノクロ印刷の指定を行えるようにし、ユーザの指定した印刷処理を行うことが可能な仕組みを提供することができる。
より具体的には、印刷制御アプリケーションにより、ページ単位やあるいは章単位のカラー/モノクロの例外設定を行わせ、1回の出力動作の中で、ページ単位あるいは章単位で、プリンタにおけるカラー/モノクロ印刷のモードを切り換えることができる。
このため、モノクロで印刷させたいページはモノクロで印刷させることができ、そのページに対する消耗品や課金を節約できる。 また、印刷後の出力物の整理等も、プリンタの有する付加的機能を利用して行わせることができる。
<プリンタの構成>
図4は、プリンタ500の一例である両面印刷機能を有するカラーレーザプリンタの断面図である。
このプリンタはホストコンピュータ3000より入力した印刷データに基づいて得られる各色毎の画像データで変調されたレーザ光をポリゴンミラー31により感光ドラム15を走査して静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナー現像して可視画像を得、これを中間転写体9へ全色について多重転写してカラー可視画像を形成する。そして更に、このカラー可視画像を転写材2へ転写し、転写材2上にカラー可視画像を定着させる。以上の制御を行う画像形成部は、感光ドラム15を有するドラムユニット、接触帯電ローラ17を有する一次帯電部、クリーニング部、現像部、中間転写体9、用紙カセット1や各種ローラ3、4、5、7を含む給紙部、転写ローラ10を含む転写部及び定着部25によって構成されている。
ドラムユニット13は、感光ドラム(感光体)15と感光ドラム15のホルダを兼ねたクリーニング機構を有するクリーナ容器14とを一体に構成したものである。このドラムユニット13はプリンタ本体に対して着脱自在に支持され、感光ドラム15の寿命に合わせて容易にユニット交換可能に構成されている。上記感光ドラム15はアルミシリンダの外周に有機光導電体層を塗布して構成し、クリーナ容器14に回転可能に支持されている。感光ドラム15は、図示しない駆動モータの駆動力が伝達されて回転するもので、駆動モータは感光ドラム15を画像形成動作に応じて反時計回り方向に回転させる。感光ドラム15の表面を選択的に露光させることにより静電潜像が形成されるように構成されている。スキャナ部30では、変調されたレーザ光を、モータ31aにより画像信号の水平同期信号を同期して回転するポリゴンミラーにより反射し、レンズ32、反射鏡33を介して感光ドラムを照射する。
現像部は、上記静電潜像を可視画像化するために、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の現像を行う3個のカラー現像器20Y、20M、20Cと、ブラック(B)の現像を行う1個のブラック現像器21Bとを備えた構成を有する。カラー現像器20Y、20M、20C及びブラック現像器21Bには、スリープ20YS、20MS、20CS及び21BSと、これらスリープ20YS、20MS、20CS、21BSそれぞれの外周に圧接する塗布ブレード20YB、20MB、20CB及び21BBとがそれぞれ設けられる。また3個のカラー現像器20Y、20M、20Cには塗布ローラ20YR、20MR、20CRが設けられている。
また、ブラック現像器21Bはプリンタ本体に対して着脱可能に取り付けられており、カラー現像器20Y、20M、20Cは回転軸22を中心に回転する現像ロータリー23にそれぞれ着脱可能に取り付けられている。
ブラック現像器21Bのスリープ21BSは感光ドラム15に対して例えば300μm程度の微小間隔を持って配置されている。ブラック現像器21Bは、器内に内蔵された送り込み部材によってトナーを搬送すると共に、時計回り方向に回転するスリープ21BSの外周に塗布ブレード21BBによって塗布するように摩擦帯電によってトナーへ電荷を付与する。また、スリープ21BSに現像バイアスを印加することにより、静電潜像に応じて感光ドラム15に対して現像を行って感光ドラム15にブラックトナーによる可視画像を形成する。
3個のカラー現像器20Y、20M、20Cは、画像形成に際して現像ロータリー23の回転に伴って回転し、所定のスリープ20YS、20MS、20CSが感光ドラム15に対して300μm程度の微小間隔を持って対向することになる。これにより所定のカラー現像器20Y、20M、20Cが感光ドラム15に対向する現像位置に停止し、感光ドラム15に可視画像が作成される。
カラー画像形成時には、中間転写体9の1回転毎に現像ロータリー23が回転し、イエロー現像器20Y、マゼンダ現像器20M、シアン現像器20C、次いでブラック現像器21Bの順で現像工程がなされ、中間転写体9が4回転してイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのそれぞれのトナーによる可視画像を順次形成し、その結果フルカラー可視画像を中間転写体9上に形成する。
中間転写体9は、感光ドラム15に接触して感光ドラム15の回転に伴って回転するように構成されたもので、カラー画像形成時に時計回り方向に回転し、感光ドラム15から4回の可視画像の多重転写を受ける。また、中間転写体9は画像形成時に後述する転写ローラ10が接触して転写材2を挟持搬送することにより転写材2に中間転写体9上のカラー可視画像を同時に多重転写する。中間転写体の外周部には、中間転写体9の回転方向に関する位置を検知するためのTOPセンサ9a及びRSセンサ9bと、中間転写体に転写されたトナー像の濃度を検知するための濃度センサ9cが配置されている。
転写ローラ10は、感光ドラム15に対して接離可能に支承された転写帯電器を備えたもので、金属軸を中抵抗発泡弾性体により巻回することによって構成されている。
転写ローラ10は、図4に実線で示すように中間転写体9上にカラー可視画像を多重転写している間は、カラー可視画像を乱さぬように下方に離開している。そして、上記中間転写体9上に4色のカラー可視画像が形成された後は、このカラー可視画像を転写材2に転写するタイミングに合わせてカム部材(不図示)により転写ローラ10を図示点線で示す上方に位置させる。これにより転写ローラ10は転写材2を介して中間転写体9に所定の押圧力で圧接すると共に、バイアス電圧が印加され、中間転写体9上のカラー可視画像が転写材2に転写される。
定着部25は、転写2を搬送させながら、転写されたカラー可視画像を定着させるものであり、転写材2を加熱する定着ローラ26と転写材2を定着ローラ26に圧接させるための加圧ローラ27とを備えている。定着ローラ26と加圧ローラ27とは中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ28、29が内蔵されている。即ち、カラー可視画像を保持した転写材2は定着ローラ26と加圧ローラ27とにより搬送されると共に、熱及び圧力を加えることによりトナーが表面に定着される。
可視画像定着後の転写材2は、その後排紙ローラ34、35、36によって排紙部37へ排出して画像形成動作を終了する。
クリーニング手段は、感光ドラム15上及び中間転写体9上に残ったトナーをクリーニングするものであり、感光ドラム15上に形成されたトナーによる可視画像を中間転写体9に転写した後の廃トナーあるいは、中間転写体9上に作成された4色のカラー可視画像を転写材2に転写した後の廃トナーは、クリーナ容器14に蓄えられる。
印刷される転写材(記録用紙)2は、給紙トレイ1から給紙ローラ3により取り出されて中間転写体9と転写ローラ10との間に挟まれるようにして搬送されてカラートナー画像が記録され、定着部25を通過してトナー像が定着される。片面印刷の場合には、案内38が上方の排紙部に記録用紙を導くように搬送経路を形成するが、両面印刷に対しては、下方の両面ユニットに導くように経路を形成する。
両面ユニットに導かれた記録用紙は、搬送ローラ40によりトレイ1の下部(二点鎖線で示す搬送経路)に一旦送り込まれた後に逆方向に搬送され、両面トレイ39に送られる。両面トレイ39上では、用紙は給紙トレイ1に載置された状態とは表裏が逆になり、また搬送方向について前後が逆になっている。この状態で再びトナー像の転写、定着を再度行うことで、両面印刷ができる。
<そのほかの実施形態>
他の実施形態としては、デバイスへの送信方法をアプリケーションからグラフィックエンジンを介さすに送信することが考えられる。この場合、カラーコマンド送信準備処理703やモノクロコマンド送信準備処理704は行われず、直接プリンタドライバにそのコマンド発行を指示することになる。この場合には、印刷アプリケーションとしては、作成するデータがグラフィックエンジンではなく、プリンタドライバのインターフェースに合わせたものとなること、プリンタドライバにより用意されている関数を呼び出すことという点で、上述した実施形態と異なる。
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(複写機、プリンタ、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明をまとめれば以下のような構成として把握できる。
(1)プリンタに送信する印刷データを生成する生成機能を備える印刷制御装置であって、
印刷設定データと共に原稿ページ単位の中間形式の印刷データを保存する保存部と、
ユーザに対して、印刷設定の変更および印刷指示を行わせる印刷制御部と、
印刷指示に応じて保存手段から印刷設定データを読み出し、印刷制御手段により変更された、プリンタにおけるカラーモードの設定に応じて、読み出した印刷設定データにおける当該カラーモードの設定を変更し、印刷設定データに基づいて、カラーモードを変更させる命令を含む印刷データを生成機能を用いて生成させる印刷データ読み出す印刷データ読み出し部とを備える。
(2)上記(1)において、印刷制御部により変更される印刷設定は、原稿ページ単位についての、プリンタにおけるカラーモードの設定を含み、印刷データ読み出し部は、印刷設定が変更された原稿ページを含む印刷媒体を単位として、読み出した印刷設定データにおける当該カラーモードの設定を変更する。
(3)上記(1)において、印刷制御部により変更される印刷設定は、複数の原稿ページから構成される章単位についての、プリンタにおけるカラーモードの設定を含み、印刷データ読み出し部は、印刷設定が変更された章に対応する印刷媒体のくくりを単位として、読み出した印刷設定データにおける当該カラーモードの設定を変更する。
(4)上記(1)において、印刷データ読み出し部は、カラーモードを変更させる命令を含む印刷データを生成機能を用いて生成させる前に、プリンタが、カラーモードの変更に対応するか否かを判定し、対応する場合には、カラーモードを変更させる命令を含む印刷データを生成機能を用いて生成させ、対応していない場合には、カラーモードを変更させる命令を含まない印刷データを生成機能を用いて生成させる。
(5)上記(1)において、印刷データ読み出し部は、印刷制御部により変更される印刷設定が、原稿ページ単位についてのプリンタにおけるカラーモードの設定を含むか判定し、含む場合には、印刷データ読み出し部は、印刷設定が変更された原稿ページを含む印刷媒体を単位として、読み出した印刷設定データにおける当該カラーモードの設定を変更し、含まない場合には、複数の原稿ページから構成される章単位についてのプリンタにおけるカラーモードの設定を含むか判定し、含む場合には、印刷データ読み出し部は、印刷設定が変更された章に対応する印刷媒体のくくりを単位として、読み出した印刷設定データにおける当該カラーモードの設定を変更し、含まない場合には、印刷データ全体についてプリンタにおけるカラーモードの設定を変更する。
(6)また、上記(1)乃至(5)に滞欧する方法もまた本発明に含まれる。
(7)さらに、プリンタに送信する印刷データを生成する生成機能を利用する印刷制御方法を実行するためのコンピュータプログラムであって、
印刷設定データと共に原稿ページ単位の中間形式の印刷データを保存する保存工程と、
ユーザに対して、印刷設定の変更および印刷指示を行わせる印刷制御工程と、
印刷指示に応じて保存工程から印刷設定データを読み出し、印刷制御工程により変更された、プリンタにおけるカラーモードの設定に応じて、読み出した印刷設定データにおける当該カラーモードの設定を変更し、印刷設定データに基づいて、カラーモードを変更させる命令を含む印刷データを生成機能を用いて生成させる印刷データ読み出し工程とを実行するコンピュータプログラムもまた本発明に含まれる。
(8)あるいは、本発明は、プリンタに送信する印刷データを生成する生成機能を備える情報処理装置であって、
印刷設定データと原稿ページ単位の中間形式の印刷データとを含む保存ファイルを格納するスプール部と、
保存ファイルから展開される原稿ページデータの印刷設定の変更および印刷指示を行うための操作画面をユーザに提供する印刷制御アプリケーションと、
印刷指示に応じてスプール部から印刷設定データを読み出し、印刷制御アプリケーションにより変更された、プリンタにおけるカラーモードの設定に応じて、読み出した印刷設定データにおける当該カラーモードの設定を変更し、印刷設定データに基づいて、カラーモードを変更させる命令を含む印刷データを生成機能を用いて生成させるデスプーラとを備える。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。