JP4859161B2 - 情報処理装置及びその処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置で印刷処理される印刷データを生成するプリンタドライバを有する情報処理装置及びその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
文字や表、画像などデータの種類が異なると、データを定義する構造やそれらデータに対する編集操作が異なるため、データの種類に応じた様々なアプリケーションプログラムが提供されている。利用者は、例えば文字を編集するためには文字処理プログラムを、表を編集するためには表計算プログラムを、画像を編集するためには画像編集プログラムをといった具合に、編集対象のデータ種類別にアプリケーションプログラムを使い分けている。
【0003】
このように、利用者は編集対象のデータ種類毎にアプリケーションプログラムを使い分けるのが一般的である。しかし、利用者が作成しようとする文書としては、例えば文字のみや、表のみ、画像のみといった1種類のデータのみから構成される文書よりも、文字と表、文字と画像など複数種類のデータから構成される文書の方が一般的である。そこで、複数種類のデータを含む目的文書を作成するために、利用者は各種アプリケーションが備えている印刷機能を利用してアプリケーション毎にデータを印刷させて、印刷物を所望の順序に組み合わせる必要があった。
【0004】
あるいは、いわゆる「オフィススイート」と呼ばれる、各種アプリケーションによって一つの統合アプリケーションを形成するプログラムには、各アプリケーションで生成されたデータを組み合わせ、一つの文書を構成する機能を提供するものもある。このような統合アプリケーションを使用する場合には、利用者は各アプリケーションで作成したデータを、統合アプリケーションに含まれる特定のアプリケーションによって一つの目的文書にまとめることができる。作成された目的文書は、オフィススイート(OSからみれば1つのアプリケーションに他ならない)から選択された出力先のプリンタ(プリンタドライバ)が提供する機能によって印刷設定され、プリンタドライバにより印刷データが生成される。印刷にあたっては、印刷データや印刷命令(JL:Job Language)を含む印刷ジョブと呼ばれる印刷処理の単位が作成され、それがオペレーティングシステムのシステムスプーラ等を介して出力デバイスであるプリンタに送信される。プリンタではその受信した印刷ジョブを実行することで印刷が遂行される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の汎用アプリケーション(オフィススイートを含む)は、印刷指示を行う場合に、ユーザに対して出力先のプリンタを選択させ、選択されたプリンタドライバのプロパティを開くことにより印刷設定がなされている。これに対し、本出願は、プリンタドライバで設定可能な印刷設定をアプリケーション上で設定可能にし、当該アプリケーション(以下、印刷設定アプリケーション)で作成した文書ファイル内に、設定された印刷設定を含ませる仕組みを考えている。このような印刷設定アプリケーションでは、文書作成者が実際に印刷される形態を設定でき、例えば、ある文書は完成版なので製本印刷させ、ある文書は配布用なのでNup印刷させるということが、予め設定することが可能となり、その印刷設定がなされた文書ファイルを受け取った第三者は、印刷設定アプリケーションで作成された文書ファイルを開けるアプリケーション(米国Adobe社のAcrobat Readerのように汎用アプリケーションに相当する)を有していれば、印刷設定がなされた文書ファイルの印刷時に、詳細な設定をする必要がなく、情報技術に長けていない人であっても、文書作成者が望んだ形態で印刷物を手にすることができるという効果が考えられる。
【0006】
ところが文書ファイルに対して前述した印刷設定アプリケーションにより印刷設定が行われていた場合、その印刷設定が、現在使用しているデバイス(プリンタ)によっては、設定できない内容だったり、また、設定できるがジョブ単位でしか設定ができないような場合がある。具体的には、印刷設定アプリケーションで、製本印刷の分冊指定(小冊子を複数並べて1つの製本を作成する指定)かつサドルステッチ(用紙の中央にステイプルを行う指定。以下、単にステイプル指定とも呼ぶ)がなされている場合、デバイスにより1つの印刷ジョブには1つのステイプルしかできないという制約があり、そのようなデバイスに対して印刷出力を行わせる場合は、分冊単位に印刷ジョブを分割しなければならないという問題がある。このような場合、本来ひとつの印刷要求からひとつの印刷ジョブが生成されるべきところを、設定の相違する箇所を境界として文書データを区切り、それぞれについて印刷設定を反映した複数の印刷ジョブを生成しなければならない。
【0007】
このように、ひとつの文書を印刷するために設定の相違する箇所を境界として文書ファイルを区切り、それぞれについて印刷設定を反映した複数の印刷ジョブを生成する印刷システムでは、設定に応じた印刷が可能となるものの、印刷ジョブの個数とは文書の個数とは必ずしも対応しない形で生成されてしまう。そのため、例えば利用者が印刷状況を監視するために、オペレーティングシステムによって提供されている機能やジョブ管理ユーティリティによるジョブ監視機能によってジョブキューの状態を表示させても、表示された印刷ジョブが利用者が印刷させている文書のものであるのか特定することができないことが考えられる。これは、特に印刷中に障害が発生した場合等に、再度印刷し直す文書がどれであるのか特定することを困難にし、印刷システムの操作性を低下させてしまう。また、アプリケーションから印刷ジョブと文書とを対応づけて管理できないことから、印刷ジョブを文書単位で扱うことができないことが考えられる。例えば、分割されたジョブの一方が削除された場合など、同じ文書から生成された他のジョブも削除する方が望ましいにもかかわらず、そのような処理を行うことはできないことが考えられる。
【0008】
本発明は、一つの文書を印刷する際に印刷設定情報に応じて、複数の印刷データを生成して印刷装置に印刷させるか否かをプリンタドライバが判断する必要がない情報処理装置及びその処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、印刷装置で印刷処理される印刷データを生成するプリンタドライバを有する情報処理装置であって、一つの文書を印刷するために設定画面を介して設定された印刷設定情報に応じて前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性が設定されたと判断した場合、前記複数の部分に分ける単位が記述されたデスプールテーブルを保持し、前記プリンタドライバにより前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性を実現するために複数の印刷データが生成されると判断した場合、前記保持されたデスプールテーブルに前記複数の部分に分ける単位にて分割することを記述することにより前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割して出力するように指示し、前記プリンタドライバにより前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性を実現するために複数の印刷データが生成されないと判断した場合、前記保持されたデスプールテーブルを用いて前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割せずに出力することを指示する指示手段と、前記指示手段により前記複数の描画データに分割して出力するように指示された場合、前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割して前記プリンタドライバへ出力し、前記指示手段により前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割せずに出力するように指示された場合、前記一つの文書のデータに基づく一つの描画データを前記プリンタドライバへ出力する出力手段とを有し、前記プリンタドライバは、前記出力手段により出力された複数の描画データに基づいて複数の印刷データを生成するか、前記出力手段により出力された1つの描画データに基づいて1つの印刷データを生成することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、印刷装置で印刷処理される印刷データを生成するプリンタドライバを有する情報処理装置の処理方法であって、一つの文書を印刷するために設定画面を介して設定された印刷設定情報に応じて前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性が設定されたと判断した場合、前記複数の部分に分ける単位が記述されたデスプールテーブルを保持し、前記プリンタドライバにより前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性を実現するために複数の印刷データが生成されると判断した場合、前記保持されたデスプールテーブルに前記複数の部分に分ける単位にて分割することを記述することにより前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割して出力するように指示し、前記プリンタドライバにより前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性を実現するために複数の印刷データが生成されないと判断した場合、前記保持されたデスプールテーブルを用いて前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割せずに出力することを指示する指示工程と、前記指示工程において前記複数の描画データに分割して出力するように指示された場合、前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割して前記プリンタドライバへ出力し、前記指示工程において前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割せずに出力するように指示された場合、前記一つの文書のデータに基づく一つの描画データを前記プリンタドライバへ出力する出力工程とを有し、前記プリンタドライバは、前記出力工程において出力された複数の描画データに基づいて複数の印刷データを生成するか、前記出力工程において出力された1つの描画データに基づいて1つの印刷データを生成することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
<システム概要>
まず、本発明の情報処理装置に係る文書処理システムの概要について、図1乃至図12を参照して以下に説明する。尚、この文書処理システムは、一般のアプリケーションによって作成されたデータファイルを電子原稿ファイルに変換する電子原稿ライタと、その電子原稿ファイルを編集する機能を提供する製本アプリケーションとを含み、作成されたデータを一まとめにした文書の作成及び編集を可能とし、その操作性を向上させて文書編集を効率的に行えるものである。
【0015】
<システム構成及び動作>
図1は、本実施形態の文書処理システムのソフトウェア構成を示す図である。文書処理システムは、本発明の情報処理装置に好適な実施形態であるデジタルコンピュータ101(ホストコンピュータとも呼ばれる)によって実現されている。図1に示す一般アプリケーション101は、ワードプロセシングやスプレッドシート、フォトレタッチ、ドロー、あるいはペイント、プレゼンテーション、テキスト編集などの機能を提供するアプリケーションプログラムであり、OSに対する印刷機能を有している。これらのアプリケーションは、作成された文書データや画像データなどのアプリケーションデータを印刷する際に、オペレーティングシステム(OS)によって提供される所定のインタフェース(一般に、GDIと呼ばれる)を利用する。即ち、アプリケーション101は、作成したデータを印刷するために、上述のインタフェースを提供するOSの出力モジュールに対して、あらかじめ定められる、OSに依存する形式の出力コマンド(GDI関数と呼ばれる)を送信する。一方、出力コマンドを受けた出力モジュールは、その出力コマンドをプリンタ等の出力デバイスが処理可能な形式に変換して、変換されたコマンド(DDI関数と呼ばれる)を出力する。出力デバイスが処理可能な形式はデバイスの種類やメーカ、機種などによって異なるため、デバイスごとにデバイスドライバが提供されており、OSではそのデバイスドライバを利用してコマンドの変換を行い、印刷データを生成し、JL(Job Language)でくくることにより印刷ジョブが生成される。OSとしてマイクロソフト社のウインドウズを利用する場合には、前述した出力モジュールとしてはGDI(Graphic Device Interface)と呼ばれるモジュールが相当する。
【0016】
電子原稿ライタ102は、上述のデバイスドライバを改良したものであり、本文書処理システム実現のために提供されるソフトウェアモジュールである。但し、電子原稿ライタ102は特定の出力デバイスを目的としておらず、詳細は後述する製本アプリケーション104やプリンタドライバ106により処理可能な形式に出力コマンドを変換する。この電子原稿ライタ102による変換後の形式(以後電子原稿形式と呼ぶ)は、ページ単位の原稿を詳細な書式をもって表現可能であれば特に問わない。実質的な標準形式のうち、例えばアドビシステムズによるPDF形式やSVG形式などが電子原稿形式として採用できる。
【0017】
一般アプリケーション101から電子原稿ライタ102を利用させる場合には、出力に使用するデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定してから印刷を実行させる。但し、電子原稿ライタ102によって作成されたままの電子原稿ファイルは、電子原稿ファイルとして完全な形式を備えていない。そのため、デバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定するのは製本アプリケーション104であり、その管理下でアプリケーションデータの電子原稿ファイルへの変換が実行される。そして、製本アプリケーション104は電子原稿ライタ102が生成した新規の不完全な電子原稿ファイルを後述する形式を備えた電子原稿ファイルとして完成させる。以下、この点を明瞭に識別する必要がある場合、電子原稿ライタ102によって作成されたファイルを「電子原稿ファイル」と呼び、製本アプリケーション104によって構造を与えられた電子原稿ファイルを「ブックファイル」と呼ぶ。また、特に区別する必要がない場合は、アプリケーションにより生成されるドキュメントファイル、電子原稿ファイル、及びブックファイルをいずれも文書ファイル(または文書データ)と呼ぶ。
【0018】
このようにデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定し、一般アプリケーション101によりデータを印刷させることで、アプリケーションデータはアプリケーション101によって定義されたページ(以後論理ページあるいは原稿ページと呼ぶ)を単位とする電子原稿形式に変換され、電子原稿ファイル103としてハードディスクなどの記憶媒体に格納される。尚、ハードディスクは、本実施形態の文書処理システムを実現するコンピュータが備えているローカルドライブであっても良く、ネットワークに接続されている場合にはネットワーク上に提供されるドライブであっても良い。
【0019】
製本アプリケーション104は電子原稿ファイル(あるいはブックファイル)103を読み込み、それを編集するための機能を利用者に提供する。但し、製本アプリケーション104は、各ページの内容を編集する機能は提供しておらず、ページを最小単位として構成される、後述する章やブックの構造を編集するための機能を提供している。
【0020】
製本アプリケーション104によって編集されたブックファイル103を印刷する際には、製本アプリケーション104によって電子原稿デスプーラ105が起動される。電子原稿デスプーラ105は、製本アプリケーションと共にコンピュータ内にインストールされるプログラムモジュールであり、製本アプリケーションで利用するドキュメント(ブックファイル)を印刷する際に、プリンタドライバへ描画データを出力するために使用されるモジュールである。電子原稿デスプーラ105は、指定されたブックファイルをハードディスクから読み出し、ブックファイルに記述された形式で各ページを印刷するために、前述したOSの出力モジュールに適合する出力コマンドを生成し、不図示の出力モジュールに出力する。その際に、出力デバイスとして使用されるプリンタ107用のプリンタドライバ106がデバイスドライバとして指定される。上述の出力モジュールは、受信した出力コマンドをデバイスコマンドに変換して指定されたプリンタ107用のプリンタドライバ106に出力し、そのプリンタドライバ106がプリンタ107で解釈実行可能なページ記述言語等のコマンドに変換する。そして、変換されたコマンドはプリンタドライバ106から不図示のシステムスプーラを介してプリンタ107に送信され、プリンタ107によってコマンドに応じた画像が印刷される。
【0021】
図2は、コンピュータ100のハードウェアブロック図である。図2において、CPU201は、ROM203のプログラム用ROMに記憶された、あるいはハードディスク211からRAM202にロードされたOSや一般アプリケーション、製本アプリケーションなどのプログラムを実行し、図1のソフトウェア構成や、後述するフローチャートの手順を実現する。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ(KBC)205は、キーボード209や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)206は、CRTディスプレイ210の表示を制御する。ディスクコントローラ(DKC)207は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、後述する編集ファイル等を記憶するハードディスク(HD)211やフロッピーディスク(FD)等とのアクセスを制御する。PRTC208は、接続されたプリンタ107との間の信号の交換を制御する。NC212はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【0022】
<電子原稿データの形式>
編集アプリケーション104の詳細を言及する前に、ブックファイルのデータ形式について説明する。ブックファイルは紙媒体の書物を模倣した3層の層構造を有する。まず、上位層は「ブック」と呼ばれ、1冊の本を模倣しており、その本全般に係る属性が定義されている。その下の中間層は、本でいう章に相当し、やはり「章」と呼ばれる。各章についても、章毎の属性が定義できる。そして、下位層は「ページ」であり、アプリケーションプログラムで定義された各ページに相当する。尚、各ページについてもページ毎の属性が定義できる。更に、一つのブックは複数の章を含んでいてよく、また一つの章は複数のページを含むこともできる。
【0023】
図3に示す(A)は、ブックファイルの形式の一例を模式的に示す図である。図示するように、この例では、ブックファイルにおけるブック,章,ページは、それぞれに相当するノードにより示されている。一つのブックファイルは一つのブックを含む。ブック,章は、ブックとしての構造を定義するための概念であるから、定義された属性値と下位層へのリンクとをその実体として含む。ページは、アプリケーションプログラムによって出力されたページ毎のデータを実体として有する。そのため、ページは、その属性値のほかに、原稿ページの実体(原稿ページデータ)と各原稿ページデータへのリンクを含む。
【0024】
尚、紙媒体等に出力する際の印刷ページは複数の原稿ページを含む場合がある。この構造に関してはリンクによって表示されず、ブック、章、ページ各階層における属性として表示される。
【0025】
図3において、ブック301には、ブック属性が定義されていると共に、2つの章302A,302Bがリンクされている。このリンクにより、章302A,302Bがブック301に包含されていることが表示される。章302Aには、ページ303A,303Bがリンクされ、これらページが含まれることが示されている。各ページ303A,303Bにはそれぞれ属性値が定義され、その実体である原稿ページデータ(1)、(2)へのリンクが含まれる。これらリンクは、図3に示す(B)のように原稿ページデータ304のデータ(1),(2)を指し示し、ページ303A、303Bの実体が原稿ページデータ(1)、(2)であることを表示している。
【0026】
図4は、ブック属性のリストである。下位層と重複して定義可能な項目に関しては、下位層の属性値が優先採用される。そのため、ブック属性にのみ含まれる項目に関しては、ブック属性に定義された値はブック全体を通して有効な値となる。しかし、下位層と重複する項目については、下位層において定義されていない場合における既定値としての意味を有する。尚、図示された各項目は具体的に1項目に対応するのではなく、関連する複数の項目を含むものもある。
【0027】
図5は章属性の、図6はページ属性のリストである。章属性とページ属性との関係もブック属性と下位層の属性との関係と同様である。
【0028】
図4〜図6から明らかなように、ブック属性に固有の項目は、印刷方法、製本詳細、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りの6項目である。これらはブックを通して定義される項目である。印刷方法の属性としては、片面印刷、両面印刷、製本印刷の3つの値を指定できる。ここで、製本印刷とは、別途指定する枚数の用紙を束にして2つ折りにし、その束をつづり合わせることで製本が可能となる形式で印刷する方法である。製本詳細属性としては、製本印刷が指定されている場合に、見開き方向や、束になる枚数等が指定できる。
【0029】
表紙/裏表紙属性は、ブックとしてまとめられる電子原稿ファイルを印刷する際に、表紙及び裏表紙となる用紙を付加することの指定、及び付加した用紙への印刷内容の指定を含む。インデックス紙属性は、章の区切りとして、印刷装置に別途用意される耳付きのインデックス紙の挿入の指定及びインデックス(耳)部分への印刷内容の指定を含む。この属性は、印刷用紙とは別に用意された用紙を所望の位置に挿入するインサート機能を持ったインサータが使用する印刷装置に備えられている場合か、あるいは、複数の給紙カセットを使用可能である場合に有効となる。これは合紙属性についても同様である。
【0030】
合紙属性は、章の区切りとして、インサータから、あるいは給紙カセットから供給される用紙の挿入の指定、及び合紙を挿入する場合には、給紙元の指定などを含む。
【0031】
章区切り属性は、章の区切り目において、新たな用紙を使用するか、新たな印刷ページを使用するか、特に何もしないか等の指定を含む。片面印刷時には、新たな用紙の使用と新たな印刷ページの使用とは同じ意味を持つ。両面印刷時には、「新たな用紙の使用」を指定すれば連続する章が1枚の用紙に印刷されることは無いが、「新たな印刷ページの使用」を指定すれば、連続する章が1枚の用紙の表裏に印刷されることがあり得る。
【0032】
章属性に関しては、章に固有の項目はなく、全てブック属性と重複する。従って、章属性における定義とブック属性における定義とが異なれば、章属性で定義された値が優先する。ブック属性と章属性とにのみ共通する項目は、用紙サイズ、用紙方向、N−up印刷指定、拡大縮小、排紙方法の5項目である。これらのうち、N−up印刷指定属性は1印刷ページに含まれる原稿ページ数を指定するための項目である。指定可能な配置としては、1×1、1×2、2×2、3×3、4×4などがある。排紙方法属性は、排出した用紙にステイプル処理を施すか否かを指定するための項目であり、この属性の有効性は使用する印刷装置がステイプル機能を有するか否かに依存する。
【0033】
ページ属性に固有の項目には、ページ回転属性、ズーム、配置指定、アノテーション、ページ分割などがある。ページ回転属性は、原稿ページを印刷ページに配置する際の回転角度を指定するための項目である。ズーム属性は、原稿ページの変倍率を指定するための項目である。変倍率は、仮想論理ページ領域のサイズを100%として指定される。仮想論理ページ領域とは、原稿ページを、Nup等の指定に応じて配置した場合に、1原稿ページが占める領域である。例えば、1×1であれば、仮想論理ページ領域は1印刷ページに相当する領域となり、1×2であれば、1印刷ページの各辺を約70パーセントに縮小した領域となる。
【0034】
ブック、章、ページについて共通な属性としては、ウォーターマーク属性及びヘッダ・フッタ属性がある。ここで、ウォーターマークとは、アプリケーションで作成されたデータに重ねて印刷される、別途指定される画像や文字列などである。ヘッダ・フッタは、それぞれ各ページの上余白及び下余白に印刷されるウォーターマークである。但し、ヘッダ・フッタには、ページ番号や日時など変数により指定可能な項目が用意されている。尚、ウォーターマーク属性およびヘッダ・フッタ属性において指定可能な内容は、章とページとは共通であるが、ブックはそれらと異なっている。ブックにおいてはウォーターマークやヘッダ・フッタの内容を設定できるし、また、ブック全体を通してどのようにウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するかを指定することができる。一方、章やページでは、その章やページにおいて、ブックで設定されたウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するか否かを指定できる。
【0035】
<ブックファイルの生成手順>
ブックファイルは上述したような構造及び内容を有している。次に、製本アプリケーション104及び電子原稿ライタ102によるブックファイルの作成手順について説明する。ブックファイルの作成手順は、製本アプリケーション104によるブックファイルの編集操作の一環として実現される。
【0036】
図7は、製本アプリケーション104によりブックファイルを開く際の手順である。まず、製本アプリケーション104は、開こうとするブックファイルが、新規作成すべきものであるか、それとも既存のものであるか判定する(ステップS701)。新規作成の場合には、章を含まないブックファイルを新規に作成する(ステップS702)。新規に作成されるブックファイルは、図3の例で示せば、ブックノード301のみ有し、章のノードに対するリンクが存在しないブックのノードとなる。ブック属性は、新規作成用としてあらかじめ用意された属性のセットが適用される。そして、新規ブックファイルを編集するためのユーザインタフェース(UI)画面を表示する(ステップS703)。図11は、新規にブックファイルが作成された際のUI画面の一例である。この場合は、ブックファイルは実質的な内容を持たないため、UI画面1100には何も表示されない。
【0037】
一方、既存のブックファイルがあれば、指定されたブックファイルを開き(ステップS703)、そのブックファイルの構造、属性、内容に従ってユーザインタフェース(UI)画面を表示する。図10は、既存のブックファイルから指定されたブックファイルを表示するUI画面の一例である。UI画面1100は、ブックの構造を示すツリー部1101と、印刷された状態を表示するプレビュー部1102とを含む。ツリー部1101には、ブックに含まれる章、各章に含まれるページが図3に示す(A)のような木構造で表示される。ツリー部1101に表示されるページは原稿ページである。またプレビュー部1102には、印刷ページの内容が縮小されて表示される。その表示順序はブックの構造を反映したものとなっている。
【0038】
さて、開かれたブックファイルには、電子原稿ライタ102によって電子原稿ファイルに変換されたアプリケーションデータを、新たな章として追加することができる。この機能を電子原稿インポート機能と呼ぶ。図7に示す手順によって新規に作成されたブックファイルに電子原稿インポートすることで、そのブックファイルには実体が与えられる。この機能は、図10の画面にアプリケーションデータをドラッグアンドドロップ操作することで起動される。
【0039】
図8に電子原稿インポートの手順を示す。まず、指定されたアプリケーションデータを生成したアプリケーションプログラムを起動し、デバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定してアプリケーションデータを印刷出力させることで、電子原稿データに変換する(ステップS801)。変換を終えたなら、変換されたデータが画像データであるか否かを判定する(ステップS802)。この判定は、ウインドウズOSの下であれば、アプリケーションデータのファイル拡張子に基づいて行われる。例えば、拡張子が「bmp」であればウインドウズビットマップデータであり、「jpg」であればjpeg圧縮された画像データ、「tiff」であればtiff形式の画像データであると判定できる。また、このような画像データの場合はS8010のようにアプリケーションを起動せずに、画像データから直接電子原稿ファイルを生成することが可能であるため、S8010の処理を省略することも可能である。
【0040】
ここで、画像データでなかった場合には、製本アプリケーション104は、ステップS801で生成された電子原稿ファイルを、現在開かれているブックファイルのブックに、新たな章として追加する(ステップS803)。章属性としては、ブック属性と共通するものについてはブック属性の値がコピーされ、そうでないものについては、予め用意された規定値に設定される。
【0041】
また、ステップS802で画像データである場合には、原則として新たな章は追加されず、指定されている章に、ステップS801で生成された電子原稿ファイルに含まれる各原稿ページが追加される(ステップS804)。但し、ブックファイルが新規作成されたファイルであれば、新たな章が作成されて、その章に属するページとして電子原稿ファイルの各ページが追加される。ページ属性は、上位層の属性と共通のものについてはその属性値が与えられ、アプリケーションデータにおいて定義された属性を電子原稿ファイルに引き継いでいるものについてはその値が与えられる。例えば、Nup指定などがアプリケーションデータにおいて指定されていた場合には、その属性値が引き継がれる。このようにして、新規なブックファイルが作成され、あるいは、新規な章が追加される。
【0042】
図9は、図8に示すステップS801において、電子原稿ライタ102により電子原稿ファイルを生成させる手順のフローチャートである。まず、新たな電子原稿ファイルを作成してそれを開く(ステップS901)。指定したアプリケーションデータに対応するアプリケーションを起動し、電子原稿ライタをデバイスドライバとしてOSの出力モジュールに対して出力コマンドを送信させる。出力モジュールは、受信した出力コマンドを電子原稿ライタ102によって電子原稿形式のデータに変換し、出力する(ステップS902)。その出力先はステップS901で開いた電子原稿ファイルである。指定されたデータ全てについて変換が終了したか判定し(ステップS903)、終了していれば電子原稿ファイルを閉じる(ステップS904)。電子原稿ライタ102によって生成される電子原稿ファイルは、図3の(B)に示される原稿ページデータの実体を含むファイルである。
【0043】
<ブックファイルの編集>
以上のようにして、アプリケーションデータからブックファイルを作成することができる。生成されたブックファイルについては、章及びページに対して次のような編集操作が可能である。
(1)新規追加
(2)削除
(3)コピー
(4)切り取り
(5)貼り付け
(6)移動
(7)章名称変更
(8)ページ番号名称振り直し
(9)表紙挿入
(10)合紙挿入
(11)インデックス紙挿入
(12)各原稿ページに対するページレイアウト。
【0044】
このほか、一旦行った編集操作を取り消す操作や、更に取り消した操作をやり直す操作が可能である。これら編集機能により、例えば複数のブックファイルの統合、ブックファイル内で章やページの再配置、ブックファイル内で章やページの削除、原稿ページのレイアウト変更、合紙やインデックス紙の挿入などの編集操作が可能となる。これらの操作を行うと、図4、図5に示す属性に操作結果が反映されたり、あるいはブックファイルの構造に反映される。例えば、ブランクページの新規追加操作を行えば、指定された箇所にブランクページが挿入される。このブランクページは原稿ページとして扱われる。また、原稿ページに対するレイアウトを変更すれば、その変更内容は、印刷方法やN−up印刷、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りといった属性に反映される。
【0045】
<ブックファイルの出力>
以上のように作成・編集されるブックファイルは、印刷出力を最終目的とするものである。ここで、利用者が図10に示した製本アプリケーションのUI画面1100からファイルメニューを選択し、そこから印刷を選択すると、指定した出力デバイスにより印刷出力される。この際、まず製本アプリケーション104は、現在開かれているブックファイルからジョブチケットを作成し、そのジョブチケットを電子原稿デスプーラ105に渡す。一方、電子原稿デスプーラ105は、ジョブチケットをOSの出力コマンド、例えばウインドウズのGDI関数に変換し、それを出力モジュール、例えばGDIに送信する。出力モジュールは、指定されたプリンタドライバ106によってデバイスに適したコマンドを生成し、そのデバイスに送信する。
【0046】
ここで、ジョブチケットは原稿ページを最小単位とする構造を有するデータである。ジョブチケットにおける構造は、用紙上における原稿ページのレイアウトを定義している。ジョブチケットは1ジョブにつき1つ発行される。そのため、まず最上位にドキュメントというノードがあり、文書全体の属性、例えば両面印刷/片面印刷などが定義されている。その下には、用紙ノードが属し、用いるべき用紙の識別子やプリンタにおける給紙口の指定などの属性が含まれる。各用紙ノードには、その用紙で印刷されるシートのノードが属する。1シートは1枚の用紙に相当する。各シートには、印刷ページ(物理ページ)が属する。片面印刷ならば1シートには1物理ページが属し、両面印刷ならば1シートに2物理ページが属する。各物理ページには、その上に配置される原稿ページが属する。また物理ページの属性として、原稿ページのレイアウトが含まれる。
【0047】
電子原稿デスプーラ105は、上述のジョブチケットを、出力モジュールへの出力コマンドに変換する。
【0048】
<そのほかのシステム構成>
本実施形態の文書処理システムの概要は以上のようなものである。これはスタンドアロン型のシステムであるが、これを拡張したサーバクライアントシステムでもほぼ同様の構成・手順でブックファイルを作成・編集できる。但し、ブックファイルや印刷処理はサーバによって管理される。
【0049】
図12は、サーバクライアント型文書処理システムの構成を示すブロック図である。クライアント文書処理システムは、スタンドアロン型システムに、クライアントモジュールであるDOMS(Document Output Management Service:文書出力管理サービス)ドライバ109及びDOMSプリントサービスモジュール110、DS(文書サービス)クライアントモジュール108を加えた構成を有する。このクライアント文書処理システム1200に文書管理サーバ1201、印刷集中管理サーバ1202及びプリントサーバ1203が接続されている。これらサーバは、通常ネットワークによってクライアント文書処理システムと接続されるが、サーバが同時にクライアントとしても機能する場合には、ネットワーク間の通信をシミュレートするプロセス間通信によって接続される。
【0050】
尚、図12に示す例では、文書管理サーバ1201と印刷集中管理サーバ1202の両方のサーバがクライアントに接続されているが、何れか一方のみネットワーク上に存在する場合もあり得る。例えば、接続されているサーバが文書管理サーバであれば、そのクライアントモジュール108を含む文書管理サーバクライアントシステム1201SCが、また印刷集中管理サーバ1202であれば、そのクライアントモジュールを含む印刷管理サーバクライアントシステム1202SCが、スタンドアロン型文書管理システムに追加される。
【0051】
文書管理サーバ1201は、製本アプリケーション104により作成・編集されたブックファイルを格納するサーバである。文書管理サーバ1201によってブックファイルを管理する場合、ブックファイルはクライアントPCのローカルHDに代わって、あるいはそれに加えて、文書管理サーバ1201のデータベース1211に保存される。製本アプリケーション104と文書管理サーバ1201との間のブックファイルの保存及び読み出しは、DSクライアント108及びDSコア1212を介して行われる。
【0052】
印刷集中管理サーバ1202は、クライアント文書管理システム1200に格納された、あるいは文書管理サーバ1201に格納されたブックファイルの印刷を管理するサーバである。クライアントにおける印刷要求は、DOMSドライバ109およびDOMSプリントサービスモジュール110を介して印刷集中管理サーバ1202のDOMSWGサーバモジュール1221に送信される。集中印刷管理サーバ1202は、クライアントのプリンタで印刷する場合にはクライアントのDOMSプリントサービスモジュール110を介して電子原稿デスプーラ105に電子原稿データを渡し、プリントサーバ1203により印刷する場合には、プリントサーバ1203のDOMSプリントサービスモジュール1203に送信する。集中印刷管理サーバは、例えば保存されているブックファイルに対して印刷要求を発行した利用者の資格などについてセキュリティチェックを行ったり、印刷処理のログを保存したりする。このように、文書処理システムは、スタンドアロンとしても、クライアントサーバシステムとしても実現できる。
【0053】
<プレビュー表示の内容>
既に説明した通り、ブックファイルが製本アプリケーションによって開かれると、図10に示したユーザインタフェース画面1100が表示される。ツリー部1101には、開いているブック(以下、「注目ブック」と呼ぶ)の構造を示すツリーが表示される。プレビュー部には、利用者の指定に応じて、3通りの表示方法が用意されている。まず、第1は原稿ページをそのまま表示する原稿ビューと呼ばれるモードである。この原稿ビューモードでは、注目ブックに属する原稿ページの内容が縮小されて表示される。尚、プレビュー部1102の表示にレイアウトは反映されない。次に、第2は印刷ビューモードである。この印刷ビューモードでは、プレビュー部1102には原稿ページのレイアウトが反映された形で原稿ページが表示される。そして、第3は簡易印刷ビューモードである。この簡易印刷ビューモードでは、各原稿ページの内容はプレビュー部の表示には反映されず、レイアウトのみが反映される。
【0054】
<印刷システム>
次に、両面印刷機能を有するプリンタと接続するホストコンピュータ100の製本アプリケーション104によって作成・編集されたブックファイル103をプリンタ107で印刷する際に、製本印刷・分冊等の機能が指定された印刷設定を読み取り、プリンタ107の能力に応じて印刷設定を複数のジョブで実現するか1つのジョブで実現するかを制御する方法について説明する。
【0055】
図13は、本実施形態における印刷システムの構成を示すブロック図である。図示するように、印刷システムは、図2に示したホストコンピュータ100と、両面印刷機能を有するプリンタ107とで構成される。
【0056】
以下、プリンタ107の構成について説明する。尚、本発明の機能が実現されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなるシステムであっても、LAN,WAN等のネットワークを介して接続がなされ、処理が行われるシステムであっても本発明を適用できる。
【0057】
図示するように、プリンタ107において、1301はプリンタCPUであり、ROM1302内のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等や外部メモリ1303に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス1304に接続される印刷部I/F1305を介して、印刷部(プリンタエンジン)1306に出力情報としての画像信号を出力する。また、このROM1302内のプログラムROMには、CPU1301の制御プログラム等が記憶され、ROM1302内のフォント用ROMには、出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶され、ROM1302内のデータ用ROMには、ハードディスク等の外部メモリ1303がないプリンタの場合、ホストコンピュータ100上で利用される情報等が記憶されている。
【0058】
また、CPU1301は、入力部1307を介してホストコンピュータ100との通信処理が可能となっており、プリンタ107内の情報等をホストコンピュータ100に通知できる。RAM1308は、CPU1301の主メモリや、ワークエリア等として機能するRAMであり、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。
【0059】
尚、RAM1308は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。上述したハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ1303は、メモリコントローラ(MC)1309によりアクセスを制御される。外部メモリ1303は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、操作パネル1311は操作のためのスイッチ及びLED表示器等で構成されている。
【0060】
また、上述の外部メモリ1303は1個に限らず、複数個備えられ、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていても良い。更に、図示しないNVRAMを有し、操作パネル1311からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしても良い。
図14は、両面印刷機能を有するカラーレーザプリンタの構造を示す断面図である。図示するように、このプリンタはホストコンピュータ100より入力した印刷データに基づいて得られる各色毎の画像データで変調されたレーザ光をポリゴンミラー1431により感光ドラム1415を走査して静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナー現像して可視画像を得、これを中間転写体1409へ全色について多重転写してカラー可視画像を形成する。そして、このカラー可視画像を転写材1402へ転写し、転写材1402上にカラー可視画像を定着させる。
【0061】
以上の制御を行う画像形成部は、感光ドラム1415を有するドラムユニット、接触帯電ローラ1417を有する一次帯電部、クリーニング部、現像部、中間転写体1409、用紙カセット1や各種ローラ1403、1404、1405、1407を含む給紙部、転写ローラ1410を含む転写部及び定着部1425によって構成されている。
【0062】
ドラムユニット1413は、感光ドラム(感光体)1415と感光ドラム1415のホルダを兼ねたクリーニング機構を有するクリーナ容器1414とを一体に構成したものである。このドラムユニット1413はプリンタ本体に対して着脱自在に支持され、感光ドラム1415の寿命に合わせて容易にユニット交換可能に構成されている。上記感光ドラム1415はアルミシリンダの外周に有機光導電体層を塗布して構成し、クリーナ容器1414に回転可能に支持されている。感光ドラム1415は、図示しない駆動モータの駆動力が伝達されて回転するもので、駆動モータは感光ドラム1415を画像形成動作に応じて反時計回り方向に回転させる。感光ドラム1415の表面を選択的に露光させることにより静電潜像が形成されるように構成されている。スキャナ部1430では、変調されたレーザ光を、モータ1431aにより画像信号の水平同期信号を同期して回転するポリゴンミラーにより反射し、レンズ1432、反射鏡1433を介して感光ドラムを照射する。
【0063】
現像部は、上記静電潜像を可視画像化するために、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の現像を行う3個のカラー現像器1420Y、1420M、1420Cと、ブラック(B)の現像を行う1個のブラック現像器1421Bとを備えた構成を有する。カラー現像器1420Y、1420M、1420C及びブラック現像器1421Bには、スリーブ1420YS、1420MS、1420CS及び1421BSと、これらスリーブ1420YS、1420MS、1420CS、1421BSそれぞれの外周に圧接する塗布ブレード1420YB、1420MB、1420CB及び1421BBとがそれぞれ設けられる。また3個のカラー現像器1420Y、1420M、1420Cには塗布ローラ1420YR、1420MR、1420CRが設けられている。
【0064】
また、ブラック現像器1421Bはプリンタ本体に対して着脱可能に取り付けられており、カラー現像器1420Y、1420M、1420Cは回転軸1422を中心に回転する現像ロータリー1423にそれぞれ着脱可能に取り付けられている。
【0065】
ブラック現像器1421Bのスリーブ1421BSは感光ドラム1415に対して、例えば300μm程度の微小間隔を持って配置されている。ブラック現像器1421Bは、器内に内蔵された送り込み部材によってトナーを搬送すると共に、時計回り方向に回転するスリーブ1421BSの外周に塗布ブレード1421BBによって塗布するように摩擦帯電によってトナーへ電荷を付与する。また、スリーブ1421BSに現像バイアスを印加することにより、静電潜像に応じて感光ドラム1415に対して現像を行って感光ドラム1415にブラックトナーによる可視画像を形成する。
【0066】
3個のカラー現像器1420Y、1420M、1420Cは、画像形成に際して現像ロータリー1423の回転に伴って回転し、所定のスリーブ1420YS、1420MS、1420CSが感光ドラム1415に対して300μm程度の微小間隔を持って対向することになる。これにより所定のカラー現像器1420Y、1420M、1420Cが感光ドラム1415に対向する現像位置に停止し、感光ドラム1415に可視画像が作成される。
【0067】
カラー画像形成時には、中間転写体1409の1回転毎に現像ロータリー1423が回転し、イエロー現像器1420Y、マゼンダ現像器1420M、シアン現像器1420C、次いでブラック現像器1421Bの順で現像工程がなされ、中間転写体1409が4回転してイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのそれぞれのトナーによる可視画像を順次形成し、その結果フルカラー可視画像を中間転写体1409上に形成する。
【0068】
中間転写体1409は、感光ドラム1415に接触して感光ドラム1415の回転に伴って回転するように構成されたもので、カラー画像形成時に時計回り方向に回転し、感光ドラム1415から4回の可視画像の多重転写を受ける。また、中間転写体1409は画像形成時に、後述する転写ローラ1410が接触して転写材1402を挟持搬送することにより転写材1402に中間転写体1409上のカラー可視画像を同時に多重転写する。中間転写体の外周部には、中間転写体1409の回転方向に関する位置を検知するためのTOPセンサ1409a及びRSセンサ1409bと、中間転写体に転写されたトナー像の濃度を検知するための濃度センサ1409cが配置されている。
【0069】
転写ローラ1410は、感光ドラム1415に対して接離可能に支承された転写帯電器を備えたもので、金属軸を中抵抗発泡弾性体により巻回することによって構成されている。
【0070】
転写ローラ1410は、図14に実線で示すように、中間転写体1409上にカラー可視画像を多重転写している間は、カラー可視画像を乱さぬように下方に離開している。そして、上記中間転写体1409上に4色のカラー可視画像が形成された後は、このカラー可視画像を転写材1402に転写するタイミングに合わせてカム部材(不図示)により転写ローラ1410を図示点線で示す上方に位置させる。これにより転写ローラ1410は転写材1402を介して中間転写体1409に所定の押圧力で圧接すると共に、バイアス電圧が印加され、中間転写体1409上のカラー可視画像が転写材1402に転写される。
【0071】
定着部1425は、転写1402を搬送させながら、転写されたカラー可視画像を定着させるものであり、転写材1402を加熱する定着ローラ1426と転写材1402を定着ローラ1426に圧接させるための加圧ローラ1427とを備えている。定着ローラ1426と加圧ローラ1427とは中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ1428、1429が内蔵されている。即ち、カラー可視画像を保持した転写材1402は定着ローラ1426と加圧ローラ1427とにより搬送されると共に、熱及び圧力を加えることによりトナーが表面に定着される。
【0072】
可視画像定着後の転写材1402は、その後排紙ローラ1434、1435、1436によって排紙部1437へ排出して画像形成動作を終了する。
【0073】
クリーニング手段は、感光ドラム1415上及び中間転写体1409上に残ったトナーをクリーニングするものであり、感光ドラム1415上に形成されたトナーによる可視画像を中間転写体1409に転写した後の廃トナーあるいは、中間転写体1409上に作成された4色のカラー可視画像を転写材1402に転写した後の廃トナーは、クリーナ容器1414に蓄えられる。
【0074】
印刷される転写材(記録用紙)1402は、給紙トレイ1から給紙ローラ1403により取り出されて中間転写体1409と転写ローラ1410との間に挟まれるようにして搬送されてカラートナー画像が記録され、定着部1425を通過してトナー像が定着される。片面印刷の場合には、案内1438が上方の排紙部に記録用紙を導くように搬送経路を形成するが、両面印刷に対しては下方の両面ユニットに導くように経路を形成する。
【0075】
両面ユニットに導かれた記録用紙は、搬送ローラ1440によりトレイ1401の下部(二点鎖線で示す搬送経路)に一旦送り込まれた後に逆方向に搬送され、両面トレイ1439に送られる。両面トレイ1439上では、用紙は給紙トレイ1に載置された状態とは表裏が逆になり、また搬送方向について前後が逆になっている。この状態で再びトナー像の転写、定着を再度行うことで、両面印刷が行われる。
【0076】
<ジョブ分割制御>
次に、上述した製本アプリケーション104及び電子原稿デスプーラ105によるジョブ分割制御(データ分割制御)について説明する。尚、このジョブ分割制御は、製本印刷の分冊ジョブを複数のデータの印刷要求に分割するか否かを、デバイス(プリンタドライバ)の能力に応じて制御するものである。
【0077】
図15は、設定変更後のデスプールテーブル保存処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1501において、製本アプリケーション104によるユーザインタフェース(UI)画面上で、印刷設定の詳細設定(図20)の編集が行われ保存されたブックファイル103の印刷設定を読み込む。この処理は、ブックファイル103から印刷用設定データを読み込み、デスプールテーブルと呼ばれるメモリ上の展開領域に印刷設定を展開する処理である。
【0078】
次に、ステップS1502において、設定変更が行われたか否かの判定を行う。この判定は、図20で示される製本アプリケーション104のUI画面で設定の変更があったか否かを判定する処理である。ここで、設定変更がなければそのまま別処理を行うが、設定変更があったと判定するとステップS1503へ進み、次のジョブ分割振り分けが必要な印刷設定かを判定する。この処理は、例えば製本印刷の分冊や部分ステープル等、印刷設定によってはジョブ分割の振り分けが必要な設定が存在するため、設定変更の中でこれらの設定が行われたかを判定するものである。ここで、ジョブ分割制御が必要であると判断するとステップS1504へ進み、ジョブ分割を考慮したデスプールテーブルへの書き込み処理を行う。
【0079】
尚、このデスプールテーブルは、図21に示すように構成されており、ジョブ分割を考慮したデスプールテーブル書き込み処理とは、シートのくくりで有効な印刷設定のジョブを分割するグループ毎に後述するマーク(フラグ)を書き込む処理である。ここで、マーク(分割情報)は、分割する単位を識別できる情報であればなんでも良く、アプリケーションで管理する論理ページの何ページ分という情報であったり、プリンタで印刷される用紙の原稿枚数を示す情報であっても良い。
【0080】
また、ステップS1503において、ジョブ分割振り分けが必要でないと判断するとステップS1504へ進み、ジョブ分割を考慮しないデスプールテーブル書き込み処理を行い、上述のマークの書き込みは行わない。そして、ステップS1506において、保存指定がされたかを判定し、保存指定がされたと判定すると、デスプールテープルの保存処理を行う。この処理は、メモリ上のデスプールテープルに展開された印刷設定の内容をブックファイル103に書き込む処理である。これにより、製本アプリケーション104で設定変更された内容をブックファイル103に反映することができる。
【0081】
ここで、図20に示す「仕上げシート」で設定する[印刷方法]−製本印刷、[製本印刷の方法]−いくつかの束に分けて印刷、が選択された場合の具体的な保存処理について説明する。
【0082】
図16は、製本印刷の分冊が設定された場合の電子原稿ライタ102による保存処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1601において、ブックファイル103を読み込んだ際、印刷体裁の取得処理を行う。この処理は、ブックファイル103から印刷用設定データを読み込み、デスプールテーブルと呼ばれるメモリ上の展開領域に印刷体裁設定を展開する処理である。次に、ステップS1602において、製本印刷か否かを判定する。この判定は、図20に示す製本アプリケーション104によるUI画面上で製本印刷設定への変更があったか否かを判定するものである。ここで、製本印刷でなければステップS1609へ進み、その他の処理を行うが、製本印刷であると判定するとステップS1603へ進み、分冊かつサドルステッチ(中央ステイプル)の設定がなされているか否かを判定する処理を行う。ここでは、上述したように、[製本印刷の方法]−いくつかの束に分けて印刷、が選択されていると仮定しているので、分冊と判定する。この判断の必要性は以下の通りである。
【0083】
つまり、前述したように、各プリンタベンダーが市場に出荷している電子写真プリンタの中で、製本印刷の分冊機能及びサドルステッチ機能を有しているものは、製品毎に、分冊単位で複数の印刷ジョブに分けられるか、1つの印刷ジョブで複数の冊子分の処理を行わせるかが異なっているためである。
【0084】
そして、ステップS1604において、分冊単位の取得処理を行う。この処理は、分冊をどのような単位で行うかを取得する処理である。その後、ステップS1605へ進み、製本分冊設定のデスプールテーブル書き込み処理を行う。具体的には、図22で示すように、シートのくくりで有効な印刷設定毎に分冊を行うサドルステッチフラグ2201とジョブを分割するための分割フラグ2202をセットする。そして、ステップS1607において、保存指定がされたかの判定処理を行い、保存指定がされたと判定するとステップS1608へ進み、デスプールテープルの保存処理を行う。この処理は、メモリ上のデスプールテープルに展開された印刷設定内容をファイルに書き込む処理である。これにより、製本分冊の設定がブックファイル103に反映される。
【0085】
尚、上述のステップS1603において、分冊が選択されていないと判定した場合ステップS1606へ進み、通常の製本設定のデスプールテーブル書き込み処理を行う。
【0086】
次に、上述した製本印刷の分冊が指定されたブックファイル103の印刷時の処理について説明する。
【0087】
図17は、本実施形態における印刷時の概略処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1701において、保存されたブックファイル103の読み込み処理を行う。この処理は、上述したように、ブックファイル103を読み込み、その印刷設定をデスプールテーブル上に展開する処理である。そして、ステップS1702において、印刷指示がされたかの判定処理を行う。この判定は、図19に示す製本アプリケーション104によるUI画面上から、ユーザが印刷指示を行ったか判定するものである。ここで、印刷指示を行った場合はステップS1703へ進み、デバイス能力の取得処理を行う。この処理は、出力デバイス(プリンタ)によって、上述した製本分冊等の設定が1ジョブで実現可能であるか、複数ジョブに分割しなくては実現できないかというように能力が異なるため、デバイスに能力を問い合わせる処理である。
【0088】
尚、この問い合わせは、指定された出力デバイスに直接問い合わせても良いし、また出力デバイスがシステムに接続された時点でその出力デバイスから能力に関する情報を取得し、テーブル等に保持しておくようにしても良い。
【0089】
次に、ステップS1704において、そのデバイスが1ジョブで実現可能かの判定処理を行い、1ジョブで実現可能でないと判定するとステップS1705へ進み、デスプールテーブルへの分割指示をEnableとする処理を行う。具体的には、読み込んだ印刷設定(図22)に、図23に示すように、ドキュメント全体に有効な印刷設定におけるデスプールテーブルの分割指示フラグ2301をEnableにセットする処理である。また、ステップS1704において、1ジョブで実現可能であると判定するとステップS1706へ進み、デスプールテーブルの分割指示Disable処理を行う。この処理は、同様に、デスプールテーブルの分割指示フラグをDisableにセットする処理である。これらのフラグに基づき、後述する電子原稿デスプーラ105による印刷処理の仕方の振り分けが行われる。そして、ステップS1707において、デスプーラ105に対して印刷処理を指示し、印刷が行われる。
【0090】
ここで、電子原稿デスプーラ105内の印刷処理の概要について説明する。
【0091】
図18は、本実施形態における電子原稿デスプーラ105の処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1801において、印刷指示がされたか否かの判定処理を行う。ここで、印刷指示がされていなければステップS1806へ進み、その他の処理を行うが、先の一連の処理で、製本アプリケーション104から印刷指示があるとステップS1802へ進み、ジョブ分割指示フラグの読み込み処理を行う。この処理は、上述した製本アプリケーション104によりデバイスの能力に応じてセットされたフラグを読み込む処理である。次に、ステップS1803において、ジョブ分割指示フラグがEnableか判定し、Enableであると判定するとステップS1804へ進み、複数ジョブの印刷処理を行う。この処理は、実際にジョブを複数の印刷ジョブに分け、設定内容を実現しようとするものである。また、ステップS1803において、Disableであると判定するとステップS1805へ進み、1ジョブでの印刷処理を行う。印刷処理1406は、具体的には、デスプーラが、元のドキュメント名称と分割IDとから分割されたジョブのドキュメント名称をプリンタドライバに通知し、更に製本アプリケーションから入力された文書ファイルのデータを描画データとしてプリンタドライバに出力する処理である。プリンタドライバは、デスプーラから通知されたドキュメント名称で、デスプーラから入力される(実際はOSのグラフィックエンジンを介して入力される)描画データに基づいて、プリンタが解釈可能な印刷データの生成処理を行う。この印刷処理が、分割回数分繰り返されることにより、プリンタドライバから複数の印刷ジョブが生成される。
【0092】
本発明では、従来のようにプリンタドライバで複数の印刷ジョブに分割して生成させずに、デスプーラがプリンタドライバが1ジョブで処理可能であるかを判断して、1ジョブで処理不可能であると判断された場合に、デスプーラが予め分割されるジョブ単位に、ドキュメント名称と描画データ(分割される単位で)の出力を行うため、結果として生成される複数の印刷ジョブは、それぞれがデバイスで処理可能な単位となっており、ユーザが所望とする印刷物を手に入れることができる。また、生成される複数の印刷ジョブは、デスプーラが定義したドキュメント名を有しているため、利用者が印刷状況を監視するために、オペレーティングシステムによって提供されている機能やジョブ管理ユーティリティによるジョブ監視機能によってジョブキューの状態を表示させた場合に、表示された印刷ジョブが利用者が印刷させている文書のものであるか特定することができる。つまり、特に印刷中に障害が発生した場合等に、再度印刷し直す文書がどれであるのか特定することを可能にし、印刷システムの操作性を向上させるという効果がある。また、アプリケーションから印刷ジョブと文書とを対応づけて管理できることから、印刷ジョブを文書単位で扱うことができ、例えば、分割されたジョブの一方が削除された場合など、同じ文書から生成された他のジョブも削除する処理を行うことができる。
【0093】
このように、製本アプリケーション104、電子原稿デスプーラ105の一連の処理により、デバイスの能力に応じた最適な印刷方法の選択が可能となる。
【0094】
[他の実施形態]
前述した実施形態では、デバイスの能力に応じて、製本印刷の分冊ジョブを、複数のジョブに分割するか、1つのジョブとするかを制御する方法について説明したが、他の実施形態として文書を複数の部分に分けてステープルする場合に、デバイスの能力に応じて、部分ステープルジョブを複数のジョブに分割するか、1つのジョブとするかを制御する方法について説明する。
【0095】
図24は、部分ステープルが設定された場合の保存処理を示すフローチャートである。まず、ステップS2401において、ブックファイル103を読み込んだ際、印刷体裁の取得処理を行う。この処理は、ブックファイル103から印刷用設定データを読み込み、デスプールテーブルと呼ばれるメモリ上の展開領域に印刷体裁設定を展開する処理である。次に、ステップS2402において、このシートのくくりでステープルするかの判定処理を行う。ここで、ステープルすると判定するとステップS2403へ進み、ステープル及び分割設定のデスプールテーブル書き込み処理を行う。具体的には、図25に示すように、シートのくくりで有効な印刷設定に対してステープルを行うステープルフラグとジョブを分割するための分割フラグをセットする。そして、ステップS2404において、最後のシートのくくりかの判定処理を行い、最後のシートと判定するまで、上述のステップS2402以降の処理を繰り返す。
【0096】
その後、最後のシートと判定するとステップS2405へ進み、保存指定がされたかの判定処理を行う。ここで、保存指定がされたと判定するとステップS2406へ進み、デスプールテープルの保存処理を行う。この処理は、メモリ上のデスプールテープルに展開された印刷設定内容をファイルに書き込む処理である。これにより、部分ステープルの設定がブックファイル103に反映される。
【0097】
また、印刷時は、上述の実施形態と同様に、製本アプリケーション104及び電子原稿デスプーラ105の一連の処理により、デバイスの能力に応じて、部分ステープルを伴った最適な印刷方法の選択が可能となる。
【0098】
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インタフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0099】
また、本発明の目的は前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0100】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0101】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えばフロッピーディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0102】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0103】
更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、デバイスの能力に応じて、1ジョブで実現するか、複数ジョブを生成して実現するか振り分けることを可能とし、また保存された文書に対しても同機能を実現することを可能とし、ユーザが所望する機能をデバイスの能力に応じた最適な出力方法で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタンドアロン型の文書処理システムのブロック図である。
【図2】文書処理システムを実現するコンピュータのブロック図である。
【図3】ブックファイルの構造の一例を示す図である。
【図4】ブック属性の一覧を示す図である。
【図5】章属性の一覧を示す図である。
【図6】ページ属性の一覧を示す図である。
【図7】ブックファイルを開く手順のフローチャートである。
【図8】電子原稿ファイルをブックファイルにインポートする手順のフローチャートである。
【図9】アプリケーションデータを電子原稿ファイルに変換する手順のフローチャートである。
【図10】既存のブックファイルを開いた際のユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図11】新規のブックファイルを開いた際のユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【図12】クライアントサーバ型の文書処理システムのブロック図である。
【図13】本実施形態における印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図14】両面印刷機能を有するカラーレーザプリンタの構造を示す断面図である。
【図15】設定変更後のデスプールテーブル保存処理を示すフローチャートである。
【図16】製本印刷の分冊が設定された場合の保存処理を示すフローチャートである。
【図17】本実施形態における印刷時の概略処理を示すフローチャートである。
【図18】本実施形態における電子原稿デスプーラ105の処理を示すフローチャートである。
【図19】製本アプリケーション104によるUI画面を示す図である。
【図20】印刷設定におけるUI画面の詳細設定を示す図である。
【図21】デスプールテーブルの構成を示す図である。
【図22】製本分冊設定のデスプールテーブルを示す図である。
【図23】図22に示すデスプールテーブルに分割指示フラグをセットした図である。
【図24】部分ステープルが設定された場合の保存処理を示すフローチャートである。
【図25】ステープル及び分割設定のデスプールテーブルを示す図である。
Claims (5)
- 印刷装置で印刷処理される印刷データを生成するプリンタドライバを有する情報処理装置であって、
一つの文書を印刷するために設定画面を介して設定された印刷設定情報に応じて前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性が設定されたと判断した場合、前記複数の部分に分ける単位が記述されたデスプールテーブルを保持し、前記プリンタドライバにより前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性を実現するために複数の印刷データが生成されると判断した場合、前記保持されたデスプールテーブルに前記複数の部分に分ける単位にて分割することを記述することにより前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割して出力するように指示し、前記プリンタドライバにより前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性を実現するために複数の印刷データが生成されないと判断した場合、前記保持されたデスプールテーブルを用いて前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割せずに出力することを指示する指示手段と、
前記指示手段により前記複数の描画データに分割して出力するように指示された場合、前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割して前記プリンタドライバへ出力し、前記指示手段により前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割せずに出力するように指示された場合、前記一つの文書のデータに基づく一つの描画データを前記プリンタドライバへ出力する出力手段とを有し、
前記プリンタドライバは、前記出力手段により出力された複数の描画データに基づいて複数の印刷データを生成するか、前記出力手段により出力された1つの描画データに基づいて1つの印刷データを生成することを特徴とする情報処理装置。 - 前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性とは、製本印刷の分冊設定、または、文書の各部分をステープルする部分ステープルであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 印刷装置で印刷処理される印刷データを生成するプリンタドライバを有する情報処理装置の処理方法であって、
一つの文書を印刷するために設定画面を介して設定された印刷設定情報に応じて前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性が設定されたと判断した場合、前記複数の部分に分ける単位が記述されたデスプールテーブルを保持し、前記プリンタドライバにより前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性を実現するために複数の印刷データが生成されると判断した場合、前記保持されたデスプールテーブルに前記複数の部分に分ける単位にて分割することを記述することにより前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割して出力するように指示し、前記プリンタドライバにより前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性を実現するために複数の印刷データが生成されないと判断した場合、前記保持されたデスプールテーブルを用いて前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割せずに出力することを指示する指示工程と、
前記指示工程において前記複数の描画データに分割して出力するように指示された場合、前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割して前記プリンタドライバへ出力し、前記指示工程において前記一つの文書のデータを複数の描画データに分割せずに出力するように指示された場合、前記一つの文書のデータに基づく一つの描画データを前記プリンタドライバへ出力する出力工程とを有し、
前記プリンタドライバは、前記出力工程において出力された複数の描画データに基づいて複数の印刷データを生成するか、前記出力工程において出力された1つの描画データに基づいて1つの印刷データを生成することを特徴とする情報処理装置の処理方法。 - 前記文書を複数の部分に分けて印刷する属性とは、製本印刷の分冊設定、または、文書の各部分をステープルする部分ステープルであることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置の処理方法。
- コンピュータを請求項1又は2に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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