JP4738467B2 - 観音開き型扉用施錠装置 - Google Patents

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Description

本発明は、錠前ユニットの回転出力部に連動装備したラッチボルトによって扉を閉鎖位置に錠止する観音開き型扉用施錠装置の改良に関する。
垂直方向のヒンジピンによって観音開き型の二枚の扉をボックス本体に枢着し、前記二枚の扉の一方に錠前ユニットを設け、前記二枚の扉の他方に受金を設け、前記錠前ユニットの回転出力部に連動装備したラッチボルトを前記受金に係合させることによって、前記二枚の扉を閉鎖位置に錠止することは従来から行なわれている。
このような観音開き型扉用施錠装置のラッチボルト機構では、前記ラッチボルトの収容ケースは前記一方の扉の背面側に配置され、前記受金は前記他方の扉の背面側に配置されており、ラッチボルトが出入りするガイド孔は前記収容ケースの側面部に水平方向に設けられ、ラッチボルトが係合する受孔は前記受金に水平方向に設けられている。
前記他方の扉を閉鎖位置に保持した状態において前記一方の扉を閉鎖方向に回転操作したとき、扉の回転終端域において前記ラッチボルトの先端カム斜面が前記他方の扉の縁面または前記受金の縁面と協働することによって、前記ラッチボルトが一旦水平方向に後退し、当該扉が正規の全閉位置まで回転したとき、バネ付勢によって前記ラッチボルトが水平方向に前進し、前記受金の受孔に係合する(以下、ラッチ動作という)ようになっている(特許文献1参照)。
しかしながら、ボックスのユーザーによっては、前記受金の設けられた前記他方の扉を閉鎖位置に保持せず、前記二枚の扉をいずれもフリーに開閉回転できるようにするセットする使用形態が採られることがある。
ラッチボルトを使用した錠止装置では、一般に前記ラッチ動作のストロークが短く、元々ラッチボルトと受金の係合長さが短いものであるため、上記のように二枚の扉がフリー状態に置かれている使用形態では、要であるデッドボルトが受金から抜け出てしまい、錠止が成立しないか、一旦成立しても直ぐに解除されてしまう危険があった。
このような現象を防止するにはラッチボルトと受金の係合長さを出来るだけ長く設定すればよいのであるが、それにも一定の限界がある。
特開平11−182117号公報
本発明の課題は、二枚の扉をフリーの状態で使用してもラッチボルトと受金の係合が解除されることがない観音開き型扉用施錠装置を提供することである。
本発明の特徴とするところは、垂直方向のヒンジピンによってボックス本体に枢着された観音開き型の二枚の扉の一方に錠前ユニット錠を設け、前記二枚の扉の他方に受金を設け、前記錠前ユニットの回転出力部に連動装備したラッチボルトを前記受金に係合させることによって、前記二枚の扉を閉鎖位置に錠止する観音開き型扉用施錠装置において、
前記錠前ユニットが設けられる前記一方の扉の正面側に前記錠前ユニットと前記ラッチボルトの収容ケースを設け、前記収容ケースの内部にガイド筒部を垂直方向に形成し、前記ガイド筒部の上端部を前記収容ケースの上側面部より突出させ、前記ラッチボルトが垂直方向に出入りするガイド孔を前記ガイド筒部に設け、前記受金を前記他方の扉の正面側に配置して設け、前記受金に前記一方の扉の正面側に張り出す延長部を形成し、前記延長部の下側面部に前記ガイド筒部の前記上端部が入り込む空所を設け、該空所に係合壁板部を水平方向に形成し、前記係合壁板部に前記ラッチボルトが係合する受孔を垂直方向に形成し、前記他方の扉の閉鎖時に前記係合壁板部の背面側縁部に押される傾斜カム面を前記ラッチボルトの上端部に形成したである。
本発明の観音開き型扉用施錠装置では、前記シリンダー錠と前記ラッチボルトの収容ケースを前記一方の扉の正面側に設け、前記受金を前記他方の扉の正面側に設け、前記受金に前記一方の扉の正面側に張り出す延長部を形成し、前記収容ケースの内部にガイド筒部を垂直方向に形成し、前記ガイド筒部の上端部を前記収容ケースの上側面部より突出させ、前記ラッチボルトが垂直方向に出入りするガイド孔を前記ガイド筒部に設け前記延長部の下側面部に前記ガイド筒部の前記上端部が入り込む空所を設け、該空所に係合壁板部を水平方向に形成し、前記係合壁板部に前記ラッチボルトが係合する受孔を垂直方向に形成し、前記他方の扉の閉鎖時に前記係合壁板部の背面側縁部に押される傾斜カム面を前記ラッチボルトの上端部に形成してあるため、前記二枚の扉を回転フリーの状態で使用しても、前記デッドボルトが前記受金から抜け出てしまって錠止が成立しないという現象、また、一旦錠止が成立しても直ぐに解除されてしまうという現象が的確に防止できる。
図示の実施例では、左右二枚の扉1,2は観音開き型の扉であり、左側の扉1は左側端部をボックス本体3の開口部4の左側縁部に垂直なヒンジピン(図示していない)によって枢着されている。右側の扉2は右側端部をボックス本体3の開口部4の右側縁部に別の垂直なヒンジピン(図示していない)によって枢着されている。
左側の扉1の正面側に配置された収容ケース5は、背面側に開口した3個の固着孔6に捻じ込まれるビス(図示していない)によって扉1に固着される。扉1には固着孔6に対応して3個のビス挿入孔7を設けてある。
右側の扉2の正面側に配置された受金8は正面視L字状であり、その主体部11を背面側に開口した2個の固着孔9に捻じ込まれるビス(図示していない)によって扉2に固着される。扉2には固着孔9に対応して2個のビス挿入孔10を設けてある。
受金8の延長部12は水平に突出形成されており、左右の扉1,2が共に閉鎖位置にあるとき、延長部12は収容ケース5の上面側に配置される。
収容ケース5の下半部分に収容された錠前ユニット13としては、キー側にCPU、時計及び記憶装置を搭載し、ロック本体側にリーダを搭載しており、使用者のIDナンバー、使用履歴、使用時間・場所などの情報をデジタル信号として遣り取りする電子ロック方式の錠前ユニットが採用されている。この錠前ユニットとしては、通常のメカニカルなシリンダー錠も使用することができ、錠前ユニットの構造や作動方式は特に限定されない。
錠前ユニット13の回転出力部14の断面小判型軸部には、カム板15が嵌合され、ナット16によって締め付け固定されている。カム板15の上端縁部の円弧状孔17にはリンク板18の下端部に装着した連結ピン19が挿通されている。収容ケース5のベース板20に形成したガイド筒部21は、上端部が収容ケースの上側面部から突出しており、収容ケース5の上半分に配置されており、ガイド孔22はガイド筒部21の上面に開口している。
リンク板18の上端部のスロット23には別の連結ピン24が挿通され、連結ピン24によってリンク板18がラッチボルト25に連結されている。錠前ユニット13の回転出力部14が回転するとき、カム板15とリンク板18を含む連動機構の介在によって、ラッチボルト25は垂直方向に移動することになる。ラッチボルト25は、ガイド筒部21の内底部とラッチボルト25の首部の間に挿入された圧縮コイルバネ26によって、突出方向に移動付勢されている。
ラッチボルト25の長さ方向のスロット27には規制ピン28がガイド筒部21を通して挿通されており、ラッチボルト25の突出長さを規制している。収容ケース5のベース板20は、4個の固着孔29を通るビス(図示していない)によって収容ケース5に固定されている。
受金8の水平な延長部12の下側面部には、ガイド筒部21の前記上端部が入り込む空所が設けられ、該空所に水平方向に形成された係合壁板部には、ラッチボルト25の係合用受孔30が垂直方向に形成されている。ラッチボルト25の上端部には、前記他方の扉の閉鎖時に前記係合壁板部の背面側縁部に押される傾斜カム面31が形成されている。錠前ユニット13はナット32によって収容ケース5に固着されている。リンク板18の上端部は、ラッチボルト25の下端部の割溝33に嵌挿されている。左側の扉1の右側端部の背面側にはストッパー板部34がL字状に曲げ形成され、右側の扉2の左側端部の背面側には、ストッパー板部34に当接する縁板部35が曲げ形成されている。他方の扉2には放熱等に利用される貫通孔36を設けてある。
2枚の扉1,2の閉鎖に当っては、受金8の延長部12に扉1が干渉することのないようにするため、扉1が先に閉鎖され、その次に扉2が閉鎖される。この扉2の閉鎖の終端域において、受金8の延長部12の前記係合壁板部の背面縁部がラッチボルト25の傾斜カム面31に当るため、ラッチボルト25は圧縮コイルバネ26の付勢に抗して下方向に後退する。扉1のストッパー板部34に扉2の縁板部35が当接する全閉位置に来たとき、収容ケース5側のガイド孔22と受金8側の受孔30が正対位置に来るため、ラッチボルト25は圧縮コイルバネ26の付勢によって上方向に前進し、ラッチボルト25の先端部が受金8の前記係合壁板部の受孔30に係合する。これによって左右二枚の扉1,2はボックス本体3に対して錠止される。
この錠止は、錠前ユニット13に所定のキー(図示していない)を使用して回転出力部14を回すことによって解除される。回転出力部14を回すと、カム板15及びリンク板18を含む連動機構の介在によって、ラッチボルト25は下方向に後退し、ラッチボルト25の先端部が受金8の延長部12の受孔30から抜け出る。
本発明の一実施例に係る観音開き型扉用施錠装置の正面図であり、施錠状態を示している。 図1の観音開き型扉用施錠装置の平面図である。 図1の観音開き型扉用施錠装置の左側面図である。 図1のA−A線断面図である。 図3のB−B線断面図である。 図1の観音開き型扉用施錠装置が取り付けられる二枚の扉の要部正面図である。
1 一方の扉
2 他方の扉
3 ボックス本体
4 ボックス本体の開口部
5 収容ケース
6 収容ケースの固着孔
7 一方の扉のビス挿入孔
8 受金
9 受金の固着孔
10 他方の扉のビス挿入孔
11 受金の主体部
12 受金の延長部
13 錠前ユニット
14 錠前ユニットの回転出力部
15 カム板
16 ナット
17 カム板の円弧状孔
18 リンク板
19 連結ピン
20 収容ケースのベース板
21 収容ケースのガイド筒部
22 収容ケースのガイド孔
23 リンク板のスロット
24 連結ピン
25 ラッチボルト
26 圧縮コイルバネ
27 ラッチボルトのスロット
28 規制ピン
29 ベース板の固着孔
30 受金の受孔
31 ラッチボルトの傾斜カム面
32 ナット
33 ラッチボルトの割溝
34 一方の扉のストッパー板部
35 他方の扉の縁板部
36 他方の扉の貫通孔

Claims (1)

  1. 垂直方向のヒンジピンによってボックス本体に枢着された観音開き型の二枚の扉の一方に錠前ユニット錠を設け、前記二枚の扉の他方に受金を設け、前記錠前ユニットの回転出力部に連動装備したラッチボルトを前記受金に係合させることによって、前記二枚の扉を閉鎖位置に錠止する観音開き型扉用施錠装置において、
    前記錠前ユニットが設けられる前記一方の扉の正面側に前記錠前ユニットと前記ラッチボルトの収容ケースを設け、前記収容ケースの内部にガイド筒部を垂直方向に形成し、前記ガイド筒部の上端部を前記収容ケースの上側面部より突出させ、前記ラッチボルトが垂直方向に出入りするガイド孔を前記ガイド筒部に設け、前記受金を前記他方の扉の正面側に配置して設け、前記受金に前記一方の扉の正面側に張り出す延長部を形成し、前記延長部の下側面部に前記ガイド筒部の前記上端部が入り込む空所を設け、該空所に係合壁板部を水平方向に形成し、前記係合壁板部に前記ラッチボルトが係合する受孔を垂直方向に形成し、前記他方の扉の閉鎖時に前記係合壁板部の背面側縁に押される傾斜カム面を前記ラッチボルトの上端部に形成したことを特徴とする観音開き型扉用施錠装置。
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