図1は、本発明の第1実施形態に係る電気機器に相当するテレビジョン装置1の外観を示している。テレビジョン装置1は、BS放送、CS放送、及び地上波デジタル放送の受信が可能であり、筐体2の前面に液晶パネルからなるディスプレイ部11(表示部に相当)を設けると共に、筐体2の下方前面にスピーカ12を配置している。さらに、テレビジョン装置1は、筐体2の上部には操作パネル13を設けると共に、図1では見えない背面に外部機器との接続用の外部接続端子部を設けている。第1実施形態のテレビジョン装置1は、操作パネル13に含まれるボタン(例えば、メニューボタン)の操作により、図4(a)(b)、図5(a)(b)に示すメニュー30をOSDでディスプレイ部11に表示すると共に、操作パネル13が具備する単一の操作ボタン(例えば、インプットボタン)で、メニュー30に含まれる項目を選択するカーソルを2通りのパターンで移動可能にしたことを特徴としている。
図2は、テレビジョン装置1の内部構成を示すブロック図である。テレビジョン装置1は、第1受信ユニット3および第2受信ユニット4からの入力系統と、外部接続端子部16からの入力系統を切替部6へ繋げる回路構成にしており、切替部6は映像出力系および音声出力系の回路へ入力された信号を出力する。また、テレビジョン装置1は、操作パネル13およびリモートコントロール装置(以下、リモコン装置20と称す)で受け付けた操作の内容に基づき各ユニット3、4および各部6、7、8等の制御を行うデバイス制御部17を有する。なお、本実施形態では、リモコン装置20はテレビジョン装置1を構成する一部に含まれるものとする。
第1受信ユニット3は、地上波デジタル放送の受信用であり、地上波デジタル放送電波を受信する第1アンテナAn1に接続された第1チューナ3aと、受信した放送電波に係る信号(映像信号および音声信号)に対して復調処理等を行う第1復調部3bを含んでいる。なお、第1復調部3bは、処理を行った信号を切替部6へ送る。また、第2受信ユニット4は、BS放送およびCS放送の受信用であり、これらの放送電波を受信する第2アンテナAn2に接続された第2チューナ4aと、受信した放送電波に係る信号に対して復調処理等を行うと共に処理を行った信号を切替部6へ送る第2復調部4bを含んでいる。
外部接続端子部16は、図3(b)に示すように様々な信号送受規格に合致した複数の接続端子を有している。具体的に、外部接続端子部16は、第1コンポーネント端子16a−1〜3、第2コンポーネント端子16b−1〜3、第3コンポーネント端子16c−1〜3、計3個のHDMI(High Definition Multimedia Interface)端子16d、16e、16f、DVI(Digital Visual Interface)端子16g、およびi.Link端子16hを含み、様々な規格で外部機器との信号送受(映像信号および音声信号の入力または出力)を行えるようにしている。なお、外部接続端子部16は、接続処理部15を介して切替部6と接続されており、各端子から入力された信号を接続処理部15を通じて切替部6へ送るようにしている。なお、接続処理部15は、HDMI端子16d〜16fおよびi.Link端子16hに対して、外部機器と接続されているか否かを検出する処理を行っており、接続中であることを検出した場合、接続中を表す旨の信号をデバイス制御部17へ送る処理を行う。
図2に戻り、切替部6は、入力系統の回路(第1受信ユニット3、第2受信ユニット4または外部接続処理部15)のいずれかと、出力系統の回路(映像制御部7および音声制御部10)との接続をデバイス制御部17からの制御により切り替える処理を行うものであり、接続された入力系統の回路で取得された信号に含まれる映像信号および音声信号を抽出すると共に、抽出した映像信号を映像制御部7へ送り、音声信号を音声制御部10へ送る処理を行う。
映像制御部7は、切替部6から送られた映像信号の輝度信号と色差信号とに基づきマトリクス変換処理を行って、画像信号としてのRGB信号を生成し、このRGB信号に対してディスプレイ部11の画素数に合わせたスケーリング処理を行い、1画面分の画像を生成してディスプレイ制御部9へと出力する。また、OSD制御部8は、ビデオRAMおよびCG(Character Generator)メモリ等を内蔵し、デバイス制御部17から送られるデータをディスプレイ部11における表示位置の情報に基づきビデオRAMに格納すると共に、デバイス制御部17の制御に基づき、ビデオRAMに格納しているデータを読み出して、OSDとして表示すべき画像データ(例えば、図4(a)(b)等に示すメニュー用の画像データ)にCGメモリで変換してディスプレイ制御部9へ出力する。
ディスプレイ制御部9は、映像制御部7から送られる画像信号およびOSD制御部8から送られる画像データに応じた画面内容をディスプレイ部11で表示するための処理を行うものであり、表示すべき画面内容をディスプレイ部11へ送ることで、ディスプレイ部11には所要の映像(画像)が表示される。
一方、音声制御部10は、切替部6から送られた音声信号に対して所定の処理(増幅処理など)を行ってからスピーカ12へと出力するものであり、このような音声制御部10での処理により、スピーカ12から所定の音声が出力される。
図3(a)は、操作パネル13を示しており、操作パネル13は、ユーザからの操作を受け付ける押し下げ式の各種ボタン13a〜13eを具備する。具体的に操作パネル13は、音量調整ボタン13a、チャンネルボタン13b、インプットボタン13c(本発明に係る操作部に該当)、メニューボタン13dおよび電源ボタン13eを有している。これらの各ボタンは、押し下げられる操作を受け付けると、操作パネル13に接続された操作信号処理部14が押し下げられたボタンに応じた操作信号をデバイス制御部17へ送る処理を開始し、また、押し下げられる操作が解除されると、操作信号処理部14は操作信号をデバイス制御部17へ送る処理を停止する。このような操作信号処理部14での処理により、デバイス制御部17は、操作パネル13での各ボタンでの操作受付、および操作受付の解除を検出できるようになる。
なお、操作パネル13は、テレビジョン装置1に対して最低限必要な操作用のボタンだけを設けており、その他の詳細な機能に応じた操作用のボタンは、図2に示すリモコン装置20に設けている。リモコン装置20に設けられた各ボタンが操作されると、操作されたボタンに応じた信号がリモコン装置20から発せられ、発せられた信号(赤外光による無線信号)を受信部18が受信してデバイス制御部17へ送ることで、デバイス制御部17は、リモコン装置20で操作された内容を検出する。
デバイス制御部17は、テレビジョン装置1の全般的な制御を行っており、本発明に関する処理としては、操作パネル13のメニューボタン13dでの操作に応じてディスプレイ部11へ各種メニューを表示すると共に、メニューの中に順次並べた複数の項目を選択するためのカーソルを操作パネル13のインプットボタン13cでの操作受付に応じて移動させるように制御する。デバイス制御部17は、メモリ17aを内蔵しており、このメモリ17aにカーソルの移動制御処理に用いる閾時間21、表示用のメニューデータ22およびデバイス制御部17が行う各種制御処理の内容を規定したプログラム等を予め記憶している。以下、メニューの表示およびカーソルの移動に関する制御処理について詳しく説明する。
図4(a)は、ディスプレイ部11に表示される一例のメニュー30を示し、このメニュー30は、デバイス制御部17aのメモリ17aに記憶されるメニューデータ22に基づくものである。メニューデータ22は、テレビジョン装置1が有する各種機能に応じた項目を選択するための複数のメニューに応じたデータを含んでおり、図4(a)のメニュー30は、メニューデータ22が含むメニューの中の入力系統(INPUT SOURCE)を選択するためのものであり、メモリ17aから読み出された図4(a)のメニュー30用のデータに対してOSD制御部8およびディスプレイ制御部9が所定の処理を行うことで、メニュー30がディスプレイ部11に表示される。
メニュー30は、テレビジョン装置1の上述した構成の入力系統に応じた複数の項目31a〜35を順次並べた内容になっており、本実施形態では、図3(b)に示す各端子の種類の属性に応じて項目をグループ化している。第1グループ31に含まれる項目31a〜31cは、放送信号の受信に応じたグループになっており、第1項目31aは入力系統として図2に示す第2受信ユニット4で受信するBS放送を選択する内容であり、第2項目31bは入力系統として第2受信ユニット4で受信するCS放送を選択する内容であり、第3項目31cは入力系統として第1受信ユニット3で受信する地上デジタル放送を選択する内容になっている。
また、第2グループ32に含まれる項目32a〜32cは、各コンポーネント端子16a−1〜3、16b−1〜3、16c−1〜3に対応したグループになっている。具体的に第4項目32aは入力系統として第1コンポーネント端子16a−1〜3(INPUT1)に接続される外部機器(本実施形態ではVCR(ビデオカセットレコーダ)を想定)を選択する内容であり、第5項目32bは入力系統として第2コンポーネント端子16b−1〜3(INPUT2)に接続される外部機器(本実施形態ではDVD(DVDレコーダ)を想定)を選択する内容であり、第6項目32cは入力系統として第3コンポーネント端子16c−1〜3(INPUT3)に接続される外部機器(本実施形態では他の種類の外部機器を想定)を選択する内容になっている。
さらに、第3グループ33に含まれる項目33a〜33cは、各HDMI端子16d〜16fに対応したグループになっている。具体的に第7項目33aは入力系統として第1HDMI端子16d(INPUT4)に接続される外部機器を選択する内容であり、第8項目33bは入力系統として第2HDMI端子16e(INPUT5)に接続される外部機器を選択する内容になっており、第9項目33cは入力系統として第3HDMI端子16f(INPUT6)に接続される外部機器を選択する内容になっている。
さらにまた、第4グループに相当する第10項目34は、入力系統としてDVI端子16g(INPUT7)に接続される外部機器(本実施形態ではパーソナルコンピュータ(PC)を想定)を選択する内容になっている。最後に、第5グループに相当する第11項目35は、入力系統としてi.Link端子16hに接続される外部機器を選択する内容になっている。
メニュー30の中の上述した各項目31a〜35は選択可能となっており、選択されている状態の項目にはカーソル38(図4(a)中、太線枠で示す)が位置し、このカーソル38をデバイス制御部17は操作パネル13のインプットボタン13cの操作に応じて移動させる制御をデバイス制御部17が行うことで選択対象に係る項目を変更できるようにしている。また、本実施形態のメニュー30は、後述するカーソル38の移動状態の一つであるスキップ移動(第2移動状態に相当)でのカーソル38の移動先に応じた項目31a、32a、33a、34、35(大項目の単位に相当)は、他の項目31b、31c、32b、32c、33b、33c(小項目の単位に相当)と相異する形態(本実施形態では背景色を相異)で表示するデータ内容になっている。
また、デバイス制御部17は、メニュー30の表示処理を行う際に、接続処理部15から送られてくる各端子16d〜16f、16hが接続中あるか否かを示す旨の信号の有無に応じて項目33a〜33c、35の表示形態および選択可否を変更する処理を行う。例えば、メニュー30の表示処理を行う際に接続処理部15から、i.Link端子16hについては接続中である旨の信号をデバイス制御部17が受け取っていない場合、デバイス制御部17は図4(b)のメニュー30に示すように、i.Link端子16hに応じた第11項目35を波線で表した形態を生成すると共に、カーソル38も移動できないように制御する。このようにすることで、入力系統として選択できない項目を視覚的にユーザに示すと共に、実際のカーソル移動の操作で選択できないようにして、使えない項目を無駄に選択する状態になることを回避している。
なお、図4(a)(b)に示すメニュー30における各項目31a、31b等の並ぶ順序はデフォルトの状態を示しており、各項目31a、31b等の並ぶ順序は、図示しない設定メニューで、ユーザの使い勝手に応じて適宜変更可能になっている。そのため、メニュー30を構成する表示用のデータも、項目ごとに応じたデータの順序を変更できるデータ構成になっている。
次に、本発明の特徴であるインプットボタン13cの操作(短時間押し下げと、長時間押し下げ)の使い分けに応じて、カーソル38の移動の仕方をデバイス制御部17が変える処理内容について説明する。デバイス制御部17は、図4(a)(b)等に示すメニュー30の表示処理を行っている場合に、操作信号処理部14からインプットボタン13cが押し下げられて操作受付を行ったことを示す操作信号をデバイス制御部17が受け付けた場合、自己が有するタイマー機能を用いて操作中の時間を計時を開始する処理を行う。また、インプットボタン13cの押し下げが解除されて、それに伴い操作受付を表す操作信号が送られてくることが停止されると、デバイス制御部17は計時を停止する処理を行う。このような処理により、デバイス制御部17は、インプットボタン13cでの操作受付から操作受付解除までの時間を計時することになる。
また、デバイス制御部17は、インプットボタン13cの操作に係る時間を計時すれば、計時した時間と、メモリ17aに記憶した閾時間(閾値に相当。本実施形態では1.5秒)とを比較する処理を行う。比較の結果、計時した時間が閾時間を下回る場合、デバイス制御部17は、インプットボタン13cの操作受付時のカーソル38が位置する項目(図4(a)の場合では、第1項目31a)の次に並ぶ項目(図4(b)に示す第2項目31b)へカーソル38を移動させる処理を行う。なお、このようなカーソル38の移動はステップ的な移動に相当するため、以降、ステップ移動(第1移動状態に相当)と称す。
一方、比較の結果、計時した時間が閾時間以上となる場合、デバイス制御部17は、インプットボタン13cの操作受付時のカーソル38が位置する項目(図4(a)の場合では、第1項目31a)から間隔を空けた項目(例えば、図4(a)に示す第1項目31aから図5(a)のメニュー30に示す第4項目32a)へカーソル38を移動させる処理を行う。なお、このようなカーソル38の移動は、項目をとばすスキップ的な移動に相当するため、スキップ移動(第2移動状態に相当)と称す。なお、スキップ移動でカーソル38を複数回移動する場合は、例えば、図4(a)に示すカーソル38の位置、図5(a)に示すカーソル38の位置、図5(b)に示すカーソル38の位置の順で、カーソル38をスキップ的に移動させられる。
デバイス制御部17は、メニュー30を表示している間、インプットボタン13cで操作を受け付けるごとに、上述したような操作を行い、最後にインプットボタン13cで操作を受け付けてから5秒以上経過すると、その時点でカーソル38が位置する項目に応じた入力系統の回路を選択対象(INPUT SOURC)に決定する処理を行う。また、メニュー30を表示している間に、メニューボタン13dを押し下げる操作を受け付けた場合、デバイス制御部17は、メニューボタン13での操作受付を上述したカーソル移動に係る終了操作として捉え、メニューボタン13での操作受付時にカーソル38が位置する項目に応じた入力系統の回路を選択対象(INPUT SOURC)に決定する。
図6に示す第1フローチャートは、第1実施形態のテレビジョン装置1のデバイス制御部17がカーソル移動に関して行う一連の処理手順(カーソル移動方法)を示したものである。以下、この第1フローチャートに従って第1実施形態の処理内容を整理して説明する。まず、デバイス制御部17は、メニューボタン13dがユーザにより操作されたか否かを判断する(S1)。メニューボタン13dの操作が無い場合(S1:NO)、デバイス制御部17の処理は、メニューボタン13dの操作待ちの状態となり、また、メニューボタン13dが操作された場合(S1:YES)、デバイス制御部17は、図4(a)に示すメニュー30をディスプレイ部11に表示する処理を行う(S2)。
次に、デバイス制御部17は、メニュー30を表示した状態で、インプットボタン13cを押し下げる操作があったか否かを判断し(S3)、押し下げる操作を受け付けない場合(S3:NO)、インプットボタン13cの操作待ちの状態になる。また、インプットボタン13cの押し下げ操作を受け付けた場合(S3:YES)、デバイス制御部17は計時を開始し(S4)、それからインプットボタン13cの押し下げ(操作受付)が解除されたか否かを判断する(S5)。インプットボタン13cの押し下げが解除されていない場合(S5:NO)、デバイス制御部17は計時を継続し(S4)、インプットボタン13cの押し下げが解除された場合(S5:YES)、デバイス制御部17は、計時を終了して計時した時間がメモリ17aに記憶した閾時間以上であるか否かを比較判断する(S6)。
計時した時間が閾時間以上で無い場合、すなわち、閾時間を下回る場合(S6:NO)、デバイス制御部17は丁度、図4(a)から図4(b)に示すように、1つ下方へ位置するこう項目へカーソル38をステップ移動させる(S8)。また、計時した時間が閾時間以上である場合(S6:YES)、デバイス制御部17は丁度、図4(a)から図5(a)に示すようにカーソル38をスキップ移動させる(S7)。スキップ移動(S7)またはステップ移動(S8)の後、選択対象の項目に決定する処理またはメニューボタン13dの押し下げ操作(終了操作)があったか否かを、デバイス制御部17は判断し(S9)、決定処理または終了操作のいずれも無い場合(S9:NO)、S3の段階へ戻り、また、決定処理または終了操作のいずれかが有った場合(S9:YES)、一連の処理を終了する。なお、S3の段階へ戻った場合は、インプットボタン13cの操作時間を変更することで、前回のスキップ移動からステップ移動へ、または前回のステップ移動からスキップ移動へと、前回の移動状態と今回(S3の段階へ戻った回)の移動状態を切り替えることも可能となる。
このように第1実施形態に係るテレビジョン装置1は、インプットボタン13に対する操作時間の長短の使い分けに応じて、カーソル38の移動の仕方をスキップ移動と、ステップ移動に切り替えることができるため、単一の操作ボタン(インプットボタン13c)のみで、メニュー30の中から所望の項目を迅速に選択できるユーザインタフェースを提供できる。また、本発明では、テレビジョン装置1の操作パネル13のボタン数を増加させる必要も無いので、テレビジョン装置1のデザインの自由度またはシンプル化を損なわれずに済み、操作パネル13に係るコスト上昇も生じない。
なお、本発明に係る第1実施形態は、上述した内容に限定されるものではなく種々の変形例が存在する。例えば、操作パネル13に設けるボタン(スイッチまたはキーも含む)の方式は、押し下げ式に限定されるものではなく、レバー式、スライド式など他の操作形態のものを適用することも可能である。また、ディスプレイ部11に表示するメニューとしては、入力系統の選択に係るもの以外に、映像調整に係るメニュー、省エネ設定に係るメニュー、本体設定に係るメニュー、チャンネル設定に係るメニュー、タイマー設定に係るメニューなどにおいても第1実施形態に係るカーソルの移動方式を適用することができる。さらに、メニューが有する複数の項目は、ユーザが選択した項目回数をメモリ17a等に記憶しておき、項目回数の多い順にデバイス制御部17が並び替えてメニューを生成するようにしてもよい。
さらにまた、第1実施形態に係る内容は、テレビジョン装置以外の電気機器であっても、複数の項目が並ぶメニューに対して、操作部での操作に応じてカーソルを移動させて項目を選択する仕様になっている電気機器に広く適用することができる。具体的に、適用可能な電気機器としては、DVDレコーダ、HDDレコーダまたはBD(ブルーレイディスク)レコーダのような録画装置、メモリプレーヤ、CDプレーヤ、DVDプレーヤのような再生装置、その他の音響装置(オーディオ製品、オーディオ・ビジュアル製品)、ファクシミリ装置、電話機(携帯電話機も含む)、プリンタ装置、エアーコンディショナ、洗濯機、空気清浄機、オーブンレンジ、冷蔵庫、食洗機等に第1実施形態に係る内容を適用できる。
図7は、第1実施形態に係る内容を適用した変形例の電気機器に相当するポータブル型オーディオ装置40を示す。ポータブル型オーディオ装置40は、直方体状の筐体41の前面41aに、上述したテレビジョン装置1のインプットボタン13cに相当する押し下げ式の操作ボタン42(操作部に相当)を有すると共に、3行の文字を表示できる横長の液晶表示部43を有している。このポータブル型オーディオ装置40も図示しない背面に複数の外部機器との接続用の外部接続端子部を有しており、そのため、出力する音声の取得元を選択できるように図4(a)に準じたメニューを有し、操作ボタン42の押し下げ操作の時間を長短使い分けることで、スキップ操作またはステップ操作でカーソルを移動させてメニューに含まれる項目を適宜選択できるようになっている。
ただし、ポータブル型オーディオ装置40は、液晶表示部43には、3行分の文字だけしか表示できないため、図4(a)に準じたメニューから項目を選択する際には、現在のカーソル位置に応じた項目とその前後に位置する項目のみを表示し、操作ボタン42でカーソルを移動させる操作を行う際に、カーソルの移動に応じてメニューをスクロールする処理を行い、それにより常にカーソル位置に応じた項目が液晶表示部43に表示されるようにしている。
また、第1実施形態に係る操作部は、電気機器の本体に設けた操作パネルが具備するもの以外に、電気機器に係るリモコン装置に設けることも可能である。例えば、図1に示すリモコン装置20に、図3(a)に示すインプットボタン13cおよびメニューボタン13dに準じたボタンを設け、これらのボタン13c、13dが操作を受け付けた場合、リモコン装置20から発せられる無線の操作信号を受信部18が、操作処理部14と同様な対応でデバイス制御部17に送ることで、リモコン装置20の操作部にも本発明を適用できるようになる。そのため、リモコン装置20に設けるボタン数を無用に増加させる必要がなくなり、リモコン装置20のデザイン性を高められると共に、ボタン数を抑制してコストダウンも図れる。
図8(a)(b)は、第1実施形態に係る別の変形例のリモコン装置50を示している。このリモコン装置50は、図6に示す第1フローチャートに係る処理をリモコン装置内に設けたリモコン制御部56で行えるようにしたことが特徴である。図8(a)に示すように、リモコン装置50は、直方体状のリモコン筐体51の表面に操作パネル52を設けており、その操作パネル52に、メニューボタン52aおよびインプットボタン52bを有し、リモコン筐体51の先端には操作信号の発信部54を配置している。
また、図8(b)に示すように、リモコン装置50は、操作パネル52を操作信号処理部55を介してリモコン制御部56と接続し、また、リモコン制御部56は発光回路58を介して発信部54を接続している。リモコン装置50の操作パネル52は図2の操作パネル13に対応するものであり、操作信号処理部55は図2の操作信号処理部14に対応するものであり、リモコン制御部56は図2のデバイス制御部17に対応するものであり、リモコン制御部56は、図2のデバイス制御部17と同様に閾時間57を記憶したメモリ56aを内蔵している。
この変形例のリモコン装置50では、操作パネル52が有するメニューボタン52aでの操作受付が図6の第1フローチャートにおけるS1の段階の処理に関係し、インプットボタン52bの操作受付および操作受付解除が第1フローチャートにおけるS3の段階およびS5の段階の処理に関係する。また、リモコン制御部56は、第1フローチャートの全般的な処理内容に関連し、特にインプットボタン52bの操作受付から操作受付解除までの時間を計時し、計時した時間を閾時間57と比較して、スキップ移動を行うと判断した場合、スキップ移動を行う指示信号を生成し、発光回路58を経て発信部54から受信部18へ送信することになる。また、リモコン制御部56が、ステップ移動を行うと判断した場合、ステップ移動を行う指示信号を生成し、発光回路58を経て発信部54から受信部18へ送信する。
上述した変形例のリモコン装置50と組み合わされるテレビジョン装置1のデバイス制御部17は、受信部18からスキップ移動を行う旨の指示信号が送られると、カーソルをスキップ移動させる制御を行い、また、受信部18からステップ移動を行う旨の指示信号が送られると、カーソルをステップ移動させる制御を行う。よって、図8(a)(b)に示す変形例のリモコン装置50を用いると、リモコン装置50での操作に対するデバイス制御部17での計時処理、ステップ移動またはスキップ移動の判断処理が不要となり、デバイス制御部17の処理負担を低減できるメリットがある。
図9(a)〜(c)は、本発明の第2実施形態に係るテレビジョン装置の操作パネル13′に設けられたインプットボタン13c′を示している。第2実施形態のインプットボタン13c′はダブルアクション式となっており、2段階の操作長で押し下げ操作を受け付けることが可能であり、操作長ごとのインプットボタン13c′に対する操作で、ステップ移動またはスキップ移動を切り替えてカーソルを移動させることが特徴になっている。なお、第2実施形態に係るテレビジョン装置は、操作パネル13′のインプットボタン13c′以外は、ハード的に第1実施形態と同等であるため、以下の説明において、操作パネル13′およびインプットボタン13c′以外は第1実施形態と同じ符号を用いる。
第2実施形態のインプットボタン13c′は、図9(a)に示すように、押し下げ操作が行われていない状態で、操作パネル13′の表面13f′から距離L1だけ突出している。また、図9(b)に示すように、操作パネル13′を押し下げると、表面13f′から突出する長さが距離L2(L2<L1)の時に一度、クリック感が生じる構造になっている。この図9(b)に示す押し下げ状態では、操作パネル13′内に設けられた第1スイッチ(図示せず)がオンになり、図1の操作信号処理部14から、インプットボタン13c′が第1操作長(L1−L2)での押し下げ状態である旨を表す操作信号がデバイス制御部17に送られる。
さらに、図9(c)に示すように、インプットボタン13c′を図9(b)に示す状態より一段と押し下げると、インプットボタン13c′は最終的に、表面13f′から突出する長さが距離L3(L3<L2<L1)になるまで押し込めるようになっている。この図9(c)に示す押し下げ状態では、操作パネル13′内に設けられた第2スイッチ(図示せず)がオンになり、図1の操作信号処理部14から、インプットボタン13c′が第2操作長(L1−L3)での押し下げ状態である旨を表す操作信号がデバイス制御部17に送られる。
また、第2実施形態に係るデバイス制御部17は、操作信号処理部14から送られるインプットボタン13c′の押し下げ操作の受付に伴う操作信号が表す中身により、インプットボタン13c′での操作受付が第1操作長または第2操作長のいずれによるものかを判別する処理を行う。さらに、デバイス制御部17は、インプットボタン13c′での押し下げ操作の受付が第1操作長によるものと判別した場合、図4(a)(b)等に示すメニュー30におけるカーソル38をステップ移動させる処理を行う。さらにまた、デバイス制御部17は、インプットボタン13c′での押し下げ操作の受付が第2操作長によるものと判別した場合、図4(a)(b)等に示すメニュー30におけるカーソル38をスキップ移動させる処理を行う。
図10に示す第2フローチャートは、第2実施形態のテレビジョン装置のデバイス制御部17がカーソル移動に関して行う一連の処理手順(カーソル移動方法)を示したものである。以下、この第2フローチャートに従って第2実施形態の処理内容を整理して説明する。まず、S10〜S12までの処理内容は、第1実施形態と同様であり、デバイス制御部17は、メニューボタン13dがユーザにより操作されたか否かを判断し(S10)、メニューボタン13dの操作が無い場合(S10:NO)、メニューボタン13dの操作待ちとなり、メニューボタン13dが操作された場合(S10:YES)、図4(a)に示すメニュー30をディスプレイ部11に表示する処理を行う(S11)。
次に、デバイス制御部17は、インプットボタン13c′を押し下げる操作があったか否かを、操作信号処理部14からの操作信号の有無で判断し(S12)、押し下げる操作を受け付けていないと判断した場合(S12:NO)、インプットボタン13c′が操作されるのを待つ状態になる。また、インプットボタン13c′の押し下げ操作を受け付けたと判断した場合(S12:YES)、操作信号処理部14から送られた操作信号が表す中身により、操作長が第1操作長または第2操作長のいずれであるかをデバイス制御部17は判別する(S13)
操作長が第1操作長であると判別した場合(S13:第1操作長)、デバイス制御部17はカーソル38をステップ移動させる(S15)。また、操作長が第2操作長であると判別した場合(S13:第2操作長)、デバイス制御部17はカーソル38をスキップ移動させる(S14)。そして、スキップ移動(S14)またはステップ移動(S15)の後、選択対象の項目に決定する処理または終了操作があったか否かを、デバイス制御部17は判断し(S16)、決定処理または終了操作のいずれも無い場合(S16:NO)、S12の段階へ戻り、また、決定処理または終了操作のいずれかが有った場合(S16:YES)、一連の処理を終了する。なお、S12の段階へ戻った場合は、インプットボタン13cの操作長を変更することで、第1実施形態の場合と同様に、前回のカーソルの移動状態と今回(S12の段階へ戻った回)の移動状態を切り替えることが可能となる。
以上のように、第2実施形態における処理では、図9(a)〜(c)に示すダブルアクション式のインプットボタン13c′を用いることで、第1実施形態のように操作受付から操作受付解除までを計時しない簡易な処理で、カーソル38をスキップ移動またはステップ移動させることが可能となり、デバイス制御部17の処理負担が低減されている。なお、第2実施形態でも、第1実施形態で述べた各種変形例の適用が可能である。また、第2実施形態のダブルアクション方式のインプットボタン13c′の第1操作長での操作受付と、第2操作長での操作受付のそれぞれに、第1実施形態に係る操作受付から操作受付解除までの処理を組み合わせることも可能であり、このような組合せでは、一つの操作ボタン(インプットボタン13c′)で計4通りの操作パターンを受け付けることができ、単一ボタンの多機能化を図れる。
図11に示す第3フローチャートは、図9(a)〜(c)に示すダブルアクション式のインプットボタン13c′を用いた第2実施形態の変形例の処理手順(カーソル移動方法)を示している。この変形例では、第1操作長での操作受付と、第2操作長での操作受付の役割を相異させており、インプットボタン13c′が第2操作長で操作を受け付けるごとに、カーソルの移動の状態として、ステップ移動(第1移動状態に相当)と、スキップ移動(第2移動状態に相当)とを交互に切り替える処理をデバイス制御部17が行う一方、インプットボタン13c′が第1操作長で操作を受け付けると、その時の切り替えられた状態(スキップ移動またはステップ移動)で、カーソル38を移動させる処理をデバイス制御部17が行う。
このような第2実施形態の変形例に係る処理内容を第3フローチャートに沿って説明する。なお、この第3フローチャートにおける処理では、スキップ移動がデフォルトで設定されているものとする。まず、デバイス制御部17は、メニューボタン13dがユーザにより操作されたか否かを判断し(S20)、操作が無い場合(S20:NO)、メニューボタン13dの操作待ちとなり、操作があった場合(S20:YES)、メニュー30をディスプレイ部11に表示する処理を行う(S21)。
それからデバイス制御部17は、インプットボタン13c′を第2操作長で押し下げる操作を受け付けたか否かを判断し(S22)、第2操作長での押し下げ操作を受け付けたと判断した場合(S22:YES)、デバイス制御部17の内部処理で、デフォルトのスキップ移動の状態からステップ移動の状態へ切り替えて、次に、インプットボタン13c′を第1操作長で押し下げる操作を受け付けたか否かを判断する(S27)。第1操作長で押し下げる操作を受け付けていないと判断した場合(S27:NO)、第1操作長での押し下げ操作の受付待ちとなり、第1操作長で押し下げる操作を受け付けたと判断した場合(S27:YES)、デバイス制御部17はカーソル38をステップ移動させる(S28)。
その後、デバイス制御部17は、インプットボタン13c′を第2操作長で押し下げる操作を受け付けたか否かを再び判断し(S29)、第2操作長での押し下げ操作を受け付けていないと判断した場合(S29:NO)、選択対象の項目に決定する処理または終了操作があったか否かを、デバイス制御部17は判断し(S30)、決定処理または終了操作のいずれも無い場合(S30:NO)、S27の段階へ戻り、また、決定処理または終了操作のいずれかが有った場合(S30:YES)、一連の処理を終了する。
また、S22の段階で、インプットボタン13c′の第2操作長での押し下げ操作を受け付けていないと判断した場合(S22:NO)は、内部処理的にはデフォルトのスキップ移動の状態が維持され、また、S29の段階で、インプットボタン13c′の第2操作長での押し下げ操作を受け付けたと判断した場合(S29:YES)、内部処理ではステップ移動の状態からスキップ移動の状態へ切り替えられ、この状態で、デバイス制御部17は、インプットボタン13c′を第1操作長で押し下げる操作を受け付けたか否かを判断する(S23)。第1操作長で押し下げる操作を受け付けていないと判断した場合(S23:NO)、第1操作長での押し下げ操作の受付待ちとなり、第1操作長で押し下げる操作を受け付けたと判断した場合(S23:YES)、デバイス制御部17はカーソル38をスキップ移動させる(S24)。
その後、デバイス制御部17は、インプットボタン13c′を第2操作長で押し下げる操作を受け付けたか否かを再び判断し(S25)、第2操作長での押し下げ操作を受け付けていないと判断した場合(S25:NO)、選択対象の項目に決定する処理または終了操作があったか否かを、デバイス制御部17は判断し(S26)、決定処理または終了操作のいずれも無い場合(S26:NO)、S23の段階へ戻り、また、決定処理または終了操作のいずれかが有った場合(S26:YES)、一連の処理を終了する。また、S25の段階で、第2操作長での押し下げ操作を受け付けたと判断した場合(S25:YES)、内部処理でスキップ移動の状態からステップ移動の状態へ切り替えられ、この状態で、デバイス制御部17は、次にS27の段階の処理を行うことになる。
よって、第3フローチャートに示すように、インプットボタン13c′の第2操作長で押し下げる操作の受付に係るS22の段階とS25の段階、およびS22の段階とS29の段階等を行うことと、これらの処理の間で、S24の段階のスキップ移動またはS28の段階のステップ移動を行うことで、インプットボタン13c′が第2操作長で押し下げ操作を受け付けるごとに、ステップ移動とスキップ移動が交互に切り替わる。その結果、インプットボタン13c′の第2操作長での押し下げ操作は、ステップ移動とスキップ移動の切替の際にのみ用いることから、第2操作長での操作と、第1操作長での操作の役割が明確に相異し、一つの操作ボタンを用いて複数種類の操作を行えるようにした場合でもユーザに分かり易い操作インタフェースを提供できる。