JP4737147B2 - 電動車両のモータトルク制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動車両のモータトルク制御装置におけるモータ出力トルク制御に関する。
モータとエンジンの出力によって走行するハイブリッド車両やモータによって走行する電気自動車などの電動車両では、車両に搭載した充放電可能な二次電池から出力される直流電力をインバータ回路により複数相の交流電力に変換してモータを駆動して走行する方法が多く用いられている。このような電動車両では、モータの回転によって車両が走行している場合は、制御装置から出力される指令をうけて、インバータ回路内のスイッチング素子の通電相が順次入れ替わる。
しかし、登坂時等において、モータ出力トルクと登坂の際の勾配抵抗に対応するトルクとがつりあった場合、インバータ回路やモータに通電状態のままモータの回転が停止するロック状態が発生する場合がある。モータのロック状態が続くとインバータ回路の特定のスイッチング素子に連続して通電されるため、特定のスイッチング素子の温度が急速に上昇し、スイッチング素子が損傷する場合があった。
このため、登坂路にてモータがロック状態になった場合に、モータ出力トルクを低減して電動車両を僅かに後退させるとともに、モータの位相領域を変化させて、モータをロック状態から脱出させ、特定のスイッチング素子に連続して電流が流れることを防止する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、モータ出力トルクを低減してモータを逆回転させ、逆回転による回転位置を検出し、この検出結果によってインバータ回路の通電されているスイッチング素子を他のスイッチング素子に切り替えた後に電力を供給するようにして、特定のスイッチング素子に連続して電流が流れないようにする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、電動車両においても、登坂路での操作性を向上させるためにモータに一定のトルクを発生させることによってオートマチック車両と同様のクリープトルクを発生させる方法が用いられている。このようなクリープトルクを発生させることによって、アクセルあるいはブレーキを操作しなくとも登坂路においてずり下がりを発生させないようにすることができる。しかし、登坂路での操作性を向上させるように、道路勾配に応じてクリープトルクを増加させていくように構成すると、急な登坂路にてモータがロック状態となった場合に大きなトルクがかかった状態でのロックとなってしまい、モータの信頼性を低下させる場合がある。そこで、アクセルやブレーキを踏まずに低速の走行を可能とし、車両の速度がゼロに近い速度となった場合には、ロックによるモータの過熱を予測してクリープトルクを徐々に低減してモータのロック状態を防止する方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開平11−215687号公報 特開2001−177905号公報 特開平11−8908号公報
ところで、電動車両では、運転者が操作するアクセルの操作量に応じてモータ駆動電流を制御している。このため、登坂路において運転者がアクセル操作を行い、モータ出力トルクと登坂の際の勾配抵抗に対応するトルクとをつり合わせて、電動車両を停止状態に保持することができる。この場合、モータは、運転者のアクセル操作によって電流が流れた状態で回転数がゼロとなるロック状態となり、インバータ回路のスイッチング素子の過熱が発生したり、回転停止によるモータの冷却効率の低下とモータに流れる電流による加熱の増大によってモータのコイルが過熱したりする場合がある。そして、コイルの過熱が発生すると、モータ保護のために大きなトルク低減率でモータ出力トルクが低減されるので、車両が大きくずり下がり、運転者に不安感を与える場合がある。
特許文献1、2に記載の従来技術では、モータ出力トルクを低減して車両を後退させ、その際のモータの回転によってロックの解除を行うものであり、登坂路において運転者のアクセル操作によってモータがロック状態になった場合にインバータ回路の特定のスイッチング素子に連続して電流が流れるのを防止してスイッチング素子の過熱を防止することはできるが、登坂路において運転者のアクセル操作によって車両が停止状態に保たれ、モータの冷却効率が低い状態でコイルに電流が流れる状態が保持されることによるコイルの過熱や車両の大きなずり下がりを防止することができない。
また、特許文献3には、アクセル及びブレーキの操作をしない場合にクリープトルクを低減してロック状態となることを回避することはできても、登坂路において運転者のアクセル操作によって車両が停止状態に保持されることにより発生するモータのロックを回避することはできず、コイルの過熱や車両の大きなずり下がりを防止することができない。
本発明は、運転者によるアクセル操作によってモータがロック状態になった場合に、運転者に与える不安感が少ないようにずり下がらせることを目的とする。
本発明の電動車両のモータトルク制御装置は、登坂路においてアクセル操作によってモータがロック状態となった際のモータ出力トルクの低減を行う電動車両のモータトルク制御装置であって、モータがロックした際のモータ出力トルクが所定のトルク値よりも小さい場合には、一様のトルク低減率でモータ出力トルクを低減し、モータがロックした際のモータ出力トルクが所定のトルク値以上の場合には、時間に応じてトルク低減率を増大してモータ出力トルクを低減するモータトルク低減手段を有すること、を特徴とする。
本発明の電動車両のモータトルク制御装置において、モータトルク低減手段は、モータのロックによってコイル温度が運転上限温度より低い所定の温度に達した際に、モータ出力トルクの低減を行うこと、としても好適であるし、モータトルク低減手段の一様のトルク低減率は、モータがロックした際のモータ出力トルクが小さくなるに従って大きくなること、としても好適であるし、モータトルク低減手段の時間に応じたトルク低減率の増大は、モータ保護のための急速トルク低減よりもトルク低減率が小さい低速トルク低減率でモータ出力トルクを所定時間だけ低減した後、モータ保護のための急速トルク低減率でモータ出力トルクを低減すること、としても好適であるし、モータトルク低減手段の低速トルク低減率は、モータがロックした際のモータ出力トルクが小さくなるに従って大きくなること、としても好適である。
本発明は、運転者によるアクセル操作によってモータがロック状態になった場合に、運転者に与える不安感が少ないようにずり下がらせることができるという効果を奏する。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、電動車両10は、車両を駆動する駆動源である電力を蓄電している二次電池13と、二次電池13からの直流電力を3相交流電力に変換して出力するインバータ回路12と、インバータ回路12からの3相交流電力によって駆動されるモータ11と、モータ11からの動力が伝達されるシャフト14と、シャフト14から伝達された動力を車軸16に伝達するディファレンシャルギヤ15と、車軸16に取り付けられて電動車両10を走行させるタイヤ17とを備えている。また、電動車両10は運転者が電動車両10を運転操作するためのアクセル25とブレーキ26とを備えている。
二次電池13は複数の単電池を直列に接続してモータ11の駆動に必要な200〜300Vの電圧の電力を出力できるようにしたもので、必要に応じて発電機あるいは充電器などによって充電することができる電池である。二次電池13からの電力の出力ケーブル23が接続されたインバータ回路12は6個のスイッチング素子を内部に備え、二次電池13の直流電力を3相交流電力に変換してモータ11に出力する。インバータ回路12からの3相交流のU,V,Wのそれぞれの相の出力は3本のケーブル21によってモータ11に送られる。インバータ回路12とモータ11との間の送電路には各相の電流を検出するモータ電流センサ31が設けられている。モータ11は3相交流モータであり、内部にステータとロータとを備えている。ステータ、ロータは電磁鋼板を積層して構成したコアにコイルを巻回して電磁気力を回転動力に変換することができるように構成されている。ステータ、ロータのコイルに電流が流れると、抵抗によって発熱が生じる。発熱したコイルはロータの回転によってコイルに吹き付けられている冷媒によって冷却され、各コイルは運転可能な温度範囲に保持されている。そして、各コイルの温度上昇が大きい部位、例えば、ステータのコイルエンド等にはコイル温度を測定するコイル温度センサ32が取り付けられ、モータ11のコイル温度を取得することができるようになっている。ロータの回転角度は回転角センサ33によって取得される。回転角センサ33はレゾルバのような非接触式の検出器であってもよいし、接触式の検出器であってもよい。電動車両操作用のアクセル25とブレーキ26とには、それぞれアクセル25の開度を検出するアクセル開度センサ34とブレーキ操作量を検出するブレーキ操作センサ35が取り付けられている。
電動車両用のモータトルク制御装置80は、信号の処理、演算を行う制御部50と、制御カーブなどのデータやプログラムを格納している記憶部60と各ハードウェアとのインターフェースを行うインターフェース部40とそれぞれを接続するデータバス71とを備えている。
インターフェース部40は、アクセル開度センサ34からの入力を制御部50への入力信号に変換するアクセル開度センサインターフェース41と、ブレーキ操作センサ35からの入力を制御部50への入力信号に変換するブレーキ操作センサインターフェース42と、回転角センサ33からの入力を制御部50への入力信号に変換する回転角センサインターフェース43と、モータ電流センサ31からの入力を制御部50への入力信号に変換するモータ電力センサインターフェース44と、モータ11のコイル温度センサ32からの入力を制御部50への入力信号に変換するコイル温度センサインターフェース45と、制御部50の指令によってインバータ回路12に制御信号の出力を行うインバータ制御回路46とを備えている。
記憶部60は、モータ電流センサ31から取得したモータ電流値をモータ出力トルクPに変換する電流トルク変換カーブ61と、図2に示すように時間に応じてトルク低減率が増大する複数の多段トルク低減カーブを含む多段トルク低減カーブデータ62と、図3に示すように時間に対して一様のトルク低減率でモータ出力トルクPを低減する複数の一様トルク低減カーブのデータを含む一様トルク低減カーブデータ63と、を格納している。ここでトルク低減率とは、単位時間あたりに、トルクが減少する割合をいう。
制御部50は、アクセル開度センサ34からの信号を取得するアクセル開度信号取得手段51と、ブレーキ操作センサ35からの信号を取得するブレーキ操作信号取得手段52と、回転角センサ33からの信号を取得する回転角信号取得手段53と、モータ電流センサ31からの信号を取得するモータ電流取得手段54と、コイル温度センサ32からの信号を取得するコイル温度取得手段55と、モータ電流取得手段54によって取得した電流値を電流トルク変換カーブ61に基づいてモータ出力トルクPに変換してモータ出力トルクPを取得するトルク取得手段56と、トルク取得手段56によって取得したモータ出力トルクPに基づいて多段トルク低減カーブデータ62又は一様トルク低減カーブデータ63から所定のトルク低減カーブを取得するトルク低減カーブ取得手段57と、取得したトルク低減カーブに基づいてインバータ制御回路46にモータ出力トルク指令値を出力するモータ出力トルク指令手段58と、を備えている。
以上説明した本実施形態の動作について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。図4のステップS101からS103に示すように、制御部50は、アクセル開度センサ34、回転角センサ33、モータ電流センサ31からそれぞれアクセル開度信号、モータのロータ回転角度信号、モータ電流信号を取得する。図4のステップS104に示すように、制御部50は取得した各信号に基づいてモータがロック状態にあるかどうかを判断する。ここで、制御部50は、アクセル開度信号が閾値以上の場合にアクセル25の操作がされていると判断し、回転角度信号の変化が所定の閾値以下の場合にはモータ11のロータの回転が停止していると判断し、モータ11の電流が所定の閾値以上である場合にはモータ11に所定の電流が流れていると判断する。そして、制御部50は、アクセル25の操作がされており、モータ11のロータの回転が停止しており、モータ11に所定の電流が流れている場合には、モータ11はロック状態にあるものと判断する。これ以外の場合には、制御部50は、モータ11はロック状態に無いものと判断し、図4のステップS101に戻って各信号の取得を行う。
制御部50は、モータ11がロック状態にあると判断した場合には、図4のステップS105に示すように、モータ電流取得手段54によって取得したモータ電流と記憶部60の電流トルク変換カーブ61とに基づいて、モータ11がロック状態となった際のモータ電流をモータ出力トルクPに変換する。そして、制御部50は、図4のステップS106に示すように、この変換したモータ出力トルクPが所定のトルク値以上であるかどうかを判断する。
制御部50は、モータ出力トルクPが所定のトルク値以上の場合には、図4のステップS107に示すように、トルク低減カーブ取得手段57によって、図2に示した多段トルク低減カーブデータ62からトルク低減カーブを取得する。図2に示した多段トルク低減カーブデータ62は、モータ出力トルクPの低減開始から所定の時間の間は、モータ保護のための急速トルク低減率よりもトルク低減率が小さい低速トルク低減率によってモータ出力トルクPを低減し、この低速トルク低減率で所定時間モータ出力トルクPを低減した後、モータ保護のための急速トルク低減率によってモータ出力トルクPを低減していく多段モータ出力トルク低減カーブを複数本備えている。そして、図2に示すようにモータ11がロックした際のモータ出力トルクPが大きい場合にはトルク低減開始から所定時間の間の低速トルク低減率は小さく、モータ11がロックした際のモータ出力トルクPが小さい場合にはモータトルク低減開始から所定の時間の間の低速トルク低減率は大きくなるようになっている。このため、モータロックの際のモータ出力トルクPがP1のように大きい場合には図2のカーブaのように、トルク低減開始から所定の時間は比較的ゆっくりとモータ出力トルクPが低減され、所定時間経過後に急速にモータ出力トルクPが低減され、モータロックの際のモータ出力トルクPがP2,P3と小さくなるにつれて、図2のb,cのように所定時間内のモータ出力トルクPの低減率が大きく、所定時間内のモータ出力トルクPの低減が早く行われるようになる。これは、モータロックの際のモータ出力トルクが大きい場合は、急な登坂路上で停止している状態であるため、同じモータのトルク低減によってより大きな電動車両10のずり下がりが発生するため、モータロックの際のモータ出力トルクが大きいほど所定時間内のモータ出力トルクの低減をゆっくりと行い、急な電動車両10のずり下がりを防いで運転者のずり下がりによる不安感を抑制するためである。
本実施形態では、多段トルク低減カーブは低速トルク低減率と急速トルク低減率の二段の低減率を持つものとして説明したが、多段トルク低減カーブは時間に応じてトルク低減率が増大していくように構成されていれば、二段よりも多い段数の低減率を持つものとしてもよいし、低減率が時間に応じて連続的に大きくなっていくように構成してもよい。また、低速トルク低減率によってモータ出力トルクを低減する所定の時間は、運転者にゆっくりとしたずり下がりを気づかせて、ブレーキ26の操作を行うことができるだけの時間であれば良く、例えば、3秒から5秒程度の時間があればよい。この所定の時間は一定時間としてもよいし、モータロックの際のモータ出力トルクに応じて変化させるよう構成してもよい。また、低速トルク低減率は、電動車両10のずり下がりが運転者に認識できるような低減率であればよく、例えば、1秒間にモータロックの際のモータトルク出力の5%程度を低減するようにしてもよい。また、多段トルク低減カーブを選択する所定のトルク値は、上記の低速トルク低減率によるモータ出力トルクの低減によるずり下がりを運転者に気づかせるだけの時間継続することができるトルク値より大きなトルク値であればよいが、例えば、モータの定格出力トルクの50%程度のトルク値のような一定値として設定してもよい。
制御部50は、トルク低減カーブ取得手段57によって、モータロックの際のモータ出力トルクPに基づいて図2に示す3本のカーブa,b,cを補間して、モータロックの際のモータ出力トルクPに対応したモータトルク低減カーブを取得する。
モータロックの際のモータ出力トルクPに対応したモータ出力トルク低減カーブを取得すると、制御部50は、図4のステップS108に示すように、コイル温度取得手段55によってコイル温度センサ32からのコイル温度データを取得する。そして、図4のステップS109に示すように、コイル温度が閾値に達したかどうかを判断する。閾値はコイル温度の運転上限温度よりも低い温度であれば、固定値でもよいし、例えば、モータ出力トルクPが大きい場合には低く、小さい場合には大きくなるように可変の数値としてもよい。
制御部50はコイル温度が閾値を超えている場合には、モータ出力トルク指令手段58によって図4のステップS110に示すように、取得したモータ出力トルク低減カーブに基づいてモータ出力トルクPを低減する指令をインバータ制御回路46に出力する。インバータ制御回路46はこの指令に基づいて、モータ出力トルクPを低減するようインバータ回路12からの出力電流を低減する制御信号をインバータ回路12に出力する。
また、制御部50はコイル温度が閾値を超えていない場合には、図4のステップS108に戻ってコイル温度を取得し、コイル温度の監視を続ける。
インバータ回路12からモータ11への出力電流が低減されるに従って、モータ出力トルクPも低減される。モータ出力トルクPが低減されると、モータ出力トルクPよりも電動車両10の勾配抵抗に対応するトルクが大きくなり、電動車両10は次第にずり下がりを始める。電動車両10がずり下がりを開始すると、タイヤ17に連動しているモータ11のロータが逆回転し、ステータとロータとの相対位置が変化することからモータ11のロック状態が解除される。また、モータ電流の低減に従ってコイルの発熱量が低下してくることから、コイルの過熱を抑制することができる。
そして、制御部50は、図4のステップS115に示すように、モータ電流取得手段54によってモータ電流を取得し、図4のステップS116に示すようにモータ電流がゼロになったかどうかを監視しながら、モータ出力トルクPを順次低減していく。
制御部50は、モータ電流がゼロでない場合には、図4のステップS117に示すように、ブレーキ操作信号取得手段52によってブレーキ操作センサ35からのブレーキ操作信号を取得する。そして、図4のステップS118に示すように運転者によるブレーキの踏み込みがあったかどうかを判断する。ブレーキ操作信号が所定の閾値以下の場合は、運転者によってブレーキ操作が行われていないと判断し、図4のステップS115に戻ってモータの電流を監視しながらモータ出力トルクの低減を続けていく。そして、モータ出力トルクPが更に低減されると、次第に電動車両10のずり下がり速度は増加していく。ブレーキ操作信号が所定の閾値以上の場合は、運転者によるブレーキ操作があったと判断し、制御部50はモータ出力トルクPの低減動作を停止する。
また、モータ電流がゼロになった場合には、モータ11を逆回転させる方向に電流が流れないよう、モータ出力トルクPの低減を停止する。
一方、制御部50は、モータ出力トルクPが所定のトルク値より小さい場合には、図4のステップS111に示すように、トルク低減カーブ取得手段57によって図3に示した一様トルク低減カーブデータ63からトルク低減カーブを取得する。図3に示した一様トルク低減カーブデータ63は、モータ出力トルクPの低減開始からモータ出力トルクがゼロとなるまでモータ保護のための急速トルク低減率よりもトルク低減率が小さい一様のモータトルク低減率によってモータ出力トルクPを低減する一様モータ出力トルク低減カーブを複数本備えている。そして、図3に示すようにモータがロックした際のモータ出力トルクPが大きい場合には、モータトルク低減率は小さく、モータがロックした際のモータ出力トルクPが小さい場合には、モータトルク低減率は大きくなるようになっている。このため、モータロックの際のモータ出力トルクPがP4のように大きい場合には図3のカーブdのように、比較的ゆっくりとモータ出力トルクPが低減され、モータロックの際のモータ出力トルクPがP5,P6と小さくなるにつれて、図3のe,fのようにモータ出力トルクPの低減率が大きく、モータ出力トルクPの低減が早く行われるようになる。これは、モータロックの際のモータ出力トルクが小さい場合は、ゆるい登坂路上で停止している状態であるため、同じモータトルクの低減によって生じる電動車両10のずり下がり速度が小さくなってしまい、運転者がずり下がりに気づかずブレーキ操作が遅れることを抑制するためである。
一様のトルク低減率は、電動車両10のずり下がりが運転者に認識できるような低減率あるいは運転者がずり下がりに気づく時間だけずり下がるようにしてもよく、例えば、1秒間にモータロックの際のモータトルク出力の10%程度を低減するようにしてもよいし、モータ出力トルクの低減開始からモータへの電流がゼロとなるまでの時間を5秒から10秒程度となるように低減するようにしてもよい。
制御部50は、トルク低減カーブ取得手段57によって、モータロックの際のモータ出力トルクPに基づいて図3に示す3本のモータ出力トルク低減カーブd,e,fを補間して、モータロックの際のモータ出力トルクPに対応したモータトルク低減カーブを取得する。
モータロックの際のモータ出力トルクPに対応したモータ出力トルク低減カーブを取得すると、制御部50は、モータロックの際のモータ出力トルクPが所定のトルク値以上の場合と同様、図4のステップS112に示すように、コイル温度取得手段55によってコイル温度センサ32からのコイル温度データを取得し、コイル温度が閾値を超えている場合には、図4のステップS114に示すように、取得したモータ出力トルク低減カーブに基づいてモータ出力トルクPを低減する指令を出力し、インバータ制御回路46はこの指令に基づいて、モータ出力トルクPを低減するようインバータ回路12からの出力電流を低減する制御信号をインバータ回路12に出力する。インバータ回路12からモータ11への出力電流が低減されるに従って、モータ出力トルクPも低減され、電動車両10は次第にずり下がりを始める。また、制御部50はコイル温度が閾値を超えていない場合には、図4のステップS112に戻ってコイル温度を取得し、コイル温度の監視を続ける。
そして、制御部50は、モータロックの際のモータ出力トルクPが所定のトルク値以上の場合と同様、図4のステップS115に示すように、モータ電流取得手段54によってモータ電流を取得し、図4のステップS116に示すようにモータ電流がゼロになったかどうかを監視しながら、モータ出力トルクPを順次低減し、運転者によるブレーキ操作が行われたと判断される場合か、モータ電流がゼロと判断される場合にモータ出力トルクPの低減動作を停止する。
以上述べた本実施形態では、運転者のアクセル25の操作によって電動車両10が登坂路で停止してモータがロック状態となった場合、モータロックの際のモータ出力トルクが大きいほどモータトルク低減率が小さいので、登坂路の勾配にかかわらずモータ出力トルクの低減による電動車両10のずり下がり速度を低く抑えることができ、ゆっくりとしたずり下がりにより運転者に与える不安感を抑制しつつ、運転者にずり下がりの発生を気づかせることができるという効果を奏する。そして、ゆっくりとしたずり下がりによってモータ11のロック状態を解除することができるという効果を奏する。
また、緩い登坂路での停止のように、モータロックの際のモータ出力トルクが小さい場合には、一様のモータトルク低減率によってモータトルクの低減を行うので、運転者にずり下がりを気づかせるのに十分な距離だけゆっくりとずり下がらせることができ、運転者の不安感を抑制して電動車両10をずり下がらせ、運転者にブレーキ操作を促すことができるという効果を奏する。また、本実施形態では、モータコイルの温度が運転上限温度よりも低い所定の温度に達した場合に、低速トルク低減率でモータ出力トルクの低減を開始するのでモータの過熱による劣化を抑制することができると共に、電動車両10が停止状態からモータの過熱防止のための急速トルク低減率で急速にずり下がり始めることが無く、ずり下がり発生の際に運転者に与える不安感を抑制することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態における電動車両のモータトルク制御装置の構成を示す系統図である。 本発明の実施形態における電動車両のモータトルク制御装置の多段トルク低減カーブを示すグラフである。 本発明の実施形態における電動車両のモータトルク制御装置の一様トルク低減カーブを示すグラフである。 本発明の実施形態における電動車両のモータトルク制御装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10 電動車両、11 モータ、12 インバータ回路、13 二次電池、14 シャフト、15 ディファレンシャルギヤ、16 車軸、17 タイヤ、21 ケーブル、23 出力ケーブル、25 アクセル、26 ブレーキ、31 モータ電流センサ、32 コイル温度センサ、33 回転角センサ、34 アクセル開度センサ、35 ブレーキ操作センサ、40 インターフェース部、41 アクセル開度センサインターフェース、42 ブレーキ操作センサインターフェース、43 回転角センサインターフェース、44 モータ電力センサインターフェース、45 コイル温度センサインターフェース、46 インバータ制御回路、50 制御部、51 アクセル開度信号取得手段、52 ブレーキ操作信号取得手段、53 回転角信号取得手段、54 モータ電流取得手段、55 コイル温度取得手段、56 トルク取得手段、57 トルク低減カーブ取得手段、58 モータ出力トルク指令手段、60 記憶部、61 電流トルク変換カーブ、62 多段トルク低減カーブデータ、63 一様トルク低減カーブデータ、71 データバス、80 モータトルク制御装置、a〜f カーブ、P モータ出力トルク。

Claims (5)

  1. 登坂路においてアクセル操作によってモータがロック状態となった際のモータ出力トルクの低減を行う電動車両のモータトルク制御装置であって、
    モータがロックした際のモータ出力トルクが所定のトルク値よりも小さい場合には、一様のトルク低減率でモータ出力トルクを低減し、
    モータがロックした際のモータ出力トルクが所定のトルク値以上の場合には、時間に応じてトルク低減率を増大してモータ出力トルクを低減するモータトルク低減手段を有すること、
    を特徴とする電動車両のモータトルク制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動車両のモータトルク制御装置であって、
    モータトルク低減手段は、モータのロックによってコイル温度が運転上限温度より低い所定の温度に達した際に、モータ出力トルクの低減を行うこと、
    を特徴とする電動車両のモータトルク制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の電動車両のモータトルク制御装置であって、
    モータトルク低減手段の一様のトルク低減率は、モータがロックした際のモータ出力トルクが小さくなるに従って大きくなること、
    を特徴とする電動車両のモータトルク制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電動車両のモータトルク制御装置であって、
    モータトルク低減手段の時間に応じたトルク低減率の増大は、モータ保護のための急速トルク低減よりもトルク低減率が小さい低速トルク低減率でモータ出力トルクを所定時間だけ低減した後、モータ保護のための急速トルク低減率でモータ出力トルクを低減すること、
    を特徴とする電動車両のモータトルク制御装置。
  5. 請求項4に記載の電動車両のモータトルク制御装置であって、
    モータトルク低減手段の低速トルク低減率は、モータがロックした際のモータ出力トルクが小さくなるに従って大きくなること、
    を特徴とする電動車両のモータトルク制御装置。
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