図1は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の制御系を示すブロック図である。この装置1は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1は、ローラ82,83に掛け渡されて所定の方向D2に周回移動する中間転写ベルト81に沿って、4組の画像形成ステーション10Y,10M,10Cおよび10Kが配列された、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置である。各画像形成ステーション10Y,10M,10Cおよび10Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色のトナーを内部に貯留して当該トナー色の単色トナー像を形成する。各画像形成ステーションの構造については後に詳述する。
各画像形成ステーションにより形成された各色の単色トナー像は、中間転写ベルト81上で互いに重ね合わされ、これにより中間転写ベルト81上にカラー画像が形成される。こうして形成されたカラー画像は、カセット77からピックアップローラ79の回転により1枚ずつ取り出されて二次転写ローラ841と中間転写ベルト81とのニップ部である二次転写領域TR2に送り込まれる紙、透明シートなどの記録材上に転写される。画像を転写された記録材は定着ユニット13を経て装置上部の排紙トレイ4に排出される。
二次転写ローラ841はローラ支持アーム84に回転自在に装着されており、必要に応じ該アーム84が所定の遥動軸中心に遥動することにより、中間転写ベルト81表面に対し離当接移動する。
また、ローラ83の近傍には、中間転写ベルト81の回転位相を検出するための垂直同期センサ26が設けられている。垂直同期センサ26は例えばフォトインタラプタからなり、中間転写ベルト81の周縁部の一部に設けられた突起部または切り欠き部(図示省略)の通過を検出する。すなわち、垂直同期センサ26は、中間転写ベルト81の回転周期に同期した垂直同期信号Vsync(後述)を出力する。
また、ローラ83に巻き掛けられた中間転写ベルト81の表面に向けて、2つの位置検出センサ25L,25Rがローラ83の軸方向(紙面に垂直な方向)に互いに位置を異ならせて配置されている。位置検出センサ25は例えば反射型フォトセンサからなり、中間転写ベルト81との対向位置において、中間転写ベルト81表面の反射率の変化から、中間転写ベルト81上に担持されたトナー像の通過の有無を検出する。
さらに、中間転写ベルト81の移動方向において位置検出センサ25L,25Rの下流側には、クリーナ71が設けられており、中間転写ベルト81上に残留付着するトナーがクリーナ71により清掃除去される。
図3は画像形成ステーションの構成を示す図である。ここでは、イエロートナー色に対応する画像形成ステーション10Yを例にとって説明するが、他の画像形成ステーション10M,10Cおよび10Kにおいても、内蔵するトナーの色が異なることを除いてその構造は同じである。画像形成ステーション10Yでは、感光体21が図3に示す回転方向D1に回転自在に設けられている。また、感光体21の周囲には、その回転方向D1に沿って、帯電ユニット22、露光ユニット23、現像ユニット24、一次転写ローラ271、除電用光源28およびクリーナ29が設けられている。
一定速度で回転する感光体21の表面には、その表面が弾性ゴムにより構成されて、感光体21の回転に応じて従動回転するように構成された帯電ローラ222が当接されている。帯電ローラ222には帯電バイアス制御部221から所定の帯電バイアスを印加されており、これにより感光体21の表面は一定の表面電位に帯電される。こうして帯電された感光体21の表面に、露光ユニット23からの光ビームLが照射されて静電潜像が形成される。露光ユニット23の構造については後に詳述する。
現像ユニット24は、図示を省略するトナー貯留部から供給されるトナーを表面に担持しながら図1の矢印方向に回転する現像ローラ242と、該現像ローラ242に交流現像バイアスを印加する現像バイアス制御部241とを備えている。そして、所定の現像バイアスを印加された現像ローラ242から感光体表面にトナーが付与されて、静電潜像がトナー像として顕像化される。
感光体21の回転方向に沿って現像ユニット24の下流側では、感光体21と一次転写ローラ271との間に中間転写ベルト81が通されている。感光体21上に担持されたトナー像は、感光体21と中間転写ベルト81とのニップ部である一次転写領域TR1において、感光体21から中間転写ベルト81に一次転写される。一次転写ローラ271は、メカ制御部27により制御される図示しない電磁クラッチにより、感光体21表面に対し近接/離間移動する。
感光体21の回転方向D1において一次転写領域TR1の下流側では、除電用光源28からの照射光Leが感光体21表面に照射され、これにより感光体21表面に残る電荷が中和され、感光体21表面が除電される。さらに下流側では、クリーナブレード29が感光体21表面に当接するように配置されており、これにより感光体21表面の残留トナーが除去される。そして、感光体21は、再び帯電ローラ222により帯電されて次の画像形成に供される。
図2において、符号101は装置各部の動作を制御するCPUであり、符号102はCPU101における演算結果や各種の制御用データ等を一時的に記憶するRAMである。また、符号103はCPU101において実行される制御プログラムや固定パラメータ等を記憶しておくROMである。
なお、以下の説明においては、図1の紙面奥から手前側に向かう方向をX方向とする。すなわち、X方向は、感光体21の回転軸に平行な方向であり、かつ感光体21表面の移動方向D1に直交する方向である。
図4は露光ユニットに設けられたラインヘッドの構造を示す図である。露光ユニット23は、X方向に沿って多数並べたLED(発光ダイオード)を光源とするラインヘッド232と、これらのLEDを点灯制御する露光制御部231とを備えている。ラインヘッド232では、複数のLED素子がX方向に配列されてなるLEDアレイ233が長尺のハウジング中に保持されている。ベース基板234上のLEDアレイ233は、同じベース基板234上に形成されたドライバIC235により駆動される。すなわち、露光制御部231から画像信号が与えられると、該画像信号に基づきドライバIC235が作動してLEDアレイ233に設けられたLED素子が点灯する。屈折率分布型ロッドレンズアレイ236は結像光学系を構成し、LED素子の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ237を俵積みしている。ハウジングは、ベース基板234の周囲を覆い、感光体21に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ237から感光体21に光線を射出する。これによって、画像信号に対応して感光体21に潜像が形成される。
図5はLEDアレイの細部を示す図である。ベース基板234上のLEDアレイ233は、図5(a)に示すように、M個の発光モジュール2331,2332,…がX方向に沿って並べられたものである。さらに、図5(b)に示すように、それぞれの発光素子モジュール2331等では、N個のLED素子がX方向に一列に並べられている。1つのLED素子は画像を構成する1ドットに対応しており、例えば画像の解像度を600dpi(dots per inch)とすると、これらのLED素子のピッチは約42μmである。形成すべき画像の最大幅を290mm(日本工業規格A3版サイズの短辺に相当)程度とすると、約7000ドットが必要となる。この装置のラインヘッド232では、192個のLED素子が配列された発光モジュールを37個並べることにより、約300mmの長さを有するLEDアレイ233を構成している。すなわち、M=37、N=192である。LED素子のピッチ、各発光モジュールにおける個数および発光モジュールの個数についてはこれに限定されない。
なお、各発光モジュールにおけるLED素子の配列は、上記した1列に限定されず2列以上であってもよい。また、図5(c)に示すように、2列以上のLED素子の列をX方向に互いに位置をずらせて配置した、いわゆる千鳥状の配置としてもよい。
次に、上記のように構成された画像形成装置1におけるレジスト制御処理について説明する。図1の装置において、画像品質の良好なカラー画像を形成するためには、各色の単色トナー像を中間転写ベルト81上において互いに重ね合わせる際の位置を精度よく揃える必要がある。各単色トナー像の中間転写ベルト81への形成位置ずれとしては、中間転写ベルト81の移動方向D2に沿った位置ずれ、これに直交するX方向に沿った位置ずれおよび画像の傾き(画像スキュー)などがある。この実施形態では、以下に説明するレジスト制御処理を実行することによってこれらのずれを補正し、これにより各色のトナー像を位置精度よく重ね合わせて高品質のカラー画像を得られるようにしている。
図6はこの実施形態におけるレジスト制御処理の原理を示す図である。位置検出センサ25L,25Rは、中間転写ベルト81表面に向けて光を照射する発光部251と、該照射光が中間転写ベルト81表面で反射されたときの反射光を受光する受光部252とを備えている。中間転写ベルト81にトナー像が形成されていると、当該トナー像が位置検出センサ25L,25Rとの対向位置を通過するときに中間転写ベルト81からの反射光量が変化するので、位置検出センサ25L,25Rの出力が変化する。したがって、このセンサ出力の変化からトナー像の通過の有無を検出することができる。
ここで、図6に示すように、X方向およびD2方向に対し斜めに延びる腕部Iaと、X方向に沿って延びる腕部Ibとを有するレジストマーク画像Iregを形成した場合を考える。このレジストマーク画像Iregの中間転写ベルト81上における位置は、位置検出センサ25L,25Rのセンサ出力の変化から求めることができる。例えば、レジストマーク画像Iregの位置がX方向に沿って変化すると、レジストマーク画像IregのうちX方向に延びる腕部Ibが位置検出センサ25L,25Rとの対向位置に到達するタイミングは変わらない。しかしながら、斜め方向に延びる腕部Iaについては、位置の変化に応じてセンサ25L,25Rとの対向位置に到達するタイミングが変化することになる。より具体的には、図6においてレジストマーク画像Iregの形成位置が右方向にずれたとき、腕部Iaはより遅くセンサ25L,25Rとの対向位置に到達することになる。
したがって、ある基準時刻、例えば中間転写ベルト81の周縁部の一部に設けた突起部81aが垂直同期センサ26を通過するときに出力される垂直同期信号Vsyncの立ち上がりから、レジストマーク画像Iregの腕部IaおよびIbの到達が位置検出センサ25L,25Rにより検出されるまでの時間t1およびt2をそれぞれ計測し、その結果を予め定められた基準時間と比較することで、画像がX方向およびD2方向にそれぞれどの程度ずれているかを求めることができる。このように、レジストマーク画像のセンサ対向位置への到達タイミングから、中間転写ベルト81上におけるレジストマーク画像の位置を、X方向およびD2方向のそれぞれについて求めることができる。
また、X方向に位置を異ならせて複数のレジストマーク画像を形成し、それぞれに対応して位置検出センサを設けて位置検出を行い、それらの結果を比較することにより、中間転写ベルト81上における画像の傾きの程度、すなわちスキュー量を求めることも可能となる。
このように、各画像形成ステーションごとにレジストマーク画像の位置ずれ量を求め、それらの結果に基づいて、中間転写ベルト81上への各トナー色ごとの画像形成位置を制御することで、位置ずれを補正することができる。この場合において、カラー画像の画像品質を高めるという点では、少なくとも各トナー色間の相対的な位置ずれを抑えるようにすればよい。さらに、各色のトナー像の形成位置を、中間転写ベルト81上において定めた所定の基準位置に合わせ込むようにすれば、最終的に記録材に転写される画像の位置についてもより高精度に制御することが可能になる。
図7はレジストマーク画像のパターンを示す図である。この装置において位置ずれ補正のために形成するレジストマーク画像Iregの形状は、図7(a)に示すように、X方向およびD2方向に対し斜めに延びる腕部Iaと、X方向に延びる腕部Ibとを組み合わせたものである。このようなレジストマーク画像Iregを感光体21上に形成し、これが位置検出センサ25L,25Rとの対向位置を通過するタイミングを検出することにより、中間転写ベルト81上におけるレジストマーク画像Iregの形成位置がわかり、これから本来の位置に対するレジストマーク画像Iregの位置ずれ量を、X方向、D2方向のそれぞれについて求めることができる。
しかしながら、前述したように、この装置のラインヘッド232を構成するLEDアレイ233は、複数の発光モジュールをX方向に継ぎ合わせることによって形成されている。このような構成のLEDアレイ233では、各発光モジュール同士の位置のずれを完全になくすことは製造上非常に困難であり、発光モジュール間の継ぎ目に若干の段差を生じることが避けられない。このような段差は、感光体21上に形成される静電潜像のドット位置のずれとして表れる。したがって、レジストマーク画像Iregを形成するに際して、これに対応する静電潜像を形成するときに発光モジュールの継ぎ目をまたいで点在する一連の発光素子により感光体21を露光すると、図7(b)に示すように、この静電潜像をトナー現像した結果として形成されるレジストマーク画像Iregの形状に歪みを生じることになる。このようにレジストマーク画像Ireg自体が歪んでしまうと、位置検出センサ25L,25Rにおける出力波形の変化が不明瞭となるため、これに基づいて求めるレジストマーク画像の位置ずれ量の検出精度が大きく低下してしまい、結果的に、画像の位置ずれ補正を精度よく行うことができなくなってしまう。
このような問題を解消するため、ここでは、図7(c)に示すように、レジストマーク画像IregのX方向における幅Wrが発光モジュールの幅Wmよりも小さくなるようにするとともに、レジストマーク画像Iregに対応する静電潜像は、ラインヘッド232を構成する複数の発光モジュールのうち単一の発光モジュール2332に設けられた発光素子のみを点灯させて形成するようにする。こうすれば、発光モジュールの継ぎ目に起因するレジストマーク画像Iregの歪みは一切発生せず、より高精度に画像の位置ずれ量を検出することができる。
なお、1つの発光モジュール内における各発光素子の位置ばらつきは、発光モジュール間の取り付け位置ばらつきよりも遥かに小さい。例えば、同一のウェハー上に形成した複数のLED素子を互いに切り離すことなく発光モジュールに取り付けている場合、各LED素子の位置ばらつきはサブミクロンオーダーとすることができる。
図8は中間転写ベルト上におけるレジストマーク画像の形成位置を示す図である。前記したように、レジストマーク画像Iregに対応する静電潜像は、LEDアレイ233を構成する発光モジュールのうち単一の発光モジュールのみを用いて形成される。レジストマーク画像は、通常の画像形成に及ぼす影響を少なくするために感光体21の端部付近に形成されることが望ましい。この装置では、LEDアレイ233を構成する発光モジュールのうち、左右両端からそれぞれ2つ目に位置する発光モジュール2332L,2332Rを用いてレジストマーク画像IregL,IregRを形成する。このようにする理由は次の通りである。
レジストマーク画像に対応する静電潜像は、現像ローラ242表面に担持されたトナーにより顕像化されるが、現像ローラ242表面のトナー層2421は、現像ローラ242の端部いっぱいにまで形成されているわけではなく、また端部付近では必ずしも均一な層となっていない。そのため、トナー層2421の端部付近のトナーを用いて現像されたレジストマーク画像ではトナー付着量が安定しないおそれがある。また、X方向におけるラインヘッド232、現像ローラ242および感光体21の位置ばらつきにより、感光体21の端部付近に形成した静電潜像の一部が不完全であったり、現像されないというおそれもある。このようなレジストマーク画像の欠陥は位置ずれ補正の検出精度を低下させてしまう。この問題を回避するため、最も外側に位置する発光モジュール2331L,2331Rではなく、その内側隣接位置に位置する発光モジュール2332L,2332Rを使用する。
このように、レジストマーク画像に対応する静電潜像は、LEDアレイ233を構成する発光モジュールのうち端部から2つ目に位置する発光モジュール2332L,2332Rのみを用いて形成する。したがって、レジストマーク画像IregL,IregRのX方向における幅Wrは、当然に発光モジュール2332L,2332Rの幅Wmよりは小さくなるようにする。具体的には、192ドット分に相当する発光モジュール幅Wm(600dpiであれば約8mm)よりは小さくする。また、位置検出センサ25L,25Rにより確実に検出するため、位置検出センサ25L,25Rのセンシング幅Ws(代表的には2mm程度)よりは大きくする。レジストマーク画像とセンサとの相対位置のばらつきを考慮すると、レジストマーク画像の幅Wrは5mm程度(約120ドット分)が好ましい。
感光体21表面のうち、レジストマーク画像の形成に使用する発光モジュール2332L,2332Rによって露光することができるのは、当該発光モジュール2332L,2332Rと対向する表面領域、つまり図8に示す領域A1L,A1Rである。この領域を「露光可能領域」と称することとする。露光可能領域A1L,A1RのX方向における幅は、発光モジュール2332L,2332RのX方向における幅Wmとほぼ同じである。
また、中間転写ベルト81表面のうち、当該発光モジュール2332L,2332Rを点灯させることによって形成したトナー像を担持させることのできる領域は、上記した露光可能領域A1L,A1Rと対向する表面領域A2L,A2Rである。本実施形態におけるレジストマーク画像はこの領域内に形成することができるので、この領域を「基準画像形成可能領域」と称することとする。基準画像形成可能領域A2L,A2RのX方向における幅も、発光モジュール2332L,2332RのX方向における幅Wmとほぼ同じである。
一方、中間転写ベルト81表面のうち、位置検出センサ25L,25Rによってトナー像の有無を検出することができる領域は、その周回移動により位置検出センサ25L,25Rとの対向位置を通過する幅Wsの表面領域A3L,A3Rである。この領域を「検出領域」と称することとする。
このような定義の下では、図8に示すように、検出領域A3L,A3Rが基準画像形成可能領域A2L,A2Rの内部に包含されることが望ましい。これとは逆に検出領域が基準画像形成可能領域の外側の領域を含んでいる場合、レジストマーク画像が確実に検出領域に含まれるようにするためには、隣り合う2つ以上の発光モジュールにまたがって点灯させる必要があり、上記したレジストマーク画像の歪みの問題が生じるからである。この関係は、4つの画像形成ステーション10Y,10M,10Cおよび10Kのそれぞれについて成り立つことが望ましい。すなわち、各画像形成ステーションごとに定まる基準画像形成可能領域A2L,A2Rが中間転写ベルト81上において互いに重なり合い、しかも、その重なり合う領域の内部に、検出領域A3L,A3Rが含まれるように望ましい。このような関係が満たされるように、X方向における各画像形成ステーション10Y,10M,10C,10K,中間転写ベルト81および位置検出センサ25L,25Rの配置を決めるとよい。こうすることにより、それぞれ単一の発光モジュールにより形成した各トナー色のレジストマーク画像の位置を位置検出センサ25L,25Rで確実に検出して、各色のトナー像の位置合わせを精度よく行うことができる。
また、このような配置とすることにより、レジストマーク画像自体は複数の発光モジュールにより形成されたものであったとしても、そのうち位置検出センサ25L,25Rにより検出されるのは単一の発光モジュールにより形成された部分のみとなることが確実となり、レジストマーク画像の画像パターン設定の自由度が高くなる。したがって、例えばレジスト制御以外の他の目的のためにX方向に延びるパッチ画像を形成するような場合において、そのパッチ画像のうち位置検出センサ25L,25Rと対向する部分のみをレジスト制御処理に適した形状とすることによって、それぞれの目的に応じたトナー像を同時に形成することができる。このような「他の目的」としては、例えば中間転写ベルト81に付着させたトナーをクリーナ71に掻き取らせることで中間転写ベルト81とクリーナ71との当接部に少量のトナーを堆積させ、該堆積トナーを潤滑剤として機能させることが挙げられる。
また、検出精度を高めるため、レジストマーク画像IregL,IregRについてはD2方向に沿って複数個形成し、位置検出センサ25による検出結果を平均化することが望ましい。
レジストマーク画像IregL,IregRについての位置検出センサ25L,25Rによる検出結果に基づいて行うレジスト制御処理についてさらに詳しく説明する。まず、中間転写ベルト81の移動方向D2に沿った位置ずれについては、感光体21を露光するときの各LED素子の点灯タイミングを調整することで補正することができる。ラインヘッド232と感光体21とはD1方向に相対移動しながら静電潜像を形成してゆくため、点灯タイミングを変えることでD1方向における潜像の形成位置を変化させることができ、結果的にトナー像が中間転写ベルト81上に転写される位置をD2方向に変化させることができるからである。具体的には、位置検出センサ25L,25Rにより検出された、レジストマーク画像IregL,IregRのうちX方向に延びる部分が位置検出センサ25L,25Rとの対向位置を通過する通過時刻が基準時刻よりも早かった場合には、その時刻差に応じて点灯タイミングを遅くすることで画像の形成位置を図8の下方向に移動させる。逆に、検出された通過時刻が基準時刻よりも遅かった場合には、点灯タイミングを早めることにより画像の形成位置を図8の上方向に移動させる。一方、X方向の位置ずれについては次のようにして補正することができる。
図9はX方向の位置ずれ補正を説明するための図である。前記したように、現像ローラ242の端部付近ではトナー層の均一性が問題となり、またラインヘッド232、感光体21および現像ローラ242の間に相対的な位置ずれがあるので、ラインヘッド232、感光体21および現像ローラ242のいずれについても、その端部いっぱいまで画像形成に使用することは好ましくなく、それぞれの端部については画像形成に使用しない無効領域とするべきである。ラインヘッド232について言えば、LEDアレイ233に設けられたLED素子を全て点灯させるのではなく、両端部を除く中央部分に存するLED素子のみを点灯させるようにする。
つまり、感光体21を露光する際には、形成すべき画像の幅に応じた感光体21上の画像形成領域の幅に相当する所定の点灯範囲内にあるLED素子のみを点灯させる。点灯範囲の外側にもLED素子が配置されているので、必要に応じて点灯範囲をX方向にシフトさせることができ、これによりX方向の画像位置ずれを補正することができる。具体的には、レジストマーク画像IregL,IregRのうち斜め方向に延びる部分が位置検出センサ25L,25Rとの対向位置を通過する通過時刻が予め定められた基準時刻よりも早かった場合には、レジストマーク画像IregL,IregRが基準位置よりも図9において左方向にずれていることを表しているので、その時刻差に応じてLED素子の点灯範囲を右方向にシフトさせる。逆に、検出された通過時刻が基準時刻よりも遅かった場合には、点灯範囲を左方向にシフトさせる。
図9(a)に示すように、レジストマーク画像に位置ずれがなかった場合と、図9(b)に示すように、レジストマーク画像の位置がX方向にΔXだけずれていた場合とでは、LED素子の点灯範囲もΔXだけ異なることとなる。これによって、結果的に中間転写ベルト81上における画像の形成位置を一定に維持することができる。
つ精度よく求めることができる。
次に、画像スキュー、すなわち基準方向に対する画像の傾きを補正する方法について説明する。図8に示す左右のレジスト画像IregL,IregRを同じタイミングで形成した場合、画像スキューがなければ、2つのレジスト画像の中間転写ベルト81上における形成位置はD2方向において互いに同じとなるはずである。このことから、これらの位置を検出する位置検出センサ25L,25Rからの出力タイミングが一致しない場合、画像スキューが生じていると判断することができる。逆に、本来同時刻に形成すべきドットの形成タイミングをスキュー量に応じて変化させることによって、画像スキューを補正することができる。
なお、中間転写ベルト81の両端に形成する2つのレジストマーク画像は、必ずしも「D2方向において同一位置」としなくてもよく、少なくともD2方向における互いの距離が既知であればよい。また、スキュー補正の目的からは、X方向に互いに位置の異なる少なくとも2箇所について、D2方向における画像の位置ずれ量がわかればよく、この観点からは、スキュー補正のための基準画像として形成するスキュー補正用レジストマーク画像はX方向に延びる腕部を少なくとも有していればよい。
図10はスキュー補正の原理を示す図である。図10(a)に示すように、各発光モジュール2331,2332,…は複数のLED素子(ここでは各モジュール8個とする)239を備えている。また、露光制御部231(図2参照)は、各LED素子を点灯させるか否かを制御するオン・オフ制御回路231aおよび各LED素子の点灯タイミング(点灯開始時期および点灯持続期間)を制御するタイミング制御回路231bを備えている。
各LED素子のアノード側端子は個別の信号線を介してオン・オフ制御回路231aに接続されている。オン・オフ制御回路231aは、点灯させる必要のあるLED素子に繋がる信号線に対してはHレベルの駆動信号を出力する一方、点灯させないLED素子に対してはLレベルを出力することで、各LED素子のオン・オフを個別に制御する。
一方、各LED素子のカソード側はモジュールごとに互いに接続されたカソードコモン接続となっており、各コモン信号線は、タイミング制御回路231bに各発光素子に対応して設けられたコモン端子COM1,COM2,…に接続されている。タイミング制御回路231bは、LED素子を点灯させる期間だけ、コモン端子をローインピーダンス状態に維持する一方、これ以外の期間にはハイインピーダンス状態に維持する。コモン端子がローインピーダンス状態にあるとき、これに接続されたLED素子のうちアノード側にHレベルが印加されたものには電流が流れ、当該LED素子が点灯する。すなわち、タイミング制御回路231bは、各コモン端子COM1,COM2,…のインピーダンス状態を個別に制御することによって、各LED素子の点灯タイミングを発光モジュールごとに個別に制御することができる。
ラインヘッド232の配列方向と感光体21との回転軸との間にずれがある場合、図10(b)に示すように、各コモン端子COM1,COM2,…のインピーダンス状態を同時に変化させると、上記ずれに起因して感光体21上のドット配列がその回転軸方向(一点鎖線で示す)に対してずれ、画像スキューとなる。そこで、図10(c)に示すように、上記ずれ量に対応させて各コモン端子を異なるタイミングで変化させると、各発光モジュールごとにLED素子の点灯タイミングが変化し、これによりドット配列の方向を感光体21の回転軸方向に近づけることができる。例えば、位置検出センサ25Lの出力よりも位置検出センサ25Rの出力が遅れて変化しているような場合には、図8において画像の右側が下がった、つまり画像が時計方向にスキューしていると考えられる。このような場合には、右側にある発光モジュールほど点灯タイミングを早くする、あるいはその逆に左側にある発光モジュールほど点灯タイミングを遅らせることにより、スキューを補正することができる。
ところで、前述したように、ラインヘッド232においては不可避的に各発光モジュールの取り付け位置ずれがある。ただし、この位置ずれについてはラインヘッドの組み立て時点で固定されるものであり、この時点で各モジュールごとの位置を把握しておけば、以下に説明するように補正が可能なものである。
図11は発光モジュールの取り付け位置ずれに起因する画像の乱れを示す図である。LEDアレイ233においては、各発光モジュールの配列が所定の基準線に揃っていることが理想であるが、図11(a)に示すように、実際には、各発光モジュール#1,#2,…の取り付け位置が基準線(一点鎖線)に対しX方向に直交するY方向にばらつく可能性がある。したがって、図11(b)に示すように、各発光モジュールに繋がるコモン端子COM1,COM2,…のインピーダンス状態を同時に変化させ各LED素子を同時に点灯させたのでは、感光体21上に形成されるドットの配列には発光モジュールの位置ばらつきに起因する乱れが生じる。
図12は発光モジュールの取り付け位置ずれ補正を説明するための図である。各発光モジュール#1,#2,…の基準線からの取り付け位置ずれ量は、上記したようにラインヘッド232の組み立て時点で決まっている。そこで、図12(a)に示すように、各発光モジュールごとに、基準線に対するY方向の取り付け位置ずれ量を予め求めておき、この情報を、ラインヘッド232の装置への組み込み時点でRAM102に記憶させておく。そして、この情報に基づいて、図12(b)に示すように、各モジュールに対応するコモン端子の変化タイミングを微調整することにより、基準線に対しきれいにドットを整列させることができる。すなわち、各発光モジュールの位置ずれを補正することができる。
なお、前記したレジストマーク画像による位置ずれ補正およびスキュー補正においても、中間転写ベルト81上におけるレジストマーク画像の形成位置には、当該レジストマーク画像の形成に使用した発光モジュールの位置ずれが影響を及ぼしている。すなわち、レジストマーク画像を形成するときに用いる発光モジュールが基準線からずれた位置に取り付けられていると、たとえラインヘッド232と感光体21との間に位置ずれがなかったとしても、中間転写ベルト81におけるレジストマーク画像の位置は本来の位置とは異なったものとなる。前記した位置ずれ補正およびスキュー補正においてはこの点に注意する必要がある。この場合、2つの考え方があり、いずれの考え方によってもよい。
その第1は、レジストマーク画像を形成する時点で、発光モジュールの位置ずれ量に対応する補正を加えておくという考え方である。すなわち、レジストマーク画像を形成するために発光モジュールを点灯させるとき、当該発光モジュールの取り付け位置ずれ量に応じて点灯タイミングを調整する。こうすれば、感光体21上に形成されたレジストマーク画像には発光モジュールの取り付け位置ずれの影響は含まれないこととなる。第2の考え方は、レジストマーク画像の形成時点では何らの補正を加えず、位置検出結果から位置ずれ量あるいはスキュー量を算出するときに発光モジュールの取り付け位置ずれによる寄与分を差し引く、というものである。
次に、上記した各種の補正を盛り込んだレジスト制御処理のより具体的な処理内容について説明する。本実施形態の画像形成装置1においては、前述した各種の位置ずれ補正、すなわち、中間転写ベルト81の搬送方向D2およびこれに直交するX方向に沿った画像の位置ずれに対する補正、スキュー補正、各画像形成ステーションに設けられた露光用のラインヘッドにおける発光モジュールの位置ずれに対する補正を実行することによって、中間転写ベルト81における各色トナー像の色重ねを精度よく行うレジスト制御処理を実行する。こうすることによって、色再現性がよく分解能が高い、高画質の画像を形成することができる。以下、この画像形成装置におけるレジスト制御処理について説明する。
図13はレジスト制御処理の流れを示すフローチャートである。このレジスト制御処理は、上記した各補正処理を一括して行うものであり、各要素技術については既に説明しているので、ここでは全体の処理の流れを主に説明する。
まず、レジストマーク画像の二次転写ローラ841への移行を防止するために、二次転写ローラ841を離間位置に保持する(ステップS101)。そして、各画像形成ステーションを動作させて、各トナー色でレジストマーク画像を形成し中間転写ベルト81に一次転写する(ステップS102)。なお、ここでは、レジストマーク画像を形成する際に発光モジュールの取り付け位置ずれ補正は行わないものとする。
図14は中間転写ベルト上のレジストマーク画像を示す図である。レジストマーク画像は、図14に示すように、X方向における中間転写ベルト81の左側端部近傍、右側端部近傍の双方に形成される。個々のレジストマーク画像の形状は、図7(a)に示すものと同じである。ステップS102では、まずイエロー色に対応する画像形成ステーション10Yが駆動されて、中間転写ベルト81の表面にイエロー色レジストマーク画像IyL,IyRがD2方向に所定の間隔を空けながら繰り返し形成される。このとき、画像IyL,IyRのそれぞれに対応する静電潜像は、画像形成ステーション10Yに設けられたLEDアレイ233を構成する複数の発光モジュールのうちそれぞれ単一の発光モジュールに属するLED素子を点灯させることにより形成される。また、検出精度を高めるために、イエロー色レジストマーク画像IyL,IyRは、D2方向に位置を異ならせて複数個形成される。
すなわち、中間転写ベルト81の左端近傍に形成されるレジストマーク画像IyLは、画像形成ステーション10Yに設けられたラインヘッド233を構成する発光モジュールのうち、左端から2番目に位置する発光モジュール2332Lに設けられたLED素子を発光させて形成した静電潜像をトナー現像することにより得られる。同様に、中間転写ベルト81の右端近傍に形成されるレジストマーク画像IyRは、画像形成ステーション10Yに設けられたラインヘッド233を構成する発光モジュールのうち、右端から2番目に位置する発光モジュール2332Rに設けられたLED素子を発光させて形成した静電潜像をトナー現像したものである。
同様にして、マゼンタ色、シアン色およびブラック色に対応する画像形成ステーション10M,10Cおよび10Kが順次駆動されて、マゼンタ色のレジストマーク画像ImL,ImR、シアン色のレジストマーク画像IcL,IcRおよびブラック色のレジストマーク画像IkL,IkRが順次中間転写ベルト81上に形成される。なお、ここでは、後述する補正処理の手順の都合から、中間転写ベルト81の搬送方向D2において各色のレジストマーク画像の配置をブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順としたが、この順序に限定されるものではない。このようにした結果、図14に示すように、中間転写ベルト81の左端には、Y,M,C,K各色のレジストマーク画像IkL,IcL,ImL,IyL,IkL,…が中間転写ベルト81の搬送方向D2に沿って順番に並ぶこととなる。また、中間転写ベルト81の右端には、各色のレジストマーク画像IkR,IcR,ImR,IyR,IkR,…が中間転写ベルト81の搬送方向D2に沿って順番に並ぶ。
こうして形成した各色のレジストマーク画像については中間転写ベルト81の周回移動によって下流側へ搬送し、位置検出センサ25L,25Rによってその到達タイミングを検出する(ステップS103)。より具体的には、垂直同期センサ26から出力される垂直同期信号Vsyncを基準として、各レジストマーク画像が位置検出センサと対向位置に到達するまでの時間が測定される。なお、各画像形成ステーションごとに中間転写ベルト81に対する相対的な位置ずれがあるので、位置検出センサ25L,25Rについては、このような画像形成ステーションの位置ずれによらず各色のレジストマーク画像を確実に検出することができるように、センシング幅および取り付け位置が選ばれる必要がある。
続いて、各レジストマーク画像についての測定結果から、各トナー色ごとに、画像の位置ずれ量を算出する(ステップS104)。より詳しくは、レジストマーク画像のX方向に延びる腕および斜め方向に延びる腕それぞれの到達タイミングから、D2方向およびX方向の位置ずれ量を求める。また、左右のレジストマーク画像の到達時間差から、画像スキュー量を算出する。
次に、こうして求めた画像の位置ずれ量に基づき、静電潜像の位置ずれ補正量を決定する(ステップS105〜S108)。すなわち、求められたX方向の画像位置ずれ量に基づいて、LED素子の点灯範囲を各トナー色ごとに決定する(ステップS105)。また、D2方向の画像位置ずれ量に基づいて、これを補正するための点灯タイミングの補正量を決定する(ステップS106)。また、画像スキュー量に基づいて、スキュー補正のための点灯タイミングの補正量を決定する(ステップS107)。さらに、こうして求めたD2方向の位置ずれ補正量、スキュー補正量および発光モジュールの取り付け位置ずれ量に対応する補正量を全て合算して、各発光モジュールごとの点灯タイミングを最終的に決定する(ステップS108)。
こうすることにより、各色のトナー像が中間転写ベルト81上の適正な位置にそれぞれ一次転写されるように、各画像形成ステーションにおける静電潜像の形成位置が調整される。その結果、中間転写ベルト81上では各色のトナー像が精度よく重ね合わされて、画質の優れたカラー画像を形成することができる。なお、画像の位置については、中間転写ベルト81上の所定の位置に正しく形成すべきとする考え方と、各色間の相対的な位置さえ合っていれば中間転写ベルト81上における絶対的な位置については多少のずれを許容するとの考え方とがある。前者の場合には、各色のトナー像について上記した補正を行うようにすればよく、また後者の場合には、いずれか1つのトナー色を基準として、他の色をこれに合わせ込むように補正を行えばよい。
すなわち、画像品質の優れたカラー画像を形成するために各色のトナー像を精度よく重ね合わせる、というレジスト制御処理の目的からは、各色のトナー像が互いにぴったりと重なるようにすれば足り、それらのトナー像の中間転写ベルト81上における絶対的な位置についてはさほど重要ではない。このような絶対的な位置ずれは紙などの記録材上における画像の位置ずれとなって表れるが、そのずれ量は最大でも2〜3mm程度であり実用上問題となることは少ないからである。これに比べて、各色間の相対的な位置ずれは、数十μm程度のずれであっても特に色再現性の点で大きな問題となりうる。
そこで、この実施形態では、次のようにしてレジスト制御処理を行うことによって、各色間の相対的な位置ずれを抑えながら、処理内容を簡素化してCPU101への負担を低減するようにしている。すなわち、この実施形態では、ブラック色についてはスキュー補正および発光モジュールの取り付け位置ずれ補正のみを行い、X方向およびD2方向の位置ずれについては補正を行わない。他方、他のトナー色については全ての補正、すなわちX方向およびD2方向の位置ずれ補正、スキュー補正および発光モジュールの取り付け位置ずれ補正を行うが、このとき、X方向およびD2方向の位置ずれについては、ブラック色トナー像の位置を基準としたときの相対的な位置ずれ量に応じた補正量を求めて補正を行う。これにより、イエロー、マゼンタ、シアン各色のトナー像の位置はブラックトナー像の位置と一致するように制御されることとなる。
以上のように、この実施形態では、各トナー色について、中間転写ベルト81の搬送方向D2に直交するX方向に延びる腕と、斜め方向に延びる腕とを有するレジストマーク画像を形成してこれを位置検出センサにより検出し、その検出結果からX方向およびD2方向について個別に求めた位置ずれ量に基づいて、感光体上における静電潜像の形成位置を制御する。こうすることによって、画像の形成位置を適正に制御することができる。また、X方向の2箇所にレジストマーク画像を形成しているので、それらの検出結果から画像スキューを補正することができる。
また、各レジストマーク画像はいずれも単一の発光モジュールに存するLED素子で感光体21を露光することによって形成しているので、発光モジュールの取り付け位置ずれに起因するレジストマーク画像の歪みがなく、その検出結果に基づく画像形成位置の制御を精度よく行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置においては、ラインヘッド233を備える露光ユニット23および現像ユニット24がそれぞれ本発明の「露光手段」および「現像手段」として機能している。また、CPU101が本発明の「制御手段」として機能している。また、図8におけるレジストマーク画像IregL,IregRが本発明の「基準画像」に相当している。また、本実施形態においては、位置検出センサ25L,25Rが本発明の「位置検出手段」として機能しており、また中間転写ベルト81が本発明の「像担持体」として機能している。
また、図12(a)に示す、各発光モジュールの取り付け位置ずれ量に関する情報が本発明の「位置情報」に相当し、これを記憶しておくRAM102が本発明の「記憶手段」として機能している。また、中間転写ベルト81の移動方向D2が本発明の「第1方向」に相当する一方、これと直交するX方向が本発明の「第2方向」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、レジストマーク画像の形状については上記したものに限定されるわけではない。
また、上記の説明に用いたラインヘッドにおいては、露光用の光源としてLED素子を用いているが、電子写真装置における露光用の光源としては、これ以外にも例えば有機EL(エレクトロルミネセンス)素子を用いるもの、半導体レーザを用いるものなどが知られており、本発明においてもこれらを光源として使用することができる。
また、上記した装置では、装置本体に設けられたRAM102に各発光モジュールの取り付け位置に関する情報を記憶するようにしているが、複数の画像形成ステーションを個別に装置本体に対し着脱することのできる装置や、露光ユニットが装置本体に対し取り外すことができるように構成された装置においては、各画像形成ステーションや露光ユニット自体にこの情報を記憶するためのメモリを設けておき、必要に応じ装置本体側からこの情報を読み出して補正に使用するようにしてもよい。
21…感光体、 23…露光ユニット(露光手段)、 24…現像ユニット(現像手段)、 25L,25R…位置検出センサ(位置検出手段)、 81…中間転写ベルト(像担持体)、 101…CPU(制御手段)、 102…RAM(記憶手段)、 232…ラインヘッド、 233…LEDアレイ、 2331,2332…発光モジュール