JP4736285B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクセンサで検出した操舵トルクに基づいて、操舵補助用のモータを駆動制御する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の操舵輪を操作する力を補助するパワーステアリング装置として、電動式のものが実用化されている。このようなパワーステアリング装置は、操舵輪に作用したトルクをトルクセンサにより検出し、その検出トルクに応じて、操舵機構に設けられている操舵力補助用のモータを駆動させる構造となっている。
【0003】
図3はトルクセンサ20の回路構成を示すブロック図である。このトルクセンサ20では、直流電源Eから電源電圧が供給されて発振する発振回路10の出力端子は、電流増幅回路11、反転電流増幅回路12及びサンプリングパルス発生回路13の各入力端子と接続されている。
【0004】
電流増幅回路11の出力端子と、反転電流増幅回路12の出力端子との間には、温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との直列回路が介装されている。温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との直列回路には、抵抗R1と抵抗R2との直列回路が並列接続され、この2つの直列回路でブリッジ回路が形成されている。
【0005】
温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との接続節点は、差動増幅回路15の一方の入力端子と接続されている。抵抗R1と抵抗R2との接続節点は、差動増幅回路15の他方の入力端子と接続され、差動増幅回路15の出力端子はサンプルホールド回路17の入力端子と接続されている。
【0006】
サンプリングパルス発生回路13のパルス出力端子はサンプルホールド回路17のサンプリングパルス入力端子と接続されている。サンプルホールド回路17の出力端子は電圧・電流変換回路19の入力端子と接続され、電圧・電流変換回路19からトルク検出信号Tsが出力されている。
【0007】
以下に、このような構成のトルクセンサ20の動作を説明する。発振回路10は、図4(a)に示すように、直流電圧Vdによりバイアスされた交流電圧Vaを出力する。交流電圧Vaは、電流増幅回路11及び反転電流増幅回路12へ入力され、電流増幅回路11は、図4(b)の実線に示すように、発振回路10の出力電圧と同位相の交流電圧Vb及び正の直流電圧Vdを出力する。一方、反転電流増幅回路12は、図4(b)の破線に示すように、発振回路10の出力電圧の位相を180°ずらせた交流電圧Vc及び正の直流電圧Vdを出力する。
【0008】
また、温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との直列回路の両端には同電位の直流電圧Vdが与えられているため、温度補償用コイルL1及びトルク検出用コイルL2には、直流電流は流れない。そして、温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との接続節点の交流電圧は、図4(c)に示すように、トルク検出用コイルL2のインピーダンスが温度補償用コイルL1のインピーダンスより大きい場合は、交流電圧Vaと同位相の交流電圧Vbに変化し、反対に小さい場合は交流電圧Vaと逆位相の交流電圧Vcに変化する。
【0009】
また、抵抗R1と抵抗R2との接続節点の直流電圧は、両抵抗R1,R2が等しい場合は、図5(a)に示すように、直流電圧Vdとなる。そして、温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との接続節点の電圧及び抵抗R1と抵抗R2との接続節点の電圧が差動増幅回路15へ入力され、図5(b)に示すように差動増幅された電圧がサンプルホールド回路17へ入力される。
【0010】
ここで、サンプリングパルス発生回路13は、交流電圧Vaに同期してサンプリングパルスを発生し、サンプルホールド回路17へ与えている。サンプルホールド回路17は、サンプリングパルスが与えられたタイミングで、差動増幅回路15から入力された交流電圧をサンプリング及びホールドし、検出トルクに応じた電圧信号Vsを得る。例えば、サンプリングのタイミングを交流電圧Vbの山(交流電圧Vcの谷)に合わせた場合、トルク検出用コイルL2のインピーダンスの大きさに応じた電圧信号Vsを得ることができる。
【0011】
サンプルホールドされた電圧信号Vsは、電圧・電流変換回路19へ入力されて電流信号に変換され、所定のオフセット値が与えられた後、トルク検出信号Tsとして出力される。このトルク検出信号Tsに基づいて操舵力補助用のモータを駆動する。
【0012】
図6は、電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。電動パワーステアリング装置は、検出したトルクに応じて操舵補助用のモータ34を駆動するマイクロコンピュータ22を備える。マイクロコンピュータ22には、発振回路38が接続され、発振信号が入力される。また、トルクセンサ20がインタフェイス回路21を介して接続され、トルク検出信号Tsが入力される。さらに、車速を検出する車速センサ30がインタフェイス回路31を介して接続され、車速検出信号が入力される。
【0013】
マイクロコンピュータ22は、後述するモータ駆動回路23及びクラッチ29と電源Pとを接続するフェイルセーフリレー25aをオン又はオフするリレー駆動回路25と接続され、フェイルセーフリレー25aのオン/オフの切換えを指示する。また、マイクロコンピュータ22は、クラッチ29をオン又はオフするクラッチ駆動回路26と接続され、クラッチ29のオン/オフの切換えを指示する。
【0014】
マイクロコンピュータ22は、操舵補助用のモータ(ブラシレスモータ)34を回転駆動させるモータ駆動回路23が接続され、ロータ位置に基づいてモータ34を回転させる。マイクロコンピュータ22は、モータ駆動回路23のモータ電流を検出するモータ電流検出回路27と接続され、モータ電流検出信号が入力される。
【0015】
マイクロコンピュータ22のメモリ28には、車速に応じた操舵トルク及びモータ電流の対応関係が設定されたトルク/電流テーブル28aが記憶されている。マイクロコンピュータ22は、車速検出信号及びトルク検出信号Tsとトルク/電流テーブル28aとに基づいて目標モータ電流を決定し、目標モータ電流及びモータ電流検出信号に基づいてモータ制御信号(PWM信号、回転方向指示信号)を生成し、モータ駆動回路23へ与える。PWM(Pulse Width Modulation)信号は、発振回路38から出力される発振信号を基にして生成される。
【0016】
図7は、モータ(ブラシレスモータ)34と、モータ駆動回路23に含まれる駆動回路の構成を示すブロック図である。モータ34は、コイルA,B,Cがスター結線された固定子34aと、コイルA,B,Cが発生させる回転磁界により回転する回転子(ロータ)34bと、この回転子34bの回転位置を検出する回転子位置検出器(ロータリエンコーダ)24とを備えている。
【0017】
モータ駆動回路23のスイッチング回路18bは、直流電源端子と接地端子との間に、直列接続されたトランジスタQ1,Q2と、逆方向に直列接続されたダイオードD1,D2とが並列接続され、直列接続されたトランジスタQ3,Q4と、逆方向に直列接続されたダイオードD3,D4とが並列接続され、直列接続されたトランジスタQ5,Q6と、逆方向に直列接続されたダイオードD5,D6とが並列接続されている。
【0018】
トランジスタQ1,Q2の共通接続節点と、ダイオードD1,D2の共通接続節点とには、スター結線されたコイルAの他方の端子Uが接続され、トランジスタQ3,Q4の共通接続節点と、ダイオードD3,D4の共通接続節点とには、スター結線されたコイルBの他方の端子Vが接続され、トランジスタQ5,Q6の共通接続節点と、ダイオードD5,D6の共通接続節点とには、スター結線されたコイルCの他方の端子Wが接続されている。
【0019】
回転子位置検出器24が検出した、回転子34bの回転位置は、ゲート制御回路18cに通知される。ゲート制御回路18cには、マイクロコンピュータ22からPWM信号及び回転方向指示信号が与えられる。ゲート制御回路18cは、回転方向指示と回転子34bの回転位置とに応じて、トランジスタQ1〜Q6の各ゲートをオン/オフし、例えば、U−V,U−W,V−W,V−U,W−U,W−Vのように、固定子34aに流れる電流の経路を切り換え、回転磁界を発生させる。回転子34bは、永久磁石であり、この回転磁界から回転力を受け回転する。また、ゲート制御回路18cは、PWM信号に応じてトランジスタQ1〜Q6のオン/オフを制御し、モータ電流を増減させる。ダイオードD1〜D6は、トランジスタQ1〜Q6のオン/オフにより発生するノイズを吸収するためのものである。
【0020】
以下に、このような構成のモータ制御手段の動作を説明する。マイクロコンピュータ22には、トルクセンサ20が検出したトルク検出信号Tsと、車速センサ30が検出した車速検出信号と、モータ電流検出回路27が検出したモータ電流検出信号とが入力される。マイクロコンピュータ22は、トルク/電流テーブル28aを参照して、車速検出信号及びトルク検出信号Tsから目標モータ電流を求める。
【0021】
マイクロコンピュータ22は、目標モータ電流とモータ電流検出信号とを比較し、モータ34に目標モータ電流を流すべく、PWM信号及び回転方向指示信号を生成し、モータ駆動回路23へ与える。モータ駆動回路23は、与えられたPWM信号及び回転方向指示信号に基づき、モータ34を回転駆動させる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
トルク検出信号Tsは、トルクセンサ20において、発振回路10から出力された発振信号を基にして生成される。また、PWM信号を含む各種周期信号は、マイクロコンピュータ22において、発振回路38から出力された発振信号を基にして生成される。
【0023】
このような異なる発振回路10,38から出力された発振信号を基にして生成されたトルク検出信号及びPWM信号は、同期がとれておらず、周波数がわずかに異なる2つの周波数成分が干渉してビート(うなり)が生じ、音または振動が発生する場合がある。
【0024】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、モータのPWM制御に用いる発振手段から出力された発振信号を基にトルク検出用の交流電圧を生成する交流電圧生成手段を備えることにより、PWM信号とトルク検出信号との同期をとることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は、発振信号の周波数を分周する分周手段を備えることにより、交流電圧生成手段及び/又はPWM信号生成手段へ所要周波数の発振信号を与えることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵輪に加わるトルクに応じてインダクタンスが変化するコイルに交流電圧を与えた場合に該コイルから出力される電圧によりトルクを検出するトルクセンサと、発振信号を出力する発振手段と、該発振手段が出力した発振信号を基にPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、検出したトルクに応じて操舵補助用のモータを前記PWM信号に基づいて駆動する手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記発振手段が出力した発振信号を基に前記交流電圧を生成する交流電圧生成手段と、前記発振信号を基に、前記トルクを検出する為のサンプリングパルスを発生させるサンプリングパルス発生手段とを備えたことを特徴とする。
【0027】
このような電動パワーステアリング装置は、発振手段からPWM信号生成手段及び交流電圧生成手段へ発振信号を与えることにより、トルクセンサのコイルに与える交流電圧とトルクを検出する為のサンプリングパルスとPWM制御等に用いるPWM信号との同期をとることができる。トルクセンサから出力されるトルク検出信号は、前記交流電圧を基にして生成されるため、トルク検出信号とPWM信号との同期をとることができる。同期がとれているため、ビート(うなり)による音または振動の発生を防止することができる。
【0028】
第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、第1発明において、前記交流電圧生成手段及び/又は前記PWM信号生成手段は、前記発振手段が出力した発振信号の周波数を分周する分周手段を備えたことを特徴とする。
【0029】
このような電動パワーステアリング装置は、分周手段により、発振手段から出力された発振信号と同期がとれた所要周波数の発振信号を、交流電圧生成手段及び/又はPWM信号生成手段に与え、所要周波数の交流信号及び/又はPWM信号を生成させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1に本発明に係る電動パワーステアリング装置のモータ制御手段の要部構成を示す。マイクロコンピュータ22には、発振回路38が接続され、発振信号が入力される。また、マイクロコンピュータ22には、トルクセンサ40がインタフェイス回路21を介して接続され、トルク検出信号Tsが入力される。さらに、マイクロコンピュータ22には、車速を検出する車速センサ30がインタフェイス回路31を介して接続され、車速検出信号が入力される。
【0031】
マイクロコンピュータ22は、後述するモータ駆動回路23及びクラッチ29と電源Pとを接続するフェイルセーフリレー25aをオン又はオフするリレー駆動回路25と接続され、フェイルセーフリレー25aのオン/オフの切換指示を与える。また、マイクロコンピュータ22は、クラッチ29をオン又はオフするクラッチ駆動回路26と接続され、クラッチ29のオン/オフの切換指示を与える。
【0032】
マイクロコンピュータ22は、操舵補助用のモータ(ブラシレスモータ)34を回転駆動させるモータ駆動回路23が接続され、ロータ位置に基づいてモータ34を回転させる。マイクロコンピュータ22は、モータ駆動回路23のモータ電流を検出するモータ電流検出回路27と接続され、モータ電流検出信号が入力される。
【0033】
マイクロコンピュータ22のメモリ28には、車速に応じた操舵トルク及びモータ電流の対応関係が設定されたトルク/電流テーブル28aが記憶されている。マイクロコンピュータ22は、発振回路38が出力した発振信号を基にPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成する手段と、トルクセンサ40で検出されたトルクに応じて操舵補助用のモータ34をPWM制御により駆動する手段として動作する。
【0034】
マイクロコンピュータ22は、トルク検出信号Ts及び車速検出信号とトルク/電流テーブル28aとに基づいて目標モータ電流を決定し、目標モータ電流及びモータ電流検出信号に基づいてモータ制御信号(PWM信号、回転方向指示信号)を生成し、モータ駆動回路23へ与える。
【0035】
マイクロコンピュータ22は、発振回路38で生成された発振信号の周波数を分周する手段として動作する。例えば、PWM信号用の発振周波数は20kHz、トルクセンサ40用の発振周波数は3Hz近傍なので、発振回路38から出力される発振信号を分周してPWM信号用及びトルクセンサ40用の発振信号を夫々生成する。
【0036】
マイクロコンピュータ22は、例えば発振回路38から出力される8MHzの発振信号を1/400に分周してPWM信号用の20kHzの発振信号を生成し、8MHzの発振信号を1/2000に分周してトルクセンサ40用の例えば4kHzの発振信号Tfを生成することができる。マイクロコンピュータ22は、生成した発振信号Tfをトルクセンサ40に与える。
【0037】
図2に、本発明に係る電動パワーステアリング装置のトルクセンサ40の回路構成を示す。マイクロコンピュータ22から与えられた発振信号Tfが入力されるインタフェイス回路42の出力端子は、電流増幅回路11、反転電流増幅回路12及びサンプリングパルス発生回路13の各入力端子と接続されている。インタフェイス回路42は、マイクロコンピュータ22から与えられた発振信号を基にトルク検出用の交流電圧を生成する手段として動作する。交流電圧はマイクロコンピュータ22側で生成することもできる。電流増幅回路11の出力端子と、反転電流増幅回路12の出力端子との間には、温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との直列回路が介装されている。
【0038】
温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との直列回路には、抵抗R1と抵抗R2との直列回路が並列接続され、この2つの直列回路でブリッジ回路が形成されている。温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との接続節点は、差動増幅回路15の一方の入力端子と接続されている。
【0039】
抵抗R1と抵抗R2との接続節点は、差動増幅回路15の他方の入力端子と接続され、差動増幅回路15の出力端子はサンプルホールド回路17の入力端子と接続されている。サンプリングパルス発生回路13のパルス出力端子はサンプルホールド回路17のサンプリングパルス入力端子と接続されている。サンプルホールド回路17の出力端子は電圧・電流変換回路19の入力端子と接続され、電圧・電流変換回路19からトルク検出信号Tsが出力されている。
【0040】
次に、本発明に係る電動パワーステアリング装置を用いた操舵補助について説明する。
マイクロコンピュータ22は発振回路38から与えられた発振信号の周波数を例えば1/2000に分周した発振信号Tfを生成し、トルクセンサ40へ与える。トルクセンサ40のインタフェイス回路42は、マイクロコンピュータ22から与えられた発振信号Tfが入力され、図4(a)に示すように、直流電圧Vdによりバイアスされた交流電圧Vaを出力する。
【0041】
以下、従来と同様に、電流増幅回路11は、図4(b)の実線に示すように、インタフェイス回路42の出力電圧と同位相の交流電圧Vb及び正の直流電圧Vdを出力し、反転電流増幅回路12は、図4(b)の破線に示すように、インタフェイス回路42の出力電圧の位相を180°ずらせた交流電圧Vc及び正の直流電圧Vdを出力する。
【0042】
温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との接続節点の交流電圧は、図4(c)に示すように、トルク検出用コイルL2のインピーダンスが温度補償用コイルL1のインピーダンスより大きい場合は、交流電圧Vaと同位相の交流電圧Vbに変化し、反対に小さい場合は交流電圧Vaと逆位相の交流電圧Vcに変化する。
【0043】
温度補償用コイルL1とトルク検出用コイルL2との接続節点の電圧及び抵抗R1と抵抗R2との接続節点の電圧が差動増幅回路15へ入力され、図5(b)に示すように差動増幅された電圧がサンプルホールド回路17へ入力される。
【0044】
サンプルホールド回路17は、サンプリングパルスが与えられたタイミングで、差動増幅回路15から入力された交流電圧をサンプリング及びホールドし、検出トルクに応じた電圧信号Vsを得る。サンプルホールドされた電圧信号Vsは、電圧・電流変換回路19へ入力されて電流信号に変換されると共に、所定のオフセット値が与えられて、トルク検出信号Tsとして出力される。
【0045】
マイクロコンピュータ22は、トルクセンサ40が検出したトルク検出信号Tsと、車速センサ30が検出した車速検出信号と、モータ電流検出回路27が検出したモータ電流検出信号とが入力される。マイクロコンピュータ22は、トルク/電流テーブル28aを参照して、車速検出信号及びトルク検出信号Tsから目標モータ電流を求める。
【0046】
マイクロコンピュータ22は、目標モータ電流とモータ電流検出信号とを比較し、モータ34に目標モータ電流を流すべく、PWM信号及び回転方向指示信号を生成し、モータ駆動回路23へ与える。PWM信号の基となる発振信号は、マイクロコンピュータ22により、発振回路38から出力された発振信号の周波数を例えば1/400に分周して生成される。モータ駆動回路23は、与えられたPWM信号及び回転方向指示信号に基づき、モータ34を回転駆動させる。
【0047】
トルク検出信号Tsは、発振回路38から出力された発振信号をマイクロコンピュータ22で1/2000に分周した発振信号Tfを基にして生成され、PWM信号を含む各種周期信号は、発振回路38から出力された発振信号をマイクロコンピュータ22で分周した発振信号を基にして生成されているため、両信号は同期がとれている。同期がとれているため、ビート(うなり)による音または振動の発生を防止することができる。
【0048】
上述した実施の形態では、マイクロコンピュータ22で分周を行ったが、分周器を用いて分周を行うことも勿論可能である。分周器をトルクセンサ40側に備え、発振回路38から与えられた発振信号をトルクセンサ40側で分周することも可能である。また、周波数を整数倍にする倍周器を用いて、周波数を変更することもできる。さらに、発振回路38を用いずに、マイクロコンピュータ22から発振信号を出力することもできる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、発振手段からPWM信号生成手段及び交流電圧生成手段へ発振信号を与えることにより、トルクセンサのコイルに与える交流電圧とPWM制御等に用いるPWM信号との同期をとることができる。トルクセンサから出力されるトルク検出信号は、前記交流電圧を基にして生成されるため、トルク検出信号とPWM信号との同期をとることができる。同期がとれているため、ビート(うなり)による音または振動の発生を防止することができる。
【0050】
また、本発明の電動パワーステアリング装置によれば、分周手段により、発振手段から出力された発振信号と同期がとれた所要周波数の発振信号を、交流電圧生成手段及び/又はPWM信号生成手段に与え、所要周波数の交流信号及び/又はPWM信号を生成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る電動パワーステアリング装置のトルクセンサの回路構成を示すブロック図である。
【図3】従来の電動パワーステアリング装置のトルクセンサの回路構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は交流電圧波形を示す波形図であり、(b)は電流増幅回路及び反転電流増幅回路の出力電圧波形を示す波形図でり、(c)は温度補償用コイルとトルク検出用コイルとの接続節点の交流電圧の波形を示す波形図である。
【図5】(a)は第1抵抗と第2抵抗との接続節点の直流電圧の波形を示す波形図であり、(b)は差動増幅回路の出力電圧波形を示す波形図である。
【図6】従来の電動パワーステアリング装置の要部構成を示すブロック図である。
【図7】ブラシレスモータと駆動回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
22 マイクロコンピュータ
34 モータ
38 発振回路
40 トルクセンサ

Claims (2)

  1. 操舵輪に加わるトルクに応じてインダクタンスが変化するコイルに交流電圧を与えた場合に該コイルから出力される電圧によりトルクを検出するトルクセンサと、発振信号を出力する発振手段と、該発振手段が出力した発振信号を基にPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、検出したトルクに応じて操舵補助用のモータを前記PWM信号に基づいて駆動する手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記発振手段が出力した発振信号を基に前記交流電圧を生成する交流電圧生成手段と、前記発振信号を基に、前記トルクを検出する為のサンプリングパルスを発生させるサンプリングパルス発生手段とを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記交流電圧生成手段及び/又は前記PWM信号生成手段は、前記発振手段が出力した発振信号の周波数を分周する分周手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
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JPS6234854A (ja) * 1985-08-06 1987-02-14 Honda Motor Co Ltd 電動式パワ−ステアリング装置

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