JP4736236B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、吸気弁の開閉時期に基づいて燃料噴射時期を決定する内燃機関の制御装置が知られている。この種の内燃機関の制御装置の例としては、例えばWO97/13063号公報に記載されたものがある。WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置では、筒内に燃料を噴射するための燃料噴射弁が筒内に配置され、燃料噴射時期と吸気弁の開弁時期とがほぼ一致せしめられている。そのため、吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置では、筒内に吸入される吸入空気量である筒内吸入空気量が少ないときのみならず、筒内吸入空気量が多いときにも、吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとしている。筒内吸入空気量が多いときに、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとすると、かえって噴射燃料の微粒化が悪化してしまうおそれがある。
【0004】
また、上述したようにWO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置では、吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとしている。ところが、本発明者の研究によれば、吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとするよりも、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させるほうが、噴射燃料を適切に微粒化させることができる点が明らかになった。一方で、WO97/13063号公報には、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させる点については開示されていない。従って、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置によっては、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させることができない。
【0005】
前記問題点に鑑み、本発明は噴射燃料を適切に微粒化させることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。詳細には、本発明は吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を適切に微粒化させることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、吸気弁のピークバルブリフト量又は吸気弁の開弁期間を変更可能な変更装置を具備し、吸気弁の閉弁時期に基づいて燃料噴射時期を決定する内燃機関の制御装置において、筒内に燃料噴射するための燃料噴射弁を筒内に配置し、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が大きいときには吸気弁が閉弁した後に燃料を噴射し、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さいときには吸気弁の閉弁時期にほぼ一致する時期に燃料を噴射することを特徴とする内燃機関の制御装置が提供される。
【0018】
請求項に記載の内燃機関の制御装置では、筒内に燃料噴射するための燃料噴射弁が筒内に配置され、筒内吸入空気量が多いときには吸気弁が閉弁した後に例えば成層燃焼を行うための燃料が噴射され、筒内吸入空気量が少ないときには吸気弁の閉弁時期にほぼ一致する時期に燃料が噴射される。つまり、筒内吸入空気量が多いときには、吸気弁が閉弁した後に燃料が噴射される。そのため、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように筒内吸入空気量が多いときに吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとすることが回避され、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置よりも適切に噴射燃料を微粒化させることができ、適切な成層燃焼を行うことができる。また、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期にほぼ一致する時期に燃料が噴射され、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料が微粒化される。そのため、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとする場合よりも適切に噴射燃料を微粒化させることができる。上述した筒内吸入空気量が多いときには、例えば吸気弁のピークバルブリフト量が大きいときや、例えば吸気弁の開弁期間が長いときが含まれる。また、筒内吸入空気量が少ないときには、例えば吸気弁のピークバルブリフト量が小さいときや、例えば吸気弁の開弁期間が短いときが含まれる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、吸気弁のピークバルブリフト量又は吸気弁の開弁期間を変更可能な変更装置を具備し、吸気弁の閉弁時期に基づいて燃料噴射時期を決定する内燃機関の制御装置において、筒内に燃料噴射するための燃料噴射弁を筒内に配置し、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が大きいときには吸気弁の開弁期間中に燃料を噴射し、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さいときには吸気弁の閉弁時期にほぼ一致する時期に燃料を噴射することを特徴とする内燃機関の制御装置が提供される。
【0020】
請求項に記載の内燃機関の制御装置では、筒内に燃料噴射するための燃料噴射弁が筒内に配置され、筒内吸入空気量が多いときには吸気弁の開弁期間中に例えば均質燃焼を行うための燃料が噴射され、筒内吸入空気量が少ないときには吸気弁の閉弁時期にほぼ一致する時期に燃料が噴射される。つまり、筒内吸入空気量が多いときには、吸気弁の開弁期間中に燃料が噴射される。そのため、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように筒内吸入空気量が多いときに吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとすることが回避され、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置よりも適切に噴射燃料を微粒化させることができ、適切な均質燃焼を行うことができる。また、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期にほぼ一致する時期に燃料が噴射され、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料が微粒化される。そのため、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとする場合よりも適切に噴射燃料を微粒化させることができる。上述した筒内吸入空気量が多いときには、例えば吸気弁のピークバルブリフト量が大きいときや、例えば吸気弁の開弁期間が長いときが含まれる。また、筒内吸入空気量が少ないときには、例えば吸気弁のピークバルブリフト量が小さいときや、例えば吸気弁の開弁期間が短いときが含まれる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、筒内に吸入される空気量である筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期に応じて燃料噴射時期を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置が提供される。
【0022】
請求項に記載の発明によれば、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期が進角されるに従って燃料噴射時期を進角させることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置が提供される。
【0023】
請求項に記載の発明によれば、筒内吸入空気量が少ないときには、筒内吸入空気量が少なくなるに従って燃料噴射時期を進角させることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置が提供される。
【0024】
請求項に記載の発明によれば、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の位相が進角されるに従って燃料噴射時期を進角させることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置が提供される。
【0025】
請求項からに記載の内燃機関の制御装置では、吸気弁の閉弁時期が進角されるに従って吸入空気の流速が速くなるタイミングが早まるのに鑑み、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期に応じて燃料噴射時期が変更される。詳細には、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期が進角されるに従って燃料噴射時期が進角される。そのため、吸気弁の閉弁時期が変更される場合にも噴射燃料を適切に微粒化させることができる。上述した吸気弁の閉弁時期が進角されることには、例えば吸気弁の閉弁時期が進角されて吸入空気量が少なくなることや、例えば吸気弁の位相が進角されて吸気弁の閉弁時期が進角されることが含まれる。
【0026】
請求項に記載の発明によれば、吸気弁のピークバルブリフト量又は吸気弁の開弁期間を変更可能な変更装置を具備し、吸気弁の閉弁時期に基づいて燃料噴射時期を決定する内燃機関の制御装置において、筒内に燃料噴射するための燃料噴射弁を筒内に配置し、吸気下死点よりも前に吸気弁が閉弁する場合には、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射時期とをほぼ一致させることを特徴とする内燃機関の制御装置が提供される。
【0027】
請求項に記載の内燃機関の制御装置では、吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとするよりも、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させるほうが、噴射燃料を適切に微粒化させることができる点に鑑み、筒内に燃料噴射するための燃料噴射弁が筒内に配置され、吸気下死点よりも前に吸気弁が閉弁する場合、つまり、筒内吸入空気量が少ない場合には、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射時期とがほぼ一致せしめられる。そのため、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を適切に微粒化させることができる。上述した吸気下死点よりも前に吸気弁が閉弁する場合には、例えば吸気弁のピークバルブリフト量が小さい場合や、例えば吸気弁の開弁期間が短い場合が含まれる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0029】
図1は本発明の内燃機関の制御装置の第一の実施形態の概略構成図、図2は図1に示した内燃機関の制御装置の吸気系等の詳細図である。図1及び図2において、1は内燃機関、2は吸気弁、3は排気弁、4は吸気弁を開閉させるためのカム、5は排気弁を開閉させるためのカム、6は吸気弁用カム4を担持しているカムシャフト、7は排気弁用カム5を担持しているカムシャフトである。図3は図1に示した吸気弁用カム及びカムシャフトの詳細図である。図3に示すように、第一の実施形態のカム4のカムプロフィルは、カムシャフト中心軸線の方向に変化している。つまり、第一の実施形態のカム4は、図3の左端のノーズ高さが右端のノーズ高さよりも大きくなっている。すなわち、第一の実施形態の吸気弁2のバルブリフト量は、バルブリフタがカム4の左端と接しているときよりも、バルブリフタがカム4の右端と接しているときの方が小さくなる。
【0030】
図1及び図2の説明に戻り、8は気筒内に形成された燃焼室、9はバルブリフト量を変更するために吸気弁2に対してカム4をカムシャフト中心軸線の方向に移動させるためのバルブリフト量変更装置である。つまり、バルブリフト量変更装置9を作動することにより、カム4の左端(図3)においてカム4とバルブリフタとを接触させたり、カム4の右端(図3)においてカム4とバルブリフタとを接触させたりすることができる。バルブリフト量変更装置9によって吸気弁2のバルブリフト量が変更されると、それに伴って、吸気弁2の開口面積が変更されることになる。第一の実施形態の吸気弁2では、バルブリフト量が増加されるに従って吸気弁2の開口面積が増加するようになっている。10はバルブリフト量変更装置9を駆動するためのドライバ、11は吸気弁2の開弁期間を変更することなく吸気弁の開閉タイミングをシフトさせるための開閉タイミングシフト装置である。つまり、開閉タイミングシフト装置11を作動することにより、吸気弁2の開閉タイミングを進角側にシフトさせたり、遅角側にシフトさせたりすることができる。本明細書においては、吸気弁2の開閉タイミングを進角側にシフトさせることを吸気弁2の位相を進角させると称し、吸気弁2の開閉タイミングを遅角側にシフトさせることを吸気弁2の位相を遅角させると称する。12は開閉タイミングシフト装置11を作動するための油圧を制御するオイルコントロールバルブである。尚、第一の実施形態における可変動弁機構には、バルブリフト量変更装置9及び開閉タイミングシフト装置11の両者が含まれることになる。
【0031】
13はクランクシャフト、14はオイルパン、15は燃料噴射弁、16は吸気弁2のバルブリフト量及び開閉タイミングシフト量(進角量又は遅角量)を検出するためのセンサ、17は機関回転数を検出するためのセンサである。18は気筒内に吸入空気を供給する吸気管内の圧力を検出するための吸気管圧センサである。吸気管負圧は吸気管圧センサ18の出力値に基づいて算出される。詳細には、吸気管内の圧力が大気圧に近づくに従って吸気管負圧は小さくなり、吸気管内の圧力が小さくなって大気圧から遠ざかるに従って吸気管負圧は大きくなる。19はエアフローメータ、20は内燃機関冷却水の温度を検出するための冷却水温センサ、21は気筒内に供給される吸入空気の吸気管内における温度を検出するための吸入空気温センサ、22はECU(電子制御装置)である。50はシリンダ、51はシリンダヘッド、52は吸気ポート、53は吸気マニホルド、54は吸気管、55はサージタンク、56は排気管、57は点火栓、58はアクセルペダル開度とは無関係に開度が変更せしめられるスロットル弁である。図2に示すように、第一の実施形態の燃料噴射弁15は吸気ポート52内に燃料を噴射するために吸気ポート52内に配置されている。
【0032】
図4は図1に示したバルブリフト量変更装置等の詳細図である。図4において、30は吸気弁用カムシャフト6に連結された磁性体、31は磁性体30を左側に付勢するためのコイル、32は磁性体30を右側に付勢するための圧縮ばねである。コイル31に対する通電量が増加されるに従って、カム4及びカムシャフト6が左側に移動する量が増加し、吸気弁2のバルブリフト量が減少せしめられることになる。
【0033】
図5はバルブリフト量変更装置が作動されるのに伴って吸気弁のバルブリフト量が変化する様子を示した図である。図5に示すように、コイル31に対する通電量が減少されるに従って、吸気弁2のバルブリフト量が増加せしめられる(実線→破線→一点鎖線)。また第一の実施形態では、バルブリフト量変更装置9が作動されるのに伴って、吸気弁2の開弁期間も変更せしめられる。つまり、吸気弁2の作用角も変更せしめられる。詳細には、吸気弁2のバルブリフト量が増加せしめられるのに伴って、吸気弁2の作用角が増加せしめられる(実線→破線→一点鎖線)。そのため、吸気弁2のバルブリフト量が増加せしめられるのに伴って、吸気弁の閉弁時期が遅角せしめられる(実線→破線→一点鎖線)。更に第一の実施形態では、バルブリフト量変更装置9が作動されるのに伴って、吸気弁2のバルブリフト量がピークとなるタイミングも変更せしめられる。詳細には、吸気弁2のバルブリフト量が増加せしめられるのに伴って、吸気弁2のバルブリフト量がピークとなるタイミングが遅角せしめられる(実線→破線→一点鎖線)。
【0034】
図6は図1に示した開閉タイミングシフト装置等の詳細図である。図6において、40は吸気弁2の開閉タイミングを進角側にシフトさせるための進角側油路、41は吸気弁2の開閉タイミングを遅角側にシフトさせるための遅角側油路、42はオイルポンプである。進角側油路40内の油圧が増加されるに従い、吸気弁2の開閉タイミングが進角側にシフトせしめられる。つまり、クランクシャフト13に対するカムシャフト6の回転位相が進角せしめられる。一方、遅角側油路41の油圧が増加されるに従い、吸気弁2の開閉タイミングが遅角側にシフトせしめられる。つまり、クランクシャフト13に対するカムシャフト6の回転位相が遅角せしめられる。
【0035】
図7は開閉タイミングシフト装置が作動されるのに伴って吸気弁の開閉タイミングがシフトする様子を示した図である。図7に示すように、進角側油路40内の油圧が増加されるに従って、吸気弁2の開閉タイミングが進角側にシフトされる(実線→破線→一点鎖線)。換言すれば、進角側油路40内の油圧が増加されるに従って、吸気弁2の位相が進角せしめられる。このとき、吸気弁2の開弁期間は変更されない、つまり、吸気弁2が開弁している期間の長さは変更されない。
【0036】
図8は第一の実施形態の燃料噴射制御方法を示したフローチャートである。このルーチンは所定時間間隔で実行される。図8に示すように、このルーチンが開始されると、まずステップ100において機関始動時であるか否かが判断される。機関始動時であるときには、機関を暖機するための燃料噴射制御を実行する必要があると判断し、ステップ101に進む。一方、機関始動時でないときには、機関を暖機するための燃料噴射制御を実行する必要がないと判断し、ステップ103に進む。ステップ101では、始動時用燃料噴射時期が算出される。次いでステップ102では、始動時用燃料噴射時期に所定量の燃料が噴射される。またステップ103では、始動時以外用燃料噴射時期が算出され、次いでステップ102では、始動時以外用燃料噴射時期に所定量の燃料が噴射される。以下、上述したバルブリフト量変更装置9及び/又は開閉タイミングシフト装置11が作動されるのに伴って始動時以外用燃料噴射時期がどのように変更されるかについて説明する。
【0037】
図9は吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きい値になるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。図9において、t1は燃料噴射時期を示しており、t2は吸気弁の開弁時期を示しており、t3は吸気弁の閉弁時期を示している。図9に示すように、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きい値に設定されている場合には、吸気弁の開弁期間(時間t2〜時間t3)が比較的長くなり、その結果、筒内に吸入される空気量である筒内吸入空気量が比較的多くなる。また、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きい値に設定されている場合には、吸気弁の開弁期間中における吸気弁の開口面積が比較的大きくなるため、吸気弁を通過する吸入空気の流速は比較的遅くなる。従って、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きい値に設定されている場合には、燃料噴射弁15から噴射された燃料と吸入空気とは、それらが吸気弁を通過するときに混合される場合よりも、それらが吸気弁の開弁前に吸気ポート52内において予め混合される場合の方が、効果的に混合される。それゆえ、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きい値に設定されている場合には、燃料噴射時期t1は吸気弁の開弁時期t2よりも前に設定されている。
【0038】
図10は吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さい値になるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。図10において、t11は燃料噴射時期を示しており、t12は吸気弁の開弁時期を示しており、t13は吸気弁の閉弁時期を示している。図10に示すように、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さい値に設定されている場合には、吸気弁の開弁期間(時間t12〜時間t13)が比較的短くなり、その結果、筒内に吸入される空気量である筒内吸入空気量が比較的少なくなる。また、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さい値に設定されている場合には、吸気弁の開弁期間中における吸気弁の開口面積が比較的小さくなるため、吸気弁を通過する吸入空気の流速は比較的速くなる。従って、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さい値に設定されている場合には、燃料噴射弁15から噴射された燃料と吸入空気とは、それらが吸気弁の開弁前に吸気ポート52内において予め混合される場合よりも、それらが吸気弁を通過するときに混合される場合の方が、効果的に混合される。更に、吸気弁を通過する吸入空気の流速は吸気弁の閉弁直前に最も速くなる。それゆえ、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さい値に設定されている場合には、燃料噴射弁15から噴射された燃料と吸入空気とが吸気弁の閉弁直前に吸気弁を通過するときに効果的に混合されるように、燃料噴射時期t11は吸気弁の開弁期間中(時間t12〜時間t13)に設定されている。
【0039】
図11は図10に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。図11において、破線は吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が図10に示したように設定される場合の吸気弁のバルブリフト量及び吸入空気の流速を示しており、実線は図10に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるように設定されるときの吸気弁のバルブリフト量及び吸入空気の流速を示している。また、t21は図10に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるように設定されるときの燃料噴射時期を示しており、t22は図10に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるように設定されるときの吸気弁の開弁時期を示しており、t23は図10に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるように設定されるときの吸気弁の閉弁時期を示している。図11に示すように、図10に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるように設定されるときには、図10に示した場合よりも吸気弁の開弁期間(時間t22〜時間t23)が短くなる。詳細には、図10に示した場合よりも吸気弁の閉弁時期t23が進角される。そのため、燃料噴射弁15から噴射された燃料と吸入空気とが吸気弁の閉弁直前に吸気弁を通過するときに効果的に混合されるように、燃料噴射時期t21は図10に示した場合よりも進角される。尚、吸気弁の閉弁時期t23が図10に示した場合よりも進角されると、図10に示した場合よりも吸気弁の閉弁時期t23が吸気下死点(BDC)から離されることになる。その結果、筒内吸入空気量は図10に示した場合よりも少なくなる。
【0040】
図12は図10に示した場合よりも吸気弁の位相が遅角されるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。図12において、破線は吸気弁の位相が図10に示したように設定される場合の吸気弁のバルブリフト量及び吸入空気の流速を示しており、実線は図10に示した場合よりも吸気弁の位相を遅角させたときの吸気弁のバルブリフト量及び吸入空気の流速を示している。また、t31は図10に示した場合よりも吸気弁の位相を遅角させたときの燃料噴射時期を示しており、t32は図10に示した場合よりも吸気弁の位相を遅角させたときの吸気弁の開弁時期を示しており、t33は図10に示した場合よりも吸気弁の位相を遅角させたときの吸気弁の閉弁時期を示している。図12に示すように、図10に示した場合よりも吸気弁の位相を遅角させたときには、図10に示した場合よりも吸気弁の閉弁時期t33が遅角される。そのため、燃料噴射弁15から噴射された燃料と吸入空気とが吸気弁の閉弁直前に吸気弁を通過するときに効果的に混合されるように、燃料噴射時期t31は図10に示した場合よりも遅角される。尚、吸気弁の閉弁時期t33が図10に示した場合よりも進角されると、図10に示した場合よりも吸気弁の閉弁時期t33が吸気下死点(BDC)に近づくことになる。その結果、筒内吸入空気量は図10に示した場合よりも多くなる。
【0041】
図13は図9から図12を参照して説明した傾向をわかりやすく示した図である。図13に示すように、吸気弁の作用角が比較的大きく筒内吸入空気量が比較的多い場合には、燃料噴射時期が進角され、吸気弁が開弁する前に燃料噴射が開始される(図9)。一方、吸気弁の作用角が比較的小さく筒内吸入空気量が比較的少ない場合には、燃料噴射時期が遅角され、吸気弁の開弁期間中に燃料が噴射される(図10)。また、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、燃料噴射時期が吸気弁の閉弁時期に応じて変更される。詳細には、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、吸気弁の作用角が減少されるのに伴って吸気弁の閉弁時期が進角されるに従って、燃料噴射時期が進角される(図10→図11)。更に、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、吸気弁の位相が進角されるに従って燃料噴射時期が進角される(図12→図10)。換言すれば、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、筒内吸入空気量が少なくなるに従って燃料噴射時期が進角される(図10→図11、図12→図10)。
【0042】
図14は第一の実施形態の変形例における図13と同様の図である。第一の実施形態の変形例では、筒内吸入空気量が比較的少ない場合に、燃料噴射時期と吸気弁の作用角と吸気弁の位相との関係を図14に示したように設定することも可能である。第一の実施形態の変形例においても、第一の実施形態と同様に、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、燃料噴射時期が吸気弁の閉弁時期に応じて変更される。詳細には、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、吸気弁の作用角が減少されるのに伴って吸気弁の閉弁時期が進角されるに従って、燃料噴射時期が進角される(図10→図11)。更に、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、吸気弁の位相が進角されるに従って燃料噴射時期が進角される(図12→図10)。換言すれば、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、筒内吸入空気量が少なくなるに従って燃料噴射時期が進角される(図10→図11、図12→図10)。
【0043】
第一の実施形態及びその変形例によれば、吸気ポート52内に燃料噴射弁15が配置され、図9に示したように筒内吸入空気量が多いときには吸気弁が開弁する前(時間t1)に燃料噴射が開始され、図10〜図12に示したように筒内吸入空気量が少ないときには吸気弁の開弁期間中(時間t11、時間t21、時間t31)に燃料が噴射される。つまり、図9に示したように筒内吸入空気量が多いときには、吸気弁が開弁する前に燃料噴射が開始され、噴射燃料と吸入空気とは吸気弁開弁前(時間t2以前)に吸気ポート内において混合される。また、図10〜図12に示したように筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の開弁期間中(時間t11、時間t21、時間t31)に燃料が噴射され、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料が微粒化される。そのため、噴射燃料を適切に微粒化させることができる。図9に示したように筒内吸入空気量が多いときには、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きくなり、吸気弁の開弁期間が比較的長くなる。一方、図10〜図12に示したように筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さくなり、吸気弁の開弁期間が比較的短くなる。
【0044】
更に第一の実施形態及びその変形例によれば、図10〜図12に示したように、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期t13,t23,t33に応じて燃料噴射時期t11,t21,t31が変更される。詳細には、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期が進角されるに従って燃料噴射時期が進角される(図10→図11、図12→図10)。そのため、吸気弁の閉弁時期が変更される場合にも噴射燃料を適切に微粒化させることができる。換言すれば、筒内吸入空気量が少ないときには、吸入空気量が少なくなるに従って燃料噴射時期が進角され(図10→図11)、また、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の位相が進角されるに従って燃料噴射時期が進角される(図12→図10)。
【0045】
また第一の実施形態及びその変形例によれば、吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとするよりも、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させるほうが、噴射燃料を適切に微粒化させることができる点に鑑み、図10〜図12に示したように、吸気弁の閉弁時期t13,t23,t33にほぼ一致する時期に噴射燃料が吸気弁を通過するように燃料噴射時期t11,t21,t31及び吸気弁の閉弁時期t13,t23,t33が決定されている。そのため、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を適切に微粒化させることができる。
【0046】
更に第一の実施形態及びその変形例によれば、吸入空気の流速が速くなる吸気弁閉弁時期t13,t23,t33の直前に噴射燃料が吸気弁を通過せしめられても噴射燃料が吸気弁傘部に当ってしまうと噴射燃料の微粒化が悪化してしまう点に鑑み、噴射燃料が吸気弁傘部に当たらないタイミングt11,t21,t31で燃料が噴射される。そのため、噴射燃料が吸気弁傘部に当たるのに伴って噴射燃料の微粒化が悪化してしまうのを回避することができる。
【0047】
以下、本発明の内燃機関の制御装置の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態の構成は、後述する点を除き、上述した第一の実施形態の構成とほぼ同様である。図15は第二の実施形態の内燃機関の制御装置の吸気系等の図2と同様の詳細図である。図15において、図2に示した参照番号と同一の参照番号は、図2に示した部品又は部分と同一の部品又は部分を示しており、15’は燃料噴射弁である。図15に示すように、第二の実施形態の燃料噴射弁15’は、第一の実施形態の燃料噴射弁15とは異なり、シリンダ50内に燃料を噴射するためにシリンダ50内に配置されている。
【0048】
図16は吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きい値になるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。図16において、t41は成層燃焼が行われるときの燃料噴射時期を示しており、t42は均質燃焼が行われるときの燃料噴射時期を示しており、t2は吸気弁の開弁時期を示しており、t3は吸気弁の閉弁時期を示している。図16に示すように、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きい値に設定されている場合には、吸気弁の開弁時期t2が吸気上死点よりも前に設定され、吸気弁の閉弁時期t3が吸気下死点よりも後に設定されるため、吸気弁の開弁直後及び吸気弁の閉弁直前には吸入空気が筒内から吸気ポートに逆流する。また、成層燃焼が行われるときには噴射された燃料と吸入空気とをあまり混合する必要がない。これらの点に鑑み、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きい値に設定されている場合には、成層燃焼が行われるときの燃料噴射時期t41は吸気弁の閉弁時期t3よりも後に設定され、均質燃焼が行われるときの燃料噴射時期t41’は吸気弁の開弁直後及び閉弁直前を除いた吸気弁の開弁期間中(時間t2〜時間t3)に設定されている。
【0049】
図17は吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さい値になるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。図17において、t51は燃料噴射時期を示しており、t12は吸気弁の開弁時期を示しており、t13は吸気弁の閉弁時期を示している。図17に示すように、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さい値に設定されている場合には、吸気弁の閉弁時期t13が吸気下死点(BDC)よりも前に設定され、吸気弁の閉弁直前においても吸入空気は筒内から吸気ポート内に逆流しない。従って、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さい値に設定されている場合には、燃料噴射弁15’から噴射された燃料が吸気弁の閉弁直前に吸気弁を通過した流速の速い吸入空気と効果的に混合されるように、燃料噴射時期t51は吸気弁の開弁時期t13にほぼ一致させて設定されている。
【0050】
図18は図17に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。図18において、破線は吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が図17に示したように設定される場合の吸気弁のバルブリフト量及び吸入空気の流速を示しており、実線は図17に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるように設定されるときの吸気弁のバルブリフト量及び吸入空気の流速を示している。また、t61は図17に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるように設定されるときの燃料噴射時期を示しており、t22は図17に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるように設定されるときの吸気弁の開弁時期を示しており、t23は図17に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるように設定されるときの吸気弁の閉弁時期を示している。図18に示すように、図17に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるように設定されるときには、図17に示した場合よりも吸気弁の開弁期間(時間t22〜時間t23)が短くなる。詳細には、図17に示した場合よりも吸気弁の閉弁時期t23が進角される。そのため、燃料噴射弁15’から噴射された燃料が吸気弁の閉弁直前に吸気弁を通過した流速の速い吸入空気と効果的に混合されるように、燃料噴射時期t61は図17に示した場合よりも進角される。尚、吸気弁の閉弁時期t23が図17に示した場合よりも進角されると、図17に示した場合よりも吸気弁の閉弁時期t23が吸気下死点(BDC)から離されることになる。その結果、筒内吸入空気量は図17に示した場合よりも少なくなる。
【0051】
図19は図17に示した場合よりも吸気弁の位相が遅角されるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。図19において、破線は吸気弁の位相が図17に示したように設定される場合の吸気弁のバルブリフト量及び吸入空気の流速を示しており、実線は図17に示した場合よりも吸気弁の位相を遅角させたときの吸気弁のバルブリフト量及び吸入空気の流速を示している。また、t71は図17に示した場合よりも吸気弁の位相を遅角させたときの燃料噴射時期を示しており、t32は図17に示した場合よりも吸気弁の位相を遅角させたときの吸気弁の開弁時期を示しており、t33は図17に示した場合よりも吸気弁の位相を遅角させたときの吸気弁の閉弁時期を示している。図19に示すように、図17に示した場合よりも吸気弁の位相を遅角させたときには、図17に示した場合よりも吸気弁の閉弁時期t33が遅角される。そのため、燃料噴射弁15’から噴射された燃料が吸気弁の閉弁直前に吸気弁を通過した流速の速い吸入空気と効果的に混合されるように、燃料噴射時期t71は図17に示した場合よりも遅角される。尚、吸気弁の閉弁時期t33が図17に示した場合よりも進角されると、図17に示した場合よりも吸気弁の閉弁時期t33が吸気下死点(BDC)に近づくことになる。その結果、筒内吸入空気量は図17に示した場合よりも多くなる。
【0052】
上述した図14により、図16から図19を参照して説明した傾向をわかりやすく示すことができる。図14に示すように、第二の実施形態において均質燃焼が行われる場合、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、燃料噴射時期が吸気弁の閉弁時期に応じて変更される。詳細には、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、吸気弁の作用角が減少されるのに伴って吸気弁の閉弁時期が進角されるに従って、燃料噴射時期が進角される(図17→図18)。更に、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、吸気弁の位相が進角されるに従って燃料噴射時期が進角される(図19→図17)。換言すれば、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、筒内吸入空気量が少なくなるに従って燃料噴射時期が進角される(図17→図18、図19→図17)。
【0053】
第二の実施形態の変形例において筒内吸入空気量が比較的少ないときには図13に示したように燃料噴射時期と吸気弁の作用角と吸気弁の位相との関係を設定することも可能である。図13に示すように、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、燃料噴射時期が吸気弁の閉弁時期に応じて変更される。詳細には、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、吸気弁の作用角が減少されるのに伴って吸気弁の閉弁時期が進角されるに従って、燃料噴射時期が進角される(図17→図18)。更に、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、吸気弁の位相が進角されるに従って燃料噴射時期が進角される(図19→図17)。換言すれば、筒内吸入空気量が比較的少ないときには、筒内吸入空気量が少なくなるに従って燃料噴射時期が進角される(図17→図18、図19→図17)。
【0054】
第二の実施形態及びその変形例によれば、シリンダ50内に燃料噴射弁15’が配置され、図16に示したように筒内吸入空気量が多いときには吸気弁が閉弁した後(時間t41)に成層燃焼を行うための燃料が噴射され、図17〜図19に示したように筒内吸入空気量が少ないときには吸気弁の閉弁時期t13,t23,t33にほぼ一致する時期t51,t61,t71に燃料が噴射される。つまり、図16に示したように筒内吸入空気量が多いときには、吸気弁が閉弁した後(時間t41)に成層燃焼を行うための燃料が噴射される。また、図17〜図19に示したように筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期t13,t23,t33にほぼ一致する時期t51,t61,t71に燃料が噴射され、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料が微粒化される。そのため、噴射燃料を適切に微粒化させることができる。図16に示したように筒内吸入空気量が多いときには、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きくなり、吸気弁の開弁期間が比較的長くなる。一方、図17〜図19に示したように筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さくなり、吸気弁の開弁期間が比較的短くなる。
【0055】
また第二の実施形態及びその変形例によれば、図16に示したように筒内吸入空気量が多いときには吸気弁の開弁期間中(時間t41’)に均質燃焼を行うための燃料が噴射される。つまり、筒内吸入空気量が多いときには、吸気弁の開弁期間中(時間t41’)に均質燃焼を行うための燃料が噴射される。
【0056】
更に第二の実施形態及びその変形例によれば、図17〜図19に示したように、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期t13,t23,t33に応じて燃料噴射時期t51,t61,t71が変更される。詳細には、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期が進角されるに従って燃料噴射時期が進角される(図17→図18、図19→図17)。そのため、吸気弁の閉弁時期が変更される場合にも噴射燃料を適切に微粒化させることができる。換言すれば、筒内吸入空気量が少ないときには、吸入空気量が少なくなるに従って燃料噴射時期が進角され(図17→図18)、また、筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の位相が進角されるに従って燃料噴射時期が進角される(図19→図17)。
【0057】
また第二の実施形態及びその変形例によれば、吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとするよりも、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させるほうが、噴射燃料を適切に微粒化させることができる点に鑑み、図17〜図19に示したように、吸気下死点よりも前に吸気弁が閉弁する場合、つまり、筒内吸入空気量が少ない場合には、吸気弁の閉弁時期t13,t23,t33と燃料噴射時期t51,t61,t71とがほぼ一致せしめられる。そのため、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を適切に微粒化させることができる。
【0058】
尚、上述した実施形態では、バルブリフト量変更装置9及び/又は開閉タイミングシフト装置11によって吸気弁の開口面積、開弁タイミング、閉弁タイミングが変更されているが、他の実施形態では、例えば電磁駆動装置によって吸気弁の開口面積、開弁タイミング、閉弁タイミングを変更することも可能である。
【0059】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように筒内吸入空気量が多いときに吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとすることが回避され、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置よりも適切に噴射燃料を微粒化させることができる。また、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとする場合よりも適切に噴射燃料を微粒化させることができる。
【0060】
請求項2から5に記載の発明によれば、吸気弁の閉弁時期が変更される場合にも噴射燃料を適切に微粒化させることができる。
【0061】
請求項6に記載の発明によれば、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を適切に微粒化させることができる。
【0062】
請求項7に記載の発明によれば、噴射燃料が吸気弁傘部に当たるのに伴って噴射燃料の微粒化が悪化してしまうのを回避することができる。
【0063】
請求項8に記載の発明によれば、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように筒内吸入空気量が多いときに吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとすることが回避され、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置よりも適切に噴射燃料を微粒化させることができ、適切な成層燃焼を行うことができる。また、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとする場合よりも適切に噴射燃料を微粒化させることができる。
【0064】
請求項9に記載の発明によれば、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように筒内吸入空気量が多いときに吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとすることが回避され、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置よりも適切に噴射燃料を微粒化させることができ、適切な均質燃焼を行うことができる。また、WO97/13063号公報に記載された内燃機関の制御装置のように吸気弁の開弁直後における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を微粒化させようとする場合よりも適切に噴射燃料を微粒化させることができる。
【0065】
請求項10から13に記載の発明によれば、吸気弁の閉弁時期が変更される場合にも噴射燃料を適切に微粒化させることができる。
【0066】
請求項14に記載の発明によれば、吸気弁の閉弁直前における流速の速い吸入空気によって噴射燃料を適切に微粒化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関の制御装置の第一の実施形態の概略構成図である。
【図2】図1に示した内燃機関の制御装置の吸気系等の詳細図である。
【図3】図1に示した吸気弁用カム及びカムシャフトの詳細図である。
【図4】図1に示したバルブリフト量変更装置等の詳細図である。
【図5】バルブリフト量変更装置が作動されるのに伴って吸気弁のバルブリフト量が変化する様子を示した図である。
【図6】図1に示した開閉タイミングシフト装置等の詳細図である。
【図7】開閉タイミングシフト装置が作動されるのに伴って吸気弁の開閉タイミングがシフトする様子を示した図である。
【図8】第一の実施形態の燃料噴射制御方法を示したフローチャートである。
【図9】吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きい値になるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。
【図10】吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さい値になるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。
【図11】図10に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。
【図12】図10に示した場合よりも吸気弁の位相が遅角されるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。
【図13】図9から図12を参照して説明した傾向をわかりやすく示した図である。
【図14】第一の実施形態の変形例における図13と同様の図である。
【図15】第二の実施形態の内燃機関の制御装置の吸気系等の図2と同様の詳細図である。
【図16】吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的大きい値になるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。
【図17】吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が比較的小さい値になるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。
【図18】図17に示した場合よりも吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さくなるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。
【図19】図17に示した場合よりも吸気弁の位相が遅角されるようにバルブリフト量変更装置及び開閉タイミングシフト装置が設定されているときの燃料噴射時期を示した図である。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…吸気弁
3…排気弁
4,5…カム
6,7…カムシャフト
8…気筒内の燃焼室
9…バルブリフト量変更装置
11…開閉タイミングシフト装置
15,15’…燃料噴射弁
50…シリンダ
52…吸気ポート
58…スロットル弁

Claims (7)

  1. 吸気弁のピークバルブリフト量又は吸気弁の開弁期間を変更可能な変更装置を具備し、吸気弁の閉弁時期に基づいて燃料噴射時期を決定する内燃機関の制御装置において、
    筒内に燃料噴射するための燃料噴射弁を筒内に配置し、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が大きいときには吸気弁が閉弁した後に燃料を噴射し、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さいときには吸気弁の閉弁時期にほぼ一致する時期に燃料を噴射することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 吸気弁のピークバルブリフト量又は吸気弁の開弁期間を変更可能な変更装置を具備し、吸気弁の閉弁時期に基づいて燃料噴射時期を決定する内燃機関の制御装置において、
    筒内に燃料噴射するための燃料噴射弁を筒内に配置し、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が大きいときには吸気弁の開弁期間中に燃料を噴射し、吸気弁のピークバルブリフト量及び作用角が小さいときには吸気弁の閉弁時期にほぼ一致する時期に燃料を噴射することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 筒内に吸入される空気量である筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期に応じて燃料噴射時期を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の閉弁時期が進角されるに従って燃料噴射時期を進角させることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 筒内吸入空気量が少ないときには、筒内吸入空気量が少なくなるに従って燃料噴射時期を進角させることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 筒内吸入空気量が少ないときには、吸気弁の位相が進角されるに従って燃料噴射時期を進角させることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 吸気弁のピークバルブリフト量又は吸気弁の開弁期間を変更可能な変更装置を具備し、吸気弁の閉弁時期に基づいて燃料噴射時期を決定する内燃機関の制御装置において、
    筒内に燃料噴射するための燃料噴射弁を筒内に配置し、吸気下死点よりも前に吸気弁が閉弁する場合には、吸気弁の閉弁時期と燃料噴射時期とをほぼ一致させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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