JP4733543B2 - 赤外線式ガス検知器 - Google Patents
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このような構成の赤外線式ガス検知器においては、例えば赤外線光源が点滅駆動されることにより赤外線光源から放射される赤外線が周期的に赤外線センサに供給されることにより持続的な出力信号が得られ、被検ガスに含まれる二酸化炭素ガスにより赤外線が吸収されることによって赤外線センサに受光される赤外線量が低下することによる出力信号の振幅の減少割合に応じて、二酸化炭素ガスの濃度が算出される。
そして、二酸化炭素ガスが自動車の車室内のような狭い密閉空間に漏洩した場合には、二酸化炭素ガスの充満が速く、人体に対して危険な状態となるおそれがあることから、自動車の車室内における二酸化炭素ガスの濃度の監視を行うことが求められており、非分散型赤外線吸収法を利用した赤外線式ガス検知器を車室内に搭載する試みがなされている。
しかしながら、点灯状態におけるフィラメントは衝撃に弱い状態となっているため、例えば自動車の走行中の振動や衝突事故等によってフィラメントに衝撃が加えられた場合に、例えば隣接する単コイルが接触する事故などが生じて、ガス検知それ自体行うことができなくなる場合がある、という問題がある。
各々、点滅駆動されるフィラメントランプよりなる二以上の赤外線光源を具えてなり、各々の赤外線光源の動作状態が、一方の赤外線光源のみが点滅駆動されると共に他方の赤外線光源が消灯状態が維持された状態とされるよう、制御され、
ガス検知動作中において検出される当該一方の赤外線光源のランプ電圧値またはランプ電流値に基づいて、当該一方の赤外線光源が正常に機能していないことが検出されたときに、他方の赤外線光源が点滅駆動され、
二の赤外線光源のうち継続して点滅駆動されるべき一の赤外線光源が交互に使用されることを特徴とする。
図1は、本発明の赤外線式ガス検知器の一例における構成の概略を示す縦断面図、図2は、図1に示す赤外線式ガス検知器におけるセンサユニットの構成を、一部を破断した状態において示す平面図、図3は、図2に示すセンサユニットの拡大断面図、図4は、図1に示す赤外線式ガス検知器を構成する制御用回路基板における信号処理回路の一例を示すブロック図である。
この赤外線式ガス検知器10は、全体が略細長い中空柱状の本体ケース11を具えており、この本体ケース11における一面(図1において上面)には、長手方向に対して垂直な方向(図1において上方向)に突出して伸びる円筒状部分12が形成されている。
円筒状部分12の内部空間は、本体ケース11の内部空間と連通しており、円筒状部分12の一端開口が、被検ガスが自然拡散により導入されるガス導入口15として構成されている。
具体的には、制御用回路基板21の一面におけるガス導入口15に対向する円領域内において、当該円領域の外縁に沿って互いに離間して並ぶよう配設された第1の赤外線光源25Aおよび第2の赤外線光源25Bと、赤外線センサ27とが当該円領域の中心位置を挟んでケース本体11の長手方向に互いに離間して並んだ位置に配設されている。
反射器30は、後述するように、第1の赤外線光源25Aおよび第2の赤外線光源25Bから放射された赤外線を反射して赤外線センサ27に入射させるための反射ミラー31が赤外線センサ27の直上に位置された状態で、配設されている。
また、35は、本体ケース11の円筒状部分12の内径と同等の大きさの直径を有する円板状のガス透過性ダストフィルタであって、一面における外周縁部分が、円筒状部分12の一端部における内面に周方向の全周にわたって形成された、径方向内方に突出する段部13に係止されると共に、他面における外周縁部分がスリーブ部材33の一端面によって支持されており、スリーブ部材33の内面およびガス透過性ダストフィルタ35によって被検ガスが導入されるガス導入空間Sが形成されている。ここに、ガス透過性ダストフィルタ35としては、例えばPP(ポリプロピレン)−PE(ポリエチレン)の複合繊維の不織布よりなり、例えば粒径が5μm以上の塵埃等の粒子を捕捉可能なものが用いられている。
本体ケース11の内部における制御用回路基板21の他面側は、配線用空間18とされている。
赤外線センサ27は、検知対象ガスによって吸収される赤外線に対してのみ高い透過率を有するバンドパスフィルター(図示せず)を備えている。
また、スリーブ部材33は、例えば、内径が16.4mm、外径が17.4mm、肉厚が0.5mmのものであって、ガス導入用空間Sの内容積の大きさが2.24ccとなる長さを有する。
第1の赤外線光源25Aおよび第2の赤外線光源25Bを構成するフィラメントランプは、例えば、定格電圧値が5V、定格電流値が115mA、ランプ高さが10mmであるものである。
赤外線センサ27は、高さが4.8mm、外径がφ9.2mmのものである。
具体的には、図7に示すように、例えば2つの赤外線光源のうちのいずれか一方の赤外線光源例えば第1の赤外線光源25Aのみが光源駆動回路23によって点滅駆動され(図7(a))、ガス検知動作が行われるに際しては、基本的には、第1の赤外線光源25Aが継続して使用される。また、ガス検知動作中においては、使用されている第1の赤外線光源25Aが正常に機能しているか否かを判定する判定処理がマイコン24によって行われている。この判定処理について具体的に説明すると、各々の赤外線光源は定電流制御および定電圧制御のいずれの方法によって駆動されてもよいが、定電流制御により駆動される場合には、ランプ電圧が検出され、また、定電圧制御により駆動される場合には、ランプ電流値が検出され、これらの検出結果に基づいて判定処理が行われる。
一方、第2の赤外線光源25Bは、第1の赤外線光源25Aが正常に機能している場合には、通常、消灯状態が維持された状態とされており、第1の赤外線光源25Aが正常に機能していないことがマイコン24によって検出されると、第2の赤外線光源25Bが光源駆動回路23によって点滅駆動される(図7(b))。
ここに、第1の赤外線光源25Aおよび第2の赤外線光源25Bは、例えば1Hzの周期で、すなわち0.5秒間の間点灯された後、0.5秒間の間消灯されるよう、点滅駆動される。ランプ電圧値は、例えば点灯(ON)時が3V程度、消灯(OFF)時が1V程度である。
また、継続して使用される赤外線光源の切り替えは、赤外線光源の異常が検知された後、例えば5〜10秒間程度経過してから行われることが好ましい。この理由は、例えば衝突によって衝撃が加えられることに伴って赤外線光源が正常に機能しなくなった場合に、数秒間の間、切り替えられた後の赤外線光源が衝撃を受けるおそれがあるためである。
しかも、ガス検知が行われるに際しては、2つの赤外線光源のうちの例えば第1の赤外線光源25Aのみが点滅駆動され、第2の赤外線光源25Bは消灯状態が維持された状態とされると共に、第1の赤外線光源25Aが正常に機能しなくなったときに、いわば予備光源としての第2の赤外線光源25Bに切り替えられることにより、図7(c)に示すように、赤外線式ガス検知器10の所期の測定機能を維持することができるので、所要のガス検知を高い信頼性をもって確実に行うことができる。換言すれば、赤外線光源が点灯状態にあるときのフィラメントの強度は、消灯状態にあるときのそれに比して相当に低い状態であって、フィラメントに何らかの衝撃が加わることで変形あるいは破損しやすい状態となっており、第1の赤外線光源25Aが正常に機能しなくなることによってガス検知それ自体を行うことができない状況になることを確実に防止することができる。
(3)第1の赤外線光源25Aおよび第2の赤外線光源25Bの動作制御、赤外線センサ27からの出力信号の処理が単一の制御用回路基板21によって行われるので、部品点数を減少させることができる結果、構造の簡素化を図ることができると共に、所要の赤外線式ガス検知器10を有利に製造することができる。
すなわち、図8に示すように、各々、所定の点滅周期t1、t2で点滅駆動される第1の赤外線光源25Aおよび第2の赤外線光源25Bが、一方が点灯状態にあるときに他方が消灯状態となるよう、制御されて(図8(a),(b)参照。)、第1の赤外線光源25Aおよび第2の赤外線光源25Bが交互に点灯状態とされるよう点滅駆動されることにより、全体として、赤外線が例えば1Hzの周期Tで赤外線センサ27に供給されるよう第1の赤外線光源25Aおよび第2の赤外線光源25Bの動作状態が制御される構成とすることができる(図8(c))。
そして、図8(b)に示すように、例えば第2の赤外線光源25Bが正常に機能しなくなったことが検出されたときには、同図(a)に示すように、第1の赤外線光源25Aが必要に応じて点滅周期が短く変更された状態で継続して使用される。ここに、第1の赤外線光源25Aの点滅周期t2は変更されなくてもよい。
また、このような制御方法が実施される赤外線式ガス検知器においても、いずれか一方の赤外線光源の異常が検知された後、継続して使用される赤外線光源の切り替えは、例えば5〜10秒間程度経過してから行われることが好ましい。この理由は、例えば衝突によって衝撃が加えられることに伴って赤外線光源が正常に機能しなくった場合に、数秒間の間、切り替えられた後の赤外線光源が衝撃を受けるおそれがあるためである。
また、各々の赤外線光源の寿命を延ばすことができ、所要のガス検知を長期間の間にわたって確実に行うことができる。
例えば、本発明の赤外線式ガス検知器においては、赤外線光源の数は、特に制限されるものではなく適宜に変更することができるが、赤外線式ガス検知器が大型のものとなることを防止するために、実際上は、2〜3個であることが好ましい。
また、本発明の赤外線式ガス検知器においては、図9および図10に示すように、センサユニット20におけるスリーブ部材33の内部空間において、第1の赤外線光源25Aおよび第2の赤外線光源25Bの検出光軸方向(図9において右方向)における背面側に、リフレクタ40が設けられた構成とすることができる。このような構成の赤外線式ガス検知器10によれば、第1の赤外線光源25Aおよび第2の赤外線光源25Bから放射される赤外線を反射して反射器30が位置される検出光軸方向に照射することができ、これにより、赤外線を確実に反射器30によって反射させて赤外線センサ27に供給することができる。
(1)反射器は、上記実施例のような構成のものに限定されるものではなく、例えば赤外線光源を臨む面が開口する枠体のものにより構成されていてもよい。
(2)反射ミラーは、凹面鏡であっても、平面鏡であってもよく、反射面の表面に、赤外域で高い反射率を示す材質よりなる反射膜が形成されていてもよい。
(3)上記実施例においては、本発明をいわゆる反射型の赤外線式ガス検知器に適用した場合について説明したが、本発明は、反射型のものに限定されず、赤外線光源と赤外線センサとがガスセル内において対向配置されてなる、いわゆる直光型(非反射型)のものにも適用することができる。
(4)検知対象ガスは二酸化炭素ガスに限定されるものではなく、赤外線吸特性を有するガスであれば、いずれのものについても適用することができ、光路長の大きさは、検知対象ガスの種類に応じて適宜に設定変更することができる。
(5)警報器としての機能を備えた構成とされていてもよい。
11 本体ケース
12 円筒状部分
13 段部
15 ガス導入口
18 配線用空間
20 センサユニット
21 制御用回路基板
22 増幅回路
23 光源駆動回路
24 マイコン
25A 第1の赤外線光源
25B 第2の赤外線光源
26 給電部材
27 赤外線センサ
28 スペーサ部材
30 反射器
31 反射ミラー
31A 反射面
32 支持部材
32A 固定用脚部
33 スリーブ部材
35 ガス透過性ダストフィルタ
40 リフレクタ
S ガス導入空間
Ia 光源側赤外線光路
Ib センサ側赤外線光路
Claims (3)
- 赤外線センサに入射される赤外線量の減衰の程度に応じて検知対象ガスの濃度を検出する赤外線式ガス検知器であって、
各々、点滅駆動されるフィラメントランプよりなる二以上の赤外線光源を具えてなり、各々の赤外線光源の動作状態が、一方の赤外線光源のみが点滅駆動されると共に他方の赤外線光源が消灯状態が維持された状態とされるよう、制御され、
ガス検知動作中において検出される当該一方の赤外線光源のランプ電圧値またはランプ電流値に基づいて、当該一方の赤外線光源が正常に機能していないことが検出されたときに、他方の赤外線光源が点滅駆動され、
二の赤外線光源のうち継続して点滅駆動されるべき一の赤外線光源が交互に使用されることを特徴とする赤外線式ガス検知器。 - 赤外線センサに入射される赤外線量の減衰の程度に応じて検知対象ガスの濃度を検出する赤外線式ガス検知器であって、
各々、点滅駆動されるフィラメントランプよりなる二以上の赤外線光源を具えてなり、 各々の赤外線光源の動作状態が、各々の赤外線光源が交互に点灯状態とされるよう、制御され、
ガス検知動作中において検出される各々の赤外線光源のランプ電圧値またはランプ電流値に基づいて、いずれか一方の赤外線光源が正常に機能していないことが検出されたときに、他方の赤外線光源のみが点滅駆動されることを特徴とする赤外線式ガス検知器。 - いずれか一方の赤外線光源が正常に機能していないことが検出されたときに、他方の赤外線光源が点滅周期が変更された状態で点滅駆動されることを特徴とする請求項2に記載の赤外線式ガス検知器。
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