JP4733197B2 - 注射器におけるガスケットとプランジャーとの着脱方法 - Google Patents
注射器におけるガスケットとプランジャーとの着脱方法 Download PDFInfo
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Description
(1)プランジャーをガスケットにねじ込むときに、ガスケットの弾性によりプランジャーの先端面またはネジ面に強い圧着力が生じる。
(2)シリンジ外筒内側にガスケットの摺動性確保のためにシリコンオイルが塗布されているので、ガスケットがすべり固定されにくい。
(3)ネジ形状の不適。
プランジャーの先端面に接する内底面が平面に形成されたガスケットとを備えてなる注射器において、
プランジャーを突起の先端方向と同方向に回転させることによりガスケットと接合させ、プランジャーをその逆方向に回転させることによりガスケットより分離させることを特徴とする注射器におけるガスケットとプランジャーとの着脱方法を提供する。
(1)ガスケット10の内底面11に接する先端面3に突起2を有するプランジャー1をガスケット10に接合する際、プランジャー1のねじ込みの途中では突起2は何にも作用しない(図2(A))。
(2)プランジャー1がある程度ねじ込まれると、突起2の先端4がガスケット10の内底面11に接触する(図2(B))。
(3)さらにプランジャー1をねじ込むと、突起2の先端4がガスケット10の内底面11にくい込み、プランジャー1の突起2はガスケット10の内底面11により押圧されてガスケット10と一体となる(図2(C))。この状態で、ガスケット10はシリンジ(図示せず)内で容易に回転するため、プランジャー1を過度に回転させてもガスケット10の変形は発生せず、ガスケット10のネジ面に圧着力が発生することもない。すなわち、プランジャー1の雄ネジ5がガスケット10の雌ネジ12へかみ込むことを防止している。
(4)プランジャー1をガスケット10から分離する場合は、突起2の傾斜の方向性からガスケット10の内底面11にくい込んだ突起2が抜け、容易に分離可能となる(図2(D))。ガスケット10は高い弾性を有するゴムから成形されているため、ガスケット10の内底面11からツメ2が抜けた後、内底面11の突起2によるへこみは平面に復元される。
従来の突起を有さないプランジャーおよび本発明における突起を有するプランジャーのガスケットとの接合を定量評価した。
実験方法:図1に示した三角形の突起を有するプランジャーを用いて実験を行った。より過酷な条件下で実験を行うため、ガスケットに生シリコン(東レダウ社製シリコンSH200;100,000cst;5%フレオン溶液)を塗布し、通常よりすべりを良くした。生シリコン塗布ガスケットを接合したシリンジをトルクゲージにセットし、プランジャーを接合した。プランジャーを100,150,200,250,300gf・cmのトルクまで手で静かに締め込んだあと、分離に必要な最大トルク(緩めトルク)を測定した。プランジャーを分離する際、最初は静かにプランジャーを左回転させるが、その時点でガスケットがシリンジ内で空回りした場合は、いきおいよくプランジャーを回して分離させ、その時の最大トルクを測定した。どちらのプランジャーについても、15検体で実験を行った。測定器としては、アイコーエンジニアリング製デジタルトルクゲージ(MODEL−5027)を用いた。実験結果を下記表1、表2に示す。表1は突起なしプランジャーの締め付け−緩めトルクの測定結果、表2は突起ありプランジャーの締め付け−緩めトルクの測定結果である。
2 突起
3 先端面
4 先端
5 雄ネジ
10 ガスケット
11 内底面
12 雌ネジ
Claims (6)
- 先端部にガスケットを接合して用いる注射器のプランジャーであって、該プランジャーはプランジャーの雄ネジとガスケットの雌ネジによってガスケットと接合され、かつガスケットの内底面と接するプランジャーの先端面に少なくとも1個の突起を有し、該突起が、前記プランジャーの先端面の中心に対し偏心して設けられているとともに、前記突起は、プランジャーをガスケットに接合するときにプランジャーを右回りに回転させる場合はその先端が右上がりになるように傾斜をもたせて形成され、プランジャーをガスケットに接合するときにプランジャーを左回りに回転させる場合はその先端が左上がりになるように傾斜をもたせて形成されるプランジャーと、
プランジャーの先端面に接する内底面が平面に形成されたガスケットとを備えてなる注射器において、
プランジャーを突起の先端方向と同方向に回転させることによりガスケットと接合させ、プランジャーをその逆方向に回転させることによりガスケットより分離させることを特徴とする注射器におけるガスケットとプランジャーとの着脱方法。 - 前記プランジャーの突起の形が三角形、三角錐または円錐のいずれかである請求項1に記載の注射器におけるガスケットとプランジャーとの着脱方法。
- 前記プランジャーの先端面の周縁部上に前記突起が設けられている請求項1または2に記載の注射器におけるガスケットとプランジャーとの着脱方法。
- 前記プランジャーの材質がABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネイト、タングステンおよびアルミニウムのいずれかである請求項1〜3のいずれか1項に記載の注射器におけるガスケットとプランジャーとの着脱方法。
- 前記プランジャーの材質が放射線遮蔽物質である請求項1〜4のいずれか1項に記載の注射器におけるガスケットとプランジャーとの着脱方法。
- 前記放射線遮蔽物質がタングステンである請求項5に記載の注射器におけるガスケットとプランジャーとの着脱方法。
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