JP4732209B2 - 光ファイバセンサおよびその製造方法 - Google Patents

光ファイバセンサおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4732209B2
JP4732209B2 JP2006080339A JP2006080339A JP4732209B2 JP 4732209 B2 JP4732209 B2 JP 4732209B2 JP 2006080339 A JP2006080339 A JP 2006080339A JP 2006080339 A JP2006080339 A JP 2006080339A JP 4732209 B2 JP4732209 B2 JP 4732209B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
fiber
temperature
strain
coated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006080339A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007256052A (ja
Inventor
志明 田中
毅 下道
信行 御園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2006080339A priority Critical patent/JP4732209B2/ja
Publication of JP2007256052A publication Critical patent/JP2007256052A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4732209B2 publication Critical patent/JP4732209B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Optical Transform (AREA)

Description

本発明は、測定対象物の変形に起因する歪み量を正確に検出することができる光ファイバセンサおよび該光ファイバセンサの製造方法に関する。
構造物の変形に起因する歪みを検出することは、その構造物の安定性等を判断する上で非常に重要である。例えば、発電所、プラント等に配設された配管について、その歪みを検知することにより、配管減肉に伴う局部膨張箇所および膨張の度合いを特定することができ、重大事故の発生を未然に防止することができる。そして配管に限らず、その他様々な構造物についても歪みの検知により重要な情報を得ることができる。
従来、このような配管等の構造物の歪みを検知するセンサとして、例えば、光ファイバを利用したものが種々提案されている。これは、光ファイバの長手方向の歪み量の連続的な分布を高精度に観測できるものであり、非線形現象の一つであるブリルアンシフト散乱光の周波数シフト量が光ファイバの歪みに依存することを利用したものである。電気式センサが電源を必要とし、誘導電流等のノイズの影響を受け易く、その施工にもコストと手間を要するのに対し、このような光ファイバセンサは、これらの問題点を解決できるものとして注目されてきている。
光ファイバセンサは、測定対象の構造物に布設すれば、該測定対象物の歪みの発生に伴って自身にも歪みが生じるため、前述の原理にしたがって、容易に測定対象物の歪みを検出することが可能である。
しかし、光ファイバの歪みは、測定対象物の変形だけでなく、該光ファイバの温度変化によっても生じてしまう。例えば、測定対象物が熱膨張している場合、あるいは温度変化の大きい場所に測定対象物が設けられている場合には、該測定対象物の変形に起因する歪み量と、該測定対象物あるいは熱源から光ファイバに伝達される熱に起因する歪み量とを合わせたものが検出されてしまう。すなわち、熱に起因する歪み量がノイズとなってしまい、正確な歪み量の検出ができないのである。この問題点を解決するものとして、歪みを検出する光ファイバと、測定対象物の変形に伴う歪みの影響を受けない温度補償用の光ファイバとを併設した光ファイバセンサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−228378号公報
すなわち、特許文献1等に記載されている光ファイバセンサは、検出した歪み量から、温度補償用の光ファイバで検出した温度変化による歪み量を差し引いて補正することで、より正確な測定対象物の歪み量を検出しようとするものである。
しかし、これら光ファイバセンサは、温度補償用の光ファイバが極めて高温(例えば数百℃程度)の環境下で使用されることを考慮されたものではなく、使用環境が制限され、その検出精度にも限界があるという問題点がった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、極めて高温の環境化においても、測定対象物の歪み量を正確に検出することができ、製造および布設も容易に行うことができる光ファイバセンサおよびその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、同一の基材上に歪み検知用光ファイバと温度補償用光ファイバとが併設された光ファイバセンサであって、前記歪み検知用光ファイバは、前記基材上に固定されて配設され、前記温度補償用光ファイバは、その外周上において固着されることなく耐熱性を有する繊維で被覆され、該被覆繊維層を前記基材に固定して、前記基材上に配設されており、前記温度補償用光ファイバが該被覆繊維層内側でその長手方向に伸縮可能とされていることを特徴とする光ファイバセンサである。
請求項2に記載の発明は、前記耐熱性を有する繊維が、アラミド繊維およびガラス繊維からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバセンサである。
請求項3に記載の発明は、前記耐熱性を有する繊維が、前記温度補償用光ファイバの外周に沿って、該光ファイバの長手方向に対して縦添えまたは横巻きされていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバセンサである。
請求項4に記載の発明は、前記歪み検知用光ファイバと前記温度補償用光ファイバとが、固定剤を用いて前記基材上に一括して配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ファイバセンサである。
請求項5に記載の発明は、前記歪み検知用光ファイバおよび/または前記温度補償用光ファイバが、同一の基材上に複数配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバセンサである。
請求項6に記載の発明は、温度補償用光ファイバを、その外周上において耐熱性を有する繊維で固着させることなく被覆し、該被覆繊維層と歪み検知用光ファイバとを同一の基材上に固定して、温度補償用光ファイバが該被覆繊維層内側でその長手方向に伸縮可能な状態で、該温度補償用光ファイバと歪み検知用光ファイバとを同一の基材上に併設することを特徴とする光ファイバセンサの製造方法である。
本発明によれば、極めて高温の環境下においても、測定対象物の歪みを正確に検知することができる光ファイバセンサが得られ、該光ファイバセンサの製造および布設も容易に行うことができる。
以下、本発明について図面を参照しながら詳しく説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に何ら限定されるものではない。また、以下において「歪み」とは、特に断りのない限り、「光ファイバの長手方向の歪み」を指すものとする。
図1は、本発明の光ファイバセンサの一例を示すものであり、光ファイバの長手方向に垂直な面で切断した時の斜視図である。
光ファイバセンサ1は、同一の基材2上に、歪み検知用光ファイバ3と温度補償用光ファイバ4とが併設されている。
歪み検知用光ファイバ3は、基材2上に固定剤6により固定されて配設されている。したがって、歪み検知用光ファイバ3は、測定対象物の歪みに伴って一体となって歪みを生じるようになっている。
一方、図2は温度補償用光ファイバ4が、耐熱性を有する繊維(以下、耐熱性繊維と略記することがある)5で被覆されている様子を示す拡大縦断面図である。温度補償用光ファイバ4は、その外周41上において、耐熱性繊維5で被覆されているが、該繊維5は、温度補償用光ファイバ4の外周41表面においては、該光ファイバ4の長手方向への伸縮を妨げないように隙間無く添えられているだけである。したがって、後述するように光ファイバセンサ製造時に固定剤6を塗布した際は、耐熱性繊維5からなる被覆繊維層50外表面およびその近傍は該固定剤6で固化されるのに対し、該被覆繊維層50より内側へは該固定剤6は浸潤しないため、温度補償用光ファイバ4は、被覆繊維層50内表面には固着されていない。すなわち、温度補償用光ファイバ4は、その長手方向に沿って、被覆繊維層50の内側で、温度変化に応じて伸縮可能(以下、ルースと略記することがある)となっている。
耐熱性繊維5の、温度補償用光ファイバ4への被覆のさせ方は、前述のように被覆繊維層50の内側で温度補償用光ファイバ4がルースであれば特に限定されない。ただし、製造が容易であることから、該繊維5を温度補償用光ファイバ4の長手方向に外周41上に沿わせる方法(以下、縦添えと略記する)、または、該繊維5を外周41上でコイル状に巻く方法(以下、横巻きと略記する)が好ましい。横巻きする場合には、コイルのピッチ等は特に限定されない。
本発明においては、被覆繊維層50の厚みは、温度補償用光ファイバ4の温度変化による歪みの検知を妨げない範囲であれば特に限定されず、耐熱性繊維5の種類あるいは光ファイバセンサの使用環境等に応じて適宜調整すれば良い。
一方、このように被覆された温度補償用光ファイバ4は、基材2上に配設されているが、固定剤6により基材2上に固定されているのは被覆繊維層50である。被覆繊維層50の外表面は前記固定剤6によって固化されて形状を保持しており、被覆繊維層50の内表面は固化されていない。そして前述のように、被覆繊維層50の内側では、温度補償用光ファイバ4はルースとなっている。したがって、該温度補償用光ファイバ4は、基材2上に配設されながらも、基材2にはその長手方向に沿って固定されてはいないことになる。すなわち、温度補償用光ファイバ4は、測定対象物の歪みには影響されることが無く、測定対象物の歪みは検出せずに、該温度補償用光ファイバ4自身の温度変化に伴う伸縮による歪みのみを検出できるようになっている。
本発明においては、被覆繊維層50の内側で温度補償用光ファイバ4はルースになっており、具体的には、被覆繊維層50と温度補償用光ファイバ4との間の引抜き強力を15mg/mm以下とすることが好ましい。
また、歪み検知用光ファイバ3と温度補償用光ファイバ4とは、同一の固定剤6を用いて一括して基材2上に配設されている。本発明においては、このように歪み検知用光ファイバ3と温度補償用光ファイバ4とを、必ずしも同一の固定剤を用いて一括して配設する必要はなく、例えば、同一または異なる固定剤を用いて別々に配設しても良い。ただし、同一の固定剤を用いて一括して配設すれば、光ファイバセンサの製造工程を簡略化することができ、低コストで製造することができる。
前記固定剤6としては、熱硬化性樹脂等の樹脂フォームを用いることが好ましい。このような樹脂フォームとしては従来公知のものを用いれば良く、特に限定されない。
歪み検知用光ファイバ3と温度補償用光ファイバ4との間の距離は、歪みを測定する環境下においてこれら光ファイバの温度がほぼ同じとなる限り、特に限定されない。
本発明において、温度補償用光ファイバ4の被覆に用いる繊維の材質は、耐熱性を有するものであれば特に限定されないが、適度な柔軟性をあわせ持つものが好ましく、このような好ましい材質としては、例えば、アラミド繊維およびガラス繊維等を挙げることができる。そして、アラミド繊維およびガラス繊維からなる群から選ばれる一種以上を耐熱性繊維5として用いることが好ましい。このような耐熱性繊維を用いることにより、本発明の光ファイバセンサ1を、例えば、数百℃という極めて高温の環境下においても用いることができる。
本発明において、基材2としては可撓性を有するものを用いることが好ましく、このような好ましいものとして、例えば、ステンレス等の各種金属、可撓性および耐熱性を有する各種樹脂等を挙げることができる。
また、基材2は、シート状の形状であることが好ましい。
また、ここでは図示しないが、本発明の光ファイバセンサは、前記固定剤6の層上にポリイミド等からなるシート状の保護層が設けられたものでも良い。
本発明においては、歪み検知用光ファイバ3および温度補償用光ファイバ4として、光ファイバ単心線、光ファイバ素線等を用いることができる。なかでも、耐久性の向上および長寿命化の観点から、外周に強靭なカーボンコート層を設けたカーボンコート光ファイバ(光ファイバ心線等)を用いることが好ましい。
本発明の光ファイバセンサ1は耐熱性を有し、しかも前述のように、温度補償用光ファイバ4が耐熱性繊維5で被覆されルースな状態となっているので、通常の使用環境下はもとより、従来では使用困難であった数百度という極めて高温の環境下においても、高い精度で測定対象物の歪み量を測定することができる。
本発明の光ファイバセンサ1は、基材2上に歪み検知用光ファイバ3および温度補償用光ファイバ4が固定剤6を用いて併設されており、該併設部位がその長手方向に突条となっている。本発明においては、固定剤6からなる層をどこもほぼ同じ厚みとなるようにしても良いが、図1に示すように、固定剤6の使用量を減らすことが好ましく、製造コストを低減できるだけでなく、得られる光ファイバセンサ1の歪み測定精度を向上させることができる。
また、本発明の光ファイバセンサ1は構造が簡便であるので、歪み検知用光ファイバ3および/または温度補償用光ファイバ4を、同一の基材2上に複数配設して光ファイバセンサとしても良い。このように歪みの検出点を複数設けることで、測定対象物の歪み検出の精度をより向上させることができる。
本発明の光ファイバセンサは、基材を布設面として測定対象物に布設して用いる。測定対象物が変形して歪みを生じると、光ファイバセンサも一体的に歪みを生じるので、この時の歪みを検出する。歪みの検出は、例えば、光ファイバにブリルアン散乱光の観測用の光パルス試験器(いわゆるBOTDR)を接続し、光パルス試験器を用いて光ファイバの光試験を行ってブリルアン散乱光を観測することで行う。具体的には、光ファイバに試験光を入射すると、該光ファイバの長手方向に歪みが生じている場合には、後方散乱光の一つであるブリルアン散乱光を生じ、該ブリルアン散乱光の波長は入射した試験光の波長からずれているため、この周波数シフト量から該光ファイバの歪み量を検出することができる。また、試験光入射後に、ブリルアン散乱光が前記光パルス試験器で受光、観測されるまでの時間(戻り時間)を検知することにより、光ファイバに歪みが生じている位置の概略を把握することができる。
このようにして、光ファイバの歪み量および歪み位置を検出することで、測定対象物の歪み量および歪み位置を特定することができる。
しかし、光ファイバに温度変化が生じると、該光ファイバで実際に検出される歪み量は、測定対象物の歪み量と、光ファイバの温度変化に伴って生じる光ファイバ自身の歪み量とを合わせたものとなってしまう。
本発明の光ファイバセンサでは、歪み検知用光ファイバ3で検出した歪み量から、温度補償用光ファイバ4で検出した歪み量を差し引くことにより、高精度に測定対象物の歪み量を測定することができる。すなわち、前述の通り、温度補償用光ファイバ4は、被覆繊維層50の内側ではルースになっているので、測定対象物の歪みに伴って自身が歪みを生じることが無く、該温度補償用光ファイバ4自身の温度変化に伴う伸縮による歪み量のみを検出する。したがって、測定対象物の歪みに伴う歪み量と自身の温度変化に伴う自身の伸縮による歪み量との総和を検出する歪み検知用光ファイバ3の歪み量検出値から、前記温度補償用光ファイバ4の歪み量検出値を差し引けば、測定対象物の歪み量を正確に測定できる訳である。
このような温度の影響の補正は、具体的には、以下のようにして行う。すなわち、温度補償用光ファイバ4の光試験データから、ブリルアン散乱光の入射光に対する周波数の温度変化によるシフト量を求め、該シフト量を、歪み検知用光ファイバ3の光試験によって検出されたブリルアン散乱光の周波数のシフト量から差し引くことで、歪み検知用光ファイバ3の測定対象物の歪みに起因するブリルアン散乱光の周波数のシフト量を求めることができる。
あるいは、温度補償用光ファイバ4への入射光のラマン散乱光の後方散乱光を光パルス試験器で受光検出したデータから、ブリルアン散乱光の検出データを補正する手法を採用しても良い。温度補償用光ファイバ4への光の入射により検出されるラマン散乱光の後方散乱光は、該温度補償用光ファイバ4の温度によって強度が変化するので、検出されるラマン散乱光の後方散乱光の強度は、該温度補償用光ファイバ4の部分的な温度の違いに対応して異なる。そして、検出波形(ストークス光と反ストークス光のOTDR波形)の散乱強度から両者の強度比をとり、所定の理論式から温度を求めれば良い。
以下、本発明の光ファイバセンサの製造方法について説明する。
図3は、温度補償用光ファイバに耐熱性繊維を縦添えで被覆する場合の、光ファイバセンサの製造工程の一例を示す工程図である。なお、図3および後に説明する図4においては、図1および2で説明したものと同一のものを指す場合には、図1および2で用いた符号をそのまま用いており、これらについての詳細な説明は省略する。
ロール状に巻かれた温度補償用光ファイバ4、および被覆繊維層50を形成するための耐熱性繊維5を、同時に成形ノズル31内に導入し、温度補償用光ファイバ4の外周41上に耐熱性繊維5を、外周41上に固着させることなく縦添えする。この際、温度補償用光ファイバ4の外周41表面が耐熱性繊維5で隙間無く添えられ、かつ、外周41上に形成された被覆繊維層50の内側で、温度補償用光ファイバ4がルースになるように、被覆繊維層50と温度補償用光ファイバ4との間の引抜き強力を調整する。
成形ノズル31から引き出された、被覆済みの温度補償用光ファイバ4を、さらに歪み検知用光ファイバ3と同時に固定剤塗布器32に導入し、該塗布器32内で熱硬化性樹脂(すなわち固定剤6)単量体を含有する溶液をこれらに同時に塗布して、温度補償用光ファイバ4の被覆繊維層50および歪み検知用光ファイバ3の表面をそれぞれ前記溶液で覆う。この時、前記溶液は、被覆繊維層50の外表面から外表面近傍の内部まで浸潤し得るが、温度補償用光ファイバ4の外周41表面は耐熱性繊維5で隙間無く添えられているので、前記溶液は温度補償用光ファイバ4の外周41表面と被覆繊維層50の内表面との間には浸潤しない。
続いて、前記溶液を塗布された、被覆済みの温度補償用光ファイバ4および歪み検知用光ファイバ3に対して一方から基材2を添えて、これらを加熱炉33へ同時に導入する。該加熱炉33の内部は、前記単量体が硬化するために必要な温度以上の温度に設定されており、該加熱炉33の出口からは、温度補償用光ファイバ4の被覆繊維層50と歪み検知用光ファイバ3が基材2上に固定されたものが引き出される。これは、その後の引取までの間に固定剤である熱硬化性樹脂の硬化が完了して本発明の光ファイバセンサ1となり、最後にロール状に巻き取られる。
このようにして得られた光ファイバセンサ1は、歪み検知用光ファイバ3と温度補償用光ファイバ4が基材2上に併設されたものであり、歪み検知用光ファイバ3は基材2上に固定剤6で固定されている。一方、温度補償用光ファイバ4の被覆繊維層50の外表面近傍は、固定剤6で固化されてその形状を保持しているのに対し、温度補償用光ファイバ4の外周41表面と被覆繊維層50の内表面との間には固定剤6が浸潤していないので固着されておらず、さらに被覆繊維層50と温度補償用光ファイバ4との間の引抜き強力が調整されているので、温度補償用光ファイバ4は、被覆繊維層50の内側でルースになっており、基材2上ではその長手方向に伸縮可能となっている。
なお、ここでは、歪み検知用光ファイバ3と温度補償用光ファイバ4とを、同一の固定剤6を用いて、基材2上に一括して配設した例を示したが、同一または異なる固定剤を用いて別々に配設しても良い。ただし、ここに示すように、同一の固定剤を用いて一括して配設する方が、製造工程を簡略化することができ、製造コストを低減することができるので好ましい。
図4は、温度補償用光ファイバに耐熱性繊維を横巻きで被覆する場合の、光ファイバセンサの製造工程の一例を示す工程図である。
本製造工程では、温度補償用光ファイバに耐熱性繊維を横巻きで被覆すること以外は、前述の製造工程と同じであるので、詳細な説明は省略する。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
基材としてSUS304、歪み検知用光ファイバおよび温度補償用光ファイバとして耐熱性コーティングを施した光ファイバ(内径0.125mmの石英ガラスを内径0.25〜1.0mmとなるように耐熱性樹脂でコーティングしたもの)、耐熱性繊維としてアラミド繊維、固定剤としてポリイミド、耐熱エポキシ樹脂をそれぞれ用いて、本発明の光ファイバセンサを製造した。具体的には、図3に示した製造工程により、温度補償用光ファイバに耐熱性繊維を縦添えで被覆して該被覆繊維層の厚みを0.15〜1.5mmとし、該被覆済み温度補償用光ファイバと歪み検知用光ファイバとを基材上に一括して配設して、光ファイバセンサを製造した。
そして、該光ファイバセンサを、測定対象物である鉄製配管に25℃で布設し、鉄製配管の表面温度を300℃まで上昇させた際の、該鉄製配管の歪み量の測定を行った。この時並行して、該鉄製配管上に歪みゲージを固定して、歪みゲージによる鉄製配管の歪み量の測定も行い、両測定値の比較を行うことで、本発明の光ファイバセンサの歪み測定精度の確認を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004732209
表1に示す結果から、各温度において、光ファイバセンサで検出した歪み量は、歪みゲージで検出した歪み量とほぼ一致した値となった。すなわち、本発明の光ファイバセンサは、常温から300℃という極めて高い温度まで幅広い温度帯において、極めて高精度に鉄製配管の歪み量を測定できることが確認された。
以上のように、本発明の光ファイバセンサは、同一の基材上に歪み検知用光ファイバおよび温度補償用光ファイバが併設されており、歪み検知用光ファイバは基材上に固定され、温度補償用光ファイバは、その外周上を耐熱性繊維で被覆されて該耐熱性繊維層の内部でルースになっている。このような構成をとることで、歪み検知用光ファイバは測定対象物と一体となって歪み、温度補償用光ファイバは測定対象物の歪みに影響されることなく、自身の温度変化によってのみ歪むので、歪み検知用光ファイバの検出値を温度補償用光ファイバの検出値で補正することで、測定対象物の歪み量を高い精度で測定することができる。しかも、従来では使用困難であった極めて高温の環境下においても使用することができる。
また、本発明の光ファイバセンサは、構造が簡便なので低コストで容易に製造することができ、測定対象物に布設するだけで良く、歪み量の測定も簡便に行うことができる。
発電所、プラント等に配設された配管をはじめとする、極めて高温の環境下における各種構造物の歪みの測定に有用である。
本発明の光ファイバセンサの一例を示す斜視図である。 本発明の光ファイバセンサのうち、温度補償用光ファイバが、耐熱性繊維で被覆されている様子を示す拡大縦断面図である。 温度補償用光ファイバに耐熱性繊維を縦添えで被覆する場合の、本発明の光ファイバセンサの製造工程の一例を示す工程図である。 温度補償用光ファイバに耐熱性繊維を横巻きで被覆する場合の、本発明の光ファイバセンサの製造工程の一例を示す工程図である。
符号の説明
1・・・光ファイバセンサ、2・・・基材、3・・・歪み検知用光ファイバ、4・・・温度補償用光ファイバ、41・・・温度補償用光ファイバの外周、5・・・耐熱性を有する繊維、50・・・被覆繊維層

Claims (6)

  1. 同一の基材上に歪み検知用光ファイバと温度補償用光ファイバとが併設された光ファイバセンサであって、
    前記歪み検知用光ファイバは、前記基材上に固定されて配設され、
    前記温度補償用光ファイバは、その外周上において固着されることなく耐熱性を有する繊維で被覆され、該被覆繊維層を前記基材に固定して、前記基材上に配設されており、
    前記温度補償用光ファイバが該被覆繊維層内側でその長手方向に伸縮可能とされていることを特徴とする光ファイバセンサ。
  2. 前記耐熱性を有する繊維が、アラミド繊維およびガラス繊維からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバセンサ。
  3. 前記耐熱性を有する繊維が、前記温度補償用光ファイバの外周に沿って、該光ファイバの長手方向に対して縦添えまたは横巻きされていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバセンサ。
  4. 前記歪み検知用光ファイバと前記温度補償用光ファイバとが、固定剤を用いて前記基材上に一括して配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ファイバセンサ。
  5. 前記歪み検知用光ファイバおよび/または前記温度補償用光ファイバが、同一の基材上に複数配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバセンサ。
  6. 温度補償用光ファイバを、その外周上において耐熱性を有する繊維で固着させることなく被覆し、該被覆繊維層と歪み検知用光ファイバとを同一の基材上に固定して、温度補償用光ファイバが該被覆繊維層内側でその長手方向に伸縮可能な状態で、該温度補償用光ファイバと歪み検知用光ファイバとを同一の基材上に併設することを特徴とする光ファイバセンサの製造方法。

JP2006080339A 2006-03-23 2006-03-23 光ファイバセンサおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP4732209B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006080339A JP4732209B2 (ja) 2006-03-23 2006-03-23 光ファイバセンサおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006080339A JP4732209B2 (ja) 2006-03-23 2006-03-23 光ファイバセンサおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007256052A JP2007256052A (ja) 2007-10-04
JP4732209B2 true JP4732209B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=38630454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006080339A Expired - Fee Related JP4732209B2 (ja) 2006-03-23 2006-03-23 光ファイバセンサおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4732209B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105259184A (zh) * 2015-11-24 2016-01-20 大连大学 隧道拱顶分布式光纤监测装置及其施工工艺与监测方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5018365B2 (ja) * 2006-09-26 2012-09-05 東京電力株式会社 配管肉厚測定装置及び方法
KR100934644B1 (ko) * 2007-10-22 2010-01-06 (주)지엠지 부착형 광섬유 센서
KR101185508B1 (ko) 2011-03-17 2012-09-24 삼성중공업 주식회사 광섬유 센서의 온도 보상 방법
JP2021067497A (ja) * 2019-10-18 2021-04-30 三菱重工業株式会社 光ファイバー検出装置、及び光ファイバー検出装置を用いた機械ひずみの検出方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001228378A (ja) * 2000-02-17 2001-08-24 Fujikura Ltd 光ファイバケーブル
JP3897511B2 (ja) * 2000-04-26 2007-03-28 三菱重工業株式会社 光ファイバの埋込方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105259184A (zh) * 2015-11-24 2016-01-20 大连大学 隧道拱顶分布式光纤监测装置及其施工工艺与监测方法
CN105259184B (zh) * 2015-11-24 2018-10-16 大连大学 隧道拱顶分布式光纤监测装置及其施工工艺与监测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007256052A (ja) 2007-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3668199B2 (ja) トンネルの変形測定方法
JP4732209B2 (ja) 光ファイバセンサおよびその製造方法
GB2463630A (en) High spatial resolution distributed temperature sensing system
JP2019522791A (ja) ファイバブラッググレーティングセンサを用いた変位測定装置及びその感度並びに耐久性調節方法
Di Sante et al. Temperature-compensated fibre Bragg grating‐based sensor with variable sensitivity
JP2008175560A (ja) 光ファイバセンサケーブル
US10620018B2 (en) Method for measuring the displacement profile of buildings and sensor therefor
JP5012032B2 (ja) 温度測定方法及び光ファイバセンサ
CN103323143B (zh) 可同时测量温度和振动的准分布式光纤传感器及制作方法
Bos et al. Fiber optic strain, temperature and shape sensing via OFDR for ground, air and space applications
KR101135513B1 (ko) 변형 및 화재감지용 분포형 광섬유 센서
US10739169B2 (en) Flat profile optical fiber cable for distributed sensing applications
KR101253288B1 (ko) 광섬유 격자 센서를 이용한 변화량 감지 장치 및 그 측정 방법
Njegovec et al. Microbend point and distributed fiber optic corrosion sensing
JP2009150800A (ja) 光ファイバセンサ及び光ファイバセンサを用いた歪み及び温度測定方法
JP2008180580A (ja) 分布型光ファイバセンサ
JP2008139238A (ja) 光ファイバセンサケーブル
Zhu et al. Rayleigh scattering based, thermal-induced displacement measurement along a steel plate at high temperature
Yamazaki et al. Optical strain gauge-based on a hetero-core fiber macro-bending sensor
CN204101777U (zh) 同时监测温度和应变的扁平型带状传感光缆
JP2009109225A (ja) 光ファイバセンサ及びその製造方法
EP2539660A1 (de) Giesspfanne oder zwischenbehälter zur aufnahme eines flüssigen metalls mit integriertem messelement zur erfassung der temperatur und/oder mechanischen belastung
JP2003254724A (ja) 広域ひずみ分布測定システム
JP2002267425A (ja) 歪み検知装置および歪み検知用複合ケーブル
Schilder et al. Structural health monitoring of composite structures by distributed fibre optic sensors

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081127

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110412

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110420

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees