JP2009109225A - 光ファイバセンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度補償の誤差をなくし、測定対象物の変形、減肉等に起因する歪みのみを分布的に安定して検知することが可能な光ファイバセンサを提供する。
【解決手段】本発明に係る光ファイバセンサ1は、同一の基材2上に歪み検知用光ファイバ3と温度補償用光ファイバ4とが併設された光ファイバセンサであって、前記歪み検知用光ファイバは、前記基材上に固定されて配設され、前記温度補償用光ファイバが、前記歪み検知用光ファイバの直近において、前記基材上に固定されて配設されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象物の変形に起因する歪み量を正確に検出することが可能な光ファイバセンサおよび該光ファイバセンサの製造方法に関する。
構造物の変形に起因する歪みを検出することは、その構造物の安定性等を判断する上で非常に重要である。例えば、発電所、プラント等に配設された配管について、その歪みを検知することにより、配管減肉に伴う局部膨張箇所および膨張の度合いを特定することができ、重大事故の発生を未然に防止することができる。そして配管に限らず、その他様々な構造物についても歪みの検知により重要な情報を得ることができる。
従来、このような配管等の構造物の歪みを検知するセンサとして、例えば、光ファイバを利用したものが種々提案されている。これは、光ファイバの長手方向の歪み量の連続的な分布を高精度に観測できるものであり、非線形現象の一つであるブリルアンシフト散乱光の周波数シフト量が光ファイバの歪みに依存することを利用したものである。電気式センサが電源を必要とし、誘導電流等のノイズの影響を受け易く、その施工にもコストと手間を要するのに対し、このような光ファイバセンサは、これらの問題点を解決できるものとして注目されてきている。
光ファイバセンサは、測定対象の構造物に布設すれば、該測定対象物の歪みの発生に伴って自身にも歪みが生じるため、前述の原理にしたがって、容易に測定対象物の歪みを検出することが可能である。
しかしながら、光ファイバの歪みは、測定対象物の変形だけでなく、該光ファイバの温度変化によっても生じてしまう。例えば、測定対象物が熱膨張している場合、あるいは温度変化の大きい場所に測定対象物が設けられている場合には、該測定対象物の変形に起因する歪み量と、該測定対象物あるいは熱源から光ファイバに伝達される熱に起因する歪み量とを合わせたものが検出されてしまう。すなわち、熱に起因する歪み量がノイズとなってしまい、正確な歪み量の検出ができないのである。
この問題点を解決するものとして、歪みを検出する光ファイバと、測定対象物の変形に伴う歪みの影響を受けない温度補償用の光ファイバとを併設した光ファイバセンサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような光ファイバセンサにおいて、周囲の温度変化に伴い外装被覆樹脂が膨張・伸縮を繰り返し、それに伴って温度補償用光ファイバの位置がずれていく可能性が高い。
歪み検知用光ファイバと温度補償價用光ファイバを用いた分布型センサにおいて、各測定ポイントごとに歪み検知と温度補償を行うことは非常に重要である。歪み検知ファイバは基材上に固定され、その基材も測定対象物に固定されている以上は、温度変化に対して付設位置がずれることはないが、温度補償ファイバの布設位置がずれた場合、各測定ポイントごとに正確な温度補償ができず、繰り返し温度サイクルが印加されるたびに温度補償誤差が大きくなる可能性が高い。
また、特許文献2に記載の光ファイバセンサでは、異種金属接触によるガルバニック腐食を回避するためにステンレス鋼と金属基材の間を絶縁体で遮蔽している。
しかしながら、基材面に対して腐食の保証は出来るものの、センサを測定対象物である配管にある程度の傾斜角をもって布設した場合、配管表面の凹凸の影響により、金属基材の側面が配管に直に接触する可能性もある。したがって、センサの長手方向に渡って完全に異種金属同士の接触を防ぎ、ガルバニック腐食を防止することは難しい。
特開2001−228378号公報 特開平6−212401号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、温度補償の誤差をなくし、測定対象物の変形、減肉等に起因する歪みのみを分布的に安定して検知することが可能な光ファイバセンサを提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、温度補償の誤差をなくし、測定対象物の変形、減肉等に起因する歪みのみを分布的に安定して検知できる光ファイバセンサを、低コストで容易に製造することが可能な光ファイバセンサの製造方法を提供することを第二の目的とする。
本発明の請求項1に記載の光ファイバセンサは、同一の基材上に歪み検知用光ファイバと温度補償用光ファイバとが併設された光ファイバセンサであって、前記歪み検知用光ファイバは、前記基材上に固定されて配設され、前記温度補償用光ファイバが、前記歪み検知用光ファイバの直近において、前記基材上に固定されて配設されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の光ファイバセンサは、請求項1において、前記基材、前記歪み検知用光ファイバ及び前記温度補償用光ファイバが、耐熱性接着剤で一括して被覆されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の光ファイバセンサは、請求項1又は2において、前記温度補償用光ファイバが、中空構造を有していることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の光ファイバセンサの製造方法は、温度補償用光ファイバが、歪み検知用光ファイバの直近となるように、該温度補償用光ファイバと該歪み検知用光ファイバとを同一の基材上に固定して、該温度補償用光ファイバと歪み検知用光ファイバとを同一の基材上に併設することを特徴とする。
本発明の光ファイバセンサは、同一の基材上に歪み検知用光ファイバと温度補償用光ファイバとが併設され、前記温度補償用光ファイバが、前記歪み検知用光ファイバの直近において配設されている。このような構成をとることで、温度補償用光ファイバは、測定対象物と一体となって測定対象物の温度変化に起因する歪みのみを各測定ポイントごとに正確に抽出することが可能となる。これにより温度補償の誤差がなくなるので、その結果、歪み検知用光ファイバの検出値を温度補償用光ファイバの検出値で補正することで、純粋に測定対象物の変形、減肉等に起因する歪みのみを分布的に安定して検知することが可能となる。
また、本発明の光ファイバセンサの製造方法では、温度補償用光ファイバが、歪み検知用光ファイバの直近となるように、該温度補償用光ファイバと該歪み検知用光ファイバとを同一の基材上に固定して、該温度補償用光ファイバと歪み検知用光ファイバとを同一の基材上に併設している。これにより、本発明では、温度補償の誤差をなくし、測定対象物の変形、減肉等に起因する歪みのみを分布的に安定して検知できる光ファイバセンサを、低コストで容易に製造することが可能である。
以下、本発明について図面を参照しながら詳しく説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に何ら限定されるものではない。また、以下において「歪み」とは、特に断りのない限り、「光ファイバの長手方向の歪み」を指すものとする。
図1は、本発明の光ファイバセンサの一例を示すものであり、(a)は光ファイバの長手方向に垂直な面で切断した時の斜視図であり、(b)は断面図である。
この光ファイバセンサ1は、同一の基材2上に歪み検知用光ファイバ3と温度補償用光ファイバ4とが併設された光ファイバセンサであって、前記歪み検知用光ファイバ3は、前記基材2上に固定されて配設されている。
そして本発明の光ファイバセンサ1は、前記温度補償用光ファイバ4が、前記歪み検知用光ファイバ3の直近において、前記基材2上に固定されて配設されていることを特徴とする。
本発明の光ファイバセンサ1は、同一の基材2上に歪み検知用光ファイバ3と温度補償用光ファイバ4とが併設され、前記温度補償用光ファイバ4が、前記歪み検知用光ファイバ3の直近において配設されている。このような構成をとることで、温度補償用光ファイバ4は、測定対象物と一体となって測定対象物の温度変化に起因する歪みのみを各測定ポイントごとに正確に抽出することが可能となる。これにより温度補償の誤差がなくなるので、その結果、歪み検知用光ファイバ3の検出値を温度補償用光ファイバ4の検出値で補正することで、純粋に測定対象物の変形、減肉等に起因する歪みのみを分布的に安定して検知することが可能となる。
本発明において、基材2としては可撓性を有するものを用いることが好ましく、このような好ましいものとして、例えば、ステンレス等の各種金属、可挑性および耐熱性を有する各種樹脂等を挙げることができる。
また、基材2は、シート状の形状であることが好ましい。
歪み検知用光ファイバ3および温度補償用光ファイバ4は、基材2上に耐熱性接着剤7により一括して基材2上に固定されて配設されている。したがって、歪み検知用光ファイバ3は、測定対象物の歪みに伴って一体となって歪みを生じるようになっている。
本発明においては、歪み検知用光ファイバ3および温度補償用光ファイバ4として、光ファイバ単心線、光ファイバ素線等を用いることができる。なかでも、耐久性の向上および長寿命化の観点から、外周に強靭なカーボンコート層を設けたカーボンコート光ファイバ(光ファイバ心線等)を用いることが好ましい。
歪み検知用光ファイバ3と温度補慣用光ファイバ4との間の距離は、歪みを測定する環境下においてこれら光ファイバの温度がほぼ同じとなる限り、特に限定されない。
また、ここでは図示しないが、本発明の光ファイバセンサ1は、前記基材2上にポリイミド等からなるシート状の保護層が設けられたものでも良い。
そして本発明の光ファイバセンサ1では、前記基材2、前記歪み検知用光ファイバ3及び前記温度補償用光ファイバ4が、耐熱性接着剤7で一括して被覆されている。
基材2、前記歪み検知用光ファイバ3及び前記温度補償用光ファイバ4を、それらの長手方向に渡って耐熱性接着剤7で一括してコーティングすることで、歪み検知用光ファイバ3及び前記温度補償用光ファイバ4を基材2上に固定することができる。
また、耐熱性接着剤7で一括してコーティングすることで、基材2の裏面だけでなく、側面および表面も絶縁することが可能となり、光ファイバセンサ1の長手方向にわたって全体を絶縁することが可能となる。このため、配管等の測定対象物の表面状態によって、光ファイバセンサ1の布設状態や位置が変化した場合でも基材2が測定対象物に触れることを確実に防止し、測定対象物と基材2とが異なる金属材料からなる場合でも、異種金属接触によるガルバニック腐食を確実に防止することができる。その結果、錆の発生を防止し、光ファイバセンサ1が測定物から剥離することを防ぐことができる。
耐熱性接着剤7は、目的とする布設環境下での最高到達温度以上の耐熱温度を有していれば、特に限定されるものではなく、例えばポリエーテルスルホンやポリアリレート(長期耐熱温度150℃)、ポリエ−テルイミド(長期耐熱温度170℃)、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトンや全芳香族ポリエステル(長期耐熱温度230〜240℃)等が用いられる。また、その厚みも、光ファイバの固定、基材2の絶縁を確保できるものであれば特に限定されるものではない。
また、温度補償用光ファイバ4は、中空構造を有している。
図2に示すように、温度補償用光ファイバ4は、その外周を耐熱性樹脂からなるシース材5によって中空パイプ状に長手方向に渡って被覆されており、温度補償用光ファイバコード6とされている。
温度補償用光ファイバコード6は中空構造を有し、コード外被は耐熱性接着剤7により基材2に対して長手方向に渡って固定されている。光ファイバセンサ1は、測定対象物である配管に螺旋状に布設するため、熱膨張による伸び歪みは、主に光ファイバの径方向に加わることになる。温度補償用光ファイバ4には配管膨張による伸び歪み分以上の余長を持たせているため、温度補償用光ファイバ4には伸び歪みが印加されることはない。
このように、温度補償用光ファイバコード6を中空構造とすることで、温度補償用光ファイバ4には周囲の応力による歪みが全く加わらない状態とすることが出来る。その結果、温度補償用光ファイバ4は、温度変化による歪み、すなわちブリルアン周波数シフトと光ファイバ自体の線膨張に起因する歪みのみを検出することができる。この歪み量は温度変化に対して線形に変化するものであるため、計測した歪み量から温度を正確に求めることが可能となる。
シース材5は、目的とする布設環境下での最高到達温度以上の耐熱温度を有していれば、特に限定されるものではなく、例えばポリエーテルスルホンやポリアリレート(長期耐熱温度150℃)、ポリエ−テルイミド(長期耐熱温度170℃)、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトンや全芳香族ポリエステル(長期耐熱温度230〜240℃)等が用いられる。
本発明の光ファイバセンサ1は、基材2を布設面として測定対象物に布設して用いる。測定対象物が変形して歪みを生じると、光ファイバセンサ1も一体的に歪みを生じるので、この時の歪みを検出する。歪みの検出は、例えば、光ファイバにブリルアン散乱光の観測用の光パルス試験器(いわゆるBOTDR)を接続し、光パルス試験器を用いて光ファイバの光試験を行ってブリルアン散乱光を観測することで行う。具体的には、光ファイバに試験光を入射すると、該光ファイバの長手方向に歪みが生じている場合には、後方散乱光の一つであるブリルアン散乱光を生じ、放ブリルアン散乱光の波長は入射した試験光の波長からずれているため、この周波数シフト量から放光ファイバの歪み量を検出することができる。また、試験光入射後に、ブリルアン散乱光が前記光パルス試験器で受光、観測されるまでの時間(戻り時間)を検知することにより、光ファイバに歪みが生じている位置の概略を把握することができる。
しかし、光ファイバに温度変化が生じると、該光ファイバで実際に検出される歪み量は、測定対象物の歪み量と、光ファイバの温度変化に伴って生じる光ファイバ自身の歪み量とを合わせたものとなってしまう。
本発明の光ファイバセンサ1では、歪み検知用光ファイバ3で検出した歪み量から、温度補償用光ファイバ4で検出した歪み量を差し引くことにより、高精度に測定対象物の歪み量を測定することができる。すなわち、前述の通り、温度補償用光ファイバコード6は、中空構造を有しており、コード外被は耐熱性接着剤7を介して基材2に対して長手方向に渡って固定されているため、温度補償用光ファイバ4には周囲の応力による歪みが全く加わらない状態とされている。これにより測定対象物の歪みに伴って自身が歪みを生じることが無く、該温度補償用光ファイバ4自身の温度変化に伴う伸縮による歪み量のみを検出する。したがって、測定対象物の歪みに伴う歪み量と自身の温度変化に伴う自身の伸縮による歪み量との総和を検出する歪み検知用光ファイバ3の歪み量検出値から、前記温度補償用光ファイバ4の歪み量検出値を差し引けば、測定対象物の歪み量を正確に測定できる訳である。
このような温度の影響の補正は、具体的には、以下のようにして行う。すなわち、温度補償用光ファイバ4の光試験データから、ブリルアン散乱光の入射光に対する周波数の温度変化によるシフト量を求め、該シフト量を、歪み検知用光ファイバ3の光試験によって検出されたブリルアン散乱光の周波数のシフト量から差し引くことで、歪み検知用光ファイバ3の測定対象物の歪みに起因するブリルアン散乱光の周波数のシフト量を求めることができる。
あるいは、温度補償用光ファイバ4への入射光のラマン散乱光の後方散乱光を光パルス試験器で受光検出したデータから、ブリルアン散乱光の検出データを補正する手法を採用しても良い。温度補償月光ファイバ4への光の入射により検出されるラマン散乱光の後方散乱光は、該温度補償用光ファイバ4の温度によって強度が変化するので、検出されるラマン散乱光の後方散乱光の強度は、該温度補償用光ファイバ4の部分的な温度の違いに対応して異なる。そして、検出波形(ストークス光と反ストークス光のOTDR[Optical Time Domain Reflectometer] 波形)の散乱強度から両者の強度比をとり、所定の理論式から温度を求めれば良い。
このようにして、光ファイバの歪み量および歪み位置を検出することで、測定対象物の歪み量および歪み位置を特定することができる。
また、本発明の光ファイバセンサ1は、構造が簡便なので低コストで容易に製造することができ、測定対象物に布設するだけで良く、歪み量の測定も簡便に行うことができる。
また、本発明の光ファイバセンサ1は構造が簡便であるので、歪み検知用光ファイバ3および/または温度補償用光プァイバ4を、同一の基材2上に複数配設して光ファイバセンサ1としても良い。このように歪みの検出点を複数設けることで、測定対象物の歪み検出の精度をより向上させることができる。
以下、本発明の光ファイバセンサ1の製造方法について説明する。
本発明の光ファイバセンサ1の製造方法は、温度補償用光ファイバ4が、歪み検知用光ファイバ3の直近となるように、該温度補償用光ファイバ4と該歪み検知用光ファイバ3とを同一の基材2上に固定して、該温度補償用光ファイバ4と歪み検知用光ファイバ3とを同一の基材2上に併設することを特徴とする。
本発明では、温度補償用光ファイバ4が、歪み検知用光ファイバ3の直近となるように、該温度補償用光ファイバ4と該歪み検知用光ファイバ3とを同一の基材2上に固定して、該温度補償用光ファイバ4と歪み検知用光ファイバ3とを同一の基材2上に併設している。これにより、本発明では、温度補償の誤差をなくし、測定対象物の変形、減肉等に起因する歪みのみを分布的に安定して検知できる光ファイバセンサ1を、低コストで容易に製造することが可能である。
図3は、光ファイバセンサ1の製造工程の一例を示す工程図である。なお、図3においては、図1および2で説明したものと同一のものを指す場合には、図1および2で用いた符号をそのまま用いており、これらについての詳細な説明は省略する。
ロール状に巻かれた基材2、温度補償用光ファイバコード6および歪み検知用光ファイバ3を、基材2上に温度補償用光ファイバコード6および歪み検知用光ファイバ3が添えられた状態で同時に金型30内に導入する。そして金型30内で熱硬化性樹脂(すなわち耐熱性接着剤7)の単量体を含有する溶液をこれらに同時に塗布して、基材2、温度補償用光ファイバコード6及び歪み検知用光ファイバ3の表面を一括して前記溶液で覆う。
図4は、上記溶液(すなわち耐熱性接着剤7)を、基材2、温度補償用光ファイバコード6及び歪み検知用光ファイバ3の表面に一括して塗布する工程を説明する図である。(a)は金型30を光ファイバの走行方向に垂直な面で切断した時の断面図であり、(b)は上面図である。金型の上部には、上記溶液を金型内に供給するための注入口31が設けられている。
そして図4(c)に示すように、基材2上に温度補償用光ファイバコード6及び歪み検知用光ファイバ3が配されたものが金型30内を通過する際に上記注入口31から上記溶液を金型30内に供給することで、図4(c)に示すように、基材2、温度補償用光ファイバコード6及び歪み検知用光ファイバ3の表面に上記溶液を一括して塗布することができる。
上記金型30のサイズを調整することにより、耐熱性接着剤7(前記溶液)の塗布厚を容易にμmオーダーで調整可能となる。別材料を絶縁材として貼り合わせる必要は無く、長手方向に渡って均一なコーティングを保証でき、且つ長手方向にわたってセンサ全ての部分を確実に絶縁することが可能となった。
また、この時、前記溶液は、シース材5の外表面から外表面近傍の内部まで浸潤し得るが、温度補償用光ファイバ4の外周表面はシース材5で隙間無く添えられているので、前記溶液は温度補償用光ファイバ4の外周表面とシース材5の内表面との間には浸潤しない。
続いて、前記溶液を塗布された、基材2、温度補償用光ファイバ4および歪み検知用光ファイバ3を加熱炉32へ同時に導入する。該加熱炉32の内部は、前記単量体が硬化するために必要な温度以上の温度に設定されており、該加熱炉32の出口からは、温度補償用光ファイバコード6と歪み検知用光ファイバ3が基材2上に固定されるとともに、耐熱性接着剤7により一括してコーティングされたものが引き出される。これは、その後の引取までの間に耐熱性接着剤7である熱硬化性樹脂の硬化が完了して本発明の光ファイバセンサ1となり、最後にロール状に巻き取られる。
本発明では、耐熱接着剤により一括してコーディングを施すことで、歪み検知用光ファイバ及び前記温度補償用光ファイバを基材上に固定すると同時に、センサの長手方向にわたって全体を絶縁することが可能となる。これにより別途材料が不要となるとともに、製造工程を簡略化することができ、低コストで製造することができる。
以下、具体的な実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
基材にSUS304およびSUS430、歪み検知用光ファイバ及び温度補償用光ファイバに耐熱性コーティングを施したものを用いた。耐熱性シース材にはPFA樹脂、耐熱性接着剤としてポリイミドを使用した。
図3に示したような製造ラインにて、図4のような金型を使用して上述したような本発明の光ファイバセンサを試作した。
この光ファイバセンサを室温25℃環境下において、鉄製の配管に螺旋状に巻き付け、耐熱性接着剤としてポリイミドを使用して固定した。
このようにして作製した配管試験片をオーブン内に入れ、温度を25℃、100℃、200℃、300℃と加温して行った際の各温度での歪み量を測定した。さらに、配管上に耐熱歪みゲージを固定し、歪みゲージでの測定値との比較を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2009109225
表1から明らかなように、本発明の光ファイバセンサにより検知した配管歪み(歪み検知ファイバでの歪み測定値−温度検知用光ファイバでの歪み測定値)は、歪みゲージの値に対してほぼ同程度の検知レベルを有しており、非常に高精度に配管の歪みを測定可能であることが確認された。
この後、配管試験片に対し、さらに25〜300℃のヒートサイクルを5サイクル印加したが、歪み測定値の低下は認められず、測定再現性も非常に良好であった。
次に、前述したものと同様の配管試験片を使用し、機器による絶縁抵抗測定を実施して光ファイバセンサが絶縁されているかどうかを確認した。その結果、今回試作した光ファイバセンサが完全に絶縁されていることを確認した。したがって、測定対象物とセンサ基材とが異なる金属材料でも、異種金属接触によるガルバニック腐食を防止できることが確認された。
本発明の光ファイバセンサ及びその製造方法は、発電所、プラント等に配設された配管をはじめとする、極めて高温の環境下における各種構造物の歪みの測定に用いられる光ファイバセンサ及びその製造方法に適用可能である。
本発明の光ファイバセンサの一例を示す斜視図及び断面図である。 本発明の光ファイバセンサのうち、温度補償用光ファイバが、耐熱性樹脂で被覆されている様子を示す拡大縦断面図である。 本発明の光ファイバセンサの製造工程の一例を示す工程図である。 耐熱性接着剤を、基材、温度補償用光ファイバ及び歪み検知用光ファイバの表面に一括して塗布する工程を説明する図である。
符号の説明
1 光ファイバセンサ、2 基材、3 歪み検知用光ファイバ、4 温度補償用光ファイバ、5 シース材、6 温度補償用光ファイバコード、7 耐熱性接着剤。

Claims (4)

  1. 同一の基材上に歪み検知用光ファイバと温度補償用光ファイバとが併設された光ファイバセンサであって、
    前記歪み検知用光ファイバは、前記基材上に固定されて配設され、
    前記温度補償用光ファイバが、前記歪み検知用光ファイバの直近において、前記基材上に固定されて配設されていることを特徴とする光ファイバセンサ。
  2. 前記基材、前記歪み検知用光ファイバ及び前記温度補償用光ファイバが、耐熱性接着剤で一括して被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバセンサ。
  3. 前記温度補償用光ファイバが、中空構造を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバセンサ。
  4. 温度補償用光ファイバが、歪み検知用光ファイバの直近となるように、該温度補償用光ファイバと該歪み検知用光ファイバとを同一の基材上に固定して、該温度補償用光ファイバと歪み検知用光ファイバとを同一の基材上に併設することを特徴とする光ファイバセンサの製造方法。
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